JPH0689040B2 - 高純度のエリスロポエチンの製法 - Google Patents

高純度のエリスロポエチンの製法

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JPH0689040B2
JPH0689040B2 JP23153982A JP23153982A JPH0689040B2 JP H0689040 B2 JPH0689040 B2 JP H0689040B2 JP 23153982 A JP23153982 A JP 23153982A JP 23153982 A JP23153982 A JP 23153982A JP H0689040 B2 JPH0689040 B2 JP H0689040B2
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epo
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隆造 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、再生不良性貧血患者の尿からエリスロポエチ
ンを高純度で効率よく製造する方法に関する。
エリスロポエチン(EPO)は、赤血球生成促進因子とも
呼ばれ、骨ずいに存在する赤血球系幹細胞に働いて赤血
球系細胞への分化を促進させる一種のホルモンであり、
主として腎で生成されると考えられている。EPOの生成
を調節するのは、酸素需要供給のバランスであり、酸素
欠乏状態に陥ると生成が亢進し、逆に酸素過剰状態にな
ると生成が減少する。例えば、再生不良性貧血患者で
は、EPOの生成が増加し、EPOが尿に排せつされるように
なる。EPOは市販されており、分子量4〜5万の酸性糖
タンパク質であるが、化学構造は完全には解明されてい
ない。EPOは貧血患者、手術後患者、腎摘出後の人工透
析患者に広く適用可能な医薬である。
再生不良性貧血患者の尿中にEPOが含まれていることは
前記のとおりであるが、その含量は極めて低く全尿タン
パク質中約0.01〜0.02重量%程度とみられている。この
ため、患者尿からEPOを有効に得ることは困難であり、
通常のクロマト吸着法ではEPOを高純度で効率よく採取
することはできない。
本発明者らは、免疫抗体を結合させた吸着カラム(抗体
吸着カラム)を使用して再生不良性貧血患者の尿から免
疫特異的にEPOを製造する方法について検討を行ってき
た。カラムに使用する抗体を得るべく、患者尿中のタン
パク質でマウスを免疫したところ、EPOに対する抗体は
殆んど得られなかった。これは尿タンパク質中のEPO含
量が極めて低いためである。そこで、逆に、患者尿に含
まれているEPO以外のタンパク質に着目して、このもの
に対する抗体を結合させた抗体吸着カラムを作成し、こ
れにEPO以外の尿タンパク質を吸着させて除去し目的のE
POを非吸着分として得る方法について研究を進めた。そ
の結果、EPO以外のタンパク質に対する多種類のモノク
ローナル抗体を結合させた抗体吸着カラムを使用すると
首尾よくEPO以外の尿タンパク質を吸着除去しえて結果
的に高純度のEPOを有効に取得できること、そして、か
かる多種類のモノクローナル抗体が、特定2種の細胞間
の細胞融合により作られたハイブリドーマ細胞から安定
的に得られることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記要旨のものである。
再生不良性貧血患者の尿を濃縮濾過して低分子画物を除
去し脱塩して得た全尿タンパク質で免疫したマウスの脾
臓細胞と、マウスのミエローマ細胞とを細胞融合させた
ハイブリドーマ細胞であって、該患者の尿に含まれるエ
リスロポエチン以外の尿タンパク質に対するモノクロー
ナル抗体を産生する多種類のハイブリドーマ細胞により
得られた多種類のモノクローナル抗体が結合しており、
該モノクローナル抗体は、目的物エリスロポエチンを非
