JPH07103432B2 - 半導体素子形成用高純度チタン材、高純度チタン材の製造方法、それを用いたスパッタターゲットおよび高純度チタン膜 - Google Patents

半導体素子形成用高純度チタン材、高純度チタン材の製造方法、それを用いたスパッタターゲットおよび高純度チタン膜

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JPH07103432B2 JP2185734A JP18573490A JPH07103432B2 JP H07103432 B2 JPH07103432 B2 JP H07103432B2 JP 2185734 A JP2185734 A JP 2185734A JP 18573490 A JP18573490 A JP 18573490A JP H07103432 B2 JPH07103432 B2 JP H07103432B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、半導体素子の表面にTi配線網を形成する際に
用いるターゲット材として好適な高純度Ti材とその製造
方法、およびそれを用いたスパッタターゲットに関す
る。
(従来の技術) 各種半導体素子の表面には、その使用目的に応じて導電
性金属材料を用いた複雑模様の配線網が形成される。こ
のような配線網は、後えばスパッタ法を適用してAl、Au
等の導電性金属薄膜を形成した後、この薄膜に所定のエ
ッチング処理を施しパターニングすることにより形成さ
れる。
ところで、近年、半導体素子の高集積化が進むにつれ
て、配線の幅を狭小にしたり、配線の厚みを薄くする必
要が生じている。しかし、このように配線網が高精細化
していくと、用いた配線材料の配線抵抗による信号の遅
延問題が生起したり、また使用素材が低融点材料であっ
た場合には、素子の作動時に配線網における抵抗発熱に
よって断線が起こるというような問題が生じている。こ
のようなことから、配線材料としては高融点であると同
時に低抵抗であり、かつLSI、VLSI、ULSIのプロセスを
大幅に変更することが不要な材料が強く要望されてい
る。そのような材料としては、Mo、W、Taと並んでTiが
注目されている。
Tiを半導体素子の配線網に利用する場合、通常、まず上
述したようにTiの薄膜をスパッタ法により形成する。こ
のため、Ti材によるスパッタターゲットの作製が必須と
なるが、この場合のTiターゲットは高純度であることが
重要である。例えば、Tiターゲットに不純物として酸素
が含有されている場合には、形成された薄膜の電気抵抗
が大きくなり、遅延問題や配線網の断線等の事故を招
く。Fe、Ni、Crのような重金属は、形成された薄膜の界
面接合部におけるリーク現象の要因となる。Na、Kのよ
うなアルカリ金属は、Si中を容易に遊動して素子特性を
劣化させてしまう。
VLSI等の配線網を形成する際のターゲットとしては、上
述したように高純度であることが必要であることの他
に、より均一な薄膜を形成するために、Tiターゲットの
表面や内部に傷やしわ等の不均一部分がないことと、ス
パッタリング時の熱エネルギーを均一に放出し得ること
が強く要望されている。
すなわち、集積度が向上してより微細な配線になるにつ
れて、不純物による影響の他に、スパッタリングによっ
て形成された薄膜の膜厚や内部組織等の均一性が重要に
なるからである。例えばターゲットの表面や内部に傷等
が存在していると、その部分においてスパッタ粒子の飛
翔が乱れ、基板上への被着状態の均一性が損われ、電気
抵抗に変化が生じたり、さらには断線等を招いてしま
う。また、スパッタリング時にターゲットに加わる熱エ
ネルギーを均一にバッキングプレート側に放出すること
ができないと、ターゲットの温度分布の不均一さに起因
して被着状態の均一性が損われてしまう。
ところで、上記したようなTiターゲットは、従来下記に
示すような方法によって製造されていた。
まず、粗Ti材を例えば次の3つの方法のいずれかによっ
