JPH07103236B2 - 芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンの製造方法

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JPH07103236B2
JPH07103236B2 JP62218355A JP21835587A JPH07103236B2 JP H07103236 B2 JPH07103236 B2 JP H07103236B2 JP 62218355 A JP62218355 A JP 62218355A JP 21835587 A JP21835587 A JP 21835587A JP H07103236 B2 JPH07103236 B2 JP H07103236B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高重合度の直鎖状結晶性熱可塑性芳香族ポリ
(チオ)エーテルケトンの製造方法に関する。
一般式〔II〕 (〔II〕式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子、炭
化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは酸素原子又は
硫黄原子であり、Xの一部は直接結合であってもよく、
nは0〜2の整数を示す)の構造を持つ芳香族ポリ(チ
オ)エーテルケトン、特に構造式〔III〕 及び〔IV〕 の構造を持つ芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンは高融
点(〔III〕、Tm=365℃;〔IV〕、Tm=334℃)且つ高
ガラス転移点(〔III〕、Tg=154℃;〔IV〕、Tg=144
℃)を有し、耐熱性、機械的性質、電気的性質及び寸法
安定性に優れ、且つ吸水率が低く、物理的に非常に優れ
たポリマーである事が知られている。又、濃硫酸以外の
溶剤には不溶であり、耐薬品性も非常に優れたポリマー
である。
〔従来の技術とその問題点〕
従来、これらのポリマーの製造方法としては、4,4′−
ジフルオロベンゾフエノンと4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフエノン又はジヒドロキノンのアルカリ金属塩をジフ
ェニルスルホン中で反応させる方法(特開昭54-90296、
同昭55-89334等)、あるいは、4−フルオロ−4′−ヒ
ドロキシベンゾフェノンのアルカリ金属塩の自己縮合を
ジフェニルスルホン中で行わせる方法(特開昭60-1694
6)が知られているが、反応温度を300℃以上にする必要
がある事や、4,4′−ジフルオロベンゾフェノンや4−
フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾフェノンが高価な事
等、その製造方法には欠点が多い。
上記以外の製造方法としては、4−フェノキシベンゾイ
ルクロライドをフッ化水素溶媒中、三フッ化ホウ素存在
下で反応させる方法(特公昭56-451)、又は、トリフル
オロメタンスルホン酸溶媒中で反応させる方法(特開昭
57-182321)が知られている。又、三フッ化ホウ素存在
下フッ化水素溶媒中での重合反応としては、ジフェニル
エーテルとS−アルキル−チオクロロホーメイトとの反
応(特開昭58-17118)も知られているが、いずれの方法
に於ても、フッ化水素やトリフルオロメタンスルホン酸
の如き非常に腐食性の強い溶媒を用いる等、その製造方
法には欠点が多い。
〔III〕式で表わされる芳香族ポリエーテルケトンのそ
の他の製造方法としては、4−フェノキシベンゾイルク
ロライド又は4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸
ジクロライドとジフェニルエーテルを1,2−ジクロルエ
タン中で無水三塩化アルミニウムの存在下で重合する方
法も知られている(M.I.Litter and C.S.Marvell,J.Pol
ym.Sci;Polym.Chem.Ed,23,2205〜2223(1985))。しか
し、この方法では重合の進行と共にポリマーの析出が起
り、重合の最終段階ではポリマーは溶液部から完全に分
離する。そして、得られたポリマーの形状は攪拌棒に緊
密に付着した塊状物と反応容器器壁に緊密に付着したシ
ート状物で、ポリマーの単離回収と洗浄等の操作が大変
煩雑であり、工業的プロセスとしては不適当なものであ
