JPH0692022B2 - 連鋳鋳片の軽圧下方法 - Google Patents

連鋳鋳片の軽圧下方法

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JPH0692022B2
JPH0692022B2 JP13826290A JP13826290A JPH0692022B2 JP H0692022 B2 JPH0692022 B2 JP H0692022B2 JP 13826290 A JP13826290 A JP 13826290A JP 13826290 A JP13826290 A JP 13826290A JP H0692022 B2 JPH0692022 B2 JP H0692022B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鋼の連続鋳造において、鋳造速度が変化する
鋳造初期、末期及び異鋼種連々鋳時の非定常部鋳片の凝
固末期軽圧下方法に関する。
(従来の技術) 従来、鋳造鋳片の中心偏析対策としては、低温鋳造や電
磁撹拌の適用による凝固組織の微細化(濃化溶鋼の分
散)が主流であった。最近の研究から、中心偏析の生成
原因は凝固末期における鋳片バルジングや凝固収縮等に
よる溶鋼流動であると考えられており、この溶鋼流動を
直接防止する凝固末期軽圧下が偏析防止に最も効果的で
あることが知られている。
例えば、特公昭59−16862号公報には1対若しくは複数
対の圧下ロールにより鋳片の液相線クレーター先端と固
相線クレーター先端との間を定常引抜過程で圧下する方
法が述べられている。
軽圧下の方法についても、例えば特開昭61−37356号公
報には、クレーターエンド形状を鋳片の幅方向に検出
し、最も鋳込上流側に位置するクレーターエンド位置で
圧下を行う方法が、また特公昭59−39225号公報には、
クレーターエンド近傍で0.5〜2.0mm/m圧下する方法が、
更に特開昭63−108955号公報には、圧下時の圧下量/未
凝固厚み比を0.5〜1.0、鋳片中心部の固相率を0.5〜0.
8、圧下歪を0.2%以下とする方法が記載されている。
以上のように、鋳片の中心偏析改善に対しある適正条件
での軽圧下の適用が有効であることが知られているが、
鋳造初期、末期及び異鋼種連々鋳における非定常部鋳片
に対する軽圧下の適用方法については、実際操業上極め
て有用であるにも拘らず未だ確立されていない。
(発明が解決しようとする課題) 一般に、圧下を加える時のクレーターエンド位置は、そ
の中心部固相率(fs)が0.2〜0.7の範囲が適正と言われ
ているが、鋳片サイズ、鋼種、鋳造条件等の影響を受
け、中でも鋳造速度の影響を最も強く受ける。ここで中
心部固相率とは、鋳片横断面中心部固液共存相内での固
相体積割合を意味している。
鋼の連続鋳造では、第1図に示すような鋳造パターンが
適用されるのが通例である。同図において、横軸は時
間、縦軸は鋳造速度(Vc)である。即ち鋳造パターン
は、先鍋鋳造初期の増速区間、定常区間、先鍋末期の減
速区間、連々鋳継目部のピンチロール停止区間並びに後
鍋の増速区間等から構成される。
ここで、鋳造初期に鋳造速度を次第に増速する目的は、
例えばダミーバーと連結する鋳片の凝固シェルを成長さ
せてシェルの破断(ブレークアウト)を防止するためで
あり、また鋳造末期に減速する目的は、先鍋鋳片トップ
部のシュリンケージパイプ深さの低減や、タンディッシ
ュ内スラグのモールド内流出の抑制を図るためである。
また、連々鋳継目部のピンチロール停止の目的は、継目
部での溶鋼の混合を防ぐべく仕切り鉄板を挿入すると共
に、後鍋の溶鋼をタンディッシュ内に所定量溜めた後に
鋳込みを開始するためである。この停止時間は鋳片サイ
ズや鉄板挿入方式にもよるが、一般に数分間程度であ
る。次に、連々鋳後鍋の鋳造開始時の速度を次第に増速
する理由は、継目部凝固シェルを健固にし、継目部から
の溶鋼の流出(ブレークアウト)を防止するためであ
る。
鋳造速度が一定の定常区間では、軽圧下ロールを適正な