て製造する。その1つは、TiCl4のようなTi化合物をN
a、Mgのような活性金属で熱還元する方法で、クロール
(Kroll)法、フンター(Hunter)法と呼ばれている方
法である。第2の方法は、TiI4のようなチタン化合物を
熱分解する方法で、アイオダイド(Iodide)法と呼ばれ
ている方法である。そして第3の方法は、例えばNaClや
KCl等の塩中で溶融塩電解する方法である。このような
方法により製造された粗Ti材は、通常、スポンジ状、ク
リスタル状、針状等の形状を有しているため、一般には
この粗Ti材を10-2Torr〜10-3Torr程度の真空中でアーク
溶解してインゴットとし、それをターゲット形状に加工
して使用している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記したような従来の方法で製造された
Tiターゲットは、いずれもその純度が2N〜3N程度であ
り、64Kビット用のスパッタターゲットとしては使用で
きるものの、256Kビット、1Mビット、さらには4Mビット
以上の場合には、配線材料、バリア材料のターゲット材
としては純度から見て不適当であった。
また、従来法により製造されたTiターゲットでは、上述
した表面状態や内部状態の点からも不十分であった。つ
まり、電気抵抗の変化や断線等の原因となる、Tiターゲ
ット表面や内部の傷等を防止するためには、加工性を高
める必要がある。一方、高純度Tiの場合、加工中のコン
タミを防止するために、冷間加工によって所定形状に加
工しているが、従来法によるTi材の加工性では充分な均
一状態を得るまでには至っていなかった。さらに、熱エ
ネルギーの放出性の点からも不十分であった。つまり、
従来法によるTi材では、スパッタリング時にターゲット
に加わる熱エネルギーを均一にバッキングプレート側に
放出しうるほど、高熱伝導性のものは得られていなかっ
た。
本発明は、このような課題に対処するためになされたも
ので、LSIの配線層やバリア層をスパッタ法によって形
成する上で、Tiターゲットに必要とされる高純度、優れ
た加工性および熱伝導性を満足した高純度チタン材およ
びその製造方法、および素子機能に悪影響を及ぼす不純
物量が極めて少なく、より均一性に優れたTi系薄膜を形
成することが可能なスパッタターゲットを提供すること
を目的とするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段と作用) すなわち本発明の半導体素子形成用高純度チタン材は、
酸素の含有量が350ppm以下、Fe、NiおよびCrの各元素の
含有量が15ppm以下、NaおよびKの各元素の含有量が0.5
ppm以下であるスパッタ法による半導体素子形成用の高
純度チタン材において、材料特性としての絞りが70%以
上であり、かつ熱伝導率が16W/m K以上であることを特
徴とするものであり、また本発明のスパッタターゲット
は、上記半導体素子形成用高純度チタン材を任意の形状
に加工してなることを特徴とするものであり、さらに本
発明の高純度チタン膜は、上記スパッタターゲットを用
いてスパッタ成膜してなるチタン膜であって、チタンお
よび不可避不純物からなることを特徴とするものであ
る。
また、本発明における高純度チタン材の第1の製造方法
は、溶融塩電解法、アイオダイド法、クロール法または
フンター法により粗製されたチタン粒を篩分けし、前記
粗チタン粒を粒径に応じて分別する工程と、前記粒径分
別された粗チタン粒の中から、粒径1mm以上の粗チタン
粒が90重量%以上となるように、前記粒径分別された粗
チタン粒を1種または2種以上の混合物として選別して
電子ビーム溶解する工程とを有することを特徴としてい
る。
さらに、第2の製造方法は、溶融塩電解法、アイオダイ
ド法、クロール法またはフンター法により粗製されたチ
タン粒に対して酸処理を施し、前記粗チタン粒表面に存
在する汚染層を除去する工程と、前記酸処理が施された
