JPH0710834B2 - 4―置換アゼチジノン誘導体の製造法 - Google Patents

4―置換アゼチジノン誘導体の製造法

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JPH0710834B2
JPH0710834B2 JP61094929A JP9492986A JPH0710834B2 JP H0710834 B2 JPH0710834 B2 JP H0710834B2 JP 61094929 A JP61094929 A JP 61094929A JP 9492986 A JP9492986 A JP 9492986A JP H0710834 B2 JPH0710834 B2 JP H0710834B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、(1R)‐1-置換カルバペネム−3−カルボン
酸誘導体ならびに該化合物の製造方法に係り、詳細には
カルバペネム系抗生物質として有用な、1位にヘテロ原
子置換分を導入した新規(1R)‐1-窒素原子置換カルバ
ペネム−3−カルボン酸誘導体に関する。
(従来の技術とその問題点) 従来、種々の抗菌活性を目的として式[A] で代表されるカルバ−2−ペネム−3−カルボン酸を基
本骨格とするカルバペネム系抗生物質が提案されてきて
おり、例えば置換基をもたない化合物(基本骨格自体)
[ジャーナル・オブ・アンチバイオテイツクス(J.anti
biotics)35(6)、653(1982)、JACS 100(25)、80
06(1978)等]、2位に置換基を有する化合物[テトラ
ヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)21、2013
(1978)等]、6位に置換基を有する化合物[JACS 100
(25)、8004(1978)等]、2位及び6位に置換基を有
するチエナイマイシン系の化合物[特開昭53-87390号、
特開昭58-32879号等]等の多数の化合物が提供されてい
る。これら化合物はいずれもある程度の抗菌活性を有し
ているが、基本的にはカルバペネム骨核の1位には何の
置換基をもたない化合物である。
一方、1位に置換基を有する化合物としては、1位にア
ルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、シアノ基等の置換基を1〜2個有する化合
物(特開昭55-69586号、59-130884号、59-51286号、57-
93981号、59-84887号等)が報告されている。これらの
うちで、例えば1位にβ‐配置のメチル基を有する(1
、5、6)‐2-(2-N、N-ジメチルアミノ‐2-イ
ミノエチルチオ)‐6-[(1R)‐1-ヒドロキシエチル]
‐1-メチルカルバ−2−ペネム−3−カルボン酸は、カ
ルバペネム系抗生物質に共通の弱点である腎デヒドロペ
プチダーゼによる分解不活化に対する抵抗性が著しく改
善された優れた抗生物質として知られている[ヘテロサ
イクルズ(Heterocycles)、21(1)、29(1984)]。
しかしながら、1位に種々の置換基がヘテロ原子を介し
て置換されたカルバペネム系抗生物質は優れた抗菌活性
が期待されるものの、いままで積極的には検討されてい
ない未開拓の分野の化合物であり、その製造方法につい
てもあまり詳細には開発されていない。
最近に至り、1位に種々のヘテロ原子を介した置換基を
有するカルバペネム系抗生物質が提案されているが(特
開昭60-233077号)、該公報には非常に包括的な化合物
が一般的に開示されでいるのみであって、特に本発明が
目的とする1位の立体的な点については何ら言及してい
るものではない。またそこに開示されている製造方法を
検討してみると1位置換基の導入は置換反応によるもの
であり、したがってその立体化学はα、βの混合物とし
てしか得ることのできない製造法に関するものであり、
効果が優れたものであるとされるβ配置、すなわち1R
置の化合物を選択的に得る手段は何ら明記されているも
のではない。
(発明の目的) 本発明は、強力な抗菌作用、β‐ラクタマーゼ阻害作用
等が期待される上述の如き従来何ら検討されていなかっ
た1位がβ配置を有する窒素原子を介して置換されたカ
ルバペネム系抗生物質ならびにこれら化合物、すなわち
カルバペネム骨格の1位がβ配置を有する化合物の選択
的な製造方法を提供することにある。
ところで本発明者らは本発明が目的とするカルバペネム