吸着成分として実質的に精製し取得することを可能にす
るエリスロポエチン以外の多種類の全尿タンパク質由来
抗原を結合しうるモノクローナル抗体複合体であるとこ
ろの吸着剤を充填したカラムに、再生不良性貧血患者の
尿又はその処理物を接触させてエリスロポエチン以外の
尿タンパク質を吸着除去し非吸着分としてエリスロポエ
チンを取得することを特徴とする高純度のエリスロポエ
チンの製法。
本発明の製法は、EPO以外の尿タンパク質を吸着除去
し、目的のEPOを非吸着分として得るもので、いわば逆
相吸着法に当るものである。本発明によれば、使用吸着
剤に結合させた多種類の抗体が1つ1つのモノクローナ
ル抗体であるから結合抗体に同一の性質を持たせること
ができ、また、モノクローナル抗体が選出樹立されたハ
イブリドーマ細胞により産生されるから結合抗体を安定
的に入手することができ、このため患者尿からEPO以外
の尿タンパク質を免疫特異的に吸着除去し結果的に高純
度のEPOを効率よく製造することができる。
本発明では多種類のモノクローナル抗体が結合している
吸着剤が使用される。そして、これらモノクローナル抗
体は多種類のハイブリドーマ細胞により産生される。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、
再生不良性貧血患者の全尿タンパク質で免疫したマウス
の脾臓細胞と、マウスのミエローマ細胞とを細胞融合し
て作られる。マウスの脾臓細胞とマウスのミエローマ細
胞との間で細胞融合させる。ミエローマ細胞は悪性腫瘍
細胞の1種であって増殖性に富む細胞である。
マウスに対する免疫(抗原抗体反応)は、再生不良性貧
血患者の全尿タンパク質を抗原として使用しこれをマウ
スに投与して行う。ここに抗原としての全尿タンパク質
は、再生不良性貧血患者の尿から得られたもので、患者
尿を濃縮過して低分子画分を除去し脱塩したものであ
る。通常、患者尿1当り約23mgの全尿タンパク質が得
られる。なお、全尿タンパク質中のEPOの含量は極めて
少なく、EPO活性は通常、全尿タンパク質1mg当り19単位
程度である。
マウスへの抗原投与は通常腹腔内注射により行われ、免
疫を充分に進めるため、例えば2週間の間隔をあけて数
回注射する。注射液は、前記の全尿タンパク質の粉末を
例えばPBSと呼ばれる燐酸塩緩衝食塩水に溶解しこれに
フロイントのアジユバントを混合してエマルジヨンを形
成させて調製する。
このようにして免疫したマウスから、免疫処理終了後か
ら約3日後に脾臓を摘出し、この脾臓細胞(主にB細
胞)と、別に調製したマウスのミエローマ細胞との間で
細胞融合を行わせる。マウスのミエローマ細胞は市販の
もの例えば、P3−NSI/1−Ag4−1,P3−X63−Ag8,P3−X63
−Ag8653などを培養して増殖させたものを使用する。
細胞融合は、公知の技法に従って行われる。通常、ペニ
シリン(100μg/ml)及びストレブトマイシン(100単位
/ml)にさらに2mMグルタミン、1mMピルビン酸を添加し
たRPMI1640合成培養液(以下RPMI1640と記す。)と、牛
胎児血清(FCS)との混合液中で前記脾臓組織を細断し
単細胞化して細胞を充分に分散し遠心分離で上清を取り
除いた後、脾臓細胞をRPMI1640に分散し、これに前記ミ
エローマ細胞を混合し、遠心後、上清を除去した混合細
胞に対し、細胞融合剤のポリエチレングリコール1500の
50%溶液を添加して細胞融合させる。
かくして作られた融合細胞の中から雑種の、いわゆるハ
イブリドーマ細胞をHAT選択によって選び出す。
ここにHAT選択とは、脾臓細胞とミエローマ細胞との融
合により生じた融合細胞をHAT(ヒポキサンチン−アミ
ノプテリン−チミジン)培地での培養結果から選択的に
取り出すことであり、その原理は次のとおりである。す
なわち、ここで使用したマウスのミエローマ細胞は、ヒ
ポキサンチン ホスホリボシル トランスフエラーゼ欠
損株であるためDNA合成のサルベージ回路がない。した
