JPH0695605B2 - アンテナ鏡面構造 - Google Patents

アンテナ鏡面構造

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JPH0695605B2
JPH0695605B2 JP2394788A JP2394788A JPH0695605B2 JP H0695605 B2 JPH0695605 B2 JP H0695605B2 JP 2394788 A JP2394788 A JP 2394788A JP 2394788 A JP2394788 A JP 2394788A JP H0695605 B2 JPH0695605 B2 JP H0695605B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、高精度が要求され、かつ厳しい熱環境下で使
用されるパラボラアンテナの鏡面(反射鏡)に関し、例
えば、人工衛星搭載用の大形アンテナなどの鏡面に適用
されるものである。
<従来の技術> 人工衛星に搭載されるアンテナの従来のものの鏡面は、
第6図及びその一部の縦断面である第7図に示すよう
に、一枚の鏡面殻1で形成されている。つまり、鏡面2
は、一枚の鏡面殻1で得られ、それを支柱3を介して骨
組構造体4に支持した構成となっているのである。
ところで、このような構造の鏡面2にあっては、第9図
に示すように、太陽光(図中矢印で示す)の方向によ
り、鏡面2上に人工衛星の他の構造物等5(例えば、タ
ワー)の影(図中斜線で示す部分)が部分的にできた場
合には、鏡面2における日照部と日陰部とで著しい温度
差が生じ、鏡面殻材料の膨張あるいは収縮により、日照
部と日陰部とで曲率が不連続に変化しようとする。
このため、日照部と日陰部との間に大きな面外の歪が生
じ、鏡面としての性能を劣化させることとなっていた。
<発明が解決しようとする課題> 上記のような問題を解決するために、第8図に示すよう
に、鏡面殻1をいくつか(ここでは三つ)に分割し、か
つ各分割鏡面殻1a,1b,1c間に隙間を設けたものが考えら
れている。
この鏡面では、部分的な影による温度偏差によって生じ
た変形を、各分割鏡面殻1a,1b,1cの面内方向の変形とし
て、前記隙間で吸収するのである。
隙間は、鏡面殻1が最高温度(宇宙空間においては約10
0℃)のときに、分割鏡面殻1a,1b,1cが膨張して零とな
るように調整しなければならず、そのため、鏡面殻1が
最低温度(約−200℃)となったときには、分割鏡面殻1
a,1b,1cが収縮して大きな隙間となってしまう。
通常、鏡面殻1は、線膨張係数の小さい炭素繊維強化プ
ラスチック(CFRP)の表皮でアルミハニカムコアをサン
ドイッチにし、軽量で高剛性の構造とするが、このとき
の鏡面殻1の線膨張係数は、5×10-6/℃程度となる。
一方、鏡面殻1を支える骨組構造体4は、炭素繊維の配
向等の関係で線膨張係数は鏡面殻1のそれより一桁小さ
くなったり、ときには、負の値になったりする。したが
って、例えば、開口径5メートルといった大形鏡面殻1
を、第8図に示すように三分割した場合、各分割鏡面殻
1a,1b,1cの隙間は最大時で4ミリメートル程度となり、
利得低下を招く。更に、部分的に影ができる場合には、
日照下の鏡面殻部と日陰の鏡面殻部とでは曲率が異なる
ように変形するので、エッジ部においては、第10図に示
すように段差6が生じてしまう。このような段差は、サ
イドローブ特性を大きく劣化させてしまう。したがっ
て、従来の如く、鏡面を分割しただけでは、熱変形によ
る鏡面の性能低下を充分に解決することはできなかった
のである。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決するため、本発明では、反射鏡アンテナ
の反射面を形成する鏡面殻を複数に分割すると共に、各
分割鏡面殻の境界が接する外縁に沿って、隣り合う分割
鏡面殻同士の境界部分における面内方向への相異なる動
きを許容しながら、隣り合う分割鏡面殻同士の境界部分
における面外方向への相異なる動きおよび、隣り合う分
