JPH0688873A - 放射線線量率分布評価方法及び装置 - Google Patents

放射線線量率分布評価方法及び装置

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JPH0688873A
JPH0688873A JP23846392A JP23846392A JPH0688873A JP H0688873 A JPH0688873 A JP H0688873A JP 23846392 A JP23846392 A JP 23846392A JP 23846392 A JP23846392 A JP 23846392A JP H0688873 A JPH0688873 A JP H0688873A
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JP
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radiation
distribution
dose rate
radiation dose
rate distribution
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JP23846392A
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Masahiro Kondo
正弘 近藤
Tatsuo Izumida
龍男 泉田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放射線環境下にあり放射線源が変化する作業
場所の放射線線量率分布を、迅速かつ高精度で測定・評
価する。 【構成】 放射線源である機器7の周囲に放射線検出器
2を設置し、機器2による放射能分布を測定する。この
放射能分布と放射線線量率分布評価場所1に存在する機
器2の構造,材質等のデータを記憶装置5から読み出
し、機器7の構成が解体などで変化したときでも、放射
線線量率分布を信号処理装置4で演算評価し、出力図6
01として出力装置6から出力する。これにより、作業
場所の機器構成を把握した放射能測定・評価が可能とな
り、高精度に放射線線量率分布を評価できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力施設の放射線管
理を行う放射線線量率分布評価方法及びその装置に係
り、特に、原子力施設の解体の進行に伴う放射線線量率
分布の変化に対しても迅速,高精度に評価することがで
きる放射線線量率分布評価方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、原子力発電所においては、廃炉
解体に伴って、原子炉機器の除染,建屋コンクリート剥
離等の作業が発生する。これらの作業の大半が放射線環
境場であり、作業者の放射線被曝量と廃炉解体費用との
最適化を図った作業工程を立案する必要がある。この作
業工程を立案するためには、作業場所の正確な放射線線
量率分布を迅速かつ高精度に得る必要がある。
【0003】従来、原子力施設作業場所の放射線線量率
分布を測定する装置として、例えば特開昭60-165570号
公報記載のものがある。この従来技術では、測定対象評
価点に於ける放射線源強度と放射線源に起因する放射線
線量率との相関関係を予め求めておき、放射線線量率測
定値から放射線源強度算出し、この算出結果と遮蔽デー
タに基づいて放射線線量率分布を評価している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、放射線源強度と放射線源に起因する放射線線量率と
の相関関係を予め求めておくことで、放射線線量率分布
を求めている。これは、放射線源の機器構成が変化しな
いことを前提としている。つまり、原子力発電所の定期
検査のような場合を前提としており、放射線線量率分布
の変化の少ない作業場所の評価に適している。従って、
廃炉解体のように、解体の進行に伴って、放射線源とな
る機器の構成が激しく変化し放射線の減衰・散乱量が変
動する場所に適用しても、正確な放射線線量率分布を得
ることができないという問題がある。また、放射線検出
器に放射線線量率計を用いているため、機器内の放射線
源の核種強度比率が変化した場合、放射線源強度と放射
