JPH0693277A - 酸化物セラミックス製摺動部材 - Google Patents
酸化物セラミックス製摺動部材Info
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- JPH0693277A JPH0693277A JP4317694A JP31769492A JPH0693277A JP H0693277 A JPH0693277 A JP H0693277A JP 4317694 A JP4317694 A JP 4317694A JP 31769492 A JP31769492 A JP 31769492A JP H0693277 A JPH0693277 A JP H0693277A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた潤滑性及び耐摩耗性を確保して耐久性
が向上する摺動部材を得る。 【構成】 水栓バルブの操作握りを連結した回動部材1
を固定の分配部材2の上面に回転可能に接合させたもの
で、いずれもアルミナを主成分とし、若干量のガラス質
を含むセラミックス体であり、約1600゜Cで焼結する。
相対摺動面となる分配部材2の上面をダイヤモンドペー
ストで研磨して平滑にした後、その研磨面を濃度1%の
フッ化水素酸によりエッチングを施してその表面に1〜
2μm程度の微細な凹凸面21を無数に形成する。そし
て、充分水洗し、雰囲気炉中で1030゜Cに加熱し、ベン
ジン蒸気を凹凸面21に注入して表面に0.3μm程度の
厚みの熱分解炭素膜22を被着形成すると共に、50μm
の深さまで達する凹部にも熱分解炭素を浸入させて成
り、そのまま或いは熱分解炭素膜22に油性の潤滑剤3
を塗布して使用する。
が向上する摺動部材を得る。 【構成】 水栓バルブの操作握りを連結した回動部材1
を固定の分配部材2の上面に回転可能に接合させたもの
で、いずれもアルミナを主成分とし、若干量のガラス質
を含むセラミックス体であり、約1600゜Cで焼結する。
相対摺動面となる分配部材2の上面をダイヤモンドペー
ストで研磨して平滑にした後、その研磨面を濃度1%の
フッ化水素酸によりエッチングを施してその表面に1〜
2μm程度の微細な凹凸面21を無数に形成する。そし
て、充分水洗し、雰囲気炉中で1030゜Cに加熱し、ベン
ジン蒸気を凹凸面21に注入して表面に0.3μm程度の
厚みの熱分解炭素膜22を被着形成すると共に、50μm
の深さまで達する凹部にも熱分解炭素を浸入させて成
り、そのまま或いは熱分解炭素膜22に油性の潤滑剤3
を塗布して使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性のある高性能の
酸化物セラミックス製摺動部材に関するものである。
酸化物セラミックス製摺動部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは一般に、耐摩耗性、耐熱
性、耐腐食性であるため各種摺動部材、特に水栓切替用
摺動部材として使用され始めている。しかし、アルミ
ナ、ムライト、シリカ、ガラス等からなる最も一般的な
酸化物セラミックスは、摺動抵抗が増大して摺動が困難
となって長時間の使用に耐えられない欠点があった。こ
の欠点を除去するため、多孔質セラミックス中にフッ化
カーボン、炭素、窒化硼素のいずれかを充填したもの
(特開昭63−9781号)、摺動面にフッ素樹脂、二
硫化モリブデン、グラファイト、TiN、SiC等のコ
ーティング層を形成したもの(実開昭63−51970
号、実開昭63−180776号、実開平2−1360
39号)、或いは、摺動面にアモルファス・ダイヤモン
ド薄膜を形成したもの(特開平3−223190号、特
開平3−165170号)がある。
性、耐腐食性であるため各種摺動部材、特に水栓切替用
摺動部材として使用され始めている。しかし、アルミ
