JPH07107941B2 - 放射線検出装置 - Google Patents

放射線検出装置

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JPH07107941B2
JPH07107941B2 JP61045958A JP4595886A JPH07107941B2 JP H07107941 B2 JPH07107941 B2 JP H07107941B2 JP 61045958 A JP61045958 A JP 61045958A JP 4595886 A JP4595886 A JP 4595886A JP H07107941 B2 JPH07107941 B2 JP H07107941B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、光電吸収効果を利用した放射線検出装置に関
する。
(従来の技術) 従来より、放射線検出装置として種々の構成のものが知
られている。
第9図はその一例である。図において、31はWコリメー
タであり、32は半導体放射線検出素子であり、33はNaI
(Tl)シンチレータである。放射線検出素子32はn型シ
リコン基板321の一方にショットキー障壁をなすAu電極3
22、他方にオーミック接触するAl電極323が形成された
ものである。図の装置をX線入射方向に直角に複数段構
成したものが多チャネル放射線検出装置であり、X線CT
などに利用される。この装置は、半導体放射線検出素子
32により直接X線を検出すると同時に、この検出素子32
を透過したX線によりシンチレータ33を発光させ、その
光を破線で示したように半導体検出素子32により検出し
て、感度の増加を図っている。
第10図は他の従来例である。この装置は、基板41上に蛍
光体層42、Al電極43、アモルファスSi(a−Si)膜44、
透明電極45が順次積層形成されている。この装置では、
入射X線は蛍光体層42で光に変換され、この光がa−Si
膜44を励起して電気信号が得られる。この構成法は、a
−Si膜はX線検出能力は小さいが光に対する感度が大き
いことを利用したもので、蛍光増感法として知られてい
る。
第11図は更に他の従来例である。これはa−Siのみによ
りX線を検出しようとするもので、太陽電池として知ら
れているものと同じである。即ち基板51上にn型a−Si
膜511,i型a−Si膜522,p型a−Si膜523を順次積層形成
し、その表面に透明電極53を形成したものである。
(発明が解決しようとする問題点) 第9図〜第11図に示した従来の放射線検出装置は、それ
ぞれ次のような問題がある。第9図の装置では、半導体
放射線検出素子32の有感部分である空乏層がAu電極322
側にのみ形成されており、放射線および光の利用効率が
低い。従ってX線検出感度を充分に大きくするために
は、検出素子32のX線入射方向の大きさを例えば数cm程
度以上にしなければならない。
第10図の装置は、a−Si膜を用いるために大面積に且つ
安価に作ることができるが、蛍光体層42の発光強度は小
さく、X線検出感度に限界がある。また蛍光体層42の発
光スペクトルとa−Si膜44の吸収スペクトルを適合させ
なければならない。
第11図の装置は、a−SiのみでX線吸収を行うものであ
るが、a−Si膜が1μm程度ではX線は殆ど透過するた
め、検出感度は非常に小さい。ある程度の感度を実現す
るためにはi型a−Si膜522の厚みを数cm程度必要とす
るが、これだけの厚みを形成することは困難である。ま
た仮に数cmの厚みのa−Si膜が形成できたとしても、内
部で発生したキャリアを外部に電気信号として取出すた
めには、キャリア寿命や移動度が十分に大きいことが必
要であり、a−Si膜ではそれ程大きいキャリア寿命や移
動度は得られない。
本発明は上記の如き問題を解決し、簡単な構造で且つ安
価に製造することができ、しかも非常に大きい検出感度
が得られる放射線検出装置を提供することを目的とす