線源に起因する放射線線量率との相関関係が変化してし
まうという問題もある。即ち、予め求めておいた相関関
係と異なるため、正確な放射線線量率分布を求めること
ができない。
【0005】本発明の第1の目的は、原子力施設の廃炉
解体を伴って、放射線源を含有している機器等の構成す
る作業場所の放射線線量率分布を迅速に測定・評価で
き、且つ、機器内の放射線源の核種の強度比率が変化し
た場合でも正確な放射線線量率分布を求めることができ
る放射線線量率分布評価方法及びその装置を提供するこ
とにある。
【0006】本発明の第2の目的は、上記放射線線量率
分布から廃炉解体作業者の被曝量と解体費用の最適化を
図った廃炉解体作業工程の立案・支援評価方法及びその
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、機器
内の核種インベントリを第1手段でモニタし、該機器の
線量率を第2手段でモニタし、これらのモニタ結果と、
原子力施設の機器等の構造,形状,材質などのプラント
情報を格納したデータベース(第3手段)から、機器構
成変化毎に放射線線量率分布を求めることで、達成され
る。
【0008】上記第2の目的は、第1の目的を達成する
発明で得た結果である放射線線量率分布と、原子力施設
の廃炉解体に於ける作業内容のデータベースを有する第
4手段により、作業工程の立案,支援を行うことで、達
成される。
【0009】
【作用】機器による放射線の遮蔽・散乱量は該機器の構
造,材質等の密度分布と機器内に存在する核種の放射能
強度及び分布によって変化する。このため、放射線線量
率分布を正確に求めるために、機器内に存在する放射能
強度及び核種を把握し、且つ、機器の構造、材質等によ
る放射線の遮蔽・散乱量を放射能核種毎に同定する必要
がある。
【0010】本発明では、第1手段で、放射能の種別と
強度を同時に求める。即ち、放射線エネルギ分布を測定
する。例えば、第1手段を機器の周囲に配置する。現
在、原子力施設の設計等は計算機で実施されており、原
子力施設内に設置されている機器の構造,材質等の各種
情報は、計算機内にデータベース化されている。そこ
で、このデータベース(第3手段)を利用して機器構成
変化毎に放射線線量率分布を求める。
【0011】機器内に存在する放射能強度を核種毎に測
定し、その核種に対する該機器の放射線吸収分布に基づ
く応答関数Rijを該機器等の形状,構造,材質などのプ
ラント情報から求め、さらに、測定して得た核種の放射
線計数率分布Ciから、次式5
【0012】
【数5】
【0013】で機器内に存在する放射能分布Ajを評価
する。また、放射線線量率分布Diは、該放射能分布Aj
と該応答関数Rijから測定効率に関する情報を取り除い
た応答関数R’ij及び線量率変換係数αを用いて、次式
【0014】
【数6】
【0015】で求めことができる。
【0016】機器内の核種インベントリを測定する第1
手段は、一般に設備が大がかりであり、これを原子力施
設の機器の周囲に全て配置すると、設備費用および設置
時間が大幅にアップする。この問題点を回避するため
に、該機器の周囲に、線量率を測定する第2手段を設置
する。この第2手段は放射線のエネルギを識別測定する
ことは不可能であるが、第1手段と第2手段の間には、
次式7の関係が成り立つ。
【0017】
【数7】
【0018】また、一系統の機器内の核種強度比率はほ
ぼ等しいと云うことを用いて、第2手段で得た結果から
第1手段で得る放射能の種別と強度を評価することが可
能となる。即ち、原子力施設の各系統の機器の周囲に配
置する第1手段の数を低減することができ、簡易な装置
構成で第1の目的が達成できる。
【0019】次に、応答関数Rijの求め方を述べる。放
射線には、α,β,γ,X線及び中性子線がある。一般
的に非破壊で測定可能なものはγ線及びX線である。こ
のγ線に於ける応答関数Rijを評価する方法として、例
えば、機器群をいくつかの微小体積に分割し、その各々
を点線源とみなして、放射能の減衰を指数減衰及び距離
の逆二乗減衰で評価し、また、散乱量をビルドアップフ
ァクタで近似する方法(点減衰核積分法)がある。体積
dvの微小要素からエネルギEのγ線が放出されている
とき、任意の点に於けるdvからの応答関数dRを次式
8で評価する。
【0020】
【数8】
【0021】これを全微小要素に対して積分すれば、応
答関数Rijを求めることができる。以上のことから、簡
