JPH069322A - 防虫シート - Google Patents

防虫シート

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JPH069322A
JPH069322A JP6494593A JP6494593A JPH069322A JP H069322 A JPH069322 A JP H069322A JP 6494593 A JP6494593 A JP 6494593A JP 6494593 A JP6494593 A JP 6494593A JP H069322 A JPH069322 A JP H069322A
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尚明 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成分の蒸散に依存することの少ない防虫シー
トを提供し、これを通じて、人畜に対する殺虫成分によ
る影響も生じず、防虫シートの有効期間の長期化を図る
こと。 【構成】 シート状の基材32の表面に、防虫成分を有
する防虫層33を形成した防虫シート31において、前
記基材32の表面に、防虫効果を有する固形物質である
防虫材料の微粒からなる防虫材8を、所要の密度で付着
させて前記防虫層33を形成することとし、また、前記
微粒状の防虫材8は基材32の表面に離脱可能に付着さ
せるとともに、その微粒状の防虫材8には防虫対象とす
る害虫1の体毛間隔Pより粒径の小さい細粒分を含有さ
せてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シート状の基材の表
面に、防虫成分を有する防虫層を形成した防虫シートに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の防虫シートにおいては、
防虫のために用いる殺虫物質が液体あるいは気体である
ので、その殺虫物質をシート状の基材中に含浸させて保
持させることが行なわれている。
【0003】ところで、このような従来の防虫シートに
おいては、基材中に含浸させた殺虫物質が、設置された
空間中に所定以上の濃度で蒸散することにより防虫機能
を奏するものであるが、防虫機能の発揮に伴う殺虫物質
の蒸散により殺虫物質の残量が減少して防虫機能が低下
する宿命を負うので、この種の従来の防虫シートにおい
ては一般に比較的短期の有効期間が定められている。
【0004】このような背景から、液体状の殺虫物質を
マイクロカプセル化して接着剤で基材の表面に固着した
ものも提案されている(例えば、実開平4-4109号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者は、このよ
うな従来の防虫シートの有する本質的な問題点を鋭意研
究の結果、防虫シートに従来の防虫シートとは異なる殺
虫メカニズムを採用することにより、防虫シートの有効
期間の長期化が可能であることを想到するに至ったもの
である。
【0006】すなわち、この発明は、成分の蒸散に依存
することの少ない防虫シートを提供し、これを通じて、
人畜に対する殺虫成分による影響も生じず、防虫シート
の有効期間の長期化を図ることを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、シート状の基材の表面に、
防虫成分を有する防虫層を形成した防虫シートにおい
て、前記基材の表面に、防虫効果を有する固形物質であ
る防虫材料の微粒からなる防虫材を、所要の密度で付着
させて前記防虫層を形成することとし、また、前記微粒
状の防虫材は基材の表面に離脱可能に付着させるととも
に、その微粒状の防虫材には防虫対象とする害虫の体毛
間隔より粒径の小さい細粒分を含有させてあることを特
徴とする。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明によれば、防虫シートにお
いて、前記基材の表面の防虫層には、防虫効果を有する
固形物質からなる微粒状の防虫材がシート材の表面に離
脱可能に付着され、その微粒状の防虫材は防虫対象とす
る害虫の体毛間隔より粒径の小さい細粒分を含有させて
あるので、防虫材が害虫の体毛に妨げられずに害虫の体
