JPH0710678A - 化合物半導体単結晶ウエハ及びその製造方法並びにエピタキシャル成長方法 - Google Patents
化合物半導体単結晶ウエハ及びその製造方法並びにエピタキシャル成長方法Info
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- JPH0710678A JPH0710678A JP18068493A JP18068493A JPH0710678A JP H0710678 A JPH0710678 A JP H0710678A JP 18068493 A JP18068493 A JP 18068493A JP 18068493 A JP18068493 A JP 18068493A JP H0710678 A JPH0710678 A JP H0710678A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】エピタキシャル成長した際均質な膜が形成でき
る化合物半導体単結晶ウエハをボート法により製造す
る。 【構成】ボート法により製造された化合物半導体単結晶
から切り出したウエハ面内における、結晶に添加された
不純物の濃度偏差を±6%以上と大きくする。また、切
り出すべきウエハ2の面と結晶成長界面1a、1bとの
なす角θを30度以上とするよう結晶成長させる。
る化合物半導体単結晶ウエハをボート法により製造す
る。 【構成】ボート法により製造された化合物半導体単結晶
から切り出したウエハ面内における、結晶に添加された
不純物の濃度偏差を±6%以上と大きくする。また、切
り出すべきウエハ2の面と結晶成長界面1a、1bとの
なす角θを30度以上とするよう結晶成長させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水平ブリジッマン法
(HB法)、温度傾斜法(GF法)、ゾーンメルト法な
どの、ボート法による化合物半導体結晶ウエハの製造方
法、及び、これらの製造方法で作成されたウエハを基板
とする、液相エピタキシャル成長、気相エピタキシャル
成長、分子線エピタキシャル成長等のエピタキシャル成
長方法に関するものである。
(HB法)、温度傾斜法(GF法)、ゾーンメルト法な
どの、ボート法による化合物半導体結晶ウエハの製造方
法、及び、これらの製造方法で作成されたウエハを基板
とする、液相エピタキシャル成長、気相エピタキシャル
成長、分子線エピタキシャル成長等のエピタキシャル成
長方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体単結晶ウエハの用途として
は、IC等の電子デバイス用基板あるいは半導体レーザ
等の光デバイス用基板等がある。IC用基板ではエピタ
キシャル成長を行わないものもあるが、多くの場合エピ
タキシャル成長を行っている。ここでは、最も代表的な
例としてGaAsについて説明する。
は、IC等の電子デバイス用基板あるいは半導体レーザ
等の光デバイス用基板等がある。IC用基板ではエピタ
キシャル成長を行わないものもあるが、多くの場合エピ
タキシャル成長を行っている。ここでは、最も代表的な
例としてGaAsについて説明する。
【0003】電子デバイス用基板としては、LEC法な
どにより製造されるノンドープ半絶縁性のウエハと、ボ
ート法により製造されるCrドープ半絶縁性ウエハがあ
る。また、光デバイス用基板としては、SiやZnをド
ープしたウエハを使用することが一般的である。また、
ウエハの結晶方位としては、(100)面を使用するの
が一般的である。
どにより製造されるノンドープ半絶縁性のウエハと、ボ
ート法により製造されるCrドープ半絶縁性ウエハがあ
る。また、光デバイス用基板としては、SiやZnをド
ープしたウエハを使用することが一般的である。また、
ウエハの結晶方位としては、(100)面を使用するの
が一般的である。
【0004】前記ウエハのなかで不純物としてCr、S
i、Znなどをドーピングしたウエハを用いてデバイス
を作成するにあたっては、特にウエハ基板にエピタキシ
ャル成長させることが一般的である。
i、Znなどをドーピングしたウエハを用いてデバイス
を作成するにあたっては、特にウエハ基板にエピタキシ
ャル成長させることが一般的である。
【0005】従来これらのデバイス作成には基板の不純
物濃度の偏差が悪影響すると考えられていた。このた
め、できる限りウエハ中の不純物濃度分布を均一にした
ウエハを製造する方法が開発されてきた。
物濃度の偏差が悪影響すると考えられていた。このた
め、できる限りウエハ中の不純物濃度分布を均一にした
ウエハを製造する方法が開発されてきた。
【0006】従来、この不純物濃度偏差を小さくするた
めに開発された代表例として特開昭54−141388
号がある。これに示されるように、GaAs単結晶をボ
ート法で育成する場合には、結晶の<111>方向に等
価な方向をボートの長手方向に平行にし、前記<111
>方向と54.7゜傾いたウエハ切り出し面である(1
00)等価面にほぼ平行になるように、結晶成長固液界
面形状を保つことが行われていた。この方法で得られる
(100)面ウエハは、固液界面がこの(100)ウエ
ハ面とほぼ平行であるために、ウエハ面内の不純物濃度
のばらつき偏差を±3%以下と小さくすることができて
いる。
めに開発された代表例として特開昭54−141388
号がある。これに示されるように、GaAs単結晶をボ
ート法で育成する場合には、結晶の<111>方向に等
価な方向をボートの長手方向に平行にし、前記<111
>方向と54.7゜傾いたウエハ切り出し面である(1
00)等価面にほぼ平行になるように、結晶成長固液界
面形状を保つことが行われていた。この方法で得られる
(100)面ウエハは、固液界面がこの(100)ウエ
ハ面とほぼ平行であるために、ウエハ面内の不純物濃度
のばらつき偏差を±3%以下と小さくすることができて
いる。
【0007】しかし、このようなウエハ基板でエピタキ
シャル成長を行うと、エピタキシャル成長した膜厚の面
内分布に微小なゆらぎが生ずることがある。近年素子サ
イズの縮小化や、半導体レーザなどの高出力化、あるい
は多くの素子をチップ内に集積する技術の進歩により、
この小さな膜厚分布のゆらぎが素子特性のばらつきに問
題を与えることがしばしば発生している。
シャル成長を行うと、エピタキシャル成長した膜厚の面
内分布に微小なゆらぎが生ずることがある。近年素子サ
イズの縮小化や、半導体レーザなどの高出力化、あるい
は多くの素子をチップ内に集積する技術の進歩により、
この小さな膜厚分布のゆらぎが素子特性のばらつきに問
題を与えることがしばしば発生している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の前述の欠点、すなわち従来のウエハ基板に発生し
