JPH0693389A - 耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0693389A
JPH0693389A JP15225893A JP15225893A JPH0693389A JP H0693389 A JPH0693389 A JP H0693389A JP 15225893 A JP15225893 A JP 15225893A JP 15225893 A JP15225893 A JP 15225893A JP H0693389 A JPH0693389 A JP H0693389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrosion resistance
stainless steel
content
steel
ductility
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15225893A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuyuki Hirai
龍至 平井
Norimi Wada
典巳 和田
Yasuo Kobayashi
泰男 小林
Ryuichiro Ebara
隆一郎 江原
Hideo Nakamoto
英雄 中本
Masato Zama
正人 座間
Makoto Nakamura
誠 中村
Hajime Nagano
長野  肇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd, NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP15225893A priority Critical patent/JPH0693389A/ja
Publication of JPH0693389A publication Critical patent/JPH0693389A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%で、C:0.08%以下と、Si:5.0 〜8.
0 %と、Mn:2.0 %以下と、Ni:10〜35%と、C
r:10〜25%と、残部Fe及び不可避的不純物からな
り、且つCr,Si及びNi含有量が下記(1)式を満
たす耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス
鋼。 Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14<5 (1) 【効果】95%硫酸中においては65℃まで、98%硫
酸中では150〜220℃の環境で良好な耐食性を有
し、かつ構造用材料としての延靱性に優れたステンレス
鋼板を熱間圧延または熱間鍛造によって容易に得られ
る。したがって、硫酸製造プラントの乾燥塔、吸収塔等
の装置材料として利用できる安価なステンレス鋼板を提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硫酸製造プラントの
乾燥塔、吸収塔等の装置材料として利用できる、延靱性
ならびに高温、高濃度硫酸中での耐食性に優れた高Si
含有ステンレス鋼及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】接触式硫酸製造法で重要となる吸収、乾
燥、冷却工程において、装置材料は一般的に、濃度95
〜99%、温度65〜120℃の硫酸環境に曝される。
本材料としては、従来、耐酸レンガを内張りした炭素
鋼、Cr鋳鉄、高Si鋳鉄、ステンレス鋼、高Ni合金
等が使用されている。しかし、耐酸レンガでは長時間使
用すると目地より硫酸が浸透し、外側の炭素鋼が腐食さ
れる問題がある。また、鋳鉄では装置の設計上、制限を
受けるばかりでなく、内部欠陥が多いためメインテナン
スにも難がある。一方、ステンレス鋼及び高Ni合金は
構造用材料として適しているが、SUS316L等の汎
用ステンレスでは上記環境に耐えず、また、UNS N
10276等の高Ni合金でも100℃以上の温度では
使用できない。
【0003】一般に硫酸製造プラントの操業環境は、乾
燥塔で硫酸濃度95%、温度65℃程度、吸収塔におい
て98%、100〜120℃である。しかし、吸収塔で
は温度を上げることにより操業効率の向上を図ることが
可能となるため、98%,150℃以上での使用に耐え
る材料が必要とされている。
【0004】上記環境での使用を目的としたステンレス
鋼として、特開昭63−207998号公報、特開平2
−107745号公報及び特開平3−158437号公
報には高Cr系のフェライトステンレス鋼あるいは2相
ステンレス鋼が開示されている。しかし、高Crステン
レス鋼の耐食性が良好であるのは、共沸組成(98.3
%)に近い濃度の硫酸中において150℃程度までの温
度であり、さらに、濃度95%程度では温度65℃でも
耐食性に劣っている。一方、特開昭52−418号公報
及び特開平2−290949号公報には、ステンレス鋼
のSi含有量を高めることにより、95%及び98%の
