JPH0690202B2 - クレアチンキナーゼ活性測定用試薬およびそれを用いる測定方法 - Google Patents

クレアチンキナーゼ活性測定用試薬およびそれを用いる測定方法

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JPH0690202B2
JPH0690202B2 JP63086163A JP8616388A JPH0690202B2 JP H0690202 B2 JPH0690202 B2 JP H0690202B2 JP 63086163 A JP63086163 A JP 63086163A JP 8616388 A JP8616388 A JP 8616388A JP H0690202 B2 JPH0690202 B2 JP H0690202B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、生体液中のクレアチンキナーゼ(以下CKと略
記する。)測定用試薬およびそれを用いる測定方法に関
するものである。
(従来の技術) 生体液中、とくに血清中のCK活性の測定は筋疾患の診断
に有用で、なかでも心筋梗塞の診断において重要で日常
的に測定されている。CKには2つのサブユニットの組合
せにより、3つのアインザイムが存在することが知られ
ており、それらは各々CK−MM、CK−MB、CK−BBであり、
CK−MMは主に骨格筋や心筋などの筋肉に、CK−MBは心筋
に、CK−BBは主に脳及び腎などの臓器に存在している。
この中、CK−MBは心筋に特異的に存在するので、その特
異的測定は心筋梗塞の診断において特に有用なマーカー
であることが明らかにされている。
従っれ、CK−BMを特異的に測定する試薬がいくつか提案
されている。その中で免疫阻害法が最もよく用いられて
いる。すなわち、CK−MMおよびMB中のMサブユニットを
特異的に阻害する抗体を加えて完全に阻害し、残ったB
サブユニットの活性を測定する方法(特公昭56−19239
号公報、特公昭58−20274号公報参照)である。さらに
本発明者らは上記の方法において、阻害抗体にモノクロ
ーナル抗体を用いることを提案することにより、さらに
改善を行った(特願昭61−191899号参照)。CK−MBの測
定は心筋梗塞に特異的で有用だが、その測定値が正常値
域を超えるのは10時間後と言われ(例えばウー(Wu)
ら、クリニカルケミストリー(Clin.Chem.)33巻,358頁
(1987年))、さらに短時間に測定できる方法が望まれ
ていた。最近、心臓や骨格筋などから心筋梗塞や筋疾患
により血中に逸脱したCK−MMおよびMB中のMサブユニッ
トは血漿中のカルボキシペプチダーゼNによる分解をう
けてM′サブユニットに修飾されていくことが明らかに
された(例えばジョージ(George)ら、ジャーナルオブ
バイオロジカルケミストリー(J.Biol.Chem.),295巻,2
667頁(1987年)参照)。すなわちCK−MMはMM3(組織
型,MM)からMM2(ハイブリッド型,MM′)を経てMM1(血
清型,M′M′)と変化して行く(M′は修飾されたサブ
ユニットを示す。)。さらに平常時はMM3/MM1の値が0.3
前後であるのに対し、心筋梗塞の場合は発作後3〜6時
間でMM3/MM1の値が上昇して2前後の値を示すことが明
らかになった(例えば、ハシモト(Hashimoto)ら、サ
ーキュレーション(Circulation)71巻,363頁(1985
年)参照)。すなわち、このMM3/MM1の値を測定するこ
とにより心筋梗塞の早期診断が可能である。このこと
は、心筋梗塞に対する有効な治療方法である冠動脈内血
栓溶解療法が発症後いかに早期に行うことにより成否が
決まるといわれている(磯部ら、最近医学42巻1418頁
(1987年)参照)ことからも意義深い。さらに再発作の
早期発見も容易になる。
(発明が解決しようとする課題) このMM3/MM1の測定方法としては現在、電気泳動法によ
る分離後活性測定、クロマトフォーカシング法、等電点
電気泳動法など、煩雑で、時間のかかる方法で行われて
いる。MM3/MM1の測定は上記にのべたように早期に診断
できてこそ意義深くこれらの方法では実用には困難な方
法であり、簡便で短時間で心筋梗塞を診断できる試薬お
よび方法が強く望まれていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らはこのような問題点を解決すべく鋭意研究を
重ねた結果、Mサブユニットのみを阻害し、M′サブユ
ニットは阻害しない抗体を用いた免疫阻害法で測定する
阻害率を心筋梗塞診断のマーカーとすることにより心筋
