JPH0694654B2 - 根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板 - Google Patents
根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板Info
- Publication number
- JPH0694654B2 JPH0694654B2 JP61230942A JP23094286A JPH0694654B2 JP H0694654 B2 JPH0694654 B2 JP H0694654B2 JP 61230942 A JP61230942 A JP 61230942A JP 23094286 A JP23094286 A JP 23094286A JP H0694654 B2 JPH0694654 B2 JP H0694654B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- sheet pile
- joint
- rooted
- tip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、港湾・河川の土木工事等に広く利用されてい
る鋼矢板の改良に係り、特に相互に噛み合せて連結する
継手部の離脱強度に優れた、鋼矢板に関するものであ
る。
る鋼矢板の改良に係り、特に相互に噛み合せて連結する
継手部の離脱強度に優れた、鋼矢板に関するものであ
る。
鋼矢板は、その施工環境が近年ますます厳しくなるなか
で、高能率施工に適した継手形状を有する、鋼矢板が要
求されることが予想される。
で、高能率施工に適した継手形状を有する、鋼矢板が要
求されることが予想される。
一方、鋼矢板の打設施工にあたっては、鋼矢板打設中嵌
合状態にあるグリップ内部に侵入した土砂が、根入長が
深くなるにともない、次第に脱水・固化し打込み困難と
なる。そのまま打込みを続けると打込みエネルギーが水
平方向の力に変って、ついには、嵌合状態にあるべき鋼
矢板のグリップ部が開口するに至り、鋼矢板の連結が外
れて、土砂の流出を生じさせる等の危険な状態になりか
ねない。
合状態にあるグリップ内部に侵入した土砂が、根入長が
深くなるにともない、次第に脱水・固化し打込み困難と
なる。そのまま打込みを続けると打込みエネルギーが水
平方向の力に変って、ついには、嵌合状態にあるべき鋼
矢板のグリップ部が開口するに至り、鋼矢板の連結が外
れて、土砂の流出を生じさせる等の危険な状態になりか
ねない。
特に近年大型化する土木施工に鑑み、これに適した高強
度継手特性の優れた鋼矢板の要求が一段と強くなってい
る。
度継手特性の優れた鋼矢板の要求が一段と強くなってい
る。
例えば、第3図(a)〜(c)は富士製鐵技報第17巻第
1号(昭和43年3月)第13頁〜第20頁に掲載の鋼矢板打
込み時のグリップ抵抗に関する論文に示されているもの
であって、第3図(b)にはすでに打込まれた通常のU
型グリップ部を有する鋼矢板Aに隣接してグリップ同志
を嵌合させて同型鋼矢板Bを打設する状況を模式的に示
したものであって、打設中の打込力Pと根入深さhとの
関係を示す一例が第3図(a)であるが、根入深さhが
およそ6mから非常に大きな打込み力Pを必要とすること
がわかる。
1号(昭和43年3月)第13頁〜第20頁に掲載の鋼矢板打
込み時のグリップ抵抗に関する論文に示されているもの
であって、第3図(b)にはすでに打込まれた通常のU
型グリップ部を有する鋼矢板Aに隣接してグリップ同志
を嵌合させて同型鋼矢板Bを打設する状況を模式的に示
したものであって、打設中の打込力Pと根入深さhとの
関係を示す一例が第3図(a)であるが、根入深さhが
およそ6mから非常に大きな打込み力Pを必要とすること
がわかる。
この理由について考察すると、第3図(c)に示す既設
鋼矢板Aのグリップ内SAでは深さに応じて高い密度の土
砂が詰まっており、次の鋼矢板Bを先の鋼矢板Aに嵌合
させて打込むと、最初はグリップ内の土砂密度は小さい
ので、一部の土砂は鋼矢板Aのグリップ開口部KAより排
除され、残りの土砂は嵌合した鋼矢板Bが侵入するにつ
れてそのグリップ先端によって下方に圧縮される。
鋼矢板Aのグリップ内SAでは深さに応じて高い密度の土
砂が詰まっており、次の鋼矢板Bを先の鋼矢板Aに嵌合