割鏡面殻の境界を隔てて曲面の接線が不連続になるよう
な変形を阻止する嵌合構造を形成し、かつ該嵌合部では
一方の分割鏡面殻の一部に他方の分割鏡面殻の反射面の
一部が重なる構造とし、分割鏡面殻が形成する反射面が
その境界において該分割鏡面殻の面内方向への相異なる
動きによって間隙が生じた場合に該嵌合部の反射面側の
面が該間隙部分における反射面となるアンテナ鏡面構造
としたのである。
<作用> 上記構成のアンテナ鏡面構造においては、分割された各
分割鏡面殻間に温度差による収縮、膨張があったとして
も、面内方向の相対的な動きについては嵌合構造部は拘
束せず、嵌合のかみ合わせ部の摺動によって吸収する。
また、このように隣り合う分割鏡面殻が面内方向に相異
なる動きをして反射面を形成する部分が離れてしまって
も、嵌合部が、この間隙部分における反射面となる。更
に、分割鏡面殻の面外方向への相対的な動きおよび、隣
り合う鏡面殻が形成する反射面がその境界において不連
続な曲面となることは嵌合構造の嵌合によって拘束され
るので、各分割鏡面間の段差となることなく連続した曲
面を保つことができる。
<実施例> 第1図(a)(b)には本発明の一実施例に係るアンテ
ナ鏡面構造における各分割鏡面殻の部分拡大斜視を示し
てあり、第2図,第3図には二つの分割鏡面殻の異なる
嵌合状態を示してある。
第1図ないし第3図には、第8図に示したように、鏡面
2を三分割する三つの分割鏡面殻のうちの二つ(分割鏡
面殻1a,1b)を示す。各分割鏡面殻は、前述の如く、あ
る程度の曲げ剛性を持たせるために、CFRP製の表皮7を
アルミハニカムコア8の両面に設けたサンドイッチ構造
となっており、その全体の肉厚は5〜10ミリメートル程
度である。
各分割鏡面殻1a,1bの合せ面は、例えば、図に示すよう
に直線状となっており、また分割された鏡面はそれらを
合わせた状態で一つの曲面を形成するようにその合わせ
面で同一の曲率を持っている。これらの合せ面間に両者
の嵌合構造9が構成されている。この嵌合構造9は、一
方の分割鏡面殻1aの合せ部に設けられた横断面形状が凹
状の嵌合部材10と、もう一方の分割鏡面殻1bの合せ部に
設けられ、前記嵌合部材10と嵌合する横断面形状が凸状
の嵌合部材11とからなっている。嵌合部材10と11は、嵌
合状態で面内方向(鏡面2の表面に平行な方向)に自由
に摺動し得、かつ面外方向(鏡面2の表面に直交する方
向)のずれや合わせ面での曲率が不連続になろうとする
変形を抑制し合う。第8図に示したように三分割とし、
開口径5メートル程度の鏡面ならば、面内方向の最大変
位量は3〜4ミリメートル程度であるから、嵌合部材10
の凹部10aの深さあるいは嵌合部材11の凸部11aの高さは
10ミリメートル程度あれば充分である。嵌合部材10の上
面10bは鏡面2の一部ともなり得るので、金属あるいはC
FRPで製作される。
この実施例では、嵌合構造として、単一的な凹凸状の組
合せによるものをあげているが、嵌合構造としてはこれ
に限らず、要は、面内方向に摺動可能で、面外方向に互
いに拘束するものであればいかなるものでもよい。
上記アンテナ鏡面構造を備えたパラボラアンテナにおい
ては、最高温度下では、各分割鏡面殻1a,1b,1cが膨張
し、第2図に示すように、嵌合部材10,11同士は緊密に
嵌合した状態となる。
また、最低温度下では、各分割鏡面殻1a,1b,1cが収縮
し、第3図に示すように、嵌合部材10,11は嵌合状態を
保ったまま面内方向にずれた状態となる。このとき、表
皮7間には隙間cができ、嵌合部材10の表面10bが鏡面
の一部となる。各分割鏡面殻1a,1b,1cの表面(鏡面)と
嵌合部材10の表面10bとの間には表皮7の厚さに相当す
る分の段差hができるが、この段差hは0.1ミリメート
ル程度にすることができるので、例えば波長が数ミリ以
上の電波を用いる場合においては鏡面2の性能にはほと
んど影響しない。
更に、第9図に示したように、鏡面2に部分的に影がで
き、例えば、隣り合う分割鏡面殻の一方が太陽光を受け
て高温となり、他方が影になって低温となって、第10図
に示したように逆方向の変位が生じるような状況におい
