JPH0691954B2 - 立方晶b−c−n結晶の製造法 - Google Patents

立方晶b−c−n結晶の製造法

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JPH0691954B2
JPH0691954B2 JP63149133A JP14913388A JPH0691954B2 JP H0691954 B2 JPH0691954 B2 JP H0691954B2 JP 63149133 A JP63149133 A JP 63149133A JP 14913388 A JP14913388 A JP 14913388A JP H0691954 B2 JPH0691954 B2 JP H0691954B2
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實 赤石
高義 佐々木
順三 田中
良規 藤木
信夫 山岡
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科学技術庁無機材質研究所長
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高硬度、絶縁性立方晶B−C−N(以下cB−
C−Nと略記する)結晶の製造法に関する。cB−C−N
結晶は、ダイヤモンド及び立方晶窒化ほう素(以下cBN
と略記する)と同様に、高硬度、耐摩耗性を有するた
め、研削砥粒および切削工具材料等として、好適な特性
を有する物質として注目されているものである。
従来技術及びその問題点 ダイヤモンドは硬度に関しては現在知られている物質の
内で最も優れている。しかしながら、高い温度で使用す
るときに安定性に問題がある。一方、cBNはダイヤモン
ドについで硬い物質である。しかもその高温安定性は、
ダイヤモンドに比較し、格段に優れている。しかしなが
ら、cBN結晶の硬さは、ダイヤモンド結晶のそれの約半
分程度である。これらに対し、cB−C−N結晶はダイヤ
モンド結晶の硬さに近く、かつ高温安定性に優れてお
り、高硬度、耐摩耗性物質として、きわめて有望な物質
である。
従来のcB−C−N固溶体の製造方法としては、 (1)Andrzej R. Badzianにより、マテリアル・リサー
チ・ブリテン(Mat.Res.Bull.),vol.16,pp1385−1393,
1981年にcB−C−N固溶体の合成が報告されている。そ
の論文によれば、化学気相蒸着法により合成した六方晶
B−C−N固溶体(hB−C−N固溶体)を静的高温高圧
装置を用いて、14GPa、約3600Kの非常に高い圧力、温度
条件下においてcB−C−N固溶体を合成しえたと報告し
ている。また、同一論文において、同様にして合成した
hB−C−N固溶体を、ダイヤモンド合成触媒(Co,Ni)
及びcBN合成触媒(Li3N,Mg3N2)と共存させて、通常の
ダイヤモンド、cBNを合成する条件と同じ様な高温高圧
条件下で処理したがcB−C−N固溶体は、合成すること
はできなかったと報告している。
(2)瀬高信雄により、化学技術庁無機材質研究所研究
報告書第39号(ダイヤモンドに関する研究,pp59−61,19
84年)に、衝撃高圧力を利用し、cB−C−N固溶体の合
成の可能性が報告されている。その方法は、フラン樹脂
より合成した炭素前駆体(600℃処理)とNaBH4−NH4Cl
より合成した六方晶BN(hBN)を0.7:1の割合で混合し、
60GPaの衝撃高圧力を加えて、cB−C−N固溶体を合成
するものである。
静的または動的高圧力を問わず、cB−C−N固溶体を合
成しえたとする上記2方法とも、非常に高圧力条件下に
おける合成方法であるため、工業的プロセスとしては、
実用化が難しい。さらに、cB−C−N固溶体合成の根拠
として、上記2方法とも、これらの固溶体の格子定数
が、ダイヤモンドとcBNの格子定数の間にあることを根
拠としている。
発明の目的 本発明は従来のcB−C−N固溶体の製造法の欠点をなく
し、非常に高い圧力条件を必要とせず、穏やかな高温高
圧条件下でcB−C−N結晶を製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
発明の構成 本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究の結果、前
記A.R.Badzian報告ではhB−C−N固溶体を製造するの
に、BCl3,CCl4,N2,H2ガスを用い、化学気相蒸着法
(以下、CVD法と記載する)によっている。
しかし、この方法はB,C,N原料を各々異なる原料ガスを
用いるため、均質なB−C−N固溶体というよりも、む
しろ選択的にhBNあるいはB,N,Cの不均質混合物が形成さ
れ易く、またBとNとCの組成比の制御も難しい。
本発明者らは三塩化ほう素(BCl3)とアセトニトリル
(CH3CN)の両ガスを用い、CVD反応を利用し、750〜900
℃で固溶体を製造した。
その結果、750℃より基板上に黒色フィルム状の堆積物
が認められた。堆積物の電子線回折及び粉末X線回折の
結果、格子定数は、a=2.44Å、c=3.40Åであった。
これらの値は、黒鉛、hBNの格子定数の値に非常に近い
ものである。これらのことより、生成物は、両者によく
似た層状構造を有していると考えられる。また生成物の
結晶性は、ガス分圧が低いほど、CVD反応温度が高いほ
ど、良好であった。
合成した堆積物の化学組成を電子線エネルギー損失スペ
クトルおよびオージェ電子分光法で測定することにより
調べた。その結果、BC2Nの化学組成を有することが明ら
かとなった。このように定比組成のhB−C−N固溶体が
合成できるのは、C,N源をアセトニトリルから供給し、
B源を三塩化ほう素から供給するため、選択的なhBNの
形成を抑え、B,C,Nが均質に分布した堆積物が得られる
ためと考えられる。この点において、既存のhB−C−N
固溶体とは大きく異なるものとなることが分かった。そ
の反応は次の通りである。
BCl3(g)+CH3CN(g)→BC2N(s)+3HCl(g) BCl3とCH3CNのCVD反応により得られた膜状hB−C−N固
溶体の電気抵抗を四端子法で測定した結果、比抵抗、0.
