JPH0693300B2 - 光学式情報記録担体の製造方法 - Google Patents

光学式情報記録担体の製造方法

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JPH0693300B2
JPH0693300B2 JP61166948A JP16694886A JPH0693300B2 JP H0693300 B2 JPH0693300 B2 JP H0693300B2 JP 61166948 A JP61166948 A JP 61166948A JP 16694886 A JP16694886 A JP 16694886A JP H0693300 B2 JPH0693300 B2 JP H0693300B2
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威夫 太田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は光学的記録再生方式に使用される円盤状の情報
記録担体の製造方法に関するものである。
従来の技術 従来からこの種の情報記録層としては、TeOx(x≒1.0,
TeとTeO2の混合物)を主成分とし、添加剤として例えば
Pd,Cu,Au等を単独もしくは組合せて加えたものがある。
これらの薄膜形成法は、例えば蒸着源として、TeOxとPd
の2種類を用いた共蒸着による真空蒸着法や、TeとPdの
合金あるいは複合ターゲットを用いたOリアクティブに
よるスパッタリング法で形成される。
発明が解決しようとする問題点 上述の真空蒸着法やスパッタリング法で形成された薄膜
は、膜組成としてTe,TeO2,Pdの混合物からなり、TeOxに
Pdが混在したものとみなすことができる。薄膜の形成時
点では非晶質であり、レーザー光等の照射により結晶化
する性質を有するため、反射率の変化を利用した光記録
膜として使われる。また添加剤であるPd等は結晶化の核
となり、その速度を速める役割を有するため、この薄膜
は記録後時間経過とともに感度が増す増感の極めて少な
い光記録膜として有望であり、コンピューター用のデー
タファイル等の用途としても大きく期待されている。
このような光記録膜を形成する場合、真空蒸着法を用い
ると蒸着源を毎回交換する必要があるため量産性に限界
がある。したがって、交換の必要がなくより量産性の良
い、データファイルに重要なビットエラーレートに対し
ても有利なスパッタリング法による生産が望まれてい
る。この方法によれば、1つの合金または複合ターゲッ
トで連続的に何枚も光記録膜を形成することが可能であ
る。
TeOxとPdからなる光記録膜は含有される酸素量すなわち
x値によりその膜特性が異なる。x値が大きい程耐候性
にすぐれた膜となる反面反射率が低くなり、ドライブに
かからないという問題が発生し、高い記録パワーでのC/
Nも低くなるという特徴がある。一方、x値が小さい場
合は反射率は高くなるが、低い記録パワーでのC/Nが低
く、耐候性に対しても不利な膜となる。したがって、耐
候性が良い上、反射率も低すぎることなく、広い記録パ
ワー領域に対して安定したC/Nが得られるような光記録
膜を得るためにはx値として相反する膜特性を兼ね備え
なければならない。実際、光記録膜の生産においてスパ
ッタリング法を用いる場合、一定条件で連続スパッタリ
ングすれば膜厚方向にTeOxとPdの組成が均一な膜となる
ことは必然であり、低い記録パワーでのC/Nが悪い低感
度な膜となるか、反射率の低い膜になるという問題があ
る。
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、簡単な構成
で、反射率が高く、広範囲な記録パワー領域で安定した
C/Nが得られ、長寿命な信頼性の高い情報記録担体の製
造方法を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決する本発明の技術的な手段は、薄膜組
成として、TeOxを主成分とし、添加剤としてPdを加えた
もののx値の小さい組成を第1層,x値の大きい組成を第
2層とした多層薄膜構成にすることにある。
こえ薄膜組成を実現する方法としては、TeとPdの複合も
しくは合金ターゲットを用いたO2リアクティブによるス
パッタリング法、あるいはTeとPdの複数個のターゲット
を用いたO2リアクティブによるマルチスパッタリング法
がある。
作 用 この技術的手段による作用は次のようになる。
すなわち、上記の構成によれば、基板に近い第1層の薄
膜組成はx値の小さいTeOxとPdが混在したものであり、
反射率の比較的高い膜となる。さらに第2層の薄膜組成
はx値の大きいTeOxとPdが混在したものであり、第1層
と第2層の界面では両者の屈折率が異なることから界面
からの反射が新たに加わることになる。第2層のみでは
低い反射率であるが、第1層および第1層と第2層の界
面からの反射により、総合的には第1層と第2層の平均
的な組成のみとした場合の反射率よりも高いものが得ら
れる。
また光記録膜の膜特性としては、レーザー光照射による
結晶化ということからして、第1層と第2層の平均的な
組成の膜特性に近いものとなる。すなわち、反射率の高
い膜の割には低い記録パワーでも感度の高い膜特性であ
り、広範囲な記録パワー領域に対して安定したC/Nが得