易な装置構成で第1の目的が達成可能となる。
【0022】次に、第4手段について述べる。原子力施
設での作業者の体外被曝は、作業場所の放射線線量率分
布と作業時間と作業内容及び作業方法で評価することが
できる。また、原子力施設の作業は被曝量及び作業時間
が法律による規制を受けるため、作業者の被曝量が予め
求まれば、作業費用を踏まえた最適化した作業工程を立
案・支援することが可能となる。従って、作業内容、作
業方法等の放射線作業に関するデータベースと、前記第
1〜第3手段で得る原子力施設の作業場所の放射線線量
率分布データとをリンクし、線量率と被曝量と作業費用
の最適化問題を解くことで、この作業工程の立案・支援
することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図3を参照
して説明する。先ず、最初に本発明の一実施例に係る放
射線線量率分布測定(評価)装置の全体構成とその動作
について説明する。
【0024】図1は、放射線線量率分布測定(評価)装
置の概念図である。原子力施設に於ける放射線線量率分
布評価場所1内の放射線線量率分布の影響因子の一つで
ある放射線源となりうる機器7の周囲に、放射線検出器
2(●で示す。)を、2次元的に複数個(図示の例では
8個)配置する。放射線検出器2をこのように機器7の
周囲に複数個配置し、放射線源となる機器7から放出さ
れる放射線を検出する。この放射線検出器2で検出した
放射線信号は、信号伝送器3にて信号処理装置4まで伝
送される。
【0025】信号処理装置4は、機器7に存在する放射
能強度及び核種を評価・同定する他、信号処理装置4に
接続されている磁気記憶装置5から、原子力施設の放射
線線量率分布評価場所1内に存在する機器7の構造,材
質,配置等のデータを呼出し、機器7内での放射線の減
衰・散乱量を核種毎に評価し、先に求めた機器7に存在
する核種毎の放射能強度と合わせて演算評価すること
で、放射線線量率分布評価場所1の放射線線量率分布を
求める。
【0026】なお、この演算処理方法については後述す
る。ここで求めた放射線線量率分布は、強度別に色彩化
され、線量率分布評価場所1内の構成機器の断面図上に
オーバーライトし、出力装置6によって画面出力または
図面出力される。出力装置6の出力例601を図1に合
わせて示す。
【0027】一般に放射線線量率分布は、放射線源の放
出するγ線エネルギとその線源強度と線源の分布形状、
放射線源と放射線検出器間の相互作用(放射線の遮蔽、
減衰、散乱)から決定される。これら放射線線量率を決
定する因子の測定方法及び評価方法を図2と図3を用い
て説明する。
【0028】図2は、本実施例に係る放射線線量率分布
測定(評価)装置のブロック図(図1に示す信号処理装
置の詳細構成図)であり、信号処理装置4は、放射線検
出信号を処理する測定器8,9と、測定結果を演算処理
する演算処理部4aからなる。
【0029】放射線線量率分布評価場所1内の放射線線
量率分布に影響を与える機器7の内部に、図示されてい
ない放射性物質が存在する。この放射性物質は、放射線
を放出している。機器7の周囲に配置された放射線検出
器201,202でこの機器7を透過してくる放射線を
測定する。なお、機器7のような物質を透過することが
できる放射線はγ線である。
【0030】放射線検出器201は、放射能の種別と強
度を同時に測定することができるものであり、NaI
(Tl)シンチレーション検出器、高純度Ge半導体検
出器等を用いることができる。一方、放射線検出器20
2は線量率を測定するものであり、電離箱、PN接合型
Si半導体検出器等を用いることができる。検出器20
1には、測定領域以外からの放射線、つまり、妨害とな
る放射線(バックグランド放射線)を削除するコリメー
タ10が配置されている。なお、検出器202にもバッ
クグランド放射線を削除するため、図示は省力したが、
同様のコリメータが具備されている。
【0031】機器7から放出したγ線は放射線検出器2
01で検出され、その検出信号が図1に示す信号伝送器
3によって、γ線エネルギ分布測定器8に入力され、γ
線エネルギ分布測定器8は、機器7に於ける放射線検出
器201が見込む領域のγ線エネルギ分布を得る。この
γ線エネルギ分布とは、γ線エネルギに対する計数値分
布のことであり、γ線放出核種は核種毎に決まったエネ
ルギのγ線を放出するため、このγ線エネルギ分布を解