った。
この様な欠点を補う方法として、重合系にルイス塩基を
共存させて重合を行い、ポリマー−ルイス酸−ルイス塩
基−溶媒間の相互作用を高め、系を均一に保つ方法(特
表昭60-500961)や、重合系に適当な分散剤を添加して
スラリー状態で重合させる方法(特開昭61-83226)が知
られている。しかし、これらの方法に於ても必ずしも満
足できる効果は得られていない。
すなわち、前者の方法に於ては、ルイス塩基添加により
ルイス酸の活性が失活する為、ルイス酸を過剰に加えね
ばならない事や重合の進行に伴い、系の粘性が著く上昇
して攪拌及び反応容器よりの抜出しが困難になる事、
又、後者の方法に於ては、添加した分散剤の一部が生成
ポリマー中に残りポリマーの物性を低下させる事等であ
る。
〔発明の目的〕
本発明は高重合度の直鎖状芳香族ポリ(チオ)エーテル
ケトンを製造する際に、o−ジクロルベンゼン(a)と
シクロヘキサン又はn−ヘキサン(b)の混合溶媒より
なる誘電率が5.0以上7.0以下となる溶媒系を用いる事以
外に、何ら他の成分を加える事なしに、非常に簡便な方
法で且つ。添加剤によるポリマーの汚染もなく、当該ポ
リマーをスラリー状で得る事を特徴とする製造方法を提
供するものである。
なお、発明で得られるポリマーは、濃硫酸(比重1.84)
中、ポリマー濃度1.0g/dl、30。0℃に於て測定した対
数粘度ηinhが0.45以上、好ましくは0.6以上、更に好ま
しくは0.7dl/g以上である。又、得られたポリマーは直
鎖状である。ここで「直鎖状」とは上述した濃硫酸中に
1.0g/dlの濃度で室温にて溶解した場合に不溶性ゲルを
実質的に含まない事を意味する。
「混合溶媒系の誘電率」は以下の式(A)で表わさられ
る。ε 混合系=εX1+εX2+εX3+ …(A)ε 混合系 :混合溶媒系の誘電率 ε1,2,3… :各成分の誘電率 X1,2,3… :各成分のモル分率 「ルイス酸」とは、他の分子から非共有電子対を受容で
きる物質を意味する。本発明に於て実際に用い得るルイ
ス酸はフリーデル・クラフツ・アシル化反応に於て触媒
となり得る金属ハロゲン化物であるが、具体的な例につ
いては後述する。
〔発明の構成〕
すなわち、本発明の要旨は一般式〔I〕 (〔I〕式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子、炭
化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは酸素原子又は
硫黄原子であり、Xの一部は直接結合であってもよく、
Yはハロゲン原子を示し、nは0〜2の整数である)で
表わされる芳香族(チオ)エーテルカルボン酸ハライド
をルイス酸の存在下で反応させて一般式〔II〕 (〔II〕式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子、炭
化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは酸素原子又は
硫黄原子であり、Xの一部は直接結合であってもよく、
nは0〜2の整数である)で表わされる繰返し単位を有
する芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンを製造する際
に、o−ジクロルベンゼンとシクロヘキサン又はn−ヘ
キサンの混合溶媒よりなる誘電率が5.0以上7.0以下とな
る溶媒系を用いる事により、当該ポリマーをスラリー状
で得る事を特徴とする製造方法に存する。
溶媒を用いた重合反応で得られるポリマーの重合度とポ
リマー形態は、重合反応が均一系か不均一系かを問わ
ず、重合溶媒の性質と密接な関係がある。微視的な観点
では、触媒分子と溶媒分子の特異的相互作用による触媒
活性の制御とモノマー分子やポリマー成長末端への溶媒
和による成長反応の制御が重要である。又、巨視的な観
点からは、系の極性を制御してモノマー、ポリマー、そ
して触媒の溶解性の制御及び生成ポリマーが析出する際
には、その形態の制御に大きく関与している。
本発明者等は、溶媒のこの様な微視的・巨視的環境が重
合反応実績に及ぼす影響を鋭意検討した結果、本発明に
到った。
本発明をさらに詳細に説明するに、本発明に用いられる
前記一般式〔I〕で表わされる芳香族(チオ)エーテル
カルボン酸ハライドとしては、4−フェノキシベンゾイ
ルクロライド、4−フェノキシ−4′−クロロホルミル
ジフェニルエーテル、3−フェノキシベンゾイルクロラ
イド、4−フェニルベンゾイルクロライド、4−フェニ
