JPH07109032B2 - 連続薄膜の形成方法 - Google Patents
連続薄膜の形成方法Info
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- JPH07109032B2 JPH07109032B2 JP5161591A JP5161591A JPH07109032B2 JP H07109032 B2 JPH07109032 B2 JP H07109032B2 JP 5161591 A JP5161591 A JP 5161591A JP 5161591 A JP5161591 A JP 5161591A JP H07109032 B2 JPH07109032 B2 JP H07109032B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に連続した超薄
膜、または連続した超薄膜を積層した多層薄膜を形成す
る法に関する。
膜、または連続した超薄膜を積層した多層薄膜を形成す
る法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、基板上に薄膜を形成する際、成
膜初期の膜厚が極めて薄い、例えば数100オングスト
ローム(以下、オングストロームをAとする)段階にお
いて薄膜は多数の分離した島状構造となるため、連続し
た薄膜を形成することが難しい。これは、熱力学的な平
衡状態において薄膜の表面張力(表面エネルギー)の影
響により、蒸着物質が凝縮して島状構造となることに起
因する。したがって、前記島状化を防ししなければ、数
100A以下の膜厚の連続した超薄膜を形成することが
できない。前記薄膜の島状化を防止するために、従来よ
り以下に説明する薄膜形成方法が知られている。 (1)基板材料として薄膜形成物質より表面エネルギー
の大きな物質を選び、相対的に薄膜形成物質の表面エネ
ルギーを低下させて薄膜形成を行う方法。 (2)成膜時の基板温度を低くし、熱力学的に不平衡状
態にして薄膜形成を行う方法。 (3)成膜速度を増加させて過飽和度を増大させること
により有効な成膜温度を低下させ、熱力学的に不平衡状
態にして薄膜形成を行う方法。
膜初期の膜厚が極めて薄い、例えば数100オングスト
ローム(以下、オングストロームをAとする)段階にお
いて薄膜は多数の分離した島状構造となるため、連続し
た薄膜を形成することが難しい。これは、熱力学的な平
衡状態において薄膜の表面張力(表面エネルギー)の影
響により、蒸着物質が凝縮して島状構造となることに起
因する。したがって、前記島状化を防ししなければ、数
100A以下の膜厚の連続した超薄膜を形成することが
できない。前記薄膜の島状化を防止するために、従来よ
り以下に説明する薄膜形成方法が知られている。 (1)基板材料として薄膜形成物質より表面エネルギー
の大きな物質を選び、相対的に薄膜形成物質の表面エネ
ルギーを低下させて薄膜形成を行う方法。 (2)成膜時の基板温度を低くし、熱力学的に不平衡状
態にして薄膜形成を行う方法。 (3)成膜速度を増加させて過飽和度を増大させること
により有効な成膜温度を低下させ、熱力学的に不平衡状
態にして薄膜形成を行う方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1)の薄膜形成方法では薄膜形成物質よりも表面エネ
ルギーが大きく、かつ他の特性も成膜に適した基板材料
を見出だすことが困難であり、仮にそのような材料が存
在したとしても基板の選択が限定されるという問題があ
る。
(1)の薄膜形成方法では薄膜形成物質よりも表面エネ
ルギーが大きく、かつ他の特性も成膜に適した基板材料
を見出だすことが困難であり、仮にそのような材料が存
在したとしても基板の選択が限定されるという問題があ
る。
【0004】前記(2)、(3)の薄膜形成方法は、い
ずれも成膜温度を低くするため、成膜時の薄膜形成物質
の拡散による移動が不十分となる。その結果、単結晶薄
膜を形成しようとしても多結晶化が生じたり、或るは単
結晶、多結晶の薄膜のいずれでも薄膜中の転位、空孔な
