JPH07103744B2 - 耐火断熱材構造 - Google Patents

耐火断熱材構造

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JPH07103744B2
JPH07103744B2 JP61042366A JP4236686A JPH07103744B2 JP H07103744 B2 JPH07103744 B2 JP H07103744B2 JP 61042366 A JP61042366 A JP 61042366A JP 4236686 A JP4236686 A JP 4236686A JP H07103744 B2 JPH07103744 B2 JP H07103744B2
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大介 笠井
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、耐火乃至断熱性能に優れると共に、軽量薄
型化が可能な耐火断熱材構造に関する。
【従来の技術】
従来、金庫の壁面や耐火構造物の壁面には熱伝導率の低
い発泡コンクリート等の発泡材や石綿等が充填されてい
るが、耐火乃至断熱性能を高めるためには厚みを厚く設
定する必要があり大型化が避けられなかった。 そこで、コンクリート等の壁材の間に密封した水を内蔵
しておき、加熱時における熱伝導を遅くする構成が考え
られるが、この水を密封する包装体の透湿性能とも関連
して長い年月の間には除々に揮散し容量が減少する虞れ
があり、補充が困難なことから効果的な耐熱作用を奏す
ることができない。 また、常温で液体であるため、取扱いが煩わしく包装体
に強度がないと破損しやすい欠点もある。 更に、密封されたままで、高熱が加わると蒸気となって
爆発する危険性がある。 そこで、特公昭45−5309号や特開昭54−78562号では、
温度が上昇すると吸熱反応を起こす結晶水を持った物質
を用いて金庫内に内蔵する構造が知られている。
【発明が解決しようとする問題点】
しかし、化学蓄熱材が結晶体等の場合には、袋や容器に
充填した際に空隙を生じ、加熱時に融解してゲル状とな
った際に袋や容器内に隙間を形成する。 隙間(空気層)が形成されると熱が内部に伝導されやす
くなり、耐火乃至断熱性能が劣ってしまう欠点がある。 この発明は上記事情に鑑みて鋭意研究の結果創案された
ものであって、その主たる課題は、耐火構造に内蔵され
る包装体内に、液化時に隙間が生じないように化学蓄熱
材を収納させた耐火断熱材構造を提供するにある。
【問題点を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するために、 (a).塩化水素系の化学蓄熱材を密封すると共に少な
くとも一部で前記化学蓄熱材の含有水分が加熱により気
化する前に溶けて開口する熱可塑性のシール部を有する
包装体を、吸水性を有する多孔質の壁材に内蔵または当
接してなる耐火断熱材構造であって、 (b).包装体に充填した化学蓄熱材に水その他の溶剤
を加えて圧縮する、 (c).包装体内に化学蓄熱材吸水性を有する粉体、粒
体、又は顆粒体からなる吸水材を加えて上記水乃至溶剤
の水分を吸収させる。 (d).これにより上記包装体とその充填物との隙間を
可及的に減少させてなる、という技術的手段を講じてい
る。 ここで塩化水素系の化学蓄熱材としては、要するに熱伝
導性が低く、且つ融解時に多くのカロリーを要するもの
であればよく、例えばCaCl2・6H2O、Na2SO4・10H2O、Na
2CO3・10H2O、Na2HPO4・12H2O、Ca(NO3・4H2O、Na
2S2O3・5H2O、NaCH3COO・3H2O、Ba(OH)・8H2O、Sr
(OH)・8H2O,Mg(NO3・6H2O、KAI(SO4)・12H2
O、NH4Al(SO4)・12H2O、MgCl2・6H2O、KNO3−LiNO3
KNO3−LiNO3−NaNO3等を挙げることができる。 これら塩化水素系の化学蓄熱材は単位体積当たりの融解
熱がn−パラフィンおよびその誘導体等の化学蓄熱材に
比して優れている。 従って、これら塩化水素系の化学蓄熱材の中から耐熱用
途に応じた融点を有する物質を選択すればよい。
【作 用】
この発明では、火災等の加熱時に、塩化水素系の化学蓄
熱材は所定の融点以上に加熱すると融解し蓄熱する。 この際、固体から液状(ゲル状)に溶解するのに多くの
カロリーを必要とするので内部に伝わる熱の伝導が遅く
なる。 このゲル状の化学蓄熱材は包装体内で加熱され、含有水
分が加熱により気化する前の温度で熱可塑性のシール部
が溶けて包装体を開口する。 これにより水分は、吸水性を有する多孔質の壁材に吸収
されるので、一旦冷却されて更に熱の伝導を遅くし耐火