粗チタン粒を電子ビーム溶解する工程とを有することを
特徴としている。
本発明の加工性および熱伝導性に優れた高純度Ti材は、
溶融塩電解法やアイオダイド法等で得られた粗Ti粒が、
粒径により純度、特に酸素含有量が異なることと、粗Ti
粒に含まれる不純物が表層部に特に集中して存在するこ
とを見出し、さらには篩分け法および酸処理法を用いる
ことにより、純度とともに従来法ではなかなか得られな
かった、熱伝導率16W/m K以上という値と、絞り70%以
上という値とを同時に得ることができることを見出だ
し、これらの知見に基づいて始めて達成されたものであ
る。
本発明の高純度Ti材は、例えば以下のようにして製造さ
れる。
まず、本発明の原料となる粗Ti粒を例えば溶融塩電解法
によって製造する。溶融塩電解する際に使用するTi材と
しては、例えばスポンジTiを用い、特にU、Thの含有量
の少ないものを用いることが好ましい。電解浴として
は、KCl−NaCl等が好ましく、また電解温度は730℃〜75
5℃、電圧6.0〜8.0Vが好適である。溶融塩電解により得
られるTi粒は、一般にNaやKの含有量は多いものの、F
e、Ni等の重金属や酸素の含有量は比較的少ない。な
お、上記本発明の原料となる粗Ti粒としては、溶融塩電
解法によるTi粒に限らず、後述する電子ビーム溶解(以
下、EB溶解と記す)によって所定の純度が得られるもの
であればよい。例えばアイオダイド法等によるクリスタ
ルTiやスポンジTiが使用でき、特にそれらを酸処理した
もの等が好適である。
次に、本発明においては上記粗Ti粒(針状Ti粒)に対し
て、下記2種類の処理のうち、少なくともいずれかの処
理を施す。
得られた粗Ti粒を外部からの汚染を防止しながら非
金属製の篩、例えばナイロン製の篩を用いて篩分けし、
粒径(Ti粒の外径、以下同じ)に応じて分別する。
得られた粗Ti粒に対して酸処理を施し、表面に存在
する汚染層を除去する。
ここで、上述したように溶融塩電解によって得られた粗
Ti粒に含まれる不純物は、表層部に集中して存在する。
このため、上記のように粒径分別を行い、比較的粒径
の大きい針状Ti粒を選択して用いることにより、比表面
積が小さくなることから不純物量が相対的に減少する。
このように、粒径を選択して使用することにより、特に
酸素含有量を減少させることができると同時に、最終製
品のスパッタターゲットの熱伝導率を16W/m K以上、絞
りを70%以上にすることができる。
また、上記のように表面の汚染層を強制的に排除する
ことによっても、同様に不純物量を減少させることがで
きると同時に、最終製品のスパッタターゲットの熱伝導
率を16W/m K以上、絞りを70%以上にすることができ
る。この酸処理は、汚染層の除去としては特にFe、Ni、
Cr等の重金属の除去に効果的である。
なお、アイオダイド法等によって得られるTi粒に対して
も、同様なことが言える。
上記の篩分けの方法においては、粒径1mm以上の不純
物量が少ないTi粒を選択的に使用することが好ましく、
さらに好ましくは粒径2mm以上のTi粒を使用することで
ある。ただし、粒径1mm以上の粗Ti粒だけを使用するこ
とに限らず、粗Ti粒の不純物はほぼ粒径に比例して存在
するため、本発明のTi材の不純物量の許容範囲内におい
て、小径のTi粒を併用することもできる。このように、
本発明の第1の製造方法においては、粒径1mm以上の粗T
i粒が90重量%以上となるように、粗Ti粒を選択的に使
用するものとする。なお、粒径0.5mm以下の微粒状Ti粒
は、EB溶解時に真空度の不安定化を招くため、使用しな
いことが望ましい。
上記の酸処理は、表面層の再汚染(特に酸素)を防止
する上で、アルゴンガス雰囲気のような不活性雰囲気中
で酸処理後、純水で洗浄、乾燥することにより行うこと
が好ましい。また、使用する酸液としては、フッ酸、塩
酸、硝酸、フッ酸と塩酸との混酸、硝酸と塩酸との混酸
等を用いることができる。特に表面層のみの除去ができ
るように、例えば塩酸:フッ酸:水の割合が体積比で0.
