JPH0711027B2 - シュレッダーハンマーの製造方法 - Google Patents

シュレッダーハンマーの製造方法

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JPH0711027B2
JPH0711027B2 JP1202294A JP20229489A JPH0711027B2 JP H0711027 B2 JPH0711027 B2 JP H0711027B2 JP 1202294 A JP1202294 A JP 1202294A JP 20229489 A JP20229489 A JP 20229489A JP H0711027 B2 JPH0711027 B2 JP H0711027B2
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temperature tempering
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隆之 栗田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は廃車スクラップや粗大ごみ等の廃棄物を衝撃的
に破砕する装置に使用されるシュレッダーハンマーの製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、廃車スクラップや粗大ごみ等の廃棄物は切断機に
より一定形状の切断片にした後、さらに破砕機の回転体
に取付けられた複数のシュレッダーハンマーによって破
砕、細片化処理される。即ちこの破砕処理は回転体の複
数のハンマー取付けシャフトにハンマーのシャフト取付
け孔を通して懸垂嵌装されたハンマーを回転体と共に遠
心回転させ、これによりハンマーを被砕物に衝突させて
行なう衝撃破砕であるから(破砕機については例えば実
公昭61−13087、同57−60838参照)、常に効率的な破砕
効果を得るためにはハンマーとしてはできるだけ高硬度
で耐摩耗性を有するものが望まれる。
この種のハンマー材質としては一般的に低合金鋳鋼や衝
撃に伴う加工硬化能を持つ高Mn鋳鋼(SCMnH11)が用い
られている。前記低合金鋳鋼製ハンマーの場合、耐摩耗
性を確保するためには通常、ハンマー全体を熱処理(焼
入れ−焼戻し)して高硬度化している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来の一般の低合金鋳鋼製ハンマーにおいて
は、破砕効果を高めるために耐摩耗性を上げようとして
高硬度にすると靭性が著しく低下し、使用に際してハン
マーのシャフト取付け部(基部)に大きな遠心力と衝撃
力とが加わる結果、前記取付け部で破損するという問題
があった。そこで近年はシャフト取付け部の靭性を確保
する必要性から使用硬度がショア硬度(Hs)60程度にな
る成分(C量が少ない)の低合金鋳鋼が用いられてい
る。このため、前記低合金鋳鋼成分では焼入れ硬さの上
限および焼入れ性(肉厚ものに対する焼の入る深さ)に
も難点を有し、強い衝撃下では摩耗に対する寿命が短い
ものであった。
この発明は上記のような問題点を解消し、高硬度で、且
つ焼入れ性を加味した新たな成分からなる低合金鋳鋼製
ハンマーに、熱処理操作によって使用側ヘッド部は高硬
度化し、またシャフト取付け部は靱性を付与した低合金
鋳鋼製シュレッダーハンマーの製造方法を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的はC 0.30〜0.50%、Si 0.80〜2.50%、Mn
0.50〜1.50%、Cr 1.0〜2.0%、Mo 0.30〜0.70%、V
0.05〜0.20%、及び残部がFe及び不可避不純物からな
る成分の低合金鋳鋼製シュレッダーハンマーの全体を95
0〜1100℃保持後炉冷の焼鈍、850〜1000℃保持後の油焼
入れ、150〜400℃保持後の空冷低温焼戻し後、シャフト
取付け孔側の基部だけをソルトバスに部分浸漬して500
〜700℃保持後空冷の高温焼戻し処理することを特徴と
するシュレッダーハンマーの製造方法によって達成でき
る。
本発明方法で用いられるハンマーは前述のような低合金
鋳鋼で作られたものである。
次に、上記のように各成分の組成を限定した理由につい
て説明する。
C:耐摩耗性を維持する上での高硬度を確保するために炭