ル−4′−クロロホルミルジフェニルエーテル、3−メ
チル−4−フェノキシベンゾイルクロライド、3−メト
キシ−4−フェノキシベンゾイルクロライド、4−フェ
ニルメルカプトベンゾイルクロライドなどが挙げられる
が、一般式〔I〕で表わされるものはいずれも使用可能
であり、必らずしもこれらに限定されるものではない。
又、これらの芳香族(チオ)エーテルカルボン酸ハライ
ドは単独もしくは混合して使用してもよい。
本発明に於ては溶媒としてo−ジクロルベンゼン(a)
と、シクロヘキサン又はn−ヘキサン(b)の混合溶媒
を用い、その混合溶媒の誘電率が5.0〜7.0となるような
混合比で用いる。
溶媒の混合に際しては、その方法に制限はない。すなわ
ち、所定の混合比率の溶媒を事前に調製して重合に共し
てもよいし、混合成分の一部の溶媒中で重合を開始し、
その後、他の成分を添加して、溶媒系の誘電率を調整し
てもよい。
さらに本発明に於て、使用する混合溶媒の量は、一般式
〔I〕で表わされる芳香族(チオ)エーテルカルボン酸
ハライドに対して重量比で10以上である事が好ましい。
本発明に於て用いられるルイス酸としては三塩化アルミ
ニウム、三臭化アルミニウム、三弗化硼素、塩化第2
鉄、塩化第2錫、四塩化チタン、三塩化硼素、5塩化ア
ンチモン、三塩化リン、塩化亜鉛、三塩化ガリウム、六
塩化アンチモン、五塩化リン、五塩化テルル、三弗化硼
素ジエチルエーテル錯化合物などの無水物が挙げられる
が必らずしもこれらに限定されるものではない。又、こ
れらの中で、コストの点から三塩化アルミニウム無水物
を用いる事が最も好ましい。
本発明に於て用いられるルイス酸の使用量は、一般式
〔I〕の芳香族(チオ)エーテルカルボン酸ハライドに
対してモル比で1.0〜10.0であり、好ましくは1.0〜5.0
である。
本発明に於て反応温度は特に制限はないが、−10℃以上
(通常100℃以下)の温和な温度条件下で高重合度のポ
リマーが得られる。また、反応圧力は特に制限はない
が、常圧又は加圧下で反応を行っても良い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高重合度の直鎖状ポリ(チオ)エーテ
ルケトンを、温和な重合条件下で極めて簡便な方法でス
ラリー状で得る事ができ、ポリマーの単離・洗浄等の操
作が著しく改善される。また、本発明で得られる芳香族
ポリ(チオ)エーテルケトンは、引張り強度、曲げ強
度、引張り弾性率、曲げ弾性率などの機械的性質、電気
的性質及び寸法安定性に優れ、且つ、低吸水性であり、
さらに耐薬品性にも優れる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
ポリマーの対数粘度ηinhは、濃硫酸(比重1.84)中、
ポリマー濃度1.0g/dlの濃度で30.0℃に於て測定した。
ポリマーの融点TmはPerkin-Elmer社製DSC-IB型示差走差
熱量計を用いて測定した(窒素雰囲気中、昇温速度:16
℃/分)。また混合溶媒の誘電率εは前記A式により算
出した。
実施例1 昇華精製した無水三塩化アルミニウム1.4.7g(110mmo
l)を氷冷下、o−ジクロルベンゼン(90ml)/シクロ
ヘキサン(90ml)の混合溶媒(ε=6.1)中に溶解し
た。4−フェノキシベンゾイルクロライド12.8g(55mmo
l)を氷冷下徐々に添加した。滴下容器をo−ジクロル
ベンゼン10mlで洗浄し、加える。添加終了後、氷浴を取
去り、室温にて24時間攪拌した。重合終了後、ポリマー
は溶媒系に均一に分散したスラリー状で得られた。攪拌
を停止するとポリマースラリーは反応容器の底に沈み、
上澄液は透明であった。ポリマースラリーは容易に反応
容器から、グラスフィルター上に注ぎ出す事ができた。
得られたポリマーを沸騰メタノールで1回、沸騰5%塩
酸水溶液で2回、沸騰脱塩水で2回洗浄後、120℃で一
晩減圧乾燥した。
得られたポリマーのηinhは1.01dl/gであった。又、Tm
は373℃であった。ポリマーの嵩密度は0.26g/cm2であっ
た。
比較例1 o−ジクロルベンゼンを1,2−ジクロルエタン(130ml)
にかえた以外は実施例1と同様に反応を行った。(ε=
7.6) 得られたポリマーは攪拌棒及び反応容器々壁に緊密に密
着した塊状及びシート状で、容器からの回吸が煩雑であ
った。又、回収洗浄後、ポリマーを1g/dlの濃度で濃硫
酸に溶解した所、多量の不溶性ゲルが発生した。
実施例2 シクロヘキサンのかわりに、n−ヘキサン(90ml)を用
いた以外は実施例1と同様に反応を行った。(ε=6.