表面に付着しやすく、防虫材が害虫の体表面への接触に
よって害虫を確実に死亡させることができる。
【0009】そして、この防虫層の防虫材は、害虫の体
表面への接触により害虫を死亡させるものであるので、
従来の防虫シートのように殺虫成分を設置された空間内
へ高濃度で蒸散せずとも十分に殺虫効果を発揮すること
ができ、蒸散した殺虫成分による人畜に対する影響をも
生じず、防虫シートの有効期間の長期化を図ることがで
きる。
【0010】
【実施例】次に、実施例について説明するが、以下にお
いてはまず、図3から図5により本願で基本的に期待さ
れる各殺虫メカニズムの概要を説明し、この後、実施例
の防虫シートの製造方法とその防虫シートの構造に関し
て詳細に説明する。
【0011】殺虫メカニズムに関する,本願発明者の研
究によれば、次の3つのメカニズムが複合して機能する
ことにより生じるものと考えられるので以下にそれらを
説明する。
【0012】まず、第1のメカニズムを図3により説明
する。
【0013】図3は、害虫の体表面の平面模式図であっ
て、1は害虫、2は害虫の体表面の皮膚、3は害虫の体
毛であり、41,42,43,44は例えば粉状のゼオ
ライトからなる防虫材である。
【0014】かかる害虫1は、気門あるいは皮膚2を通
じて体内に酸素を取入れており、体外への炭酸ガスの排
出は直接皮膚2を通じて行なっている。
【0015】そして、このように炭酸ガスの排出を行な
う皮膚2には、散点状に複数の体毛3が形成されてい
る。
【0016】このような体毛3は、害虫1の種類に応じ
てそれぞれ所定の位置に形成されており、これらの体毛
3の間隔寸法も異なるものとなっているが、各種の害虫
を勘案して標準的に模式化すると、害虫1の皮膚2上で
の体毛3の配列は図1のようであり、以下の説明の単純
化のため各体毛3の間隔寸法Pは一律であるものとす
る。
【0017】また、防虫材41,42,43,44は現
実には当然種々の形状のものであるが、以下のメカニズ
ムの説明を単純化するために図面においては円形として
表示し、それぞれはその粒径のみが異なるものとする。
【0018】このように体毛3が形成されている皮膚2
上への防虫材41,42,43,44の付着の状況は次
のようである。
【0019】すなわち、防虫材41は、その粒径D1
体毛3の間隔寸法Pより若干小さいがほぼ同等のもので
ある。
【0020】そのため、防虫材41は、体毛3の間隙を
経て害虫1の皮膚2に到達することができる。
【0021】そして、害虫1の皮膚2上に達した防虫材
41は皮膚2上の脂質や水分等により皮膚2上に付着す
ることとなる。
【0022】これによって、防虫材41の下方に位置す
る部分の皮膚2は、その表面からの炭酸ガスの排出作用
が妨げられる。なお、皮膚2から酸素の取入れを行なう
害虫の場合には、この防虫材41により、当該部位の皮
膚2からの酸素の取入れも同時に妨げられる。
【0023】防虫材42はその粒径D2が、前記防虫材
41より小さく、防虫材43は前記防虫材42の粒径D
2より一層その粒径が小さいものである。
【0024】前記防虫材41よりその粒径が小さい,防
虫材42,43は、図3からもあきらかなように前記体
毛3に妨げられずに、害虫1の皮膚2に到達することが
でき、前記防虫材41と同様に、皮膚2上に付着し,害
虫1の炭酸ガスの排出作用等を妨げる。
【0025】なお、防虫材44はこの説明の例において
は比較例であって、その粒径D4が、前記体毛3の間隔
寸法Pより大きいものである。かかる粒径の防虫材44
は、図3からあきらかなように、いずれかの体毛3がそ
の付着を妨げることとなるので前記防虫材41,42,
43のように害虫1の皮膚2からの炭酸ガスの排出作用
等を妨げることはできないものである。
【0026】前記防虫材41,42,43の付着によ
り、その部分の皮膚2からの炭酸ガスの排出が妨げられ
ている場合、害虫1の呼吸作用は概ねその付着した部分
の面積に応じて機能が低下し、その部分の面積が許容範
囲を越えると呼吸不全となり、ついには害虫1が死亡す
ることとなる。
【0027】したがって、このような防虫材を用いて、
害虫の駆除を行なう場合には、皮膚2への防虫材41,
42,43の付着した面積の拡大が極めて重要であり、
防虫材の粒径を害虫に応じて適宜選定することにより、
前記付着面積の拡大を通じて害虫駆除の目的が達成され