どの格子欠陥密度が高くなり、膜質劣化を招く。また、
層状成長による連続薄膜を形成するためには基板温度を
室温以下に下げる必要があるが、かかる場合には複雑か
つ高価な基板冷却機構が必要になるという問題を生じ
る。
ずれも成膜温度を低くするため、成膜時の薄膜形成物質
の拡散による移動が不十分となる。その結果、単結晶薄
膜を形成しようとしても多結晶化が生じたり、或るは単
結晶、多結晶の薄膜のいずれでも薄膜中の転位、空孔な
どの格子欠陥密度が高くなり、膜質劣化を招く。また、
層状成長による連続薄膜を形成するためには基板温度を
室温以下に下げる必要があるが、かかる場合には複雑か
つ高価な基板冷却機構が必要になるという問題を生じ
る。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、基板の材質に依存せず、層状成長
された連続した超薄膜またはこれらを積層した多層薄膜
を容易に形成し得る方法を提供しようとするものであ
る。
めになされたもので、基板の材質に依存せず、層状成長
された連続した超薄膜またはこれらを積層した多層薄膜
を容易に形成し得る方法を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板または前
記基板上の下地層の表面に薄膜を連続的に形成するに際
し、前記基板または下地層の表面に前記薄膜形成物質の
表面エネルギーよりも低い偏析形成物質を1/100原
子層以上の膜厚で成膜した後、薄膜形成物質を成膜する
と共に、前記各物質の成膜時の温度を下記式(1)、
(2)に示す下限温度(TLC)と上限温度(TUC)の範
囲に設定することを特徴とする連続薄膜の形成方法。 TLC=QS /{R・ln(DOS/a・r)}…(1) TUC=QV /{R・ln(DOV/a・r)}…(2) ただし、TLC;成膜温度の下限(°K) TUC;成膜温度の上限(°K) QS ;偏析形成物質の薄膜形成物質上または偏析形成物
質上における表面拡散エネルギー(J/mol) QV ;偏析形成物質の薄膜形成物質中における体積拡散
エネルギー(J/mol) R;気体定数(J/mol/°K) DOS;偏析形成物質の薄膜形成物質上または偏析形成物
質上における表面拡散係数の振動数項(m2 /s) DOV;偏析形成物質の薄膜形成物質中の体積拡散の振動
数項(m2 /s) a;偏析形成物質の格子定数(m) r;平均成膜速度(m/s)
記基板上の下地層の表面に薄膜を連続的に形成するに際
し、前記基板または下地層の表面に前記薄膜形成物質の
表面エネルギーよりも低い偏析形成物質を1/100原
子層以上の膜厚で成膜した後、薄膜形成物質を成膜する
と共に、前記各物質の成膜時の温度を下記式(1)、
(2)に示す下限温度(TLC)と上限温度(TUC)の範
囲に設定することを特徴とする連続薄膜の形成方法。 TLC=QS /{R・ln(DOS/a・r)}…(1) TUC=QV /{R・ln(DOV/a・r)}…(2) ただし、TLC;成膜温度の下限(°K) TUC;成膜温度の上限(°K) QS ;偏析形成物質の薄膜形成物質上または偏析形成物
質上における表面拡散エネルギー(J/mol) QV ;偏析形成物質の薄膜形成物質中における体積拡散
エネルギー(J/mol) R;気体定数(J/mol/°K) DOS;偏析形成物質の薄膜形成物質上または偏析形成物
質上における表面拡散係数の振動数項(m2 /s) DOV;偏析形成物質の薄膜形成物質中の体積拡散の振動
数項(m2 /s) a;偏析形成物質の格子定数(m) r;平均成膜速度(m/s)
【0007】前記偏析形成物質は、前記薄膜形成物質の
表面エネルギーよりも低いものであれば、いかなるもの
でもよく、特に制限されない。また、前記偏析形成物質
は前記基板との関係で表面エネルギーが前記基板と同等
かもしくはそれより低いことが望ましいが、前記薄膜形
成物質との関係でその表面エネルギーより低ければ、前
記基板との関係を満たさなくてもよい。
表面エネルギーよりも低いものであれば、いかなるもの
でもよく、特に制限されない。また、前記偏析形成物質
は前記基板との関係で表面エネルギーが前記基板と同等
