JPH07100671A - シリカガラス体の加工方法 - Google Patents

シリカガラス体の加工方法

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JPH07100671A JP27611693A JP27611693A JPH07100671A JP H07100671 A JPH07100671 A JP H07100671A JP 27611693 A JP27611693 A JP 27611693A JP 27611693 A JP27611693 A JP 27611693A JP H07100671 A JPH07100671 A JP H07100671A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 クラックが発生する事なく精度良く加工が可
能なシリカガラス体の加工方法、特にレーザ加工方法を
提供する。 【構成】 レーザ加工時における加工部位の仮想温度を
A℃とした場合、前記レーザ加工の前工程として被加工
体としてのシリカガラス体の仮想温度を(A−500
℃)以内に抑える熱処理工程が存在すること又はレーザ
加工の前工程として、切断方向の肉厚を20mm未満に
形成したシリカガラス体を用いて該シリカガラス体の仮
想温度を1300℃〜1700℃に設定する熱処理工程
が存在することを特徴とする赤外線レーザでシリカガラ
ス体を加工する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリカガラス体を精度よ
く加工する方法に係り、特にCO2 レーザその他の赤外
線レーザを用いてシリカガラス体を精度よく加工する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年シリカガラスは半導体製造用の治工
具のみならず、各種光学系等その利用分野は急激に拡大
している。これにともないシリカガラスの加工方法も多
岐に亙り、従来の熱加工から種々の切削加工が必要にな
ってきている。特に半導体熱処理治具としてのウエーハ
ボードの溝切り加工においては、精度良い加工が必要で
あり、この種の加工や他の細かい加工、更には複雑な加
工にCO2 ガスレーザを使用することが多くなってき
た。
【0003】CO2 レーザはミラーにより自動で動かす
ことができるために、短時間で安全且つ精度良く加工が
出来るという利点があるが、一方レーザ切断機の場合、
スポットビーム状のレーザがシリカガラスに入射され、
レーザのエネルギーが吸収され発熱してシリカガラスを
溶融していくがこの際前記ビームはガラス内で拡散され
ないビームスポットであり、特にCO2 レーザはその波
長が赤外域である為に、全てのエネルギが吸収されるた
めに、局部的に歪が発生し、前記溶融面でクラックが発
生する問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従ってCO2 ガスレー
ザは非常に効率的な加工方法でありながら前記した通り
クラックが発生してしまう問題があり、特に加工中にク
ラックが発生してしまうとクラック補修のために時間が
かかってしまい効率が悪くなってしまう。本発明はかか
る従来技術の欠点に鑑み、クラックが発生する事なく精
度良く加工が可能なシリカガラス体の加工方法、特にレ
ーザ加工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記シリカガ
ラス体のレーザ加工面について鋭意調査し、クラックの
発生の原因について研究を行なった。確かにCO2 ガス
レーザによりシリカガラス体にクラックが発生するの
は、レーザ加工時に発生する応力(歪)であり、特にシ
リカガラスは圧縮応力には強く、引張り応力にはもろい
性質がある為に前記応力歪が引張り応力となった場合に
クラックが発生してしまう。この問題を解決する為には
シリカガラスに引張応力ができるだけ発生しないように
することにある。そして引張り応力の原因が熱膨張率に
あると思慮したが、シリカガラスの熱膨張率は5×10
-7mm/℃と極めて小さく而も熱加工面の隣接する部位
で膨張率差が大きくなることは考えにくい。
【0006】次に前記クラックの発生した部分の仮想温
度をレーザラマン分光光度計によって調べたところ、異
常に高いことが解った。そこで本発明者は、クラックの
発生は素材の仮想温度とレーザ加工部の仮想温度との差
が大きい程クラックが発生しやすい事と知見し、該知見
に基づいて発明に至ったのである。ここで仮想温度と
は、例えばガラスを転移温度領域若しくはそれ以上の温
度領域から激しく急冷すると、例えば温度T1に対応す
る原子配列や密度が凍結されたまま常温まで冷却され、
この温度T1を仮想温度という。そして仮想温度の違い
は原子配列及び密度の違いとして表われ、そして仮想温
度が変化することでシリカガラス材自体が伸び縮みす
る。
【0007】そしてこの仮想温度に起因する伸縮は前記
熱膨張率と異なり、不可逆性であるために、前記仮想温
度に起因する伸縮状態は降温してもそのまま残存してし
まう。レーザ加工部の仮想温度が高く、素材の仮想温度
が低い場合、その乖離率が大きいほどクラックが発生し
やすい事を知見した。即ち、発明者らはCO2 ガスレー
ザにより加工したシリカガラス体のクラック発生部の仮
想温度を測定したところ1800℃〜1900℃と非常