いずれの硫酸濃度においても高温まで良好な耐食性が得
られると開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高Si含有ス
テンレス鋼ではSi含有量の増加にともない、硬い(H
V:500〜1000)金属間化合物やδフェライト等
の脆化相が生成する。特に、鋳造過程において最終凝固
する鋼塊中心に近い部位ほど偏析が著しいため、この脆
化相が増加し、熱間加工性に劣るばかりでなく、製品と
なった鋼板の延靱性も著しく劣化する。したがって、通
常の鋳造法によって得られた鋼塊では、熱間圧延または
熱間鍛造による厚板製造が困難であり、且つ構造用材料
として重要な延靱性にも劣るという問題点を有する。
【0006】中心偏析のない鋼塊を得る方法としては、
高Si含有ステンレス鋼の粉末をHIP処理等によって
焼結する方法が考えられるが、この方法で得られた鋼塊
は高価なものである。
【0007】この発明は上記のような従来技術における
問題を解決するためになされたもので、熱間圧延または
熱間鍛造による厚板製造が容易となる高Si含有ステン
レス鋼の成分範囲及び製造条件を規定することにより、
95%硫酸中においては65℃まで、98%硫酸中では
150℃以上の環境で良好な耐食性を有し、かつ構造用
材料としての延靱性に優れたステンレス鋼を安価に得る
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明は、重量%で、
C:0.08%以下と、Si:5.0〜8.0%と、M
n:2.0%以下と、Ni:10〜35%と、Cr:1
0〜25%と、残部Fe及び不可避的不純物からなり、
且つCr,Si及びNi含有量が下記(1)式を満たし
た耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼で
ある。
【0009】 Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14<5 ……(1) 第2発明は、重量%で、C:0.08%以下と、Si:
5.0〜8.0%と、Mn:2.0%以下と、Ni:1
0〜35%と、Cr:10〜25%と、Pd:0.00
5〜1.0%と、残部Fe及び不可避的不純物からな
り、且つCr,Si及びNi含有量が上記(1)式を満
たした耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス
鋼である。
【0010】第3発明は、上記第1又は第2発明の成分
の鋼塊を、1050〜1150℃、且つ下記(2)式を
満足する温度域で均熱後、900℃以上の温度域で圧下
比または鍛造比2.0以上、且つ加工終了温度700℃
以上で熱間圧延または熱間鍛造する耐食性及び延靱性に
優れた高Si含有ステンレス鋼の製造方法である。 T(℃)<1470−35×Si(%)−5×Ni(%) ……(2)
【0011】
【作用】上記したような本発明について説明すると、先
ずこの発明のステンレス鋼の成分限定理由は以下の如く
である。Cは含有量が多くなると炭化物を形成し、耐食
性を劣化させるため、その上限値は0.08%とする。
【0012】Siは高温、高濃度硫酸中での耐食性を著
しく向上させる成分であるが、上記環境で良好な耐食性
を得るには、5.0%以上含有する必要がある。また、
8.0%を超えて添加すると多量の金属間化合物の生成
により、鋳造時に凝固割れが発生する。したがって、S
i含有量は5.0〜8.0%とする。
【0013】Mnは脱酸作用を有する成分であり、オー
ステナイト生成元素でもある。しかし、その含有量が
2.0%を超えると耐食性が劣化する。したがって、M
n含有量の上限値は2.0%とする。
【0014】Niはオーステナイト組織を得るのに必須
の成分であり、含有量が10%未満ではδフェライトや
金属間化合物等の脆化相が多くなり延靱性を劣化させ
る。また、Cr及びSi含有量の増加にともないNi含
有量も多くする必要があり、詳細は後述する。ただし、
その含有量を多くするとコスト高になるばかりでなく、
後述する部分溶融温度が低下し、熱間加工が可能な温度
範囲が狭くなり鋼板の製造が不可能となるため、上限値
は35%とする。
【0015】Crはステンレス鋼の一般的な耐食性に対
して最も重要な元素であり、高Si含有ステンレス鋼に
おいては、その含有量を10%以上とする必要がある。
一方、高温高濃度硫酸中での耐食性もCr含有量の増加
にともない向上するが、25%を超えると耐食性に及ぼ
す効果は飽和する。また、Cr含有量が多くなると脆化
相の析出が促進される。したがって、Crは含有量は1
0〜25%とする。
【0016】Pdは、高温高濃度硫酸中での耐食性向上
に有効な成分であることを発明者らが見出したことに基
づいて添加した。特に98%、180℃以上の硫酸環境
では、Pdの微量添加によりSi含有量を若干低下させ
ても、Pd無添加鋼と同等の耐食性が得られる。しか
し、その含有量が0.005%未満ではその効果が発揮
されず、また、1.0%を超えて添加しても耐食性に及
ぼす効果は飽和し、コスト高となる。したがって、Pd
含有量は0.005〜1.0%とする。