がって、HAT選択培地中ではアミノプテリンによりDNA合
成のドウノボ(de novo)回路も阻害され生育ができな
い。一方、脾臓細胞はDNA合成のサルベージ回路を有す
るが、試験管内で長期間にわたり分裂、増殖することが
できない。HAT選択培地で生育してくる細胞は、ミエロ
ーマ細胞が脾臓細胞と融合してミエローマ細胞のサルベ
ージ回路が回復した株、つまり脾臓細胞とミエローマ細
胞とのハイブリドーマ細胞のみである。
HAT選択はマイクロタイタープレートを使用して行うこ
とができる。例えば、同種及び雑種の融合細胞を96穴マ
イクロタイタープレート上にまいてHAT培養液で培養を
行い、約2週間後ハイブリドーマ細胞が死滅しないで増
殖している穴を確認しハイブリドーマを得る。
ハイブリドーマの生育が認められた穴の数に対応して、
マウス1匹当り約150種類の細胞が得られ、マウス5匹
分では760種類のハイブリドーマが得られる。
次に、かくして選ばれたハイブリドーマが再生不良性貧
血患者の尿に含まれるEPO以外の尿タンパク質と特異的
に結合するモノクローナル抗体を産生するか否かをソリ
ッドフエーズ法にて検定する。
ここにソリッドフエーズ法とは、ポリビニルクロライド
製のマイクロプレートの穴(ウエル)内に抗原タンパク
質を結合し、ハイブリドーマ培養上清を添加して、抗原
タンパク質とこれに対する特異抗体とを結合させる。次
に、125Iや酵素等で標織した2次抗体を添加して特異抗
体に結合させた後に、125Iや酵素活性等を測定して、目
的とする特異抗体の産生を検定する方法である。
前記のハイブリドーマについていえば、これからソリッ
ドフエーズ法により抗体産生ハイブリドーマ細胞として
75種類が選ばれ、そのうち特に安定なモノクローナル抗
体産生細胞として50種類が得られる。
ここに得られた多種類のモノクローナル抗体産生細胞に
よって、患者尿に含まれるEPO以外の尿タンパク質と特
異的に結合する抗体をそれぞれ産生させる。このため例
えばハイブリドーマをマウス腹腔内に移植して腹水を発
生させ、腹水から公知の方法、例えば硫安分画法により
タンパク質10mgを得る。このものは主として免疫グロブ
リンG(IgG)で、すなわち目的のモノクローナル抗体
である。前記の50種類の細胞についていえば、各細胞に
よる抗体産生により合計で約500mgのIgGが得られる。こ
の場合、使用細胞はいずれも選出樹立されたものである
から、モノクローナル抗体が安定的に産生される。また
細胞は凍結保存が可能であるので、必要に応じて融解
し、マウスの腹腔内に移植すれば、必要な抗体を永続的
に供給することができる。
上記のモノクローナル抗体は、目的物エリスロポエチン
を非吸着成分として実質的に精製し取得することを可能
にするエリスロポエチン以外の多種類の全尿タンパク質
由来抗原を結合しうるモノクローナル抗体複合体であ
る。
この多種類のモノクローナル抗体を吸着剤に結合させ
る。この抗体結合吸着剤をカラムに充填して使用する。
吸着剤としては例えばアフイゲル(バイオラッド社
製),セフアデクス(フアルマシア社製)が使用され
る。これらのゲルに抗体を結合反応させた後、充分に洗
浄を行う。
以上のようにして作成した抗体結合吸着剤は、これを原
料の再生不良性貧血患者の尿又はその処理物と接触させ
てEPO以外の尿タンパク質を吸着除去し目的のEPOを非吸
着分として取得する。
原料としては通常は患者尿の処理物が使用される。例え
ば、患者尿を過,濃縮,脱塩して得た全尿タンパク質
又はその含有液が使用される。予め通常のクロマト処理
を1回又は2回以上施した処理液を原料としてもよい。
尿中のプロテアーゼを失活させるために予めフエノール
処理を行ったり、又は加熱処理を行ってもよい。
本発明においてEPOは逆相吸着法の通常の技法により取
得することができる。
吸着カラムを使用する場合には、前記の尿処理液をカラ
ムに通し、EPO以外の尿タンパク質を吸着除去し、流出
液としてEPOを取得する。