ナ、ムライト、シリカ、ガラス等からなる最も一般的な
酸化物セラミックスは、摺動抵抗が増大して摺動が困難
となって長時間の使用に耐えられない欠点があった。こ
の欠点を除去するため、多孔質セラミックス中にフッ化
カーボン、炭素、窒化硼素のいずれかを充填したもの
(特開昭63−9781号)、摺動面にフッ素樹脂、二
硫化モリブデン、グラファイト、TiN、SiC等のコ
ーティング層を形成したもの(実開昭63−51970
号、実開昭63−180776号、実開平2−1360
39号)、或いは、摺動面にアモルファス・ダイヤモン
ド薄膜を形成したもの(特開平3−223190号、特
開平3−165170号)がある。
【0003】
【従来技術の問題点】しかしながら、前者の多孔質のセ
ラミックスを使用するものは漏水を起し易く、強度や耐
摩耗性に劣り、また摺動面に潤滑性を有する固体物質の
層を形成介在させるものは、グラファイト等軟質のもの
では容易に摩耗して効力を失い、またTiN、SiC、
アモルファス・ダイヤモンド薄膜のような耐摩耗性の高
硬度物質では製造上高価となって実用性に乏しいもので
あった。
ラミックスを使用するものは漏水を起し易く、強度や耐
摩耗性に劣り、また摺動面に潤滑性を有する固体物質の
層を形成介在させるものは、グラファイト等軟質のもの
では容易に摩耗して効力を失い、またTiN、SiC、
アモルファス・ダイヤモンド薄膜のような耐摩耗性の高
硬度物質では製造上高価となって実用性に乏しいもので
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、それ
らとは原理的に異なる技術で、またアモルファス・ダイ
ヤモンド薄膜やグラファイトとは構造の異なる比較的安
価な非晶質熱分解炭素の性質を応用して、酸化物セラミ
ックスの有する摺動抵抗の増大による耐久性の悪い欠点
を改善するものである。
らとは原理的に異なる技術で、またアモルファス・ダイ
ヤモンド薄膜やグラファイトとは構造の異なる比較的安
価な非晶質熱分解炭素の性質を応用して、酸化物セラミ
ックスの有する摺動抵抗の増大による耐久性の悪い欠点
を改善するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、酸化
物を主成分とする緻密質耐摩耗性焼結体セラミックスか
ら成り、その相対する摺動面を機械的に研磨した後、少
なくともその一方の研磨面に化学的なエッチングによっ
て微細な凹凸を形成し、この凹凸面に800〜1200゜Cの
温度で有機化合物のガスを導入して非晶質の熱分解炭素
層を0.01〜2.0μmの厚みに被着すると共に、微細な凹
部に該熱分解炭素を浸入形成した構成としている。な
お、熱分解炭素層の上面に油性の潤滑剤を塗布してもよ
い。
物を主成分とする緻密質耐摩耗性焼結体セラミックスか
ら成り、その相対する摺動面を機械的に研磨した後、少
なくともその一方の研磨面に化学的なエッチングによっ
て微細な凹凸を形成し、この凹凸面に800〜1200゜Cの
温度で有機化合物のガスを導入して非晶質の熱分解炭素
層を0.01〜2.0μmの厚みに被着すると共に、微細な凹
部に該熱分解炭素を浸入形成した構成としている。な
お、熱分解炭素層の上面に油性の潤滑剤を塗布してもよ
い。
【0006】
【作用】緻密質の焼結体セラミックスを用いているが、
化学的なエッチングによって摺動面に微細で且つ比較的
深い凹部を有する無数の凹凸を形成し、この凹凸面に80
0〜1200゜Cの温度で有機化合物のガスを導入すること
で、0.01〜2.0μmの厚みの非晶質熱分解炭素層が被着
形成されるのである。この際、有機化合物のガスが深い
無数の凹部にも導入されることから熱分解炭素層は全く
剥離することがなく、長時間の摺動によってもその殆ど
が凹部に残留する。このため、熱分解炭素層が摺動によ
って破壊や剥離することなく耐久性に優れるのである。
