JPH0694122B2 - 改質木材の製造方法 - Google Patents

改質木材の製造方法

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JPH0694122B2
JPH0694122B2 JP32644389A JP32644389A JPH0694122B2 JP H0694122 B2 JPH0694122 B2 JP H0694122B2 JP 32644389 A JP32644389 A JP 32644389A JP 32644389 A JP32644389 A JP 32644389A JP H0694122 B2 JPH0694122 B2 JP H0694122B2
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隆史 佐藤
滋 森下
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Daiken Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築用材料や家具等に用いられる改質された木
材の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来から、木質材料に合成樹脂液を注入、硬化して木質
材料を改質する方法が広く行われており、特に、寸法安
定性や耐候性を向上させる目的で木材細胞壁への浸透性
の良い水溶性合成樹脂を注入、硬化することが行われて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、水溶性合成樹脂液を注入した木質材を通
常の手段によって加熱硬化処理すると、加熱硬化時や乾
燥時に割れが生じたり、水蒸気の蒸発とともに注入樹脂
が流出して樹脂残存率が小さくなるという欠点があり、
特に挽材等のような材厚が10mm以上の厚い木質材になる
とその傾向が顕著となるものである。
硬化、乾燥時の割れは加熱において、その材内の水分の
急激な移動により材中心部と表層部との間の含水率傾斜
が大となり、両者間の収縮応力の差による割れや不規則
な収縮による落ち込みが生じるためであり、その上、注
入された合成樹脂液が材表面部において中心部よりも先
に硬化(表面硬化)してしまい、残存する水分が材外に
放出しようとするのを阻害し、その結果、中心部の水蒸
気圧により爆裂が生じるためである。
そのため、高周波を用いた誘電加熱により木材内部から
加熱してその内部の合成樹脂を硬化させる試みがなされ
ているが、誘電加熱を採用すると+極板付近の温度が高
く、−極板付近の温度が低くなる傾向が生じて電極間の
位置により温度ムラじ発生し、硬化不良部分や樹脂成分
である残留ホルマリン等の揮発性未反応物質の温度が高
くなる等の問題点があった。
本発明はこのような問題点を全面的に解決し、特に、製
材品等の厚い木質材料の改質処理に有効で、充填樹脂率
を高めて寸法安定性、安全性などの性能向上を図ること
のできる改質木材の製造方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の改質木材の製造方
法は、木質材に脱水縮合型樹脂水溶液を注入したのち該
木質材を温度調整可能な加熱板間に挟み込み、減圧下に
おいて上記合成樹脂の硬化温度以下で減圧脱水し、次い
で、減圧下で上記加熱板を昇温させて上記合成樹脂を加
熱、硬化させることを特徴とするものである。
〔作用〕
水溶性脱水縮合型の合成樹脂液を木質材に注入したの
ち、上記合成樹脂の硬化温度以下で減圧脱水処理を行う
と、水の沸点降下により樹脂の硬化温度以下で注入され
た溶媒は徐々に蒸発する一方、脱水の進行に従って初期
の縮合反応が生じて樹脂分は壁中に残り易くなるので、
樹脂の流出が少なくなり、樹脂残存率が高くなる。
次いで、減圧状態を維持したまゝ、木質材を挟持してい
る加熱板の温度を上昇させると、木質材内の樹脂が加温
されて木質材の内部と表面部間に脱水による収縮応力差
を殆ど生じさせることなく徐々に脱水縮合して硬化し、
収縮能力による割れが生じにくく、又、硬化反応のバラ
