JPH0689539B2 - 固化補強構造物およびその製造法 - Google Patents
固化補強構造物およびその製造法Info
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- JPH0689539B2 JPH0689539B2 JP62154283A JP15428387A JPH0689539B2 JP H0689539 B2 JPH0689539 B2 JP H0689539B2 JP 62154283 A JP62154283 A JP 62154283A JP 15428387 A JP15428387 A JP 15428387A JP H0689539 B2 JPH0689539 B2 JP H0689539B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は地表面が地表水と接触する部分を保護・安定化
するための固化補強構造物、特に透水性シートよりなる
型袋内で成形固化した地表補強構造物およびその製造法
に関する。
するための固化補強構造物、特に透水性シートよりなる
型袋内で成形固化した地表補強構造物およびその製造法
に関する。
(従来の技術) 従来、河川、運河、用水路、湖沼、ダム、貯水池、港湾
などの護岸、法面保護、洗掘防止などに適用するため
に、高強度の可撓性多孔袋、例えば合成繊維布帛よりな
る型袋内にセメントコンクリートを打設・硬化させた補
強構造物をもって地表を被覆することが、例えば特公昭
46-25345号、実公昭54-32804号公報などにより公知であ
り、広く実用化されている。ところがこのような公知の
施工法においては大量のセメントを必要とするのみなら
ず、特に峻険な山岳地帯の湖沼やダム等に適用する場
合、その輸送費は厖大な額となり、また時間的制約およ
び走行道路整備を必要とするミキサー車の使用は不可能
であることが多い。
などの護岸、法面保護、洗掘防止などに適用するため
に、高強度の可撓性多孔袋、例えば合成繊維布帛よりな
る型袋内にセメントコンクリートを打設・硬化させた補
強構造物をもって地表を被覆することが、例えば特公昭
46-25345号、実公昭54-32804号公報などにより公知であ
り、広く実用化されている。ところがこのような公知の
施工法においては大量のセメントを必要とするのみなら
ず、特に峻険な山岳地帯の湖沼やダム等に適用する場
合、その輸送費は厖大な額となり、また時間的制約およ
び走行道路整備を必要とするミキサー車の使用は不可能
であることが多い。
一方、従来建設されたダムや貯水池等は、長期間に亘っ
て水底に堆積した枯死植物、動物死骸を含む有機物ある
いは侵蝕・風化した地殻無機物等よりなるスラッジ、す
なわちヘドロが沈積しており、渇水期あるいは取水量の
増大によって水位が低下すると、ヘドロは浮上懸垂する
ため水質の汚濁が甚だしくなり、この水を利用する発電
所などの機械装置類に支障を及ぼしまたは用水浄化設備
に負荷の増大を来すなどの不都合を生ずる。従って取水
量はおのずから上澄部分のみに制限されることとなり、
貯水容量に比し取水可能容量は著しく小さくなる。この
ような不都合を解消し取水量を増大する目的で、ヘドロ
の浚渫が行なわれるが、浚渫された大量のヘドロは処分
を誤ると環境保全上の問題を惹き起こすため、莫大な費
用を掛けて埋設などの対策・処分に腐心している現状に
ある。同様の事象はオイルショック以来増加した粉炭ボ
イラーより発生するフライアッシュなどの産業廃棄物に
ついても見られ、その処理は発電所などが新たに抱える
重大な問題点となっている。
て水底に堆積した枯死植物、動物死骸を含む有機物ある
いは侵蝕・風化した地殻無機物等よりなるスラッジ、す
なわちヘドロが沈積しており、渇水期あるいは取水量の
増大によって水位が低下すると、ヘドロは浮上懸垂する
ため水質の汚濁が甚だしくなり、この水を利用する発電
所などの機械装置類に支障を及ぼしまたは用水浄化設備
に負荷の増大を来すなどの不都合を生ずる。従って取水
量はおのずから上澄部分のみに制限されることとなり、
貯水容量に比し取水可能容量は著しく小さくなる。この
ような不都合を解消し取水量を増大する目的で、ヘドロ
の浚渫が行なわれるが、浚渫された大量のヘドロは処分
を誤ると環境保全上の問題を惹き起こすため、莫大な費