られる。さらに、第2層は平均組成の膜よりもTeOxのx
値が大きいことから酸素リッチな膜であり、接着層を介
して伝わる吸湿や透湿に対しても劣化の少ない、耐候性
に強い膜であるということが言える。
実 施 例 以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。第1図において、光案内用の溝1を形成したポリカ
ーボネートからなる樹脂基板2の表面に、Teの低酸化物
TeOx1(O<x1<2)とPdからなる光記録膜の第1層3
と、同様にTeの低酸化物TeOx2(O<x2<2)とPdから
なる光記録膜の第2層4が設けられている。この樹脂基
板2は光案内用の溝1aを形成した同様の樹脂基板2aと光
硬化性樹脂の接着剤5によって全面接合され、ディスク
の形態をなしている。ここに、光記録膜の第1層と第2
層のTeの低酸化物のx値には、x1<x2となるように選ば
れており、各層の膜厚はそれぞれ750Åである。
このようなディスクの光記録膜の第1層3と第2層4
は、例えば第2図に示される方法によって形成される。
第2図は高周波マグネトロン方式によるスパッタリング
装置であり、装置本体6がチャンバー7の内部に一対の
電極8,9を備えており、それぞれに薄膜形成用の基板10
とスパッタリング用のターゲット11が取り付けられてい
る。このチャンバー7内に一定量のスパッタガス12、例
えばArとO2の混合ガス流入し、反応性スパッタリングに
よりターゲット組成がスパッタされて基板上に光記録膜
が形成される。
スパッタリング用ターゲットの構成としては、例えばTe
のターゲットにPdの金属片を載置もしくは埋め込んだ複
合ターゲットがあるが、この他にもTeとPdを一定の組成
比で合金としたターゲットや、TeとPdのそれぞれのター
ゲットを複数個用いたマルチターゲットがある。
いずれのターゲットの構成であっても、スパッタガスと
して、Ar,He,Ne等の不活性ガスとO2を組合せた例えばAr
+O2の混合ガスを用いれば、スパッタされたターゲット
組成は基板に付着するまでの間にO2と反応し、TeOxを形
成することになる。したがって、光記録膜の第1層と第
2層の形成に対しては、第1層の形成時に用いたスパッ
タガスのO2流量を所定の膜厚時に増加させてやれば、第
2層の形成もx値がx1<x2となるよう連続的かつ容易に
行なうことができる。ここに、膜厚のモニターとしては
水晶振動子を用いれば、生産においてもインラインで非
破壊的に膜厚を知ることができる。
第3図は、光記録膜の膜厚方向に組成分析を行なった結
果であり、それぞれTe,O,Pd,Cの含有量がat%で示され
ている。これによれば、膜圧の中央でTeとOの含有量が
段階的に変わっており、スパッタガスO2の流量調節によ
り応答性良く、二層薄膜が形成されていることがわか
る。
こうして形成された光記録膜は、信号の記録再生特性に
対して、第4図のようになることが実験的に確かめられ
た。第4図は、各記録パワーに対するC/Nを示したもの
で、光記録膜を第1層のみ(曲線B)、第2層のみ(曲
線C)で構成したものと、第1層と第2層(曲線A)で
構成したものの比較である。曲線Bは低い記録パワーで
C/Nが大きく定価する傾向を有し、曲線Cは逆に高い記
録パワーでC/Nが低下する。これに対し、本発明の構成
による光記録膜(曲線A)は、曲線Bと曲線Cの中間的
な特性を有し、双方の特徴を兼ね備えた膜特性となって
いることがわかる。
第5図は、光記録膜のTeOxのx値に対する反射率を示し
たものである。第1層の組成x1,第2層の組成x2をそれ
ぞれ単独で構成した時の反射率がB点,C点であり、本発
明の構成による光記録膜の反射率A点は、第1層と第2
層の平均的な組成x3のみで構成した時の反射率D点より
も高くなっており、むしろ第1層の組成x1に対する反射
率B点に近い値を示している。これは、光記録膜の反射
率は基板と第1層の界面における反射の影響が大きく左
右し、さらに第1層と第2層の界面の反射がこれに加わ
っていることが考えられる。
本実施例の光記録膜の構成においては、第1層と第2層
の膜厚は同じであるが、全体の膜厚としては1300Å〜17
00Åの最もC/Nの高い膜厚とし、第1層の膜厚はこの1/2
よりも薄く100Å〜800Åとしても反射率を高める効果は
十分得られることが確かめられた。このことは、光記録
膜の反射率が基板と第1層との界面からの反射に大きく
関与することからもわかり、第1層の組成x1の値をより
小さく、膜厚の薄い膜とし、第2層との平均組成を一定
にするような組成x2と膜厚を選んでも同様の効果を得る
ことが確かめられた。
また、本実施例の構成による光記録膜は、80℃,80%の
加速条件下において、1000時間経過後もC/Nの低下は2dB
以下であり、通常の使用,保存環境下においては10年以
上の寿命であることが推定できる。
次に、本発明の第2の実施例について図面とともに説明
する。第6図は、第1図と同一物については同一番号を
付してあり、光案内用の溝1を形成したポリカーボネー
トからなる樹脂基板2と光記録膜の第1層3との間に光
記録膜の第3層13を設けた構成になっている。第3層13
の膜厚は50Å〜300Åであり、膜の組成は第2層と同じ
もしくはこれに近いx値をもつTeOxとPdから形成されて
いる。
ここに、ポリカーボネートは吸湿,透湿の少ない樹脂基
板であるが、ガラス基板等に比較すればディスク外部か
