JPH07109916A - 排ガス中の微粒子捕集用フィルター - Google Patents

排ガス中の微粒子捕集用フィルター

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JPH07109916A
JPH07109916A JP5287203A JP28720393A JPH07109916A JP H07109916 A JPH07109916 A JP H07109916A JP 5287203 A JP5287203 A JP 5287203A JP 28720393 A JP28720393 A JP 28720393A JP H07109916 A JPH07109916 A JP H07109916A
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filter
exhaust gas
filter plate
fine particles
conductive
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JP5287203A
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Norihiro Murakawa
紀博 村川
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HAKUBUNSHIYA KK
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HAKUBUNSHIYA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディーゼルエンジンの排ガス中のパティキュ
レートを捕集するフィルターであって、1系列で継続的
に捕集・再生でき、構造が簡潔であり、パティキュレー
トの捕集効率が高く、再生電力が低いフィルターを提供
する。 【構成】 開口部を残して外筒内に濾過板を直列に配置
してなる排ガス中のパティキュレート捕集用フィルター
において、各々の濾過板は通気性が異なる2種類の非導
電性多孔体で発熱体を挟んだ構造とし、各々の濾過板の
初期通気性の高い多孔体を外筒内の排ガスの上流側に配
置してフィルターを構成する。上流側の多孔体の初期通
気性は下流側の多孔体の2倍以上が好ましく、より好ま
しくは5倍以上であり、非導電性多孔体は好ましくはア
ルミナ、シリカ等の非導電性物質の繊維より作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ディーゼル車等から排出されるガ
スはスス状の炭素質の微粒子(以下、「微粒子」と略
称)を含んでおり、局所大気汚染の主な原因の1つであ
る。この低減は地球環境問題における早期に解決すべき
重要な課題の1つとされている。本発明は、これらディ
ーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスに含
まれる微粒子を除去するためのフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディーゼルエンジン車から排
出されるガス中の微粒子を捕集するフィルターとして
は、セラミックス製のハニカム構造体が主として検討さ
れている(例、特開昭57−7216)。ここでハニカ
ム構造体とは、隔壁により区分され、一方の端部が交互
の位置関係において閉じた多数のセルを有し、単位容積
あたりに濾過面積を多くとることができる構造体であ
る。ディーゼル車排ガスの微粒子捕集用としては、セル
密度が10〜15セル/cm、総セル数が1500〜
2500、隔壁の厚さ0.3〜0.5mm、濾過面積約
1.5mが例示されている。
【0003】微粒子を捕集したハニカム構造体を再生す
るには、ハニカム構造体の全体或いは一部に600℃以
上の高温を適用して微粒子を着火し、燃焼除去する方式
が主に検討されており、捕集・再生を繰り返すことによ
り継続的に排ガスが処理される。この方式では、上記の
ような隔壁の厚さが極めて薄く、セル数の多いハニカム
構造体が、微粒子が燃焼する時の高い温度に耐える性質
と、繰り返しの温度の変動に耐える性質を有することが
必要である。
【0004】しかしながら、上記のような隔壁の厚さが
