JPH0699221B2 - 化合物半導体結晶の育成装置 - Google Patents

化合物半導体結晶の育成装置

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JPH0699221B2
JPH0699221B2 JP31942890A JP31942890A JPH0699221B2 JP H0699221 B2 JPH0699221 B2 JP H0699221B2 JP 31942890 A JP31942890 A JP 31942890A JP 31942890 A JP31942890 A JP 31942890A JP H0699221 B2 JPH0699221 B2 JP H0699221B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はGaAs結晶などの化合物半導体結晶を気密容器を
用いて育成する化合物半導体結晶の育成装置に係り、特
に圧力の緩衝空間を設けて気密容器内への不純物の流入
を抑制したものに関する。
[従来の技術] 化合物半導体結晶、例えばGaAs結晶は、発光特性、磁電
変換特性、電子の高速性など、他の材料にない優れた特
長を有しており、工業的価値が極めて高い材料である。
その結晶成長方法には多数の方法が提案されており、工
業的生産に用いられている方法も幾つかある。その中で
広く用いられているのがB23等の不活性液体をGaAs融
液に浮かべ、溶液からのAsの解離を防ぎつつ、融液に接
触させた種結晶を核として、回転しながら引き上げる液
体封止引上げ法(LEC法)である。この方法は比較的簡
単に単結晶が得られる特長を有し、工業生産性の高い方
法であり、LSI用の半絶縁性GaAs結晶などの用途で実用
化されている。
ところで、B2O3の不活性液体をGaAs融液に浮かべると、
この部分の温度勾配が大きくなって、結晶が熱歪みを受
ける。GaAs結晶は、本来脆くて、熱歪みに弱い物質であ
るため、製造中に結晶が受ける熱歪みにより、転位と呼
ばれる結晶欠陥を発生したり、甚だしい場合には結晶に
クラックが生ずることがある。これらを改善するために
は、結晶全体の温度分布を均一にし、熱歪みを小さくす
ることが有効である。ただしこの場合には、結晶全体の
温度が上昇するため、引上げ中の結晶表面からのAsの解
離が生じ、結晶表面にGaの析出が生じたり、新たな転位
の発生源ともなる。
そこで、これらの問題を解消するために、LEC法を改善
してるつぼの周囲を石英容器等から構成した気密容器で
覆い、引上軸と気密容器との間隙をB2O3液体封止剤で塞
ぎ、気密容器の中をAs雰囲気とすることにより、GaAs融
液表面からのAs解離を防ぐようにしたものが提案された
(特公昭61−1397号公報)。2重融液シール引上法と呼
ばれ、熱歪みの小さな環境でGaAs結晶を育成するのに最
適な方法である。
もう一つ別な熱歪みを低減する方法として、縦型ブリッ
ジマン法と呼ばれるものがある。縦長のるつぼにGaAs原
料を入れてGaAs溶液を作り、種結晶を設けたるつぼ底か
ら固化されて、GaAs結晶を製造するものである。この方
法では、融液からのAsの解離を防ぐ必要から、るつぼ全
体を気密容器で覆い、その中に配したAsを加熱ガス化し
てAs雰囲気とする工夫がなされている(W.A.Gault他.J.
Crystal Growth 74,P491(1986年))。LEC法に比べ
て、るつぼ全体の均熱化が容易であり、転位の少ない結
晶が得られる。
前述した方法はいずれも熱歪の小さな結晶を作製でき
る。しかし基本的に気密容器中での成長であるため容器
内外の圧力バランスをとる必要があり、圧力バランスが
うまくとれない場合は、容器が爆発する恐れがある。そ
こで、圧力バランスのための細孔を設けたり(特開平1
−37497号公報)、それをさらに発展させて揮発性成分
のAsが容器外へ拡散するのを防ぐための緩衝通路を設け
て(特願平01−272542号明細書)、Asの拡散障壁とする
などの工夫がなされている。これにより、完全な気密容
器でなくとも、GaAs融液からのAsの解離を防ぐことがで
きるため、簡便で操作性の高い装置で熱歪の小さい良質
の結晶を育成できるようになっている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、熱歪が小さくAsの解離を防ぐことができるこれ
らの方法でも、容器内外の圧力変動に伴い、容器外のガ
スが流入してくる。そのため、融液原料を収容する段階
で不純物汚染を防いでも、成長中に容器外部の不純物
(例えばSiなど)を含むガスが流入し、育成結晶が汚染
される可能性がある。GaAsを始めとする化合物半導体で
は高純度が要求され、また不純物を添加する場合でも、
限られた元素を限られた濃度で添加するため、前記のよ
うに偶然に左右される不純物の混入は最も好ましくない
現象であり大きな問題である。
本発明の目的は、気密容器に細孔や圧力緩衝通路を設け
た育成装置において化合物半導体結晶を育成する場合
に、外部からの不純物ガスの流入を防ぐための緩衝空間
