JPH07108792B2 - グラスライニング機器の製造法 - Google Patents

グラスライニング機器の製造法

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JPH07108792B2
JPH07108792B2 JP25336586A JP25336586A JPH07108792B2 JP H07108792 B2 JPH07108792 B2 JP H07108792B2 JP 25336586 A JP25336586 A JP 25336586A JP 25336586 A JP25336586 A JP 25336586A JP H07108792 B2 JPH07108792 B2 JP H07108792B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、グラスライニングの耐機械衝撃性、耐摩耗性
を強化すると同時に、耐蝕性、耐熱衝撃性、伝熱性を一
定の水準より高い水準に維持するグラスライニング機器
の製造法に関する。
(従来の技術) ガラスを含めてセラミツクスの技術分野においては、脆
さを克服するために、粒子あるいは、ウイスカーを含む
繊維の分散による靭性強化が種々検討されている。
グラスライニング機器においても、従来からガラス層の
(a)耐機械衝撃性、(b)耐摩耗性あるいは(c)耐
熱衝撃性を強化するため、(i)アルミナ、(ii)ウベ
ライトおよび(iii)硅石などの粒子をスリツプ中に混
合分散することが行なわれてきた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながらグラスライニング機器は、苛酷な腐蝕環境
で使用されるものであること、また内容液の加熱、冷却
がジヤケツト側からのスチーム、水、冷媒との伝熱によ
つて行なわれるものであることからすると、(a)耐機
械衝撃性、(b)耐摩耗性が特に必要な場合でも、
(c)耐蝕性ならびに(c)耐熱衝撃性、(d)熱伝導
性などの特性は一定の水準を保持する必要がある。すな
わちグラスライニング機器では、諸特性のうちの1つの
改善が強く要望される場合でもそのために他の特性が犠
牲にされて著しく低下することは許されない。
この観点からすると、従来技術の前記添加物質は必しも
前記の必要を満足するものではない。すなわち次の問題
が残る。
(i) アルミナの添加は(b)耐摩耗性を強化する
が、(e1)耐酸性およびライニング性を低下させる。
(ii) ウベライトも(b)耐摩耗性を超過するが(e
1)耐酸性を低下させる。
(iii) 硅石粉末の添加は(c)耐熱衝撃性を強化す
るが、(e2)耐アルカリ性を低下させる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は従来技術の前記のような問題を殆んど解決する
ことのできる改良グラスライニング機器の製造法を提供
するものである。
すなわち、本発明は、グラスライニング機器の(a)耐
機械衝撃性または(b)耐摩耗性を強化する場合、グラ
スライニングのゲラスフリツト100%に対してスピネル
粒子単独あるいはスピネル粒子を主体に粒子状、繊維状
ジルコニア系酸化物を含む混合物を10〜60%配加してス
リツプを調製し、これを素地金属にくすり掛けし乾燥焼
成することを特徴とし、それにより前記(a)(b)の
特性の強化と同時に(e)耐蝕性、(c)耐熱衝撃性お
よび(d)熱伝導性を一定の水準あるいは特性によつて
は高い水準に維持する。
スピネルは尖晶石ともいわれ、化学組成はMgAl2O4であ
り、Fe、MnがMgを、またFe、CrがAlを置き換えることが
ある。
ここでいうジルコニア系酸化物とは、酸化ジルコニウ
ム、酸化ジルコニウム−酸化カルシウム(ジルコニア.