梗塞を簡便かつ短時間に診断できることを見い出し、本
発明を完成した。
すなわち、本発明は抗体を含有するCK測定用試薬におい
て、抗体がCK−Mサブユニットを阻害し、かつCK−M′
サブユニットを阻害しない抗体であることを特徴とする
CK活性測定用試薬、および抗体を含有するCK測定用試薬
でCK活性を測定するに際し、請求項1記載のCK測定用試
薬を用いて生体液中のCKに対する阻害率を測定すること
を特徴とするCK活性の測定方法を要旨とするものであ
る。
本発明に用いられる抗体はポリクローナル、モノクロー
ナル抗体に関係なく使用しうる。好ましくはモノクロー
ナル抗体が用いられる。その理化学的性質の一例を示
す。
(1)作用 CKに作用しして抗原抗体反応を生じ、CK−Mサブユニッ
ト活性を阻害する。
(2)反応特異性 CK−Mサブユニットのうち、本来のMサブユニットを阻
害し、修飾されたM′サブユニットを阻害しない。
(3)至適pH 6〜9 (4)安定pH範囲 3〜11 (5)力価の測定方法 阻害率測定によって検出されうる希釈倍率によって測定
する。
(6)作用適温の範囲 0〜40℃ (7)失活の条件 100℃、30分の加熱で失活する。
(8)分子量 130,000〜210,000 本発明のモノクローナル抗体を得るには、まず、抗CK−
M活性阻害モノクローナル抗体産生能を有するハイブリ
ドーマ細胞株を得る。このハイブリドーマ細胞株として
は、例えば、次の細胞学的性質を示す細胞株があげられ
る。
(1)由 来 抗CK−M抗体産生リンパ球とミエローマ細胞との融合に
より創製した融合細胞である。
(2)形 態 ミエローマ細胞とほぼ同様の形態を示す。例えば、大き
さは10〜20μmである。
(3)機 能 単一の抗原決定基を認識する抗CK−M活性阻害モノクロ
ーナル抗体を定常的に生産する。
(4)増殖性 ミエローマ細胞とほぼ同様の増殖性を示す。すなわち、
72時間で約10倍に増殖する。
(5)保存性 −120℃以下で極めて容易に長期間保存可能である。
(6)最適増殖条件 温度37℃、pH7.2 (7)増殖範囲 温度32〜42℃、pH6.5〜7.8で増殖可能である。
この様な細胞株を得るには、例えば特願昭61−191899号
に記された方法により抗CK−M活性阻害モノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマを得て、さらにそのモノ
クローナル抗体が同様の測定方法でM′サブユニットを
阻害しないハイブリドーマを選択すればよい。
以上の方法によりCK−MM3を阻害し、かつCK−MM1を阻害
しない抗体を産生するハイブリドーマが得られる。この
方法に従って創製したハイブリドーマの1種をCKH−5
と命名し、昭和63年1月26日に通商産業省工業技術院微
生物工業技術研究所に寄託の手続を行い、微工研菌寄第
9839号(FERM P−9839)として受け入れられた。このCK
H−5は、−120℃以下でほぼ永久的に凍結保存が可能で
あって、たえず頒布可能な状態に置かれている。
次に、この様なハイブリドーマを培養して、その培養液
等から抗体を得ればよい。その方法は通常用いられる方
法(例えば特願昭61−191899号参照)を用いればよい。
また得られた抗体は、そのままでも、さらに、ペプシ
ン、パパインなどのタンパク分解酵素で処理して、Fa
b、Fab′、F(ab′)のフラグメントの形で用いるこ
ともできる。
次に、本発明のCK定量用試薬および測定方法は、例え
ば、特公昭56−19239号、特公昭58−20274号、特願昭61
−191899号の方法に従えばよい。すなわち、例えば以下
の方法で行う。まず、グルコキナーゼ(以下、Clckと略
記する。)、またはヘキソキナーゼ(以下、HKと略記す
る。)を0.1〜40ユニット/ml、グルコース−6−リン酸
脱水素酵素(以下、G6PDHと略記する。)を0.1〜40ユニ
ット/ml、Mサブユニット阻害性抗体(以下、Abと略記
する。)を0.001〜5mg/ml、アデノシンジリン酸(以
下、ADPと略記する。)を0.1〜20mM、ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド(以下、NAD+と略記する。)また
はニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(以
下、NADP+と略記する。)を0.05〜20mM、グルコースを
1〜200mM、アデノシンモノリン酸(以下、AMPと略記す
る。)を0.2〜20mM、ジアデノシン五リン酸(以下、Ap5
Aと略記する。)を0.001〜0.1mM、N−アセチルシステ