系抗生物質の重要な合成出発化合物となる次式VIII: (式中、Xはヘテロ原子を表わし、RbおよびRcは有機置
換残基を表わす) で表わされる化合物、すなわちアゼチジノン骨格の3位
ならびに4位の置換分がそれぞれの立体配置を有し、
かつ3位のヒドロキシエチル基および4位の1-置換カル
ボニルメチル基の不斉炭素がそれぞれ配置を有する化
合物を、立体選択的に製造し得る方法を確立し特許出願
を行なっている(特願昭60-269417号)。
今回本発明者らは上記式VIIIで表わされる化合物のうち
特にXcとして置換アミノ基である化合物を原料として選
択し、その置換基:XRcは配置を保持したままの所望の
1-置換カルバペネム−3−カルボン酸誘導体を得る合成
法を検討し、その結果本発明を完成させたのである。
(目的を達成するための手段) しかして本発明は次式I: (式中、R1は置換アミノ基を表わし、R2は非置換もしく
は置換アルキル基または複素環基を表わし、R3は水素原
子またはカルボキシル保護基を表わす) で表わされる(1R)‐1-置換カルバペネム−3−カルボ
ン酸誘導体を提供するものである。
また本発明は上記式Iで示される(1R)‐1-置換カルバ
ペネム−3−カルボン酸誘導体の製造方法を提供するも
のであり、該製造方法は: 次式II: (式中、R1は置換アミノ基を表わし、R3はカルボキシル
保護基を表わす) で表わされる(1R)‐1-置換‐2-オキソ‐カルバペネム
−3−カルボン酸化合物を、 式:RaX(式中、Raは脱離基、好ましくはアシル基を表わ
し、Xはハロゲン原子を表わす)で表わされるアシル化
剤またはその反応性誘導体と反応させ、次式III: (式中、R1、R3およびRaは前記定義と同一) で表わされる化合物となし、次いで塩基の存在下に式:R
2SH(式中、R2は非置換もしくは置換アルキル基または
複素環基を表わす)で表わされるメルカプト試薬と反応
させ、R3がカルボキシル保護基の場合は更に該保護基を
除去することからなる方法である。
更に本発明は前記式IIで表わされる(1R)‐1-置換−2
−オキソ‐カルバペネム−3−カルボン酸化合物ならび
にその製造法をも提供するものであり、かかる製造法
は、次式IV: (式中、R1は置換アミノ基を表わし、R4は水酸基の保護
基を表わし、R5は水素原子、低級アルキル基、アリール
基またはアラルキル基を表わす) で表わされるアゼチジン‐2-オン誘導体を、イミダゾー
ルの存在下、 式:(R3OOCCH2CO22Mg(式中、R3はカルボキシル保護
基を表わす)で表わされるマグネシウムマロネート化合
物と反応させ次式V: (式中、R1、R3およびR4は前記定義と同一) で表わされる化合物となし、次いでR4の保護基を脱離し
次式VI: (式中、R1およびR3は前記定義と同一) で表わされる化合物とし、得られた式VIの化合物を塩基
の存在下にアジド化合物と処理し次式VII: で表わされるジアゾ化合物となし、金属触媒の存在下に
環化反応を行なうことからなるものである。
上述の如く提供する本発明を、理解容易ならしめるため
に化学反応式で示せば次のようにまとめられる。
(上記反応式中各置換基の定義は前記と同一) 注:カッコ内の符号は工程の符号を示す。
上記の反応式で提供される本発明の特徴は、出発化合物
として式IVで表わされる化合物にすでに望む立体配置が
保有されたものを選択し、その立体配置を保持したまま
目的とする式Iで表わされる(1R)‐1-置換カルバペネ
ム‐3-カルボン酸へ誘導する点にある。
そして、これら立体配置を保持したままでの製造方法は
従来なんら検討のされていなかった新規なものであり、
したがって本発明は新規な式IならびにIIで表わされる
化合物を提供するものである。
(作用) 本明細書において、「置換アミノ基」とはモノ置換また
はジ置換アミノ基を意味し、該置換アミノ基の置換基と
しては後記する低級アルキル基あるいはアミノ基保護基
を例示することができる。この場合のアミノ保護基とし
ては例えばペプチド化学等でアミノ基の保護基として通
常用いられているものが包含されるが、好ましくはフタ
ロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、t-ブトキシカ
ルボニル基等が挙げられる。
「低級アルキル基」は直鎖状又は分岐鎖状のいずれであ
ってもよく、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するこ
とができ、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプ
ロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、イソヘ
キシル基等が包含される。
また「置換アルキル基」としては上記の低級アルキル基
に種々の置換基が置換されたアルキル基を意味し、その
ような置換基としては、アミノ、置換アミノ、アミジ
ノ、イミノ、グアニジノ、グアニジニウム、スルファモ
イル、ウレイド、アミド、メルカプト、アルキルチオ、
アリルチオ等を上げることができる。
更に置換アルキル基としては、次に説明する「複素環
基」で置換されたアルキル基であっても良い。
また「複素環基」とはヘテロ原子として酸素、窒素、硫
黄原子の少なくとも1個を含有する芳香族あるいは脂肪
族複素環基を意味し、例えば、フリル、フルフリル、チ
エニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリジニル、ピペリ
ジル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、チアゾリ
ル、オキサゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テ
トラゾリル等を挙げることができ、これらのものは前記
した如くメチレン鎖を介して結合していても良い。更に
環炭素原子には前述した置換基があっても良い。
「カルボキシル保護基」としては、例えばエステル残基
を例示することができ、かかるエステル残基としてはメ
チル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-、iso-、
sec-、tert-ブチル、n-ヘキシルエステル等の低級アル
キルエステル残基、ベンジル、p-ニトロベンジル、o-ニ
トロベンジル、p-メトキシベンジル等のアラアルキルエ
ステル残基、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメ
チル、n-、iso-、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオ
キシメチル等の低級脂肪族アシルオキシメチル残基であ
る。
「アリール基」は単環式又は多環式のいずれであっても
よく、さらに環上に1個もしくはそれ以上の低級アルキ
ル基を有してもよく、例えば、フエニル、トリル、キシ
リル、α‐ナフチル、β‐ナフチル、ビフエニリル基等
が包含される。
「アラルキル基」はアルキル基が上記低級アルキル基で
あり且つアリール基が上記の意味を有するアリール置換
アルキル基であり、具体的には、ベンジル、フエネチ
ル、α‐メチルベンジル、フエニルプロピル、ナフチル
メチル基等が例示することができる。
さらにR4で示される「水酸基の保護基」としては、例え
ばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチル
ジメチルシリル、ジフエニル‐tert-ブチルシリル等の
シリル基;ベンジルオキシカルボニル基;p-ニトロベン
ジルオキシカルボニル、o-ニトロベンジルオキシカルボ
ニル等の置換ベンジルオキシカルボニル基;その他通常
使用される水酸基の保護基が挙げられる。
したがって、本発明は式Iで表わされる(1R)‐1-置換
カルバペネム−3−カルボン酸誘導体として、また、式
IIで表される化合物としては、例えば上記の置換基が適
宜置換された種々の化合物を提供するものである。
以下に本発明の製造方法を前出の化学反応式における各
工程の説明により詳細に説明する。
工程A:本工程は、先に本発明者が提案(特願昭60-26941
7号)により製造される式IVで表わされるアゼチジン‐2
-オン誘導体を、イミダゾールの存在下式:(R3OOCH2CO
22Mgで表わされるマグネシウムマロネート化合物と反
応させ、式Vで表わされる化合物を得る工程である。
反応は好ましくは不活性有機溶媒中で行なわれ、例えば
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル系溶媒;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭
化水素系溶媒、ジクロルメタン、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素系溶媒;アセトニトリル等などを挙げる
ことができるが、特にアセトニトリルが好適に使用され
る。
反応温度は厳密に制限されるものではなく、使用する出
