JPH07103631B2 - 長繊維補強複合部材 - Google Patents

長繊維補強複合部材

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JPH07103631B2
JPH07103631B2 JP61296183A JP29618386A JPH07103631B2 JP H07103631 B2 JPH07103631 B2 JP H07103631B2 JP 61296183 A JP61296183 A JP 61296183A JP 29618386 A JP29618386 A JP 29618386A JP H07103631 B2 JPH07103631 B2 JP H07103631B2
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孝之 平居
斌 池田
▲廣▼道 坂井
達夫 安藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は長繊維集合体に無機系母材中に配列埋設してな
る長繊維補強複合部材に関するものである。
〈従来技術〉 従来長繊維で無機系の脆性母材を補強するものとしては
フエロセメントが代表的であり、世界各国で永年の使用
実績がある。
しかし補強繊維が鋼線のため、そのままではセメント母
材の中性化や、侵入する酸、塩分等の影響で内部の鋼線
がさびやすく、また一たんさびると赤茶色のしみが出て
外観を損ねるといつた問題があつた。
このため各種の新規高性能長繊維による代替が試みられ
ており、少量の添加でも補強効果が得られることから物
性的にもフエロセメントと同等以上の性能をもつものが
得られるようになつてきた。
しかしこれらは全般的に鋼線に比べて高価であり、少量
の添加で強度と靱性を兼備した製品を得るためにはさま
ざまな工夫が必要となる。
例えば本発明者らは、すでに破断伸びの異る2種以上の
長繊維を同一面内に配設してなる長繊維補強セメント系
部材を提案しておりそれは比較的少量の繊維添加量で高
靱性を有し、すぐれた複合部材であるとともに、破断モ
ードが予測でき、理論式を用いて材料設計が可能という
利点を有する。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、この方法は破断伸びの異る複数本の長繊維の束
を長手方向に単独に一本毎に並べたものであり、引張ま
たは曲げ応力下での靱性は向上するものの、図一1のb
に示すように破断時の応力〜ひずみ曲線には特有の不連
続のこぎり状の一時的な応力低下が認められる。
本発明の目的は、このような無機系の脆性母材を長繊維
集合体で補強することにより、破壊靱性、強度ともにす
ぐれ、かつ引張応力が作用している間に不連続で段階的
な応力低下を起こさない信頼性ある複合材料を提供する
ことにある。
そしてその目的は、破断伸びが補強繊維のそれと同等以
下の母材に、破断伸びの異る2種類以上の長繊維を長手
方向に一体接合した集合体をその長手方向が引張または
曲げ応力の方向と実質的に一致するよう埋設することに
より達成される。
〈問題点を解決するための手段〉 以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる母材は、ポルトランドセメント類、石
膏、珪酸、カルシウム、炭素、粘土など通常工業的に利
用される無機物質が一般的である。
用いる長繊維は、有機、無機等いかなる材質のものでも
よいが、特に炭素繊維、アラミド繊維、耐アルカリ性ガ
ラス繊維、高強度ビニロン繊維などの高特性繊維が好ま
しい。
そして異種材質または同種の繊維同志で破断伸びの異る
ものを2種類以上組合せて用いることができる。これら
は単に上記の2種類以上の繊維束を相互に引揃えて一束
化したものでもよいし、燃つたりねじつたり、からめた
りして一束化してもよい。
本発明でいう接合の効果は第2図f線の下側の斜線部、
さらにはその結果として第1図のa線として示される。
すなわち第1図において曲線a及びbはそれぞれ実施例
及び比較例で得られた部材のたわみ曲線である。
本図から明らかなように、本発明の部材すなわち曲線a
ではたわみの増大に伴い応力も漸増して最大応力度に達
するのに対し、bでは破断伸びの異る繊維が個々に破断
するためたわみの増大に伴つて急激な応力低下を起こ
す。
また両者の最終的なたわみ量はほぼ同一なのにもかかわ