イン(以下、NACと略記する。)またはその他のチオー
ル化合物を0.5〜50mM、マグネシウム塩類(例えば、酢
酸マグネシウム)を0.5〜30mM、アジ化ナトリウムを0.5
〜50mM、エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと略記す
る。)を0.1〜20mM、緩衝液(pH6.7)5〜500mMよりな
る第一試薬を調製い、次にクレアチンリン酸(以下、Cr
Pと略記する)を2〜70mM、アジ化ナトリウム0.5〜50m
M、緩衝液5〜500mMよりなる第二試薬を調製すればよ
い。また、より好ましくは、第一試薬中のGlckまたはHK
を0.2〜20ユニット/ml、G6PDHを0.2〜20ユニット/ml、A
bを0.005〜2mg/ml、ADPを0.2〜10mM、NAD+またはNADP+
を0.1〜10mM、グルコースを2〜100mM、AMPを0.5〜15m
M、Ap5Aを0.002〜0.050mM、NACを2〜30mM、マグネシウ
ム塩類を2〜15mM、アジ化ナトリウムを1〜30mM、EDTA
を0.2〜10mM、緩衝液(pH6.7)を10〜250mMとなるよう
に、さらに第二試薬中のCrPを5〜40mM、アジ化ナトリ
ウムを1〜30mM、緩衝液を10〜250mMとなるように調製
すればよい。
測定方法としては、例えば、まず、第一試薬0.5mlとCK
を含む酵素液(または血清)0.001〜0.02mlを混合し、2
5〜37℃の一定温で5〜10分間保温した後、第二試薬0.1
25mlを添加し、セル室を同じ温度に保った分光計にて34
0nmの吸光度変化により残存CK活性を測定する。次に対
照として、抗体を含有しない第一試薬に同量の酵素液
(または血清)を混合して以下同様に測定する。残存CK
活性と対照CK活性から以下の式で阻害率を求めることが
できる。
(作用) 本発明に用いられる抗体はCK−Mサブユニットを阻害
し、CK−M′サブユニットを阻害しない。心筋梗塞で心
臓から逸脱したCKはそのMサブユニットが血中のカルボ
キシペプチダーゼで修飾を受ける。すなわちCK−MM(MM
3)はMM′(MM2)を経てM′M′(MM1)へと、またCK
−MB(MB2)はM′B(MB1)へと各々経時的に変化して
行く。ゆえに心臓からの逸脱直後にはMサブユニットの
修飾が進んでいないので本発明による阻害率は高くな
り、その後修飾が進むにつれて低下する。このことから
本発明の試薬で阻害率を測定することにより心筋梗塞の
早期診断や発症時刻の推定ができる。
(実施例) 本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれ
ら実施例に限定されない。
参考例1 8週令のマウスBalb/c(日本クレアより入手。)に、50
μgのブタCK−MMを完全フロイントアジュバンド(半井
化学より入手。)と1:1に混合乳化し、腹腔内に投与
し、3週間後に50μgのブタCK−MMを静注して追加免疫
し、マウスミエローマX63・6・5・3と、オイ(Oi,V.
T.)らの方法(セレクティッド メソッズインセルラー
イムノロジー(Selected Methods in Cellular Immunol
ogy),351頁、フリーマンアンドカンパニー(W.H.Freem
an and CO.)1980年)に従って融合し、96穴中54穴でハ
イブリドーマの生育がみられたので、その上澄液をCK活
性測定用試薬(参考例2)に添加して、各々CK−MM3
よびCK−MM1に対して阻害率を測定し、CK−MM3には阻害
を示し、かつMM1を阻害しない抗体を産生している穴の
株を選択して限界希釈法にてクローニングを行い、モノ
クローンのハイブリドーマCKH−5を得た。このCKH−5
は、前記した細胞学的性質によく一致した。
こうして得たハイブリドーマCKH−5を、10%牛胎児血
清を含むRPM11640培地で培養し、細胞温度2×106個/ml
となった培養物300mlを遠心分離で上澄液を集め、50%
飽和硫安分画により粗抗体画分を分離し、透析後、プロ
テインAセファロース(pH8.0)に吸着させ、pH4.0のク
エン酸緩衝液で溶出して、モノクローナル抗体(以下、
この抗体をCKA−5と略記する。)3.2mgを得た。
参考例2 以下に示すCK活性測定用試薬系に添加して、クロマトフ
ォーカシング法により分離した血清中のCK−MM3、MM2
よびMM1に対する阻害率を策定した。
まず、バチルス・ステアローサモフィルス由来のGlcK
(生化学工業より市販。)1.4ユニット/ml、ロイコノス
トック メセンテロイデス由来のG6PDH(オリエンタル