化学的なエッチングによって摺動面に微細で且つ比較的
深い凹部を有する無数の凹凸を形成し、この凹凸面に80
0〜1200゜Cの温度で有機化合物のガスを導入すること
で、0.01〜2.0μmの厚みの非晶質熱分解炭素層が被着
形成されるのである。この際、有機化合物のガスが深い
無数の凹部にも導入されることから熱分解炭素層は全く
剥離することがなく、長時間の摺動によってもその殆ど
が凹部に残留する。このため、熱分解炭素層が摺動によ
って破壊や剥離することなく耐久性に優れるのである。
【0007】ここで、化学的なエッチングを施すのは、
極めて微細なしかし比較的深い無数の凹凸を形成するた
めである。アルミナやムライトを主成分とする通常の耐
摩耗性セラミックスは若干の珪酸塩ガラスを含有するの
でフッ化水素酸でエッチングをするのが適当である。こ
れにより、セラミックスの研磨表面は、セラミックスの
焼結組織と機械的研磨によって生じる比較的粗大な凹凸
の他に、化学作用によって主として結晶粒界のガラス質
が複雑に侵食されて極めて微細なしかし比較的深い無数
の凹凸面が形成されるのである。
極めて微細なしかし比較的深い無数の凹凸を形成するた
めである。アルミナやムライトを主成分とする通常の耐
摩耗性セラミックスは若干の珪酸塩ガラスを含有するの
でフッ化水素酸でエッチングをするのが適当である。こ
れにより、セラミックスの研磨表面は、セラミックスの
焼結組織と機械的研磨によって生じる比較的粗大な凹凸
の他に、化学作用によって主として結晶粒界のガラス質
が複雑に侵食されて極めて微細なしかし比較的深い無数
の凹凸面が形成されるのである。
【0008】また、熱分解炭素層の形成は、エッチング
したセラミックスを電気炉中、800〜1200゜Cの温度で
減圧下、ベンジン,ベンゼン,メタン等を注入すると、
有機化合物のガスが熱分解を起こしてセラミックスの凹
凸面に非晶質膜となって被着されるのである。熱分解炭
素層の厚みは注入時間によって調節できるのである。該
熱分解炭素は深い無数の凹部にも導入形成されてセラミ
ックスに強固に結合するのである。
したセラミックスを電気炉中、800〜1200゜Cの温度で
減圧下、ベンジン,ベンゼン,メタン等を注入すると、
有機化合物のガスが熱分解を起こしてセラミックスの凹
凸面に非晶質膜となって被着されるのである。熱分解炭
素層の厚みは注入時間によって調節できるのである。該
熱分解炭素は深い無数の凹部にも導入形成されてセラミ
ックスに強固に結合するのである。
【0009】熱分解炭素膜の必要な厚みの正確な測定は
困難であるが、充分な効果が得られる炭素膜の量は、炭
素による重量増加から平均的厚さで概算すると約0.1μ
mとなり、また非晶質炭素の電気抵抗率を4×10(-3
乗)Ω・cmとして抵抗値から膜厚を逆算すると、0.01
μm程度となり必ずしも一致しない。これは前者がエッ
チングにより形成する微細な間隙を埋める炭素量を含む
のに対し後者は膜の最も薄い部分の影響を大きく受ける
からと思われる。しかし、いずれにしても極めて微量で
充分であり、これから推定して必要な膜厚の下限は0.
01μm程度と考えられる。一方、微細な凹部の熱分解
炭素の浸入深さは相当深く、研磨面に垂直な切断面の光
学顕微鏡観察では、研磨面から約10〜50μmまで黒
く浸透が認められたのである。
困難であるが、充分な効果が得られる炭素膜の量は、炭
素による重量増加から平均的厚さで概算すると約0.1μ
mとなり、また非晶質炭素の電気抵抗率を4×10(-3
乗)Ω・cmとして抵抗値から膜厚を逆算すると、0.01
μm程度となり必ずしも一致しない。これは前者がエッ
チングにより形成する微細な間隙を埋める炭素量を含む
のに対し後者は膜の最も薄い部分の影響を大きく受ける
からと思われる。しかし、いずれにしても極めて微量で
充分であり、これから推定して必要な膜厚の下限は0.