カルシア)、酸化ジルコニウム−酸化イツトリウム(ジ
ルコニア・イツトリア)等を総称している。
好結果を得るグラスフリツトのガラス組成は、 B2O3+SiO2+P2O5 58〜74% R2O(Na2O.K2O.Li2O) 12〜24% RO(CaO.MgO.BaO、SrO) 0〜8 % ZnO+AI2O3+ZrO+TiO2 1〜9 % Cr3O4+CuO+NiO+MnO2+V2O5+Fe3O4 0〜5 % CaF2+F2 0〜11% (ただし%はモル%である) である。
本発明のグラスライニング工程の基本は既知の方法に基
づき、異なる点は焼成前の下ぐすり、上ぐすりのスリツ
プ工程にスピネル単独あるいはスピネル、ジルコニア系
酸化物粒子またはスピネル、ジルコニア系酸化物繊維を
添加することにある(以下、これら3者を総称してスピ
ネルということがある)。
この場合、下ぐすり、上ぐすりは1種類のフリツトで調
製された単独タイプや複数のフリツトで配合調製された
混合タイプのいずれでもよい。
スピネル添加スリツプを作る際のミル引き配合は、フリ
ツトに粘土、懸濁安定剤、電解質、含水無晶形二酸化ケ
イ素(ホワイトカーボン)等を添加し、それにスピネ
ル、水を加えてミル引きする。またくすり掛けは湿式で
手掛け、スプレー式、デイツプ式や乾式等のいずれでも
よい。グラスライニングは通常下ぐすりを含め多層掛け
のライニングを必要とし、スピネル入りを適用する場合
に下ぐすり、上ぐすり層のいずれの層にも適用できる
が、上ぐすり層の場合、最終表面層のみスピネルの含ま
ない上ぐすり層を形成することができる。また本発明は
グラスライニングに適用できる金属には全て施工でき
る。すなわち低炭素鋼板、鋳鉄、ステンレス鋼、ニツケ
ル・モリブデン合金(ハステロイ)、ニツケル・クロム
・鉄合金(インコネル)等に施工できる。
本発明においてスリツプに添加するスピネルおよびスピ
ネルに配合するジルコニア系酸化物の粒子の平均粒子径
は約24μ、またジルコニア系酸化物繊維は平均径5μ、
平均長20〜30μの程度が好ましい。
(作用) 本発明方法によつて得られるグラスライニングの諸特性
の顕著な改善作用および一部特性が非許容限度に低下す
ることをなくする作用は後記実施例に示すとおりであ
る。
(実施例) 本発明方法によるスピネル含有グラスライニングの諸特
性を従来技術のそれと比較して評価するため次の試験を
行つた。
(A) 耐機械衝撃性(a)評価試験 80mm平方で厚さ6mmの低炭素鋼板に第1表の通常下ぐす
りGS、スピネル含有下ぐすりG1、G2を施し、その上に第
2表のスピネル含有上ぐすりC1A、C2A、C3A、C1B、C2B
を施した。クラスライニング層の厚みは1.0±0.1mmの範
囲とした。
比較のため通常下ぐすりGSの上に通常の上ぐすりCSA、C
SBを施して比較試料とした。
機械衝撃試験方法としては、JISR 4201−1983の落下球
衝撃試験法があるが、試料のグラス面に剥離が生ずるに
は2.5m以上の高さを要するのでDIN 51155のピストル型
衝撃試験機を用い、ばねの力で径5mmの球状の衝撃子が
ついた撃茎を試料のグラス面に打込みグラス面の剥離状
態をみた。ばね強さ9kgf時の結果を第3表に示す。
第3表の衝撃跡状況、衝撃跡傷寸法の何れにも知られる
ように本発明のグラスライニングは通常のグラスライニ
ングに比して著しい耐機械衝撃性の向上を示す。
(B) 耐摩耗性(b)評価試験 耐摩耗性試験はテーバー回転摩耗試験機を用いて行つ
た。
試料としては、中心に径6mmの小孔のある径100mm、厚さ
3mmのSUS 304ステンレス鋼製円板に第1表の下ぐすりGS
と第2表のスピネル含有上ぐすりC1A、C1Bを施工して本
発明の試料とし、比較のため上ぐすりCSA、CSBを施工し
たものを比較試料とした。その結果を第4表に示す。
第4表より本発明のスピネル含有グラスライニングは通
常のグラスライニングに較べ摩耗が50〜60%に留ること
が知られる。
(C) 耐熱衝撃性(c)評価試験 耐熱衝撃性はJIS R4201−1983に準じて行つた。