析することで核種を同定することができる。
【0032】このγ線エネルギ分布の解析方法の一例を
以下に示す。γ線エネルギ分布測定器8内にはγ線エネ
ルギに対応したデータ格納番地があり、該データ格納番
地に対応するγ線エネルギの放射線量(計数値)が格納
されている。即ち、該データ格納番地の内容である計数
値の数が統計的変動に対して優位であれば、そのデータ
格納番地のγ線エネルギが測定されていることになる。
そこで、放射線源が放出するγ線エネルギのテーブルを
線源毎に用意しておき、γ線テーブル内容に対するデー
タ格納番地の内容の計数値の有無を判別することで核種
を同定でき、且つ、その計数値より強度が分かる。
【0033】また、機器7から放出したγ線は放射線検
出器202でも検出される。その検出信号が、同様に信
号伝送器3によって、γ線グロス計数値測定器9に入力
され、γ線グロス計数値測定器9は、機器7に於ける放
射線検出器202が見込む領域のγ線グロス計数値を得
る。このγ線グロス計数値に放射線検出202の線量率
変換係数を乗じて機器7の表面線量率を求めることがで
きる。また、放射線検出器201と放射線検出器202
の間に次の関係式9が成立する。
【0034】
【数9】
【0035】上記の関係が成立する他、一系統の機器内
の核種強度比率はほぼ等しいと想定される。つまり、一
系統の機器において、異なる測定場所でも該機器の構造
・材質が同じであれば、計測される放射能分布の形状は
相似になる。このことは、線量率に応じて放射能分布の
高さが全体的に変化するだけであり、放射線検出器20
2で得た結果から、放射線検出器201で得る放射能の
種別と強度を評価することが可能となる。即ち、高価で
あり、且つ、大規模計測器となる放射線検出器201の
設置台数を低減でき、簡易なシステム構成となる。
【0036】機器7に存在する放射性物質の形状は、上
記放射線測定に於ける誤差要因となる。しかし、原子力
施設の機器7は円筒の配管群が圧倒的に多く、放射性物
質のほとんどが機器7の内表面に面状に分布し、且つ、
放射線検出器201,202が見込む微小領域は均一と
仮定できるので、この放射性物質の形状による誤差は無
視できる。
【0037】以上の方法で得た、γ線エネルギ分布測定
器8及びγ線グロス計数値測定器9の出力情報を演算処
理部4aに引き渡すと、演算処理部4aは、機器7内の
放射能核種別強度及び表面線量率データと、信号処理装
置4に接続された磁気記憶装置5に有している原子力施
設の機器7等のプラント情報とから、画像処理して放射
線線量率分布評価場所1内の機器構成の断面図を作成す
るほか、後述する方法で演算処理することで、放射線線
量率分布評価場所1内の放射線線量率分布を求め、該機
器構成断面図上に放射線線量率分布をオーバーライト
し、その結果を出力装置6から出力する。
【0038】引き続き、図3を用いて放射線線量率分布
及び作業工程の評価手法について説明する。図3は評価
手順を示すフローチャートである。機器7内部に存在す
る放射性物質の核種は、上述したγ線エネルギ分布測定
器8の核種テーブルを参照する方法で知ることができ
る。しかし、機器7の内部に存在する放射能量(強度)
を核種別に定量するためには、機器7の構造及び材質を
知らなければならない。何故ならば、γ線は機器7を透
過する際に、機器7の構造及び材質により透過量と散乱
量が変化するためである。この透過量と散乱量を正確に
把握するために、本実施例では、放射線検出器201の
計数効率と幾何学的効率と核種が放出するγ線エネルギ
と機器7の構造・材質によって定まる量である応答関数
Rijを評価する。これは、機器7の構造・材質を、設計
図面等のデータベース(磁気記憶装置5)より引き出
し、演算処理部4aで計算することにより行う。この応
答関数Rijの求め方について以下に記述する。
【0039】放射線には、α,β,γ,X線及び中性子
線がある。一般的に非破壊で測定可能なものはγ線及び
X線である。このγ線に於ける応答関数Rijを評価する
方法として、例えば、機器群をいくつかの微小体積に分
割し、その各々を点線源とみなして放射能の減衰を指数
減衰及び距離の逆二乗減衰で評価し、また、散乱量をビ
ルドアップファクターで近似する方法(点減衰核積分
法)がある。体積dvの微小要素からエネルギEのγ線
が放出されているとき、任意の点に於けるdvからの応
答関数dRを次式10で評価する。
【0040】
【数10】
