JPH07107719A - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

永久磁石式回転電機

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JPH07107719A
JPH07107719A JP24898793A JP24898793A JPH07107719A JP H07107719 A JPH07107719 A JP H07107719A JP 24898793 A JP24898793 A JP 24898793A JP 24898793 A JP24898793 A JP 24898793A JP H07107719 A JPH07107719 A JP H07107719A
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JP
Japan
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permanent magnet
magnetic
electric machine
magnetic flux
iron core
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JP24898793A
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English (en)
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Kazuto Sakai
和人 堺
Toshiro Hasebe
寿郎 長谷部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保持環があってもステータと鎖交する径方向
磁束量の低下を抑え、コギングトルクや電磁気的損失を
低減した永久磁石式回転電機を提供する。 【構成】 永久磁石6を固定する保持環7を飽和磁束密
度の低い磁性材で形成し、この場合0.5〜0.8
(T)の磁束密度にて比透磁率が100以上、1.6
(T)では100以下としたり、永久磁石6の極間部に
新たな永久磁石10を直交する磁化方向にて配置し、ま
た、スロット3aにはまる磁性楔20をけい素鋼板やア
モルファス、磁束密度0.5〜0.8(T)にて比透磁
率100以上、1.6(T)以上100以下の材料と
し、スロットを内側から覆う円筒体22も同一材とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速回転や高温環境
下にて運転される永久磁石式回転電機に関し、更にステ
ータの鉄心スロットによる弊害を是正した永久磁石式回
転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】回転電機を超高速、一例として2000
0rpm以上の高速にて運転する場合、誘導機や一般の
回転界磁の同期機では、ロータの遠心力がかなり大きく
なってロータのコイルはこの遠心力に耐えられず、また
ロータのコイルによる熱にてロータが歪んだり軸方向に
伸びてしまい高速回転に耐えられないという問題があ
る。
【0003】ところが、ロータの界磁として永久磁石を
用いた回転電機にあっては、ロータにコイルが存在しな
いため熱は発生せず、超高速回転は比較的容易である
が、前述の如き遠心力が永久磁石に働き、永久磁石をロ
ータ鉄心に固定する接着剤がこの遠心力の引っ張り強度
に耐えられず飛散することもあるので、外側から永久磁
石の固定手段が施されている。
【0004】永久磁石式回転電機の構成例としては、図
20に示すようにステータ鉄心2とコイル3とを有する
ステータ1、シャフトのまわりのロータ鉄心5とその表
面外周に永久磁石6を備えたロータ4を有する。そし
て、前述の遠心力による永久磁石6の飛散を防止するた
め、永久磁石6を外側から固定する非磁性材の保持環7
が備えられている。
【0005】この場合、保持環7として、ヨークに用い
られるS45C等の磁性材を用いる場合には、保持環7
と永久磁石6とロータ鉄心5とにより閉磁路が形成さ
れ、界磁磁束の多くはステータコイル3と鎖交せず回転
電機の出力としては非常に小さい。したがって、保持環
7としては、SUS304とかインコネル等の非磁性鋼
材からなるかなりの厚さのものが用いられ、更には、タ
