JPH0697139B2 - 溶融金属の精錬容器 - Google Patents

溶融金属の精錬容器

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JPH0697139B2
JPH0697139B2 JP12019586A JP12019586A JPH0697139B2 JP H0697139 B2 JPH0697139 B2 JP H0697139B2 JP 12019586 A JP12019586 A JP 12019586A JP 12019586 A JP12019586 A JP 12019586A JP H0697139 B2 JPH0697139 B2 JP H0697139B2
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三男 斎藤
啓明 大沼
敏和 桜谷
則夫 住田
努 野崎
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川崎製鉄株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 溶融金属の炉外精錬用の容器に関し、とくに精錬フラッ
クスと溶融金属の接触混合を促進して、迅速にしかも高
純度域までに至る金属中不純物元素の低減を実現するこ
とができる電磁力を応用した溶融金属の精錬に、有利に
適合する精錬用容器を提供しようとするものである。
金属材料の清浄度向上や不純物濃度低減の要求が強く、
例えば転炉等の1次精錬炉から出鋼された溶鋼をさらに
石灰等の精錬フラックスを用いて精錬する炉外精錬がが
行われている。炉外精錬では溶鋼とそれに添加されたフ
ラックスとの接触を高めるために、容器内の溶鋼中に撹
拌用ガス(以下単にガスと称す)を吹込んで撹拌するこ
とが一般に行われている。しかしながらガス撹拌の場合
撹拌力を増大させようとすると、気泡が溶鋼から離脱す
る際のスプラッシュが大きくり溶鋼が精錬容器外へ噴出
して、歩留りが低下し、はなはだしい場合は操業困難と
なる問題があった。
これに対して電磁力投入により溶融金属を撹拌する方法
は、気泡によるスプラッシュの問題を回避した大撹拌力
投入が可能な利点があり、最近各種プロセスに利用され
ている。
(従来の技術) 電磁力による撹拌力をフラックスと溶融金属の接触、混
合に利用すること特公昭59−29083号公報にて、溶融金
属に回転磁界による水平回転流を生じさせ、その際に形
成される溶融金属表面の窪み部にフラックスを投入する
方法が開示されている。
また同号証には溶融金属に対し比重の小さい精錬フラッ
クスを溶融金属中に巻込ませて、精錬フラックスと溶融
金属との反応界面積を増して反応速度を速めるため、精
錬容器内面に設けた耐火物製の突出部(以下じゃま板と
いう)又はガスジェットにより、溶融金属流の一部の向
きを上下方向に転換する操作についての記載がある。
ところで工業的規模での溶融金層の精錬容器としては数
トン〜数百トンの溶融金属を保持しうるものが一般的に
用いられ、このような容器に耐火物性のじゃま板を設け
ると、スポーリングや溶融金属流によるる損耗等が生じ
るために、じゃま板の寿命は1〜2ヒート程度で耐火物
コストが著るしく増大する問題がある。
一方、ガスジェットを用いて溶融金属流の方向を転換す
る場合、ガス吹込み流量は厖大で、したがって精錬コス
トが著るしく増大し、実際的ではない。
(発明が解決しようとする問題点) そこで回転磁界を用いて、溶融金属を撹拌精錬する際
に、寿命の短かいじゃま板を用いたり、大流量のガス吹
込みを行うことなく、精錬フラックスの利用効率を高
め、精錬反応速度を増大し、より短時間でかつ少ないフ
ラックス原単位で精錬を行うことが可能な精錬容器の提
供が、この発明の目的である。
(問題点を解決するための手段) 上述のように、回転磁界を用いて、容器内の溶融金属に
水平回転流を与えて精錬する際に、精錬フラックスを溶
融金属中に巻き込ませるには、何らかの方法で溶融金属
中に上下方向の流れを生ぜしめれば良い。