使用した吸着カラムは、再生させて10回程度再使用する
ことができる。再生は、例えば酢酸と食塩水との混合液
を流すことにより行われる。
以上のごとき逆相吸着法により目的のEPOは流出液とし
て取得されるが、吸着剤に結合した多種類のモノクロー
ナル抗体がEPO以外の尿タンパク質を特異的に吸着し該
タンパク質が除去される結果、カラムを1回通すだけで
流出液としてEPOが高純度で効率よく取得される。
EPOの純度は液中のタンパク質のEPO活性(単位)を測定
して決めることができる。EPO活性の測定法としては、
赤血球系コロニーを形態的に観察するコロニーアツセイ
法、3H−チミジンのDNAへの取り込み率を調べる3H−チ
ミジン法、59Feのヘムへの取り込み率を調べる59Fe法な
どが知られている。本発明の後記実施例で示すEPO活性
は59Fe法で測定されたものである。
次に、本発明を実施例によって説明する。
実施例1 〔全尿タンパク質の調製〕 再生不良性貧血患者の尿10lを限外過装置に通して分
子量10000までの低分子物質を除去することにより全尿
タンパク質の濃縮を行い、さらに水を加えて同様に濃縮
することにより脱塩も行った。得られた尿濃縮液500ml
を凍結乾燥して全尿タンパク質粉末230mgを得た。
〔マウスの免疫〕
前記の全尿タンパク質を抗原として使用し、5匹のマウ
ス(BALB/Cマウス)に対し次のとおり4回免疫を行っ
た。
第1回:PBS(リン酸塩緩衝食塩水)中に全尿タンパク質
を4mg/mlで溶解しこれにフロイント完全アジユバンドを
混合して得たエマルジヨンを、マウス1匹当り0.5ml
(全尿タンパク質1mg)腹腔内注射で投与した。
第2回:PBS中に全尿タンパク質を2mg/mlで溶解しこれに
フロイント不完全アジユバントを混合して得たエマルジ
ヨンを、2週間後にマウス1匹当り0.5ml(全尿タンパ
ク質0.5mg)腹腔内注射で投与した。
第3回:さらに2週間後に、第2回と同様にして投与し
た。
第4回:PBS中に全尿タンパク質を1mg/mlで溶解した液
を、さらに2週間後にマウス1匹当り0.5ml(全尿タン
パク質0.25mg)腹腔内注射で投与した。
〔細胞融合〕
前記免疫処理終了から3日後に、免疫マウスの脾臓を無
菌的に摘出し、合成培養液RPMI1640(ペニシリン100μg
/ml及びストレプトマイシン100単位/ml含有)と15%牛
胎児血清(FCS)との混合液で洗浄後、該混合液中で脾
臓組織をハサミで細断して単細胞化を行い、該混合液で
2回洗浄した後、単細胞化した細胞をRPMI1640液に分散
した。細胞数はマウス1匹当り3×108個であった。
別に、市販のマウスのミエローマ細胞(PS−NSI/1−Ag4
−1)を前記RPMI及びFCSの混合液中で培養し、増殖し
た細胞をRPMI1640液で洗浄した。細胞数は1.5×108個で
あった。
次に、前記で調製した免疫マウス脾臓細胞(マウス1匹
分3×108個)とマウスミエローマ細胞(1.5×108個)
とをRPMI1640に分散し、混合したのち、遠心し、上清を
除去した。混合細胞をポリエチレングリコール1500の50
%溶液(細胞融合剤)中で細胞融合させた後、融合細胞
群をHT(ヒポキサンチン−チミジン)培養液に混合し、
混合液を3枚の96穴マイクロタイタープレートにまいて
2日目以降HAT培地を添加し、各穴の中で2週間培養し
て、HAT選択を行った。増殖したハイブリドーマ細胞を1
50穴において確認した。
さらに同様な操作をマウス4匹分について行い、ハイブ
リドーマの増殖した穴の数に対応して、5匹分全部で合
計760種類のハイブリドーマを得た。
〔抗体産生細胞の選択〕
前記で得た760種類のハイブリドーマより、特定の細
胞、すなわち再生不良性貧血患者の尿に含まれるEPO以
外のタンパク質と特異的に結合しうるモノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマを選び出すために、ビオチ
ン−アビジンシステムを用いるソリッドフエーズ法によ