る。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明にかかる放射線検出装置は、金属膜と半導体膜と
が交互に複数層積層形成された構造を有する。金属膜と
しては光電吸収効果の大きい金属、好ましくは原子番号
30以上の金属を用い、その膜厚は、放射線入射により光
電効果で生成される光電子の電子飛程より薄く設定され
る。
(作用) 本発明による放射線検出装置では、放射線入射により金
属膜で光電吸収により生成された高エネルギの光電子が
半導体膜に入射して、半導体膜で電子正孔対を生成す
る。この光電吸収で一部入射放射線のエネルギは消滅す
るが、この金属膜を透過した放射線は半導体膜内でも、
金属膜に比べると効率がはるかに小さいが、光電吸収に
より光電子を生成する。そしてこの半導体膜を殆ど減衰
することなく透過した放射線は次の金属膜に入射して再
び光電吸収により光電子を生成し、これが次の半導体膜
に入射して電子正孔対を生成する。以下同様にして、複
数の金属膜と半導体膜で光電吸収による光電子の生成
と、この金属膜からの光電子による半導体膜でのキャリ
ア生成を繰返すことにより、入射放射線を極めて効率よ
く吸収し、且つ電気信号として検出することができる。
本発明では金属の光電吸収を主として利用するので、こ
の意味で原子番号の大きいもの、特に30以上の金属を用
いることが好ましい。またこの場合、光電吸収により生
成された光電子が十分なエネルギをもったまま半導体膜
に入射されることが必要であり、この点で金属膜の膜厚
は光電子の電子飛程より薄いことが必須要件となる。そ
して金属膜と半導体膜を交互に多数積層することによ
り、金属膜が順次放射線吸収−電子放出部として作用
し、入射放射線を光電子に変換することができる。そし
て金属膜間に挟まれる一層の半導体層は例えば数μm程
度の厚みとし、全体で数mm程度の厚みになるように設定
すれば、半導体膜がフモルファス質であっても各半導体
膜で生成された電子正孔対を効率よく収集することがで
きる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
第1図(a)(b)は一実施例のX線検出装置を示す平
面図とその断面図である。11は絶縁性基板であり、この
上に第1の金属膜13(131,132)、ノンドープのa−Si
膜12(121,122,123)、第2の金属膜14(141,141,142)
が交互に積層形成されている。具体的には、絶縁性基板
11として石英ガラス基板を用い、第1の金属膜13として
a−Si膜12との間でオーミック接触するMo膜を用い、第
2の金属膜14としてa−Si膜12との間でショットキー障
壁を形成するAu膜を用いる。Mo膜およびAu膜はスパッタ
法又は真空蒸着法により形成される。a−Si膜はSiH4,S
i2H6等のグロー放電分解を利用したプラズマCVD法又は
光励起分解を利用した光CVD法により形成される。各部
の膜厚は例えば、第1の金属膜13が2μm、a−Si膜12
が5μm、第2の金属膜14が1μmに設定される。
この検出装置は、a−Si膜とこれを挟む第1,第2の金属
膜により単位セルが構成され、これが複数個積層され
て、これら複数の単位セルが電気的には並列接続された
構成となっている。
このように構成されたX線検出装置の動作を次に説明す
る。このX線検出装置は面に垂直にX線を入射させる。
X線フォトン束が最上面の第2の金属膜142に入射する
と、ここで金属と相互作用する。即ち、光電吸収,コン
プトン散乱,レイリー散乱等がこの第2の金属膜142内
で起り、この結果光電子が生成される。コンプトン散乱
およびレイリー散乱の効果は光電効果に比べて無視でき
る程度に小さく、主として光電吸収により生成される、
X線フォトンエネルギとほぼ同等のエネルギをもつ光電
子が主役である。この光電子は第2の金属膜142から放
出されてa−Si膜123に入射し、a−Si膜123を励起して
電子正孔対を生成する。第2の金属膜142内で生成され
た光電子がa−Si膜123に入射されるためには、後に詳