乃至断熱性能を向上させる。 また、加熱時において融解したゲル状の化学蓄熱材は包
装体にまんべんなく充填されるので、包装体が嵌込まれ
ている空間との間に隙間を形成することがないので、全
域に亘って均一的に耐熱作用を発揮させることができ
る。
【実施例】
以下、この発明に係る好適実施例を図面に基づいて説明
する。 第6図に示す耐火断熱材構造は、平常時においては化学
蓄熱材の水分が揮散しないよう透湿性の無い又は低い素
材で密封しておくと共に、加熱時には融解後で水分が気
化する前の段階(温度)で溶融して開口するシール部7
を有する包装体6で化学蓄熱材1を密封した構成からな
っている。 本実施例では化学蓄熱材1として、酢酸ナトリウム水和
物(NaCH3COO・3H2O)を用いている。 この化学蓄熱材1は、結晶体のものを一旦加熱して板状
に成型したものであり、包装体6により密封されて、壁
材2に内蔵又は当接される。 次ぎに、壁材2は吸水性を有する多孔質からなるもので
あれば、例えば発泡コンクリートや石綿等でもよいが、
本実施例ではゾノトライト系の珪酸カルシウム水和物を
主成分とする成形板(商品名:タイカライト (株)大
阪パッキング製造所製造)を用いている。 この珪酸カルシウム水和物の成形板は、強度のある耐火
断熱材として公知であり、断熱性が高く(熱伝導率0.05
+0.00002θKcal/hr.m.℃)且つ軽量(比重0.2〜0.45)
であり、更に吸水性にも優れている。またここで包装体
6の素材は、アルミ箔をテトロンフルムでコーティング
した構造からなっており、化学蓄熱剤1収納後にシール
部7は化学蓄熱材1の融点(58℃)より上で気化点(10
0℃)より下の所定温度(本実施例では80℃)で溶ける
熱可塑性フィルムによりヒートシールされている。 従って、平常時には、包装体6の素材の性質により長期
に亘っても化学蓄熱材1の水分が包装体から外部に透湿
することが殆どなく、当初の状態のままで保存すること
ができ信頼性が高い。 そして、包装体6に充填した化学蓄熱材に水その他の溶
剤8を加えて圧縮して包装体6との空隙を減少し(埋
め)て、次いで給水剤9として吸水性を有する粉体、粒
体、又は顆粒体等を加えて上記水又は溶剤の水分を吸収
させると共に上記包装体と充填物との隙間を可及的に無
くしている。 本実施例では、溶剤として水を用い、給水剤としては吸
水性に優れ且つ熱伝導率が低い壁材2を構成するタイカ
ライトの粉末を用いた。 これにより、化学蓄熱材1が結晶体である場合において
も、加熱時において融解したゲル状の化学蓄熱材1は包
装体6にまんべんなく充填されており、包装体6乃至包
装体6が嵌込まれている凹部との間に隙間を形成するこ
とがないので、全域に亘って均一的に耐熱作用を発揮さ
せることができる。 この化学蓄熱材1と水分乃至溶剤8と吸水剤9との配分
は適宜実験的に定めることができる。 次に、上記構成における包装体6に内蔵された化学蓄熱
材1を壁体に内蔵する実施例について第1図から第3図
および第5図を参照して説明する。 第1図の耐火断熱材構造は、壁材2に凹部3を設け、該
凹部3に前記包装体6に充填した化学蓄熱材1を嵌込ん
だ構成からなっている。 第2図の耐火断熱材構造は、壁材2の凹部3に包装体6
に充填した化学蓄熱材1を収納してフィルム4で開口部
3′を密封して壁材2を重ね合わせた構成からなってい
る。 また第3図の耐火断熱材構造は、包装体6に充填した化
学蓄熱材1を加熱して板状に成型して包装体6に充填
し、壁材2に重ね合わせた構成からなっている。 第4図は内部温度の変化を表すグラフであり、これに示
す如く、熱伝導率の低い壁材2を介して同様に熱伝導率
の低い化学蓄熱材1に熱が伝わり、化学蓄熱材1は融点
(本実施例では58℃)を超える際に融解潜熱として63ca
l/gを要するので熱伝導率を下げる作用をする。 更に化学蓄熱材1は融解すると包装体6内でゲル状にな
る。 さらに加熱が進みシール部7が80℃になると溶けて包装
体6が開口し、ゲル状の化学蓄熱材1が流出し、その水
分がそれに接する壁材1に吸収される。 該水分を吸収した壁材1は水分の温度より高い温度にな
っているので吸収した水分によって一旦温度が下がりそ
れに接する壁材2が吸水性を有するのでゲル状になった
化学蓄熱材1の水分は壁材2に吸収されて一旦は壁材2
の温度を下げる働きをし、これによっても熱の伝導を抑
えることができる。 更に加熱されて上記水分は気化熱を奪いながら気化す
る。 このように、この発明では、ゲル状になった化学蓄熱材
1の水分を壁材2に吸収させる時期を所定温度まで引き
伸ばすことができるので、熱の伝導を最も遅くするため
に最適な温度を用途やその他の材質等の諸条件を基に適
宜実験的に定め、その温度で熱溶解する熱可塑性フィル