発明者らは上下方向の溶融金属の流れを作り出すための
障害物の形成をじゃま板のように突起させるのではな
く、容器の内壁面の形状を変化させることによって、と
りわけ耐火物施工上の容易さを考慮して、容器の内壁面
の一部を平面とすることによって達成できることを見出
した。
すなわちこの発明は、溶融金属を収容する容器の外周に
回転磁界発生置を配設し、該回転磁界発生置により容器
内の溶融金属に水平回転力を付与する精錬容器におい
て、上記容器の内径の1/5以上にわたる幅の平面壁を、
容器の内周壁に少なくとも1箇所は設けることを特徴と
する溶融金属の精錬容器である。
またこの発明に用いて好適な精錬容器を、第1図ないし
第3図示す。
この精錬容器は、鉄皮1で囲った耐火物2よりなる取鍋
3の内周壁に耐火物製の平面壁4を設けてなる。平面壁
4は取鍋3の内径の1/5以上の幅を備え、第1図では1
箇所、第2図では2箇所、第3図では3箇所にそれぞれ
設けた例を示した。なお5は回転磁界発生装置、6は溶
鋼、そして7は精錬フラックスである。
なお、この発明に用いる精錬容器としては、精錬専用の
容器は勿論、その他上記した取鍋、さらにはタンディッ
シュ等の溶融金属を収容するためのものが適合する。
(作 用) 内径250mm、深さ500mmの透明アクリルからなる有底の円
筒状容器を用い、蒸溜水を溶融金属、流動パラフィンを
精錬フラックスにそれぞれ見たてて行った水モデル実験
について述べる。
蒸溜水10、流動パラフィンを300ml用い、流動パラフ
ィンに予め溶解した安息香酸の、流動パラフィンからら
蒸溜水への移動速度をスラグーメタル反応速度を評価す
る尺度とした。
なお上記容器の内底部において幅10cm、長さ20cm、厚さ
5mmのステンレス板製インペラを電動機により水平回転
することによって、蒸溜水に水平回転流を付与した。
インペラの回転数は350rpmとした。これは円筒状容器で
の水面の窪み深さが静止浴面高の1/2とる回転条件であ
り、窪み深さが静止浴面高の1/2をこえると、円筒状容
器底部のインペラ近傍で高速回転する水流域に引き込ま
れる流動パラフィンが分散、微細滴化するので、上記の
回転条件とした。
第4図にこの実験に用いた円筒容器内の平面形状を示
す。図中Woは平面壁の幅、D0は容器内直径で、両者の比
W0/D0を1/10,1/5,2/5,3/5,4/5の各条件で実験を行っ
た。また比較例として第5図に示すような容器の内周壁
にじゃま板を設けた容器についても同様の実験を行っ
た。この比較例ではじゃま板の幅、突出し長さ共1/10D0
としたものを用いた。安息香酸の移動速度は下記(1)
式に示す1次の反応速度式に従い、物質移動係数k(mi
n-1)は下記(2)式り求まる。
ここにC:水中の安息香酸の平衡濃度(mole/) C:時刻tおける水中の安息香酸濃度(mole/) ただしC0:時刻Oにおけ水中の安息香酸濃度(mole/) 第6図に、物質移動係数kと、比W0/D0の関係を示す。
同図からW0/D0≧1/5で、じゃま板付容器と同程度以上の
kの値が得られることがわかる。
第7図に平面壁の数nとkの関係を示す。同図からW0/D
0が1/5以上ではnが増すほどkが増大する結果となっ
た。
以上の水モデルを用いた実験結果より、円筒形容器内に
おいて水平回転する溶湯と、その上に存在するスラグ間
の物質移動を促進する手段として、円筒形容器内面に、
幅W0が容器内直径D0との比W0/D0が1/5以上となる平面壁
を少なくとも1箇所に設けることの有効性を確認でき
た。
(実施例) 実施例1 先に第1図に示した内径1m、深さ2mの取鍋に5トンの溶
鋼(静止溶鋼深さ約1m)を収容し、次いで精錬フラック
スを添加し、溶鋼に回転磁界発生装置(回転磁界周波数
4Hz、中心磁束密度600Gauss)により水平回転力を付与
して撹拌し、脱硫精錬を行った。
平面壁の幅は20cm(W0/D0=1/5)であり、耐火物にMgO
−Cr2O3系れんが(以下マグロれんがという)を用い
た。
溶鋼の温度はは1650℃、初期組成は、C:0.10wt%,Si:0.