8〜1.2:1.8〜2.2:36〜38程度の混酸を用いることが好ま
しい。
また、上記の処理によって篩分けし、粒径が大きい例
えば1mm以上のTi粒のみを選択的に取出し、このTi粒に
対して表面汚染層の除去処理を施すことによって、より
不純物量の低下を図ることが可能となる。また、酸処理
後に篩分けを実施しても同様である。
このようにして上記およびのいずれかの処理を施
し、粗Ti粒に残存する不純物をさらに減少させ、次いで
EB溶解を施すことにより、最終的にNaやKの除去を行
う。EB溶解によれば、特にNaやKの除去が効果的に行え
る。
ここで、通常EB溶解を行う際には、得られた粗Ti粒をプ
レス成形によって圧縮して固形化し、これを電極として
EB溶解することが考えられる。その場合は、工具、成形
時の変形による再汚染の発生が考えられるため、本発明
においては、この再汚染を防止するために、粗Ti粒(針
状Ti粒)をそのまま真空中でバイブレーター式グラニュ
ー投入した後、EB溶解を実施することが好ましい。
EB溶解炉においては、炉内を5×10-5mbar以下、好まし
くは2×10-5mbar以下の真空度に保持し、かつフレオン
バッフルで拡散ポンプオイルの炉内への混入を防止しつ
つ、粗Ti粒のEB溶解を行う。EB溶解時における操作条件
は格別限定されるものではないが、Na、Kの精製効果や
酸素の汚染吸収を考慮して溶解速度を選定することが求
められる。例えば、1.75〜2.3kg/時間程度が好ましい条
件である。
この過程で、通常アーク溶解法を適用したときに生起す
る酸素含有量の増加という問題は、真空排気のコンダク
タンスの大幅な改善によりなくなり、さらに微粉の篩落
しにより、EB溶解時の真空度が低真空側で安定するた
め、得られたEB鋳造材において酸素は350ppm以下に抑制
され、他の不純物元素も減少することはあれ増量するこ
とはなくなる。
このようにして得られるTi材は、酸素含有量が350ppm以
下、Fe、Ni、Crの各元素の含有量が15ppm以下、Na、K
の各元素の含有量が0.5ppm以下、U、Thの各元素の含有
量が1ppb以下の高純度を満足すると共に、材料特性とし
ての絞りが70%以上の高加工性および熱伝導率が16W/m
K以上の高熱伝導性を満足するものとなる。また、条件
設定によって得られるTi材は、酸素含有量が250ppm以
下、Fe、Ni、Crの各元素の含有量が10ppm以下、Na、K
の各元素の含有量が0.1ppm以下の高純度と、材料特性と
しての絞りが80%以上の高加工性および熱伝導率が17W/
m K以上の高熱伝導性とを満足するものとなる。さらに
は、酸素含有量が200ppm以下、Fe、Ni、Crの各元素の含
有量が5ppm以下、Na、Kの各元素の含有量が0.05ppm以
下の高純度と、材料特性としての絞りが85%以上の高加
工性および熱伝導率が18W/m K以上の高熱伝導性とを満
足するTi材が得られる。
また、本発明のスパッタターゲットは、まず上記製造方
法によって得た高純度Ti材の再汚染を防止しつつ任意の
形状に冷間鍛造する。この鍛造工程は、ガス吸収性の高
いTi材の性質を考慮し、吸収ガスによる再汚染を防止す
る上で冷間(室温近傍)で行うものとする。この後、機
械加工により所定のターゲット形状とすることによっ
て、本発明のスパッタターゲットが得られる。
Ti材の冷間加工性は、上記絞りの値によって左右され
る。すなわち絞りが70%以上のTi材は、例えばスパッタ
ターゲットに加工する際の冷間加工性を充分に満足する
ことができ、これによって内部や表面に傷やしわ等の不
均一部分を生じさせることなく所定形状への加工が可能
となる。この絞りの値は、80%以上とすることがより好
ましく、85%以上とすることがさらに好ましい。したが
って、このようなTiターゲットを用いてスパッタリング
を行うことにより、不均一部分に起因して発生するスパ
ッタ粒子の飛翔乱れが抑制され、膜厚や内部組織等のよ
り均一な薄膜を形成することが可能となる。このよう
に、本発明の高純度Ti膜は、上記Tiターゲットを用いて