させて打込むと、最初はグリップ内の土砂密度は小さい
ので、一部の土砂は鋼矢板Aのグリップ開口部KAより排
除され、残りの土砂は嵌合した鋼矢板Bが侵入するにつ
れてそのグリップ先端によって下方に圧縮される。
さらに打込みを続けるとグリップ内の土砂は脱水され空
隙がほとんどなくなり、真比重に近くなるほどの圧縮を
受ける。この状態となる位置は、土質、打込み条件等に
よって異なるが、第3図(a)の例では、鋼矢板Bの先
端が6mを通過した時点から打込み力Pが大きくなってい
ることから鋼矢板Bの先端下にある鋼矢板Aのグリップ
内土砂密度は相当高くなっているものと考えられる。
隙がほとんどなくなり、真比重に近くなるほどの圧縮を
受ける。この状態となる位置は、土質、打込み条件等に
よって異なるが、第3図(a)の例では、鋼矢板Bの先
端が6mを通過した時点から打込み力Pが大きくなってい
ることから鋼矢板Bの先端下にある鋼矢板Aのグリップ
内土砂密度は相当高くなっているものと考えられる。
この様な問題に対処するため、各種の対策手段が提案さ
れているが、いずれも一長一短があり、全面的な問題の
解決には至らない。
れているが、いずれも一長一短があり、全面的な問題の
解決には至らない。
例えば、特開昭57-92215号公報には、鋼矢板の爪部はめ
合い間隙内に閉塞体を装入する技術が提案されている
が、かかる手段によると閉塞体の取付け、取外しが実際
の施工上煩雑となるのを避けられず、又、底面抵抗が増
大するものである。
合い間隙内に閉塞体を装入する技術が提案されている
が、かかる手段によると閉塞体の取付け、取外しが実際
の施工上煩雑となるのを避けられず、又、底面抵抗が増
大するものである。
また、特公昭57-32180号公報には鋼矢板継手部のU字底
面内側に円弧状凹部を形成することが、記載されてい
る。この技術は回転角が大きく施工が容易であるが、相
互に連結された鋼矢板が蛇行する等の点で問題があり、
完全な解決策にはなりかねないものである。
面内側に円弧状凹部を形成することが、記載されてい
る。この技術は回転角が大きく施工が容易であるが、相
互に連結された鋼矢板が蛇行する等の点で問題があり、
完全な解決策にはなりかねないものである。
一方本発明者らも、既に特開昭59-106618号公報、特開
昭59-145820号公報、或いは特開昭60-23519号公報など
によりU字形グリップ部のU字底部に複数個の貫通穴、
複数個の間隙、或いは不連続な凸部を夫々設けた鋼矢板
を提案している。所で、これらの構成を有する鋼矢板
は、いずれも施工に際し、優れた効果を発揮することが
実証されているが、鋼矢板に対する穴等の加工工程が増
えるので、この点は製造上若干不利となるのは免れな
い。
昭59-145820号公報、或いは特開昭60-23519号公報など
によりU字形グリップ部のU字底部に複数個の貫通穴、
複数個の間隙、或いは不連続な凸部を夫々設けた鋼矢板
を提案している。所で、これらの構成を有する鋼矢板
は、いずれも施工に際し、優れた効果を発揮することが
実証されているが、鋼矢板に対する穴等の加工工程が増
えるので、この点は製造上若干不利となるのは免れな
い。
そこで、本発明者らは、さらに検討を進め、U字状継手
部のフランジ最小板厚部強度より、爪根元部強度の方を
大として継手離脱強度の優れた鋼矢板を、特願昭59-763
85号により提案している。第4図は、このような継手部
の構造を模式的に示したものであって、爪根元部nの板
厚を厚みT1だけ両側に板厚増加せしめたものである。
部のフランジ最小板厚部強度より、爪根元部強度の方を
大として継手離脱強度の優れた鋼矢板を、特願昭59-763
85号により提案している。第4図は、このような継手部
の構造を模式的に示したものであって、爪根元部nの板
厚を厚みT1だけ両側に板厚増加せしめたものである。
また、特開昭62-82116号公報によって、U字状継手部爪
根元のグリップ内側のみに1〜4mm増肉して継手部の離
脱強度に優れた鋼矢板を提案している。
根元のグリップ内側のみに1〜4mm増肉して継手部の離
脱強度に優れた鋼矢板を提案している。
第5図はこのような継手部の構造を模式的に示したもの
であって、爪根元部nの板厚を厚みΔtnだけグリップ内
側に板厚増加せしめたものである。
であって、爪根元部nの板厚を厚みΔtnだけグリップ内