ツキが小さくなって充填樹脂率が向上するとともに皺の
発生が生じにくくなり、生来の木目を維持できる。
さらに、樹脂の硬化が木質材全体に亘って均等に行われ
るので、残留ホルマリン等の揮発性未反応物質が極めて
少なくなり、安全性の高い改質木材が得られる。
〔実施例〕
本発明の実施例を詳述すると、まず、木質材に脱水縮合
型合成樹脂水溶液を浸漬法、或いは減圧加熱法又はこれ
らの組み合わせ等の適宜な手段によって注入する。
上記樹脂液が注入される木質材としては、角材や板材、
中空材等の厚い製材品、さらには集成材が使用される
が、単板のような薄板であっても、勿論注入処理が可能
である。
又、注入される合成樹脂としては、木材細胞壁に浸透し
て該細胞壁構造中に不溶、不融の物質を形成するメラミ
ン、フエノール等のホルマリン系樹脂が使用され、この
樹脂を単体又は繊維素反応型樹脂(環条尿素樹脂)との
混合、或いは共縮合樹脂液として木質材に注入してもよ
い。
このような合成樹脂としては具体的には、フェノール、
レゾルシノール、メラミン、ジメチロールエチレン尿
素、ジメチロールプロピレン尿素、ジメチロールジヒド
ロキシエチレン尿素、ジメチロールグリオキザールモノ
ウレイン、ジメチロールトリアゾン、ジメチロールウロ
ン等があり、特に、ホルマリン系樹脂として、初期縮合
物を使用すると細胞壁に浸透し易く、又、後述の溶媒揮
発工程において材外に流失しにくく、含脂率が向上し、
好適である。
このような合成樹脂液を注入した木質材を単体、又は薄
板の場合には複数枚重合わせて温度の昇降調節可能な加
熱板に挟み込む。この際、生産性を向上させるために、
加熱板で挟持された木質材を多数段、積み重ねて処理す
ることが好ましい。
加熱板としては、昇温速度が早くて温度制御をし易い電
熱式面状発熱板体やヒータ線組込発熱板状物、或いは水
蒸気・シリコンオイル媒流通管を内蔵したアルミ板等が
用いられる。
次いで、加熱板で挟まれた木質材を減圧室内に入れ、該
室内を100トール以下、好ましくは40〜50トールに減圧
すると共に加熱板を注入樹脂液の硬化温度70℃以下の温
度、好ましくは40〜50℃に調整、保持して注入された溶
媒(水)を含水率10〜50%となるまで揮発させて初期乾
燥を行う。
なお、予め、加熱板と木質材間に網状シート材を挟み込
んでおくことが好ましく、このように網状シート材を介
在させておくと、木質材の表面からの脱水を該網目を通
じて外部に効果的に排出させることができるばかりでな
く、爾後の硬化反応においても、木質材表面が加熱板に
全面的に密着することによる樹脂硬化膜の発生をなくし
て表面硬化を防止し、均一な硬化を促進させることがで
きる。
こうして木質材を減圧下で、脱水処理を行うと注入され
た溶媒(水)が蒸発され、脱水が進行するに従って注入
樹脂の初期の縮合反応が進み、木材の微細空隙内に樹脂
分が残り、流出しにくくなる。
なお、減圧下における脱水処理であるから、水の沸点が
下がって水蒸気の蒸発と共に樹脂成分まで揮散される場
合は、含脂率低下及び作業環境上好ましくないので、加
熱板に対する電力調整や通電のON、OFF操作によって加
熱温度を調整する。
引き続いて、減圧下において樹脂注入木質材の加熱硬化
工程に移るが、この工程では、木質材を挟み込んでいる
上記加熱板の温度を100〜150℃にまで上昇させ、材温を
上げて注入樹脂の反応を行う。
この際、減圧室内を強制排気しながら上記減圧を保持し
た状態で高温加熱処理を行うものであり、減圧によって
木材中に残留しているホルマリン等の揮発成分や残存水
分、及び樹脂の縮合反応によって生じる水分を蒸散、低
減させると共に強制排出し、高温加熱によって樹脂を硬
化させるものである。この時、木質材表面から放散する
揮発成分や水分等は、加熱板と木質材間に介在している
網状シート材の空隙を通じて容易に排出される。
なお、注入樹脂の硬化温度は、注入される樹脂の種類に
応じて上記温度範囲内に設定する。
以上のように、減圧下の材温が低い状態で木質材内の水
を蒸発させて揮発成分を除去する工程と減圧下で木質材
を加熱昇温させる工程を連続的に行って樹脂の反応を完
了させるものである。
なお、最終加熱硬化温度(100℃以上)や乾燥工程、養