ングステンワイヤとかケプラ繊維等の線材、エポキシガ
ラステープ等を巻き付けることによっても形成され得
る。
【0006】また、永久磁石式回転電機を例えば200
℃以上の高温環境下にて使用する場合には、ロータ鉄心
5に永久磁石6を固定するための接着剤は熱劣化して接
着力がなくなるので、前述の超高速回転における遠心力
対策と同様、保持環7を設けて永久磁石6を固定すると
いう手段が採られる。
【0007】次に、永久磁石式回転電機にあってステー
タ鉄心におけるスロットについて考察するに、図21に
示すように永久磁石式回転電機のステータ鉄心2の内周
には、コイル3が配置されたスロット3aが存在する。
そして、このスロット3aの鉄心空隙面に臨む開口部
は、大容量機の場合には開口スロット、小容量機の場合
は半閉スロットであるが、その開口部には例えばフェラ
イト材や鉄分を含有したエポキシ樹脂からなる磁性楔3
bが配置されている。この磁性楔3bはスロット3aに
よる回転電機特性への影響を緩和するためのものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、永久磁石式回
転電機にあって、超高速回転に対応させるための非磁性
材の保持環7の存在は、ステータ1とロータ4との空隙
部の空隙長を長くし、空隙部間で起磁力が大きく低下
し、空隙磁束密度は低下してしまい回転電機としての出
力低下をもたらす。
【0009】このことは、高温環境下における熱劣化に
ともなう非磁性材の保持環の存在によっても、全く同様
の現象が生ずる。また、永久磁石式回転電機ではそのス
テータ鉄心2にスロット3aがあるため、永久磁石6の
中心が歯2aと対向する位置にあるか、スロット3aと
対向する位置にあるかによって、空隙パーミアンスが変
化する。このため、無励磁であってもロータ4を保持し
ようとするコギングトルクが発生し、このコギングトル
クはモータ出力軸における駆動トルクや回転速度の脈動
を起こす。特に、開口スロットの回転電機においては、
コギングトルクは非常に大きくなってしまう。また、磁
石表面を局部的にみるとき、スロット3aと歯2aとの
位置によって永久磁石6の動作点及び空隙磁束密度が大
きく変化し、そのため、永久磁石6に渦電流が生じた
り、ヒステリシス損等の電磁気的損失が発生する。
【0010】本発明は、上述の問題に鑑み、超高速回転
のための保持環があってもステータと鎖交する界磁の磁
束量を低下させず、また回転電機の体積を大きくするこ
となく、永久磁石をロータ鉄心に強固に固定できる永久
磁石式回転電機の提供を目的とする。
【0011】また、本発明は、ステータによるスロット
の存在に基づくコギングトルクの抑制及び電磁的損失の
軽減を図り、特性の良い永久磁石式回転電機の提供を目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、磁性材の鉄心にコイルを巻いて電機子と
したステータと、磁性材の鉄心の表面円周方向に配置さ
れた永久磁石を飽和磁束密度の低い磁性材にて作った保
持環にて覆い固定したロータと、を有することを要旨と
する。
【0013】また、本発明は、保持環は、磁束密度が
0.5〜0.8(T)にて比透磁率が100以上であ
り、かつ磁束密度が1.6(T)以上にて比透磁率が1
00以下である磁気特性を有する磁性材からなることを
要旨とする。
【0014】さらに、本発明は、磁性材の鉄心の表面円
周方向に配置される永久磁石の極間部に更に新たな永久
磁石を配置し、しかもこの新たな永久磁石の磁化方向を
極間部を形成するものと永久磁石の磁化方向に対して直
交するように配置したことを要旨とする。
【0015】また、本発明は、スロットと歯とが形成さ
れた鉄心を有するステータと、鉄心表面に永久磁石を配
置したロータと、を有する永久磁石式回転電機におい
て、上記スロットの開口部にけい素鋼板よりなる磁性楔
を配置したことを要旨とする。
【0016】また、本発明は、スロットと歯とが形成さ
れた鉄心を有するステータと、鉄心表面に永久磁石を配
置したロータと、を有する永久磁石式回転電機におい
て、上記スロットの開口部にアモルファス磁性材よりな
る磁性楔を配置したことを要旨とする。
【0017】また、本発明は、スロットと歯とが形成さ
れた鉄心を有するステータと、鉄心表面に永久磁石を配
置したロータと、を有する永久磁石式回転電機におい
て、上記スロットの開口部に、磁束密度が0.5〜0.