極めて薄く、セル数の多いハニカム構造体をピンホール
などの欠陥を含まずに製造することは極めて困難であ
り、しかも微粒子を燃焼させる温度の変動の過程でハニ
カム構造体にクラックや割れが発生し、捕集効率が格段
に低下するというように、生産性及びフィルターとして
の信頼性に大きな問題があった。また、フィルターを再
生するにおいて、排ガスを流通させて微粒子を捕集しな
がら再生する方式を採用しようしても、ハニカム構造体
の隔壁を貫通して流れる排ガスの温度が約150〜35
0℃と微粒子の燃焼可能温度範囲よりもかなり低いた
め、大量の熱を与えて着火させたとしても吹き消えてし
まい、微粒子が充分に消失するまで燃焼を継続すること
ができないという問題がある。このためフィルターを二
系列設け、一方のフィルターで捕集する間にもう一方の
フィルターを再生するといった、交互に捕集と再生を繰
り返す方式を採用せざるを得ないという問題があり、微
粒子捕集装置は全体として重装備で高価になってしまう
といった大きな問題がある。
【0005】更にまた、微粒子が異常に蓄積してフィル
ターを二系列共に閉塞させ、排ガスの流路が遮断してし
まうという非常事態に対する対策も設備の中に用意して
おく必要があった。このような問題を抜本的に解決する
フィルターとして、本発明者らは先に特願平4−158
004号を提案した。本発明はこの先の出願の排ガスフ
ィルターにおいて、通電加熱して微粒子を燃焼除去しな
がらフィルターを再生する方式における捕集効率の安定
性、再現性が不足しており、長期間にわたって微粒子の
一定の高い捕集効率を得ることが困難であり、更に通電
加熱に必要な電力が大きいといった未解決の問題を克服
し、微粒子の捕集効率の安定性、再生電力の低下に格段
の進歩を与えたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を解決することを目的として、構造が簡単で
耐久性が高く、捕集効率が安定して高く、通電加熱によ
るフィルターの再生を低電力で安定して行うことができ
る排ガス中の微粒子捕集用フィルターを提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、開口部を設け
て外筒内に濾過板を直列に配置してなる排ガス中の微粒
子捕集用フィルターであり、より具体的には、開口部を
残して濾過板で排ガスの流路を遮蔽する状態で外筒内に
複数の濾過板を排ガスの流れ方向に重ねて配置してて成
したフィルターであり、濾過板は初期通気性の異なる2
種類の非導電性多孔体で発熱体を挟んだ構造とし、各々
の濾過板の初期通気性の高い多孔体を外筒内の排ガスの
上流側に配置して構成したフィルターである。更に本発
明は、非導電性多孔体が非導電性セラミック繊維の成形
体である排ガス中の微粒子捕集用フィルターであり、濾
過板の2種類の非導電性多孔体の初期通気性の比が2倍
以上である排ガス中の微粒子捕集用フィルターである。
【0008】本発明のフィルターは、微粒子を含む排ガ
スを外筒内に導きながら、各々の濾過板に配置したそれ
ぞれ独立して通電できる発熱体を逐次通電加熱して濾過
板を逐次加熱し、捕集した微粒子を燃焼除去して濾過板
を再生することが可能な、微粒子の捕集と再生を1系列
で行うことができる方式のフィルターである。
【0009】本発明のフィルターの濾過板は、初期通気
性の異なる2種類の非導電性多孔体で発熱体を挟んだ構
造とする。濾過板の形状としては特に限定する必要はな
く、排ガスの流れ方向から見た形状としては、例えば図
1のような円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、六
角形等の広い範囲から選択することができる。濾過板の
排ガスの流れの直角方向から見た形状も限定する必要は
ないが、布状又は板状の非導電性多孔体で発熱体を挟ん
だ板状の形状が1つの好ましい態様である。即ち、布状
又は板状であって円形、楕円形、正方形等の形状の、初
期通気性の異なる2種類の非導電性多孔体の間に発熱体
が位置する状態で濾過板を構成する。この場合、発熱体
は例えば線状や帯状の発熱体を曲げや溶接によって図2
のように2次元的に加工し、2種類の非導電性多孔体の
間に配置した構造が1つの好ましい態様である。濾過板
の排ガスの流れ方向から見た面積(片側面積)は排ガス
の処理量によっても異なるが、ディーゼル乗用車の排ガ
