JPH0694372B2 - 高純度五酸化アンチモン粉末の製造方法 - Google Patents

高純度五酸化アンチモン粉末の製造方法

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JPH0694372B2
JPH0694372B2 JP1593187A JP1593187A JPH0694372B2 JP H0694372 B2 JPH0694372 B2 JP H0694372B2 JP 1593187 A JP1593187 A JP 1593187A JP 1593187 A JP1593187 A JP 1593187A JP H0694372 B2 JPH0694372 B2 JP H0694372B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高純度のSb2O5粉末を短時間に収率良く、製造
する方法に関する。
酸化アンチモンはプラスチック、繊維等に難燃材として
混入される。酸化アンチモンの種類には三酸化アンチモ
ン(Sb2O3)、四酸化アンチモン(Sb2O4)、五酸化アン
チモン(Sb2O5)等があり、何れも難燃材として用いら
れるが、特にSb2O5はSb2O3に比べて微細な粉末が得られ
るので、近年その使用量が増加している。
[従来技術と問題点] 各種の酸化アンチモンのうち900℃以下で最も安定なの
はSb2O4であり、空気中でSb2O3を燃焼するとSb2O4とな
り、Sb2O5を得ることができない。そこで従来、Sb2O5
製造する方法として、次の方法が知られている。
(a)Sb2O3をKOH及び過酸化水素と反応させてアンチモ
ン酸カリウム(KSbO3)を形成させこれをイオン交換樹
脂等で脱イオンしてコロイド状Sb2O5を得る方法(特公
昭57-11848)。
(b)Sb2O3を90℃以上の温度で、特殊な管型反応容器
に流通させながら過酸化水素と反応させる方法(特公昭
53-20479)。
上記(a)方法は、KSbO3のイオン交換によりSb2O5を製
造するものであり、この場合、原料のSb2O3粉末が水、
アルコールに溶け難く濃厚なKOH溶液には溶解し易い性
質を利用して、更に、KOHに過酸化水素を混合してKOHの
少ないモル数でSb2O3を溶解させ、後工程のイオン交換
の負担を軽減している。ところが該方法においても依然
としてコロイド状沈澱中にKが残留するのを避けること
が出来ず、高純度のSb2O5を得ることは極めて困難であ
る。
上記(b)方法はKOHを用いずに直径Sb2O3を酸化するも
のであり、K残留の問題を生ぜず、かつ酸、アルカリを
用いないので装置の腐蝕を回避でき、連続的な製造を実
施できるものの、使用できる装置が限定され、しかも、
収率が低い欠点がある。
[問題解決に係る知見] 本発明者等は、Sb2O3を出発原料とする従来の方法とは
異なり、SbCl3を出発原料とし、これをアンモニア(NH4
OH)と反応させ、更に、過酸化水素で酸化することによ
り微細な高純度のSb2O5粉末を容易に製造しうる知見を
得た。
[発明の構成] 本発明によれば、三塩化アンチモン(SbCl3)とNH4OHと
を反応させた後、生成物を過酸化水素で酸化して五酸化
アンチモン(Sb2O5)を製造する方法が提供される。
また、その好適な実施態様として、室温ないし100℃の
温度下で、塩酸あるいはアルコールに溶解したSbCl3
液をNH4OHに滴下し、あるいはSbCl3溶液にNH4OHを滴下
し、反応終了後、更に、過酸化水素を滴下してコロイド
状のSb2O5沈澱を生成させ該沈澱を別、乾燥してSb2O5
粉末を製造する方法が提供される。
従来のSb2O3を原料とする製造方法において、Sb2O5粉末
を溶解する際にアルカリの残留を避けるためにKOHに代
えてNH4OHを用いることが考慮されるが、Sb2O3はNH4OH
に溶解し難く用いることが出来ない。KOHを用いずにSb2
O3を直接酸化しようとすれば特殊な反応容器を用いなけ
ればならず(上記b方法)収率も低い。
本発明は原料としてSbCl3を用いる。塩化アンチモンに
はこの他に五塩化アンチモンSbCl5があるが、該SbCl5
水中で直ちに加水分解してSb2O5の粗粒子となり微細な
粉末が得られない。上記SbCl3は予め塩酸またはアルコ
ールに溶解される。該SbCl3とNH4OHとを反応させるには
SbCl3液をNH4OH液に滴下しても良く、またNH4OH液をSbC
l3液に滴下しても良い。反応温度は室温〜100℃程度で
ある。SbCl3を塩酸又はアルコールに溶解させずに過酸