8(T)で比透磁率が100以上でありしかも磁束密度
が1.6(T)以上で比透磁率が100以下である磁気
特性を有する軟磁性材の磁性楔を配置したことを要旨と
する。
【0018】また、本発明は、内周にスロットと歯とが
形成された鉄心を有するステータと、鉄心表面に永久磁
石を配置したロータと、を有する永久磁石式回転電機に
おいて、上記ステータの鉄心内周側に上記ロータと対向
して、けい素鋼板の円筒体を配置したことを要旨とす
る。
【0019】また、本発明は、内周にスロットと歯とが
形成された鉄心を有するステータと、鉄心表面に永久磁
石を配置したロータと、を有する永久磁石式回転電機に
おいて、上記ステータの鉄心内周側に上記ロータと対向
して、アモルファス磁性材をスパイラル状に巻いた円筒
体を配置したことを要旨とする。
【0020】さらに、本発明は、内周にスロットと歯と
が形成された鉄心を有するステータと、鉄心表面に永久
磁石を配置したロータと、を有する永久磁石式回転電機
において、上記ステータの鉄心内周側に上記ロータと対
向して、磁束密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が
100以上であり、しかも磁束密度が1.6以上で比透
磁率が100以下である磁気特性を有する軟磁性材の円
筒体を配置したことを要旨とする。
【0021】
【作用】保持環は、それ自体金属板を環状に加工するこ
とにより作っており、例えば約30kgf/mm2 以上の
ものを用いることにより充分強度がとれる。したがっ
て、回転時に発生する永久磁石の遠心力に十分耐えるこ
とができて、永久磁石はロータ鉄心表面に強固に固定さ
れると共に、接着剤が使用できない高温環境下において
も保持環で永久磁石をロータ鉄心に機械的に固定でき
る。
【0022】設計上保持環が無い状態での永久磁石によ
る空隙の磁束密度は、例えば0.8(T)とされるの
で、これに合わせて保持環をこの磁束密度近傍では比透
磁率が比較的高い磁性材にて作ることにより、磁極部分
の径方向においては磁気的な空隙とせず、一方周方向磁
界については磁性材の保持環により周方向の磁束が漏れ
るが、永久磁石の極間部に近づくにつれて磁石表面より
保持環を通して漏れた磁束が集まり、永久磁石の周方向
端部付近にて磁束量が増えるが、この増大した磁束量、
例えば1.6(T)での比透磁率を低くすることによ
り、極間部での磁気抵抗を大きくし、周方向の磁束漏れ
は小量にて飽和する。
【0023】したがって、径方向の磁束密度では比透磁
率が高く磁極端部での高磁束密度では比透磁率が低い、
いわゆる飽和磁束密度の低い磁性材にて保持環を形成す
ることにより、ステータと鎖交する磁束数を極端に減少
させることがなく、回転電機の体積も大きくする必要が
なくなる。
【0024】しかも、永久磁石の極間部へ新たな永久磁
石を更に配置した場合には、新たな永久磁石の磁束はも
との永久磁石の端部に向っているため、もとの界磁永久
磁石の漏れ磁束は極間部磁石の磁束と逆方向となる。こ
の結果、もとの永久磁石の漏れようとする磁束は極間部
磁石に反発され、空隙を通りステータと鎖交する有効磁
束量は更に増大する。
【0025】また、ステータ鉄心にはスロットと歯とが
交互に形成され空隙のパーミアンスが変化し、空隙磁束
は歯と対向する部分に集中して磁束密度分布は歯とスロ
ットとの間で急激に変化するが、永久磁石表面の磁性材
の保持環により歯を通る磁束がなめらかに分布し、この
ため磁気エネルギの変化率が小さくなりコギングトルク
が小さくなる。
【0026】更に、界磁である永久磁石を起磁力源とし
て、永久磁石と磁気的に接続された保持環、空隙、ステ
ータ鉄心、及びロータ鉄心からなる磁気回路を考えた場
合、径方向に厚みがあって周方向に連続する保持環が永
久磁石と直列に配置されるので、永久磁石からみた外部
磁気回路のパーミアンスは回転位置に拘らず一定とな
る。こうして、コギングトルクはわずかとなる。また、
回転電機の磁気回路状態において、永久磁石の磁気特性
曲線(磁束密度−磁化力特性)上の動作点は略一定とな
り、永久磁石の磁気損失は小さくなる。
【0027】更に、本発明においては、スロット開口部
に比較的透磁率の高い磁性楔を配置したことにより空隙