01μm程度と考えられる。一方、微細な凹部の熱分解
炭素の浸入深さは相当深く、研磨面に垂直な切断面の光
学顕微鏡観察では、研磨面から約10〜50μmまで黒
く浸透が認められたのである。
【0010】また、凹部への浸入深さを除いた熱分解炭
素膜が2.0μm以上になると、炭素とセラミックスの熱
膨張差等から炭素膜の剥離現象が起こり易くなるだけで
なく、セラミックス表面の比較的粗大な凹部が熱分解炭
素によって埋まり、潤滑剤を塗布する場合は潤滑剤が保
有され難くなる。着炭の実際作業と使用上の効率から望
ましい厚さは0.2μm前後である。
素膜が2.0μm以上になると、炭素とセラミックスの熱
膨張差等から炭素膜の剥離現象が起こり易くなるだけで
なく、セラミックス表面の比較的粗大な凹部が熱分解炭
素によって埋まり、潤滑剤を塗布する場合は潤滑剤が保
有され難くなる。着炭の実際作業と使用上の効率から望
ましい厚さは0.2μm前後である。
【0011】熱分解炭素膜の形成温度を800〜1200゜C
としたのは、その温度範囲が比較的均質で薄い炭素膜の
形成に最適なためである。温度が低すぎると炭素膜はす
すけて均一な膜になり難く、温度が高すぎる場合にはコ
ストが高くなるのみならず、エッチングにより生成する
微細なセラミックスの間隙が高温作用でしだいに閉じて
しまうので熱分解炭素の浸入の深さが浅くなり炭素膜の
密着性が不良となるのである。
としたのは、その温度範囲が比較的均質で薄い炭素膜の
形成に最適なためである。温度が低すぎると炭素膜はす
すけて均一な膜になり難く、温度が高すぎる場合にはコ
ストが高くなるのみならず、エッチングにより生成する
微細なセラミックスの間隙が高温作用でしだいに閉じて
しまうので熱分解炭素の浸入の深さが浅くなり炭素膜の
密着性が不良となるのである。
【0012】さらに、潤滑剤を塗布する場合は、その塗
布面が酸化物セラミックス面ではなく熱分解炭素膜面で
あって疎水性つまり親油性となる。即ち、グリス等の油
性の潤滑剤は、酸化セラミックスとなじみが悪いため長
くその表面に保持され難く、特に水の存在下では水と容
易に置換して流出し摺動面の潤滑性を失うものである
が、熱分解炭素膜面は水より油性物質に親和性があり、
グリス等は水の存在下でも微細な凹部にいつまでも保持
されてその潤滑性を発揮するのである。このため潤滑剤
の保持と緻密質セラミックスの優れた耐摩耗性によって
耐久性が一層向上するのである。
布面が酸化物セラミックス面ではなく熱分解炭素膜面で
あって疎水性つまり親油性となる。即ち、グリス等の油
性の潤滑剤は、酸化セラミックスとなじみが悪いため長
くその表面に保持され難く、特に水の存在下では水と容
易に置換して流出し摺動面の潤滑性を失うものである
が、熱分解炭素膜面は水より油性物質に親和性があり、
グリス等は水の存在下でも微細な凹部にいつまでも保持
されてその潤滑性を発揮するのである。このため潤滑剤
の保持と緻密質セラミックスの優れた耐摩耗性によって
耐久性が一層向上するのである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の図示実施例について説明す
る。図2は水栓バルブとしたもので、1は操作握りを連
結した回動部材であって固定の分配部材2の上面に回転
可能に接合させている。回動部材1及び分配部材2に透
設した通孔を連通させ或いは閉塞して給水及び停止の作
用をするのである。回動部材1及び分配部材2はいずれ
もアルミナを主成分とし、若干量のガラス質を含むセラ
ミックス体であり、約1600゜Cで焼成して吸水率0%の
緻密質耐摩耗性焼結体としている。焼結体中アルミナ結
晶粒子は平均約1〜2μmである。
る。図2は水栓バルブとしたもので、1は操作握りを連
結した回動部材であって固定の分配部材2の上面に回転
可能に接合させている。回動部材1及び分配部材2に透
設した通孔を連通させ或いは閉塞して給水及び停止の作
用をするのである。回動部材1及び分配部材2はいずれ
もアルミナを主成分とし、若干量のガラス質を含むセラ
ミックス体であり、約1600゜Cで焼成して吸水率0%の
緻密質耐摩耗性焼結体としている。焼結体中アルミナ結
晶粒子は平均約1〜2μmである。
【0014】また、相対摺動面となる一方の固定分配部
材2の上面をダイヤモンドペーストで研磨して平滑にし
た後、図1のように、その研磨面を濃度1%のフッ化水
素酸によりエッチングを施してその表面に微細な凹凸面
21を無数に形成する。該凹凸面21の凹凸は表面粗さ