化水素と直接接触させても通常使用される35%H2O2溶液
ではSbCl3の加水分解が進行せず、Sb2O5を得ることが出
来ない。
SbCl3液とNH4OH液との反応により次式のようにオキシ塩
化アンチモン(Sb4O5Cl2等)が形成される。
4SbCl3+10NH4OH →Sb4O5Cl2+10NH4Cl+5H2O 該反応後、過酸化水素を滴下し、上記生成物を酸化す
る。
Sb4O5Cl2+4H2O2 →2Sb2O5+2HCl+3H2O 通常、酸化剤としては過酸化水素の他に過マンガン酸カ
リウムや重クロム酸カリウムが用いられるが、本方法で
これらの酸化剤を用いると、K、Cr、Mn、が残留する虞
があり、好ましくない。上記NH4OHとの反応および過酸
化水素との反応を60℃以下で実施した場合には、80℃以
上に昇温し、20〜30分間攪拌して反応を終了させる。
上記酸化反応により副生するNH4Clはデカンテーション
を繰返えすことにより除去される。デカンテーションは
導電率計を用いて溶液が蒸留水と同程度の導電率を示す
程度まで行なう。またはAgNO3溶液を滴下して白色沈澱
が生じない程度まで行なう。更に、上記コロイド状沈澱
を別後に乾燥し500℃以上に焼成することによりNH4Cl
は昇華し、残留Cl分は1/2以下に大幅に除去される。
別後乾燥し、500℃、2時間焼成することによりその
X線回析グラフが、Sb6O13のピークを示す粉末が得られ
る。Sb6O13はSb2Sb4Oによって示される混合原子酸化物
である。一般に、無水のSb2O5は脱水、脱酸素が起るの
で生成し難く、通常、Sb2O5・nH2O(n=1〜5)の水
和物として生成される。該Sb2O5・nH2Oは加熱により脱
水され、400℃付近で脱水は終了するが、同時に脱酸素
も起り、Sb6O13に変化する。Sb6O13は600〜800℃に加熱
しても安定であり、900℃付近でSb2O4に分解する。
以上のことから本発明において五酸化アンチモンとは、
Sb2O5の他にSb6O13を含む。
[発明の効果] 本発明の製造方法はアルカリ金属等を含む溶液を用いな
いので、これら金属元素が残留することがなく、またア
ンモニアや塩素も焼成工程で除去されるので極めて高純
度の五酸化アンチモン粉末を得ることが出来る。因に、
従来の方法によって製造した五酸化アンチモン粉末には
アルカリ金属、Clが夫々、1.90%、124ppm程度残留して
いるのに対し、本発明に係るもののアルカリ金属、Cl検
出量は1ppm以下である。
更に、従来の製造方法に係る粉末は比表面積が27m2/g程
度であるのに対し、本発明によって得られる粉末は比表
面積が37〜39m2/gであり、格段に微細な粉末が得られ
る。
また、本発明の方法は比較的短時間で反応が終了するの
で製造効率が良く、また操作も簡便であり、実施が容易
である。
[実施例] 蒸留水4lに25%のNH4OHを413ml加え、攪拌した。このNH
4OH液に、SbCl3粉末(三菱金属社製、99.999%)420gを
6N塩酸280mlに溶解した液を定量ポンプで10分間かけて
滴下し、反応させた。引続き5分間攪拌した後、35%過
酸化水素223gを加え、80℃に昇温し、30分間攪拌しコロ
イド状沈澱を生成させた。
その後、液の導電率が0.01mS/cmになるまで上記沈澱
を蒸留水にて洗浄後、別し、乾燥後、粉砕し、比表面
積とアルカリ金属とClの残留量を測定した。この結果を
次表に示す。
引続き、該粉末を500℃、2時間焼成して、X線回析を
行なったところ、Sb6O13のピークのみ検出された。焼成
後の比表面積、アルカリ金属、Cl量および従来品を併せ
て次表に示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三塩化アンチモン(SbCl3)とアンモニア
    水とを反応させた後、生成物を過酸化水素で酸化して五
    酸化アンチモン(Sb2O5)を製造する方法。
  2. 【請求項2】室温から100℃の温度下で、SbCl3溶液をア
    ンモニア水に滴下し、あるいはSbCl3溶液にアンモニア
    水を滴下し、反応終了後、更に、過酸化水素を滴下して
    コロイド状のSb2O5沈澱を生成させ、該沈澱を別、乾
    燥してSb2O5粉末を製造する特許請求の範囲第1項の製
    造方法。
JP1593187A 1987-01-28 1987-01-28 高純度五酸化アンチモン粉末の製造方法 Expired - Lifetime JPH0694372B2 (ja)

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