用を掛けて埋設などの対策・処分に腐心している現状に
ある。同様の事象はオイルショック以来増加した粉炭ボ
イラーより発生するフライアッシュなどの産業廃棄物に
ついても見られ、その処理は発電所などが新たに抱える
重大な問題点となっている。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上述せる従来技術に付帯する種々の問題点を解
決するためになされたものであり、その主要な目的は、
水底面、法面など、地表面と地表水との接触界面に安価
且つ容易な工法を以って被覆・構築された固化補強構造
物を提供するにある。
決するためになされたものであり、その主要な目的は、
水底面、法面など、地表面と地表水との接触界面に安価
且つ容易な工法を以って被覆・構築された固化補強構造
物を提供するにある。
他の重要な目的はヘドロまたはフライアッシュなどの産
業廃棄物の有効利用を図るとともに、地表面の風化、侵
蝕、洗掘並びに地表水の汚濁を防止し、環境保全に資す
るにある。
業廃棄物の有効利用を図るとともに、地表面の風化、侵
蝕、洗掘並びに地表水の汚濁を防止し、環境保全に資す
るにある。
また別の目的はヘドロの浮上・懸垂による汚濁が無く、
取水容量の大なるダムまたは貯水池などを交通不便な山
間僻地においても容易に建設せんとするにある。
取水容量の大なるダムまたは貯水池などを交通不便な山
間僻地においても容易に建設せんとするにある。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的は、透水性シートよりなる型袋中に、ヘドロ
または産業廃棄物由来の微粉粒状固形分とエトリンガイ
ト相を主成分とする無機質水和物マトリックスとが混合
充填され緻密に固化成形されてなることを特徴とする固
化補強構造物によって達成される。
または産業廃棄物由来の微粉粒状固形分とエトリンガイ
ト相を主成分とする無機質水和物マトリックスとが混合
充填され緻密に固化成形されてなることを特徴とする固
化補強構造物によって達成される。
上記本発明構造物は固化成形後の28日強度が、一軸圧縮
強度において好ましくは少なくとも250トン/m2の値を
示す。
強度において好ましくは少なくとも250トン/m2の値を
示す。
また、地表水と接触する地表面を被覆して保護・安定化
すべき固化補強構造物を施工するに当り、本発明方法
は、水底より浚渫したヘドロの濃縮泥漿または微粉状産
業廃棄物の水性泥漿に固化材を添加混合し、これを予め
施工面上に展設した型袋内に注入充填して固化せしめる
ことを特徴とする。
すべき固化補強構造物を施工するに当り、本発明方法
は、水底より浚渫したヘドロの濃縮泥漿または微粉状産
業廃棄物の水性泥漿に固化材を添加混合し、これを予め
施工面上に展設した型袋内に注入充填して固化せしめる
ことを特徴とする。
上記固化材として最も好適なものは、少なくとも10重量
%の3CaO・Al2O3成分と、少なくとも約20重量%のCaSO4
・2H2O成分とを含んでなり、残部は3CaO・SiO2および2Ca
O・SiO2を主成分とする珪酸カルシウム系水硬性組成物
である。
%の3CaO・Al2O3成分と、少なくとも約20重量%のCaSO4
・2H2O成分とを含んでなり、残部は3CaO・SiO2および2Ca
O・SiO2を主成分とする珪酸カルシウム系水硬性組成物
である。
また上記本発明方法において、前記泥漿は好ましくは固
形分重量基準で約100〜150%の水分を含有し、且つ固化
材は好ましくは泥漿1m3当り約200〜350Kgの割合で添加
される。
形分重量基準で約100〜150%の水分を含有し、且つ固化
材は好ましくは泥漿1m3当り約200〜350Kgの割合で添加
される。
ここで、地表水と接触する地表面とは、地表水、すなわ
ち、河川、湖沼、ダム、貯水池、港湾、海岸など地表面
に存在する水と常時接触している水底面、法面などを含
む大地表面、および降雨、融雪などの異常増水、冠水に
より侵蝕、洗掘される可能性のある大地表面を包含する
ものとする。
ち、河川、湖沼、ダム、貯水池、港湾、海岸など地表面
に存在する水と常時接触している水底面、法面などを含
む大地表面、および降雨、融雪などの異常増水、冠水に
より侵蝕、洗掘される可能性のある大地表面を包含する
ものとする。