【0017】また、本発明者らは、圧延時の割れ発生と
熱間引張試験による絞りとの関係を調べ、絞りが50%
以上であれば割れが生じないことを明らかにした。さら
に、本鋼においては、上記した脆化相の体積率Fpが
(3)式で表わせ、その体積率が5%以上になると、9
00〜1000℃の温度域における熱間引張試験で絞り
が50%未満となるばかりでなく、鋼板の延靱性が著し
く劣化することを見出した。したがって、Cr,Si及
びNi含有量は上記の限定に加えて、(1)式を満たす
範囲とする。
【0018】 Fp(%)=Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14 ……(3) Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14<5 ……(1) 次に、製造条件の限定理由を述べると、本発明鋼におい
て鋳造のままの鋼塊では、上記した脆化相の体積率Fp
が(3)式で求められる値よりも多くなる。特に、偏析
が著しい鋼塊中心ほどFpが増加し、二枚割れ(圧延中
に板厚中心部に割れが発生し、鋼板が二枚状になるこ
と)等の原因となるため、より多くのNi添加が必要と
なる。しかし、Ni含有量を増加することは、後述する
部分溶融温度の低下につながり、熱間加工が可能な温度
域を逆に狭める結果となる。しかし、本発明者らは脆化
相の体積率Fpに及ぼす長時間均熱の影響を詳細に検討
した結果、特定の温度域で均熱処理を施すことにより、
鋼塊中心部においても表層部とほぼ同程度のFpとな
り、その時のFpが(3)式で表せることを見出した。
ただし、均熱温度が1050℃未満では100時間以上
の均熱を施しても、上記効果が得られず、また、115
0℃を超えると逆にFpは増加する。さらに、本発明鋼
はSi含有量の増加にともない、低融点の金属間化合物
を形成するため、均熱温度が高すぎると部分溶融を起こ
し、熱間加工中に割れを生じる。本発明者らは、本発明
鋼の部分溶融する最低温度Tmが(4)式となることを
見出した。したがって、鋼塊に対する熱間加工前の均熱
条件は、1050〜1150℃、且つ(2)式を満足す
る温度域とする。
【0019】 Fp(%)=Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14 ……(3) Tm(℃)=1470−35×Si(%)−5×Ni(%) ……(4) T(℃)<1470−35×Si(%)−5×Ni(%) ……(2) また、本発明鋼は鋼塊の結晶粒が粗大であるため、未再
結晶温度域での延性に劣り、熱間加工の末期で割れが発
生し易い。しかし、本発明者らは900℃以上の再結晶
温度域で圧下比または鍛造比2.0以上の圧延または鍛
造を行うことにより、鋼塊表層部で十分な再結晶が起こ
り、未再結晶温度域においても耳割れ等が発生しないこ
とを見出した。但し、加工終了温度が700℃未満にな
ると、いずれの圧延または鍛造条件においても耳割れが
発生するため、加工温度の下限値は700℃とする。
【0020】
【実施例】本発明によるものの具体的な実施例について
説明すると、以下の如くである。 実施例1 表1に示す化学成分の150kgインゴットに対して、
1050℃で10時間の均熱処理を行い、熱間引張サン
プルを採取した。さらに、均熱と同様の1050℃加熱
後、900℃以上で圧下比3.0、仕上温度700℃の
熱間圧延を行い、20mmt の鋼板を製造した。鋼板に
対して1100℃の固溶化熱処理を施した後、腐食試験
サンプル、引張試験片及び2mmVノッチ付きシャルピ
ー衝撃試験片を採取した。また、鋼20〜29及び32
〜37からは孔食電位測定(JIS G0577)用サ
ンプルも採取した。ただし、一部の鋼では鋼板に割れが
発生したため、割れの無い健全部から上記サンプルを採
取した。また、8%を超えるSi含有量の鋼38及び3
9では、鋳込みままのインゴット全体に割れが発生して
いたため、圧延はできなかった。
【0021】熱間引張試験により、部分溶融して絞りが
0%になる最低温度とNi及びSi含有量との関係を図
1に示す。すなわち、この図1によれば部分溶融する最
低温度Tmは、(4)式となることがわかる。
【0022】 Tm(℃)=1470−35×Si(%)−5×Ni(%) ……(4) 95%,65℃、98%,150℃及び98%,180
℃硫酸中での耐食性とSi含有量との関係を図2、図3
及び図4に、98%,180℃及び98%,220℃硫
酸中での耐食性とPd含有量との関係を図5に各々示
す。Siは脱酸作用を有するため、ステンレス鋼には通
常0.5%程度のSiを添加する。しかし、95%,6
5℃及び98%,150℃硫酸中においては、この図2
及び図3よりPdの有無に関わらず5%以上のSi含有
により、腐食速度が著しく低下することがわかる。一
方、図4及び図5より98%,180℃以上の硫酸中に
おいても良好な耐食性を得るには、Pd無添加鋼におい
て6%以上Siを含有した場合であるが、0.005%
以上Pdを添加するとSi含有量は5%以上でよいこと
がわかる。しかし、Pd含有量が1.0%を超えると腐
食速度は一定になることがわかる。
【0023】95%、65℃硫酸中での耐食性及び3.