側に板厚増加せしめたものである。
しかしながら、この様な継手とするといずれの場合にも
重量増加による製造コスト上の不利は免れない。
重量増加による製造コスト上の不利は免れない。
本発明は、噛み合せ連結した際のグリップ内土砂抵抗力
に優れ、継手部の相互離脱がなく、且つ上記の従来鋼矢
板の如く施工性を損うことがなく、更に重量増加のない
鋼矢板を提供することを目的としたものである。
に優れ、継手部の相互離脱がなく、且つ上記の従来鋼矢
板の如く施工性を損うことがなく、更に重量増加のない
鋼矢板を提供することを目的としたものである。
即ち、本発明の要旨とするところは、ウエブとウエブ幅
方向の両端にフランジ部を介して設けた、一対のU字継
手部とからなる鋼矢板において、根入り先端から50mm以
上1000mm以下までのU字状継手爪根元部の全断面板厚を
局部熱処理することによって、強度を大としたことを特
徴とする根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板に
ある。
方向の両端にフランジ部を介して設けた、一対のU字継
手部とからなる鋼矢板において、根入り先端から50mm以
上1000mm以下までのU字状継手爪根元部の全断面板厚を
局部熱処理することによって、強度を大としたことを特
徴とする根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板に
ある。
以下図面を参照して本発明を実施例とともに詳細に説明
する。先ず前記問題点の全面的な解決を計る手段を見出
すため、次の様な実験を試みた。
する。先ず前記問題点の全面的な解決を計る手段を見出
すため、次の様な実験を試みた。
即ち、第6図(a)は、第3図の場合と同様、既設鋼矢
板Aと打設鋼矢板Bとの嵌合状態を示す断面図であって
図中nは爪根元部、uは継手U字底部、SBはグリップ内
部を夫々示すものであるが、本発明者らは、打設鋼矢板
Bのグリップ内部SBの土砂挙動を知るため、打設鋼矢板
Bの継手U字底部uに土圧計Gを埋め込んで水平方向土
圧を測定した。
板Aと打設鋼矢板Bとの嵌合状態を示す断面図であって
図中nは爪根元部、uは継手U字底部、SBはグリップ内
部を夫々示すものであるが、本発明者らは、打設鋼矢板
Bのグリップ内部SBの土砂挙動を知るため、打設鋼矢板
Bの継手U字底部uに土圧計Gを埋め込んで水平方向土
圧を測定した。
また、第6図(b)は打設鋼矢板Bの継手U字底部uに
埋め込んだ土圧計Gの位置を示す模式図であって、図中
土圧計G1は根入り先端から100mmの所に位置し、土圧計G
2,G3,G4,G5までは、それぞれ100mmピッチで継手U字底
部uに埋め込んである。さらに500mmピッチで10ケの土
圧計Gを連続して継手U字底部uに埋め込んで、グリッ
プ内部Snの土砂圧力の挙動を知るものである。
埋め込んだ土圧計Gの位置を示す模式図であって、図中
土圧計G1は根入り先端から100mmの所に位置し、土圧計G
2,G3,G4,G5までは、それぞれ100mmピッチで継手U字底
部uに埋め込んである。さらに500mmピッチで10ケの土
圧計Gを連続して継手U字底部uに埋め込んで、グリッ
プ内部Snの土砂圧力の挙動を知るものである。
尚、供試鋼矢板はFSP-5L規格SY-30で爪根元板厚は9.5mm
である。
である。
第7図は、かかる実験において打設鋼矢板Bのグリップ
内部SBを土圧計Gで測定した土圧と打設鋼矢板Bの根入
り先端地下位置hとの関係を示すものである。
内部SBを土圧計Gで測定した土圧と打設鋼矢板Bの根入
り先端地下位置hとの関係を示すものである。
第7図から明らかな如く土圧計G1〜G5は地下位置hの増
加とともに、打設鋼矢板Bのグリップ内部SBの土圧piが
増加しており、特に嵌合鋼矢板Bの下部に埋め込んだ土
圧計G1,2は通過する地下15m時点から急激に土圧piが増
加していることが、この測定結果からわかった。しか
し、G5から500mmピッチで埋め込んだ土圧計G6〜Gnの土
圧piは0.1kg/mm2以下であったため図から除いた。
加とともに、打設鋼矢板Bのグリップ内部SBの土圧piが
増加しており、特に嵌合鋼矢板Bの下部に埋め込んだ土
圧計G1,2は通過する地下15m時点から急激に土圧piが増
加していることが、この測定結果からわかった。しか