以下、本発明の方法を、その出発材料がスラッジすなわ
ちヘドロである場合について、添付図面を参照しつつさ
らに詳述する。
ちヘドロである場合について、添付図面を参照しつつさ
らに詳述する。
図は、本発明方法における工程の具体例を示す概要説明
図である。
図である。
本発明方法は基本的には、 第一工程…ヘドロ浚渫 第二工程…ヘドロ濃縮 第三工程…固化材混合 第四工程…型袋内注入 第五工程…固化成形 を上記順序で逐次実施することによりなる。
図において、先ず第一工程は、河川、湖沼、池、ダム、
港湾などの水底に沈積しているヘドロ1を、浚渫船、水
中排砂ロボット、バキュームポンプ、クラムシェルなど
公知慣用の手段をもって浚渫する。図は、水中排砂ロボ
ット2の使用例を示す。浚渫したヘドロは通常、自動
篩、好ましくは多段篩3を通して、礫状物、粗大塵芥な
どを篩別しつつ沈澱層4へ供給し第二工程を施す。
港湾などの水底に沈積しているヘドロ1を、浚渫船、水
中排砂ロボット、バキュームポンプ、クラムシェルなど
公知慣用の手段をもって浚渫する。図は、水中排砂ロボ
ット2の使用例を示す。浚渫したヘドロは通常、自動
篩、好ましくは多段篩3を通して、礫状物、粗大塵芥な
どを篩別しつつ沈澱層4へ供給し第二工程を施す。
第二工程では、例えば水平回転撹拌機5を中心に備えた
円筒槽よりなる沈澱層4中で撹拌機5を緩回転しつつ機
械的に凝集沈澱し、濃縮されたヘドロを逐次取り出し余
剰水を放流する。槽中に適宜な凝集沈降剤を混入してヘ
ドロ中固形分の沈澱を促進することもできる。浚渫ヘド
ロは一般に含水率が高いので第二工程で、ヘドロの含水
率を固形分重量基準で約100〜150%まで減らし、泥漿状
に濃縮することがよい。含水率の低下によってヘドロの
容積も減少し、次工程における固化材添加量を低く抑え
ることができ、経済的に有利である。
円筒槽よりなる沈澱層4中で撹拌機5を緩回転しつつ機
械的に凝集沈澱し、濃縮されたヘドロを逐次取り出し余
剰水を放流する。槽中に適宜な凝集沈降剤を混入してヘ
ドロ中固形分の沈澱を促進することもできる。浚渫ヘド
ロは一般に含水率が高いので第二工程で、ヘドロの含水
率を固形分重量基準で約100〜150%まで減らし、泥漿状
に濃縮することがよい。含水率の低下によってヘドロの
容積も減少し、次工程における固化材添加量を低く抑え
ることができ、経済的に有利である。
次いで、第三工程において、泥漿状のヘドロに固化材6
を混合する。固化材としては各種セメント類その他が知
られているが本発明者の提案になるフライアッシュ50〜
80%、石灰15〜40%およびアルミニウム塩5〜10%より
なる組成物(特開昭60-54799号)は本発明の目的を達成
する上で有利に適用し得る。特に好適な固化材は、少な
くとも約10重量%、好ましくは少なくとも約13.5重量%
の3CaO・Al2O3成分と、少なくとも約20重量%、好まし
くは少なくとも約26重量%のCaSO4・2H2O成分とを含んで
なり、残部は3CaO・SiO2および2CaO・SiO2を主成分とな
し、また少量のFe2O3を含むことができる珪酸カルシウ
ム系組成物である。かかる組成物はヘドロ中の水分と反
応して水和物を形成しつつ固化する、いわゆる水硬性を
有するとともに、上記アルミン酸カルシウムおよび硫酸
カルシウム成分は、全固化材重量の少なくとも約50%、
好ましくは少なくとも約60%にも及ぶエトリンガイト
相、すなわち3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2Oを生成し、著し
く優れた奪水能を具える。
を混合する。固化材としては各種セメント類その他が知
られているが本発明者の提案になるフライアッシュ50〜
80%、石灰15〜40%およびアルミニウム塩5〜10%より
なる組成物(特開昭60-54799号)は本発明の目的を達成
する上で有利に適用し得る。特に好適な固化材は、少な
くとも約10重量%、好ましくは少なくとも約13.5重量%
の3CaO・Al2O3成分と、少なくとも約20重量%、好まし
くは少なくとも約26重量%のCaSO4・2H2O成分とを含んで
なり、残部は3CaO・SiO2および2CaO・SiO2を主成分とな
し、また少量のFe2O3を含むことができる珪酸カルシウ
ム系組成物である。かかる組成物はヘドロ中の水分と反