計で測定すると1〜2μm程度であるが、さらに微細な
凹部は50μm程度の深さに達する。
材2の上面をダイヤモンドペーストで研磨して平滑にし
た後、図1のように、その研磨面を濃度1%のフッ化水
素酸によりエッチングを施してその表面に微細な凹凸面
21を無数に形成する。該凹凸面21の凹凸は表面粗さ
計で測定すると1〜2μm程度であるが、さらに微細な
凹部は50μm程度の深さに達する。
【0015】そして、エッチング後、充分水洗し、雰囲
気炉中で1030゜Cに加熱し、ベンジン蒸気を凹凸面21
に注入すると表面に熱分解炭素膜22が被着形成される
のである。本例では八分間の注入により0.3μm程度の
厚みとした。そして、この熱分解炭素膜22に油性の潤
滑剤3を塗布して使用するのである。
気炉中で1030゜Cに加熱し、ベンジン蒸気を凹凸面21
に注入すると表面に熱分解炭素膜22が被着形成される
のである。本例では八分間の注入により0.3μm程度の
厚みとした。そして、この熱分解炭素膜22に油性の潤
滑剤3を塗布して使用するのである。
【0016】本例によると、熱分解炭素が微細な無数の
凹凸面21の凹部に浸入することから容易に剥離せず、
長時間の摺動によってもその殆どが凹部に残留するので
ある。また、潤滑剤3の塗布面が熱分解炭素膜22面で
あるため親油性となり、潤滑剤3が水の存在下でも微細
な凹部にいつまでも保持されてその潤滑性を発揮するの
である。このため潤滑剤3の保持と優れた耐摩耗性によ
って耐久性が向上するのである。
凹凸面21の凹部に浸入することから容易に剥離せず、
長時間の摺動によってもその殆どが凹部に残留するので
ある。また、潤滑剤3の塗布面が熱分解炭素膜22面で
あるため親油性となり、潤滑剤3が水の存在下でも微細
な凹部にいつまでも保持されてその潤滑性を発揮するの
である。このため潤滑剤3の保持と優れた耐摩耗性によ
って耐久性が向上するのである。
【0017】本例の実験結果を図3及び図4に示す。図
3は、分配部材2に本例のアルミナセラミックスに熱分
解炭素膜を被着させた摺動面を、同一のアルミナセラミ
ックス自体の摺動面を有する回動部材1と無通水状態及
び通水状態で摺動させるシングルレバー混合水栓耐久試
験機により測定したもので、あわせてアルミナセラミッ
クス自体の摺動面を対向して摺動させた測定結果も示し
ている。なお、混合水栓のシングルレバーは、湯側止水
−湯側吐水−水側吐水−水側止水−水側吐水−湯側吐水
−湯側止水を1サイクルとして、サイクル数の増加に対
する摺動に要するトルクの変化を測定したものである。
また、図4はそれらの摺動面にシリコングリスを塗布し
た場合の同様実験である。
3は、分配部材2に本例のアルミナセラミックスに熱分
解炭素膜を被着させた摺動面を、同一のアルミナセラミ
ックス自体の摺動面を有する回動部材1と無通水状態及
び通水状態で摺動させるシングルレバー混合水栓耐久試
験機により測定したもので、あわせてアルミナセラミッ
クス自体の摺動面を対向して摺動させた測定結果も示し
ている。なお、混合水栓のシングルレバーは、湯側止水
−湯側吐水−水側吐水−水側止水−水側吐水−湯側吐水
−湯側止水を1サイクルとして、サイクル数の増加に対
する摺動に要するトルクの変化を測定したものである。
また、図4はそれらの摺動面にシリコングリスを塗布し
た場合の同様実験である。
【0018】実験によると、機械研磨しただけのアルミ
ナセラミックスの場合は最初の1000サイクルで異常なト
ルクとなり20000サイクルで摺動が停止した。また、こ
れにシリコングリスを塗布した場合でも無通水状態にお
いて次第に摺動が困難となり、その通水状態ではグリス
の流出によると思われる異常が発生して一定の測定結果
が得られなかった。一方、本例のアルミナセラミックス
に熱分解炭素膜を被着させたものは、図3のように、ト
ルクが大きく減少するが、これにシリコングリスを塗布
したものは、無通水状態及び通水状態を問わず150000サ
イクルでトルクの増加が殆ど認められなかった。このよ
うに本例によると、優れた潤滑性及び耐摩耗性で耐久性
が向上していることが分かるのである。
ナセラミックスの場合は最初の1000サイクルで異常なト
ルクとなり20000サイクルで摺動が停止した。また、こ
れにシリコングリスを塗布した場合でも無通水状態にお
いて次第に摺動が困難となり、その通水状態ではグリス
の流出によると思われる異常が発生して一定の測定結果
が得られなかった。一方、本例のアルミナセラミックス
に熱分解炭素膜を被着させたものは、図3のように、ト