かもしくはそれより低いことが望ましいが、前記薄膜形
成物質との関係でその表面エネルギーより低ければ、前
記基板との関係を満たさなくてもよい。
【0008】前記偏析形成物質の成膜時の膜厚を限定し
たのは、その膜厚を1/100原子層未満にすると、前
記薄膜の基板への成膜初期に前記基板の表面エネルギー
を十分に低くできなくなり、連続した薄膜を形成できな
くなるからである。ただし、前記偏析形成物質の膜厚を
厚くすると、薄膜の成膜後において前記偏析形成物質が
すべて薄膜表面に偏析せず、前記基板の界面に残存す
る。このため、特に前記偏析形成物質の成膜厚さを1/
100原子層〜2原子層の範囲にすると、薄膜の成膜時
に前記基板の界面に前記偏析形成物質が残存することな
く薄膜表面にすべて偏析することが可能となる。したが
って、超薄膜の積層の後にスパッタエッチング等のエッ
チングを施して表面に偏析層を除去することにより偏析
物質が存在しない薄膜形成物質のみからなる多層薄膜の
形成が可能となる。
たのは、その膜厚を1/100原子層未満にすると、前
記薄膜の基板への成膜初期に前記基板の表面エネルギー
を十分に低くできなくなり、連続した薄膜を形成できな
くなるからである。ただし、前記偏析形成物質の膜厚を
厚くすると、薄膜の成膜後において前記偏析形成物質が
すべて薄膜表面に偏析せず、前記基板の界面に残存す
る。このため、特に前記偏析形成物質の成膜厚さを1/
100原子層〜2原子層の範囲にすると、薄膜の成膜時
に前記基板の界面に前記偏析形成物質が残存することな
く薄膜表面にすべて偏析することが可能となる。したが
って、超薄膜の積層の後にスパッタエッチング等のエッ
チングを施して表面に偏析層を除去することにより偏析
物質が存在しない薄膜形成物質のみからなる多層薄膜の
形成が可能となる。
【0009】前記偏析形成物質および薄膜形成物質の成
膜に際しての温度範囲を限定したのは、次のような理由
によるものである。前記成膜温度を下限温度(TLC)未
満にすると、前記偏析形成物質を基板表面に成膜し、薄
膜形成物質を成膜した後において、前記物質を薄膜表面
に偏析させることができなくなり、前記基板の表面エネ
ルギーを十分に低減できず、連続した超薄膜を形成でき
なくなる。このため、超薄膜を積層する際にも、その前
の超薄膜の表面エネルギーを十分に低減できず、連続し
た多層薄膜を形成できなくなる。一方、前記成膜温度が
上限温度(TUC)を越えると、薄膜形成物質の成膜後に
おいて前記偏析形成物質が前記薄膜中に拡散し、偏析状
態を維持できなくなって前記薄膜の表面エネルギーを低
減できなくなり、この後の薄膜形成物質の成膜に際して
島状化が生じて層状の連続した多層薄膜を形成できなく
なる。
膜に際しての温度範囲を限定したのは、次のような理由
によるものである。前記成膜温度を下限温度(TLC)未
満にすると、前記偏析形成物質を基板表面に成膜し、薄
膜形成物質を成膜した後において、前記物質を薄膜表面
に偏析させることができなくなり、前記基板の表面エネ
ルギーを十分に低減できず、連続した超薄膜を形成でき
なくなる。このため、超薄膜を積層する際にも、その前
の超薄膜の表面エネルギーを十分に低減できず、連続し
た多層薄膜を形成できなくなる。一方、前記成膜温度が
上限温度(TUC)を越えると、薄膜形成物質の成膜後に
おいて前記偏析形成物質が前記薄膜中に拡散し、偏析状
態を維持できなくなって前記薄膜の表面エネルギーを低
減できなくなり、この後の薄膜形成物質の成膜に際して
島状化が生じて層状の連続した多層薄膜を形成できなく
なる。
【0010】
【作用】本発明によれば、基板または基板上の下地層の
表面に薄膜形成物質の表面エネルギーより低い偏析形成
物質を前記式(1)、(2)に示す下限温度(TLC)と
上限温度(TUC)の範囲の温度で成膜することによっ
て、前記基板の表面に前記物質が偏析できるため、その
後の薄膜形成物質の成膜により島状化がなされることな
く、連続した(層状の)超薄膜を形成できる。
表面に薄膜形成物質の表面エネルギーより低い偏析形成
物質を前記式(1)、(2)に示す下限温度(TLC)と