【0041】これを全微小要素に対して積分すれば、応
答関数Rijを求めることができる。即ち、機器7群の構
造、材質情報を磁気記憶装置5から呼出し、該機器7群
をメッシュ分割し各メッシュに対して上記演算処理を施
すことになる(図3のステップ1)。また、実際の計算
では、γ線が透過する空間を分割(i,j)を行い、さ
らに、線源を多数の線源要素に分割し、γ線エネルギの
離散化を実施する必要がある。
【0042】従って、機器7から放出されるγ線を機器
7の周囲で測定し、γ線エネルギ分布測定器8でγ線エ
ネルギ(E)とγ線(E)の計数値を得、γ線(E)の
計数値を測定時間で除することで、γ線(E)の計数率
分布Ciを求めると(ステップ2)、次式11
【0043】
【数11】
【0044】の関係があり、この式11の逆行列演算を
施すことにより、機器7内の放射能分布Ajを求めるこ
とが可能となる(ステップ3)。
【0045】また、放射線線量率分布評価場所1内の放
射線線量率分布Diは、機器7に存在する放射能分布Aj
によって決定することから、上記演算手法と同様に放射
線線量率分布Diは、次式12で求めることができる。
【0046】
【数12】
【0047】前述した式5の応答関数Rijと比較して、
式6に於ける応答関数R’ijの相違点は、放射線測定上
の因子である幾何学的効率等を含む放射線検出器の測定
効率が含まれていないだけである。この測定効率の影響
は、使用する放射線検出器の特性とコリメータ10の形
状と機器7に於ける放射線検出器2の設置状態で評価で
きる。これら因子は放射線測定上のハード的な固有値で
あるため、測定効率は予め求めておくことができる。以
上のことから、機器7の放射能強度を測定すれば放射線
線量率分布を求めることができる(ステップ4)。
【0048】次に、作業工程の評価方法について記述す
る。作業者の体外被曝は、吸収線量,線質係数及び修正
係数の積で定義される。γ線において、線質係数及び修
正係数は一定値であることから、吸収線量を評価すれ
ば、作業者の被曝量を求めることができる。さらに、こ
の吸収線量は近似的に作業場所の放射線線量率とその場
所での作業時間の積で表わせる。即ち、原子力施設内で
作業する作業者の被曝量は、作業場所の放射線線量率と
作業時間と作業内容、及び作業方法で求めることができ
る。また、原子力施設内の作業は作業時間及び被曝量が
法律により規制されており、例えば、作業時間は10時
間以内、被曝量は、眼の水晶体が0.15Sv/年、水
晶体以外の組織では0.5Sv/年などである。従っ
て、作業者の被曝量が予め推定できれば、作業費用等を
含めた最適化した作業工程を立案することが可能とな
る。以下、その内容を記す。
【0049】原子力発電所の場合、一定期間毎に機器の
点検(定期検査)を実施しており、その定期検査に関す
る作業のデータベース(作業内容、作業方法、作業時間
等)を有している。つまり、作業内容を決定さえすれ
ば、作業場所,作業時間等を求めることは意図も簡単で
ある。ここで、上述した方法で得た放射線線量率分布デ
ータを作業のデータベースとリンクさせることで、作業
者の被曝量を評価できる。以上のことから、被曝量と期
間及び費用との最適化の問題を信号処理装置で解くこと
により作業工程の最適化が図れる。原子力施設の廃炉解
体の作業方法は定期検査の工法の延長上であり、大半の
作業データベースが利用可能と想定されるため、廃炉解
体時でも作業工程の最適化が図れる(図3のステップ
5)。
【0050】以上のように、本発明は簡易な放射能測定
装置と計算機等の信号処理装置で構成されるため、原子
力施設の廃炉解体に伴い、放射線線量率分布評価場所1
内の機器7群の構成が変化しても、その機器7群の変化
情報を信号処理装置4の磁気記憶装置5のプラントのデ
ータベースにキーボード等の入力手段でインプットし、
該データベースを更新することで、機器構成が変化して
いく原子力施設の廃炉解体時でも、容易に且つ精度良く
対応できる。また、放射線検出器2で連続的に放射線を
モニタし、且つ、毎回、応答関数Rijを評価するため、
放射線線量率分布を短時間でリフレッシュ可能であり、
原子力施設の廃炉解体のように放射線線量率の変化の激
しい場合でも、作業工程の支援、並びに、訂正が迅速に
できる。
【0051】さらに、原子力施設を廃炉解体する場合、
機器内に付着している放射性物質を除染する。この除染
作業においては、放射性廃棄物の発生量及び廃棄物の処