発原料等に応じて広範に変えることができるが、一般に
は約0℃ないしほぼ100℃程度、好ましくは室温付近の
比較的低温が使用される。
式IVの化合物に対するマグネシウムマロネート化合物の
使用量はほぼ等モル量が使用され、反応は50時間程度、
好ましくは20時間程度で完了する。
なお、使用するマグネシウムマロネート化合物として
は、パラニトロベンジルマグネシウムマロネート、ベン
ジルマグネシウムマロネート、メチルマグネシウムマロ
ネート等を挙げることができるが、なかでもパラニトロ
ベンジルマグネシウムマロネートを用いるのが好まし
い。
工程B:本工程は、工程Aで得られた式Vの化合物におい
てR4で示される水酸基の保護基を脱離させる工程であ
る。例えば、R4がt-ブチルジメチルシリル基のようなト
リオルガノシリル基である保護基の除去はVをメタノー
ル、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のような溶媒中で、塩酸、硫酸、酢酸などのような酸の
存在下、0〜100℃の温度で0.5〜18時間酸性加水分解す
ることにより実行される。(“トリオルガノシリル”の
用語はより好ましくは1〜6個の炭素原子を持つアルキ
ル基、フエニル基及びフエニルアルキル基から独立に選
ばれる有機化合物部分を包含する。) かかる工程により、目的とする式VIで表わされる化合物
を定量的に得ることができる。
工程C:かくして工程Bで得られた式VIで表わされる化合
物を、塩基の存在下に前記工程Aで使用し得る不活性有
機溶媒中アジド化合物と処理し、目的とするジアゾ化合
物VIIを得る。
使用されるアジド化合物としては、p-カルボキシベンゼ
ンスルホニルアジド、トルエンスルホニルアジド、メタ
ンスルホニルアジド、ドデシルベンゼンスルホニルアジ
ドなどのようなアジドを挙げることができ、塩基として
は、トリエチルアミン、ピリジン、ジエチルアミンのよ
うな塩基を例示することができる。
反応は、好ましくはトリエチルアミンの存在下アセトニ
トリル中、p-トルエンスルホニルアジドを加え、0〜10
0℃、好ましくは室温で1〜50時間処理することによ
り、高収率で目的とする式VIIのジアゾ化合物を得るこ
とができる。
工程D:本工程は工程Cで得られたジアゾ化合物VIIを環
化し、化合物IIとする工程であるが、例えばVIIをベン
ゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサ
ン、酢酸エチル、ジクロルメタンなどのような不活性溶
媒、好ましくはトルエン中で25〜110℃の温度で1〜5
時間、ビス(アセチルアセトナト)Cu(II);〔Cu(ac
ac)〕、CuSO4、銅粉末、Rh2(OAc)、ロジウムオ
クタノートまたはPd(OAc)のような金属アセテート
触媒の存在下で処理することにより実行される。一方別
の方法として、環化工程はVIIをベンゼン、ジエチルエ
ーテルなどのような溶媒中で0〜25℃の温度で0.5〜2
時間パイレックスフイルター(波長は300nmより大)を
通して照射することにより実行することができる。
また、得られた化合物IIにおいてR3がカルボキシル保護
基を有する化合物の脱保護は、次の工程と同時に除去
し、R3が水素原子である化合物を得ることができる。
工程E,F:上記の工程で製造された式IIで表わされる(1
R)‐1-置換−2−オキソ−カルバペネム−3−カルボ
ン酸誘導体をアシル化剤RaXでアシル化し、次いでアシ
ル基RaをR2Sで置換させて、目的とする式Iで表わされ
る(1R)‐1-置換カルバペネム‐3-カルボン酸へ導びく
工程である。
すなわち、アシル基Raを導入するIIからIIIへの工程E
はp-トルエンスルホン酸無水物、p-ニトロフエニルスル
ホン酸無水物、2,4,6-トリイソプロピルフエニルスルホ
ン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメ
タンスルホン酸無水物、ジフエニルクロロリン酸、トル
エンスルホニルクロリド、p-ブロモフエニルスルホニル
クロリドなどのようなアシル化剤RaXにより二環性化合
物をアシル化することにより実行される。
ここで、Raはトルエンスルホニロキシ基、p-ニトロフエ
ニルスルホニロキシ基、ベンゼンスルホニロキシ基、ジ
フエニルホスホリル基及びその他の通常の方法で導入さ
れ、また当該技術分野でよく知られている脱離基のよう
な相当する脱離基である。具体的には脱離基Raを導入す
る上のアシル化はメチレンクロリド、アセトニトリルま