25wt%,Mn:1.30wt%,P:0.005wt%,S:0.005wt/,Al:0.04w
t%であり、フラックスは、50wt%,Ca0−50wt%CaF2を1
0kg/tで添加した。
精錬結果を表1示す。なお同表中脱硫速度定数ks(min
-1)は脱硫反応速度が、下記(3)式の1次の速度式に
従うものとし下記(4)式より求めた。
但し〔%S〕e:スラグと平衡する溶鋼中のS濃度(wt
%) 但し、本フラックス使用条件下では〔%S〕e≒0とみ
なせる 〔%S〕:時刻t(min)における溶鋼中のS濃度
(wt%) 但し〔%S〕0:時刻0(min)における溶鋼中S濃度(w
t%) 処理中の溶融金属表面では第1図中に矢印で示すような
溶融金属の流れが認められ、平面壁および円筒状壁の接
点と回転中心とを結ぶ線の近辺で上下方向の流れを示唆
するような、溶融金属の湧き出しともぐり込みが認めら
れた。
処理時間6分で0.0004%のS濃度まで脱硫できた。ま
た、処理前後のスラグ分析値からMgO,Cr203の増加量を
求め、これより、処理中の取鍋耐火物(マグロれんが)
の溶損量を推算し、表1中に示す。実施例1での値は2.
5kg/ヒートであった。
実施例2 実施例1の取鍋における平面壁を幅40cm(W0/D0=2/5)
のものに変更し、他は実施例1と同じ条件で脱硫精錬を
行った。表1にその結果を示すように、処理時間6分で
到達S濃度0.0003%が得られ、ks=0.8(min-1)が得ら
れた。このときの耐火物溶損量は3.1kg/ヒートであっ
た。また溶融金属表面において実施例1と同様の溶融金
属の流れが認められた。
実施例3 取鍋の平面壁の幅を60cm(W0/D0=3/5),処理時間4分
とし、他は実施例1と同様の条件で脱硫精錬を行った。
表1にその結果を示すように、処理時間4分で到達S濃
度0.0003%得られ、ks=0.71(min-1)と、実施例1,2よ
りも短時間で同様の極低S値が得られた。耐火物溶損量
は、処理時間が短かいため2.8kg/ヒートと、実施例2よ
り少ない値となった。この実施例においても溶融金属表
面において、実施例1,2と同様の溶融金属の流れが認め
られた。
実施例4 第2図に示した平面壁を2ケ所に設けた取鍋を用い、平
面壁の幅をそれぞれ40cm(W0/D0=2/5)とし他は実施例
3と同様の条件で、脱硫精錬を行った。表1にその結果
を示すように、処理時間4分で到達S濃度0.0003%,ks
=0.70(min-1)が得られ、耐火物溶損量2.9kg/ヒート
と実施例3と同様の結果が得られた。
この際、溶融金属表面では、第2図に示したように平面
壁と円筒状壁の接点と回転中心を結ぶ線および、平面壁
同志の接点と回転中心を結ぶ線の近辺で、上下方向の流
れを示唆する溶融金属の湧き出しと、もぐり込みが認め
られた。
実施例5 第3図に示した平面壁を3ケ所に設けた取鍋の平面壁を
それぞれ幅40cm(W0/D0=2/5)とし他は実施例1と同様
の条件で脱硫精錬を行った。
表1にその結果を示すようにに、処理時間4分で到達S
濃度0.0002%,ks=0.81(min-1)が得られ、実施例1〜
4よりさらに低い到達S濃度と高い脱硫速度定数が得ら
れた。耐火物溶損量は、実施例2と同等であった。
この際、溶融金属表面では第3図に示すように、平面壁
と同筒状壁の接点と回転中心を結ぶ線および、平面壁同
志の接点と回転中心を結ぶ線の近辺で、上下方向の流れ
を示唆する溶融金属の湧き出しともぐり込が認められ
た。
実施例6 実施例4と同様の取鍋を用い、フラックス量を実施例4
の半分の5kg/t、処理時間を6分として、他は実施例4
と同様の条件で脱硫精錬を行った。その結果を表1に示
すように、到達S濃度0.0003%、およびks=0.47(min
-1)が得られ、半分のフラックス原単位でも実施例2,3,
および4と同等の到達S濃度が得られた。耐火物溶損量
は2.8kg/ヒートで、実施例3と同等であった。
上記した実施例1〜6のいずれにおいても溶融金属の湧
き出しともぐり込みがみられた。これは溶融金属内部の
状況は見えないが、水モデル実験での観察からフラック
スが溶融金属中に引き込まれ、微細な滴となるような動
きをしていたものと思われる。
比較例1 第8図に示す平面壁に替えてじゃま板を設置した取鍋に
て、脱硫精錬を行った。取鍋本体は、実施例1〜6にて