位置に固定することで中心偏析は改善される。しかしな
がら、前記非定常区間では、圧下すべきクレーターエン
ドの位置が大幅に変化する問題があり、適正条件で鋳片
に軽圧下を加えるためには、圧下ロールの位置を定常時
よりも上流側または下流側に変更する必要が生じる。
(課題を解決するための手段) 本発明は、前記課題を解決するものである。
即ち、鋳片のクレーターエンド近傍に複数対の軽圧下ロ
ール群を配置して鋳片に圧下を加える場合には、鋳造速
度が定常速度に達するまでの鋳造初期の鋳片及び鋳造速
度が定常速度から減速する鋳造末期の鋳片に対しては、
軽圧下ロール群の内定常部鋳片に圧下を加えるロールよ
りもメニスカス側に近い1対以上のロールで圧下するこ
とにより、鋳造初期及び末期における非定常部鋳片の中
心偏析を低減させる。
また、異鋼種連々鋳またはトップ処理等のためピンチロ
ールを一旦停止した鋳片に対して圧下を加える場合に
は、ピンチロールの停止時間に応じたクレーターエンド
の移動に合わせて定常圧下位置よりもメニスカス側に近
い1対以上のロールで圧下することにより、停止中に凝
固する非定常部鋳片の中心偏析を低減させる。
また、鋳造終了時にトップ処理等のためにピンチロール
を一旦停止した後の再引抜過程で鋳片に圧下を加える場
合には、ピンチロールの停止時間に応じたクレーターエ
ンドの移動距離分だけ定常圧下位置よりもメニスカス側
に近い1対以上のロールで圧下することにより、ピンチ
ロール停止後の再引抜過程での非定常部鋳片の中心偏析
を低減させる。
更に、異鋼種連々鋳における非定常部鋳片に圧下を加え
る場合には、先鍋の鋳造末期における減速区間では軽圧
下ロール群の内定常部鋳片に圧下を加えるロールよりも
メニスカス側に近い1対以上のロールで鋳片を圧下し、
ピンチロール停止中はその時間に応じたクレーターエン
ドの移動に合わせて定常圧下位置よりもメニスカス側に
近い1対以上のロールで圧下し、ピンチロール停止後の
再引抜過程ではピンチロールの停止時間に応じたクレー
タエンドの移動距離分だけ定常圧下位置よりもメニスカ
ス側に近い1対以上のロールで鋳片を圧下し、次いで後
鍋の鋳造初期の増速区間では、前記ピンチロール停止後
の再引抜過程での圧下位置から下流側の定常圧下位置へ
と1対以上の圧下ロールを順次設定することにより、異
鋼種連々鋳における非定常部鋳片の中心偏析を低減させ
る。
(作 用) 以上の如く、本発明では鋳造速度の変化によって上流側
または下流側に移動するクレーターエンドの位置に対応
させて圧下ロールの位置を調整するが、一対以上のロー
ルによる圧下時の鋳片中心部の固相率としては、fs=0.
2〜0.7の範囲が適正である。その理由は、fs<0.2で圧
下すると偏析低減効果が小さく、圧下による内部割れが
発生し易いからであり、またfs>0.7の場合、デンドラ
イトが発達しているため溶鋼流動が起きにくいと共に、
圧下する場合には大きな圧下能力を必要とするからであ
る。
この適正条件に対応するクレーターエンド(以下、クレ
ーターエンドと略す)が、鋳造速度変化によって移動す
る現象について以下に述べる。
クレーターエンドの凝固シェル厚をD(mm)、メニスカ
スからの距離をL(m)、凝固係数をk(mm/mi
n1/2)、鋳造速度をVc(m/min)とすれば、凝固式か
ら、 D=k(L/Vc)1/2 ……(1) または、L=(D/k)2Vc ……(2) 鋳造初期の鋳片クレーターエンドが軽圧下帯へ入る時の
速度dx/dt(mm/min)は、近似的に鋳造速度に等しいか
ら、 dx/dt=Vc ……(3) 次に、鋳造末期の減速区間において、定常鋳造速度Vcか
らΔVc(m/min)だけ減速したときのクレーターエンド
の上流側への移動距離をx(m)とすると、 D=k{(L−x)/(Vc−ΔVc)}1/2 ……(4) (2)式、(4)式から、 x=(D/k)ΔVc ……(5) 即ち、鋳造末期には減速開始から(D/k)(min)後
に、(5)式で与えられるx(m)だけクレーターエン
ドが上流側に移動する。
一方、ピンチロール停止区間において、ピンチロール停