ていたエピタキシャル成長膜の膜厚分布のゆらぎの解消
にある。
技術の前述の欠点、すなわち従来のウエハ基板に発生し
ていたエピタキシャル成長膜の膜厚分布のゆらぎの解消
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、第1の発明として、
ボート法により製造された化合物半導体単結晶から製造
されるウエハにおいて、不純物を添加された原料融液を
用いて育成された化合物半導体単結晶より切り出したウ
エハの面内における前記不純物の濃度偏差を±6%以上
としたことを特徴とする化合物半導単体結晶ウエハを提
供する。
を解決すべくなされたものであり、第1の発明として、
ボート法により製造された化合物半導体単結晶から製造
されるウエハにおいて、不純物を添加された原料融液を
用いて育成された化合物半導体単結晶より切り出したウ
エハの面内における前記不純物の濃度偏差を±6%以上
としたことを特徴とする化合物半導単体結晶ウエハを提
供する。
【0010】第1の発明において、ボート法により製造
された化合物半導体単結晶から製造されるウエハにおい
て、偏析係数1以下の不純物を添加された原料融液を用
いて育成した結晶から結晶長手方向に対し垂直から30
度以内の角度でウエハを切り出し、育成された結晶の直
胴部のテール付近から切り出されたウエハ面内の不純物
濃度偏差が±6%以上±40%以下とすることが好まし
い。
された化合物半導体単結晶から製造されるウエハにおい
て、偏析係数1以下の不純物を添加された原料融液を用
いて育成した結晶から結晶長手方向に対し垂直から30
度以内の角度でウエハを切り出し、育成された結晶の直
胴部のテール付近から切り出されたウエハ面内の不純物
濃度偏差が±6%以上±40%以下とすることが好まし
い。
【0011】第2の発明として、ボート法により製造さ
れた化合物半導体単結晶から製造されるウエハにおい
て、前記結晶の成長界面が(111)等価面と非平行に
なるよう育成された化合物半導体単結晶から切り出した
ウエハの面内の少なくとも半分以上の部分で、実質的に
前記結晶成長界面と切り出すウエハ面とのなす角が30
度以上であることを特徴とする化合物半導体単結晶ウエ
ハを提供する。
れた化合物半導体単結晶から製造されるウエハにおい
て、前記結晶の成長界面が(111)等価面と非平行に
なるよう育成された化合物半導体単結晶から切り出した
ウエハの面内の少なくとも半分以上の部分で、実質的に
前記結晶成長界面と切り出すウエハ面とのなす角が30
度以上であることを特徴とする化合物半導体単結晶ウエ
ハを提供する。
【0012】第3の発明として、ボート法により製造さ
れた化合物半導体単結晶からウエハを製造する方法にお
いて、結晶育成装置炉内の結晶成長界面付近の炉長手方
向及び炉上下方向のそれぞれの温度勾配を固化率により
変化させることにより、育成された結晶から切り出され
たウエハ面内の不純物濃度分が、ウエハ切り出し位置に
より大きく変化しないようにすることを特徴とする化合
物半導体単結晶ウエハの製造方法を提供する。
れた化合物半導体単結晶からウエハを製造する方法にお
いて、結晶育成装置炉内の結晶成長界面付近の炉長手方
向及び炉上下方向のそれぞれの温度勾配を固化率により
変化させることにより、育成された結晶から切り出され
たウエハ面内の不純物濃度分が、ウエハ切り出し位置に
より大きく変化しないようにすることを特徴とする化合
物半導体単結晶ウエハの製造方法を提供する。
【0013】第3の発明において、ボート法により製造
された化合物半導体単結晶からウエハを製造する方法に
おいて、育成すべき化合物半導体単結晶が閃亜鉛鉱型結
晶構造を有し、育成される化合物半導体単結晶の<10
0>方向に等価な一つの方向が、ボートの長手方向から
30度以内とされていることが好ましい。
された化合物半導体単結晶からウエハを製造する方法に
おいて、育成すべき化合物半導体単結晶が閃亜鉛鉱型結
晶構造を有し、育成される化合物半導体単結晶の<10
0>方向に等価な一つの方向が、ボートの長手方向から
30度以内とされていることが好ましい。
【0014】さらに、これらの方法で製造された化合物
半導体単結晶ウエハを基板とし、前記基板上にエピタキ
シャル成長により半導体層を積層させることを特徴とす
るエピタキシャル成長方法を提供する。
半導体単結晶ウエハを基板とし、前記基板上にエピタキ
シャル成長により半導体層を積層させることを特徴とす
るエピタキシャル成長方法を提供する。
【0015】以下、本発明の構成を詳しく説明する。化
合物半導体の製造方法としては、ボート法と引き上げ法
がよく知られている。一般的にボート法は、引き上げ法
に比べて温度勾配が小さく結晶欠陥の少ない単結晶を育
成できる特徴がある。
合物半導体の製造方法としては、ボート法と引き上げ法
がよく知られている。一般的にボート法は、引き上げ法
に比べて温度勾配が小さく結晶欠陥の少ない単結晶を育
成できる特徴がある。
【0016】ボート法には水平ブリジッマン法(HB
法)、ゾーンメルト法などの、結晶成長界面の位置が概
ね結晶育成炉ヒーターに対し相対的に固定された方法
と、結晶成長界面の位置が結晶育成炉に対し相対的に移
動する温度傾斜法(GF法)がある。いずれも長尺なボ
ートに原料融液をいれ、ボートの長手方向に温度勾配を
設けた横型炉内でボート一端から結晶固化して単結晶を
育成する方法である。
法)、ゾーンメルト法などの、結晶成長界面の位置が概
ね結晶育成炉ヒーターに対し相対的に固定された方法
と、結晶成長界面の位置が結晶育成炉に対し相対的に移
動する温度傾斜法(GF法)がある。いずれも長尺なボ
ートに原料融液をいれ、ボートの長手方向に温度勾配を
設けた横型炉内でボート一端から結晶固化して単結晶を
育成する方法である。
【0017】結晶中にドーピングされた不純物の結晶中
濃度Cは、結晶各位置での結晶固化率g、偏析係数k及
び初期の原料融液中の不純物平均濃度C0 により次式
(1)で決定される。 C=k×C0 ×(1−g)k-1 ・・(1)
濃度Cは、結晶各位置での結晶固化率g、偏析係数k及
び初期の原料融液中の不純物平均濃度C0 により次式
(1)で決定される。 C=k×C0 ×(1−g)k-1 ・・(1)
【0018】ここで、C0 は結晶中にドーピングする不
純物量で決定され、またkは育成すべき結晶と不純物の
種類で決まる量であるために、結晶中の濃度分布は固化
率gにより制御する必要がある。切り出すべきウエハ内
に不純物濃度偏差を作成するためには、そのウエハ内で
の実効固化率に分布を付ける必要があることがわかる。
純物量で決定され、またkは育成すべき結晶と不純物の
種類で決まる量であるために、結晶中の濃度分布は固化
率gにより制御する必要がある。切り出すべきウエハ内
に不純物濃度偏差を作成するためには、そのウエハ内で