る。
【0028】次に、図4により第2のメカニズムを説明
するが、この第2のメカニズムは駆除対象の害虫が気門
を有するものである場合に限られる。
【0029】図4は害虫の気門での断面を模式的に示し
たもので、1は気門を有する害虫、2は害虫の体表面の
皮膚、3は害虫の体毛である。
【0030】気門を有する害虫1においては、その害虫
1の体内から延びる気管4が皮膚2に開口して気門5を
形成しており、これらの気管4および気門5は、害虫1
の気管系6を構成するものであって、気管系6は害虫1
が体内に取り入れる酸素を体内に導く通路としての機能
を有するものである。
【0031】このような気門5を有する害虫1におい
て、気門5の近傍で体毛3の間隔寸法をPとし、気門5
の開口寸法(直径)をWとする。
【0032】そして、図4において、81,82,8
3,84はそれぞれ例えば粉状のゼオライトからなる防
虫材であり、これらの防虫材81,82,83,84は
現実には当然種々の形状のものであるが、以下のメカニ
ズムの説明を単純化するために図面においては球形とし
て表示し、それぞれはその粒径のみが異なるものとす
る。
【0033】害虫1の気門5近傍においては、防虫材8
1,82,83,84はその粒径の如何によりその挙動
が異なり、以下の説明において防虫材81,82,83
は有効成分として機能し、防虫材84は比較例として位
置づけられるものである。
【0034】すなわち、防虫材81はその粒径D5が、
体毛3の間隔寸法Pより小さく,かつ気門5の開口寸法
Wより大きいものである。
【0035】そのため、防虫材81は、体毛3の間隙を
経て害虫1の皮膚2に到達し、気門5の表面側に位置す
ることができる。そして、害虫1の皮膚2上に達した防
虫材81は皮膚2上の脂質や水分等により皮膚2上に付
着することとなり、気門5は前記防虫材81で覆われて
閉塞され、その気門5からの酸素の取り込みが阻害され
る。
【0036】防虫材82はその粒径D6が、体毛3の間
隔寸法Pおよび気門5の開口寸法Wよりやや小さいもの
である。
【0037】そのため、防虫材82は、前記防虫材81
と同様に害虫1の皮膚2に到達するが、さらに気門5か
ら気管4内に侵入することができる。
【0038】防虫材82が気管4中に侵入すると、気管
4の通気面積が大幅に小さくなるので、害虫1の酸素の
取入れが損なわれ、かつ侵入した防虫材82が気管4か
ら容易には脱落しないので、害虫1は長時間の酸素欠乏
によって最終的には確実に死亡する。
【0039】前記防虫材82より粒径がさらに小さい防
虫材83においては、前記体毛3は防虫材83が害虫1
の皮膚2へ到達するうえでの支障となることがほとんど
なく、そのうえ、気門5も防虫材83よりかなり大きい
寸法であるので、防虫材83は比較的高い確率で気管4
内に侵入することができる。
【0040】このようにして気管4内に侵入した防虫材
83は、単一の粒子のみでは前記防虫材82のように気
管4を閉塞することは困難であるが、前記のように比較
的高い確率で気管4内に侵入するので、複数個の防虫材
83が付着し蓄積されることによって、気管4の通気断
面積が小さくなり、害虫1は酸素欠乏状態となる。
【0041】防虫材84は前記害虫1の場合には比較例
となるものであって、その粒径D7は前記体毛3の間隔
寸法Pよりも大きいものである。
【0042】このような場合、防虫材84は体毛3によ
って害虫1の皮膚2に到達し得ないので、気門5に対す
る閉塞機能を期待することができない。しかし、前記体
毛3の間隔寸法Pおよび気門5の開口寸法Wは、害虫の
種類により異なる値をとるので、害虫の種類によっては
この防虫材84が前記した防虫材81〜83に相当する
ものとして作用することができる。
【0043】このように、防虫材81,82,83は、
害虫1の気管系6に付着して、害虫1の気門5からの酸
素の取入れを妨げるので、害虫1は酸素欠乏により死亡
し、害虫駆除の目的を達成するものである。
【0044】次に、図5により第3のメカニズムを説明
するが、この第3のメカニズムは例えばゼオライト等の
固形物質が本来的に有する調湿性あるいは吸湿性を利用
した物理的なメカニズムである。
【0045】ゼオライトには、天然ゼオライトおよび人
工ゼオライトが存在するが、いずれのゼオライトも一般
に概ね50meq/100gより大きなイオン交換容量を有してお