止からT(min)後のクレーターエンドの上流側への移
動距離をx(m)とすると、 D=k{(L−x)/Vc+T}1/2 ……(6) (2)式、(6)式から、 x=VcT ……(7) 即ち、クレーターエンドは、ピンチロール停止からT
(min)経過後にはVcT(m)だけ上流側へ移動する。
以上述べたように、非定常鋳造時にはクレーターエンド
は上流側または下流側へ移動することが知られる。尚、
上記計算は鋳片表面温度一定とした凝固式に基づくもの
であり、実際には連鋳機や鋳造条件により異なると考え
られる。
そこで、発明者らは、第1図に示したパターンで断面サ
イズが350mm×560mmのブルームを鋳造した場合の非定常
部におけるクレーターエンドの位置を、錨打ち法や凝固
計算で求めた。その結果、第2図のように変化すること
を確認した。
第2図において、先鍋のボトム鋳片はt(min)経過後
に軽圧下帯に到達し、そのクレーターエンドは図中A点
からB点へ移動する。従って、本発明ではボトム鋳片に
対しては軽圧下ロール群の内A点とB点の間にあるロー
ルにて圧下を加える。
定常区間の鋳片については、クレーターエンドはメニス
カスから一定の距離(第2図では約27m)にあるロール
で圧下を加え、次に先鍋鋳造末期の減速区間では、クレ
ーターエンドは図中C点からD点に移動し、更にピンチ
ロール停止区間ではE点へと移動するので、これらの区
間における鋳片の圧下は順次その位置に対応するロール
で行う。
尚、発明者らの測定結果によれば、第3図の如くピンチ
ロールの停止時間に比例してE点は上流側に移動するこ
とが知られたので、本発明ではピンチロール停止に応じ
たクレーターエンドの移動に合わせ、より上流側のロー
ルで圧下を加えるものである。更に、後鍋の引抜開始後
は、クレーターエンドは第2図のE点からF点、G点へ
と移動するので、更に圧下ロールを上流側に変更する。
H点は、後鍋の鋳造開始時にモールド内に存在した継目
部(仕切り鉄板挿入部)近傍のクレーターエンド位置で
あり、これらの鋳片に対してはG点からH点に対応する
ロールで圧下する。
また、後鍋の定常区間の鋳片に対しては、I点近傍に配
置したロールにて圧下を加え、後鍋の鋳造末期からは図
中C′、D′、E′及びF′点とクレーターエンドが変
化し、且つE′点は、第3図の関係に従って変化するの
で、順次その位置に対応するロールにて圧下する。
尚、本発明においては、圧下ロール本数は1対以上とす
る。この理由は、圧下歪を低減し圧下による凝固界面近
傍の内部割れを防止するためである。
上記の方法によれば、鋳造初期から末期の鋳片並びに異
鋼種連々鋳等の非定常部鋳片に対しても適正な軽圧下を
適用することが可能であり、鋳片全長に渡って良好な中
心偏析レベルが確保できる。
(実施例) 実施例について図を参照しながら説明する。第4図に示
すブルーム連鋳機で横断面サイズが350mm×560mmの鋳片
を製造するに際し、鋳型1、ガイドロール2、二次冷却
帯3、矯正機4の後方に軽圧下装置を設置し、機械構造
用鋼(S45C)を鋳造した。
軽圧下装置は、メニスカスから25〜30mの範囲で軽圧下
ロール5を400〜880mmピッチで10対配置し、夫々の軽圧
下ロール(上面ロール)には最大180kg/cm2で作動する
油圧シリンダー6を結合した。また、油圧制御装置7を
設置し、コンピューター8からの指令により同時に隣合
う4対のロールで鋳片9を圧下出来るようにした。
即ち、第1図に示した鋳造パターンでS45Cを鋳造し、鋳
造開始から終了までのクレーターエンドの位置は第2図
に示すパターンで変化するものとして、コンピューター
8及び油圧制御装置7により鋳片に圧下を加えた。
鋳造速度が定常速度V1の場合の圧下状態を第5図(a)
に示すが、斜線部の4対の軽圧下ロール5による合計圧
下量を6.5mm、1対目から4対目までの圧下ゾーン長を
1.76m、またこの場合の圧下勾配を3.7mm/mとした。鋳造
速度が定常速度より遅いV2に減速した場合には、前述の
通り適正な圧下位置が上流側に移動するため、第5図
(b)に示すように圧下ロールも上流側に移動するよう