スフィルターでは10〜2000cmが好ましく、よ
り好ましくは50〜700cmである。
【0010】本発明でいう非導電性多孔体の初期通気性
とは、微粒子によって多孔体が目詰まりしていない状態
での通気性、即ち、多孔体を実質的に完全に再生した状
態での気体透過性を言い、通気性の具体的な値は、例え
ばJISL1096の方法を用い、差圧が12.7mm
(0.5インチ)水柱における多孔体面積1cmあた
りの空気透過量で表すことができる。この初期通気性の
値は限定する必要はないが、2種類の非導電性多孔体の
内、初期通気性の低い排ガスの下流側の多孔体で1〜1
00cm/(cm・秒)が一応の目安であり、より
実際的には、約3〜30cm/(cm・秒)であ
る。初期通気性が高い方の排ガスの上流側の非導電性多
孔体はこの値の少なくとも2倍以上の初期通気性を有す
ることが好ましく、より好ましくは5〜500倍、更に
好ましくは10〜200倍の初期通気性を有する。この
ような初期通気性の相違は多孔体の平均細孔径、細孔径
分布、厚さ等を変えることによって調整可能である。
【0011】ここで、濾過板の排ガスの下流側の非導電
性多孔体は貫通する排ガス中に含まれる微粒子の少なく
とも50%以上を捕集することが望ましいが、排ガスの
上流側の非導電性多孔体は貫通する排ガス中の微粒子の
捕集効率が高い必要はなく、捕集効率が例えば0に近い
非導電性多孔体であってもよい。濾過板を構成する2種
類の初期通気性の非導電性濾過板及び発熱体の組み合わ
せは全体として捕集効率が高く、通電加熱に要する電力
が少ない濾過板を提供するためである。排ガスの下流側
の非導電性多孔体の意図する機能は排ガス中の微粒子の
捕集であり、一方、排ガスの上流側の非導電性多孔体の
意図する機能は、下流側の非導電性多孔体に捕集された
微粒子の近傍の、非導電性多孔体の面と平行な面の方向
の排ガスの流速を抑えることであり、もう1つの意図す
る機能は発熱体の放熱を抑え、捕集した微粒子を低電力
で燃焼温度に加熱することを可能にすることである。
【0012】これらの意図と上記の初期通気性を達成す
るためには、排ガスの下流側の非導電性多孔体の特性と
して、平均細孔径は0.1〜100ミクロンが好まし
く、より好ましくは10〜50ミクロンであり、気孔率
は20〜95%が好ましく、より好ましくは50〜85
%であり、厚さは0.1〜10mmが好ましく、より好
ましくは0.3〜5mmである。一方、排ガスの下流側
の非導電性多孔体の特性として、平均細孔径は10ミク
ロン〜1mmが好ましく、より好ましくは50〜500
ミクロンであり、気孔率は30〜95%が好ましく、よ
り好ましくは50〜85%であり、厚さは0.1〜5m
mが好ましく、より好ましくは0.2〜2mmである。
【0013】また、本発明でいう非導電性多孔体の非導
電性とは、通電加熱する発熱体との接触によって電流が
多孔体に流れ、発熱体の温度や電流値等が不安定となら
ないために必要な実質的な非導電性を言う。この非導電
性の性質により、微粒子の捕集と再生を繰り返したとき
に実質的に同じ電圧と電力で再現よく多孔体を再生する
ことが可能になる。更に、多孔体は発熱体の近くに位置
するため、発熱体からの伝熱に耐える性質が必要であ
り、少なくとも約500℃、好ましくは約700℃の耐
熱性が必要である。
【0014】上記のような形状、初期通気性、細孔径、
気孔率、微粒子捕集率、非導電性、耐熱性等を有する多
孔体はいろいろな材料を用いて種々の方式によって調製
することができる。例えば、耐熱性で非導電性セラミッ
クであるアルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホ
ウ素等を主成分とする粉末又は中空球を原料にし、必要
により通常焼結助剤として使用されるカルシア、マグネ
シア、イットリア、チタニア等を少量加えて、通常用い
られるドクターブレード、1軸加圧等の粉末成形法によ
って粉末又は中空球の成形体とし、これを粉末又は中空
球の粒子が高度にち密化しないが適当に結合し、適当な
密度と強度を発現するように焼成温度、焼結助剤の量等
の条件を選定することによって調製することができ、ま
た場合により消失性の粒子、例えばカーボン粉末を原料
の中に混合しておいて焼成し、ち密化した後燃焼除去し
て消失性の粒子を気孔にする方法も実施可能である。