理処分費用の低減を図るため各種の除染手法を用いる。
このため除染効果を正確に評価する必要がある。そこ
で、本発明で、機器7が放出するγ線を放射線検出器2
で測定し、一定時間間隔、または除染作業の開始前と終
了後に機器7に存在する放射能強度及び核種を信号処理
装置4で求め、その変化率を評価することで除染効果が
正確に得られる。この除染効果が評価できると、以降の
除染に使用する除染液、除染時間等が推定でき除染作業
の計画作成と云う二次的な効果を得ることができる。
【0052】以上の実施例では、バックグランド放射線
の影響を取り除くために放射線検出器2にコリメータ1
0を設けた。しかし、通常の放射線検出器201は大型
であるため、これを遮蔽するコリメータは大型・重量化
し、取付けが大変である。そこで、図4に示すように、
放射線検出器201の前方に移動シャッタ11を設け
る。この移動シャッタ11を矢印方向にsin移動制御
することで機器7から放出したγ線が移動シャッタ11
で減衰し、放射線検出器201で測定されるγ線強度が
sin変調(図5のbの波形)される。一方、バックグ
ランド放射線は一定な強度(図5のa)で放射線検出器
201に入射するため、図5のようなsin変調された
放射線信号をフーリエ変換等の周波数解析すればバック
グランド放射線の影響を取り除くことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、原子力施設の放射線環
境下にある作業場所の機器構成の変化を把握した放射能
測定・評価が簡単な装置構成で可能となり、放射線線量
率分布を迅速、且つ、高精度で評価できる。また、作業
工程を最適化したものを立案及び支援することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る放射線線量率分布評価
装置の全体構成図である。
【図2】図1に示す信号処理装置の詳細構成図である。
【図3】放射線線量率分布の評価手順を示すフローチャ
ートである。
【図4】放射線検出器の設置状態の変形を例を示す図で
ある。
【図5】γ線のsin変調を示すグラフである。
【符号の説明】
1…放射線線量率分布評価場所、2…放射線検出器、3
…信号伝送器、4…信号処理装置、4a…演算処理部、
5…磁気記憶装置、6…出力装置、7…機器、8…γ線
エネルギ分布測定器、9…γ線グロス計数値測定器、1
0…コリメータ、11…移動シャッタ。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線環境下にある作業場所の放射線線
    量率分布を測定・評価する方法において、放射線線量分
    布測定領域内に存在する機器に対する核種の放射線吸収
    分布と該機器自体から放出される放射線計数率分布とに
    基づいて放射能分布を評価し、前記放射線吸収分布から
    測定効率に関する情報を取り除いた分布と線量率変換係
    数とを用いて放射線線量率分布を求めることを特徴とす
    る放射線線量率分布評価方法。
  2. 【請求項2】 放射線環境下にある作業場所の放射線線
    量率分布を測定・評価する方法において、 放射線線量分布測定領域内に存在する機器における核種
    の放射線吸収分布に基づく応答関数Rijと該機器自体か
    ら放出される放射線計数率分布Ciを求め、次式1 【数1】 から放射能分布Ajを評価し、前記応答関数Rijから測
    定効率に関する情報を取り除いた応答関数R’ijと線量
    率変換係数αを用いて、次式2 【数2】 から放射線線量率分布Diを求めることを特徴とする放
    射線線量率分布評価方法。
  3. 【請求項3】 放射線環境下にある作業場所の放射線線
    量率分布を測定・評価する方法において、 放射線源となる機器に起因する放射線を測定して放射線
    エネルギ分布を評価し、その放射線エネルギ分布から該
    機器に存在する放射能Aiの核種を同定し、放射線線量
    分布測定領域内に存在する各機器の構造,材質,形状等
    のプラントデータから該同定核種毎の放射線吸収分布に
    基づく応答関数Rijを求めることを特徴とする放射線線
    量率分布評価方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、放射線線量分布測定