周方向に沿った磁気抵抗は比較的均一となり、空隙磁束
密度分布の部分的落ち込みが小さく、滑らかになる。
【0028】
【実施例】ここで、本発明による実施例を図1〜図19
を参照して説明する。第1の実施例として保持環に関す
るものを説明する。図1は永久磁石式回転電機の一実施
例の軸に沿った断面図、図2は図1のA−A断面図であ
る。図1、図2において、1はけい素鋼板を積層したス
テータ、2はステータ鉄心であり、その内周側にはステ
ータ鉄心2の歯2aとスロット3aとが交互に形成さ
れ、このスロット3a内にコイル3が挿入されている。
【0029】他方、ロータ4を形成するロータ鉄心5は
S45Cの磁性材からなり、このロータ鉄心5の外周表
面には径方向に着磁された永久磁石6が配置されてい
る。本例では2極を構成する2個の磁石6が配置されて
いる。そして、永久磁石6の外周面には、磁性材の保持
環7が配置されている。保持環7の材質としては、磁束
密度が0.5〜0.8(T)にて比透磁率が100以上
であり、しかも磁束密度が1.6(T)以上で比透磁率
が10近くであるSUS630を用いる。
【0030】この保持環7であるSUS630なる材質
は、耐力が約100kgf/mm2 あって、強度が非常に
大きく、回転時に発生する遠心力に十分耐えることがで
き、永久磁石6がロータ鉄心5に強固に固定される。
【0031】図3は本実施例における永久磁石式回転電
機の一例に適用する保持環の磁気特性を示しており、磁
化力に対する磁束密度の増加傾向を表わしている。更
に、図4では保持環の磁束密度に対する比透磁率の関係
を示している。この図4ではS45CとSUS630と
を比較しており、保持環7が無い場合に永久磁石6が発
生する空隙の磁束密度を磁気設計上の0.8(T)にお
いたとき、この0.8(T)におけるSUS630の比
透磁率は120程であり、よって磁極部分の径方向にお
いては保持環7は磁気的な空隙とならず、磁束密度の低
下もわずかとなる。
【0032】一方、周方向磁界では、保持環7が磁性材
であるためこの保持環7に沿って周方向に磁束が漏れる
が、極間部に近づくにつれて磁石表面より保持環7を通
して漏れた磁束が集まってくるため、磁束量が増え、磁
束密度は磁石6の周方向端部付近の保持環7で1.6
(T)以上となり、極間部付近では2(T)以上とな
る。ところが、図4に示すように本実施例の保持環7で
は1.6(T)以上の比透磁率は10近くであり、極間
部での磁気抵抗はかなり大きくなり、周方向の磁束の漏
れは飽和する。
【0033】図6,7,8は、図5に示す解析対象領域
を定めたロータにつき磁界解析の結果を示しており、こ
の場合、保持環7によるロータからの磁束の漏れを検討
するため、ステータのスロットは省きコアのみとした。
また、磁束分布は磁極の中心で対称であるため、図5に
示す1極の1/2極(図5の解析対象領域)で検討して
いる。
【0034】図6は本実施例によるSUS630の保持
環を用いた場合の磁束線図、図7はロータ鉄心と同一材
であるS45Cの磁性材を保持環とした場合の磁束線
図、図8は非磁性材の保持環を用いた場合の磁束線図で
ある。解析によるステータ鉄心内径面の磁束密度分布
は、図6の場合の本実施例では0.75(T)、図7に
示すS45Cの保持環では0.65(T)、図8に示す
非磁性材の保持環では0.59(T)となり、本実施例
では従来と比較して1.27倍大きな磁束密度となって
いる。すなわち、径方向のステータと鎖交する磁束量が
大きく、換言すればわずかな磁束量の低下に抑えること
ができる。
【0035】図2に戻り、ステータ鉄心2にはスロット
3aと歯2aとが交互に設けられており、このため空隙
のパーミアンスが変化する。すなわち、空隙磁束として
は歯2aと対応する部分に集中し、歯2aとスロット3
aとの間で磁束密度分布は急激に変化するのが、一般的
である。ところが、本実施例では永久磁石6の表面に保
持環7があるため、歯2aを通る磁束がこの保持環7に
てなめらかに分布し、このため磁気エネルギの変化率が
小さくなって、コギングトルクは小さくなる。
【0036】また、界磁の閉磁路に着目し、永久磁石6
を起磁力源として保持環7、空隙9、ステータ鉄心2、
ロータ鉄心5からなる磁気回路を考えたとき、径方向に