【0015】ここで、本発明者らの実験的知見によれ
ば、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリケート繊
維、チタン酸カリウム繊維、窒化アルミニウム繊維等の
耐熱性で非導電性セラミックの長繊維又は短繊維の布状
又は板状成形体は、本発明に用いる非導電性多孔体に必
要な初期通気性、細孔径、気孔率、微粒子捕集率等に加
え、望ましい高い強度と高靭性を有することができる。
本発明において特に好ましい非導電性多孔体は、これら
非導電性セラミック繊維を一体化処理して経時安定性、
即ち、ディーゼル車に搭載したときの振動等によってセ
ラミック繊維がバラバラにならないための結合性を付与
したセラミック繊維の布状又は板状成形体である。
【0016】セラミック繊維を一体化するための処理法
としては、セラミック前駆体をバインダーとして用いる
方法が1つの典型的な方法である。例えば、セラミック
繊維を所望の形状に成形しておき、セラミック前駆体を
スプレー、塗布等でセラミック繊維成形体に含浸し、必
要により加圧した状態で加熱して一体化させる。セラミ
ック前駆体のバインダーとしては、例えば各種金属塩の
溶液、具体的には、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム等の水溶液があり、また有機金属
化合物のバインダーの例としては、一般式M(OR)
(Mはアルミニウム、ケイ素、チタン等の金属元素、R
はアルキル基、nは金属元素の酸化数)で表される金属
アルコキシド、M(OH)(OR)n−xで表される
金属アルコキシドの加水分解生成物、アルミナゲル、各
種シリコーン、ポリアルミノキサン等の有機金属ポリマ
ー等がある。
【0017】これらセラミック前駆体は必要により酸化
性雰囲気中で約1000℃の温度以上に加熱することに
よりアルミナ、シリカ、チタニア等のセラミックに転化
し、バインダーとして用いて成形した後その温度に加熱
することで繊維を一体化することができる。なお使用す
るセラミック繊維の直径は少なくとも0.5ミクロン以
上が好ましく、より好ましくは1〜50ミクロンであ
る。バインダーは、バインダーに由来するセラミックが
セラミック成形体中の1〜10重量%の量で存在するよ
うに添加することが好ましい。
【0018】濾過板に使用する発熱体としてはニッケル
−クロム系合金、鉄−クロム−アルミニウム系合金(カ
ンタル)、炭化ケイ素、二ケイ化モリブデン、ランタン
クロマイト等が使用可能である。これら組成の線状や帯
状等の発熱体を、濾過板がなるべく均等な温度に加熱さ
れるように、例えば図2のような形状にして配置する。
ここで、隣に延びる発熱体との間隔が4cm以下となる
ような形状にすることが1つの目安である。なお、1つ
の濾過板を1つの発熱体で加熱する必要は必ずしもな
く、1つの濾過板に図2のような発熱体を2つ以上取り
付けて濾過板を分割して加熱することも可能である。
【0019】2種類の非導電性多孔体と発熱体の固定法
は任意であり、非導電性多孔体を発熱体に直接固定して
達成することもできるが、上流側の非導電性多孔体を貫
通した排ガスが下流側の非導電性多孔体との間隙から流
出して下流側の非導電性多孔体を素通りしないように、
排ガスの流れ方向から見た周囲には2種類の非導電性多
孔体の間に隙間が実質的にないように固定することが望
ましい。このためには、例えば濾過板の外枠の形状の支
持材を用意し、2つの支持材の間に1つの非導電性多孔
体を挟み、ボルトとナット等の適切な手段で適当に締め
つけて固定する方法が1つの例であり、更に、その外枠
に必要により絶縁材を介在させて発熱体をボルトとナッ
ト等で適切に固定して達成することができる。
【0020】このようにして一体に形成した2種の非導
電性多孔体と発熱体を1つの構造単位とし、この複数単
位を外筒内に固定する。この固定の方式としては、例え
ば外筒の内側に図3のようなアングル形状の2つの支持
材を向かい合わせに溶接やボルト締め等で固定し、2つ
の支持材に濾過板の例えば周囲の支持材の両端部分をボ
ルト締め等で固定する方式でよい。或いは、外筒内に丁
度収まる積み重ね可能な支持体を用意し、支持体に濾過
板と発熱体及び断熱材の構造単位を取り付け、それを外
筒の中に重ねて配置してもよい。
【0021】濾過板、外筒、開口部の大きさの関係とし