の実効固化率に分布を付ける必要があることがわかる。
【0019】切り出すウエハ面内の2点でそれぞれC
1 、C2 の不純物濃度を得るためには、(1)式より、 C1 =k×C0 ×(1−g1 )k-1 ・・(2) C2 =k×C0 ×(1−g2 )k-1 ・・(3) となる。ここで、g1 、g2 はそれぞれの点での固化率
を表す。また、前述のウエハ面内の不純物濃度偏差dc
(%)は、 dc =(C2 −C1 )/(C1 +C2 )×100・・(4) と表したとき、(4)式は(2)、(3)式より、 dc =(1−Δg)/(1+Δg)×100・・(5) ここでΔg={(1−g1 )/(1−g2 )}k-1 であ
り、C2 はウエハ面内不純物濃度最大値、C1 は最小値
に対応する。
1 、C2 の不純物濃度を得るためには、(1)式より、 C1 =k×C0 ×(1−g1 )k-1 ・・(2) C2 =k×C0 ×(1−g2 )k-1 ・・(3) となる。ここで、g1 、g2 はそれぞれの点での固化率
を表す。また、前述のウエハ面内の不純物濃度偏差dc
(%)は、 dc =(C2 −C1 )/(C1 +C2 )×100・・(4) と表したとき、(4)式は(2)、(3)式より、 dc =(1−Δg)/(1+Δg)×100・・(5) ここでΔg={(1−g1 )/(1−g2 )}k-1 であ
り、C2 はウエハ面内不純物濃度最大値、C1 は最小値
に対応する。
【0020】このように、ある所定の不純物濃度偏差を
ウエハ面内に設けるためには、(5)式のような固化率
の分布をウエハ面内に設ければ良いことがわかる。
ウエハ面内に設けるためには、(5)式のような固化率
の分布をウエハ面内に設ければ良いことがわかる。
【0021】次に、固化率の分布をウエハ内に作成する
方法について説明する。結晶の固化率gはシーディング
時の融液重量Wm に対し、成長中の結晶化した重量Ws
の比(g=Ws /Wm )であるため、当然のことながら
結晶成長中のある時点での成長固液界面上では同じ固化
率となる。あるウエハ面内に固化率分布を付けるという
ことは、その切り出すべきウエハ面内を固化させる際に
時間的な差を生じさせることになる。このため、成長中
の固液界面と切り出すべきウエハ面とを平行でなく、あ
る角度θで交わるようにすることにより固化率分布をウ
エハ内に作成することができる。
方法について説明する。結晶の固化率gはシーディング
時の融液重量Wm に対し、成長中の結晶化した重量Ws
の比(g=Ws /Wm )であるため、当然のことながら
結晶成長中のある時点での成長固液界面上では同じ固化
率となる。あるウエハ面内に固化率分布を付けるという
ことは、その切り出すべきウエハ面内を固化させる際に
時間的な差を生じさせることになる。このため、成長中
の固液界面と切り出すべきウエハ面とを平行でなく、あ
る角度θで交わるようにすることにより固化率分布をウ
エハ内に作成することができる。
【0022】簡単のために、図1のような場合を例に考
える。ウエハをボート長手方向に垂直に切り出す場合
に、結晶成長界面形状と切り出しウエハが角θで交わる
とする。育成すべき結晶の全長をL(mm)、成長界面
位置1aのように切り出すべきウエハ位置の自由表面付
近に成長界面があるときの成長距離をd1 (mm)とし
たときの固化率をg1 とする。
える。ウエハをボート長手方向に垂直に切り出す場合
に、結晶成長界面形状と切り出しウエハが角θで交わる
とする。育成すべき結晶の全長をL(mm)、成長界面
位置1aのように切り出すべきウエハ位置の自由表面付
近に成長界面があるときの成長距離をd1 (mm)とし
たときの固化率をg1 とする。
【0023】また、成長界面位置1bのように切り出す
べきウエハ位置のボート底部付近に成長界面位置がある
ときの自由表面成長距離をd2 (mm)としたときの固
化率g2 とする。このときの、ウエハ内不純物濃度とこ
れらの固化率と成長距離の関係を、 g1 =d1 /L、g2 =d2 /L・・(6) として近似することができる。
べきウエハ位置のボート底部付近に成長界面位置がある
ときの自由表面成長距離をd2 (mm)としたときの固
化率g2 とする。このときの、ウエハ内不純物濃度とこ
れらの固化率と成長距離の関係を、 g1 =d1 /L、g2 =d2 /L・・(6) として近似することができる。
【0024】結晶の高さH(mm)であり、成長界面形
状と切り出しウエハのなす角がθであるときに、d1 と
d2 間の関係は、 d2 =d1 +H×tanθ、g2 =g1 +(H×tanθ)/L・・(7) と表せる。
状と切り出しウエハのなす角がθであるときに、d1 と
d2 間の関係は、 d2 =d1 +H×tanθ、g2 =g1 +(H×tanθ)/L・・(7) と表せる。
【0025】式(2)、(3)、(4)、(6)、
(7)より成長界面と切り出すべきウエハのなす角θ及
び固化率g1 より、不純物濃度偏差dc (%)を得るこ
とができる。以上のように、結晶の成長界面形状とウエ
ハの切り出し角度を制御することにより、ウエハ内の不
純物濃度分布を制御できることがわかる。ここでは、簡
単化のためにいくつかの仮定をおいて説明したが、現実
のボート形状などに適応するためには、やや複雑になる
が前述の考え方が基本的に使える。また、実際に結晶を
成長するにあたっては、成長界面を完全に平面にするこ
とは難しく、ある曲率をもつのが一般的であるが、この
ような場合でも実質的に問題は生じない。
(7)より成長界面と切り出すべきウエハのなす角θ及
び固化率g1 より、不純物濃度偏差dc (%)を得るこ
とができる。以上のように、結晶の成長界面形状とウエ
ハの切り出し角度を制御することにより、ウエハ内の不
純物濃度分布を制御できることがわかる。ここでは、簡
単化のためにいくつかの仮定をおいて説明したが、現実
のボート形状などに適応するためには、やや複雑になる
が前述の考え方が基本的に使える。また、実際に結晶を
成長するにあたっては、成長界面を完全に平面にするこ
とは難しく、ある曲率をもつのが一般的であるが、この
ような場合でも実質的に問題は生じない。
【0026】図3には、偏析係数k=0.15のとき
に、ウエハ内不純物濃度偏差dc (%)がそれぞれ±
6、±10、±20%と結晶中で一定になるように、固
化率g1に従い、結晶育成中に成長界面の傾きθを固化
率の小さな領域で大きく、固化率の小さな領域で小さく
徐々に変えた場合の例を示した。このようにθを変化さ
せることにより、結晶ほぼ全体にわたりウエハ内の不純
物濃度偏差dc を一定に制御できるので好ましい。
に、ウエハ内不純物濃度偏差dc (%)がそれぞれ±
6、±10、±20%と結晶中で一定になるように、固
化率g1に従い、結晶育成中に成長界面の傾きθを固化
率の小さな領域で大きく、固化率の小さな領域で小さく