生工程において減圧解除後に引き続いて熱気やホットプ
レスを用いても良い。
又、木質材を複数段、積層状態にして上記処理を行う場
合に、最上部と最下部に硬質板状の加熱板を使用し、そ
の間に介在させる加熱部材として柔軟な加熱シートを使
用してもよく、この場合、該加熱シートとして表面を凹
凸粗面に形成したシートを使用すれば、上記網状シート
の使用をなくすることができる。
次に、本発明の具体的な実施例を示す。
(実施例) ベイツガ製材品(厚み18×幅100×長さ1000mm)にフェ
ノール樹脂水溶液(濃度10%)を減圧加圧注入して樹脂
注入処理材を得た。
この樹脂注入処理材を2枚ずつ重ねた状態にして10枚の
電熱式面状発熱板の上下発熱板間に順次挟み込み、全体
をクランプセットしたのち、減圧乾燥機内に搬入する。
次いで、この減圧乾燥機内て処理材を含水率30%程度ま
で減圧乾燥(50トール、材温約40℃)したのち、50トー
ルの減圧下でさらに昇温加熱を行い、140℃で3時間加
熱処理を行って改質木材を得た。
得られた改質木材の重量増加率は18.2%であった。この
改質木材の寸法安定性試験(減圧加圧吸水テスト)の結
果を次に示す。
抗膨張率(AE) 54.3% 抗収縮率(ASE) 55.3% 溶脱率 1.7% このように、得られた改質木材は溶脱率も低く寸法安定
性も優れたものであった。又、残留ホルマリンを測定し
た結果、1ppm以下であった。
(比較例) 実施例1における製材品に実施例1と同じ樹脂水溶液を
注入したのち、高周波減圧乾燥機(40トール、41℃)に
より含水が20%まで減圧脱水し、引き続いて高周波によ
り140℃、3時間、加熱硬化処理を行った結果、重量増
加率18.5%の樹脂注入硬化処理木材が得られたが、実施
例1と同様の残留ホルマリンを測定した結果、403ppmの
濃度があり、樹脂の反応が未完であることが判明した。
〔発明の効果〕
以上のように本発明の改質木材の製造方法によれば、木
質材に脱水縮合型樹脂水溶液を注入したのち該木質材を
温度調整可能な加熱板間に挟み込み、減圧状態で上記合
成樹脂の硬化温度以下で脱水し、次いで、減圧状態のま
ゝ上記加熱板を昇温させて上記合成樹脂を加熱、硬化さ
せるものであるから、木材細胞壁に浸透した樹脂液を減
圧下で脱水するので、沸点降下により樹脂の硬化温度以
下で注入された溶媒が徐々に蒸発しすると共に脱水の進
行に従って初期の縮合反応が生じて樹脂分は壁中に残存
し、細胞内の樹脂残存率が高くなって木材細胞壁の落ち
込みが生じにくくなるばかりでなく、木材成分との結
合、もしくは細胞壁構造中で不溶、不融の物質を生成さ
せることができるので、充填樹脂率の高い木材の改質が
でき、寸法安定化(バルキング効果)を図ることができ
る。
さらに、減圧下における加熱板による加熱によって、木
材内の樹脂が脱水縮合により水分を生じつつ硬化し、そ
の結果材内の含水率傾斜が小さくなって収縮応力による
割れが生じにくく、又、硬化反応のバラツキが小さくな
って皺の発生が生じにくくなり、生来の木目を維持でき
ると共に、上記のように細胞の内腔中に樹脂硬化物が存
在し、また細胞壁中にも硬化物が生成されるので、防腐
防虫効果が期待できる改質木材が得られる。
又、樹脂の硬化が木質材全体に亘って均等に行われるの
で、残留ホルマリン等の揮発性未反応物質が極めて少な
くなり、使用に際して安全性の高い改質木材を得ること
ができるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質材に脱水縮合型樹脂水溶液を注入した
    のち該木質材を温度調整可能な加熱板間に挟み込み、減
    圧下において上記合成樹脂の硬化温度以下で減圧脱水
    し、次いで、減圧下で上記加熱板を昇温させて上記合成
    樹脂を加熱、硬化させることを特徴とする改質木材の製
    造方法。
JP32644389A 1989-12-15 1989-12-15 改質木材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0694122B2 (ja)

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