て、外筒の排ガスの流れ方向から見た外筒の内側の面積
の50〜99%(開口部として残す面積は1〜50
%)、好ましくは60〜95%(開口部として残す面積
は5〜40%)を遮蔽する大きさの濾過板を取り付け
る。排ガスの流れ方向から見た濾過板の面積はディーゼ
ル乗用車用のフィルターでは前記のように10〜200
0cmが好ましく、より好ましくは50〜700cm
である。
【0022】濾過板の排ガスの流れ方向の間隔は5〜1
00mmが好ましく、より好ましくは10〜50mmで
ある。また、濾過板の枚数は目標とする微粒子の捕集率
によっても異なるが、5〜100枚が好ましく、より好
ましくは10〜40枚である。濾過板を取り付けた状態
で残す開口部の位置は濾過板の端部、中央部等の任意の
位置であってよいが、開口部が排ガスの流れ方向に重な
らないように、例えば濾過板の右の端部と左の端部に交
互に位置させて配置することが微粒子の捕集効率の面か
ら好ましい。
【0023】
【作用】本発明のフィルターがディーゼルエンジンの排
ガスに含まれる微粒子捕集用フィルターとして適し、高
い微粒子捕集効率と低い再生電力を可能にする作用、及
び技術的思想について述べる。本発明のフィルターの微
粒子の捕集機構は、一部を残して濾過板で遮蔽した流路
を排ガスが流れる過程で生じる濾過板の圧力差を利用し
て、排ガス中の一部の微粒子を捕集する操作を連続して
複数回繰り返す捕集方法である。即ち、図4のような排
ガスの流れにおいて、排ガスの流路を開口部を残した濾
過板によって絞ること、流れの向きが変わること等によ
って排ガスの圧力が低下し、この圧力の低下が濾過板の
表裏面間の圧力差を生じさせ、排ガスが濾過板を貫通す
る方向に圧力差が生じることになる。
【0024】この方式において、例えば1枚の濾過板の
開口部に80%の排ガスが流れ、20%の排ガスが濾過
板を貫通し、1枚の濾過板について20%の微粒子が捕
集されるとした場合、n枚の濾過板を直列に配置したフ
ィルターにおいて、理想的には未捕集の微粒子は0.8
のn乗となり、nが10であれば未捕集の微粒子は11
%であり、nが20であれば1%まで低下する。
【0025】この方式でこのような理想的な捕集効率を
得るためには、自明ながら、濾過板に捕集された微粒子
が濾過板から離れて再度排ガスの流れに同伴しないこと
が必要である。捕集した微粒子を濾過板から吹き飛ばす
そうとする力が濾過板の面と平行な方向に流れる排ガス
から及ぼされる。即ち、上記の例においては濾過板の面
と平行な方向に流れる80%の排ガスが捕集した微粒子
を濾過板より離そうとする力を及ぼす。もう1つの濾過
板より微粒子を離そうとする力はディーゼル車の振動等
による機械的力である。
【0026】このような捕集した微粒子を濾過板から離
そうとする力は、本発明の2種類の非導電性多孔体と発
熱体を組み合わせた濾過板によって実質的に消去するこ
とが可能である。即ち、本発明のフィルターにおいて、
微粒子は初期通気性の低い下流側の多孔体の表面上に主
として捕集されるが、濾過板の面と平行な方向の、捕集
された微粒子の近傍の排ガスの流れを、上流の多孔体が
実質的に遮る役割をするためである。
【0027】また、捕集された微粒子への振動等の機械
的な力に対しては、濾過板の下流側の多孔体の表面から
微粒子が離脱したとしても、排ガスの流れによる濾過板
の表裏面間の差圧が2種類の非導電性多孔体の間に存在
する微粒子を下流側の多孔体に押しつける作用をし、上
流の多孔体を逆に貫通する程の力は振動等の作用からは
生じにくいため、微粒子は2種類の非導電性多孔体の間
に存在し続けることになるのである。
【0028】発熱体を通電加熱し濾過板を再生するに要
する電力は最終的にディーゼル車の燃費に影響するた
め、出来るだけ加熱電力が少ないことが望ましく、通電
加熱に供給できる電力は2kw以下、好ましくは1kw
以下とされている。本発明のフィルターにおいては著し
く少ない電力で再生が可能であるが、これは次の理由に
よるものと考えられる。
【0029】第1に、本発明のフィルターの濾過板を再
生する状態は、2種類の非導電性多孔体の間に形成され
た発熱体を含む空間の中に微粒子が存在する状態であ
り、発熱体の輻射熱等による放熱は2種類の非導電性多
孔体によって効果的に遮断することができ、更に発熱体
の近隣に加熱すべき微粒子が存在するというような、発
熱体からの熱が効率よく微粒子に伝わるに理想的な状態