徐々に変えた場合の例を示した。このようにθを変化さ
せることにより、結晶ほぼ全体にわたりウエハ内の不純
物濃度偏差dc を一定に制御できるので好ましい。
【0027】以上のように、結晶の成長界面形状とウエ
ハの切り出し角度を制御することにより、ウエハ内の不
純物濃度分を制御できることがわかった。ここでは、簡
単化のためにいくつかの仮定を置いて説明したが、現実
のボート形状などに適応するためには、やや複雑になる
が前述の考え方が基本的に使える。また、実際に結晶を
育成するにあたっては、成長界面を完全に平面にするこ
とは難しく、ある曲率を持つのが一般的であるが、この
ような場合でも実質的に問題は生じない。
ハの切り出し角度を制御することにより、ウエハ内の不
純物濃度分を制御できることがわかった。ここでは、簡
単化のためにいくつかの仮定を置いて説明したが、現実
のボート形状などに適応するためには、やや複雑になる
が前述の考え方が基本的に使える。また、実際に結晶を
育成するにあたっては、成長界面を完全に平面にするこ
とは難しく、ある曲率を持つのが一般的であるが、この
ような場合でも実質的に問題は生じない。
【0028】次に、成長界面形状の制御方法について説
明する。固液界面形状は、結晶製造炉内の固液界面付近
の炉長手方向と上下方向の温度勾配で作られる合成温度
勾配ベクトルの方向に対してほぼ垂直に決定される。つ
まり、長手方向の温度勾配を大きくし、上下方向の温度
勾配を小さくすることにより、固液界面形状を垂直に近
くすることが可能である。
明する。固液界面形状は、結晶製造炉内の固液界面付近
の炉長手方向と上下方向の温度勾配で作られる合成温度
勾配ベクトルの方向に対してほぼ垂直に決定される。つ
まり、長手方向の温度勾配を大きくし、上下方向の温度
勾配を小さくすることにより、固液界面形状を垂直に近
くすることが可能である。
【0029】このように、固液界面形状を炉内の温度勾
配により制御することにより、切り出すべきウエハとの
なす角θを決定することができ、ウエハ面内の固化率分
布を発生させ、実質的にウエハ内の不純物濃度勾配を作
成することができる。
配により制御することにより、切り出すべきウエハとの
なす角θを決定することができ、ウエハ面内の固化率分
布を発生させ、実質的にウエハ内の不純物濃度勾配を作
成することができる。
【0030】固液界面形状としては、結晶の固化を原料
融液の自由表面から始まりボートの底部に向けて進行さ
せるように、結晶上方と下方では上方をメルト側に出し
て成長させる方が、結晶欠陥の少ない結晶を得ることが
できるので好ましい。
融液の自由表面から始まりボートの底部に向けて進行さ
せるように、結晶上方と下方では上方をメルト側に出し
て成長させる方が、結晶欠陥の少ない結晶を得ることが
できるので好ましい。
【0031】前記第1の発明におけるウエハ面内の不純
物濃度偏差dc としては、添加した不純物により異なる
が、概してdc ≧±6%であることが好ましく、さらに
±8%以上、好ましくは±10%以上が好ましい。さら
に±20%以上の大きな濃度偏差である方がより好まし
い。しかし、±100%以上の濃度偏差があると作成し
たデバイスの素子抵抗がばらつくなどの問題が顕著にな
り、デバイス特性の均質化の点からあまり好ましくな
い。GaAsにSiを添加した場合には、上記の濃度偏
差であることが好ましいが、Znを添加した場合にはd
c ≧±5%でもある程度の効果がある。
物濃度偏差dc としては、添加した不純物により異なる
が、概してdc ≧±6%であることが好ましく、さらに
±8%以上、好ましくは±10%以上が好ましい。さら
に±20%以上の大きな濃度偏差である方がより好まし
い。しかし、±100%以上の濃度偏差があると作成し
たデバイスの素子抵抗がばらつくなどの問題が顕著にな
り、デバイス特性の均質化の点からあまり好ましくな
い。GaAsにSiを添加した場合には、上記の濃度偏
差であることが好ましいが、Znを添加した場合にはd
c ≧±5%でもある程度の効果がある。
【0032】図2には、成長界面の傾きθ=60゜のと
きに、偏析係数k=0.15、0.3、0.8の場合
で、それぞれのウエハ上部での固化率g1 に対する、各
ウエハ面内の濃度偏差dc (%)の計算結果を示した。
図からわかるように固化率が1に近づくに従って濃度偏
差dc を大きくすることができるのがわかる。ウエハ内
不純物濃度偏差±6%以上のウエハを得るには、k=
0.15の場合を例にとると、θ=60゜では固化率g
1 が約0.5以上の部分から切り出すことによって得る
ことができる。
きに、偏析係数k=0.15、0.3、0.8の場合
で、それぞれのウエハ上部での固化率g1 に対する、各
ウエハ面内の濃度偏差dc (%)の計算結果を示した。
図からわかるように固化率が1に近づくに従って濃度偏
差dc を大きくすることができるのがわかる。ウエハ内
不純物濃度偏差±6%以上のウエハを得るには、k=
0.15の場合を例にとると、θ=60゜では固化率g
1 が約0.5以上の部分から切り出すことによって得る
ことができる。
【0033】図3には、偏析係数k=0.15を例に、
ウエハ内不純物濃度偏差dc (%)がそれぞれ±6%、
±10%、±20%と結晶中で一定になる固化率g1 に
対する成長界面の傾きθを示した。例えばdc =±10
%以上のウエハを結晶全体から得るためには、結晶固化
率に対してθを図3に示したdc =10%の曲線の示す
θより大きくすれば得られることになる。つまり、結晶
全体にわたりθ=70°程度とする方法等、いくつかの
方法が考えられる。
ウエハ内不純物濃度偏差dc (%)がそれぞれ±6%、
±10%、±20%と結晶中で一定になる固化率g1 に
対する成長界面の傾きθを示した。例えばdc =±10
%以上のウエハを結晶全体から得るためには、結晶固化
率に対してθを図3に示したdc =10%の曲線の示す
θより大きくすれば得られることになる。つまり、結晶
全体にわたりθ=70°程度とする方法等、いくつかの
方法が考えられる。
【0034】しかし、ウエハ内の不純物濃度の範囲は、
作成されるデバイスにより許容される所定の範囲があ
り、ウエハ内のほとんど全ての点でこの不純物濃度範囲
に入る必要がある。育成された結晶からウエハ切り出し
可能な領域のほとんど全てが、この所定の不純物濃度範
囲内になるように設計することにより、効率よく所定の
不純物濃度のウエハを切り出すことができ好ましい。
作成されるデバイスにより許容される所定の範囲があ
り、ウエハ内のほとんど全ての点でこの不純物濃度範囲
に入る必要がある。育成された結晶からウエハ切り出し
可能な領域のほとんど全てが、この所定の不純物濃度範
囲内になるように設計することにより、効率よく所定の
不純物濃度のウエハを切り出すことができ好ましい。
【0035】結晶のテール付近から切りだしたウエハ内