たはジメチルホルムアミドのような溶媒中で、ジイソプ
ロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4-ジメチルア
ミノピリジンなどのような塩基の存在下で、‐20〜40℃
の温度で、0.1〜5時間反応する。化合物IIIの脱離基Ra
はまた、ハロゲン原子であることもできる。ハロゲン脱
離基はIIを、Ph3PCl2、Ph3PBr2、(PhO)3PBr2、オキザ
リルクロリドなどのようなハロゲン化剤とジクロルメタ
ン、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどのような
溶媒中でジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミ
ンまたは4-ジメチルアミノピリジンなどのような塩基の
存在下で処理することにより導入される。
次いで、IIIからIへの変換は、例えばIIIをテトラヒド
ロフラン、ジクロルメタン、ジオキサン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ヘ
キサメチルホスホラミドなどのような溶媒中で、ほぼ当
量から過剰のメルカプト試薬R2SH存在させ、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプ
ロピルエチルアミンなどのような塩基の存在下で‐40〜
25℃で30分〜24時間処理することにより行なわれる。
かくして、式IにおいてR3がカルボキシル保護基で置換
された化合物を得ることができる。
このカルボキシル保護基を除去し、遊離のカルボン酸を
得るのは、ソルボリシスまたは水素添加のような通常の
方法により実行される。すなわち、脱保護基の条件は次
の通りである。典型的には、I中R3がカルボキシル保護
基の化合物はpH7のモルホリノプロパンスルホン酸‐水
酸化ナトリウム緩衝液、pH7リン酸塩緩衝液、リン酸二
カリウム、重炭酸ナトリウムなどを含むテトラヒドロフ
ラン−水、テトラヒドロフラン−エタノール−水、ジオ
キサン−水、ジオキサン−エタノール−水、n-ブタノー
ル−水などのような溶媒中で、1〜4気圧の水素気圧下
で酸化白金、パラジウム−活性炭、水酸化パラジウム−
活性炭などのような触媒の存在下、0〜50℃の温度で0.
25〜4時間処理して目的とするIが作られる。R3o-ニト
ロベンジル基のような基である場合、例えば光分解もま
た脱保護基に用いることができる。
以上の如く、本発明はすでにカルバペネム骨格の1位が
配置の置換アミノ基を選択的に製造し得るものであ
り、従来の方法がセラミ体でしか製造し得なかった点を
考慮すると特に優れた製造方法ということができる。
かくして製造される本発明の式Iで表わされる(1R)‐
1-置換カルバペネム−3−カルボン酸誘導体は、デヒド
ロペプチダーゼとして知られている腎酵素による攻撃に
対して安定であり、かつその抗菌作用も優れたものであ
る。
(実施例) 以下に本発明を実施例により更に説明するが、これに限
定するものではない。
なお、実施例中の記号ZおよびPNBは以下の基を表わ
す。
Z:ベンジルオキシカルボニル基 PNB:パラニトロベンジル基 実施例1: スズトリフレート12.75g(30.5mM)を無水テトラヒドロ
フラン50mlに溶解し、この溶液にN-エチルピペリジン4.
41ml(32.2mM)および化合物(2)8.34g(23.7mM)の
無水テトラヒドロフラン溶液25mlを加え、室温にて1時
間撹拌しエノレートを生成させた。次いで、上記反応溶
液に化合物(1)4.86g(16.9mM)の無水テトラヒドロ
フラン溶液25mlを加え、室温にて0.5時間撹拌した後、
0.1Mリン酸緩衝液20mlおよびエーテル20mlを加え同温に
て5分間撹拌した。沈殿物をセライト瀘過で除き、瀘液
を1N-HCl、H2Oおよび飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後溶媒を留去した。残留物をシリカゲル
カラムクロマトグライー(溶出液:クロロホルム:アセ
トン=95:5)にて精製し、黄色油状物(3)を5.88g(6
0.0%)得た。
実施例2:(3S,4S)‐3-[(1R)‐1-t-ブチルジメチル
シロキシエチル]‐4-[(1R)‐1-(N-メチル‐N-ベン
ジルオキシカルボニル)アミノ‐3-パラニトロベンジル
オキシカルボニル‐2-オキソプロピル]‐2-アゼチジン
‐2-オン(4) 化合物(3)518.3g(0.89mM)およびイミダゾール122.