らの水分を通すことを防止するのは完全ではない。した
がって、樹脂基板を通した水分による光記録膜の劣化と
いうことも全くないとは言えない。本実施例は樹脂基板
の表面に、耐候性に強い酸素リッチな膜第3層を設けた
もので、第1の実施例の構成における耐候性をより向上
させたものである。
本実施例の構成では、Teリッチな膜第2層を酸素リッチ
な膜第2層と第3層ではさんだ構成になっており、それ
ぞれのTeOxのx値をx1,x2,x3とすると、x1<x2x3とな
る組成関係が必要である。信号の記録再生特性は、x1,x
2,x3の平均組成に近いTeOxの特性を示し、反射率は第3
層が加わったことから屈折率の異なる界面が増え、反射
の効果が増大している。すなわち、第3層は低反射率な
膜であるにもかかわらず、その膜厚が50Å〜300Å程度
と薄ければ、全体としての反射率を下げる以上に、界面
での反射を多くすることになり、第1層から第3層まで
の平均的な組成のみで構成した時の反射率よりも高くな
ることが実験的に確かめられた。
このような構成の光記録膜も、第1の実施例の場合と同
様にスパッタガス中のO2の流量を増減することによっ
て、段階的に組成の変化する光記録膜を容易に製造する
ことができる。
以上の実施例においては、光記録膜を形成する際、O2
アクティブによるスパッタリング法を用い、スパッタガ
ス中のO2流量を調節することで薄膜を形成したが、同様
なことがO2流量を一定にした高周波パワーの増減によっ
ても行なえることが確かめられた。厳密に言えば、高周
波パワーを下げることにより、光記録膜の組成は酸素リ
ッチになると同時に、TeとPdの含有量比Pd/Teもわずか
ではあるが減少する傾向を有する。したがって、この場
合はO2流量を変えて光記録膜の組成を調節する場合とは
異なった膜ができるが、Pd/Teの変化量が少ないため、
これによる影響は小さいことがわかった。実際の装置に
おいては、光記録の第1層は高周波パワーを高くしてTe
リッチな膜にし、第2層あるいは第3層は高周波パワー
を低くして酸素リッチな膜を形成すればよく、O2流量の
調節の場合と同様の効果が得られた。
なお、本実施例のスパッタリング装置としては、高周波
発振によるマグネトロン方式を用いたが、カソードが絶
縁体でない場合には、DC電源を用いたスパッタ方式も可
能であり、本実施例の光記録膜の形成に対して何らの支
障もない。
発明の効果 本発明は、Teの低酸化物TeOxを主成分とし、添加剤とし
てPdを用いた光記録膜の形成において、x値の小さい膜
と大きい膜を組合せた少くとも二層からなる多層膜を形
成することにより、反射率の高い、低記録パワーでも高
感度な耐候性に強い情報記録担体を実現できるものであ
る。
また、反応性スパッタリング等において、O2流量や高周
波パワーの調節によって容易に光記録膜を形成すること
ができ、量産性を向上するためにも大きな効果を有する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光学式情報記録担体の製造方法におけ
る光学式情報記録担体の断正面図、第2図は同製造方法
を実施した装置の原理図、第3図は同記録担体における
光記録膜の組成分析図、第4図は同光記録膜の記録再生
特性図、第5図は同光記録膜の組成と反射率の相関図、
第6図は本発明の製造方法における他の光学式情報記録
担体の断正面図である。 1,1a……光案内用溝、2,2a……樹脂基板、3……光記録
膜の第1層、4……光記録膜の第2層、5……接着剤、
11……スパッタリング用ターゲット、12……スパッタガ
ス、13……光記録膜の第3層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TeとPdからなる少くとも1つの複合もしく
    は合金ターゲット、またはTeとPdの単体の複数個からな
    るマルチターゲットを用いた不活性ガスと酸素の反応性
    スパッタリングにおいて、TeOxとPdからなる光記録膜の
    x値がx1<x2となる第1層TeOx1と第2層TeOx2を酸素の
    流量調節により順次形成する光学式情報記録担体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】TeOxとPdからなる光記録膜のx値がx1<x2
    x3となる第3層TeOx3,第1層TeOx1,第2層TeOx2を、
    不活性ガスと酸素の反応性スパッタリングにおける酸素
    の流量調節により順次形成する光学式情報記録担体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】光記録膜の第1層TeOx1と第2層TeOx2の形
    成を高周波電源出力またはDC電源出力のパワー調節によ
    り行なう特許請求の範囲第1項記載の光学式情報記録担
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】光記録膜の第3層TeOx3,第1層TeOx1,第2
    層TeOx2の形成を高周波電源出力またはDC電源出力のパ
    ワー調節により行なう特許請求の範囲第2項記載の光学
    式情報記録担体の製造方法。
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