応して水和物を形成しつつ固化する、いわゆる水硬性を
有するとともに、上記アルミン酸カルシウムおよび硫酸
カルシウム成分は、全固化材重量の少なくとも約50%、
好ましくは少なくとも約60%にも及ぶエトリンガイト
相、すなわち3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2Oを生成し、著し
く優れた奪水能を具える。
かかる固化材は水中においても固化作用を発揮するが、
更に急速な水中硬化を保証するために、例えば少量の塩
化カルシウム、または11CaO・7Al2O3・CaF2などを加えた
急速固化材を用いることもできる。
更に急速な水中硬化を保証するために、例えば少量の塩
化カルシウム、または11CaO・7Al2O3・CaF2などを加えた
急速固化材を用いることもできる。
固化材の添加量は、ヘドロの含有率によって相違する
が、通常含水率100〜150重量%の濃縮ヘドロの場合、ヘ
ドロ一立方米当り約200〜350Kgが適当である。
が、通常含水率100〜150重量%の濃縮ヘドロの場合、ヘ
ドロ一立方米当り約200〜350Kgが適当である。
固化材の添加は、ニーダー、モルタルミキサーなどの機
械的ミキサー7、送泥パイプラインに設けたスタティッ
クミキサー、あるいはバックホーで現場混合したものを
取出す方法など、公知・慣用の適宜な手段で行なうこと
ができる。上記固化材に加えて他の水硬性材料を補助的
に併用することは当然差支えない。
械的ミキサー7、送泥パイプラインに設けたスタティッ
クミキサー、あるいはバックホーで現場混合したものを
取出す方法など、公知・慣用の適宜な手段で行なうこと
ができる。上記固化材に加えて他の水硬性材料を補助的
に併用することは当然差支えない。
かくしてヘドロと固化材とを混合した後、比較的短時間
内、すなわち通常約2時間以内、好ましくは約1時間以
内に第四工程に移行する。
内、すなわち通常約2時間以内、好ましくは約1時間以
内に第四工程に移行する。
第四工程における型袋8は、柔軟にして高強度の透水性
シート材料、例えば合成繊維布帛を以て構成した袋状物
が適用される。かかる型袋は実公昭54-32804号、特公昭
46-25345号、特公昭48-10574号公報などにより公知であ
る。型袋8は予め、河川、湖沼等の堤防法面、底面等の
施工箇所を被覆するように施工面上、あるいは水面上方
に展設しておき、前記混合物をポンプ9をもって型袋の
端部注入口よりその内部へ注入充填する。型袋が水面上
方に展張されている場合は、充填するにつれてヘドロ固
化材混合物の重量により沈降して水底を被覆する構造物
の層が形成される。型袋内に万遍なく行き亘り充填され
たところで第四工程を完了する。
シート材料、例えば合成繊維布帛を以て構成した袋状物
が適用される。かかる型袋は実公昭54-32804号、特公昭
46-25345号、特公昭48-10574号公報などにより公知であ
る。型袋8は予め、河川、湖沼等の堤防法面、底面等の
施工箇所を被覆するように施工面上、あるいは水面上方
に展設しておき、前記混合物をポンプ9をもって型袋の
端部注入口よりその内部へ注入充填する。型袋が水面上
方に展張されている場合は、充填するにつれてヘドロ固
化材混合物の重量により沈降して水底を被覆する構造物
の層が形成される。型袋内に万遍なく行き亘り充填され
たところで第四工程を完了する。
最終の第五工程は、固化材がヘドロから奪った水と反応
し水和物を形成し硬化する工程である。前述の通り、本
発明方法においては、固化材が水和率の頗る高いエトリ
ンガイトを生成するため、奪水能が著しく大きく、ヘド
ロに含まれた微粉粒状固形分を緻密に締め固めるための
適宜な潤滑作用と粒子の接近とに必要とされる適宜な水
量に調節するという固化機能を発揮する。斯くして成形
された固化構造物はヘドロに由来する微粉粒状固形分が
エトリンガイト相を主成分として含有する珪酸カルシウ
ム系無機質水和物マトリックス中に均一に分散混合充填
され、緻密に固化したバルク状をなし、その28日強度は
JIS規格制定試験法による一軸圧縮強度において、少な
くとも250トン/m2、好適な態様においては350トン/m2
にも達する驚くべき値を示す。
し水和物を形成し硬化する工程である。前述の通り、本
発明方法においては、固化材が水和率の頗る高いエトリ