油圧制御した。
本発明により鋳造したブルーム鋳片のCの中心偏析度を
従来材と比較して第6図に示す。本発明は、軽圧下ロー
ルをメニスカスから28〜30mの範囲に4対固定し、第1
図の鋳造パターンでS45Cを合計6.5mm圧下した場合の結
果である。この結果から明らかなように、本発明の軽圧
下方法では偏析改善効果が大きく、これは非定常部鋳片
の改善効果によるものである。従来材の場合には非定常
部鋳片での軽圧下効果が享受できないので、偏析度の大
きなバラツキが認められる。
(発明の効果) 非定常部鋳片での軽圧下が可能となることにより、良好
な中心偏析レベルが確保される。その結果、従来非定常
部鋳片について行っていた均熱拡散処理や低級鋼への規
格変更などが不要となり、品質向上並びに製造コスト低
減に対する効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋳造パターンを示す図、第2図はクレーターエ
ンド位置を示す図、第3図はピンチロール停止時間とク
レーターエンド位置の関係を示す図、第4図は実施例を
示す図、第5図(a),(b)は鋳造速度変化に伴う圧
下ロールの制御方法を示す図、第6図は効果を示す図で
ある。 1……鋳型、2……ガイドロール、3……二次冷却帯、
4……矯正機、5……軽圧下ロール、6……油圧シリン
ダー、7……油圧制御装置、8……コンピューター、9
……鋳片。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼の連続鋳造において、鋳片のクレーター
    エンド近傍に複数対の軽圧下ロール群を配置して鋳片に
    圧下を加えるに際し、鋳造速度が定常速度に達するまで
    の鋳造初期の鋳片及び鋳造速度が定常速度から減速する
    鋳造末期の鋳片に対しては、軽圧下ロール群の内定常部
    鋳片に圧下を加えるロールよりもメニスカス側に近い1
    対以上のロールで圧下することにより、鋳造初期及び末
    期における非定常部鋳片の中心偏析を低減させることを
    特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
  2. 【請求項2】鋼の連続鋳造において、ピンチロールを一
    旦停止した鋳片に対して圧下を加えるに際し、ピンチロ
    ールの停止時間に応じたクレーターエンドの移動に合わ
    せて定常圧下位置よりもメニスカス側に近い1対以上の
    ロールで圧下することにより、停止中に凝固する非定常
    部鋳片の中心偏析を低減させることを特徴とする連鋳鋳
    片の軽圧下方法。
  3. 【請求項3】鋼の連続鋳造において、鋳造終了時にピン
    チロールを一旦停止した後の再引抜過程で鋳片に圧下を
    加えるに際し、ピンチロールの停止時間に応じたクレー
    ターエンドの移動距離分だけ定常圧下位置よりもメニス
    カス側に近い1対以上のロールで圧下することにより、
    ピンチロール停止後の再引抜過程での非定常部鋳片の中
    心偏析を低減させることを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下
    方法。
  4. 【請求項4】異鋼種連々鋳における非定常部鋳片に圧下
    を加えるに際し、先鍋の鋳造末期における減速区間では
    請求項1記載の方法で鋳片を圧下し、ピンチロール停止
    中は請求項2記載の方法で鋳片を圧下し、ピンチロール
    停止後の再引抜過程では請求項3記載の方法で鋳片を圧
    下し、次いで後鍋の鋳造初期の増速区間では、前記ピン
    チロール停止後の再引抜過程での圧下位置から定常圧下
    位置へと1対以上の圧下ロールを順次設定することによ
    り、異鋼種連々鋳における非定常部鋳片の中心偏析を低
    減させることを特徴とする連鋳鋳片の軽圧下方法。
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