を介在させることによって、上述した従来技術の欠点を
解消して、高純度な化合物半導体結晶を育成することが
できる化合物半導体結晶の育成装置を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、化合物半導体融液を収拾したるつぼ全体を気
密性の高い容器で覆い、この気密容器内を、融液を構成
する化合物元素のうち蒸気圧の高い方の元素ガスを含む
雰囲気とし、気密容器に容器内外を連通する流路の絞ら
れた圧力緩衝路を設けた化合物半導体結晶の育成装置に
適用される。
そして、空間的に狭められた圧力緩衝路に加え、空間的
に広げられた圧力緩衝空間を設ける。この圧力緩衝空間
は、圧力緩衝路の出入口のいずれか、あるいは両方に、
気密容器内のガスが充満した空間の体積とほぼ同等か、
それ以上の容積を有する圧力緩衝容器で構成される。
圧力緩衝路には細孔、圧力緩衝通路が含まれ、さらにこ
の圧力緩衝通路には細管、ラビリンス構造物が含まれ
る。
圧力緩衝容器は、圧力緩衝路から入ったガスを逃し、ま
たは容器内にガスを入れる適当なガス出入りの孔をもつ
容器で構成して、これを気密容器に設けた圧力緩衝路に
取り付ける。取り付ける位置は、気密容器の内部でも、
気密容器の外部でもよく、細孔や緩衝通路のガス出入口
の部分に取り付ける。圧力緩衝容器の容積はできる限り
大きいことが好ましい。おおよその目安として気密容器
内のガスで満たされた空間の体積とほぼ同等の容積をも
てば、ガスの出入りに伴う汚染現象を効果的に緩和でき
る。
緩衝空間を構成する容器の材料としては、高温において
安定で、所望する半導体結晶への新たな不純物汚染源と
ならない高純度な材料がよく、気密容器ないしるつぼの
材料と同様に、例えば、パイロリティックBN(pBN)、
石英、アルミナ、チッ化ホウ素、チッ化ケイ素、炭化シ
リコンなどが好ましい。
[作用] 気密容器内のガスは充満した空間の体積とほぼ同等かそ
れ以上の容積を有する圧力緩衝容器が圧力緩衝路に備え
られていると、気密容器内外の圧力変動に伴い気密容器
外のガスが流入しようとしても、空間的な広がりのため
ガスの圧力緩衝性が高く、ガスの流動性が低く抑えられ
るので、その外部のガスの流れは圧力緩衝容器内に止ま
り、融液に触れないようにすることができる。
したがって、融液原料を収容する段階で不純物汚染を防
げば、成長中に容器外部の不純物を含むガスが流入する
ことがなく、育成結晶も汚染されることがなくなる。
[実施例] 以下、GaAs単結晶の育成に適用した本発明の実施例を図
面を用いて説明する。
実施例1 第1図に示すような融液シール引上げ装置を用いた。As
ガス雰囲気を作るために、るつぼ1の周囲を気密容器2
で覆い、この気密容器2をさらに不活性ガスで充填した
高圧容器7で覆う構造になっている。
気密容器2はpBN製で、その下部に同じくpBN製のるつぼ
1が載置され、その底部に気密容器2を回転させるため
の回転軸9が取り付けられる。気密容器2の上部は引上
軸3等を気密容器2内に挿入するために開口している。
引上軸3の挿入されたこの開口にB2O3液体封止剤4が流
し込まれて、開口が塞がるようになっている。このよう
に気密容器2を密閉することにより、気密容器2の中を
As雰囲気として、るつぼ1内に溜られるGaAs融液5の表
面からのAs解離を防ぐように構成されている。また、Ga
As結晶6を成長させる成長温度を与えるためのヒータ8
が気密容器2の外周に設けられる。
上記気密容器2の上部と下部との間は縮径され、この縮
径部に、気密容器2内外の圧力バランスを取りつつ、気
密容器2内のAsガスの漏れるのを可能な範囲で防止する
ラビリンス構造物10が設けられている。
気密容器2の気密のため引上軸3と気密容器2の間にB2
O3液体封止剤4を入れ融液シールとした。気密容器2に
はAsの拡散防止のための緩衝路として、ラビリンス構造
物10を設けた。このラビリンス構造物10は気密容器2内
外の圧力バランスを取りつつ、気密容器2内のAsガスの
漏れるのを可能な範囲で防止する。このラビリンス構造
物10は、気密容器2に設けた口金状の開口と、この口金
状の開口を塞ぐキャップとから構成され、これにより蛇
行通路が形成される。
また、緩衝空間として気密容器2の体積とほぼ同等の容
積のpBN製の圧力緩衝容器12をラビリンス構造物10の外
側に連続して設けた。この圧力緩衝容器12はガス出入り
の孔13をもち、この孔13の断面は容器断面に比して可能
な範囲で小さくする。
このように圧力容器7の内にpBN製の気密容器2を配
し、その中に収容した同じくpBN製のるつぼ1にGaAs融
液5を収容し、GaAs種結晶1を融液上部より接触させ回
転しながら引上げることによりGaAs結晶を育成するよう
にした。具体的には、Ga6800g、As7450gから110mm径の
結晶で長さ260mmのものを成長させた。引上速度10mm/h
で<100>方位の結晶を作製した。得られた結晶は、107
Ω・cm台の高抵抗を示し、不純物濃度は5×1014cm-3
下の検出限界以下であった。品質の再現性は良好であっ
た。
実施例2 第2図に示すように、縦型ブリッジマン装置を用いた。