上限温度(TUC)の範囲の温度で成膜することによっ
て、前記基板の表面に前記物質が偏析できるため、その
後の薄膜形成物質の成膜により島状化がなされることな
く、連続した(層状の)超薄膜を形成できる。
【0011】また、前記超薄膜の成膜を前記下限温度
(TLC)と上限温度(TUC)の範囲の温度で続行する
と、前記偏析形成物質と前記超薄膜の表面エネルギーの
差を駆動力として前記薄膜表面に前記物質が偏析するた
め、薄膜の有効表面エネルギーを薄膜本来の表面エネル
ギーからそれより低い偏析物質の表面エネルギーに変化
させることができる。その結果、次の薄膜形成物質の成
膜に際して、島状成長が阻止され、層状成長が促進され
て連続した多層薄膜を形成できる。
(TLC)と上限温度(TUC)の範囲の温度で続行する
と、前記偏析形成物質と前記超薄膜の表面エネルギーの
差を駆動力として前記薄膜表面に前記物質が偏析するた
め、薄膜の有効表面エネルギーを薄膜本来の表面エネル
ギーからそれより低い偏析物質の表面エネルギーに変化
させることができる。その結果、次の薄膜形成物質の成
膜に際して、島状成長が阻止され、層状成長が促進され
て連続した多層薄膜を形成できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1
【0013】まず、表面が(100)面のMgO単結晶
基板を清浄化した後、超高真空の真空チャンバ内にて前
記基板を室温に保持してFeを電子ビーム蒸着を行って
厚さ10AのFe下地層を成膜した。つづいて、同超高
真空の真空チャンバ内にて偏析形成物質であるAg(表
面エネルギー;1.302J/m2 )を電子ビーム蒸着
して厚さ10Aの偏析層を成膜した後、前記基板を40
0℃に加熱し、薄膜形成物質であるFe(表面エネルギ
ー;2.939J/m2 )を電子ビーム蒸着により1A
/sの速度で500A成膜した。 比較例1
基板を清浄化した後、超高真空の真空チャンバ内にて前
記基板を室温に保持してFeを電子ビーム蒸着を行って
厚さ10AのFe下地層を成膜した。つづいて、同超高
真空の真空チャンバ内にて偏析形成物質であるAg(表
面エネルギー;1.302J/m2 )を電子ビーム蒸着
して厚さ10Aの偏析層を成膜した後、前記基板を40
0℃に加熱し、薄膜形成物質であるFe(表面エネルギ
ー;2.939J/m2 )を電子ビーム蒸着により1A
/sの速度で500A成膜した。 比較例1
【0014】実施例1と同様なFe下地層が形成された
MgO基板を400℃に加熱し、薄膜形成物質であるF
eを電子ビーム蒸着により1A/sの速度で500A厚
さに直接成膜した。
MgO基板を400℃に加熱し、薄膜形成物質であるF
eを電子ビーム蒸着により1A/sの速度で500A厚
さに直接成膜した。
【0015】実施例1及び比較例1のFe薄膜表面を、
2×104 倍の走査電子顕微鏡により調べた。その結
果、実施例1で歯平坦で異物が観察されず、層状の連続
したFe薄膜が形成されていることが観察された。これ
に対し、比較例1のFe薄膜ではファセット状の島状構
造が観察された。
2×104 倍の走査電子顕微鏡により調べた。その結
果、実施例1で歯平坦で異物が観察されず、層状の連続
したFe薄膜が形成されていることが観察された。これ
に対し、比較例1のFe薄膜ではファセット状の島状構
造が観察された。
【0016】また、前記Ag、Feについて前記式
(1)、(2)に基づいて成膜時の下限温度(TLC)と
上限温度(TUC)を求めると、それぞれ−26.4℃、
563℃であり、前記成膜時の条件をTLCとTUCの範囲
内で行なうことによって、連続したFe薄膜を形成でき
ることがわかる。 実施例2
(1)、(2)に基づいて成膜時の下限温度(TLC)と
上限温度(TUC)を求めると、それぞれ−26.4℃、
563℃であり、前記成膜時の条件をTLCとTUCの範囲
内で行なうことによって、連続したFe薄膜を形成でき
ることがわかる。 実施例2
【0017】表面が(111)面のSi単結晶基板を清
浄化した後、超高真空の真空チャンバ内にて前記基板を
150℃に加熱し、偏析形成物質であるPb(表面エネ