り、以下に述べる第3のメカニズムが機能するために要
する調湿性等を有するものである。
【0046】害虫1は、一般に、その皮膚2や体毛3に
異物が付着した場合には、その異物を自ら振り払おうと
する挙動を行ない、この挙動にともなって害虫1の皮膚
2に擦過傷7が生じ、害虫1の体液が皮膚2ににじみ出
すものとされている。
【0047】したがって、このようにして形成された擦
過傷7の部位に、前記ゼオライトからなる防虫材51を
接触させると、害虫1の体液は防虫材51の調湿性ある
いは吸湿性により吹い出され、害虫1は脱水により死亡
することとなる。
【0048】このようなメカニズムが機能するために
は、防虫材51が皮膚2上の前記擦過傷7の部位にまで
到達することが必要であるが、前記のように、害虫1の
皮膚2には、一般に体毛3が存在し,これが前記防虫材
51の接触を妨げるので、この体毛3による障害を回避
して防虫材51を皮膚2上の擦過傷7の部位に到達させ
ることが重要である。
【0049】そのため、ゼオライトを粉状とし、その粉
状のゼオライトからなる防虫材51の粒径D8が害虫1
の体毛3の間隔寸法Pより小さいものとすることによ
り、防虫材51の擦過傷7の部分への接触する確率をた
かめ、これによって害虫を確実に死亡させることができ
る。
【0050】なお、防虫材52は、その粒径D9が前記
体毛3の間隔寸法Pより大きいものを示し、この防虫材
52は体毛3が存在していることにより擦過傷7の部位
に接触することが妨げられる状況を図示したものであ
る。また、図5においては、第3のメカニズムの理解を
容易とするため、防虫材12,13を球状として簡便に
表示したが、現実には種々の異形形状であることはいう
までもない。
【0051】以上説明した第1ないし第3のメカニズム
に共通する利点は、従来の化学的殺虫剤による殺虫とは
異なり害虫を駆除すべき空間内に急性毒性の強い化学物
質を高濃度に蒸散させずに害虫を駆除できることであ
り、このことに起因して人畜に対する化学的殺虫剤の影
響や環境汚染を回避できるとともに害虫が抵抗性を次第
に備えることもなく、粉状の固形物の物理的性質により
行なわれるので、長期に渡って害虫を駆除することがで
きることである。
【0052】このような利点を有する殺虫メカニズムを
利用した防虫シートは、図2に示すように、例えばフロ
ック加工装置11を用いて,いわゆる静電植毛技術によ
り次のように製造される。
【0053】フロック加工装置11は、シート材の供給
ロール12と加工されたシート材の巻き取りロール13
とを有し、これらのロール12,13の間にバインダ塗
布機14と、フロック加工機15と、加熱乾燥器16と
を順に配置した公知のものである。
【0054】そして、本願の防虫シートの製造に際して
は、前記供給ロール12には、防虫シートの基材とすべ
きシート材17がロール巻きされた状態で装備されてい
る。
【0055】この実施例において、前記供給ロール12
に捲回されたシート材17は、ポリエステル繊維で形成
された,厚さ1mm程度の不織布である。
【0056】なお、かかるシート材17としては、フェ
ルト等の不織布に限らず織布をも用いることができ、さ
らに、普通紙,樹脂加工紙,合成繊維紙,クラフト紙,
和紙等の紙類、あるいはポリエチレン,ポリプロピレン
等のプラスチックシートを用いることができる。
【0057】そして、前記シート材17は供給ロール1
2から引き出され、前記バインダ塗布機14等を経た
後、図中矢印方向に移動され前記巻き取りロール13に
巻き取られるようになっている。
【0058】バインダ塗布機14は、バインダタンク1
4aと塗布ロール14bとを有し、塗布ロール14bに
引き込まれる前記シート材17の下面にバインダタンク
14aに貯溜したバインダ18を適宜の厚さで塗布する
ことができる。
【0059】この実施例で用いるバインダ18は、酢酸
ビニル合成糊を用い、その塗布厚さは、例えば0.1mm以
下のきわめて薄い厚さであり、この実施例では概ね0.05
mm程度である。
【0060】なお、この実施例のようにフロック加工装
置11により防虫シートを製造する場合には、バインダ
18としては、前記に限らず、エマルジョン型あるいは
水溶液型接着剤から適宜のものを用いることができ、そ
の場合前記塗布厚さは使用する接着剤による接着力に応