縦型ブリッジマン装置による場合も、Asガス雰囲気を作
るために、pBN製のるつぼ21全体をpBN製の気密容器22で
覆い、GaAs融液25からのAsの解離を防ぐために、気密容
器22の中に配したAsを加熱ガス化してAs雰囲気としてい
る。そして、この気密容器22をさらに圧力容器27で覆う
構造になっている。気密容器22の外周にはヒータ28が配
設され、気密容器22内部のたて長のるつぼ21全体を均熱
化している。
気密容器22内に納めたたて長のるつぼ21の底部には、Ga
As種結晶31が載置される。このGaAs種結晶31の上にGaAs
融液25を入れ、るつぼ底から固化させてGaAs結晶26を得
る。
上記したような気密容器22の頂部に圧力バランス用のラ
ビリンス構造物30を設け、その外側にpBN製の緩衝空間
を構成する圧力緩衝容器32を設けた、このように圧力容
器27内にpBN製のるつぼ21を含むpBN製の気密容器22を入
れて、るつぼ下部にGaAs種結晶31を配し、収容したGaAs
融液25の下方から固化させる。具体的には、るつぼ21内
にGa6800g、As7450gを入れ反応させた後、徐冷すること
で下方より結晶を育成し、直径110mmの結晶約14250gを
得た。比抵抗は107Ω・cm台の高抵抗で、不純物濃度は
5×1014cm-3以下であった。良好な高純度結晶が得られ
た。
比較例1 第2図に示す垂直ブリッジマン装置で圧力緩衝容器22を
外して結晶を作製した。その他の条件は実施例2と同一
である。その結果を比較して下表に示す。
実施例1,2では高純度の結晶が得られたのに対し、比較
例ではSiの汚染が見られた。これは気密容器外部の部材
から発生した汚染ガスが成長中の逆拡散で気密容器内に
侵入したためと考えられる。
以上述べたように本実施例によれば、圧力緩衝路に加え
て圧力緩衝容器を備えて、気密容器内外の圧力バランス
をとりつつ、さらにガスの緩衝性を高めることにより、
気密容器内の元素ガスの漏れを最小限に抑え、かつ気密
容器外から気密容器内へ不純物を含むGaAsが流入しない
ようにしたので、所望の元素ガス雰囲気を再現性良く安
定に維持することができる。したがって、育成結晶の組
成制御が容易になり、従来のように偶然に左右される不
純物の混入が生じることがなく、熱歪みの小さな環境下
で化合物半導体結晶を安定かつ安全に育成することがで
きる。このことは、半導体の分野ではますます増えてい
る高純度化の要請に十分に応えることができる。
また、既に提案されている装置に圧力緩衝容器を加える
という単純な構成で高品質な結晶を安定に育成すること
ができるため経済性に優れる。
なお、上記実施例1,2では圧力緩衝容器をラビリンス構
造物の通路の外側に設けたが、既述したように通路の内
側、即ち途中に設けてもよい。そして、圧力緩衝容器内
は単一空間で構成する代りに、複数の空間に区画形成し
てこれらを互に連通するようにしてもよい。
また、本発明は、上記実施例で扱ったGaAs以外の他の化
合物半導体、例えばInAs、InP、GaPなどにも同様に適用
できることはもちろんである。
[発明の効果] 本発明によれば、緩衝空間を介在させることにより、外
部からの不純物の混入を有効に防止できるため、高純度
の結晶を得ることができ、また安定した品質の化合物半
導体結晶を再現性良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例による引上装置の構成図、
第2図は第2実施例によるたて型ブリッジマン装置の構
成図である。 2、22…気密容器(pBN製)、5、25…GaAs融液、6、2
6…GaAs結晶、2、27…圧力容器、8、28…ヒータ、1
0、30…ラビリンス構造物(pBN製)、11、31…GaAs種結
晶、12、32…圧力緩衝容器(pBN製)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体融液を収容したるつぼ全体を
    気密性の高い容器で覆い、この気密容器内を、前記融液
    を構成する化合物元素のうち蒸気圧の高い方の元素ガス
    を含む雰囲気とし、前記気密容器に容器内外を連通する
    流路を絞った圧力緩衝路を設けた化合物半導体結晶の育
    成装置において、 前記圧力緩衝路の出入口の少なくとも一方に、前記気密
    容器内のガスが充満した空間の体積とほぼ同等か、それ
    以上の容積を有する圧力緩衝容器を備えたことを特徴と
    する化合物半導体結晶の育成装置。
JP31942890A 1990-11-22 1990-11-22 化合物半導体結晶の育成装置 Expired - Lifetime JPH0699221B2 (ja)

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KR100246712B1 (ko) * 1994-06-02 2000-03-15 구마모토 마사히로 화합물 단결정의 제조방법 및 제조장치

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