酵母工業社より購入。)1.2ユニット/ml、ADP1.2mM、NA
DP0.75mM、グルコース25mM、AMP6.25mM、Ap5A12.5μ
M、N−アセチルシステイン12.5mM、酢酸マグネシウム
12.5mM、アジ化ナトリウム10mM、EDTA2.5mM、イミダゾ
ール−酢酸緩衝液(pH6.7)150mMよりなる第一試薬を調
整し、次いで、CP100mM、アジ化ナトリウム10mM、トリ
ス−酢酸緩衝液(pH8.5)25mMよりなる第二試薬を調製
した。
上記の第一試薬に抗CK−M活性阻害モノクローナル抗体
CKA−5 0.5mgを添加し、その0.5mlにCK−MM3、MM2
はMM1を加えて光路長1cmのセルに入れ、15分間インキュ
ベートし、次いで、第二試薬0.125mlを加えて、セル室
を同じく30℃の恒温に保った分光光度計にて、340nmの
吸光度変化より残存CK活性を測定した。対照として、抗
体を含まない第一試薬に同量のCK−MM3、MM2又はMM1
加えて、以下同様に測定した。
その結果を表1に示す。
表1に示したように、CKA−5は組織型であるCK−MM3
よく阻害し、血清型のMM1は阻害せず、ハイブリッド型
のMM2を約半分阻害することから、未修飾のMサブユニ
ットを阻害し、分解を受けたM′サブユニットを阻害せ
ず、前記した理化学的性質によく一致した抗体であっ
た。
(参考例3,比較例1) 生の血漿に心筋から精製したCK−MM(800U/)を添加
して、37℃でインキュベートして経時的なCKA−5によ
る阻害率を実施例1に記した方法で測定した。なお比較
例として市販されているCK−MM阻害抗体を含有するCK−
MB用キット(ベーリンガーマンハイム社)を用いて阻害
率を測定した。その結果を表2に示す。
精製CK−MM(MM3)が血漿中のカルボキシペプチダーゼ
Nによって、修飾をうけてMM2、MM1と変化するに従っ
て、CKA−5による阻害は経時的に減少し、6時間後に
は全く阻害せずアイソフォームの変化とよく対応した。
一方、比較例として測定した、CK−MM阻害抗体を含有す
るキットでは、阻害率は6時間後も変化せず、アイソフ
ォームの変化をとらえることはできなかった。
(実施例1、比較例2) 心筋梗塞の発作を起こした患者の血清総CK活性、おびCK
A−5による阻害率を実施例1の方法で経時的に測定し
た。なお比較例としてCK−MB活性を、CK−MM阻害抗体を
含有するCK−MB測定キット(ベーリンガーマンハイム)
で測定した。その結果を第1図と第2図に示したが、CK
A−5による阻害率は発作後約6時間でピークを示した
のに対し、従来から、心筋梗塞の診断に用いられてい
る。CK−MBは12時間後に初めて正常値の範囲(28U/以
下、および総CK活性の6%以下)を超えた。これらのこ
とからCKA−5による阻害率測定は、心筋梗塞の早期診
断に非常に有用であることが明らかであった。
(発明の効果) 本発明のCK測定用試薬、およびそれを用いて阻害率を測
定するCK活性の測定方法は、Mサブユニットの変化(ア
イソフォーム)を簡便かつ短時間に測定することができ
るので、心筋梗塞の早期診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、心筋梗塞の発作後の時間経過とCKA−5によ
る阻害率との関係を示している。 第2図は、参考例として心筋梗塞の発作後の時間経過と
総CK活性(A)およびCK−MB活性(B)値との関係を示
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永来 美保子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 坪田 博幸 千葉県八千代市大和田新田1144番地 株式 会社ヤトロン八千代工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗体を含有するクレアチンキナーゼ測定用
    試薬において、抗体がクレアチンキナーゼ−Mサブユニ
    ットを阻害し、かつクレアチンキナーゼ−M′サブユニ
    ットを阻害しない抗体であることを特徴とするクレアチ
    ンキナーゼ活性測定用試薬。
  2. 【請求項2】抗体を含有するクレアチンキナーゼ活性測
    定用試薬でクレアチンキナーゼ活性を測定するに際に、
    請求項1記載のクレアチンキナーゼ活性測定用試薬を用
    いて、生体液中のクレアチンキナーゼに対する阻害率を
    測定することを特徴とするクレアチンキナーゼ活性の測
    定方法。
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