試料としては、厚6mm、80mm平方の低炭素鋼板に第1表
の下ぐすりGSを施しその上に第2表のスピネル入り上ぐ
すりC2Bを施工して本発明の試料とし、比較のため上ぐ
すりCSBを施工したものを比較試料とした。全体のグラ
スライニング厚みは0.8±0.1mmの範囲に留めた。
試験は、先づ水温12〜16℃、水量4以上の水槽を用意
し、試料を水温より100℃高い恒温器内で20分間加熱し
たのち、直ちに水中に投入し、グラスライニング面の破
損の有無を肉眼で観察した。破損が認められない場合は
試験温度を10℃高い温度に加熱したのち再び投入し、試
料のグラスライニング面にクラツクが生ずるまでこの操
作を繰返し、クラツクが生じたときの加熱温度と水温と
の差を耐熱衝撃温度差ΔTとした。その結果を第5表に
示す。表中、○は以上なし、△はクラツク、×は剥離が
生じたことを示す。
第5表から本発明のスピネル含有グラスライニングは通
常のグラスライニングに較べて耐熱衝撃性が増大してい
ることが知られる。
(D) 熱伝導性(d)測定試験 熱伝導率の測定はアグネ製熱伝導率測定装置ARC−TC−
1型を使用し温度傾斜法により測定温度30℃で測定し
た。
試料としては、厚さ6mm、50mm平方の低炭素鋼板に第1
表の下ぐすりGS、その上に第2表のスピネル入り上ぐす
りC1Aを施工して本発明試料とし、比較のため下ぐすりG
S、上ぐすりCSAを施工したものを比較試料とした。測定
結果を第6表に示す。
第6表から本発明のスピネル含有グラスライニンググラ
スは通常のグラスライニンググラスに比して熱伝導率は
約40%上昇する。
(E) 耐蝕性試験 耐酸性(e1)として耐塩酸性、耐アルカリ性(e2)とし
て耐水酸化ナトリウム性の試験をJIS R4201−1983で行
い、耐水性(e3)試験をISO2744−1973(E)で行つ
た。
試料としては何れも厚み2mm、径105mmのJIS G 4304のSU
S 304ステンレス鋼の円板に第1表の下ぐすりGS、その
上に第2表のスピネル入り上ぐすりC1A、C3A、C1B、C2B
を施工し本発明試料とした。比較のため下ぐすりGS、上
ぐすりCSA、CSBを施工したものを比較試料とした。
試験は、先づ試料を脱イオン水で洗浄後、温度110±5
℃の乾燥器の中で約2時間乾燥し、次にデシケータの中
で2時間放冷した後、少くとも0.2mgまで秤量し、試験
前の重量とした。
外径90mm、高さ150mmのグラス製還流凝縮器つきパイレ
ツクスガラス製円筒の上下に試料をグラスライニング面
を内側に、石綿座板と石綿入りポリ四ふつ化エチレン樹
脂包みガスケツトとの間に挾んで試験装置の上下に取り
付け、試験装置内に、耐塩酸製試験(E1)の場合は20%
塩酸を、また耐水性試験(E3)の場合は脱イオン水をそ
れぞれ350ml注入し、ガラス製円筒に取付けた500Wヒー
タで試験液を静かに沸騰させ液表面を破泡が覆う状態で
96時間保つた。
試験後、試料を装置から外し脱イオン水で水洗し、温度
110±5℃の乾燥器中で約2時間乾燥し、さらにデシケ
ータ中で約2時間放冷した後、少くとも0.2mgまで秤量
し、試験後の試料の重量とした。試験前後の試料の重量
差から重量減量を求め、年間腐蝕率mm/yrを算出した。
一方、耐水酸化ナトリウム製試験(E2)は、試料をJIS
G4304のSUS 304ステンレス鋼からなる円筒形装置に100
℃のアルカリ溶液に耐えるガスケツトを挾んでグラスラ
イニング面を内側にして左右1枚づつ取付け、次に試料
を取付けた装置に1N水酸化ナトリウム試験液を注入し80
±1℃に保たれた恒温器内に48時間保持した。試験終了
後、耐塩酸性耐水性試験の場合と同様、試料を脱イオン
水による水洗、乾燥、放冷、秤量の操作を行い、試験前
後の重量差を腐蝕減量とし、年間腐蝕率mm/yrを算出し
た。試験結果を第7表に示す。
第7表の試験結果から知られるように、本発明のスピネ
ル含有グラスライニングは通常のグラスライニングに比
較して耐塩酸性が若干低下する唯一の弱点がある。この
低下は実用上の許容範囲であり、若し耐酸性が特に問題