述するように第2の金属膜142の膜厚が光電子の電子飛
程より薄いことが条件である。第2の金属膜142で相互
作用して一部エネルギを失ったX線フォトンは、a−Si
膜123をそのエネルギを殆ど失うことなく透過して、次
の第1の金属膜132に入射する。そしてこの第1の金属
膜132内で先の第2の金属膜142内におけると同様に主と
して光電吸収により光電子を生成し、これが次のa−Si
膜122に入射して電子正孔対を生成する。以下同様の振
舞いを繰返す。a−Si膜をX線フォトンが殆ど相互作用
せずに透過する理由は、Siの原子番号および密度が金属
に比べてかなり小さいためである。しかもX線フォトン
エネルギは数10KeVであり、通常の光のフォトンエネル
ギ数eVに比べて4桁程度以上大きいため、a−Siの禁制
帯による共鳴吸収も生じない。
第1図では単位セルが3個積層された構造を示している
が、これを更に多く積層することによって、入射X線を
殆ど吸収することができる。そして各a−Si膜12内で生
成されたキャリアを、第1図の場合並列に電流として取
出すことにより、入射X線に対応した電気信号を得るこ
とができる。
この実施例のX線検出装置による検出感度についての理
論解析結果を次に詳細に説明する。
第2図はこの理論解析のために用いたモデル図である。
金属膜14の膜厚をWa、a−Si膜12の膜厚をWs、金属膜13
の膜厚をWbとし、同様の膜厚の繰返しで単位セルがN層
積層されている。各層におけるX線フォトンの減弱係
数,エネルギ吸収係数,電子エネルギ50KeVでの電子飛
程をそれぞれ下表の通りとする。
先ず、第2の金属膜14中でX線フォトンが相互作用する
確率をPa、第1の金属膜13中でX線フォトンが相互作用
する確率をPb、a−Si膜12中でX線フォトンが相互作用
する確率をPsとすると、 Pa=(P0−P1)+(P4−P5)+…… +(P2N-2−P2N-1) Ps=(P1−P2)+(P3−P4)+…… +(P2N-1−P2N) Pb=(P2−P3)+(P6−P7)+…… +(P2N−P2N+1) となる。ここで、P0=1とすると、 P1=exp{−μt(a)Wa} P2=P1exp{−μt(s)Ws} P3=P2exp{−μt(b)Wb} であり、P4以下についても同様に表わすことができる。
なお上述の相互作用は既に述べたように主要には光電吸
収であり、ここでも光電吸収のみによる効果を考える。
以上の各層での相互作用、即ち光電吸収により生成され
る光電子がa−Si膜内で電子正孔対の生成に利用される
有効エネルギEfは、光電子エネルギをEeとして次のよう
に表わされる。
上記式の右辺第1項および第2項はそれぞれ、第2の金
属14および第1の金属13で光電子が発生しこれが次のa
−Si膜12において電子正孔対生成に有効に利用されるエ
ネルギであり、第3項はa−Si膜12内で光電子が発生し
これが電子正孔対に消費されるエネルギである。これは
次のようにして求められる。先ず第2の金属14でX線フ
ォトンが相互作用してそれが光電吸収である確率は、 Pa・μe(a)/μt(a) である。次にこの金属14中で発生した光電子はa−Si膜
12に達するまでにエネルギを失い、平均として、 (1−Wa/Ra)Ee のエネルギに減少している。その理由を第3図を参照し
て説明すると、X線フォトン入射により金属14の中央で
発生した光電子は、Ee≒50KeVのとき、約60゜の角度で
検出され、金属膜14中を約Waの距離走行することによ
り、約(Wa/Ra)Eeのエネルギを失う。Raは電子飛程で
あり、この距離走行すると光電子のエネルギは零にな
る。金属膜14とa−Si膜12の境界に達した光電子はa−
Si膜12中で Rs{Ee(1−Wa/Ra)} の飛程を有する。これはエネルギに依存する飛程函数で
ある。従って光電子が約60゜の角度で直進して次の金属
膜13に衝突するまでに走行する距離Wsの間に電子正孔対