じて適宜調整すればよい。
【0061】このようにして、下面にバインダ18が所
要の厚さに塗布されたシート材17は、次にフロック加
工機15に送られる。
【0062】フロック加工機15は、シート材17の両
側に電極21を配置して構成した処理部22と、この処
理部22に微粒状の防虫材8を供給する粉体供給部23
とを有し、この実施例において前記粉体供給部23から
供給される防虫材8はマイナスに帯電され、プラスの電
極21側に位置するシート材17に向けて所要の電圧で
加速され、前記バインダ18の塗布されたシート材17
下面に所要の密度で分散して付着するようになってい
る。
【0063】この実施例で用いる防虫材8は、前記した
第1〜第3の殺虫メカニズムにおいて説明した,防虫材
41,42,43,44,81,82,83,84,5
1,52に該当するものであり、防虫材料としての天然
ゼオライトを破砕して所要の粒径の微粒状に形成したも
ので、この天然ゼオライトのイオン交換容量を地力増進
施工令のゼオライト試験方法に準拠して測定すると、13
0〜170meq/100gであり、十分大きな吸湿性あるいは調湿
性を有するものである。
【0064】そして、この防虫材8の粒度分布は、図6
(a)に示すとおりであり、粒径が60μm以下の細粒分
は、重量でその40%を占めている。
【0065】かかる防虫材8の粒形状を顕微鏡で観察す
ると、例えば、図7に示すようであり、各防虫材8は非
球形で概ね多面体形状に形成されており、各防虫材8の
ほとんどには図8に拡大して示すように尖った端部(以
下、尖端部)24が形成されている。
【0066】このように防虫材8として用いる防虫材料
は、天然ゼオライトのほか、微粉炭ボイラの煙道ガスか
ら回収されるフライアッシュを水酸化ナトリウム水溶液
で煮沸処理して得られる人工ゼオライトや、その他人工
的に製造される合成ゼオライトを用いることができる。
【0067】また、これらのゼオライトに限らず、例え
ば、セピオライト,シリカゲル,ベントナイト,タル
ク,無水けい酸,珪藻土等の適度な吸湿性あるいは調湿
性を有する固形材料を防虫材料として用いることもでき
る。
【0068】なお、前記のゼオライトや各固形材料中の
二以上を混合して用いることも可能である。
【0069】そして、これらのいずれかを用いて得た微
粒状の防虫材8に、例えば微紛状のシラス(火山灰)等
の固形材料を添加材として混合し、これを前記粉体供給
機23から供給させることとしてもよい。
【0070】シラスは、防虫材料としての吸湿性や調湿
性を有するものではないので前記第3の殺虫メカニズム
を期待できないが、前記第1および第2の殺虫メカニズ
ムを期待することができるので本願の防虫材8に該当す
る。
【0071】また、シラスは、その粒形状に先の尖った
尖端部24が多数存在し、これにより害虫1の体表面2
での擦過傷7の形成が促進されるので、前記したゼオラ
イトや固形材料と混合して使用する場合には前記第3の
殺虫メカニズムを強化するものとなる。
【0072】このような目的での添加材としてはシラス
に限られないことはいうまでもない。
【0073】さらに、前記のごとき防虫材料等で形成さ
れた防虫材8に、例えば、ほう酸等の弱い薬効の薬剤を
添加して混合し、これを前記粉体供給機23から供給す
ることとしてもよい。この場合には、その薬剤の薬効と
ともに前述の殺虫メカニズムが同時に害虫に作用するの
で、その薬効が従来より弱いものであっても十分に効果
がある。
【0074】このようにして、防虫材8の付着されたシ
ート材17は、この後、電熱等による加熱乾燥機16内
で乾燥された後、巻き取りロール13に製品として巻き
取られる。
【0075】なお、加熱乾燥機16においては、シート
材17や使用する防虫材料あるいは薬剤の耐熱性を考慮
して乾燥温度および加熱時間を設定することはいうまで
もない。
【0076】このようにして製造された防虫シート31
を模式図で示すと図1のようである。
【0077】すなわち、この実施例の防虫シート31
は、前記シート材17からなる基材32と、その一側面
に防虫層33が形成されている。なお、防虫層33は基
材32の両側側面に形成することとしてもよい。
【0078】防虫層33は、微粒状の前記防虫材8と、
これを前記基材32上に付着させる薄いバインダ層34