5%NaCl中での孔食電位とCr含有量との関係を図
6に示す。図6によれば、Cr含有量が10%未満にな
ると、Si含有量が8%程度であっても孔食電位は著し
く低下することがわかる。また、硫酸中での耐食性はC
r含有量の増加にともない向上するが、25%を超える
と腐食速度は一定になることが理解される。
【0024】98%,150℃硫酸中での耐食性とC含
有量及びMn含有量との関係を図7及び図8にそれぞれ
示す。図7によればSi含有量が8%程度であっても、
C含有量が0.08%を超えると腐食速度は著しく高く
なる。また、図8によれば同様にMn含有量が2.0%
を超えると腐食速度は増加することがわかる。
【0025】脆化相の体積率Fp、引張試験での伸び及
びシャルピー衝撃試験における0℃の吸収エネルギと成
分との関係を図9に示す。この図9によればFpは
(3)式となり、この値が5%以上になると伸び及び吸
収エネルギが著しく低下し、構造用材料としては不適格
であることがわかる。
【0026】 Fp(%)=Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14 ……(3) 実施例2 表2に示す化学成分の150kgインゴット及びHIP
鋼塊を用いて、熱間加工性、耐食性、延靱性の評価を行
った。なお、HIP鋼塊はアトマイズ粉末を外寸120
t ×180w ×270l 、厚さ10mmの炭素鋼(0.
02%C鋼)製の缶に充填し、真空密封した後、105
0℃、2000kg/cm2 の条件でHIP処理を行
い製造した。
【0027】インゴットG及びKの脆化相の体積率Fp
と均熱処理条件との関係を図10に示す。この図10に
よればインゴットG及びKともに均熱温度が1050℃
未満では、100時間均熱を施してもFpは鋳造ままと
変わらなく、インゴット表層部に比べ中心部のFpは著
しく高い。これに対し、1050〜1150℃の温度域
で均熱した場合、中心部、表層部ともにFpは低下し、
ほぼ同じ値となる。さらに、1150℃を超える温度で
はFpが増加することがわかる。
【0028】150kgインゴットA〜O及びHIP鋼
塊Q〜Tから熱間引張サンプルを採取し、Tm未満の温
度域における鋼塊の熱間延性を評価した。なお、インゴ
ットA〜Oでは1050℃で10時間均熱後、中心部か
らサンプルを採取した。また、インゴットB及びDのみ
鋳造ままのサンプルも同様に採取した。
【0029】インゴットB,G,K及びHIP鋼塊R,
Sの熱間引張試験における絞りと試験温度及び脆化相の
体積率Fpとの関係を図11に示す。この図11によれ
ば、鋳造ままのインゴットBの絞りは1000℃未満の
温度域で20%以下と劣っている。これに対し、均熱し
たインゴットG及びHIP鋼塊Rは、900〜1000
℃の温度域において50%以上の絞りを示すが、脆化相
の体積率が5%以上である均熱したインゴットK及びH
IP鋼塊Sでは、この温度域で絞りが50%を下回るた
め、熱間加工時に割れの発生する可能性が高いことが理
解された。ただし、900℃未満の温度域においては脆
化相の体積率によらず、インゴットG及びKの絞りは5
0%未満である。
【0030】発明鋼A〜J及び比較鋼K〜Tの脆化相の
体積率Fp及び900〜1000℃における熱間延性と
成分との関係を図12に示す。この図12によれば均熱
したインゴットのFpは中心部においても、HIP鋼塊
と同様に次の(3)式で表せる。また、Fpが5%未満
の鋼では均熱したインゴット及びHIP鋼塊ともに、9
00〜1000℃の温度域における絞りが50%以上と
良好であることがわかる。
【0031】 Fp(%)=Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14 ……(3) インゴットGに対し、1050℃で10時間均熱後、仕
上温度900℃、圧下比1.5〜3.0の分塊圧延を行
い、分塊材の表層部から熱間引張サンプルを採取した。
また、比較としてHIP鋼塊Rに対しても1050℃加
熱、900℃仕上、圧下比2.0の分塊圧延を行い、同
様にサンプルを採取した。分塊材G及びRの熱間引張試
験における絞りと試験温度及び分塊圧延時の圧下比との
関係を図13に示す。この図13によれば、分塊圧延時
の圧下比を2.0以上にすれば、900℃未満の絞りは
HIP鋼塊なみに改善されることがわかる。したがっ
て、仕上温度が900℃未満となる熱間圧延または熱間
鍛造を行っても、900℃以上で圧下比または鍛造比
2.0以上を確保すれば割れ発生を防止できることが予
想される。
【0032】150kgインゴットA〜P及びHIP鋼
塊Q〜Tを用いて、熱間圧延または熱間鍛造による20
mmt 鋼板の製造を行い、割れの有無、耐食性及び延靱
性の評価を行った。これらの結果を次の表3及び表4に
示す。表3及び表4によれば、本発明法で製造した高S
i含有ステンレス鋼は割れの発生もなく、95%,65
℃及び98%,150℃以上の硫酸中で良好な耐食性を
有し、延靱性にも優れていることがわかる。中でも、6
%以上Siを含有し、且つPdを添加した鋼は98%,
220℃硫酸中でも十分な耐食性を有している。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、95
%硫酸中においては65℃まで、98%硫酸中では15
0〜220℃の環境で良好な耐食性を有し、かつ構造用
材料としての延靱性に優れたステンレス鋼板を熱間圧延
または熱間鍛造によって容易に得られる効果がある。し
たがって、硫酸製造プラントの乾燥塔、吸収塔等の装置
材料として利用できる安価なステンレス鋼板の提供が可