にあるためである。第2に、濾過板の面と平行な方向
の、発熱体の近傍の排ガスの流れは上流の多孔体の存在
によって実質的に遮られるため、発熱体の近傍の濾過板
の面と平行な方向の排ガスの流れは殆どなく、また、濾
過板の面と垂直な方向の排ガスの流れは、上記のように
元来1枚の濾過板を貫通する排ガスは全体の1部である
ことに加え、濾過板の再生が必要な状態では微粒子によ
る目詰まりのために濾過板を貫通する排ガス量は少なく
なっており、従って発熱体の近傍を流れる排ガスの速度
は極めて遅く、排ガスの流れが発熱体より奪う熱量も少
ないためである。
【0030】これらの作用により、2種類の非導電性多
孔体と発熱体を含んで構成される濾過板を用いることに
より微粒子の捕集効率を高く保つことができ、更に充分
に低い電力で濾過板を逐次加熱することが可能になり、
従って、排ガスを流しながらでも非導電性多孔体の再生
を充分な頻度で行うことができ、1系列で微粒子を捕集
しながら再生できるフィルターの提供が可能になるので
ある。
【0031】本発明のフィルターはハニカム構造のフィ
ルターに比べると構造が著しく簡単であり、また各々の
部材の形状も小さく、従って、原理的に信頼性の高い構
造体であると言うことができよう。非導電性セラミック
繊維の成形体から本発明に好適な高強度と高靭性の非導
電性多孔体を好都合に得ることができる。この理由はア
ルミナ系等の非導電性セラミック繊維は機械的強度の高
い製品が入手可能であり、得られる多孔体も高強度を達
成し易いためである。
【0032】
【実施例】
実施例1 まず、次の仕方で寸法が約12cm×14cm×厚さ約
5mmの濾過板を作製した。排ガスの上流側の非導電性
多孔体として平均細孔径約200ミクロン、気孔率約7
4%、厚さ約0.45mmの薄い板状のアルミナ質多孔
体用い、排ガスの下流側の非導電性多孔体として平均細
孔径約35ミクロン、気孔率約55%、厚さ約0.8m
mの薄い板状のアルミナ質多孔体を用いた。これらのア
ルミナ質多孔体は直径約10ミクロンのアルミナ質長繊
維(アルミナ99.5重量%)を朱子織りにした市販の
アルミナ質の布より作製したものであり、上流側用のア
ルミナ質多孔体は1mあたり約450gの重さの布の
1mあたりにバインダーとして50gのジメチルシリ
コーンオイル(分子量約10万)を布の表面にほぼ均等
にスプレーし、次いで布に約1kPaの圧力を付加した
状態で空気雰囲気中で1100℃に加熱して一体化処理
をし、下流側用のアルミナ質多孔体は1mあたり約1
400gの重さの布の1mあたりにバインダーとして
150gのジメチルシリコーンオイルを布の表面に均等
にスプレーし、次いで布に約10kPaの圧力を付加し
た状態で空気雰囲気中で約1100℃に加熱して一体化
処理をした。この処理によりアルミナ質の布は一体化し
て板状のアルミナ質成形体となった。
【0033】これらのアルミナ質多孔体のJISL10
96に従って測定した12.7mm水柱の差圧における
初期通気性は、上流側多孔体は約140cm/(cm
・秒)で、下流側多孔体は約12cm/(cm
秒)であった。発熱体としては直径1.2mmの鉄−ニ
ッケル−クロム系合金の線状発熱体を用い、この約1.
5mの長さを図2(a)のような形状の10本に折れ曲
げた形状に加工して使用した。
【0034】支持材として、幅7mm、外側寸法が12
cm×14cmで濾過板の周囲を形成するSUS310
製の枠を用意した。枠状の支持材は各々の濾過板につい
て厚さ3mmを1枚と厚さ1mmを2枚用意し、厚さ3
mmの枠を中にして厚さ1mmの2つの枠との間に2種
類のアルミナ質多孔体を挟み、ボルトとナットで枠を締
めつけて多孔体を枠に固定した。発熱体は枠と交差する
2か所で絶縁材を介在させて枠に固定した。
【0035】このようにして2種類のアルミナ質非導電
性多孔体、発熱体、支持材の枠を含む濾過板を構成し、
このような濾過板を20枚用意した。外筒としては内側
寸法が14.5cm×14.5cmで肉厚が1mm、長
さ50cmのSUS304製の角形管を作製し、その向
かい合った内面に図3のアングル形状の濾過板支持材を
2cmの間隔で取り付け、向かい合った2つの支持材に
1つの濾過板を固定する仕方で2cmの間隔で20枚の
濾過板を取り付けた。濾過板と外筒との間に位置する開
口部は排ガスの流れ方向から見て約14.5cm×2.