りスクリーニングを行った。その結果、目的に適合した
ものとして75種類の細胞が選出され、そのうち特に50種
類が安定な抗体産生を行なうことを認めた。
ビオチン−アビジンシステムによるソリッドフエーズ法
のスクリーニングは下記のとおりである。免疫に用いた
全尿タンパク質を0.2mg/mlとなるように、PBSに溶解
し、ポリビニルクロライド製の96穴マイクロタイタープ
レートの各穴に50μlずつ添加し、常温で1時間放置
後、5℃で1晩おき各穴中に、全尿タンパク質を結合し
た。次に洗浄液(1%BSA含有PBS)で3回洗浄後、洗浄
液を添加した状態で1時間放置することにより、穴をBS
Aでコートしたのち、洗浄液で洗浄した。次にハイブリ
ドーマ培養上清を50μlずつ各穴に添加し、1時間室温
放置することにより、抗原−抗体の結合を行つた。洗浄
液で3回洗浄後ビオチニル化した抗マウスIgG抗体(2
次抗体)溶液(1.25μg/ml、洗浄液中)を50μlずつ各
穴に添加し、1時間室温に放置することにより、2次抗
体を結合した。洗浄液で洗浄後、アビジン溶液(50μl/
ml、洗浄液中)を50μlずつ各穴に添加し、10分間室温
放置することにより、ビオチン−アビジンの結合を行っ
た。洗浄液で3回洗浄後、ビオチニル化した西洋ワサビ
パーオキシダーゼ溶液(100μg/ml、洗浄液中)50μl
を各穴に添加し、10分間放置後、PBSで5回洗浄後、パ
ーオキシダーゼ反応液(50mMK−Pi buffer pH 7.0、0.6
%チラミン、0.01%H2O2)を加え、30分間室温で反応
後、各穴の螢光をみることにより検出した。
〔抗体の産生〕
前記50種類の各細胞を用いてそれぞれ抗体産生を行わせ
た。すなわち、2匹のマウスに対し1つの種類の細胞を
マウス1匹当り107個腹腔内に注射して抗体を産生させ
た後、2匹のマウスから腹水を採取し、これを45%飽和
硫安水溶液で硫安分画に付し抗体としてIgG画分を10mg
得た。50種類の細胞について、それぞれ同様な操作をし
て合計で500mgのIgG(免疫グロブリン)を得た。このも
のは多種類のモノクローナル抗体からなっている。
〔抗体結合吸着カラムの作成〕
アフイゲル10(バイオラッド社製)をガラスフィルター
上で氷水冷却下イソプロパノールで洗浄し、さらに氷水
で3回洗浄しゲルを回収した。
このゲル50mlと前記で得た500mgの抗体を含む溶液とを
混合し4℃で4時間攪拌しながら結合反応を行わせた。
反応後ゲルを遠心回収した。このものを0.1M NaHCO3と
0.15M Naclの混合液で2回洗浄後、0.1Mエタノールアミ
ン塩酸塩(pH 8)と室温で60分間よく混合して未反応物
を除去し、精製した抗体結合ゲル(モノクローナル抗体
複合体)を得た。
このゲルをカラム(3cm×7cm、床容量50ml)に充填して
吸着カラムを作成した。
〔EPOの取得〕
原料液を調製するため、まず実施例1の冒頭〔全尿タン
パク質の調製〕の項で記載したと同様な方法により全尿
タンパク質粉末230mgを得た。このもののトータルEPO活
性は4400単位であり、粉末1mg当りのEPO活性、すなわち
比活性は約19単位/mgであった。次いで、本粉末をPBS30
mlに溶解し、外液2lのPBSに対し1夜透析を行い原料液4
5mlを得た。
前記で作成した吸着カラムにPBS300mlを60ml/hrで流し
平衡化し、次いで0.2M酢酸と0.15M Naclとの混合液300m
lを同じ流速で流し洗浄した後、さらにPBS300mlを同様
に流し平衡化した。
このように前処理した吸着カラムに、前記で調製した原
料液45mlを30ml/hrの流速で通したところ、流出液とし
て高純度のEPOを含む液60mlを得た。
本液中のタンパク質のトータルEPO活性は3100単位であ
った。これを原料液のそれの4400単位と対比すると回収
率は70%であった。また、本液中のタンパク質のEPO比
活性は17100単位/mgであった。これを原料液のそれの19