3) 得られたポリマーはスラリー状で、ηinhは0.81dl/gで
あった。
比較例2 o−ジクロルベンゼン/シクロヘキサンの比を140ml/50
mlとした以外は実施例1と同様に反応を行った。(ε=
7.8) 得られたポリマーのηinhは1.06dl/gであったが、ポリ
マー形状は塊状であった。
比較例3 o−ジクロルベンゼン/シクロヘキサンの比を60ml/130
mlとした以外は実施例1と同様に反応を行った。(ε=
4.5) 得られたポリマーのηinhは0.88dl/gであったが、ポリ
マー形状は塊状であった。
比較例4 昇華精製した無水三塩化アルミニウム13.3g(100mmol)
をシクロヘキサン250ml(ε=2.02)に氷冷下添加し
た。この混合物中に4−フェノキシベンゾイルクロライ
ド11.6g(50mmol)を徐々に添加した。氷浴を除いた
後、反応混合物を80℃で3時間反応させた。
生成物はスラリー状であったが、ηinhは0.4dl/gであっ
た。
実施例3,4 使用した無水三塩化アルミニウムの量を18.3g(138mmo
l)と22.0g(165mmol)とした以外は実施例1と同様に
反応を行った。
得られたポリマーはスラリー状であり、ηinhは、各
々、0.94dl/gと1.04dl/gであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−58435(JP,A) 特開 昭47−13347(JP,A) 特開 昭60−104126(JP,A) 特開 昭60−101119(JP,A) 特開 昭60−72923(JP,A) 特開 昭57−182321(JP,A) 特表 昭60−500961(JP,A) 特公 昭41−990(JP,B1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (〔I〕式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子、炭
    化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは酸素原子又は
    硫黄原子であり、Xの一部は直接結合であってもよく、
    Yはハロゲン原子を示し、nは0〜2の整数である)で
    表わされる芳香族(チオ)エーテルカルボン酸ハライド
    をルイス酸の存在下で反応させて一般式〔II〕 (〔II〕式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子、炭
    化水素基、又はアルコキシ基を示し、Xは酸素原子又は
    硫黄原子であり、Xの一部は直接結合であってもよく、
    nは0〜2の整数である)で表わされる繰返し単位を有
    する芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンを製造する際
    に、o−ジクロルベンゼンとシクロヘキサン又はn−ヘ
    キサンの混合溶媒よりなる誘電率が5.0以上7.0以下とな
    る溶媒を用い、当該ポリマーをスラリー状で得る事を特
    徴とする芳香族ポリ(チオ)エーテルケトンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】使用する溶媒の量が、一般式〔I〕で表わ
    される芳香族(チオ)エーテルカルボン酸ハライドに対
    して、重量比で10以上である特許請求の範囲第1項記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】得られた芳香族ポリ(チオ)エーテルケト
    ンの対数粘度(ηinh)が、濃硫酸(比重1.84)中、ポ
    リマー濃度1.0g/dl、30.0℃で0.45dl/g以上である、特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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