能となる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による鋼の部分溶融する最低
温度とNi及びSi含有量との関係を示す図。
【図2】実施例1による鋼の95%,65℃硫酸中での
耐食性とSi含有量との関係を示す図。
【図3】同じく実施例1による鋼の98%,150℃硫
酸中での耐食性とSi含有量との関係を示す図。
【図4】実施例1による鋼の98%,180℃硫酸中で
の耐食性とSi含有量との関係を示す図。
【図5】同じく実施例1による鋼の98%,180℃及
び220℃硫酸中での耐食性とPd含有量との関係を示
す図。
【図6】実施例1による鋼の95%,65℃硫酸中での
耐食性及び3.5%NaCl中での孔食電位とCr含有
量との関係を示す図。
【図7】同じく実施例1による鋼の98%,150℃硫
酸中での耐食性とC含有量との関係を示す図。
【図8】実施例1による鋼の98%,150℃硫酸中で
の耐食性とMn含有量との関係を示す図。
【図9】同じく実施例1による鋼の脆化相の体積率、引
張試験での伸び及びシャルピー衝撃試験における0℃の
吸収エネルギと成分との関係を示す図。
【図10】本発明における実施例2によるインゴットG
及びKの脆化相の体積率と均熱処理条件との関係を示す
図。
【図11】実施例2によるインゴットB,G,K及びH
IP鋼塊R,Sの熱間引張試験における絞りと試験温度
及び脆化相の体積率との関係を示す図。
【図12】同じく実施例2による発明鋼A〜J及び比較
鋼K〜Tの脆化相の体積率及び900〜1000℃にお
ける熱間延性と成分との関係を示す図。
【図13】実施例2による分塊材G及びRの熱間引張試
験における絞りと試験温度及び分塊圧延時の圧下比との
関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 泰男 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 江原 隆一郎 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 中本 英雄 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 座間 正人 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 中村 誠 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 長野 肇 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.08%以下と、S
    i:5.0〜8.0%と、Mn:2.0%以下と、N
    i:10〜35%と、Cr:10〜25%と、残部Fe
    及び不可避的不純物からなり、且つCr,Si及びNi
    含有量が下記(1)式を満たした耐食性及び延靱性に優
    れた高Si含有ステンレス鋼。 Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14<5 ……(1)
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.08%以下と、S
    i:5.0〜8.0%と、Mn:2.0%以下と、N
    i:10〜35%と、Cr:10〜25%と、Pd:
    0.005〜1.0%と、残部Fe及び不可避的不純物
    からなり、且つCr,Si及びNi含有量が下記(1)
    式を満たした耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステ
    ンレス鋼。 Cr(%)+3×Si(%)−Ni(%)−14<5 ……(1)
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載され
    た成分の鋼塊を、1050〜1150℃、且つ下記
    (2)式を満足する温度域で均熱後、900℃以上の温
    度域で圧下比または鍛造比2.0以上、且つ加工終了温
    度700℃以上で熱間圧延または熱間鍛造する耐食性及
    び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼の製造方法。 T(℃)<1470−35×Si(%)−5×Ni(%) ……(2)
JP15225893A 1992-06-23 1993-06-23 耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法 Pending JPH0693389A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15225893A JPH0693389A (ja) 1992-06-23 1993-06-23 耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16480292 1992-06-23
JP4-164802 1992-06-23
JP15225893A JPH0693389A (ja) 1992-06-23 1993-06-23 耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0693389A true JPH0693389A (ja) 1994-04-05

Family