し、G5から500mmピッチで埋め込んだ土圧計G6〜Gnの土
圧piは0.1kg/mm2以下であったため図から除いた。
又、その後、鋼矢板A,Bを嵌合状態のまま引抜いて見る
と、根入り先端から200mmまでの下端面で継手爪先端が
離れ、離脱していることが確認出来た。しかも、継手爪
先端が離脱した個所の根入り先端から200,500,800mm断
面硬度を測定し、第8図(b)において、爪先端S点、
係止面O点、爪根元部D点、U字底部u点で示される継
手形状位置との関係で、整理してみると、第8図(a)
で明らかなように爪根元部Dが最高硬さを示している事
が分かる。これはつまりフックの役割をすべき爪先端部
の起き上り時に、爪根元部Dが曲げ作用によって加工硬
化したためと考えられる。
と、根入り先端から200mmまでの下端面で継手爪先端が
離れ、離脱していることが確認出来た。しかも、継手爪
先端が離脱した個所の根入り先端から200,500,800mm断
面硬度を測定し、第8図(b)において、爪先端S点、
係止面O点、爪根元部D点、U字底部u点で示される継
手形状位置との関係で、整理してみると、第8図(a)
で明らかなように爪根元部Dが最高硬さを示している事
が分かる。これはつまりフックの役割をすべき爪先端部
の起き上り時に、爪根元部Dが曲げ作用によって加工硬
化したためと考えられる。
鋼矢板打設施工時に土砂内で継手離脱するのは、グリッ
プ内土圧を根入り先端から200mmに渡って団結化された
土砂が発生し、これが根入り先端から800mmに渡る爪根
元部D点に大きな曲げの力が作用して全断面降伏により
継手離脱するということが、本発明者等の実験結果から
明らかとなったのである。
プ内土圧を根入り先端から200mmに渡って団結化された
土砂が発生し、これが根入り先端から800mmに渡る爪根
元部D点に大きな曲げの力が作用して全断面降伏により
継手離脱するということが、本発明者等の実験結果から
明らかとなったのである。
以下、更に本発明について説明する。
第1図(a)はウエブaとウエブ幅方向の両端にフラン
ジ部bを介して設けた一対のU字状継手部cとからなる
幅W、高さHの鋼矢板を示すもので、第1図(b)は鋼
矢板のU字状継手部cを拡大して示したものであってtn
は爪根元板厚、LWは爪根元幅を表わす。第1図(c)
は、鋼矢板A,Bが相互に完全連結した状態で土砂中に打
設が行なわれている途中の状態を示し、第1図(d)は
同じく鋼矢板A,Bが相互に完全連結した状態で土砂中へ
完全に打設が行なわれた状態を示すものであって、図中
Aは既設鋼矢板、Bは打設鋼矢板、またLa,Lbはそれぞ
れの鋼矢板A,Bにおける爪根元部の一方の根入り先端か
らの導入長を表わす。
ジ部bを介して設けた一対のU字状継手部cとからなる
幅W、高さHの鋼矢板を示すもので、第1図(b)は鋼
矢板のU字状継手部cを拡大して示したものであってtn
は爪根元板厚、LWは爪根元幅を表わす。第1図(c)
は、鋼矢板A,Bが相互に完全連結した状態で土砂中に打
設が行なわれている途中の状態を示し、第1図(d)は
同じく鋼矢板A,Bが相互に完全連結した状態で土砂中へ
完全に打設が行なわれた状態を示すものであって、図中
Aは既設鋼矢板、Bは打設鋼矢板、またLa,Lbはそれぞ
れの鋼矢板A,Bにおける爪根元部の一方の根入り先端か
らの導入長を表わす。
この様な構成を有する、本発明鋼矢板において、本発明
は第1図(b)のU字状継手部cの爪根元巾LWを熱処理
幅とし、しかも第1図(c),(d)の既設鋼矢板A及
び打設鋼矢板Bの導入長La,Lbを熱処理長として熱処理
部を設けることによって、極めて効果的に根入り先端継
手部の離脱強度をより一層向上せしめるのである。
は第1図(b)のU字状継手部cの爪根元巾LWを熱処理
幅とし、しかも第1図(c),(d)の既設鋼矢板A及
び打設鋼矢板Bの導入長La,Lbを熱処理長として熱処理
部を設けることによって、極めて効果的に根入り先端継
手部の離脱強度をより一層向上せしめるのである。
即ち、このような爪根元巾LW、導入長La,Lbの範囲で、
爪根元板厚tnの厚さを熱処理することによって継手離脱
時の曲げ作用部を強化するものである。この場合の熱処
理条件は、打設地盤状態を考慮して離脱強度をどの程度
のものにするか、また、熱処理範囲の爪根元巾LW、爪根