厚さを有しかつ周方向に連続する磁性材である保持環7
が永久磁石6と直列に配置された構造では、永久磁石6
からみた外部磁気回路のパーミアンスは回転位置に拘ら
ず一定となる。このため、コギングトルクはわずかとな
る。
【0037】さらに、回転電機の磁気回路状態におい
て、永久磁石6の磁気特性曲線(磁束密度対磁化力特
性)上の動作点はほぼ一定であり、永久磁石材の磁気的
損失(ヒステリシス損等)が小さくなる。
【0038】以上説明の如く本実施例では、磁気特性を
選択した保持環7を永久磁石6表面に配置したことによ
り磁束量を減少させず、コギングトルクを抑え、磁気的
損失を小さくできた。
【0039】次に、図9にて第2実施例を示す。この図
9に示す第2実施例では、界磁となる永久磁石6の極間
部をあけて、その間に新たな永久磁石10を配置してい
る。そして、この極間部での新たな永久磁石10の磁化
方向は、もとの永久磁石6の磁化方向と略直角方向とな
り、極性については、永久磁石6の空隙9面側の極と永
久磁石6と接する側の極間部の新たな永久磁石10の極
を同極とする。
【0040】極間部の新たな永久磁石10の磁束は、も
との永久磁石6の端部側面方向に向いているため、保持
環7に沿ったもとの永久磁石6の漏れ磁束は新たな永久
磁石10の磁束と逆方向となり、このため漏れようとす
る磁束は極間部磁石10に反発されて空隙を通りステー
タ鉄心2と鎖交する。よって有効磁束量が更に増加す
る。
【0041】図10は実際の解析結果を示し、前述した
ように永久磁石6の漏れようとする磁束が、極間部の新
たな永久磁石10に反発されてステータ鉄心2と鎖交し
ている。この実施例では従来と比較して1.3倍程大き
くなっている。本実施例においても、耐超高速回転、耐
高温時の機械的固定は充分であり、コギングトルク、磁
気的損失についても、前述の第1実施例と同様の効果が
ある。
【0042】なお、第1、第2実施例共2極を例示した
のであるが、多極であっても、また、永久磁石式のリニ
アモータでも同様である。本実施例の応用として図11
に示すように、駆動モータとファンとの間の磁気カップ
リングに適用でき、外転ロータ13のヨーク14内周側
に備えた永久磁石6と保持環7、内転ロータ15のヨー
ク16外周側に備えた永久磁石6と保持環7、相互に適
用することができる。なお、17は隔壁である。
【0043】こうして、第1、第2実施例にあっては、
超高速回転時においても高温環境下においても遠心力に
充分耐えることができて永久磁石を機械的にロータ表面
に強固に固定できるのみならず、この実施例の保持環に
より空隙磁束密度がわずかしか低下しない。
【0044】しかも、特性上コギングトルクと磁気的損
失とが保持環にて小さくでき、特性の良い永久磁石式回
転電機を得ることができる。上記第1、第2実施例にお
いては、空隙磁束密度を抑えることを主眼として、コギ
ングトルクや磁気的損失を低減する効果も得られたので
あるが、以下の実施例では、コギングトルクを抑えるこ
とを主眼とする。
【0045】図12は、第3実施例を示しており、ロー
タ4として例えばS45Cの磁性材からなるロータ鉄心
5に4極の永久磁石6を備えたものを例示する。この図
12において、ロータ4に対向するステータ1のけい素
鋼板からなる鉄心2には歯2aとスロット3aとがその
内周に交互に形成されている。このスロット3a内には
コイル3が収納されることになり、コイル3を押え固定
するためスロット3aの開口部分には磁性楔20が備え
られている。
【0046】ここで、磁性楔20は図13のように回転
軸方向に長い楔小片21を周方向に積層した構造で、厚
さ1mm〜2mm程度の軟磁性材のけい素鋼板からなる。ま
た、この磁性楔20の材質としては、磁束密度が0.5
〜0.8(T)で比透磁率が100以上でありかつ磁束
密度が1.6(T)以上で比透磁率が10近くの図4に
示す如きSUS630の磁性材で形成しても良い。
【0047】更に、他の磁性楔20の材質としては、図
14に示すCo基アモルファス10μm〜30μmを1
00層程度積層したものを用いても良い。また、磁性楔
20の形状としても図15に示すように周方向に長い楔
小片21を回転軸方向に積層した構造とすることもでき
る。
【0048】図16は第4実施例を示しており、図12