に高いことが解った。
【0008】一方シリカガラス製熱処理治具は、一般に
シリカガラスをバーナーの火炎で軟化点以上の高温で加
熱して所定形状に製作した後、歪除去の為に1000〜
1200℃の温度で十分アニールして製造するものであ
るために、その仮想温度は1200℃前後になることが
確認されている。このため、レーザ加工面の仮想温度は
1800℃〜1900℃で、一方該加工面に隣接する前
記治具素材の仮想温度は1200℃とその乖離率が60
0〜700℃前後と極めて大きくなる。
【0009】そこでクラックの発生を抑えるために前記
治具素材の仮想温度をいろいろ変えて実験を行なったと
ころ、該治具素材の仮想温度を1300℃〜1700
℃、更に好ましくは1400℃〜1600℃に設定した
場合の場合、クラックの発生が少ないことが把握でき
た。
【0010】シリカガラスの仮想温度を1300℃〜1
700℃にするとクラックが発生しにくくなる原因につ
いて検討してみるに、前記したように仮想温度差が小さ
くなることにより応力の発生が小さくなり、特に引張り
応力の発生の度合いが小さくなるためにクラックが発生
しないことが考えられる。又仮想温度を1800℃に設
定するには、基本的に1800℃以上に加熱した後、急
冷させる必要が有り、内部歪等の発生の原因となり、こ
の内部歪に起因してクラックの発生の原因につながると
推定される。
【0011】しかしながら仮想温度1400℃〜160
0℃で最もクラックの発生率を低減できることから単に
仮想温度差による効果だけではなく、他の要因、特にガ
ラス組織密度の安定性等の要因も含まれると思慮する。
そして仮想温度を1300℃〜1700℃に設定するた
めにはシリカガラス体を各温度で構造がなじむまで加熱
した後、急冷すればよい訳であるが、実際には1700
℃〜1800℃に加熱された電気炉から連続的にシリカ
ガラス体を引出してくれば仮想温度は1400℃〜16
00℃に設定できる。
【0012】この時問題なのはシリカガラス体の肉厚を
20mm以下好ましくは10mm程度にすることが必要
である。肉厚が厚くなるとシリカガラス体の熱容量が大
きくなり、シリカガラス体の温度低下がゆっくりとなっ
てしまい仮想温度が低下してしまうし、また肉厚方向に
仮想温度の分布が発生して、部材自体に歪みが発生して
しまう。またCO2 ガスレーザでの加工も好都合なこと
に肉厚の厚い部材では難しいために、切断方向の肉厚が
20mm以下、好ましくは10mm以下の肉厚が好まし
い。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例
を例示的に詳しく説明する。ただしこの実施例に記載さ
れている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置な
どは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲を
それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎ
ない。
【0014】先ず半導体熱処理用シリカガラス治具を構
成するシリカガラス材は一般に酸水素炎や電気溶融によ
り、原料の水晶粉を1900〜2100℃の温度で溶融
してシリカガラスインゴットを製造し、これを1900
〜2100℃の温度で溶融しながら引出してシリカガラ
ス管やシリカガラス棒を製造する方法と、原料の水晶粉
を一定量づつ供給しながら1900〜2100℃の温度
で順次溶融してシリカガラス管やシリカガラス棒を引出
す方法とが存在する。又シリカガラス板は、前記ガラス
管を1600から1700前後の温度で加熱軟化させな
がら開いて板状に形成される。そして前記のようにして
製造されたシリカガラス1600から1700前後の温
度で加熱軟化させながら所定形状に成形を行なった後、
1000〜1200℃前後の温度でアニールされるもの
であり、その仮想温度は一般に1200℃である。
【0015】そこで本実施例は前記アニール処理後のシ
リカガラス材を10cm角で肉厚3mmに切断したシリ
カガラス板を6枚用意した。1枚は1600℃で1分加
熱後、電気炉から取り出し、自然冷却した(実施例
1)。次に違う板を1400℃で1時間加熱して、電気
炉から取り出し自然冷却した(実施例2)。他の1枚を
1100℃で24時間加熱して、電気炉から取り出し自
然冷却した(比較例1)。最後の1枚は1800℃で1
分加熱後、電気炉から取り出し、急冷した(比較例
2)。また10cm角で肉厚20mmのシリカガラス板
を2枚用意した。1枚は1600℃で1分加熱後、電気
炉から取り出し自然冷却した(実施例3)。他の1枚を
1400℃で1時間加熱して、電気炉から取り出し自然
冷却した(比較例3)。
【0016】次に前記実施例及び比較例のシリカガラス
板の仮想温度をレーザラマン分光光度計により測定す
る。即ちその測定方法を説明するに、前記シリカガラス
板を所定形状の小片に切断した比較サンプルを用い、該
サンプルを例えば1200℃で2時間加熱した後水中急
冷したサンプル1(この場合仮想温度1200℃)、1
000℃で20時間加熱した後水中急冷したサンプル2
(仮想温度1000℃)、900℃で120時間加熱し
た後水中急冷したサンプル(仮想温度900℃)、80
0℃で1200時間加熱した後水中急冷したサンプル
(仮想温度800℃)を生成しこれらのサンプルを夫々