元板厚tn、導入長La,Lbを適宜選定する必要がある。し
かも導入長La,Lbの熱処理を双方のU字状継手爪根元部
に行なうことによって、さらに根入り先端での継手離脱
強度を向上させるものであるから、硬い地盤の場合には
この方法を選定する必要がある。例えば、通常の砂地盤
に鋼矢板を打設する場合の熱処理条件は900℃加熱後油
冷または強制空冷・水冷等の処理が施さられ、この場合
の熱処理範囲は、爪根元巾LWを10mm以上、爪根元板厚tn
を全断面板厚、導入長La,Lbを根入り先端から50mm以上1
000mm以下とすることが有効である。
爪根元板厚tnの厚さを熱処理することによって継手離脱
時の曲げ作用部を強化するものである。この場合の熱処
理条件は、打設地盤状態を考慮して離脱強度をどの程度
のものにするか、また、熱処理範囲の爪根元巾LW、爪根
元板厚tn、導入長La,Lbを適宜選定する必要がある。し
かも導入長La,Lbの熱処理を双方のU字状継手爪根元部
に行なうことによって、さらに根入り先端での継手離脱
強度を向上させるものであるから、硬い地盤の場合には
この方法を選定する必要がある。例えば、通常の砂地盤
に鋼矢板を打設する場合の熱処理条件は900℃加熱後油
冷または強制空冷・水冷等の処理が施さられ、この場合
の熱処理範囲は、爪根元巾LWを10mm以上、爪根元板厚tn
を全断面板厚、導入長La,Lbを根入り先端から50mm以上1
000mm以下とすることが有効である。
この場合、特に導入長La,Lbの熱処理長さを根入り先端
から50mm以上1000mm以下としたのは、50mm未満では、熱
処理を全くしないものと同程度の離脱強度でしかなく、
何ら効果がないからである。しかも、1000mmを超えると
50mm以上1000mm以下範囲の熱処理効果と同程度の効果し
か発揮せず、熱処理に用する作業時間が無駄となり好ま
しくない。又、爪根元巾LWの熱処理範囲は10mm以上であ
れば爪根元全体でもなんら問題はない。
から50mm以上1000mm以下としたのは、50mm未満では、熱
処理を全くしないものと同程度の離脱強度でしかなく、
何ら効果がないからである。しかも、1000mmを超えると
50mm以上1000mm以下範囲の熱処理効果と同程度の効果し
か発揮せず、熱処理に用する作業時間が無駄となり好ま
しくない。又、爪根元巾LWの熱処理範囲は10mm以上であ
れば爪根元全体でもなんら問題はない。
この事実は、次の如き実験によって得られたものであ
る。即ち、供試した鋼矢板は、U型5Lタイプ規格SY-3
0、鋼矢板長を2000mmとした。実験は局部引張による空
中継手離脱方法によった。ここで第2図(a)によって
局部引張空中継手離脱試験を説明する。
る。即ち、供試した鋼矢板は、U型5Lタイプ規格SY-3
0、鋼矢板長を2000mmとした。実験は局部引張による空
中継手離脱方法によった。ここで第2図(a)によって
局部引張空中継手離脱試験を説明する。
図中A,Bは相互に嵌合させた鋼矢板を示し、Tは通常の
土砂地盤で継手内に団結化形成されて内圧発生する土砂
を、外部引張力に置き換えたタブ板を示す。この場合、
鋼矢板A,Bの長さを2000mmとし、タブ板Tの長さは200mm
として、タブ板Tに引張荷重を負荷し継手離脱を生じさ
せ、継手離脱強度を評価する方法である。
土砂地盤で継手内に団結化形成されて内圧発生する土砂
を、外部引張力に置き換えたタブ板を示す。この場合、
鋼矢板A,Bの長さを2000mmとし、タブ板Tの長さは200mm
として、タブ板Tに引張荷重を負荷し継手離脱を生じさ
せ、継手離脱強度を評価する方法である。
第2図(b)にその実験の結果を根入先端(図中の場合
はタブ板取付端面)からの熱処理長La,Lbと継手離脱強
度Pcとの関係で示した。
はタブ板取付端面)からの熱処理長La,Lbと継手離脱強
度Pcとの関係で示した。
根入り先端からの熱処理長La,Lbは、嵌合鋼矢板双方と
も同じ熱処理長とした。
も同じ熱処理長とした。
また、爪根元熱処理巾LWは15mm、爪根元板厚は9mmで全
層熱処理することとした熱処理条件は900℃加熱後油冷
によった。
層熱処理することとした熱処理条件は900℃加熱後油冷
によった。
同図から明らかな様に、根入先端からの熱処理長La,Lb
の増加にともない継手離脱強度Pcが増大している(○印