とで形成され、前記防虫材8はバインダ層34の表面上
に所要の密度に分布させて付着されている。なお、この
バインダ層34は、本願発明でいう接着剤層に該当する
ものである。
【0079】このようにバインダ層34で基材32に保
持された前記防虫材8は、例えば0.3kgf/cm2以下の弱い
付着力で保持されており、害虫1の運動により防虫材8
の離脱が可能である。
【0080】この実施例においては、前記のように防虫
材8にはその粒径が60μm以下の細粒分を含有するもの
としてあるが、これは防虫の対象とする害虫1として白
蟻を考慮したためである。
【0081】すなわち、前記の第1〜第3の殺虫メカニ
ズムにおいては、害虫1の体表面2上に形成された体毛
3の存在にかかわらず、防虫材8を害虫1の体表面2上
に、確実に到達させることが十分な殺虫効果を生じさせ
るうえで重要である。
【0082】このために、この実施例において対象とす
る害虫1が白蟻で,その体毛3の間隔寸法Pが60μmで
あるので、防虫層33中に粒径60μm以下の防虫材8を
含有させたもので、この粒径60μm以下の防虫材8によ
って白蟻の体表面2上への到達の確率が高められ、害虫
1としての白蟻を確実に死亡させることができるのであ
る。
【0083】なお、前記防虫層33中の,粒径が60μm
を越える防虫材は、白蟻より体毛間隔Pの大きい別種の
害虫に対しては前記と同様の防虫材としての機能を発揮
する。
【0084】また、防虫材8の防虫材料として前記ゼオ
ライト等のように調湿性等を有するものを用いた場合に
は、粒径が60μmを越える防虫材は、その防虫シート3
1の直近の設置空間内での湿度を乾燥側に調整して害虫
1の活力を低下させる機能を発揮する。
【0085】そして、前記のように防虫材8が離脱可能
であるので、この防虫シート31に害虫1として例えば
白蟻が存在する場合、白蟻の動作により、防虫シート3
1上に保持されている防虫材8が離脱し、この離脱した
防虫材8によって前記の第1〜第3の殺虫メカニズムが
機能して白蟻を死亡させることができる。
【0086】なお、前記防虫材8の付着力は0.2kgf/cm2
以下とすれば害虫1の運動による離脱の頻度が一層高く
なり殺虫メカニズムの確率が高まる。
【0087】このように、前記した防虫シート31によ
る殺虫メカニズムは、防虫材8の粒径と駆除対象とする
害虫1の体毛3の間隔寸法Pや気門5の開口寸法Wとの
関係で物理的に成立するものであるので、各種の害虫に
対して使用することが可能である。
【0088】本願発明の防虫シート31を用いて駆除対
象とすることのできる害虫を挙げると、例えば、その他
のシロアリ類や家ダニ類のツメダニ,チリダニ,コナダ
ニあるいはチャタテムシ,ゴキブリ類はもちろんのこ
と、カ類,ハエ類,ノミ類,シラミ類,ヒラタキクイム
シ,シバンムシ類,ノシメマダラメイガ,ノコギリヒラ
タムシ,コクヌストモドキ,コクゾウムシ,アズキゾウ
ムシ,ヒメマルカツオブシムシ,ヒメカツオブシムシ,
イガ,ユスリカ類,チョウバエ類,カメムシ類,アブ
類,マダニ類,サシバエ,ニカメイガ,ウンカ,ツマグ
ロヨコバイ,ヒメコガネ,シロイチモジマダラメイガ,
シンクイムシ類,カイガラムシ類,ハダニ類,アブラム
シ類,コナガ,ヨトウムシ,ヤサイゾウムシ,マツノマ
ダラカミキリ,キクイムシ類,コガネムシ類,スジキリ
ヨトウ,シバツトガ等である。
【0089】なお、前記の害虫のうち、家ダニ類のチリ
ダニやコナダニは、気門を有さず,皮膚2からの酸素の
取入れを行なうものであるので、前記第2のメカニズム
は機能しないが、第1のメカニズムにより皮膚に付着し
た天然ゼオライトは、炭酸ガスの排出のみならず酸素の
取入れをも阻害することによりその駆除を行なうととも
に、前記第3のメカニズムによって擦過傷からの脱水に
より確実に駆除することができる。
【0090】そして、シロアリとは異なる前記の害虫を
対象とする場合、前記した第1ないし第3のメカニズム
から明らかなように、その対象とする害虫の体毛の間隔
寸法P等に応じて、防虫材の有効成分となるものの粒径
が定まるので、使用する防虫材の粒度分布を適宜調整す
ることが好ましく、駆除対象を特定種類の害虫とする防
虫材の場合には、その害虫の体毛の間隔Pより小さい粒
径のもののみを分別して、これを防虫材として用いるこ
とが効率的である。