ても、変位は各分割鏡面殻1a,1b,1cの膨張、収縮により
相殺され、また、面外方向へのずれ(曲率が異なる変
形)も嵌合部材10,11の嵌合により拘束され、結果とし
て各分割鏡面殻1a,1b,1cはなだらかにつながる状態を保
つ。
第4図,第5図には、鏡面2に第9図に示すように、影
が生じた場合の鏡面2の変形状態を示す。鏡面殻1を三
分割したもので、第4図に示すものが本発明に係るも
の、つまり、各分割鏡面殻1a,1b,1c間に嵌合構造を設け
たものであり、第5図に示すものが従来のもの、つま
り、各分割鏡面殻1a,1b,1cがそれぞれ完全に独立したも
のである。図中の縞は等高線を表わし、縞番号が変位
0の線であり、より若い縞番号が下側への変位、上の
縞番号が上側への変位を示す。
第4図に示す本発明のものでは、等高線の数が少なく、
縞番号もほとんどで、変形量が小さいことがわかる。
また、各分割鏡面殻1a,1b,1c間で等高線はなめらかにつ
ながっている。
これに対し、第5図に示す従来のものでは、等高線が密
であり、2倍以上の変形量となっており、また、隣り合
う分割鏡面殻でも、縁部で縞番号が食い違っていること
から、大きな段差ができていることがわかる。更に、図
では示されていないが、各分割鏡面殻間にも大きな隙間
が生じる。
なお、本発明に係る構造のものでは、例えば、開口径5
メートル、三分割のものに適用した場合、重量増加は、
1.5kg程度ですむ。これに対し、従来のもので、本発明
に係るものと同様の精度を得るためには、支柱3を大幅
に増やし、鏡面殻1の厚みを大幅に増すなどの対策が必
要となり、そのときには大幅な重量増加(同様のものの
場合で、5kg以上)を招いてしまう。
<発明の効果> 本発明に係るアンテナ鏡面構造によれば、分割鏡面殻間
に嵌合構造を設けたので、鏡面の温度変化による鏡面殻
の膨張収縮による変形は嵌合構造を形成する嵌合部材間
の摺動により吸収され、また、面外方向への変形も嵌合
部材同士の拘束により抑制され、常になめらかな鏡面が
得られ、性能低下を来たすことがなくなる。また、本構
造を採用することによる重量増加はわずかであり、この
面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は本発明の一実施例に係るアンテナ
鏡面を構成する分割鏡面殻の拡大部分斜視図、第2図,
第3図は一実施例の状態を異にする部分斜視図、第4図
は一実施例に係るアンテナ鏡面の変形状態を等高線で示
す説明図、第5図は従来のものにおける第4図と同様の
説明図、第6図はパラボラアンテナ鏡面の斜視図、第7
図はその断面図、第8図は鏡面を三分割したものの斜視
図、第9図,第10図はアンテナ鏡面に影ができた様子、
温度差により変形が生じた様子の説明図である。 図面中、1は鏡面殻、1a,1b,1cは分割鏡面殻、2は鏡
面、3は支柱、4は骨組構造体、7は表皮、8はアルミ
ハニカムコア、9は嵌合構造、10,11は嵌合部材、10aは
凹部、11aは凸部である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射鏡アンテナの反射面を形成する鏡面殻
    は複数に分割され、更に各分割鏡面殻の境界が接する外
    縁に沿って、隣り合う分割鏡面殻同士の境界部分におけ
    る面内方向への相異なる動きを許容しながら、隣り合う
    分割鏡面殻同士の境界部分における面外方向への相異な
    る動きおよび、隣り合う分割鏡面殻の境界を隔てて曲面
    の接線が不連続になるような変形を阻止する嵌合構造を
    形成し、かつ該嵌合部では一方の分割鏡面殻の一部に他
    方の分割鏡面殻の反射面の一部が重なる構造を持ち、分
    割鏡面殻が形成する反射面がその境界において該分割鏡
    面殻の面内方向への相異なる動きによって間隙が生じた
    場合に該嵌合部の反射面側の面が該間隙部分における反
    射面となることを特徴とするアンテナ鏡面構造。
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