で示す)。即ち、曲げ部となる爪根元部を局部熱処理に
よる材質向上によって継手離脱強度が向上しており、本
発明の効果が現われている事を示すものである。
の増加にともない継手離脱強度Pcが増大している(○印
で示す)。即ち、曲げ部となる爪根元部を局部熱処理に
よる材質向上によって継手離脱強度が向上しており、本
発明の効果が現われている事を示すものである。
しかしながら、根入り先端からの熱処理長が30mmの場合
(△印で示す)全く熱処理しなかった0mmの場合(▲印
で示す)となんら変わらない継手離脱強度であった。
(△印で示す)全く熱処理しなかった0mmの場合(▲印
で示す)となんら変わらない継手離脱強度であった。
又、1000mmを超えた熱処理を行なうと継手離脱強度(□
印で示す)の向上は見られるものの通常の砂地盤におけ
る鋼矢板打設時の継手内圧力を考えると、継手離脱強度
100Ton/Mの性能を有していれば打設中の離脱の危険はな
いものと考える。むしろ熱処理における作業時間を考え
ると効率的な熱処理長La,Lbを1000mmとして通常の砂地
盤に対処するほうが得策であろう。
印で示す)の向上は見られるものの通常の砂地盤におけ
る鋼矢板打設時の継手内圧力を考えると、継手離脱強度
100Ton/Mの性能を有していれば打設中の離脱の危険はな
いものと考える。むしろ熱処理における作業時間を考え
ると効率的な熱処理長La,Lbを1000mmとして通常の砂地
盤に対処するほうが得策であろう。
次に本発明の実施例鋼矢板を用いた施工例により本発明
の効果をさらに具体的に示す。
の効果をさらに具体的に示す。
供試した鋼矢板は第5図の説明で用いたものと同じ、FS
P-5L規格SY-30で爪根元板厚tnは9mmのものを比較例とし
て用い、本発明鋼矢板としては、熱処理範囲を根入り先
端からの熱処理長La,Lbを100mmと500mm,1000mmと適宜変
化させた。この場合、砂地盤の硬さN値をあらかじめ測
定し、室内実験で得た第2図のデータの継手強度Pcに見
合った砂地盤に打設した。また、爪根元熱処理巾を5m
m、爪根元板厚を全層熱処理したものを用いた。
P-5L規格SY-30で爪根元板厚tnは9mmのものを比較例とし
て用い、本発明鋼矢板としては、熱処理範囲を根入り先
端からの熱処理長La,Lbを100mmと500mm,1000mmと適宜変
化させた。この場合、砂地盤の硬さN値をあらかじめ測
定し、室内実験で得た第2図のデータの継手強度Pcに見
合った砂地盤に打設した。また、爪根元熱処理巾を5m
m、爪根元板厚を全層熱処理したものを用いた。
次に嵌合打設に際し、第5図の場合と同様に打設鋼矢板
Bのグリップ内部SBの土圧を土圧計G1で測定した。鋼矢
板の打設を20mまで完全に終えたところで、鋼矢板A,Bを
嵌合状態のまま引抜いて継手離脱発生の可否を観察し
た。
Bのグリップ内部SBの土圧を土圧計G1で測定した。鋼矢
板の打設を20mまで完全に終えたところで、鋼矢板A,Bを
嵌合状態のまま引抜いて継手離脱発生の可否を観察し
た。
その結果を第1表にまとめて示すが、本発明の鋼矢板の
場合は、継手離脱は全く見られず、正常な状態であっ
た。
場合は、継手離脱は全く見られず、正常な状態であっ
た。
これは本発明による根入り先端から50mm以上1000mm以下
までのU字状継手爪根元部の全断面板厚を局部処理する
ことによって継手離脱強度が向上した効果が現われたた
めである。
までのU字状継手爪根元部の全断面板厚を局部処理する
ことによって継手離脱強度が向上した効果が現われたた
めである。
〔発明の効果〕 以上説明した様に本発明鋼矢板によれば、嵌合打設に際
し、継手離脱性能が向上するので安全性が確保され、し
かも、現場の砂地盤状況に応じて任意に継手強度をコン
トロールできるため、産業上極めて有利なものである。
し、継手離脱性能が向上するので安全性が確保され、し
かも、現場の砂地盤状況に応じて任意に継手強度をコン
トロールできるため、産業上極めて有利なものである。
第1図(a)は本発明の実施例鋼矢板の形状を示す図、
同(b)は継手部の詳細図、同(c),(d)は土中へ
の打設時の説明図、第2図(a)は継手離脱強度評価試
験を説明する模式図、同(b)は根入り先端からの導入
長と継手離脱強度との関係の一例を示す線図、 第3図(a)は従来鋼矢板の先端根入り深さと打込み力