5cmであり、開口部は排ガスの流れ方向に重ならない
ように排ガスの流れ方向から見て左右に交互に配置し
た。各々の発熱体にはリード線を接続し、外筒に小孔を
開けてリード線を外に導いた。
【0036】このようにして構成した本発明のフィルタ
ーを排気量2500ccのディーゼルエンジンを搭載し
た乗用車に設置し、各々のリード線は電圧25V、供給
電力1KWのバッテリーに接続し、排ガスダクトをフィ
ルターに接続して100時間の実走行試験を行った。走
行は約50km/Hの速度で行い、この間フィルターに
排ガスを導いて微粒子を捕集しながら20枚の各々の濾
過板に取り付けた20個の発熱体を順次10分間通電加
熱し、微粒子を捕集しながら20枚の濾過板を継続的に
再生した。
【0037】結果として、100時間の実走行試験の間
の微粒子の捕集率はフィルター前後のスモークメーター
の測定で86〜89%と、このフィルターによって微粒
子は安定して捕集できており、フィルター前後での圧力
測定からの圧力損失も0.078〜0.082kg/c
の範囲に安定していた。また、引き続き微粒子の捕
集を行うに障害となるような非導電性多孔体の損傷等は
見られなかった。
【0038】比較例1 実施例1で用いた濾過板に変えて、上流側の非導電性多
孔体を配置せずに1種類の非導電性多孔体で濾過板を作
製した他は実施例1と実質的に同じ仕方で濾過板を作製
した。濾過板は実施例1で用いた濾過板の下流側の非導
電性多孔体である平均細孔径約35ミクロン、気孔率約
55%、厚さ約0.8mmの1種類の板状のアルミナ質
多孔体用いて作製し、実施例1で用いたと同じSUS3
10製の枠に非導電性多孔体と実施例1で用いたと同じ
発熱体を固定して濾過板を構成した。
【0039】このような濾過板を20枚用意し、実施例
1で用いたと同じ外筒に各々の濾過板の発熱体が非導電
性多孔体の排ガス上流側にある状態で20枚の濾過板を
取り付け、実施例1と同様に約14.5cm×2.5c
mの開口部が排ガスの流れ方向に重ならないようにして
フィルターを構成した。このフィルターを実施例1と同
様にして排気量2500ccのディーゼルエンジンを搭
載した乗用車に設置し、実施例1と同様にして100時
間の実走行試験を行った。
【0040】結果として、100時間の実走行試験の間
の微粒子の捕集率はフィルター前後のスモークメーター
の測定で45〜57%であり、圧力損失は0.079〜
0.084kg/cmであった。実施例1と比較する
と微粒子の捕集効率に明らかな低下が見られた。
【0041】実施例2 アルミナシリケートの短繊維(アルミナ48重量%、シ
リカ52重量%、直径約3ミクロン、繊維平均長さ約2
0mm)を主成分とする非導電性セラミック繊維のフェ
ルトより非導電性多孔体を形成し、濾過板を作製した。
排ガスの上流側用の非導電性多孔体は1mあたり約3
80gの重さのフェルトの1mあたりにバインダーと
して150gのジメチルシリコーンオイル(分子量約1
0万)を布の表面にほぼ均等にスプレーし、次いで布に
約5kPaの圧力を付加した状態で空気雰囲気中で11
00℃に加熱して一体化処理をし、下流側用のアルミナ
質多孔体は1mあたり約1200gの重さのフェルト
の1mあたりにバインダーとして480gのジメチル
シリコーンオイルを布の表面に均等にスプレーし、次い
で布に約20kPaの圧力を付加した状態で空気雰囲気
中で約1100℃に加熱して一体化処理をした。この処
理によりアルミナ質の布は一体化して板状のアルミナ質
成形体となった。
【0042】これらの非導電性多孔体の特性として、上
流側多孔体は平均細孔径約95ミクロン、気孔率約72
%、厚さ約0.55mmであり、下流側多孔体は平均細
孔径約30ミクロン、気孔率約54%、厚さ約1.05
mmであった。これらアルミナ質多孔体のJISL10
96に従って測定した12.7mm水柱の差圧における
初期通気性は上流側多孔体は約110cm/(cm
・秒)で、下流側多孔体は約7cm/(cm・秒)
であった。
【0043】発熱体、枠状の支持材は実施例1と同じに
して15枚の濾過板を用意し、実施例1と同様にして内
側寸法が14.5cm×14.5cmの外筒に濾過板を
固定して本発明のフィルターを構成した。
【0044】このようにして構成したフィルターを実施
例1と同様にして排気量2500ccのディーゼルエン
ジンを搭載した乗用車に設置し、100時間の実走行試
験を行った。走行は約50km/Hの速度で行い、この
間フィルターに排ガスを導いて微粒子を捕集しながら1
5枚の各々の濾過板に取り付けた15個の発熱体を順次
10分間通電加熱し、微粒子を捕集しながら15枚の濾
過板を継続的に再生した。
【0045】結果として、100時間の実走行試験の間