【0091】例えば、家ダニ類のツメダニを駆除対象の
害虫とする場合、その体毛の間隔寸法は概ね30μmであ
る。
【0092】この場合に、例えば図6(a)の粒度分布
の防虫材8を用いると、重量%で概ね30%弱のものがツ
メダニの皮膚に到達し得る有効成分として機能する。
【0093】しかし、ツメダニの気門の開口寸法Wは概
ね1μmであるので、前記第2のメカニズムにおいて、
防虫材82,83として機能し得る有効成分は、きわめ
てわずかである。
【0094】したがって、この場合には、用いる防虫材
5の粒度分布を例えば図6(b)に示すように、粒径30
μm以下の細粒分の含有割合を例えば70%まで増加させ
ることが好ましく、これによって防虫材82,83とし
て機能し得る有効成分も増加している。
【0095】同様に、その他の害虫の場合にも対象とす
る害虫の体毛3の間隔寸法Pや気門5の開口寸法Wを基
準として防虫材8の粒度分布を定め、その防虫材8にこ
れらの基準より粒径の小さい細粒分を積極的に含有させ
ることとすればよい。
【0096】なお、このように粒径30μm以下の細粒分
の含有割合を増加しても、だにより体毛間隔Pの大きい
白蟻等の害虫に対する殺虫メカニズムには何等の支障を
も生じず、かえって、防虫材8の粒径を体毛間隔に対し
て小さくすれば、体表面2へ接触するうえで体毛3が妨
げとなることが低減するので、確実な殺虫効果を期待す
ることができる。
【0097】このように、防虫シート31がツメダニを
対象とする場合には、ツメダニの体長が小さいので、前
記バインダ層34等による防虫材8の付着力を例えば0.
15kgf/cm2以下とすれば、小さなだに等の害虫に対する
有効性が高まる。
【0098】以上説明した防虫シート31は、基材32
上にバインダ層34を形成し、このバインダ層34上に
フロック加工機15を用いて防虫材8を分散付着させて
基材32に保持させたものであるが、フロック加工装置
11を用いず、基材32の表面に接着剤層を形成しこの
表面上に防虫材8を適宜方法により散布することとして
もよい。
【0099】なお、防虫材8を基材32の表面に付着す
るに際して、以上のようにバインダ層34や接着剤層を
介在させるものであっても、本願発明でいう基材34の
表面への防虫材8の付着であることはいうまでもない。
【0100】また、基材32の表面上のバインダ層34
の形成を省略して、基材32自体に直接防虫材8を保持
させることとしてもよい。
【0101】例えば、布や紙等の繊維性シートを基材3
2として用いる場合、前記防虫材8を基材32の表面上
に散布し、これを擦り込むことにより、基材32の表面
の繊維により機械的に係合して保持される。また、いわ
ゆる連続気泡型のスポンジ材のように表面の気泡が開口
されているスポンジ材を基材32として用いる場合に
も、基材32の表面に開口された気泡中に防虫材8を保
持させることができる。
【0102】すなわち、これらのように基材32の表面
が粗面である場合には、その基材32表面に存在する凹
凸を手がかりとして防虫材8を基材32に直接保持させ
ることができる。
【0103】さらに、基材32の表面が平滑である場合
には、基材32とこれに保持させるべき防虫材8とに逆
極性の電荷を与えておくことにより、静電気的に防虫材
8を基材32の表面に直接保持させることも可能であ
る。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、防虫シートにおいて、前記基材の表面の防
虫層には、防虫効果を有する固形物質からなる微粒状の
防虫材がシート材の表面に離脱可能に付着され、その微
粒状の防虫材は防虫対象とする害虫の体毛間隔より粒径
の小さい細粒分を含有させてあるので、防虫材が害虫の
体毛に妨げられずに害虫の体表面に付着しやすく、防虫
材が害虫の体表面への接触によって害虫を確実に死亡さ
せることができる。
【0105】そして、この防虫層の防虫材は、害虫の体
表面への接触により害虫を死亡させるものであるので、
従来の防虫シートのように殺虫成分を設置された空間内
へ高濃度で蒸散せずとも十分に殺虫効果を発揮すること
ができ、蒸散した殺虫成分による人畜に対する影響をも
生じず、防虫シートの有効期間の長期化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】防虫シートの模式断面図である。