ラマン分光光度計で150〜650cmー1の範囲を測定
し、下記の3つのピークを測定する。 150〜650cmー1(W1、ピーク面積AW1)、 470〜520cmー1(D1、ピーク面積AD1) 580〜640cmー1(D2、ピーク面積AD2) 次にこれらの3つのピーク面積からD2のピーク面積の
比(I)を求める。 I={AD2/(AW1ーAD1ーAD2)} この(I)と仮想温度との関係をグラフに示し、標準線
(検量線)として仮想温度が分らないサンプルのIから
仮想温度を推測するものである。
【0017】そして前記各シリカガラス板の仮想温度
は、実施例1では1500℃、実施例2では1350
℃、実施例3では1400℃、比較例1では1100
℃、比較例2では1750℃、比較例3では1250℃
であった。
【0018】このシリカガラス板を市販の炭酸ガスレー
ザ切断機を用いて2センチ幅で帯状に切断した後、その
加工面のクラック状況を把握した所、実施例1ではクラ
ックの発生が見られず、実施例2ではクラックが1ヵ
所、比較例1ではクラックが5ヵ所、実施例3ではレー
ザでの切断で時間がかかってしまった。またクラックに
ついては3ヵ所と少なかったが、クラックによって欠け
た容積は大きかった。比較例2では、急冷した為にシリ
カガラス中に歪が残留し、レーザ加工時にガラスが粉々
に割れてしまった。比較例3はレーザでの切断で時間が
かかってしまった。またクラックについては10ヵ所と
非常に多く、クラックによって欠けた容積は非常に大き
かった。次に前記加工部位の仮想温度を測定したとこ
ろ、1800から1900℃であった。
【0019】
【発明の効果】従ってかかる発明によれば、前記したよ
うにシリカガラスの利用分野が急激に拡大しており、又
レーザ加工機自体も急速に進歩している現在、クラック
の発生を抑制しながらレーザ加工が可能になることは、
今後一層複雑な加工が必要とされるシリカガラス加工業
界にとって非常に有意義な技術であり、これにより切削
加工後のクラックの補修が不要になり生産性が大幅に向
上する。等の種々の著効を有す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 実 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信越 石英株式会社石英技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線レーザでシリカガラス体を加工す
    る方法において、レーザ加工時における加工部位の仮想
    温度をA℃とした場合、前記レーザ加工の前工程として
    被加工体としてのシリカガラス体の仮想温度を(A−5
    00℃)以内に抑える熱処理工程が存在することを特徴
    とするシリカガラス体の加工方法
  2. 【請求項2】 赤外線レーザでシリカガラス体を加工す
    る方法において、前記レーザ加工の前工程として、切断
    方向の肉厚を20mm未満に形成したシリカガラス体を
    用いて該シリカガラス体の仮想温度を1300℃〜17
    00℃に設定する熱処理工程が存在することを特徴とす
    るシリカガラス体の加工方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0985643A3 (en) * 1998-09-10 2000-10-25 Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG Method for producing synthetic quartz glass for the use in ArF excimer laser lithography
WO2001098015A3 (de) * 2000-06-21 2002-04-18 Schott Glas Verfahren zur herstellung von glassubstraten für elektronische speichermedien

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EP0985643A3 (en) * 1998-09-10 2000-10-25 Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG Method for producing synthetic quartz glass for the use in ArF excimer laser lithography
US6266978B1 (en) * 1998-09-10 2001-07-31 Heraeus Quarzglas Gmbh Method for producing synthetic quartz glass for use in ArF excimer laser lithography
WO2001098015A3 (de) * 2000-06-21 2002-04-18 Schott Glas Verfahren zur herstellung von glassubstraten für elektronische speichermedien

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