生成に利用されるエネルギは、 (1−Wa/Ra)Eeの 2Ws/Rs{E(1−Wa/Ra)}倍 となる。ここで、 2Ws/Rs{E(1−Wa/Ra)}》1 のときはa−Si中で光電子が停止する場合で、この値は
1に固定する。こうして第2の金属14で発生した光電子
がa−Si膜内で電子正孔対生成に利用される有効エネル
ギは、第1項のように表わされることになる。
同様に第1の金属膜13中で発生した光電子によりa−Si
膜12内で電子正孔対生成に費やされる有効エネルギは、
第2項のようになる。
またa−Si膜12内で相互作用するX線フォトンは、平均
として(Ws/Ra)Eeのエネルギを電子正孔対生成に消費
する。a−Si膜での光電吸収の確率は、 Rs・μe(s)/μt(s) であるから、結局、このa−Si膜で光電子が発生してこ
れが電子正孔対の生成に消費されるエネルギは第3項の
ようになる。
第4図は、上記有効エネルギの式を用いて、具体的な実
施例1での有効エネルギEfを単位セルの積層数Nについ
て求めた結果である。この実施例1では、第2の金属膜
14はAu膜であって、膜厚がWa=1μm、全減弱係数がμ
t(a)=96.5/cm、光電吸収係数μe(a)と全減弱
係数μt(a)の比が14.4/16.5、電子飛程がRa=5.11
μmである。第1の金属膜13はMo膜であって、膜厚がWb
=2μm、全減弱係数がμt(b)=69.7/cm、光電吸
収係数μe(b)と全減弱係数μt(b)の比が10.3/1
0.9、電子飛程がRb=7.35μmである。a−Si膜は、膜
厚がWs=5μm、全減弱係数がμt(s)=0.985/cm、
光電吸収係数μe(s)と全減弱係数μt(s)の比が
9.9/19.6、電子飛程がRs=23.85μmである。第4図の
比較例1は、a−Si膜のみで実施例1と同じ厚みをもた
せた場合を示している。また入射X線フォトンエネルギ
は50KeVを仮定している。
第4図から明らかなようにこの実施例によれば、光電吸
収により発生される光電子がa−Si膜での電子正孔対生
成に有効に利用され、単位セルの積層数を選ぶことによ
り高いX線検出感度が得られる。比較例1において有効
エネルギが小さい主たる理由は、a−Si膜での全減弱係
数、光電吸収係数共に小さく、X線フォトンがa−Si膜
中で相互作用する確率Psが、金属膜中での確率Pa,Pbに
比べてはるかに小さいことによる。
第5図は、実施例1と同じ材料を用いた場合の構成で、
膜厚を変え、且つ積層数を大きい範囲まで変化させた実
施例での有効エネルギEfを求めた結果である。即ち実施
例2は、第2の金属膜14としてのAu膜の膜厚をWa=1μ
m、第1の金属膜13としてのMo膜の膜厚をWb=2μm、
a−Si膜12の膜厚をWs=25μmとした場合である。実施
例3は同じく、Wa=0.5μm、Wb=1.0μm、Ws=25μm
とした場合である。比較例2および3はそれぞれ、実施
例2および3に対応してその積層膜厚に相当するa−Si
膜のみで検出装置を構成した場合のデータである。
第5図から明らかなように実施例2,3では、積層数N=1
00のとき、X線フォトンエネルギ5KeVの半分以上の29〜
30KeVという大きいエネルギがa−Si膜内での電子正孔
対生成のために有効に利用されている。この様な積層数
100の時の有効エネルギは、現在医療用として用いられ
ていて最も有効エネルギが高いとされるイメージ・イン
テンシファイアに匹敵するか、それ以上の値である。し
かも、単位セルのa−Si膜の膜厚は25μmであるから、
各a−Si膜で生成された電子正孔対は高い収集効率で外
部に電気信号として取出すことができる。また積層数10
0のときa−Si膜の全膜厚は実施例2,3共に2.5mmとな
る。これは例えば、単結晶Siを用いたX線検出器である
程度の検出感度を得るためには入射X線方向の厚みとし
て数cmを必要とすることを考えると、大きい利点であ
る。
第6図は、第1図の構成で第2の金属膜14としてAu膜に
代わりTa膜を用いた場合について、第5図と同様に有効
エネルギEfを求めた結果である。実施例4は、第2の金
属膜14としてのTa膜の膜厚をWa=1μm、第1の金属膜