に示すスロット3aの開口部分の磁性楔20の代りにロ
ータ鉄心5の内周面に磁性の円筒体22を密着して配置
・固定したものを示している。
【0049】そして、この磁性の円筒体22の構造は、
図17に示すように回転軸方向に長い楔小片23を周方
向に積層したものとか、図18に示すようにロータ鉄心
の内周面に密着する大きさの円形薄板23を軸方向に積
層したものがある。
【0050】また、この磁性の円筒体22の材質は、前
述の第3実施例と同様、軟磁性材のけい素鋼板の場合、
磁束密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が100以
上でありかつ磁束密度が1.6(T)以上で比透磁率が
10近くのSUS630の如き磁性材の場合、あるいは
Co基アモルファスの場合等が用いられる。なお、アモ
ルファスの場合には10μm〜30μmのものを100
層程度スパイラル状に巻いたものを用いれば良い。
【0051】また、楔小片21,23や円形薄板23の
積層手法としては、電子ビーム溶接、レーザ溶接、接着
剤、樹脂による一体モールドによる手法がある。かかる
第3、第4の実施例においては、磁性楔20や円筒体2
2がなければステータ鉄心2にはスロット3aと歯2a
とが交互に形成されているため空隙の磁気抵抗が変化し
空隙磁束は歯2aと対向する部分に集中し、磁束密度分
布は歯2aとスロット3aとの間で急激に変化するので
あるが、この実施例では磁性楔20や円筒体22により
空隙周方向に沿った磁気抵抗は比較的均一となる。磁界
解析によりシミュレーションを行なった結果である空隙
磁束密度分布を図19に示す。図19に示す点線や一点
鎖線で示すように従来の永久磁石式回転電機の磁束密度
分布はスロット3aによる大きな落ち込みがあるが、実
線で示す本実施例の回転電機では空隙磁束密度のスロッ
ト3aによる落ち込みが緩和され、磁束密度分布が滑ら
かになっている。
【0052】したがって、コギングトルクは非常に小と
なり、回転電機は回転変動、出力変動が低減される。同
時に、スロット3aと歯2aの磁気抵抗変化により永久
磁石等で発生する渦電流が低減される。
【0053】つぎに、界磁の永久磁石6を起磁力源とし
て、永久磁石6、空隙9、ステータ鉄心2、ロータヨー
クからなる磁気回路を考える。楔20及び円筒体22に
より電機子内径面は永久磁石6からみると周方向に連続
な磁性材があることになり、永久磁石6からみた外部磁
気回路のパーミアンスは回転位置に関わらず一定とな
る。したがって、永久磁石6の磁気特性曲線(磁束密度
対磁化力特性)上の動作点はほぼ一定であり、永久磁石
6の磁気的損失(ヒステリシス損等)が小となる。
【0054】以上より、コギングトルクやスロット3a
による損失を抑制した特性の良い永久磁石式回転電機を
提供できる。また、本実施例でも有効磁束の低下抑制が
行なわれる。
【0055】本実施例の回転電機が無負荷の状態の場合
の作用を述べる。本実施例の極薄いけい素鋼板、アモル
ファス磁性材、SUS630材の磁性材を適用した場
合、磁束の一部(周方向成分)は鉄心内径の部分(歯2
aと楔20部分または、磁性円筒体22)を円周方向に
沿って流れるが、N極とS極の極間部に近づくにつれて
磁石より発生した漏れ磁束が集まってくるため、磁束量
が増えて、極間部近傍の楔20、または磁性円筒体22
の磁束密度は1.5〜3(T)近くになり、磁気飽和す
る。例えば本発明のSUS630の楔20または円筒体
22の場合、図4に示すようにSUS630材は1.6
(T)以上で比透磁率が10近くとなり、極間部の磁気
抵抗はかなり大となるため、周方向の磁束の漏れは少量
で飽和する。
【0056】したがって極間部で漏れる磁束が少量に抑
制され、コイル3と鎖交する有効磁束の低下を抑制でき
る。一方、径方向の磁束については、永久磁石式回転電
機の空隙磁束密度が0.6〜1(T)であるため、極間
部近傍を除いた本発明の楔20及び円筒体22は磁気飽
和しておらず、コイル3と鎖交する磁束量の低下は僅か
となる。例えば、空隙磁束密度が0.8(T)近傍にな
るよう磁気設計され、楔20または円筒体22がSUS
630である回転電機の場合、本発明の楔20、または
円筒体22を用いると図4に示すように、磁束密度0.