ンガイトを生成するため、奪水能が著しく大きく、ヘド
ロに含まれた微粉粒状固形分を緻密に締め固めるための
適宜な潤滑作用と粒子の接近とに必要とされる適宜な水
量に調節するという固化機能を発揮する。斯くして成形
された固化構造物はヘドロに由来する微粉粒状固形分が
エトリンガイト相を主成分として含有する珪酸カルシウ
ム系無機質水和物マトリックス中に均一に分散混合充填
され、緻密に固化したバルク状をなし、その28日強度は
JIS規格制定試験法による一軸圧縮強度において、少な
くとも250トン/m2、好適な態様においては350トン/m2
にも達する驚くべき値を示す。
以上の説明はヘドロについて述べたが、フライアッシュ
などの微粉粒状産業廃棄物に加水し水性泥漿状となした
ものに前記固化材を混合し、あるいは両者を粉体状で混
合した後に加水混捏したものでも同様の固化補強構造物
を構築することができる。
などの微粉粒状産業廃棄物に加水し水性泥漿状となした
ものに前記固化材を混合し、あるいは両者を粉体状で混
合した後に加水混捏したものでも同様の固化補強構造物
を構築することができる。
(作用) 本発明方法の要点をそれによる固化補強構造物の特徴
は、従来この種の構造物においてはポルトランドセメン
トなどの通常の土木建築用セメントコンクリートを用い
ていたのに対して、本発明では施工現場で浚渫されるヘ
ドロ由来の固形分または産業廃棄物を利用し、少量の固
化材を適用した点にある。
は、従来この種の構造物においてはポルトランドセメン
トなどの通常の土木建築用セメントコンクリートを用い
ていたのに対して、本発明では施工現場で浚渫されるヘ
ドロ由来の固形分または産業廃棄物を利用し、少量の固
化材を適用した点にある。
上記固化材の司る卓越した固化機能に関する機作は未だ
充分に詳らかではない部分も多いが、普通ポルトランド
セメントの水硬機作と対比して理論的には概ね次のよう
に説明し得よう。
充分に詳らかではない部分も多いが、普通ポルトランド
セメントの水硬機作と対比して理論的には概ね次のよう
に説明し得よう。
泥漿中の微粒子状固形分を固化するには、既述の如く、
水の量が、粒子を密に締め固める潤滑作用を発揮し且つ
粒子間を接近させるに必要な範囲に調節されなければな
らない。そのために固化材は余剰水に対する奪水機能を
具えることを要するとされている。
水の量が、粒子を密に締め固める潤滑作用を発揮し且つ
粒子間を接近させるに必要な範囲に調節されなければな
らない。そのために固化材は余剰水に対する奪水機能を
具えることを要するとされている。
普通ポルトランドセメントは第1表に示す如き組成を有
し約24%の水和率を示す。
し約24%の水和率を示す。
普通ポルトランドセメントが硬化する典型的な反応は
式、 3CaO・SiO2+3H2O →1.5CaO・SiO2・1.5H2O(トバモライト) +1.5(CaO・H2O) で表わされるように、水和反応に関与する水の量の殆ど
は珪酸カルシウムがトバモライトを生成する反応に費さ
れる。トバモライトの水和率が約16%程度であるのに対
してエトリンガイトのそれは約46%にも及ぶが、普通ポ
ルトランドセメントの硫酸カルシウムは4%以内である
から、それから生成し得るエトリンガイトの量は9.7%
が限界である。
式、 3CaO・SiO2+3H2O →1.5CaO・SiO2・1.5H2O(トバモライト) +1.5(CaO・H2O) で表わされるように、水和反応に関与する水の量の殆ど
は珪酸カルシウムがトバモライトを生成する反応に費さ
れる。トバモライトの水和率が約16%程度であるのに対
してエトリンガイトのそれは約46%にも及ぶが、普通ポ
ルトランドセメントの硫酸カルシウムは4%以内である
から、それから生成し得るエトリンガイトの量は9.7%
が限界である。
一方本発明方法に適用される固化材の代表的化学組成を
第2表に示す。
第2表に示す。
かかる固化材におけるエトリンガイトの生成は式、 3CaO・Al2O3+26H2O+3CaSO4・6H2O →3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O で表わされ、分子量計算によれば、固化材100g中の3CaO
・Al2O317.1gとCaSO4・2H2O32.7gとから、エトリンガイ
ト79.5gが理論的に生成する。