05〜0.1Ωcmであった。この値は、半導体領域に属し、
半金属的な振舞いをする黒鉛と絶縁体のhBNの中間に位
置し、電気的性質としては、膜状hB−C−N固溶体はhB
Nよりむしろ黒鉛に近い性質を示す物質であることが分
かった。
このBCl3とCH3CNのCVD反応により合成したhB−C−N固
溶体を7.7GPa,2000℃の条件で処理したが、いかなるcB
−C−N固溶体の存在もX線回折では認められなかっ
た。上記合成条件の温度が低いため、cB−C−N固溶体
の生成が認められなかったと考え、さらに温度の高い合
成条件、7.7GPa,2200℃、においてhB−C−N固溶体を
処理した。得られた試料のX線回折の結果、部分的に立
方晶系の物質に変換していた。これらの格子定数の値か
ら判断するに、cB−C−N固溶体ではなく、cBNが部分
的に生成したと考えられる。7.7GPa,2200℃の高温高圧
条件下では、 hB−C−N固溶体からcB−C−N固溶体に直接変換する
のではなく、分解し、その一部がcBNに変換したと考え
られる。
上記の圧力、温度条件下では、cB−C−N固溶体の合成
は、たいへん難しい。
そこで、ダイヤモンド合成触媒として良く知られている
Co,Ni,Feの金属または合金とhB−C−N固溶体を積層
し、約6GPa,1500℃の条件で処理した。得られた試料を
熱濃塩酸で処理し、水洗乾燥後、X線回折により調べ
た。その結果、試料の格子定数は、明らかにcBNのそれ
よりも小さく、ダイヤモンドのそれより大きかった。こ
れらの結果は、cB−C−N固溶体合成の可能性を強く示
唆している。走査型オージェ電子分光法(SAM)を用い
て、試料を調べた結果、B,C,Nの3元素を明瞭に検出す
ることができた。また、試料のSEM観察の結果、cB−C
−N固溶体は自形面を持った微結晶であることも明らか
となった。
この処理温度は1360℃未満ではcB−C−N結晶は得られ
ないことも分かった。これらの知見に基づいて本発明を
完成した。
本発明の要旨は、三塩化ほう素とアセトニトルの化学気
相蒸着法により合成された定比組成の六方晶BC2N膜また
は粉末に、コバルト,鉄,ニッケル及びそれらの合金か
ら選ばれた1種または2種以上の金属を接触させて、ダ
イヤモンド安定域で1360℃以上の温度で加熱処理するこ
とを特徴とする立方晶B−C−N結晶の製造法にある。
本発明の方法において用いるCVD反応装置の概要図を第
1図に示す。1はヘリウムボンベ、2は三塩化ほう素ボ
ンベ、3は三塩化ほう素用バブラー、4はアセトニトリ
ル蒸留装置、5はアセトニトリル用バブラー、6は電気
炉、7はトラップ、8は真空ライン、9は水銀バブラー
を示す。
実施例 第1図に示すCVD反応装置を使用し、キャリヤガスとし
てヘリウムガスを用い、BCl3のガス分圧60Torr、CH3CN
の分圧20Torrの条件下で反応温度850℃で12時間反応さ
せた。その結果SiO2基板上に厚さ0.1mm程度の黒色フィ
ルムを合成することができた。
得られたフィルムのX線回折の結果、試料は六方晶系に
属し格子定数はa=2.44Å、c=3.40Åであった。第2
図に試料断面のSEM像を示す。X線回折図形及びSEM観察
の結果、生成物の積層状態は無秩序な乱層構造を有する
均質粒子よりなるものであった。
生成物の電子線エネルギー損失スペクトル(EELS)を第
3図に示す。エネルギー損失180〜450eVの範囲に3つの
ピークが出現した。これらのピークはK殻電子の励起に
よるものでB,C,Nにそれぞれ帰属された。この他のピー
クは観測されないことから、生成物はB,C,Nの3元素か
ら成り立っていることは明らかである。各ピークの面積
と各元素のイオン化断面積の計算値をつきあわせること
によってB,C,Nのモル%はそれぞれ24.7±4.1%、52.6±
5.8%、22.7±3.6%となった。これらの結果から生成物
の化学組成はBC2Nであることが判明した。また化学組成