ムを選択して包装体6のシール部7としてシールすれば
よい。 この耐火断熱材構造は、耐火庫や耐火室の壁面材とし
て、或いは耐火乃至断熱構造体の耐火断熱材構造として
幅広く利用することができ、特にその用途は限定されな
い。 また上記化学蓄熱材1の融点の温度は、例えば尿素を40
重量%以上添加する等の公知構成により適宜温度に設定
することができるので、耐火断熱材構造の用途に応じて
最適の温度を設定すればよい。 また、化学蓄熱材1は壁材2の全面に亘って配設される
ことが好ましいが、壁材2を接合する場合には接合箇所
を設ける必要がある。 第5図の耐火断熱材構造は、一対の壁材2に、対向して
交互に配設された凹部3,3,3,・・を設け、前記酢酸ナト
リウム水和物からなる化学蓄熱材1を充填し、耐火断熱
材構造全体の内側の鉄板5寄りには中途部の化学蓄熱材
より融点の低い化学蓄熱材1′例えばNa2HPO4・12H2O
(融点36℃)等を内蔵した構成からなっている。 これによれば、壁材2の略全面に亘って化学蓄熱材1,1
・・を配設することができ、均一的に熱の伝導を抑える
ことができると共に、中途部と内側との厚み方向で異な
る位置において化学蓄熱材1及び1′を配設したので一
層効率よく耐熱効果を図ることができる。 この化学蓄熱材1,1′の配設例は、その他例えば融点の
同一のもの或いは異なるものからなる複数の化学蓄熱材
を耐火断熱材の厚み方向の異なる箇所に複数段配設する
ものであり、これにより多重に熱の伝導を抑えることが
できて好ましい。 その他、この発明においては、包装体に充填された化学
蓄熱材と壁材との取付構造は特に限定されるものではな
く、少なくともゲル状となった(或いはゲル状になって
更に所定温度まで加熱された)化学蓄熱材の水分の吸収
しうるように壁材が接していればよい。 また壁材は一種類であると多種類であるとを問わず、そ
の他公知の耐火構造と併合して用いられるものであって
もよい。
【発明の効果】
この発明は上記構成からなるので、耐火断熱材構造を薄
型且つ軽量に形成することができ、該耐火断熱材構造に
より囲繞された収納部のスペースを広げることができ
る。 また、簡単な構造でありながら耐火乃至断熱性能が極め
て高く且つ汎用性に優れるので工業生産上極めて有益な
ものである。 更に、化学蓄熱が包装体内で液状化した際にも隙間が生
じることがないので、耐火性能の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は耐火断熱材構造の実施例を示す断面図、第2図
は化学蓄熱材の異なる内蔵構造を示す実施例の断面図、
第3図は化学蓄熱材の別の内蔵構造を示す実施例の断面
図、第4図は第1発明の熱の伝導経過を示すグラフ、第
5図は化学蓄熱材を多段に内蔵した場合の実施例を示す
断面図、第6図は化学蓄熱材を包装体に隙間なく充填す
るこの発明の構造の一例を示す断面図、第7図は第1発
明の熱の伝導経過を示すグラフ、第8図は化学蓄熱材を
包装体に隙間なく充填した断面図である。 1……化学蓄熱材 2……壁材 3……凹部 3′……開口部 4……フィルム 5……鉄板 6……包装体 7……シール部 8……溶剤 9……吸水剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化水素系の化学蓄熱材を密封すると共に
    少なくとも一部で前記化学蓄熱材の含有水分が加熱によ
    り気化する前に溶けて開口する熱可塑性のシール部を有
    する包装体を、吸水性を有する多孔質の壁材に内蔵また
    は当接してなる耐火断熱材構造であって、 包装体に充填した化学蓄熱材に水その他の溶剤を加えて
    圧縮してから吸水性を有する粉体、粒体、又は顆粒体か
    らなる吸水剤を加えて上記水乃至溶剤の水分を吸収させ
    て上記包装体とその充填物との隙間を可及的に減少させ
    てなることを特徴とする耐火断熱材構造。
  2. 【請求項2】化学蓄熱材が、NaCH2COO・3H2O、又はNa2H
    PO4・12H2Oを主成分とすることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の耐火断熱材構造。
  3. 【請求項3】壁材が珪酸カルシウム水和物を主成分とす
    る成形板からなることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の耐火断熱材構造。
  4. 【請求項4】壁材に凹部を設け、該凹部に化学蓄熱材を
    密封状に嵌込んだことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の耐火断熱材構造。
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