単位/mgと対比するとEPO純度が900倍も向上したことが
わかる。
なお、本吸着カラムは、0.2M酢酸と0.15M Naclの混合液
300mlを流速60ml/hrで流すことにより再生することがで
き10回程度の再使用が可能である。
実施例2 尿中のプロテアーゼを失活させるためにフエノールで処
理した原料液を次のようにして調製した。再生不良性貧
血患者の尿30lから実施例1と同様にして粉末690mgを得
た。このもののEPO活性は13000単位/690mg、(19単位/m
g)であった。本粉末をPBS70mlに溶解し、この溶液に、
200mM燐酸塩緩衝液(pH 7)70ml、0.475Mp−アサノサリ
チル酸ソーダ210ml及び再蒸留フエノール350mlを5℃で
混合し、はげしく振とうした後、6000rpmで10分間遠心
処理し、フエノール層(下層)400mlを得た。このもの
を20倍量のPBSの外液に対し低温で1夜透析した後、限
外過装置で濃縮し液50mlを得た。これに氷冷したエタ
ノール450mlを加え、遠心処理後沈殿得た。この沈殿を
をPBS50mlに溶解し、PBSを外液として1夜透析し、フエ
ノール処理原料液65ml(含有タンパク質372mg)を得
た。このタンパク質のEPO活性は9300単位/372mg(25単
位/mg)であった。
得られたフエノール処理原料液を実施例1と同様にして
吸着カラムに通してEPO溶液を得た。本溶液中のトータ
ルEPO活性は7500単位であり、これはフエノール処理原
料液のそれの9300単位に対比して回収率は約80%であっ
た。また本溶液中のタンパク質のEPO比活性は23000単位
/mgであり、フエノール処理原料液のそれの25単位/mgに
対比し920倍もEPO純度が向上した。
実施例3 再生不良性貧血患者の尿20lから、実施例1と同様にし
て原料液90ml(含有タンパク質460mg)を得た。このも
ののEPO活性は8800単位/4.60mg(19単位/mg)であった
原料液を沸とう水中に入れて100℃、1分間熱処理を行
ってプロテアーゼを失活させ、8000rpm、10分間遠心処
理した後、上清液85ml(含有タンパク質375mg)を得
た。この熱処理原料液中のタンパク質のEPO活性は7500
単位/375mg(20単位/mg)であった。
この原料液を、実施例1と同様にして吸着カラムに通し
たところEPO溶液110mlを得た。本溶液中のタンパク質の
トータルEPO活性は5800単位であり、回収率は約77%で
あった。本溶液中のタンパク質の比活性は17800単位/mg
であり、熱処理原料液のそれの20単位/mgに対し890倍も
EPO純度が向上した。
実施例4 原料尿処理液に対し、予めクロマトグラフイーによる精
製を順次5回繰返した後、本発明による抗体結合逆相吸
着カラムに通した例を示す。
再生不良性貧血患者の尿400lから実施例1と同様にして
凍結乾燥粉末9.2g(EPO活性175000単位/9.2g)を得た。
〔第1回クロマト〕 この粉末を5mMトリスHcl(pH 6.8)水溶液500mlに溶解
した。予め5mMトリスHcl(pH 6.8)水溶液で平衡化した
DEAEセルロース充填カラム(2.5cm×82cm、床容量400m
l)に、前記粉末溶液を通して尿タンパク質を吸着させ
た後、200mM Naclを含む5mMトリスHcl(pH 6.8)水溶液
で溶出させ、溶出液1を得た。このものに含まれるタ
ンパク質のEPO活性は160000単位/1.7gであった。
〔第2回クロマト〕 この溶出液を水に対し透析し、透析物を凍結乾燥して粉
末を得た。この粉末を10mM燐酸ナトリウム(pH 6.8)と
4M Naclからなる緩衝液1.5lに溶解した。予め10mM燐酸
ナトリウム(pH 6.8)と4M Naclからなる緩衝液で平衡
化したフエニルセフアロースCL−4B充填カラム(2.5cm
×73cm、床容量360ml)に、前記粉末溶液を通して尿タ
ンパク質を吸着させた後、10mM燐酸ナトリウム(pH 7.