はオージェ電子分光法によっても同一組成であることが
確認された。
得られたhB−C−N固溶体を金属Co板に積層し5.8GPa、
1500℃の条件下で1時間処理した。得られた試料を熱濃
塩酸,熱濃硫酸で処理し水洗乾燥後、X線回折により調
べた。X線回折図形(第4図)は立方晶のパターンを示
し格子定数はa=3.60Åであった。この値はcBNとダイ
ヤモンドの格子定数の中間であった。試料のSEM像を第
5図に示す。この試料は自形面を持ったサブミクロンか
ら数ミクロンの微結晶粒子からなっていることは明らか
である。
この試料の構成元素を明らかにする目的でSAMにより調
べた(第6図)。この試料は絶縁体であるためみかけの
エネルギー値はシフトしているが明白にB,C,Nが検出さ
れた。数多くの点におけるオージェスペクトルを調べた
がいずれの点でもB,C,Nからなるスペクトルが得られ
た。各ピークの強度から組成を推定すると約15%程度の
炭素を含むB,C,N結晶であることは明らかである。
X線回折、SEM像観察、オージェ電子スペクトルの測定
結果から、hB−C−N固溶体を金属Co板に積層し5.8GP
a、1500℃の条件で処理した結果、数ミクロン程度のcB
−C−N結晶が得られることが判明した。
発明の効果 本考案はの方法によると、従来のcB−C−N結晶を製造
する方法における非常に高い圧力を必要とせず、穏やか
な圧力温度条件で容易にcB−C−N結晶が製造し得られ
る。そのため装置も簡単となり工業生産を容易になし得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はCVD反応装置の概要図、第2図は本発明の方法
で得られたhB−C−N固溶体断面の粒子構造を示すSEM
像、第3図はBC2Nの電子線エネルギー損失スペクトル、
第4図は本発明の方法で得られたcB−C−N結晶の粉末
X線回折図、第5図はその結晶の構造を示すSEM像、第
6図はその結晶の構造を示すオージェ電子スペクトルを
示す。 1:ヘリウムボンベ、2:三塩化ほう素ボンベ、 3:三塩化ほう素用バブラー、 4:アセトニトリル蒸留装置、 5:アセトニトリル用バブラー、 6:電気炉、7:トラップ、 8:真空ライン、9:水銀バブラー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三塩化ほう素とアセトニトリルの化学気相
    蒸着法により合成された定比組成の六方晶BC2N膜または
    粉末に、コバルト,鉄,ニッケル及びそれらの合金から
    選ばれた1種または2種以上の金属を接触させて、ダイ
    ヤモンド安定域で1360℃以上の温度で加熱処理すること
    を特徴とする立方晶B−C−N結晶の製造法。
JP63149133A 1988-06-16 1988-06-16 立方晶b−c−n結晶の製造法 Expired - Lifetime JPH0691954B2 (ja)

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JP3346496B2 (ja) * 1992-11-06 2002-11-18 独立行政法人産業技術総合研究所 多結晶性bcn物質及びその製造方法
US6759128B1 (en) * 2002-07-05 2004-07-06 The Regents Of The University Of California Bulk superhard B-C-N nanocomposite compact and method for preparing thereof
CN102747321A (zh) * 2011-04-18 2012-10-24 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 镀膜件及其制备方法

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