スパッタ成膜してなるTiおよび不可避不純物からなるTi
膜であって、上述したように膜厚や内部組織等に優れた
ものである。
ここで、上記絞りの値はJIS Z2241に準じて測定した値
とする。具体的な測定法としては、JIS B7721に準ずる
引張試験機に試料をセットして軸方向に引張り、破断し
た際の破断面の面積Aと原断面積A0とから下記の(I)
式により絞りψ(%)を求める。
ψ=(A0−A)/A0×100 ………(I) また、熱伝導率を16W/m K以上とした高熱伝導性のTi材
は、例えばスパッタターゲットとして用いた際、スパッ
タリング時にターゲットに加わる熱エネルギーを均一に
バッキングプレート側に放出することが可能となる。こ
の熱伝導率の値は、17W/m K以上とすることがより好ま
しく、18W/m K以上とすることがさらに好ましい。した
がって、ターゲットの各部において均一化された熱条件
下でスパッタリングを実施することが可能となり、より
均一な薄膜を得ることができる。
上記熱伝導率はフラッシュ法によって求めた値とする。
すなわち、試料表面にレーザ等によるパルス光を均一に
照射し、裏面側での温度上昇を測定することにより熱拡
散率αを求め、この熱拡散率αから熱伝導率λを求める
方法である(熱分析実験技術入門第2集、真空技工社刊
参照)。算出式は以下の通りである。
α=1.37L2/(π・t1/2) ……(II) (式中、Lは試料の厚さを、t1/2は試料裏面温度が最
高値の1/2に達する間での時間を示す。) λ=α・Cp・ρ ……(III) (式中、Cpは試料の比熱容量を、ρは試料の密度を示
す。) (実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 まず、KCl−NaCl電解浴(KCl:16重量%、NaCl:84重量
%)中にスポンジTiからなる電極を投入し、電解温度75
5℃、電流200A、電圧80Vで溶融塩電解し、針状の粗Ti粒
を作製した。
次に、ナイロン製篩によって篩分けし、粒径によって以
下の5種類に分類した。
t1<0.5mm、 0.5mm≦t2<1.0mm、 1.0mm≦t3<1.5mm、 1.5mm<t4<2.0mm、 2.0mm≦t5 粒径によって分別した各Ti粒の酸素含有量を測定した。
その結果を第1図に示す。
第1図からも明らかなように、粒径が小さくなるほど酸
素含有量が多くなることが分る。したがって、粒径に基
づく酸素含用量を考慮して、原料(EB溶解原料)設計を
行うことにより、酸素含有量の制御が可能となる。ま
た、粒径1mm以上のTi粒を選択的に使用することによっ
て、低酸素含有量のTi材が確実に得られる。
次に、粒径毎に分別した粗Ti粒を原料としてEB溶解を行
った。原料として用いたTi粒の粒径の組合わせを第1表
に示す。これら原料をそれぞれ個別にグラニュー投入機
に挿入し、真空中で汚染を防止しながらEB溶解炉に投入
した。炉内を1×10-5mbarの高真空にし、フレオンバッ
フルで拡散ポンプオイルの混入を防ぎ、20kV、フィラメ
ント電流1.3A〜1.5A、EB出力26kW〜30kW、溶解速度4kg/
時間の条件でEB溶解を行って、直径135mmのインゴット
をそれぞれ作製した。
このようにして得たTi材の酸素分有量、絞り、熱伝導
率、加工性をそれぞれ測定した。その結果を第1表に示
す。なお、表中の比較例1(試料No11,12)は、小粒径
のTi粒のみを用いてEB溶解を行ったものであり、本発明
との比較として掲げたものである。また、比較例1にお
ける試料No13は、上記実施例1と同様に溶融塩電解法で
作製した針状のTi粒を篩分けすることなく、直接実施例
1と同一条件でEB溶解したものである。
また、各測定は以下に示す方法にしたがって行った。
(a) 絞り:直径8mmの円柱状試験片を作製し、これ
をJIS B7721に準ずる引張試験機にセットして軸方向に
引張り、破断した際の破断面の面積Aと原断面積A0とか
ら前記(I)式にしたがって絞りψ(%)を求める。