ID=26481231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15225893A Pending JPH0693389A (ja) 1992-06-23 1993-06-23 耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0693389A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000020653A1 (en) * 1998-10-07 2000-04-13 Cecebe Technologies Inc. Stainless alloys for enhanced corrosion resistance
WO2012147742A1 (ja) * 2011-04-25 2012-11-01 日立金属株式会社 段付鍛造材の製造方法
WO2013018628A1 (ja) 2011-07-29 2013-02-07 新日鐵住金株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法
JP2017501299A (ja) * 2013-11-12 2017-01-12 エイティーアイ・プロパティーズ・エルエルシー 金属合金の加工方法
US10287655B2 (en) 2011-06-01 2019-05-14 Ati Properties Llc Nickel-base alloy and articles
US10337093B2 (en) 2013-03-11 2019-07-02 Ati Properties Llc Non-magnetic alloy forgings
US10370751B2 (en) 2013-03-15 2019-08-06 Ati Properties Llc Thermomechanical processing of alpha-beta titanium alloys
US10435775B2 (en) 2010-09-15 2019-10-08 Ati Properties Llc Processing routes for titanium and titanium alloys
US10502252B2 (en) 2015-11-23 2019-12-10 Ati Properties Llc Processing of alpha-beta titanium alloys
US10513755B2 (en) 2010-09-23 2019-12-24 Ati Properties Llc High strength alpha/beta titanium alloy fasteners and fastener stock
US10570469B2 (en) 2013-02-26 2020-02-25 Ati Properties Llc Methods for processing alloys
US10619226B2 (en) 2015-01-12 2020-04-14 Ati Properties Llc Titanium alloy
US12344918B2 (en) 2023-07-12 2025-07-01 Ati Properties Llc Titanium alloys

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2374085A (en) * 1998-10-07 2002-10-09 Cecebe Technologies Inc Stainless alloys for enhanced corrosion resistance
WO2000020653A1 (en) * 1998-10-07 2000-04-13 Cecebe Technologies Inc. Stainless alloys for enhanced corrosion resistance
US10435775B2 (en) 2010-09-15 2019-10-08 Ati Properties Llc Processing routes for titanium and titanium alloys
US10513755B2 (en) 2010-09-23 2019-12-24 Ati Properties Llc High strength alpha/beta titanium alloy fasteners and fastener stock
US9574250B2 (en) 2011-04-25 2017-02-21 Hitachi Metals, Ltd. Fabrication method for stepped forged material
WO2012147742A1 (ja) * 2011-04-25 2012-11-01 日立金属株式会社 段付鍛造材の製造方法
CN103492099A (zh) * 2011-04-25 2014-01-01 日立金属株式会社 阶梯锻造材料的制造方法
US20140041768A1 (en) * 2011-04-25 2014-02-13 Hitachi Metals, Ltd. Fabrication method for stepped forged material
JP5861699B2 (ja) * 2011-04-25 2016-02-16 日立金属株式会社 段付鍛造材の製造方法
US10287655B2 (en) 2011-06-01 2019-05-14 Ati Properties Llc Nickel-base alloy and articles