の最大不純物濃度を、所定の範囲に設計するための方法
としては、式(1)のC0 を適当な大きさにする必要が
ある。しかしながら、テール付近での成長界面形状の傾
きθが大きい場合と小さい場合を考えると、ウエハ内の
不純物濃度が最大となる点での実効固化率は、θが大き
い方が1により近くなる。このため、θが大きくなる
と、このC0 を非常に小さくする必要が生じ、種結晶に
近い部分の不純物濃度を非常に小さくする必要があり、
ウエハ切りだし可能な領域全体で所定の不純物濃度にす
ることが難しくなる。
の最大不純物濃度を、所定の範囲に設計するための方法
としては、式(1)のC0 を適当な大きさにする必要が
ある。しかしながら、テール付近での成長界面形状の傾
きθが大きい場合と小さい場合を考えると、ウエハ内の
不純物濃度が最大となる点での実効固化率は、θが大き
い方が1により近くなる。このため、θが大きくなる
と、このC0 を非常に小さくする必要が生じ、種結晶に
近い部分の不純物濃度を非常に小さくする必要があり、
ウエハ切りだし可能な領域全体で所定の不純物濃度にす
ることが難しくなる。
【0036】このため、前記第1の発明にあるようテー
ル付近(少なくとも直胴部の最もテール寄りのウエハ切
り出し位置の固化時)では、θが小さくなるように成長
界面を制御しウエハ内の不純物濃度分布を±40%以下
にすることが好ましい。さらに±30%以下、±20%
以下、さらには±10%以下にすることが同様の理由で
好ましい。
ル付近(少なくとも直胴部の最もテール寄りのウエハ切
り出し位置の固化時)では、θが小さくなるように成長
界面を制御しウエハ内の不純物濃度分布を±40%以下
にすることが好ましい。さらに±30%以下、±20%
以下、さらには±10%以下にすることが同様の理由で
好ましい。
【0037】また、図2に示したように、結晶全体にわ
たってθを一定にして育成すると、得られた結晶のシー
ド側ウエハ内の不純物濃度偏差とテール側ウエハ内の不
純物濃度偏差では約10倍以上も異なることが生じる。
このようにウエハ間でウエハ内dc の差が10倍以上と
大き過ぎると、エピタキシャル条件を変更する必要が生
じる。このため、前記第3の発明にあるように、ウエハ
間でのウエハ内dc の差を5倍以内にすることが好まし
い。さらに4倍以下、2倍以下とすることが好ましい。
たってθを一定にして育成すると、得られた結晶のシー
ド側ウエハ内の不純物濃度偏差とテール側ウエハ内の不
純物濃度偏差では約10倍以上も異なることが生じる。
このようにウエハ間でウエハ内dc の差が10倍以上と
大き過ぎると、エピタキシャル条件を変更する必要が生
じる。このため、前記第3の発明にあるように、ウエハ
間でのウエハ内dc の差を5倍以内にすることが好まし
い。さらに4倍以下、2倍以下とすることが好ましい。
【0038】具体的には、図3に示した同一dc の得ら
れる曲線にほぼ平行になるように、固化率g1 に対し成
長界面の傾きθを変化させることで、ウエハ間でdc の
差を小さくできる。このため、結晶成長にともない結晶
育成炉内の成長界面付近の炉長手方向の温度勾配を、炉
上下方向の温度勾配に対し相対的に大きくし、θを徐々
に小さくすることにより実現できる。
れる曲線にほぼ平行になるように、固化率g1 に対し成
長界面の傾きθを変化させることで、ウエハ間でdc の
差を小さくできる。このため、結晶成長にともない結晶
育成炉内の成長界面付近の炉長手方向の温度勾配を、炉
上下方向の温度勾配に対し相対的に大きくし、θを徐々
に小さくすることにより実現できる。
【0039】またこの不純物濃度偏差は、ウエハ内の単
なる不純物濃度分布のばらつきではなく、ウエハ内一方
から他方にかけてのほぼ一様な濃度勾配を有している方
が、エピタキシャル成長膜の均質性が向上し好ましい。
なる不純物濃度分布のばらつきではなく、ウエハ内一方
から他方にかけてのほぼ一様な濃度勾配を有している方
が、エピタキシャル成長膜の均質性が向上し好ましい。
【0040】この不純物濃度の分析方法としては、SI
MS等の直接分析の他に、電気的なキャリヤ濃度分布測
定により代替することも可能である。このとき、不純物
の電気的活性化率を考慮して不純物濃度分布を決定する
ことがさらに好ましい。
MS等の直接分析の他に、電気的なキャリヤ濃度分布測
定により代替することも可能である。このとき、不純物
の電気的活性化率を考慮して不純物濃度分布を決定する
ことがさらに好ましい。
【0041】また、濃度偏差を大きくするためには、結
晶固液界面と切り出しウエハ角度の差θを大きくするこ
とが望まる。このため、(100)面方位ウエハを切り
出すためには、ボート長手方向にほぼ平行に<100>
方向に等価な方向を選び、固液界面を垂直より傾けるこ
とにより、大きな不純物濃度勾配をウエハ中に作成する
ことができるため好ましい。
晶固液界面と切り出しウエハ角度の差θを大きくするこ
とが望まる。このため、(100)面方位ウエハを切り
出すためには、ボート長手方向にほぼ平行に<100>
方向に等価な方向を選び、固液界面を垂直より傾けるこ
とにより、大きな不純物濃度勾配をウエハ中に作成する
ことができるため好ましい。
【0042】また、θの範囲としては30゜以上が好ま
しく、さらに40゜以上、50゜以上、60゜以上、7
0゜以上と大きくした方が、不純物濃度偏差dc を大き
くできること、及び、切り出したウエハ面内に多くの成
長縞を有するようになり、後述のような理由で好まし
い。
しく、さらに40゜以上、50゜以上、60゜以上、7
0゜以上と大きくした方が、不純物濃度偏差dc を大き
くできること、及び、切り出したウエハ面内に多くの成
長縞を有するようになり、後述のような理由で好まし
い。
【0043】しかしながら、結晶中に晶癖(ファセッ
ト)が発生する場合がある。このファセットは、成長の
メカニズムが他の部分と異なるために、ウエハ内の大部
分にこのファセットが現れると、デバイス特性に悪影響
を与えることがわかった。閃亜鉛鉱型結晶の場合には、
このファセットは一般に(111)等価面に現れる。こ
のため、成長界面がほぼ(111)等価面と平行になる
と、(111)等価面がファセットとなりやすい面であ
るから、成長界面のほとんど全体がファセットとなり、
ウエハ内の多く部分にファセットが取り込まれ好ましく
ないので、成長界面形状はある程度(111)等価面か
らずらすことが好ましい。
ト)が発生する場合がある。このファセットは、成長の
メカニズムが他の部分と異なるために、ウエハ内の大部
分にこのファセットが現れると、デバイス特性に悪影響
を与えることがわかった。閃亜鉛鉱型結晶の場合には、
このファセットは一般に(111)等価面に現れる。こ
のため、成長界面がほぼ(111)等価面と平行になる
と、(111)等価面がファセットとなりやすい面であ