らずaとbの曲げ性状及び応力度には著しい差が認めら
れる。
この差異は例えば図一2に示すように破断伸びの異なる
2種類以上の長繊維を別個に引張つた場合と一体接合し
て集合体にしてから引張つた場合の伸び〜引張荷重曲線
の差異によつて説明できる。
すなわち直線dは破断伸びの低い炭素繊維、eは破断伸
びの高い炭素繊維を個々に引張つた場合の伸び〜引張荷
重の関係を示す。
一方、fは両者をエポキシ樹脂にて一体接合し、集合体
の形にしてから引張つたものである。
すなわちfは伸びがdと同一レベルまで到達した段階
で、d繊維の部分的な破断が発生するが、一気にeのレ
ベルまで応力は低下せず、周辺の相対的に破断伸びの高
いe繊維との接合効果により理論より高い応力度でeの
破断伸びレベルまで到達する。
第2図における斜線部分こそ本発明の有効性を裏付け、
予想し難い効果をもたらすものである。
したがつてaまたはeを単独に並列配設した同一部材に
比べそ急激な応力低下を起こすことなく、予想より高い
引張応力を負担することができる。
繊維束同志の一体化は応力の伝達作用を有するものでな
ければならないが、通常は樹脂が用いられる。
また無機系母材がポルトランドセメントや珪酸カルシウ
ムのようにアルカリ性を呈するものについては耐アルカ
リ性の良好な樹脂及び繊維を組合せて用いる必要があ
る。
本発明における無機系母材中への長繊維の配設方法の一
例を第3図に示す。
第3図中1は中央一点載荷曲げ試験により曲げ応力を受
ける繊維補強無機系部材である。
2は該部材の曲げ応力の中立軸(第3図中のN−N′
線)に対し、引張応力が作用する領域(第3図中のN−
N′線より下方部分)に、部材の引張応力を負担出来る
ように配列し、かつ中立軸に対し、より近くの位置(第
3図中の中立軸からの距離L1で表わされる)に配設され
た、長繊維である。より引張強力の大きな長繊維である
ことが好ましい。
また長繊維の長手方向が部材の引張または曲げ応力の方
向と同じ方向である場合が最も引張または曲げ応力の負
担効果がすぐれているので好ましい。しかし長繊維の長
手方向が部材の引張応力の方向と全く同じ方向でなくて
も実質的に引張または曲げ応力を負担出来る場合には多
少夫々の方向が異なつていてもよい。
3は好ましくはより引張強力が小さくかつ、中立軸に対
しより遠くに位置(第3図中の中立軸からの距離L2で表
わされる)する以外は2と同じ長手方向に配列し、配設
された長繊維である。
上記図面では長繊維の配設が二層の場合を示したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、長繊維の配設を
三層以上の多段としてもよいし、単層配設でもよい。ま
た別種繊維組合せ集合体を別に配設してもよい。
ここで、本発明で云う繊維の引張強力は用いる長繊維の
単位断面積当りの引張強度と無機系母材中に配設される
該繊維の断面積との積の値として表わされる。
そして、引張強度及び断面積は例えば炭素繊維の場合は
JIS規格R7601の方法により測定することが出来、その他
の繊維の場合も同方法に準じて測定することが出来る。
破断伸びの大きい長繊維とより小さい長繊維の大小関係
は少くとも認め得る程度の相対的大小関係があればそれ
なりに複合効果が得られるが、 の関係があれば、複合効果がより効果的に発揮されるの
でより好ましい。なお、3種以上の長繊維を使用する場
合、上記の関係は、破断伸びが最も小さいものと最も大
きいものでみることとなる。
本発明で重要なのは破断伸びの異なる2種類以上の長繊
維を長手方向に応力伝達性のある接合材で一体接合して
なる集合体を少なくとも引張応力に対して実質的に同一
方向に配設することである。
次に本発明においては長繊維は通常直径が数ミクロンな
いし数十ミクロンの単糸が数百本ないし数万本束状にな
つたものを用いる。
破断伸びの異なる長繊維同志は接合材を用いて一体接合
される。
この際接合材の働きとして必要なことは第2図にて説明
したように、一体接合した繊維の中の破断伸びの小さな
繊維が部分的に破断しても、接合材の接合効果により接
合した繊維としては破断伸びの大きな繊維の部分が破断
するまで一束状の一体性を保つ接合作用を持つことであ
る。
具体的な接合材としては、このような接合作用を有する
物質であれば特別に限定されずに用いることができる。