がある場合は最終コートに従来の耐酸性上ぐすりをコー
トすることができる。
耐水性、耐水酸化ナトリウム性は低下は認められない。
耐塩酸性と耐機械衝撃性あるいは耐摩耗性を同時に要求
される需要に対しては本発明のグラスの中より耐塩酸性
と耐機械的衝撃性あるいは耐摩耗性を同時に満足するグ
ラスを選定し、これに対処することができる。
(F) グラスライニング密着性試験 本発明のスピネル含有グラスライニングの素地金属に対
する密着性をJIS R 4204の試験法に準じて行つた。
試験装置としてはP・E・I(米国Pocelain Enamel In
stitute)密着試験器を使用した。
試料としては、厚さ3.2mm、100mm平方の低炭素鋼板に第
1表のスピネル入り下ぐすりG1を施工して本発明試料と
し、比較のため通常の下ぐすりGSを施工したものを比較
試料とした。ともにグラス厚み0.15±0.01mmの範囲とし
た。
試験は、先づ試料を油圧機に取付けた深さ2.3mm、底径2
8.7mmの円形溝をもつダイス(ダイスNo.14)の上に置
き、グラスライニング面に径25.4mmの焼入鋼球で試料の
中央を約900kg(2000ポンド)の荷重で圧搾し5秒間保
持して試料を変形させた。
次にその試料を油圧機より取外し、変形させたライニン
グ面を下にして約150mm下の床上に自然落下させ変形部
分にゆるく付着しているグラス片を素地金属より取除い
た。この操作を2回繰返して密着試験用の試料とした。
密着性試験器はそれに取付けてある169本の針が個々に
試料グラスリング面の変形した部分に落ちるようになつ
ており、針の落下した個所にグラスがないと針と素地金
属との間に電流が流れ計数器に表示するようになつてい
る。すなわち密着性は169本の針のうち何本が素地金属
に接触したかを計数器で読みとる。
接触した本数をx本とすると、密着率Aは次式 A={(169−x)/169}% により算出し、密着性の尺度とする。この試験結果を第
8表に示す。
第3表より本発明のスピネル含有下ぐすりは通常の下ぐ
すりより密着性がすぐれていることが知られる。
本発明のスピネル含有グラスライニング層の層形態は健
全である。
(発明の効果) 以上のように本発明のグラスライニング機器の製造法に
よると、グラスライニングの多くの特性が顕著に向上し
一部の耐塩酸性が許容される程度に低下するに過ぎない
ので、加熱、冷却を伴う腐蝕環境において耐機械衝撃性
あるいは耐摩耗性が要求される場合、耐熱衝撃性、伝熱
特性、耐蝕性あるいは密着性は通常の水準またはそれ以
上の水準に維持しながら耐機械衝撃性あるいは耐摩耗性
を飛躍的に向上させることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グラスライニングのグラスフリツトのスリ
    ツプの中にスピネル粒子単独あるいはスピネル粒子を主
    体に粒子状、繊維状ジルコニア系酸化物を含む混合物を
    グラスフリツト100%に対し10〜60%配加してくすり掛
    けを行ない焼成することを特徴とするグラスライニング
    機器の製造法。
  2. 【請求項2】ジルコニア酸化物が酸化ジルコニウム、酸
    化ジルコニウム−酸化カルシウム、酸化ジルコニウム−
    酸化イツトリウムの群の中から選ばれている特許請求の
    範囲第1項記載のグラスライニング機器の製造法。
  3. 【請求項3】グラスフリツトのガラス組成が B2O3+SiO2+P2O5 58〜74% R2O(Na2O、K2O、Li2O) 12〜24% RO(CaO、MgO、SrO) 0〜8 % ZnO+AI2O3+ZrO+TiO2 1〜9 % Cr3O4+CuO+NiO+MnO2+V2O5+Fe3O4 0〜5 % CaF2+F2 0〜11% (ただし%はモル%である) の釉薬組成物である特許請求の範囲第1項および第2項
    のいずれかに記載のグラスライニング機器の製造法。
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