(b) 熱伝導率:レーザーフラッシュ法を適用した熱
拡散率測定装置(TC−3000、真空理工社製)によって熱
拡散率αを測定し、この値から前記(III)式にしたが
って熱伝導率λを求める。
(c) 加工性:直径135mm×厚さ90mmのTi材を直径280
mm×厚さ20mmに冷間で鍛造し、加工後の試料表面のクラ
ックおよび端部割れがあるかどうかで評価する。
また、上記各Tiインゴットを冷間で鍛造し、機械研削に
よって所定形状に加工してスパッタターゲットをそれぞ
れ作製した。
このようにして得たTiターゲットをそれぞれ用いてスパ
ッタリングを行い、Si基板上に厚さ1000Åとなるように
条件を選定してTi薄膜を形成した。得られたTi薄膜の比
抵抗を測定し、比抵抗の分布から膜厚特性を評価した。
その結果を合せて第1表に示す。
第1表の結果から明らかなように、この実施例によるTi
材は、酸素含有量が少なく、また加工性および熱伝導性
共に優れるものであることが分る。そして、このような
Ti材を用いてスパッタターゲットを作製することによっ
て、膜厚等の均一性に優れたスパッタ膜が得られ、1Mビ
ット、4Mビットというような高集積化されたLSI、VLS
I、ULSIにおける高精細な配線網、バリア用薄膜等を、
高信頼性のもとで形成することが可能となる。
なお、上記実施例1による各Ti材の他の不純物量は、い
ずれもFe、Ni、Crの各元素の含有量が1.0ppm以下、Na、
Kの各元素の含有量が0.05ppm以下であった。
実施例2 実施例1と同様にして溶融塩電解法による粗Ti粒を粒径
によって5種類に分別し、これらに対して分別粒径毎に
塩酸とフッ酸とによって表面層の除去処理を施した。こ
の混酸による処理は、塩酸:フッ酸:水の割合が体積比
で1.0:2.0:37の混酸を作製し、アルゴン雰囲気中、上記
混酸中で20分間洗浄し、その後純水によりさらに洗浄
し、乾燥させることによって行った。
ここで、酸処理前の酸素含有量およびFe含有量と、酸処
理後の酸素含有量およびFe含有量をそれぞれ分別した粒
径毎に測定した。その結果を第2図および第3図に示
す。
これらの図から明らかなように、表面から300Å程度の
表層部を除去することによって著しく不純物量が減少
し、これから粒径の小さいTi粒であっても高純度化を達
成できることが分る。
上記粒径毎に酸処理を施した粗Ti粒を第2表に示すよう
に組合わせ、これらをそれぞれEB溶解用原料として用
い、実施例1と同一条件下でEB溶解を行い、Tiインゴッ
トをそれぞれ作製した。
このようにして得たTi材の酸素含有量、絞り、熱伝導
率、加工性をそれぞれ実施例1と同様に測定した。ま
た、これらTi材を用いて実施例1と同様にTiターゲット
を作製すると共に、スパッタリングを行うことによっ
て、薄膜の膜厚特性を評価した。これらの結果を併せて
第2表に示す。
第2表の結果から明らかなように、この実施例による各
Ti材は、溶融塩電解法による粗Ti粒の表面層を除去する
ことによって、実施例1と同様に酸素含有量およびFe含
有量が少なく、また加工性および熱伝導性共に優れるも
のであることが分る。そして、実施例1と同様に1Mビッ
ト、4Mビットというような高集積化されたLSI、VLSI、U
LSIにおける高精細な配線網、バリア用薄膜等を、高信
頼性のもとで形成することが可能である。
なお、上記実施例2による各Ti材の他の不純物量は、い
ずれもNi、Crの各元素の含有量が1ppm以下、Na、Kの各
元素の含有量が0.05ppm以下であった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、高純度、高加工
性および高熱伝導性のTi材を簡易な方法で得ることが可
能となる。そして、このTi材をスパッタリングにおける
ターゲット材として考えた場合、LSI、VLSI、ULSI等に
おける高精細な配線網、バリア用薄膜等を均一にかつ再
現性よく形成することが可能となり、また忌避すべき不