ルギー;0.534J/m2 )を電子ビーム蒸着して厚
さ2Aの偏析層を成膜した後、前記基板を室温とし、薄
膜形成物質であるAg(表面エネルギー;1.302J
/m2 )を電子ビーム蒸着により1A/sの速度で30
0A成膜した。 比較例2
浄化した後、超高真空の真空チャンバ内にて前記基板を
150℃に加熱し、偏析形成物質であるPb(表面エネ
ルギー;0.534J/m2 )を電子ビーム蒸着して厚
さ2Aの偏析層を成膜した後、前記基板を室温とし、薄
膜形成物質であるAg(表面エネルギー;1.302J
/m2 )を電子ビーム蒸着により1A/sの速度で30
0A成膜した。 比較例2
【0018】表面が(111)面のSi単結晶基板を清
浄化した後、超高真空の真空チャンバ内にて前記基板を
150℃に加熱し、薄膜形成物質であるAgを電子ビー
ム蒸着により1A/sの速度で300A厚さに直接成膜
した。
浄化した後、超高真空の真空チャンバ内にて前記基板を
150℃に加熱し、薄膜形成物質であるAgを電子ビー
ム蒸着により1A/sの速度で300A厚さに直接成膜
した。
【0019】実施例2及び比較例2の薄膜形成後のSi
基板を、前記真空チャンバに連結している分析室に搬送
し、オージェ電子分光器を用いて表面分析を行った。そ
の結果、実施例2ではPb及びAgが検出され、基板の
材料であるSiは検出されなかった。また、Arイオン
により薄膜表面を約1分間スパッタエッチングを行な
い、再度表面分析を行った。その結果、Agのみが検出
された。これにより、連続したAg薄膜が形成され、そ
の表面にPbが偏析していることがわかった。これに対
し、比較例2では薄膜形成物質であるAgのみならずS
iが検出された。これは、Ag薄膜が島状成長したた
め、一部露出している基板のSiがAg薄膜の隙間から
検出されたものと考えられる。
基板を、前記真空チャンバに連結している分析室に搬送
し、オージェ電子分光器を用いて表面分析を行った。そ
の結果、実施例2ではPb及びAgが検出され、基板の
材料であるSiは検出されなかった。また、Arイオン
により薄膜表面を約1分間スパッタエッチングを行な
い、再度表面分析を行った。その結果、Agのみが検出
された。これにより、連続したAg薄膜が形成され、そ
の表面にPbが偏析していることがわかった。これに対
し、比較例2では薄膜形成物質であるAgのみならずS
iが検出された。これは、Ag薄膜が島状成長したた
め、一部露出している基板のSiがAg薄膜の隙間から
検出されたものと考えられる。
【0020】また、実施例2の薄膜の表面をArイオン
により基板表面近傍までスパッタエッチングを行ない、
再度表面分析を行った。その結果、Agのみが検出さ
れ、偏析形成物質であるPbは検出されなかった。これ
により、Pbを前記膜厚で基板表面に成膜することによ
り、PbのすべてがAg薄膜表面に順次偏析されて、基
板の界面に残存しないことがわかる。
により基板表面近傍までスパッタエッチングを行ない、
再度表面分析を行った。その結果、Agのみが検出さ
れ、偏析形成物質であるPbは検出されなかった。これ
により、Pbを前記膜厚で基板表面に成膜することによ
り、PbのすべてがAg薄膜表面に順次偏析されて、基
板の界面に残存しないことがわかる。
【0021】更に、前記Pb、Agについて前記式
(1)、(2)に基づいて成膜時の下限温度(TLC)と
上限温度(TUC)を求めると、それぞれ−153℃、3
28℃であり、前記成膜時の条件をTLCとTUCの範囲内
で行なうことによって、連続したAg薄膜を形成できる
ことがわかる。
(1)、(2)に基づいて成膜時の下限温度(TLC)と
上限温度(TUC)を求めると、それぞれ−153℃、3
28℃であり、前記成膜時の条件をTLCとTUCの範囲内
で行なうことによって、連続したAg薄膜を形成できる
ことがわかる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば基板
の材質に依存せず、単結晶、多結晶で膜質が良好な層状
の連続した超薄膜またはこれらを積層した多層薄膜を容
易に形成し得る方法を提供できる。