るから、成長界面のほとんど全体がファセットとなり、
ウエハ内の多く部分にファセットが取り込まれ好ましく
ないので、成長界面形状はある程度(111)等価面か
らずらすことが好ましい。
【0044】また、ウエハ面内の固化率偏差を大きくす
るためには、結晶の長さを1m以内とし、好ましくは8
00mm以下、さらに600mm以下と短くする方が結
晶成長距離に対する固化率の変化が大きくなるために好
ましい。
るためには、結晶の長さを1m以内とし、好ましくは8
00mm以下、さらに600mm以下と短くする方が結
晶成長距離に対する固化率の変化が大きくなるために好
ましい。
【0045】
【作用】従来一般的に、不純物濃度偏差が小さい方がデ
バイス特性のばらつきが小さくなると信じられてきた
が、本発明においては、ウエハ面内に不純物濃度偏差が
あることにより、液相エピタキシャル成長、気相エピタ
キシャル成長や、分子線エピタキシャル成長などを行う
際に、エピタキシャル成長した膜厚分布に従来生じてい
た小さなゆらぎが非常に小さくなることが実験的に確か
められた。このメカニズムについては詳細にはわかって
いないが、次のように推測している。
バイス特性のばらつきが小さくなると信じられてきた
が、本発明においては、ウエハ面内に不純物濃度偏差が
あることにより、液相エピタキシャル成長、気相エピタ
キシャル成長や、分子線エピタキシャル成長などを行う
際に、エピタキシャル成長した膜厚分布に従来生じてい
た小さなゆらぎが非常に小さくなることが実験的に確か
められた。このメカニズムについては詳細にはわかって
いないが、次のように推測している。
【0046】基板上にエピタキシャル成長させる現象
は、(1)基板表面に成長の核となるべき2次元核(ス
テップ)の生成、(2)原料供給源である環境相からの
原子や分子の基板表面拡散、(3)前記ステップへの原
子や分子の取り込みによるステップの面内方向成長、こ
の3つ過程の総合的結果としてエピタキシャル成長を行
うことができる。
は、(1)基板表面に成長の核となるべき2次元核(ス
テップ)の生成、(2)原料供給源である環境相からの
原子や分子の基板表面拡散、(3)前記ステップへの原
子や分子の取り込みによるステップの面内方向成長、こ
の3つ過程の総合的結果としてエピタキシャル成長を行
うことができる。
【0047】これらの現象を制御するうえで最も大切な
条件の一つが、基板上に供給する原料原子あるいは分子
の過冷却状態である。液相エピタキシャルの場合には、
原料融液の組成と温度の制御、また気相エピタキシャル
成長の場合には、基板ウエハ温度とガス圧の制御によ
り、この過冷却状態を制御できる。
条件の一つが、基板上に供給する原料原子あるいは分子
の過冷却状態である。液相エピタキシャルの場合には、
原料融液の組成と温度の制御、また気相エピタキシャル
成長の場合には、基板ウエハ温度とガス圧の制御によ
り、この過冷却状態を制御できる。
【0048】一般に過冷却度が小さい方が成長速度は小
さいものの良好なエピタキシャル結晶を得やすい。しか
し、過冷却度が小さすぎるとステップの生成が起こりに
くくなる。このため、適当な確率でステップを生成し、
また良好な結晶が得られるように成長速度を適当な速度
に制御することが必要となるが、この適当な過冷却度範
囲は狭い。
さいものの良好なエピタキシャル結晶を得やすい。しか
し、過冷却度が小さすぎるとステップの生成が起こりに
くくなる。このため、適当な確率でステップを生成し、
また良好な結晶が得られるように成長速度を適当な速度
に制御することが必要となるが、この適当な過冷却度範
囲は狭い。
【0049】また、基板ウエハ内の転位欠陥などが多い
と、転位欠陥の周りに生じる表面エネルギーの歪によ
り、その転位の周辺にウエハ表面を拡散している原子や
分子がトラップされやすく、前記2次元核生成は比較的
低い過冷却度で生じやすくなる。しかし、転位欠陥が多
いとデバイスの電気特性や信頼性に悪影響を与えるため
に好ましくない。
と、転位欠陥の周りに生じる表面エネルギーの歪によ
り、その転位の周辺にウエハ表面を拡散している原子や
分子がトラップされやすく、前記2次元核生成は比較的
低い過冷却度で生じやすくなる。しかし、転位欠陥が多
いとデバイスの電気特性や信頼性に悪影響を与えるため
に好ましくない。
【0050】本発明による不純物濃度偏差が大きいウエ
ハや、ウエハ内に多くの成長縞を持つように結晶成長界
面と30度以上の角度で切り出したウエハには、適当な
表面エネルギーのゆらぎが生じていると考えられる。こ
の表面エネルギーがゆらいでいる部分に、エピタキシャ
ル成長中にウエハ表面を拡散している原子や分子を選択
的にトラップすることができ、2次元核生成を比較的低
い過冷却度でも安定に生じさせることができ、膜厚分布
の平坦なエピタキシャル成長ができると考えられる。
ハや、ウエハ内に多くの成長縞を持つように結晶成長界
面と30度以上の角度で切り出したウエハには、適当な
表面エネルギーのゆらぎが生じていると考えられる。こ
の表面エネルギーがゆらいでいる部分に、エピタキシャ
ル成長中にウエハ表面を拡散している原子や分子を選択
的にトラップすることができ、2次元核生成を比較的低
い過冷却度でも安定に生じさせることができ、膜厚分布
の平坦なエピタキシャル成長ができると考えられる。
【0051】これに対して、従来の不純物濃度偏差の小
さなウエハ基板にエピタキシャル成長を行うときには、
表面エネルギーのゆらぎが非常に小さく、過冷却度の低
い条件では2次元核発生が起こりにくい。また、ある程
度過冷却度を大きくするとウエハ面内の表面エネルギー
がほぼ等しいため、あるしきい値的な過冷却度を越える
と、ウエハ面内のいたるところで非常に多くの2次元核
が発生する。そして、それぞれの核を中心に急速な結晶
成長が起こることになり、このことが膜厚分布の微小な
ゆらぎの原因になっていると考えられる。
さなウエハ基板にエピタキシャル成長を行うときには、
表面エネルギーのゆらぎが非常に小さく、過冷却度の低
い条件では2次元核発生が起こりにくい。また、ある程
度過冷却度を大きくするとウエハ面内の表面エネルギー
がほぼ等しいため、あるしきい値的な過冷却度を越える
と、ウエハ面内のいたるところで非常に多くの2次元核
が発生する。そして、それぞれの核を中心に急速な結晶
成長が起こることになり、このことが膜厚分布の微小な
ゆらぎの原因になっていると考えられる。
【0052】以上のような理由で、近年素子サイズの縮
小化や半導体レーザーなどの高出力化、あるいは多くの
素子をチップ内に集積する技術の進歩により問題化して
きた、エピタキシャル成長膜の膜厚分布の微小なゆらぎ
の発生を、本発明のようにウエハ基板の不純物濃度偏差
を大きくすることにより解決することができる。
小化や半導体レーザーなどの高出力化、あるいは多くの
素子をチップ内に集積する技術の進歩により問題化して