の微粒子の捕集率はフィルター前後のスモークメーター
の測定で78〜83%と、このフィルターによって微粒
子は安定して捕集できており、フィルター前後での圧力
測定からの圧力損失も0.072〜0.077kg/c
の範囲に安定していた。
【0046】
【発明の効果】1系列のみでディーゼル車の排ガス中の
微粒子を捕集・再生できる構造のフィルターにおいて、
微粒子の捕集効率が高く、通電加熱に必要な電力が少な
いフィルターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】濾過板の形状の例を示す略図である。
【図2】濾過板に配置する発熱体の形状の例を示す略図
である。
【図3】濾過板を固定する支持材の形状の例を示す略図
である。
【図4】排ガスの流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1…濾過板 2…開口部 3…非導電性多孔体 4…発熱体 5…低抵抗部分(電極) 6…外筒
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、開口部を設け
て外筒内に濾過板を直列に配置してなる排ガス中の微粒
子捕集用フィルターであり、より具体的には、開口部を
残して濾過板で排ガスの流路を遮蔽する状態で外筒内に
複数の濾過板を排ガスの流れ方向に重ねて配置して
したフィルターであり、濾過板は初期通気量の異なる2
種類の非導電性多孔体で発熱体を挟んだ構造とし、各々
の濾過板の初期通気性の高い多孔体を外筒内の排ガスの
上流側に配置して構成したフィルターである。更に本発
明は、非導電性多孔体が非導電性セラミック繊維の成形
体である排ガス中の微粒子捕集用フィルターであり、濾
過板の2種類の非導電性多孔板の初期通気性の比が2倍
以上である排ガス中の微粒子捕集用フィルターである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】これらの意図と上記の初期通気性を達成す
るためには、排ガスの下流側の非導電性多孔体の特性と
して、平均細孔径は0.1〜100ミクロンが好まし
く、より好ましくは10〜50ミクロンであり、気孔率
は20〜95%が好ましく、より好ましくは50〜85
%であり、厚さは0.1〜10mmが好ましく、より好
ましくは0.3〜5mmである。一方、排ガスの流側
の非導電性多孔体の特性として、平均細孔径は10ミク
ロン〜1mmが好ましく、より好ましくは50〜500
ミクロンであり、気孔率は30〜95%が好ましく、よ
り好ましくは50〜85%であり、厚さは0.1〜5m
mが好ましく、より好ましくは0.2〜2mmである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を設けて外筒内に濾過板を直列に
    配置してなる排ガス中の微粒子捕集用フィルターであっ
    て、濾過板は初期通気性の異なる2種類の非導電性多孔
    体で発熱体を挟んだ構造とし、各々の濾過板の初期通気
    性の高い多孔体を外筒内の排ガスの上流側に配置して構
    成した排ガス中の微粒子捕集用フィルター。
  2. 【請求項2】 非導電性多孔体が非導電性セラミック繊
    維の成形体である請求項1記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 濾過板の2種類の非導電性多孔体の初期
    通気性の比が2倍以上である請求項1又は2記載のフィ
    ルター。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10044893A1 (de) * 2000-09-12 2002-03-21 Volkswagen Ag Partikelfilter für eine Dieselbrennkraftmaschine
JP2007244951A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Nissan Motor Co Ltd パティキュレートフィルター型排ガス浄化触媒の製造方法及びパティキュレートフィルター型排ガス浄化触媒

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10044893A1 (de) * 2000-09-12 2002-03-21 Volkswagen Ag Partikelfilter für eine Dieselbrennkraftmaschine
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