CN103826766A (zh) * 2011-07-29 2014-05-28 新日铁住金株式会社 奥氏体系不锈钢的制造方法
EP2737961A4 (en) * 2011-07-29 2015-06-03 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp METHOD FOR PRODUCING AN AUSTENIC STAINLESS STEEL
WO2013018628A1 (ja) 2011-07-29 2013-02-07 新日鐵住金株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法
US10570469B2 (en) 2013-02-26 2020-02-25 Ati Properties Llc Methods for processing alloys
US10337093B2 (en) 2013-03-11 2019-07-02 Ati Properties Llc Non-magnetic alloy forgings
US10370751B2 (en) 2013-03-15 2019-08-06 Ati Properties Llc Thermomechanical processing of alpha-beta titanium alloys
JP2017501299A (ja) * 2013-11-12 2017-01-12 エイティーアイ・プロパティーズ・エルエルシー 金属合金の加工方法
US11111552B2 (en) 2013-11-12 2021-09-07 Ati Properties Llc Methods for processing metal alloys
US10619226B2 (en) 2015-01-12 2020-04-14 Ati Properties Llc Titanium alloy
US10808298B2 (en) 2015-01-12 2020-10-20 Ati Properties Llc Titanium alloy
US11319616B2 (en) 2015-01-12 2022-05-03 Ati Properties Llc Titanium alloy
US11851734B2 (en) 2015-01-12 2023-12-26 Ati Properties Llc Titanium alloy
US12168817B2 (en) 2015-01-12 2024-12-17 Ati Properties Llc Titanium alloy
US10502252B2 (en) 2015-11-23 2019-12-10 Ati Properties Llc Processing of alpha-beta titanium alloys
US12344918B2 (en) 2023-07-12 2025-07-01 Ati Properties Llc Titanium alloys

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007239095A (ja) 耐酸腐食鋼
CN110066969B (zh) 一种高耐蚀高铝含量低密度钢及其制备方法
JPH0693389A (ja) 耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法
US9816163B2 (en) Cost-effective ferritic stainless steel
CN112941414A (zh) 一种发条卷簧用高强度高韧性不锈钢及其制备方法
JP3633515B2 (ja) 耐水素誘起割れ性に優れた熱延鋼板およびその製造方法
JP3440710B2 (ja) フィレット部靱性に優れたh形鋼およびその製造方法
JP4222073B2 (ja) フィレット部靱性に優れたh形鋼およびその製造方法
CN114959444B (zh) 耐低温酸露点钢材及其制备方法
JPH0693388A (ja) 耐食性及び延靱性に優れた高Si含有ステンレス鋼およびその製造方法
JP3468916B2 (ja) 熱間加工性及び耐溶融塩腐食性に優れたステンレス鋼
CN112513309B (zh) 钢板及其制造方法
JPH057457B2 (ja)
JPS6059981B2 (ja) 粒界腐食割れ特性および加工性にすぐれた高強度ステンレス鋼
JP3067477B2 (ja) 耐食性、延性に優れた高Si含有ステンレス溶接鋼管の製造方法
CN119020679B (zh) 345MPa级耐海浪飞溅区腐蚀的建筑结构用热轧带钢及其制造方法
JP3177555B2 (ja) 耐食性、延靭性に優れた高Si含有ステンレス継目無鋼管の製造方法
CN119020686B (zh) 460MPa级耐海浪飞溅区腐蚀的建筑结构用热轧带钢及其制造方法
JPH05247578A (ja) 耐食性に優れた高Si含有ステンレス鋼板の製造方法
JP7603503B2 (ja) フェライト系ステンレス鋼板
JP2738210B2 (ja) 耐食性に優れた高Si含有ステンレスクラッド鋼板の製造方法
JP3224107B2 (ja) ボロン含有オーステナイトステンレス鋼帯の製造方法
JP3232118B2 (ja) 耐火性と靱性に優れた建築用熱延鋼帯およびその製造方法
JP2906965B2 (ja) 耐食性に優れた熱延鋼板およびその製造方法
JP2949013B2 (ja) 耐食性、延靭性に優れた高Si含有ステンレス継目無鋼管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010828