ルクが大きく減少するが、これにシリコングリスを塗布
したものは、無通水状態及び通水状態を問わず150000サ
イクルでトルクの増加が殆ど認められなかった。このよ
うに本例によると、優れた潤滑性及び耐摩耗性で耐久性
が向上していることが分かるのである。
【0019】100000回の摺動後の本例の摺動面を光学顕
微鏡写真で撮影した平面を図5(イ)(ロ)で示し、そ
の断面写真を図6(イ)(ロ)で示す。走査型電子顕微
鏡観察及び表面粗さ計測定によれば、熱分解炭素を形成
したものはグリスの塗布無しで150000サイクルの摺動で
摺動面の摩耗は約1μm以下であることが分かった。ま
た、グリスの塗布によるものではさらに摩耗が少なく、
最初の1000サイクルの摺動で摺動面は約0.3μm程度摩
耗して摺動面の微細な凸部が僅かに平坦になり、以後の
摺動では殆ど摩耗が起こっていないことが分かった。
微鏡写真で撮影した平面を図5(イ)(ロ)で示し、そ
の断面写真を図6(イ)(ロ)で示す。走査型電子顕微
鏡観察及び表面粗さ計測定によれば、熱分解炭素を形成
したものはグリスの塗布無しで150000サイクルの摺動で
摺動面の摩耗は約1μm以下であることが分かった。ま
た、グリスの塗布によるものではさらに摩耗が少なく、
最初の1000サイクルの摺動で摺動面は約0.3μm程度摩
耗して摺動面の微細な凸部が僅かに平坦になり、以後の
摺動では殆ど摩耗が起こっていないことが分かった。
【0020】本例は上記のように構成したが、本発明に
おいてはこれに限定されない。例えば、緻密質耐摩耗性
焼結体セラミックスは酸化物を主成分とするものであれ
ばよい。また、その相対する摺動面の少なくとも一方に
施す微細な凹凸は化学的なエッチングによって形成すれ
ばよい。さらに、この凹凸面に熱分解炭素を被着形成す
るための有機化合物のガスの種類は適宜である。なお、
熱分解炭素膜に塗布する油性の潤滑剤の種類も任意であ
る。
おいてはこれに限定されない。例えば、緻密質耐摩耗性
焼結体セラミックスは酸化物を主成分とするものであれ
ばよい。また、その相対する摺動面の少なくとも一方に
施す微細な凹凸は化学的なエッチングによって形成すれ
ばよい。さらに、この凹凸面に熱分解炭素を被着形成す
るための有機化合物のガスの種類は適宜である。なお、
熱分解炭素膜に塗布する油性の潤滑剤の種類も任意であ
る。
【0021】
【発明の効果】本発明によると、熱分解炭素が微細な無
数の凹凸面の凹部に浸入して被着形成されることから容
易に剥離せず、良好な耐摩耗性と相俟って耐久性が向上
するのである。また請求項2では、潤滑剤の塗布面が熱
分解炭素膜面であるため親油性となり、潤滑剤が水の存
在下でも微細な凹部にいつまでも保持されてその潤滑性
を発揮し耐久性が一層向上する効果が大きい。
数の凹凸面の凹部に浸入して被着形成されることから容
易に剥離せず、良好な耐摩耗性と相俟って耐久性が向上
するのである。また請求項2では、潤滑剤の塗布面が熱
分解炭素膜面であるため親油性となり、潤滑剤が水の存
在下でも微細な凹部にいつまでも保持されてその潤滑性
を発揮し耐久性が一層向上する効果が大きい。
【図1】本発明の一実施例を示す摺動面の拡大縦断面図
である。
である。
【図2】それを用いた水栓バルブの要部断面図である。
【図3】潤滑剤を塗布しない場合のその摺動とトルクの
相関関係図である。
相関関係図である。
【図4】潤滑剤を塗布した場合のその摺動とトルクの相
関関係図である。
関関係図である。
【図5】(イ)は使用した摺動面を光学顕微鏡写真で撮
影した200倍写真である。(ロ)は使用した摺動面を光
学顕微鏡写真で撮影した1000倍写真である。
影した200倍写真である。(ロ)は使用した摺動面を光
学顕微鏡写真で撮影した1000倍写真である。
【図6】(イ)その摺動面の断面を光学顕微鏡写真で撮
影した100倍写真である。(ロ)はその摺動面の断面を
光学顕微鏡写真で撮影した200倍写真である。
影した100倍写真である。(ロ)はその摺動面の断面を
光学顕微鏡写真で撮影した200倍写真である。
1 回動部材 2 分配部材 21 微細な凹凸 22 熱分解炭素薄膜 3 潤滑剤
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 40:04 50:08 70:00 80:00
Claims (2)
- 【請求項1】 酸化物を主成分とする緻密質耐摩耗性焼
結体セラミックスから成り、その相対する摺動面を機械