8(T)における楔20、または円筒体22の比透磁率
は120であり、磁極部分の径方向においては楔20、
または円筒体22が磁気的な空隙とならず、磁束密度の
低下も僅かである。
【0057】次に、コイル3に電流を流した負荷状態を
考えると、ブラシレスDCモータでは界磁磁束が最大の
状態になる(界磁磁極中心と対向する)位置のコイル3
に最大電流を流すため、電機子が作る磁束が最大となる
ポイントは界磁の磁極間付近となり、極間部近くの楔2
0、円筒体22の磁束密度が大となり、磁気飽和は無負
荷時よりもさらに生じ易くなる。したがって、無負荷、
負荷時とも極間部で漏れる磁束が少量に抑制され、コイ
ル3と鎖交する有効磁束の低下を抑制できる。
【0058】また、アモルファス磁性材を使用した場
合、このアモルファス材は磁束密度が1(T)以下で透
磁率が5000〜200000程度あり、非常に透磁率
が高く、かつ磁束密度が1〜1.2(T)で磁気飽和す
る。図14に示すように本実施例で採用したCo基アモ
ルファス材は磁束密度が0.3〜1(T)の範囲で透磁
率が10000から200000あり、飽和磁束密度は
1〜1.2(T)程度である。
【0059】従って、周方向の漏れ磁束による極間部近
傍の磁気飽和は、漏れ磁束の量が少なくても生じるた
め、鎖交磁束量は僅かな低下となる。一方、極間部以外
のアモルファスがある部分ではアモルファスの透磁率が
非常に高いため、コギングトルクはほとんど発生せず、
電磁気的損失は僅かとなる。
【0060】ロータが高速で回転する場合には、多極の
回転電機の場合は、磁性楔20、磁性円筒体22に渦電
流が発生して損失が生じる。このため、前記磁性楔2
0、磁性円筒体22をロータの界磁磁束に対して平行に
分割積層して構成することにより渦電流を低減する。
【0061】以上より、本発明を用いることにより、径
方向のステータと鎖交する界磁の磁束量を僅かな低下に
抑えることができるため、回転電機の体積を大とするこ
と無く、コギングトルク、及び電磁気的損失を低減した
永久磁石式回転電機を提供できる。
【0062】本発明では永久磁石式回転界磁の回転電機
について述べたが、直流モータに代表されるステータ側
を永久磁石界磁とし、ロータを回転電機子としても同様
な効果が得られる。また、本実施例では永久磁石式回転
電機について述べたが永久磁石式のリニアモータでも同
様に可能である。また、界磁極表面と電機子表面間の磁
束漏れによる出力低下よりも、トルク脈動の低減を優先
する場合は、一般の巻線形界磁の同期機にも適用可能で
ある。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の永久磁石界
磁の回転電機は、ステータコイルと鎖交する界磁の径方
向磁束量を僅かな低下に抑え、かつ、回転電機の体積を
大とすること無く、電機子鉄心のスロットと歯により発
生するコギングトルク、スロットによる電磁気的損失を
低減した特性の良い永久磁石式回転電機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の回転電機を軸方向に沿っ
て切断した断面図である。
【図2】図1のA−A線部分断面図である。
【図3】保持環の磁気特性線図である。
【図4】磁性材(SUS630,S45C)の透磁率と
磁束密度との関係を示す特性線図である。
【図5】ロータの解析対象領域の説明図である。
【図6】SUS630の保持環の解析結果を示す磁束線
図である。
【図7】S45Cの保持環の解析結果を示す磁束線図で
ある。
【図8】非磁性材の保持環の解析結果を示す磁束線図で
ある。
【図9】本発明の第2実施例のロータを径方向に沿って
切断した断面図である。
【図10】SUS630の保持環を用いた図9による構
成の解析結果を示す磁束線図である。
【図11】磁気カップリングに適用した構成図である。
【図12】本発明の第3実施例の回転電機を径方向に沿
って切断した断面図である。
【図13】軸方向に長い小片を積層した磁性楔の一例の
構成図である。
【図14】アモルファス磁性材の磁気特性線図である。
【図15】軸方向に積層した磁性楔の一例の構成図であ
る。
【図16】本発明の第4実施例の回転電機の断面図であ
る。
【図17】軸方向に長い小片を積層した円筒体の構成図
である。
【図18】円板を積層した円筒体の構成図である。
【図19】磁界解析を行なった結果である一極当りの空
隙磁束密度分布図である。
【図20】従来の非磁性の保持環を利用した回転電機の
構成図である。
【図21】従来の磁性楔を用いた場合の構成図である。
【符号の説明】
1 ステータ 2 ステータ鉄心 2a 歯 3 コイル 3a スロット 4 ロータ 5 ロータ鉄心 6,10 永久磁石 7 保持環 9 空隙 20 磁性楔 21 楔小片 22 円筒体 23 楔小片(円形薄板)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材の鉄心にコイルを巻いて電機子と