【図2】フロック加工装置による防虫シートの製造過程
の説明図である。
【図3】第1の殺虫メカニズムの説明図である。
【図4】第2の殺虫メカニズムの説明図である。
【図5】第3の殺虫メカニズムの説明図である。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ防虫材の粒度
分布図である。
【図7】顕微鏡で見た防虫材の粒形状スケッチである。
【図8】防虫材の形状説明図である。
【符号の説明】 P 体毛間隔 D1〜D8 粒径 1 害虫 3 体毛 8 防虫材 11 フロック加工装置 24 尖端部 31 防虫シート 32 基材 33 防虫層 34 バインダ層(接着剤層)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の基材の表面に、防虫成分を有
    する防虫層を形成した防虫シートにおいて、 前記基材の表面に、防虫効果を有する固形物質である防
    虫材料の微粒からなる防虫材を、所要の密度で付着させ
    て前記防虫層を形成することとし、 また、前記微粒状の防虫材は基材の表面に離脱可能に付
    着させるとともに、その微粒状の防虫材には防虫対象と
    する害虫の体毛間隔より粒径の小さい細粒分を含有させ
    てあることを特徴とする防虫シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防虫シートにおいて、前
    記防虫材料として、人工ゼオライト,天然ゼオライト,
    セピオライト,シリカゲル,ベントナイト,タルク,無
    水けい酸,珪藻土からなる一群の固形材料中の一または
    二以上を用いることを特徴とする防虫シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の防虫シートにお
    いて、前記防虫材を多面体形状として表面に尖端部を形
    成してあることを特徴とする防虫シート。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の防虫シートにお
    いて、前記防虫材とほぼ同程度の微粒状の固形物質であ
    ってその形状を多面体形状としてその表面に尖端部を形
    成したものを前記防虫層に含有させてあることを特徴と
    する防虫シート。
  5. 【請求項5】 請求項1から4に記載した防虫シートの
    いずれかにおいて、殺虫効果を有する薬剤を前記防虫層
    に添加したことを特徴とする防虫シート。
  6. 【請求項6】 請求項1から5に記載した防虫シートの
    いずれかにおいて、前記防虫層の基材側の部位に接着剤
    層を形成し、この接着剤層を介して前記微粒状の防虫材
    を基材の表面に付着させてあることを特徴とする防虫シ
    ート。
  7. 【請求項7】 請求項1から5に記載した防虫シートの
    いずれかにおいて、前記基材をその表面が粗面であるシ
    ート材とし、前記微粒状の防虫材を前記基材の表層に係
    合保持させ、前記基材の表面に付着させたことを特徴と
    する防虫シート。
  8. 【請求項8】 請求項1から5に記載した防虫シートの
    いずれかにおいて、前記基材の表面と防虫材とに互いに
    異なる極性の電荷を付与し、その電気的吸引力で防虫材
    を前記基材の表面に付着させたことを特徴とする防虫シ
    ート。
  9. 【請求項9】 請求項6から8に記載した防虫シートの
    いずれかにおいて、前記防虫材をフロック加工法により
    基材の表面上に分布させたことを特徴とする防虫シー
    ト。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の防虫シートにおいて、
    前記接着剤をエマルジョン型あるいは水溶液型接着剤と
    して接着剤層を形成するとともに、この接着剤層の表面
    側にフロック加工により防虫材を分布してあることを特
    徴とする防虫シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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