5mg(1.8mM)をアセトニトリル10mlに溶解、アルゴンガ
ス雰囲気下に室温にて45分間撹拌する。次いでパラニト
ロベンジルマグネシウムマロネート477.2mg(0.87mM)
のアセトニトリル懸濁液10mlを加え、60℃で3.5時間撹
拌する。アセトニトリルを留去し、残渣に酢酸エチル20
mlを加え、1N-HCl、H2O、5%NaHCO3、および飽和食塩
水にて洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留
去後、カラムクロマトグラフィー(溶出液 酢酸エチ
ル)で精製し、微黄色油状の化合物(4)177.5mg(31.
8%)を得た。
NMR(CDCl3)δppm:0.05(6H,s),0.86(9H,s),1.26
(3H,d,J=6.5Hz),2.83-3.06(1H,m),2.95(3H,s),
3.55(2H,s),4.03-4.50(3H,m),5.16(2H,s),5.23
(2H,s),5.89(1H,br s),7.35(5H,s),7.50(2H,d,J
=8.9Hz),8.25(2H,d,J=8.9Hz). 実施例3:(3S,4S)‐3-[(1R)‐1-ヒドロキシエチ
ル]‐4-[(1R)‐1-(N-メチル‐N-ベンジルオキシカ
ルボニル)アミノ‐3-パラニトロベンジルオキシカルボ
ニル‐2-オキソプロピル]−アゼチジン‐2-オン(5) 実施例2で得た化合物(4)591.9mg(0.944mM)をメタ
ノール5.6mlと水2.8mlの混合液に溶解し、濃HCl0.24ml
を加え室温で1時間撹拌する。次いでメタノールを減圧
留去し得られた残留物に水10mlを加え酢酸エチル30mlで
抽出する。飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウム乾
燥後、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー
(溶出液・酢酸エチル)で精製し、微黄色油状の化合物
(5)を359.8mg(74.3%)得た。
NMR(CDCl3)δppm;1.30(3H,d,J=7Hz),2.90-3.07(1
H,m),3.00(3H,s),3.45-3.65(2H,m),4.00-4.30(2
H,m),4.37-4.53(1H,m),5.20(2H,s),5.26(2H,s),
6.20(1H,s),7.40(5H,s),7.53(2H,d,J=8.5Hz),8.
26(2H,d,J=8.5Hz) 実施例4:(3S,4S)‐3-[(1R)‐1-ヒドロキシエチ
ル]‐4-[(1R)‐1-(N-メチル‐N-ベンジルオキシカ
ルボニル)アミノ‐3-ジアゾ‐3-パラニトロベンジルオ
キシカルボニル‐2-オキソプロピル]‐アゼチジン‐2-
オン(6) 実施例3で得た化合物(5)403.7mg(0.787mM)、パラ
トルエンスルホニルアジド186mg(0.943mM)とをアセト
ニトリル3mlに溶解し、これに室温でトリエチルアミン
0.12ml(0.867mM)を加え、45分間撹拌する。次いでア
セトニトリルを減圧留去し酢酸エチル30mlを加え、飽和
食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留
去し、カラムクロマトグラフィー(溶出液 クロロホル
ム‐酢酸エチル 1/1)で精製し微黄色粘稠油状物として
化合物(6)249.0mg(58.7%)を得た。
NMR(CDCl3)δppm:1.10(3H,J=6Hz),2.90-3.10(4H,
m),4.03-4.25(2H,m),5.05-5.23(3H,m),5.30(2H,
s),5.90,6.13(1H,bs),7.35(5H,s),7.50(2H,d,J=
8.7Hz),8.23(2H,d,J=8.7) 実施例5:(1R,5S,6S)‐2-オキソ‐6-[(1R)‐1-ヒド
ロキシエチル]‐1-(N-メチル‐N-ベンジルオキシカル