例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フエノール樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、各種ゴムポ
リマーなどの熱硬化性や架橋性の高分子物質、及び酢酸
ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン樹脂、オ
レフイン系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂などの熱可塑性高分子物質などが用いられ
る。
これらの高分子物質は溶融したり、溶媒に溶解したりし
た状態で繊維に含浸し、脱溶媒、冷却固化、乾燥などし
て繊維同志を固着する。
さらに、無機系母材との接着性を高めるために、該繊維
は表面酸化処理などの表面処理をしたり、付着する高分
子物質としてエポキシ樹脂層の上にさらにカルボキシル
変状ゴムポリマーを付着させる方法などを用いてもよ
い。
無機系母材との付着をさらに向上させるためには、上記
物質を含浸付着させた表面にさらに樹脂またはセメント
類にて細砂などを付着させ、無機系母材への投錨効果を
持たせてもよい。
本発明で用いる長繊維の形状としては直線状の一次元の
みならず、格子状、網状あるいは織物状等の構成品を帯
状に形成して引張応力と同一面もしくは直交面に配設す
ることもできる。
特に網状の場合に、それが絡み織りんにて構成され、破
断伸びの異る2種類以上の絡み繊維が本発明でいう繊維
の長手方向に配置されていると、より高強度高靱性の繊
維補強部材が得られ好ましい。
本発明の長繊維の無機系母材への埋込みは常法によつて
行えばよい。
例えば従来の積層・埋込法によつてもよいし、予め立体
的に型枠内に組込んだ後、母材を注入して硬化させても
よい。
この際、バイブレーター等により振動をかけて脱泡して
やれば、無機系母材と補強用繊維集合体との付着はさら
に緊密になり、良好な機械的物性を得ることができる。
また、本発明の部材は板状、筒状、あるいは中空板、ブ
ロツク等の引張応力もしくは曲げ応力を受ける部材であ
ればよく、その形状は特に限定されるものではない。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明はその要旨をこえない限り下記の実施例に限定される
ものではない。
実施例 ピツチ系低弾性炭素繊維(破断伸び0.84%、直径的11ミ
クロンの単糸約4000本からなる)を同じくピツチ系高弾
性炭素繊維(破断伸び0.43%、直径約10ミクロンの単糸
約2000本からなる)と一緒に、引揃えながら連続的にア
セトンで希釈した硬化剤を含むエポキシ樹脂溶液にて含
浸し、130℃で加熱硬化させて両繊維が一体接合した樹
脂含有率37%の直線状長繊維集合体を得た。
この長繊維集合体断面の中心が、幅40×高さ20×長さ32
0mmのセメント系曲げ部材の中立軸から下方に2mmの距離
(第3図中L1で表わす)に4本、7mmの距離(第3図中L
2で表わす)に5本、該複合系の長手方向が引張応力方
向と同じになるようにかつ等間隔に配設した。
その断面積はL1の長繊維集合体4本の合計で破断伸びの
小さい炭素繊維0.01492cm2、破断伸びの大きい炭素繊維
0.00608cm2、またL2の長繊維集合体5本の合計で破断伸
びの小さい炭素繊維0.01865cm2、破断伸びの大きい炭素
繊維0.00760cm2である。セメントは早強ポルトランドセ
メント、骨材は川砂(最大粒径2.5mm)を用い、水/セ
メント比は0.4/1、骨材セメント比は0.67/1とした。
この供試体を湿空一週間養生しスパン260mm、載荷速度1
mm/分で中央一点載荷して曲げ試験を行つた際の応力〜
たわみ曲線を第1図のaに示す。
曲げ強度は277kgf/cm2、最大たわみ量は3.3mmであつ
た。
なお、補強用繊維を積層しないほかは上記と全く同一方
法で作製、曲げ試験したプレーンモルタルの応力〜たわ
み曲線は第1図のcである。
曲げ強度が81kgf/cm2、最大たわみ量は0.3mmであつた。
比較例 補強用繊維の種類と量は実施例と全く同一ながら各繊維
を一体接合せず、夫々の繊維を単独に交互に並列してモ
ルタル供試体の長手方向に配向させた。
この供試体を実施例と同様に養生した後曲げ試験して得
られた応力〜たわみ曲線を図一4のbに示す。
曲げ強度は210kgf/cm2、最大たわみ量は3.4mmであつ
た。
〈発明の効果〉 以上のように本発明によれば、破断伸びの異る2種類以