きた、エピタキシャル成長膜の膜厚分布の微小なゆらぎ
の発生を、本発明のようにウエハ基板の不純物濃度偏差
を大きくすることにより解決することができる。
【0053】
(実施例1)以下、GaAsの単結晶を製造する場合の
実施例について説明する。結晶育成用ボートの長手方向
に垂直な断面形状が、約80%が円形状をしたボートを
用い、育成すべき結晶のボート長手方向に対して<10
0>方向に等価な一つの方向が平行になるように種結晶
を設置した。
実施例について説明する。結晶育成用ボートの長手方向
に垂直な断面形状が、約80%が円形状をしたボートを
用い、育成すべき結晶のボート長手方向に対して<10
0>方向に等価な一つの方向が平行になるように種結晶
を設置した。
【0054】図4のようにボート3の中に約4000g
のGa(符号4)と微量のSiを入れ、反応容器7の他
端にAs(符号6)を約4400g入れ反応容器7内を
真空状態に減圧し封じきる。次に反応容器7を結晶育成
炉にいれ昇温し、GaとAs蒸気を反応させGaAsを
合成する。その後、種結晶5とGaAs融液を接触させ
る。
のGa(符号4)と微量のSiを入れ、反応容器7の他
端にAs(符号6)を約4400g入れ反応容器7内を
真空状態に減圧し封じきる。次に反応容器7を結晶育成
炉にいれ昇温し、GaとAs蒸気を反応させGaAsを
合成する。その後、種結晶5とGaAs融液を接触させ
る。
【0055】その後、融液の温度を徐々に下げて冷却し
結晶の育成を行う。このときの成長界面が、鉛直方向よ
り約60度傾くように、育成炉内の長手方向温度勾配と
上下方向の温度勾配を調整した。さらに、完全に固化後
さらに温度を室温まで下げて、結晶を取り出すことによ
り、GaAs単結晶約8300gを得ることができた。
結晶の育成を行う。このときの成長界面が、鉛直方向よ
り約60度傾くように、育成炉内の長手方向温度勾配と
上下方向の温度勾配を調整した。さらに、完全に固化後
さらに温度を室温まで下げて、結晶を取り出すことによ
り、GaAs単結晶約8300gを得ることができた。
【0056】得られた結晶を長手方向に垂直に切断する
ことにより、(100)等価面円形ウエハを作成するこ
とができた。このウエハ内のキャリヤ濃度偏差は固化率
の小さなシード側では±5%で、固化率の1に近いテー
ル側では±60%のものが得られた。これらのウエハ表
面を鏡面研磨しエピタキシャル成長の基板とした。
ことにより、(100)等価面円形ウエハを作成するこ
とができた。このウエハ内のキャリヤ濃度偏差は固化率
の小さなシード側では±5%で、固化率の1に近いテー
ル側では±60%のものが得られた。これらのウエハ表
面を鏡面研磨しエピタキシャル成長の基板とした。
【0057】エピタキシャル成長は、気相成長の一種で
あるMOCVD法により行った。原料ガスとしては、T
MG(トリメチルガリウム)、アルシン(AsH3 :水
素化ひ素)、TMA(トリメチルアルミニウム)を用い
AlGaAsを成長させた。ドーパントガスとしては、
DEZn(ジエチル亜鉛)やセレン化水素を用いた。こ
れらのガスを所定の分圧で水素ガスをキャリヤガスとし
て反応容器内に導入し、反応圧力約0.1気圧、基板ウ
エハ温度を約700℃としてエピタキシャル成長を行っ
た。
あるMOCVD法により行った。原料ガスとしては、T
MG(トリメチルガリウム)、アルシン(AsH3 :水
素化ひ素)、TMA(トリメチルアルミニウム)を用い
AlGaAsを成長させた。ドーパントガスとしては、
DEZn(ジエチル亜鉛)やセレン化水素を用いた。こ
れらのガスを所定の分圧で水素ガスをキャリヤガスとし
て反応容器内に導入し、反応圧力約0.1気圧、基板ウ
エハ温度を約700℃としてエピタキシャル成長を行っ
た。
【0058】得られたウエハのエピタキシャル膜の膜厚
分布の微小なゆらぎはほとんど無く、非常に平坦なもの
であった。また、このエピタキシャル成長したウエハか
ら半導体レーザーを作成した結果、輝度のばらつきは従
来ウエハを用いた場合の約1/3であり非常に良好であ
った。
分布の微小なゆらぎはほとんど無く、非常に平坦なもの
であった。また、このエピタキシャル成長したウエハか
ら半導体レーザーを作成した結果、輝度のばらつきは従
来ウエハを用いた場合の約1/3であり非常に良好であ
った。
【0059】(実施例2)実施例1と同様のボートを使
用し、結晶育成炉内で同様の方法でGaとAs蒸気を反
応させGaAsを合成する。その後、種結晶とGaAs
融液を接触させる。その後、融液の温度を徐々に下げて
冷却し結晶の育成を行う。このとき、固化率の小さいシ
ード側では、成長界面形状を鉛直方向より約80度傾く
ように、育成炉内の長手方向温度勾配と上下方向の温度
勾配を調整した。さらに、結晶が成長するに従い角度を
小さくし、テール付近では約50度になるように温度勾
配を調整した。さらに、完全に固化後さらに温度を室温
まで下げて、結晶を取り出すことによりGaAs単結晶
約8300gを得ることができた。
用し、結晶育成炉内で同様の方法でGaとAs蒸気を反
応させGaAsを合成する。その後、種結晶とGaAs
融液を接触させる。その後、融液の温度を徐々に下げて
冷却し結晶の育成を行う。このとき、固化率の小さいシ
ード側では、成長界面形状を鉛直方向より約80度傾く
ように、育成炉内の長手方向温度勾配と上下方向の温度
勾配を調整した。さらに、結晶が成長するに従い角度を
小さくし、テール付近では約50度になるように温度勾
配を調整した。さらに、完全に固化後さらに温度を室温
まで下げて、結晶を取り出すことによりGaAs単結晶
約8300gを得ることができた。
【0060】得られた結晶を長手方向に垂直に切断する
ことにより、(100)等価面円形ウエハを作成するこ
とができた。このウエハ内のキャリヤ濃度偏差は、固化
率の小さなシード側では±20%で、固化率の1に近い
テール側では±25%のものが得られた。実施例1に比
較しウエハ内のキャリヤ偏差は、シード側とテール側で
余り変化しない結晶を得ることができた。これらのウエ
ハ表面を鏡面研磨しエピタキシャル成長の基板とした。
ことにより、(100)等価面円形ウエハを作成するこ
とができた。このウエハ内のキャリヤ濃度偏差は、固化
率の小さなシード側では±20%で、固化率の1に近い
テール側では±25%のものが得られた。実施例1に比
較しウエハ内のキャリヤ偏差は、シード側とテール側で
余り変化しない結晶を得ることができた。これらのウエ
ハ表面を鏡面研磨しエピタキシャル成長の基板とした。
【0061】エピタキシャル成長は、実施例1と同様
に、原料ガスとしてTMG、アルシン、TMAを用いA
lGaAsを成長させた。得られたウエハのエピタキシ
ャル膜の膜厚分布の微小なゆらぎはほとんど無く非常に
平坦なものであった。またこのエピタキシャル成長した