の材質に依存せず、単結晶、多結晶で膜質が良好な層状
の連続した超薄膜またはこれらを積層した多層薄膜を容
易に形成し得る方法を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 純三 東京都港区西新橋1丁目7番2号 株式会 社ライムズ内 (72)発明者 米本 隆治 東京都港区西新橋1丁目7番2号 株式会 社ライムズ内 (72)発明者 藤長 政志 東京都港区西新橋1丁目7番2号 株式会 社ライムズ内 (72)発明者 宮川 亜夫 東京都港区西新橋1丁目7番2号 株式会 社ライムズ内
Claims (2)
- 【請求項1】 基板または前記基板上の下地層の表面に
薄膜を連続的に形成するに際し、前記基板または下地層
の表面に前記薄膜形成物質の表面エネルギーよりも低い
偏析形成物質を1/100原子層以上の膜厚で成膜した
後、薄膜形成物質を成膜すると共に、前記各物質の成膜
時の温度を下記式(1)、(2)に示す下限温度
(TLC)と上限温度(TUC)の範囲に設定することを特
徴とする連続薄膜の形成方法。 TLC=QS /{R・ln(DOS/a・r)}…(1) TUC=QV /{R・ln(DOV/a・r)}…(2) ただし、TLC;成膜温度の下限(°K) TUC;成膜温度の上限(°K) QS ;偏析形成物質の薄膜形成物質上または偏析形成物
質上における表面拡散エネルギー(J/mol) QV ;偏析形成物質の薄膜形成物質中における体積拡散
エネルギー(J/mol) R;気体定数(J/mol/°K) DOS;偏析形成物質の薄膜形成物質上または偏析形成物
質上における表面拡散係数の振動数項(m2 /s) DOV;偏析形成物質の薄膜形成物質中の体積拡散の振動
数項(m2 /s) a;偏析形成物質の格子定数(m) r;平均成膜速度(m/s) - 【請求項2】 偏析形成物質を1/100原子層以上2
原子層以下の膜厚で成膜し、更に薄膜形成物質を成膜し
た後、エッチングして前記薄膜表面の偏析物質を除去す
ることを特徴とする請求項1記載の連続薄膜の形成方
法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP5161591A JPH07109032B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 連続薄膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5161591A JPH07109032B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 連続薄膜の形成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04285167A JPH04285167A (ja) | 1992-10-09 |
| JPH07109032B2 true JPH07109032B2 (ja) | 1995-11-22 |
Family
ID=12891800
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5161591A Expired - Lifetime JPH07109032B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | 連続薄膜の形成方法 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JPH07109032B2 (ja) |
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-
1991
- 1991-03-15 JP JP5161591A patent/JPH07109032B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04285167A (ja) | 1992-10-09 |
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