1)と0.5M Naclからなる緩衝液で洗浄し、次いで10mM N
aOH、20%エチレングリコール及び塩酸グアニジンから
なる混合液で溶出し、液150ml(含有タンパク質230mg)
を得た。このものに含まれるタンパク質のEPO活性は980
00単位/230mgであった。
〔第3回クロマト〕 得られた溶液を水に対し透析し、透析物を凍結乾燥させ
て粉末を得た。このものを5mM燐酸ナトリウム(pH 6.
9)緩衝液200mlに溶解し、同じ緩衝液に対し透析した。
予め5mM燐酸ナトリウム(pH 6.9)で平衡化したビドロ
キシルアパタイト充填カラム(2cm×32cm、床容量100m
l)に、前記透析後の液を通し、非吸着画分400ml(含有
タンパク質67mg)を得た。このものに含まれるタンパク
質のEPO活性は83000単位/67mgであった。
〔第4回クロマト〕 得られた溶液を水に対し透析し、透析物を凍結乾燥して
粉末を得た。このものを10mM燐酸ナトリウム(pH 6.9)
と150mM Naclからなる緩衝液5mlに溶解した。予め前記
と同じ緩衝液で平衡化したセフアデクスG100充填カラス
(2cm×140cm、床容量430ml)に、前記粉末溶液を通
し、分子量による分画を行いEPO活性画分15ml(含有タ
ンパク質8.4mg)を得た。このものに含まれるタンパク
質のEPO活性は89000単位/8.4mgであった。
〔第5回クロマト〕 この液を水に対し透析後、透析物を凍結乾燥して粉末を
得た。このものを5mM Cacl2(pH 7.0)水溶液10mlに溶
解した後、同じ水溶液に対し透析し、次いで0.1N Hclで
pH 4.5に調整した。予め5mM Cacl2)(pH 4.5)水溶液
で平衡化したSPセアアデクス充填カラム(1.5cm×18c
m、床容量30ml)に、前記調製後の液を通し吸着後、5mM
酢酸カルシウム(pH 4.5)緩衝液で洗浄し次いで20mM酢
酸カルシウム(pH 5.5)緩衝液で溶出し、液6ml(含有
タンパク質2.4mg)を得た。このものに含まれるタンパ
ク質のEPO活性は44000単位/2.4mgであった。
〔本発明の方法〕
得られた液を、予めPBSで平衡化したセフアデクスG50充
填カラム(1.5cm×56cm、床容量100ml)に通して液18ml
を得た。
この液を実施例1と同様にして抗体カラムに通しEPO溶
液25ml(含有タンパク質0.84mg)を得た。本溶液中のタ
ンパク質のEPO活性は40000単位/0.84mg、(47600単位/m
g)であった。これは原料液中のタンパク質の19単位/mg
に対比しEPO純度が2500倍向上したことになる。
以上実施例4の結果をまとめると下表のとおりである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 正次 埼玉県川越市今福461 田園ハイツ4−502 (56)参考文献 新実験化学講座20生物化学(▲I▼) P.83〜88(社団法人日本化学会編昭和53 年6月20日丸善株式会社発行)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生不良性貧血患者の尿を濃縮濾過して低
    分子画物を除去し脱塩して得た全尿タンパク質で免疫し
    たマウスの脾臓細胞と、マウスのミエローマ細胞とを細
    胞融合させたハイブリドーマ細胞であって、該患者の尿
    に含まれるエリスロポエチン以外の尿タンパク質に対す
    るモノクローナル抗体を産生する多種類のハイブリドー
    マ細胞により得られた多種類のモノクローナル抗体が結
    合しており、該モノクローナル抗体は、目的物エリスロ
    ポエチンを非吸着成分として実質的に精製し取得するこ
    とを可能にするエリスロポエチン以外の多種類の全尿タ
    ンパク質由来抗原を結合しうるモノクローナル抗体複合
    体であるところの吸着剤を充填したカラムに、再生不良
    性貧血患者の尿又はその処理物を接触させてエリスロポ
    エチン以外の尿タンパク質を吸着除去し非吸着分として
    エリスロポエチンを取得することを特徴とする高純度の
    エリスロポエチンの製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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新実験化学講座20生物化学(▲I▼)P.83〜88(社団法人日本化学会編昭和53年6月20日丸善株式会社発行)

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