的に研磨した後、少なくともその一方の研磨面に化学的
なエッチングによって微細な凹凸を形成し、この凹凸面
に800〜1200゜Cの温度で有機化合物のガスを導入して
非晶質の熱分解炭素層を0.01〜2.0μmの厚みに被着す
ると共に、微細な凹部に該熱分解炭素を浸入形成したこ
とを特徴とする酸化物セラミックス製摺動部材。 - 【請求項2】 熱分解炭素層の上面に油性の潤滑剤を塗
布した請求項1の摺動部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4317694A JPH0693277A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 酸化物セラミックス製摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4317694A JPH0693277A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 酸化物セラミックス製摺動部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0693277A true JPH0693277A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=18090986
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4317694A Pending JPH0693277A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 酸化物セラミックス製摺動部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0693277A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003026489A (ja) * | 2001-07-16 | 2003-01-29 | Maruwa:Kk | セラミックス製摺動部材の製造方法 |
| US6896633B2 (en) * | 2001-08-10 | 2005-05-24 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Belt for continuously variable transmission |
| JP2010285653A (ja) * | 2009-06-11 | 2010-12-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 構造部材およびその製造方法 |
| JP2010286038A (ja) * | 2009-06-11 | 2010-12-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 摺動用構造部材及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-09-14 JP JP4317694A patent/JPH0693277A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003026489A (ja) * | 2001-07-16 | 2003-01-29 | Maruwa:Kk | セラミックス製摺動部材の製造方法 |
| US6896633B2 (en) * | 2001-08-10 | 2005-05-24 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Belt for continuously variable transmission |
| JP2010285653A (ja) * | 2009-06-11 | 2010-12-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 構造部材およびその製造方法 |
| JP2010286038A (ja) * | 2009-06-11 | 2010-12-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 摺動用構造部材及びその製造方法 |
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