との関係の一例を示す線図、同(b),(c)は同例の
鋼矢板の態様の説明図、 第4図,第5図は従来技術の鋼矢板を説明する模式図、 第6図(a)は土圧計Gの埋込み状態を示す鋼矢板継面
図、同(b)は土圧計Gの埋込み位置を示す模式図、 第7図は打設鋼矢板に埋込まれた各土圧計のグリップ内
土圧と、鋼矢板先端地下位置との関係の一例を示す線
図、 第8図(a)は鋼矢板断面硬度とその測定位置との関係
の一例を示す線図、同(b)は測定位置を示す図であ
る。 a……ウエブ、b……フランジ c……継手部、u……継手U字底部 n……爪根元部、tn……爪根元板厚
同(b)は継手部の詳細図、同(c),(d)は土中へ
の打設時の説明図、第2図(a)は継手離脱強度評価試
験を説明する模式図、同(b)は根入り先端からの導入
長と継手離脱強度との関係の一例を示す線図、 第3図(a)は従来鋼矢板の先端根入り深さと打込み力
との関係の一例を示す線図、同(b),(c)は同例の
鋼矢板の態様の説明図、 第4図,第5図は従来技術の鋼矢板を説明する模式図、 第6図(a)は土圧計Gの埋込み状態を示す鋼矢板継面
図、同(b)は土圧計Gの埋込み位置を示す模式図、 第7図は打設鋼矢板に埋込まれた各土圧計のグリップ内
土圧と、鋼矢板先端地下位置との関係の一例を示す線
図、 第8図(a)は鋼矢板断面硬度とその測定位置との関係
の一例を示す線図、同(b)は測定位置を示す図であ
る。 a……ウエブ、b……フランジ c……継手部、u……継手U字底部 n……爪根元部、tn……爪根元板厚
Claims (1)
- 【請求項1】ウェブとウェブ幅方向の両端にフランジ部
を介して設けた一対のU字状継手部とからなる鋼矢板に
おいて、根入り先端から50mm以上1000mm以下までを少な
くとも、いずれか一方のU字状継手爪根元部の全断面板
厚を局部熱処理し強度を大としたことを特徴とする根入
り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61230942A JPH0694654B2 (ja) | 1986-09-29 | 1986-09-29 | 根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61230942A JPH0694654B2 (ja) | 1986-09-29 | 1986-09-29 | 根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6383313A JPS6383313A (ja) | 1988-04-14 |
| JPH0694654B2 true JPH0694654B2 (ja) | 1994-11-24 |
Family
ID=16915720
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61230942A Expired - Lifetime JPH0694654B2 (ja) | 1986-09-29 | 1986-09-29 | 根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0694654B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011214314A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Nippon Steel Corp | 鋼矢板及びその製造方法 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7059034B2 (ja) * | 2018-02-14 | 2022-04-25 | Jfeスチール株式会社 | 鋼矢板 |
| JP7088347B2 (ja) * | 2021-03-10 | 2022-06-21 | Jfeスチール株式会社 | 鋼矢板 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE2212349A1 (de) * | 1972-03-15 | 1973-10-04 | Hermann M Timm | Durchlasstueck fuer tabakrauch |