純物元素の含有量も極めて低く押えることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によって得た粗Ti粒の粒径と
酸素含有量との関係を示すグラフ、第2図および第3図
は本発明の他の実施例によって得た粗Ti粒の粒径と酸素
含有量およびFe含有量との関係をそれぞれ示すグラフで
ある。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素の含有量が350ppm以下、Fe、Niおよび
    Crの各元素の含有量が15ppm以下、NaおよびKの各元素
    の含有量が0.5ppm以下であるスパッタ法による半導体素
    子形成用の高純度チタン材において、 材料特性としての絞りが70%以上であり、かつ熱伝導率
    が16W/m K以上であることを特徴とする半導体素子形成
    用高純度チタン材。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体素子形成用高純度チ
    タン材において、 UおよびThの各元素の含有量が1ppb以下であることを特
    徴とする半導体素子形成用高純度チタン材。
  3. 【請求項3】請求項1記載の半導体素子形成用高純度チ
    タン材において、 酸素の含有量が250ppm以下、Fe、NiおよびCrの各元素の
    含有量が10ppm以下、NaおよびKの各元素の含有量が0.1
    ppm以下であり、かつ材料特性としての絞りが80%以
    上、熱伝導率が17W/m K以上であることを特徴とする半
    導体素子形成用高純度チタン材。
  4. 【請求項4】溶融塩電解法、アイオダイド法、クロール
    法またはフンター法により粗製されたチタン粒を篩分け
    し、前記粗チタン粒を粒径に応じて分別する工程と、 前記粒径分別された粗チタン粒の中から、粒径1mm以上
    の粗チタン粒が90重量%以上となるように、前記粒径分
    別された粗チタン粒を1種または2種以上の混合物とし
    て選別して電子ビーム溶解する工程と を有することを特徴とする高純度チタン材の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の高純度チタン材の製造方法
    において、 前記粒径分別された粗チタン粒の中から、粒径1mm以上
    の粗チタン粒を選択して使用することを特徴とする高純
    度チタン材の製造方法。
  6. 【請求項6】溶融塩電解法、アイオダイド法、クロール
    法またはフンター法により粗製されたチタン粒に対して
    酸処理を施し、前記粗チタン粒表面に存在する汚染層を
    除去する工程と、 前記酸処理が施された粗チタン粒を電子ビーム溶解する
    工程とを有することを特徴とする高純度チタン材の製造
    方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の高純チタン材の製造方法に
    おいて、 前記酸処理工程前に、あるいは前記酸処理工程と電子ビ
    ーム溶解工程との間に、前記粗チタン粒の篩分け工程を
    行うことを特徴とする高純度チタン材の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の半導体素子形成用高純度チ
    タン材を任意の形状に加工してなることを特徴とするス
    パッタターゲット。
  9. 【請求項9】請求項8記載のスパッタターゲットを用い
    てスパッタ成膜してなるチタン膜であって、チタンおよ
    び不可避不純物からなることを特徴とする高純度チタン
    膜。
JP2185734A 1989-07-14 1990-07-12 半導体素子形成用高純度チタン材、高純度チタン材の製造方法、それを用いたスパッタターゲットおよび高純度チタン膜 Expired - Lifetime JPH07103432B2 (ja)

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