・Al2O317.1gとCaSO4・2H2O32.7gとから、エトリンガイ
ト79.5gが理論的に生成する。
第2表の組成においては硫酸カルシウム2水和物含有量
は26.0%であるから、この場合のエトリンガイト生成量
は硫酸カルシウム量によって制約され、約63gとなる。
従ってこの場合でもポルトランドセメントの6.5倍に相
当するエトリンガイトが生成し驚くべき量の水が固定さ
れることとなる。かかる奪水能が泥漿中の水分量を適宜
に調節し微粒子状固形分の緻密化に有効に作用し強靭な
固化補強構造物形成の機能を司るものと思われる。
は26.0%であるから、この場合のエトリンガイト生成量
は硫酸カルシウム量によって制約され、約63gとなる。
従ってこの場合でもポルトランドセメントの6.5倍に相
当するエトリンガイトが生成し驚くべき量の水が固定さ
れることとなる。かかる奪水能が泥漿中の水分量を適宜
に調節し微粒子状固形分の緻密化に有効に作用し強靭な
固化補強構造物形成の機能を司るものと思われる。
(実施例) 次いで本発明を実施例について説明する。実施例中、%
はすべて重量パーセントを示す。
はすべて重量パーセントを示す。
実施例1 840デニールのナイロンフィラメント糸を用い経緯密度
2.54cm当り24本×20本の平織布を織成した。幅96.5cmの
上記織布の長さ200cmに裁断したもの2枚を積層し、短
辺の20cmを注入口のために残して周辺縁を縫着し袋状と
した。このものを幅方向に4等分、長さ方向に5等分し
た仮想線の各交点において、長さ約10cmのナイロンガッ
トを厚さ方向に挿通し、ガットの両端にプラスチック製
係止片を結付けて積層布の厚さ方向の離間を規制するこ
とにより型袋を作成した。この型袋を沼岸の法面に展設
して準備した。
2.54cm当り24本×20本の平織布を織成した。幅96.5cmの
上記織布の長さ200cmに裁断したもの2枚を積層し、短
辺の20cmを注入口のために残して周辺縁を縫着し袋状と
した。このものを幅方向に4等分、長さ方向に5等分し
た仮想線の各交点において、長さ約10cmのナイロンガッ
トを厚さ方向に挿通し、ガットの両端にプラスチック製
係止片を結付けて積層布の厚さ方向の離間を規制するこ
とにより型袋を作成した。この型袋を沼岸の法面に展設
して準備した。
一方沼底から泥土を含むヘドロを浚渫し、3段自動篩に
より粗大砂礫、塵芥などを篩別しつつ1m3容量の有底円
筒形シックナーに供給した。シックナーはその中央に垂
直な回転軸を有する翼型撹拌機と、その上部に溢流口と
下部に濃縮泥漿排出口とを具えたものである。この際ヘ
ドロの供給量を15l/分、撹拌機の回転数を6R.P.M.とし
た。シックナーの槽底に沈澱したヘドロ泥漿を排出口よ
り取り出しモルタルミキサーに供給した。泥漿は平均粒
径約80μm、固形分含量43%(固形分基準分量132.6
%)であった。モルタルミキサーにはさらに第2表に示
す化学組成を有する固化材(オートセット#3200,大阪
市、株式会社オートセット製)を泥漿1立方米当り230K
gの割合で添加し、撹拌混合した。得られた混合物を混
合後30分〜45分の間にポンプにより前記型袋の上縁に位
置する注入口より注入し、型袋全体に隅無く行き亘るよ
うに圧入した。
より粗大砂礫、塵芥などを篩別しつつ1m3容量の有底円
筒形シックナーに供給した。シックナーはその中央に垂
直な回転軸を有する翼型撹拌機と、その上部に溢流口と
下部に濃縮泥漿排出口とを具えたものである。この際ヘ
ドロの供給量を15l/分、撹拌機の回転数を6R.P.M.とし
た。シックナーの槽底に沈澱したヘドロ泥漿を排出口よ
り取り出しモルタルミキサーに供給した。泥漿は平均粒
径約80μm、固形分含量43%(固形分基準分量132.6
%)であった。モルタルミキサーにはさらに第2表に示
す化学組成を有する固化材(オートセット#3200,大阪
市、株式会社オートセット製)を泥漿1立方米当り230K
gの割合で添加し、撹拌混合した。得られた混合物を混
合後30分〜45分の間にポンプにより前記型袋の上縁に位
置する注入口より注入し、型袋全体に隅無く行き亘るよ
うに圧入した。
型袋内で成形された混合物中の固化材は急速に水和硬化
し、一週間の養生期間を経て極めて強固な構造物を形成
した。構造物の28日強度を測定したところ一軸圧縮強度