13であるMo膜の膜厚をWb=2μm、a−Si膜12の膜厚を
Ws=25μmとした場合である。実施例5は同様に、Wa=
0.5μm、Wb=1.0μm、Ws=25μmとした場合である。
また比較例4および5はそれぞれ、実施例4および5の
積層数に対応する膜厚のa−Si膜のみで検出器を構成し
た場合である。なお、Taの全減弱係数は、μt(a)=
83.8/cm、光電吸収係数μe(a)と全減弱係数μt
(a)の比は11.6/13.4、電子飛程はRa=5.06μmとし
た。
Taは原子番号がAuに比べて小さいので、その分だけ先の
実施例に比べて有効エネルギEfが小さくなっているが、
この場合にも本発明の有効性は明らかである。
ここで、本発明における金属膜の膜厚の最適値に関して
検討してみる。金属膜の膜厚を、ここで発生する光電子
の電子飛程以上にすると発生した光電子は大部分この金
属膜中で失われ、当然有効エネルギEfに寄与しない。一
方で、積層数Nが決まっている場合、金属膜の膜厚が薄
すぎると、全体としてのX線フォトンとの相互作用確率
が減少して、やはり有効エネルギEfへの寄与が減る。従
って積層数との関係で金属膜の適当な膜厚が存在する筈
である。
第7図は、第1図の構成において第1の金属膜13として
Mo膜、第2の金属膜14としてTa膜を用い、a−Si膜12の
膜厚を25μmとし、Mo膜とTa膜の膜厚を等しくxとして
これを横軸にとり、積層数Nをパラメータとして有効エ
ネルギEfを求めた結果である。図に示すように金属膜の
膜厚に対して有効エネルギEfはピーク値を有し、この計
算例では、N=200、100および50に対してそれぞれ最適
金属膜厚は0.9μm、1.2μmおよび1.8μmとなってい
る。
第8図は本発明の他の実施例のX線検出装置構成を示
す。この実施例では、絶縁性基板21上に第1の金属膜22
(221〜223)、a−Si膜23(231〜235)および第2の金
属膜24(241〜243)を交互に順次積層形成している。第
1の金属膜22は例えばMo膜であり、第2の金属膜24は例
えばAu膜である。この基本的な構成は先の第1図と同じ
であるが、第1図と異なる点は、単位セルの積層構造を
電気的に直列接続していることである。即ち先の第1図
では、各単位セルに得られる電流を並列に取出すのに対
して、この実施例では単位セルに発生する起電力を直列
に加えて取出すものである。
この実施例によっても先の実施例と同様の効果が得られ
ることが明らかである。
本発明は上記した各実施例に限られるものではなく、以
下に列記するように種々変形して実施することができ
る。
(a)基板は石英ガラス基板の他、他の各種ガラス基板
やアルミナ基板、サファイア基板等の絶縁性基板を用い
得る。また金属基板を用いることも可能である。
(b)半導体膜はa−Si膜の他、Ge,Se,Gaなど他のアモ
ルファス半導体を用いることができる。またアモルファ
ス半導体の他、微結晶半導体や多結晶半導体或いはこれ
らの組合わせを用いることができる。
また半導体膜は必ずしもノンドープである必要はなく、
不純物がドープされてもよい。更に、pn構造やpin,pi,n
i構造を採用することもでき、これらを多段に積層して
タンデム構造とすることもできる。
(c)金属膜も、好ましくは原子番号30以上のものを適
当に選択して用いることができる。各実施例では、a−
Si膜を挟む一方の金属膜がa−Si膜とショットキー障壁
を構成し、他方の金属膜がa−Si膜とオーミック接触す
るように選択したが、これは零バイアス又はこれに近い
バイアスで信号を読み出すためである。これに対してい
ずれの金属膜もオーミック接触する材料として、電圧を
印加して電流を読み出すようにすることもできる。また
隣接するa−Si膜間の金属膜が単層でなく、a−Si膜と
オーミック接触する金属膜とショットキー障壁を形成す
る金属膜との積層膜とすることもできる。更にまた金属
膜として、単にオーミック電極として用いるだけの原子
番号の小さい金属膜が含まれていてもよい。