ボニル)アミノカルバペナム‐3-カルボン酸パラニトロ
ベンジルエステル(7) 実施例4で得た化合物(6)19.9mg(3.69×10-2mM)、
触媒量のロジウム(II)オクタノエートにトルエン0.5m
lを加え80℃で30分撹拌した後トルエンを減圧留去し、
残留物について分取用薄層クロマト板を用いて精製し、
化合物(7)を7.5mg(40%)得た。
IR(CHCl3)cm-1:1770,1695, NMR(CDCl3)δppm,1.35(3H,d,J=7Hz),3.00(3H,
s),3.25-3.40(1H,m),3.92-4.07(1H,m),4.20-4.40
(1H,m),4.82(1H,s),5.08-5.40(5H,m),7.53(5H,
s),7.57(2H,d,J=7.5Hz),8.25(2H,d,J=7.5Hz). 実施例6:(1R,5S,6S)‐2-(2-ピリミジルチオ)‐6-
[(1R)‐1-ヒドロキシエチル]‐1-(N-メチル‐N-ベ
ンジルオキシカルボニル)アミノカルバペネム‐3-カル
ボン酸パラニトロベンジエステル(8) 実施例5で得た化合物(7)20.0mg(3.91×10-2mM)を
アセトニトリル0.2mlに溶解し、0℃で撹拌、その中に
ジフェニルリン酸クロリド0.009ml(4.43×10-2mM)、
ジイソプロピルエチルアミン0.008ml(3.87×10-2mM)
を順次加え、2時間撹拌する。その後N,N-ジメチルホル
ムアミド0.2mlに懸濁した2-メルカプトピリミジン4.6mg
(4.06×10-2mM)、ジイソプロピルエチルアミン0.07ml
(4.24×10-2mM)を加えて0℃で30分、その後室温で20
時間撹拌し、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、分取用薄
層クロマト板を用いて精製し化合物(8)4mg(21%)
を得た。
IR(CHCl3)cm-1:1750,1720 NMR(CDCl3)δppm:1,30(3H,d,J=7Hz),2.90(3H,
s),2.87-3.13(1H,m),3.65-4.33(3H,m),4.87-5.30
(5H,m),7.23-7.57(8H,m),8.15(2H,d,J=9Hz),8.7
7(2H,d,J=9Hz). 実施例7:(5S,6S)‐(1R)‐1-(N-メチル‐N-ベンジ
ルオキシカルボニル)アミノ‐2-(2-ピリミジルチオ)
‐6-[(1R)‐1-ヒドロキシエチル]‐カルバペネム‐
3-カルボン酸(9) 実施例6で得た化合物(8)と5%パラジウム−炭素と
をテトラヒドロフラン−水混液中、3気圧の水素下9時
間振とう後、テトラヒドロフランを減圧留去しエーテル
で洗浄し、水層を凍結乾燥し、微黄白色粉末として化合
物(9)を得た。
実施例8: (1R,5S,6S)‐2-オキソ‐6-[(1R)‐ヒド
ロキシエチル]‐1-(N-メチル‐N-ベンジルオキシカル
ボニル)アミノカルバペナム‐3-カルボン酸(10) 実施例5で得た化合物(7)を用い、実施例7と同様の
操作を行ない得た。
実施例9:(3S,4S)‐3-[(1R)‐1-t-ブチルジメチル
シロキシエチル]‐4-[(1R)‐1-ベンジルオキシカル
ボニルアミノ‐(4S-エチル‐1,3-チアゾリジン‐2-チ
オン‐3-イルカルボニルメチル)‐アゼチジン‐2-オン
(11) 実施例1に記載の方法に準じ、スズトリフレ‐ト、化合
物(1)および対応する1,3-チアゾリジン‐2-チオン化
合物を用い同様反応を行ない、目的とする化合物(11)
を得た。
実施例10: (3S,4S)‐3-[(1R)‐1-t-ブチルジメチ
ルシロキシエチル]‐4-[(1R)‐1-ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ‐3-パラニトロベンジルオキシカルボニ
ル‐2-オキソプロピル]‐2-アゼチジン‐2-オン(12) 実施例9で得た化合物(11)を用い、実施例2に記載の