において315トン/m2であった。
し、一週間の養生期間を経て極めて強固な構造物を形成
した。構造物の28日強度を測定したところ一軸圧縮強度
において315トン/m2であった。
実施例2 ヘドロ泥漿に代えて発電所のボイラーより排出されたフ
ライアッシュの水性泥漿(固形分含量48%、固形分基準
水分量108.3%)を用いる他はすべて前記実施例1と同
様にして用水路法面保護用構造物の模型を製造した。得
られた構造物の28日強度(一軸圧縮強度)は305トン/m
2であった。
ライアッシュの水性泥漿(固形分含量48%、固形分基準
水分量108.3%)を用いる他はすべて前記実施例1と同
様にして用水路法面保護用構造物の模型を製造した。得
られた構造物の28日強度(一軸圧縮強度)は305トン/m
2であった。
(発明の効果) 本発明は上述の如き構成になるもので、地表水に接触す
る地表界面の保護、安定化用被覆構造物をポルトランド
セメントを一切使用する要なく、ヘドロあるいはフライ
アッシュで代表される産業廃棄物など元来無価値の材料
を主原料となし得るから極めて安価に構築することがで
きるとともに、従来浚渫ヘドロあるいは産業廃棄物の処
理に要した費用の節約が達成されるなどその経済的効果
は大きい。特に峻険な山岳地帯や交通不便な僻地に建設
されることが多いダムや貯水池などの護岸、擁壁の施工
に際しては、湖底より浚渫したヘドロを直接主原材料と
して使用し得るから、原材料輸送上の困難は殆ど解消す
るとともに、豪雨、地震等にも良く耐える強固な永久的
補強構造物で保護された人造湖ないしは補強天然湖を頗
る安価且つ容易に構築することができる。さらにヘドロ
を浚渫したうえ、底面まで固化構造物の層で被覆した湖
沼類は、ヘドロの浮上懸垂による水質汚濁が無いため、
取水可能容量が著しく増大し、渇水期の水不足解消に役
立つという効果がある。さらにまた、本発明方法により
浚渫ヘドロまたはフライアッシュなどの産業廃棄物によ
る環境汚染が防止されるとともに、従来天災の一種と看
做されていた岸壁の風化、侵蝕、崩壊、洗掘、用水汚濁
などが防止され、環境保全に大きく資することができ
る。
る地表界面の保護、安定化用被覆構造物をポルトランド
セメントを一切使用する要なく、ヘドロあるいはフライ
アッシュで代表される産業廃棄物など元来無価値の材料
を主原料となし得るから極めて安価に構築することがで
きるとともに、従来浚渫ヘドロあるいは産業廃棄物の処
理に要した費用の節約が達成されるなどその経済的効果
は大きい。特に峻険な山岳地帯や交通不便な僻地に建設
されることが多いダムや貯水池などの護岸、擁壁の施工
に際しては、湖底より浚渫したヘドロを直接主原材料と
して使用し得るから、原材料輸送上の困難は殆ど解消す
るとともに、豪雨、地震等にも良く耐える強固な永久的
補強構造物で保護された人造湖ないしは補強天然湖を頗
る安価且つ容易に構築することができる。さらにヘドロ
を浚渫したうえ、底面まで固化構造物の層で被覆した湖
沼類は、ヘドロの浮上懸垂による水質汚濁が無いため、
取水可能容量が著しく増大し、渇水期の水不足解消に役
立つという効果がある。さらにまた、本発明方法により
浚渫ヘドロまたはフライアッシュなどの産業廃棄物によ
る環境汚染が防止されるとともに、従来天災の一種と看
做されていた岸壁の風化、侵蝕、崩壊、洗掘、用水汚濁
などが防止され、環境保全に大きく資することができ
る。
第1図は本発明方法の工程を示す概要説明図である。 1……ヘドロ、2……水中排砂ロボット 3……多段篩、4……沈澱槽 5……撹拌機、6……固化材 7……ミキサー、8……型袋 9……ポンプ
Claims (5)
- 【請求項1】透水性シートよりなる型袋中に、ヘドロま
たは産業廃棄物由来の微粉粒状固形分と、エトリンガイ
ト相少なくとも50重量%よりなる無機質水和物マトリッ
クスとが混合充填され緻密に固化成形されてなり、28日
強度が一軸圧縮強度において少なくとも250トン/m2で
あることを特徴とする固化補強構造物。 - 【請求項2】上記エトリンガイト相が少なくとも60重量
%である特許請求の範囲第1項記載の固化補強構造物。 - 【請求項3】地表水と接触する地表面を被覆して保護・
安定化すべき固化補強構造物を施工するに当たり、水底
より浚渫したヘドロまたは微粉状産業廃棄物の水性泥漿