    したステータと、 磁性材の鉄心の表面円周方向に配置された永久磁石を飽
    和磁束密度の低い磁性材にて作った保持環にて覆い固定
    したロータと、 を有する永久磁石式回転電機。
  2. 【請求項2】 保持環は、磁束密度が0.5〜0.8
    (T)にて比透磁率が100以上であり、かつ磁束密度
    が1.6(T)以上にて比透磁率が100以下である磁
    気特性を有する磁性材からなる請求項1記載の永久磁石
    式回転電機。
  3. 【請求項3】 磁性材の鉄心の表面円周方向に配置され
    る永久磁石の極間部に更に新たな永久磁石を配置し、し
    かもこの新たな永久磁石の磁化方向を極間部を形成する
    ものと永久磁石の磁化方向に対して直交するように配置
    した請求項1又は2記載の永久磁石式回転電機。
  4. 【請求項4】 スロットと歯とが形成された鉄心を有す
    るステータと、鉄心表面に永久磁石を配置したロータ
    と、を有する永久磁石式回転電機において、 上記スロットの開口部にけい素鋼板よりなる磁性楔を配
    置したことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  5. 【請求項5】 スロットと歯とが形成された鉄心を有す
    るステータと、鉄心表面に永久磁石を配置したロータ
    と、を有する永久磁石式回転電機において、 上記スロットの開口部にアモルファス磁性材よりなる磁
    性楔を配置したことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  6. 【請求項6】 スロットと歯とが形成された鉄心を有す
    るステータと、鉄心表面に永久磁石を配置したロータ
    と、を有する永久磁石式回転電機において、 上記スロットの開口部に、磁束密度が0.5〜0.8
    (T)で比透磁率が100以上でありしかも磁束密度が
    1.6(T)以上で比透磁率が100以下である磁気特
    性を有する軟磁性材の磁性楔を配置したことを特徴とす
    る永久磁石式回転電機。
  7. 【請求項7】 内周にスロットと歯とが形成された鉄心
    を有するステータと、鉄心表面に永久磁石を配置したロ
    ータと、を有する永久磁石式回転電機において、 上記ステータの鉄心内周側に上記ロータと対向して、け
    い素鋼板の円筒体を配置したことを特徴とする永久磁石
    式回転電機。
  8. 【請求項8】 内周にスロットと歯とが形成された鉄心
    を有するステータと、鉄心表面に永久磁石を配置したロ
    ータと、を有する永久磁石式回転電機において、 上記ステータの鉄心内周側に上記ロータと対向して、ア
    モルファス磁性材をスパイラル状に巻いた円筒体を配置
    したことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  9. 【請求項9】 内周にスロットと歯とが形成された鉄心
    を有するステータと、鉄心表面に永久磁石を配置したロ
    ータと、を有する永久磁石式回転電機において、 上記ステータの鉄心内周側に上記ロータと対向して、磁
    束密度が0.5〜0.8(T)で比透磁率が100以上
    であり、しかも磁束密度が1.6以上で比透磁率が10
    0以下である磁気特性を有する軟磁性材の円筒体を配置
    したことを特徴とする永久磁石式回転電機。
JP24898793A 1993-10-05 1993-10-05 永久磁石式回転電機 Pending JPH07107719A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU181894U1 (ru) * 2017-06-06 2018-07-26 Российская Федерация, От Имени Которой Выступает Министерство Промышленности И Торговли Российской Федерации Электрическая машина
CN109983658A (zh) * 2017-09-21 2019-07-05 株式会社东芝 磁楔及旋转电机

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RU181894U1 (ru) * 2017-06-06 2018-07-26 Российская Федерация, От Имени Которой Выступает Министерство Промышленности И Торговли Российской Федерации Электрическая машина
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