    領域内に存在する一系統機器に存在する核種の強度比率
    を等しいとおくことにより放射線エネルギ分布を測定す
    る検出器の設置台数を減らし、減らした分の放射線デー
    タを線量率を測定できる検出器で補完することを特徴と
    する放射線線量率分布評価方法。
  5. 【請求項5】 放射線環境下にある作業場所の放射線線
    量率分布を測定・評価する方法において、 請求項2で求めた放射線線量率分布Diと該放射線環境
    下での作業内容等のデータとから作業工程の立案・支援
    をすることを特徴とする作業工程評価方法。
  6. 【請求項6】 放射線環境下にある作業場所の放射線線
    量率分布を測定・評価する装置において、 放射線線量分布測定領域内に存在する機器における核種
    の放射線吸収分布に基づく応答関数Rijと該機器自体か
    ら放出される放射線計数率分布Ciを求める手段と、次
    式3 【数3】 から放射能分布Ajを評価する手段と、前記応答関数Ri
    jから測定効率に関する情報を取り除いた応答関数R’i
    jと線量率変換係数αを用いて次式4 【数4】 から放射線線量率分布Diを求める手段とを備えること
    を特徴とする放射線線量率分布評価装置。
  7. 【請求項7】 放射線環境下にある作業場所の放射線線
    量率分布を測定・評価する装置において、 放射線源となる機器に起因する放射線を測定して放射線
    エネルギ分布を測定する手段と、その放射線エネルギ分
    布から該機器に存在する放射能Aiの核種を同定する手
    段と、放射線線量分布測定領域内に存在する各機器の構
    造,材質,形状等のプラントデータから該同定核種毎の
    放射線吸収分布に基づく応答関数Rijを求める手段とを
    備えることを特徴とする放射線線量率分布評価装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、放射線線量分布測定
    領域内に存在する一系統機器に存在する核種の強度比率
    を等しいとおくことにより放射線エネルギ分布を測定す
    る検出器の設置台数を減らし、減らした分の放射線デー
    タを線量率を測定できる検出器で補完する手段を備える
    ことを特徴とする放射線線量率分布評価装置。
  9. 【請求項9】 放射線環境下にある作業場所の放射線線
    量率分布を測定・評価する装置において、 請求項6で求めた放射線線量率分布Diと該放射線環境
    下での作業内容等のデータとから作業工程の立案・支援
    をすることを特徴とする作業工程評価装置。
  10. 【請求項10】 原子炉廃炉時の原子炉解体作業の進行
    に伴って放射線源機器構成が変化したときの解体作業場
    所の放射線線量率分布を評価する方法において、解体作
    業場所に設置した検出器による放射線検出データと、解
    体対象原子炉を構成する前記機器の予め蓄積されている
    構造データとから、ある放射線源機器を取り除いた後の
    前記解体作業場所における残りの放射線源機器による放
    射線線量率分布を演算することを特徴とする放射線線量
    率分布評価方法。
  11. 【請求項11】 原子炉廃炉時の原子炉解体作業の進行
    に伴って放射線源機器構成が変化したときの解体作業場
    所の放射線線量率分布を評価する装置において、解体作
    業場所に設置した放射線検出器、解体対象原子炉を構成
    する前記機器の構造データを予め格納したデータベース
    と、前記放射線検出器の検出信号及び前記データベース
    の蓄積データとからある放射線源機器を取り除いた後の
    前記解体作業場所における残りの放射線源機器による放
    射線線量率分布を演算して求める演算手段とを備えるこ
    とを特徴とする放射線線量率分布評価装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の放射線線量率分布評
    価装置と、該放射線線量率分布評価装置による放射線線
    量率分布と作業員の被曝量及び作業期間並びに作業費用
    との最適化の問題を解く手段とを備えることを特徴とす
    る原子炉解体作業立案・支援装置。
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