ウエハから半導体レーザーを作成した結果、輝度のばら
つきは従来ウエハを用いた場合の約1/4であり、実施
例1に比べても非常に良好であった。これは、それぞれ
のウエハ内キャリヤ偏差の大きさが、育成された結晶か
らのウエハ切り出し位置により余り変わらなかったため
と考えられる。
に、原料ガスとしてTMG、アルシン、TMAを用いA
lGaAsを成長させた。得られたウエハのエピタキシ
ャル膜の膜厚分布の微小なゆらぎはほとんど無く非常に
平坦なものであった。またこのエピタキシャル成長した
ウエハから半導体レーザーを作成した結果、輝度のばら
つきは従来ウエハを用いた場合の約1/4であり、実施
例1に比べても非常に良好であった。これは、それぞれ
のウエハ内キャリヤ偏差の大きさが、育成された結晶か
らのウエハ切り出し位置により余り変わらなかったため
と考えられる。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、ウエハ内
の不純物濃度偏差を大きくすることにより、エピタキシ
ャル成長膜の均質性がはかれ、デバイス特性のばらつき
の低減や、特性向上などの優れた効果がある。
の不純物濃度偏差を大きくすることにより、エピタキシ
ャル成長膜の均質性がはかれ、デバイス特性のばらつき
の低減や、特性向上などの優れた効果がある。
【図1】結晶成長界面形状とウエハ切り出し面との関係
を示す模式的な結晶側断面図
を示す模式的な結晶側断面図
【図2】結晶成長界面の傾きを一定にした場合のウエハ
面内不純物濃度偏差dcと固化率g1 の関係を示すグラ
フ
面内不純物濃度偏差dcと固化率g1 の関係を示すグラ
フ
【図3】ウエハ面内不純物濃度偏差dc が一定になるよ
うな固化率g1 に対する結晶成長界面の傾きθを示すグ
ラフ
うな固化率g1 に対する結晶成長界面の傾きθを示すグ
ラフ
【図4】ボート法により結晶を育成する場合の反応容器
の長手方向の側断面図
の長手方向の側断面図
1a:結晶成長界面 1b:結晶成長界面 2:切り出すべきウエハ 3:ボート 4:Ga 5:種結晶 6:As 7:反応容器
Claims (6)
- 【請求項1】ボート法により製造された化合物半導体単
結晶から製造されるウエハにおいて、不純物を添加され
た原料融液を用いて育成された化合物半導体単結晶より
切り出したウエハの面内における前記不純物の濃度偏差
を±6%以上としたことを特徴とする化合物半導単体結
晶ウエハ。 - 【請求項2】ボート法により製造された化合物半導体単
結晶から製造されるウエハにおいて、偏析係数1以下の
不純物を添加された原料融液を用いて育成した結晶から
結晶長手方向に対し垂直から30度以内の角度でウエハ
を切り出し、育成された結晶の直胴部のテール付近から
切り出されたウエハ面内の不純物濃度偏差が±6%以上
±40%以下である請求項1記載の化合物半導体単結晶
ウエハ。 - 【請求項3】ボート法により製造された化合物半導体単
結晶から製造されるウエハにおいて、前記結晶の成長界
面が(111)等価面と非平行になるよう育成された化
合物半導体単結晶から切り出したウエハの面内の少なく
とも半分以上の部分で、実質的に前記結晶成長界面と切
り出すウエハ面とのなす角が30度以上であることを特
徴とする化合物半導体単結晶ウエハ。 - 【請求項4】ボート法により製造された化合物半導体単
結晶からウエハを製造する方法において、結晶育成装置
炉内の結晶成長界面付近の炉長手方向及び炉上下方向の
それぞれの温度勾配を固化率により変化させることによ
り、育成された結晶から切り出されたウエハ面内の不純
物濃度分布が、ウエハ切りだし位置により大きく変化し
ないようにすることを特徴とする化合物半導体単結晶ウ
エハの製造方法。 - 【請求項5】ボート法により製造された化合物半導体単
結晶からウエハを製造する方法において、育成すべき化
合物半導体単結晶が閃亜鉛鉱型結晶構造を有し、育成さ
れる化合物半導体単結晶の<100>方向に等価な一つ
の方向が、ボートの長手方向から30度以内とされてい
る請求項4記載の化合物半導体単結晶ウエハの製造方
法。 - 【請求項6】請求項1〜3いずれか1項記載の化合物半
導体単結晶ウエハを基板とし、前記基板上にエピタキシ
ャル成長により半導体層を積層させることを特徴とする
エピタキシャル成長方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18068493A JPH0710678A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 化合物半導体単結晶ウエハ及びその製造方法並びにエピタキシャル成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18068493A JPH0710678A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 化合物半導体単結晶ウエハ及びその製造方法並びにエピタキシャル成長方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0710678A true JPH0710678A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=16087502
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18068493A Pending JPH0710678A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 化合物半導体単結晶ウエハ及びその製造方法並びにエピタキシャル成長方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0710678A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2023209867A1 (ja) * | 2022-04-27 | 2023-11-02 |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP18068493A patent/JPH0710678A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2023209867A1 (ja) * | 2022-04-27 | 2023-11-02 | ||
| WO2023209867A1 (ja) * | 2022-04-27 | 2023-11-02 | 住友電気工業株式会社 | Iii-v族化合物半導体単結晶基板およびその製造方法 |
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