| JPS491375A (ja) * | 1972-04-21 | 1974-01-08 | ||
| JPS5785931A (en) * | 1980-11-18 | 1982-05-28 | Komatsu Ltd | Heat treatment of crank shaft |
| JPS60219319A (ja) * | 1984-04-16 | 1985-11-02 | Nippon Steel Corp | 継手部の離脱強度に優れた鋼矢板 |
-
1986
- 1986-09-29 JP JP61230942A patent/JPH0694654B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011214314A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Nippon Steel Corp | 鋼矢板及びその製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6383313A (ja) | 1988-04-14 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4627198A (en) | Hoisting anchor assembly for use in cast concrete panels and method | |
| EP0047610B1 (en) | Anchored earth structure | |
| US4798499A (en) | Retaining panel | |
| US4884377A (en) | Removable tension member | |
| WO2016100343A2 (en) | Wing diamond foundation | |
| JPH0694654B2 (ja) | 根入り先端継手部の離脱強度に優れた鋼矢板 | |
| KR101714610B1 (ko) | 희생 강관케이싱 부분 인발식 강관말뚝 시공방법 | |
| JPH1018308A (ja) | 建物基礎地盤の液状化防止構造 | |
| JP3230189B2 (ja) | コンクリートブロックマットの水中施工装置及びその方法並びにコンクリートブロックマットを用いた水中地面平坦化装置及びその方法 | |
| CN211849397U (zh) | 一种可伸缩钢板桩 | |
| EP4124560A1 (en) | Anchor device for anchoring a floating structure to the seabed and installation method of the anchor device | |
| CN212052742U (zh) | 一种易制型预埋式混凝土大锚固力地锚 | |
| JPH07317087A (ja) | 鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との接合構造 | |
| RU2240398C2 (ru) | Способ возведения габионного крепления откосов | |
| JPH0226015B2 (ja) | ||
| CN217580083U (zh) | 防护桩 | |
| WO2013081989A1 (en) | Drive pin for soil reinforcing connector device | |
| CN223329771U (zh) | 一种水利护坡网 | |
| JPS6282116A (ja) | 継手部の離脱強度に優れた鋼矢板 | |
| JP2006274630A (ja) | トンネルの覆工コンクリートの剥落防止工法及びその構造体 | |
| JP4077828B2 (ja) | 笠コンクリートの構築 | |
| KR100779991B1 (ko) | 초기긴장력을 도입한 자립식 엄지말뚝공법 | |
| JP2857887B2 (ja) | 除去式アンカー | |
| CN215759009U (zh) | 一种用于岸坡支护高分子方桩锤打的辅助装置 | |
| CN215482919U (zh) | 一种用于深厚淤泥质土可回收的锁扣钢护筒 |