用いたものを用い、幅W110cm のじゃま板8をマグクロれんが形成した。実施例1と同
様の条件で、脱硫精錬を行った結果を表1に示す。
処理時間6分で到達S濃度0.0003%,ks=0.47(min-1
で、実施例2と同等の精錬結果が得られたが、耐火物溶
損量はは35kg/ヒートと、実施例1〜6の10倍以上と著
るしく大きな値となった。実験後溶鋼,スラグを排出し
て、取鍋内部を観察したところ、溶鋼に浸漬していたじ
ゃま板のほぼ全体で損失が認められた。
比較例2 第9図に示す取鍋を用いて、ガスジェットによって溶鋼
の流れる方向を転換して脱硫精錬を行った。取鍋本体は
実施例1〜6にて用いたもので、溶鋼の静止浴面直上に
設けた内径15mmのステンレス製羽口9よりArガスを3.5N
m3/min(0.7Nm3/min・t)の流量で吹込んだ。実施例1
と同じ条件で脱硫精錬を行った結果を、表1に示す。
処理時間6分で到達S濃度0.0004%,ks=0.42(min-1
で、実施例1と同等の精錬結果が得られたが、耐火物溶
損量は18kg/ヒートと、実施例1〜6の6〜7倍の大き
な値となった。また実験後、溶鋼,スラグを排出して取
鍋内部を観察したところ、羽口周辺の耐火物が著るしく
損耗していた。
比較例3 本発明の好適範囲外の例として、第10図に示す幅10cm の平面壁を1ケ所設置した取鍋を用いて脱硫精錬を行っ
た。取鍋本体は、実施例1〜6にて用いたものと同様で
ある。実施例1と同じ条件で脱硫精錬を行った結果を、
表1に示す。
処理時間6分で到達S濃度0.0023%,ks=0.13(min-1
と、実施例1〜6の1/3〜1/6の脱硫速度定数しか得られ
ず、S濃度も、通常のフラックスインジェクション法で
の到達レベルの0.0010〜0.0003%にも到らぬ高い値であ
った。
脱硫精錬中の溶鋼の流れは第10図D−D断面図に示すよ
うに、同心円的な水平回転流のみで、実施例1〜6にお
いて観察された溶鋼の湧き出し、もぐり込み現象は認め
られなかった。
(発明の効果) この発明の精錬容器を用いれば、著るしい耐火物溶損を
伴うことなく、脱硫精錬を行うことができ、かつ、到達
S濃度を極低値まで短時間に低減することできる。
また、平面壁の幅と数を適当な範囲にすることによっ
て、より短時間およびより少なないフラックス原単位で
の脱硫処理が可能となる。
なおこの発明はスラグ−メタル反応を促進する精錬に有
利に適合するものであるから、溶鋼の脱硫精錬のみなら
ず、脱りん精錬あるいはその他の溶融金属のフラックス
精錬においても、著るしい効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はこの発明の好適例を示す精錬容器
の説明図、 第4図および第5図は水モデル実験に用いた容器の説明
図、 第6図は平面壁の幅と物質移動係数との関係を示すグラ
フ、 第7図は平面壁の設置数と物質移動係数との関係を示す
グラフ、 第8図ないし第10図はこの発明の比較例である精錬容器
を示す説明図、 である。 3……取鍋、4……平面壁 5……回転磁界発生装置、6……溶鋼 7……精錬フラックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住田 則夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 野崎 努 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特公 昭59−29083(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属を収容する容器の外周に回転磁界
    発生装置を配設し、該回転磁界発生装置により容器内の
    溶融金属に水平回転力を付与する精錬容器おいて、 上記容器の内径の1/5以上にわたる幅の平面壁を、容器
    の内周壁に少なくとも1箇所は設けることを特徴とする
    溶融金属の精錬容器。
JP12019586A 1986-05-27 1986-05-27 溶融金属の精錬容器 Expired - Lifetime JPH0697139B2 (ja)

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