上の補強繊維を長手方向に一体接合したのち、部材が受
ける引張または曲げ応力に対して同一方向に配設すると
いう極めて簡易な方法により、少量の繊維量で効果的か
つ合理的な補強性能が発揮でき、破壊靱性及び強度のす
ぐれた複合部材を得ることができる。
また鉄筋コンクリート構造と同じように用途や荷重条件
に応じた断面設計が効果的かつ容易に可能となり実用性
にも富む。
さらに炭素繊維を補強材として用いる場合でも、炭素繊
維表面は高分子または有機無機複合物で被覆されてお
り、一般の炭素繊維短繊維補強セメント製品において指
摘されるような埋込み金属類または部材と接する金属類
の電食による心配もない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例及び比較例における長繊維補強
無機系部材の曲げ試験時の曲げ応力度〜たわみ曲線を表
わす。 第2図は破断伸びの異なる2種類の長繊維を一体接合し
た長繊維集合体の複合効果を示す引張荷重〜伸びの関係
を示す図。 第3図は長繊維補強複合部材の平面図及びその断面図。 1:長繊維補強複合部材 2、3:引張弾性率の異る破断伸びを一体接合してなる長
繊維集合体 a:破断伸びの異なる2種類の繊維を一体接合した集合体
を配設した供試体の曲げ応力度〜たわみ曲線 b:破断伸びの異る2種類の繊維を一体接合せずに交互に
並列配設した供試体の曲げ応力度〜たわみ曲線 c:無補強無機系母材単独の曲げ応力度〜たわみ曲線 d:破断伸びの相対的に大きな長繊維単独の引張荷重〜伸
びの関係 e:破断伸びの相対的に小さな長繊維単独の引張荷重〜伸
びの関係 f:破断伸びの異る上記2種類の長繊維を一体接合した長
繊維集合体の引張荷重〜伸びの関係 L1,L2:長繊維集合体の断面中心の中立軸からの距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−41017(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機系母材中に補強繊維を埋設し、引張ま
    たは曲げ応力を受ける複合部材であって前記母材はその
    破断伸びが補強繊維のそれと同等以下の母材よりなり、
    前記補強繊維は破断伸びの異なる2種類以上の長繊維を
    長手方向に一体接合してなる集合体にて構成され、しか
    も該集合体の長手方向が引張または曲げ応力の方向と実
    質的に一致するように埋設されていることを特徴とする
    長繊維補強複合部材。
  2. 【請求項2】母材がセメント系材料である特許請求の範
    囲第1項記載の複合部材。
  3. 【請求項3】長繊維が炭素繊維、耐アルカリ性ガラス繊
    維、アラミド繊維、またはビニロン繊維であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項ないし第2項のいずれか
    に記載の部材。
  4. 【請求項4】破断伸びの異なる2種以上の長繊維がいず
    れも炭素繊維であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第3項のいずれかに記載の部材。
  5. 【請求項5】母材中に補強繊維を埋設し、引張または曲
    げ応力を受ける複合部材であって前記母材はその破断伸
    びが補強繊維のそれと同等以下の母材よりなり、前記補
    強繊維は破断伸びの異なる2種類以上の炭素繊維の長繊
    維を長手方向に一体接合してなる集合体にて構成され、
    しかも該集合体の長手方向が引張または曲げ応力の方向
    と実質的に一致するように埋設されていることを特徴と
    する長繊維補強複合部材。
JP61296183A 1986-12-12 1986-12-12 長繊維補強複合部材 Expired - Lifetime JPH07103631B2 (ja)

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JPH07103632B2 (ja) * 1989-09-08 1995-11-08 オリエンタル建設株式会社 非腐食補強材埋設プレストレストコンクリート部材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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