方法に準じ50℃にて3時間反応を行ない、目的とする化
合物(12)を31.8%の収率で得た。
NMR(CDCl3)δppm:0.07(6H,s),0.86(6H,s),1.18
(3H,d,J=6Hz),2.90-3.03(1H,m),3.63(2H,s),4.0
0-4.30(1H,m),5.13-5.30(4H,m),5.86(1H,d,J=9H
z),6.30(1H,bs),7.35(5H,s),7.50(2H,d,J=8.6H
z),8.23(2H,d,J=8.6Hz). 実施例11:(3S,4S)‐3-[(1R)‐1-ヒドロキシエチ
ル]‐4-[(1R)‐1-ベンジルオキシカルボニルアミノ
‐3-パラニトロベンジルオキシカルボニル‐2-オキソプ
ロピル]−アゼチジン‐2-オン(13) 実施例10で得た化合物(12)を実施例3に記載と同様の
反応に付し、目的とする化合物(13)を96.6%の収率で
得た。
NMR(CDCl3)δppm:1.23(3H,d,J=6.2Hz),2.95-3.15
(1H,m),3.73(2H,s),4.06-4.26,4.50-4.73(2H,m),
5.13(2H,s),5.22-5.36(3H,m),5.90,6.23(1H,d,J=
9Hz),6.46,6.53(1H,s),7.33(5H,s),7.50(2H,d,J
=9Hz),8.22(2H,d,J=9Hz). 実施例12:(3S,4S)‐3-[(1R)‐1-ヒドロキシエチ
ル]‐4-[(1R)‐1-ベンジルオキシカルボニルアミノ
‐3-ジアゾ‐3-パラニトロベンジルオキシカルボニル‐
2-オキソプロピル]‐アゼチジン‐2-オン(14) 実施例11で得た化合物(13)を実施例4に記載と同様の
反応させ、目的とする化合物(14)を95.0%の収率で得
た。
IR(CHCl3)cm-1:2160,1760,1720,1650. NMR(CDCl3)δppm:1.29(3H,d,J=5.8Hz),2.85(1H,b
r),3.13(1H,dd,J=4.5Hz),4.03-4.30(2H,m),5.08
(2H,s),5.36(2H,s),5.62(1H,dd,J=9.0,2.8Hz),
6.10(1H,d,J=9.0Hz),6.13(1H,bs),7.33(5H,s),
7.53(2H,d,J=9.0Hz),8.26(2H,d,J=9.0Hz). 実施例13:(1R,5S,6S)‐2-オキソ‐6-[(1R)‐1-ヒ
ドロキシエチル]‐1-ベンジルオキシカルボニルアミノ
カルバペナム‐3-カルボン酸パラニトロベンジルエステ
ル(15) 実施例12で得た化合物(14)を実施例5と同様に反応さ
せ、化合物(15)を50%の収率で得た。
IR(CHCl3)cm-1:1750,1705. NMR(CDCl3)δppm:1.13(3H,d,J=6.0Hz),3.15(1H,d
d,J=8.0,2.5Hz),4.10(3H,m),4.90(1H,s),5.20(5
H,m),7.32(5H,s),7.63(2H,d,J=9Hz),8.30(2H,d,
J=9Hz).

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式IV: (式中、R1は低級アルキル基もしくはアミノ保護基でモ
    ノ−もしくはジ−置換されたアミノ基を表わし、R4は水
    酸基の保護基を表わし、R5は水素原子、低級アルキル
    基、アリール基またはアラルキル基を表わす) で示されるアゼチジン−2−オン誘導体を、イミダゾー
    ルの存在下、 式: (R3OOCCH2CO22Mg (式中、R3はカルボキシル保護基を表わす) で示されるマグネシウムマロネート化合物と反応させる
    ことを特徴とする次式V: (式中、R1、R3およびR4は前記定義と同一) で示される化合物の製造法。
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