の水分を固形分重量基準で約100〜150%となし、得られ
た泥漿に固化材として、少なくとも10重量%の3CaO・Al
2O3成分と、少なくとも20重量%のCaSO4・2H2O成分とを
含んでなり、残部は3CaO・SiO2および2CaO・SiO2を主成
分とする珪酸カルシウム系水硬性組成物を添加混合し、
これを予め施工面上に展設した型袋内に注入充填して固
化せしめることを特徴とする固化補強構造物の製造法。 - 【請求項4】固化材が少なくとも13.5重量%の3CaO・Al
2O3成分と、少なくとも26重量%のCaSO4・2H2O成分とを
含んでなり、残部は3CaO・SiO2および2CaO・SiO2を主成
分とする珪酸カルシウム系水硬性組成物である特許請求
の範囲第3項記載の固化補強構造物の製造法。 - 【請求項5】前記固化材が泥漿1m3当り約200〜350Kg添
加される特許請求の範囲第3項記載の固化補強構造物の
製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62154283A JPH0689539B2 (ja) | 1987-06-23 | 1987-06-23 | 固化補強構造物およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62154283A JPH0689539B2 (ja) | 1987-06-23 | 1987-06-23 | 固化補強構造物およびその製造法 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS641812A JPS641812A (en) | 1989-01-06 |
| JPH011812A JPH011812A (ja) | 1989-01-06 |
| JPH0689539B2 true JPH0689539B2 (ja) | 1994-11-09 |
Family
ID=15580762
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62154283A Expired - Lifetime JPH0689539B2 (ja) | 1987-06-23 | 1987-06-23 | 固化補強構造物およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0689539B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2637571B2 (ja) * | 1989-10-02 | 1997-08-06 | 千代田化工建設 株式会社 | 護岸の構築方法 |
| JP2003055932A (ja) * | 2001-08-20 | 2003-02-26 | Kojimagumi:Kk | 河川浚渫土砂を利用した土手の補強工法 |
| JP2010110255A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Eco Green:Kk | 人工藻場の構造、および人工藻場造成工法 |
| CN117469472A (zh) * | 2023-11-20 | 2024-01-30 | 甘肃省水利水电工程局有限责任公司 | 一种引水管道穿积水坑塘的施工方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5026863B2 (ja) * | 1972-03-17 | 1975-09-03 | ||
| JPS5097132A (ja) * | 1973-12-27 | 1975-08-01 | ||
| JPS58123917A (ja) * | 1982-01-21 | 1983-07-23 | Hazama Gumi Ltd | 水中構造物及びその築造方法 |
-
1987
- 1987-06-23 JP JP62154283A patent/JPH0689539B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS641812A (en) | 1989-01-06 |
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