更に、金属膜中に例えば、Bなどをドープすることによ
り、中性子の検出器としても有効に利用することができ
る。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、金属膜と半導体膜を
交互に複数層積層した簡単な構造で、高感度の放射線検
出器が実現する。例えば数値例を挙げて説明したよう
に、積層数を100層程度にすることにより、イメージン
グ・インテンシファイアに匹敵するかそれ以上に感度が
得られる。しかも、構造が単純であること、金属膜はス
パッタ法や真空蒸着法により、半導体膜はプラズマ分解
法によりそれぞれ大面積に容易に形成できること、等か
ら放射線検出装置の大幅なコストダウンが図られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は本発明の一実施例のX線検出装置
を示す平面図とその断面図、第2図はその装置の動作を
理論解析するために用いたモデル図、第3図は同じくX
線フォトンによる光電吸収の効果を説明するための図、
第4図は具体的な実施例の有効エネルギを求めた数値計
算結果を示す図、第5図および第6図は他の実施例での
有効エネルギを求めた数値計算結果を示す図、第7図は
金属膜厚と有効エネルギの関係を求めた数値計算結果を
示す図、第8図は他の実施例の放射線検出装置を示す断
面図、第9図〜第11図は従来の放射線検出装置の構成例
を示す図である。 11……絶縁性基板、12……a−Si膜、13……第1の金属
膜、14……第2の金属膜、21……絶縁性基板、22……第
1の金属膜、23……a−Si膜、24……第2の金属膜。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光電吸収効果により生成される光電子の電
    子飛程距離より薄い金属膜と半導体膜とを交互に複数層
    積層形成してなることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 【請求項2】前記金属膜は、原子番号30以上の金属から
    なる特許請求の範囲第1項記載の放射線検出装置。
  3. 【請求項3】前記半導体膜はアモルファス半導体からな
    る特許請求の範囲第1項記載の放射線検出装置。
  4. 【請求項4】前記半導体膜と金属膜はショットキー障壁
    もしくはオーミック接触をなすものである特許請求の範
    囲第1項記載の放射線検出装置。
  5. 【請求項5】半導体膜とこれを挟む金属膜により単位セ
    ルが構成され、複数の単位セルが積層形成されて電気的
    に並列接続されている特許請求の範囲第1項記載の放射
    線検出装置。
  6. 【請求項6】半導体膜とこれを挟む金属膜により単位セ
    ルが構成され、複数の単位セルが積層形成されて電気的
    に直列接続されている特許請求の範囲第1項記載の放射
    線検出装置。
  7. 【請求項7】前記アモルファス半導体は真性半導体,p型
    半導体,n型半導体のいずれか又はこれらの組合わせから
    なる特許請求の範囲第3項記載の放射線検出装置。
  8. 【請求項8】前記アモルファス半導体はアモルファス相
    と微結晶相の組合わせからなる特許請求の範囲第3項記
    載の放射線検出装置。
  9. 【請求項9】前記アモルファス半導体はpin構造,pn構
    造,ni構造,pi構造のいずれか又はこれらの組合わせから
    なる構造が多段に積層されたものである特許請求の範囲
    第3項記載の放射線検出装置。
  10. 【請求項10】前記金属膜は異なる金属層を積層した構
    造からなる特許請求の範囲第1項記載の放射線検出装
    置。
JP61045958A 1986-03-03 1986-03-03 放射線検出装置 Expired - Fee Related JPH07107941B2 (ja)

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