素を含有させる。炭素の含有量を上げると高硬度は得ら
れるが靱性は低下する。また炭素含有量を下げ過ぎると
靱性は向上するが最高硬度が低下する。従って、高硬度
と靱性との兼ね合い(同時に維持するため)から炭素含
有量は0.30〜0.50%にする。
Si:高硬度および脱酸効果を得るために0.80%以上は必
要であるが、2.50%を超えると焼戻し脆性が現われるた
め2.50%以下とする。
Mn:焼入れ性を確保するためには0.50%以上が必要であ
るが、1.50%を超えると焼戻し脆性が現われるため1.50
%以下とする。
Cr:焼入れ性を向上し、焼入れ後の硬度を高める。1%
以上は必要であるが、あまり多くなると靱性が損われる
ため2%以下とする。
Mo:焼入れ性を向上させ、肉厚品でも高硬度を確保し、
また焼戻し脆性を防止するためには0.30%以上必要であ
るが、0.70%を超えると合理的添加量を超えその効果を
期待できないため、0.30〜0.70%とする。
V:オーステナイト結晶粒度を微細化するために0.05%以
上は必要であるが、0.20%を超えると効果は一定となる
ため、0.05〜0.20%添加する。
一方、本発明方法におけるハンマーの熱処理手順および
条件は次の通りである。
1)焼 鈍:加熱開始→950〜1100℃保持→炉冷 2)焼 入 れ:加熱開始→850〜1100℃保持→油冷 3)低温焼戻し:加熱開始→≦400℃保持 (下限は150℃程度)→空冷 4)高温焼戻し:加熱開始→500〜700℃保持→空冷 (但し基部のみ) また上記熱処理をサイクル図で示すと第1図のようにな
る。なお最後の工程の高温焼戻し処理はハンマー本体の
基部(シャフト取付け孔側の部分)だけを所定温度に加
熱したソルトバス中に浸漬して行なう。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によって説明する。
下記組成(但しFe及び不可避不純物は残部)の低合金鋳
鋼製シュレッダーハンマー(厚さ100mm)(ヘッド部最
大巾L=395mm)を下記熱処理条件で1)〜4)の順に
熱処理した。
ハンマーの組成(本発明): C Si Mn P S Cr Mo V 0.43% 1.35% 0.98% 0.03% 0.03% 1.65% 0.47%
0.10% 熱処理条件 1)焼 鈍:加熱開始→1050℃に10時間保持→炉冷 2)焼 入 れ:加熱開始→920℃に6時間保持→油冷 3)低温焼戻し:加熱開始→300℃に14時間保持→空冷 4)高温焼戻し(ソルトバス中に基部のみ浸漬): 加熱開始→620℃に4時間保持→空冷 一方、比較のためのハンマーとして前記と同形状で下記
組成(但しFe及び不可避不純物は残部)のものを用い、
且つ基部に対し前記4)の高温焼戻しを行なわなかった
他は本実施例と同じ方法で熱処理を行なった。
前記比較例のハンマー組成を次に示す。
C Si Mn P S Cr Mo V 0.28% 0.50% 1.10% 0.03% 0.04% 0.95% 0.25%
0.10% 以上のようにして製造した本発明及び比較用シュレッダ
ーハンマーについて以下のような、硬度測定、引張り試
験、衝撃試験、曲げ試験の各種確性試験を行なった。さ
らに、本発明ハンマーの顕微鏡組織および実地テスト結
果についても述べる。
硬度 (a)断面硬度 ロックウェル硬度計およびショア硬度計を用いて、両ハ
ンマーの断面部における硬度(HRcはロックウエルCス
ケール硬度、Hsはショア硬度)を測定した。この測定結
果は下記表−1及び第2図(但しHRcのみ)に示す値が
得られた。
(b)表面硬度 ショア硬度計による本発明の実施例ハンマーにおける表
面硬度の測定結果は、第3図に示すような値が得られ
た。
考察: 本発明品についてはヘッド部での表面硬度はHs68〜71を
有し、一方、表面〜中心間の断面硬度はHRc53〜49を有
し、また第2図に示すように断面硬度の低下の傾斜度は
緩く、焼入れ性の良いことが判る。このようにヘッド部
は焼入れにより前述のような高硬度を保有し、また基部
での靱性を確保するためのソルトバス処理により、基部
の断面硬度は表面〜中心間でHRc40〜38を示し、しかも
ヘッド部〜基部間の断面硬度は、ここでは図示省略した
が連続した傾斜値をとることが測定結果から確認されて
いる。
これに対し従来品はシャフト取付け部の靱性を確保する
ために低炭素含有量の材質を採用しているので、ヘッド
部の表面部硬度は最も高い硬度でもHRc47程度で、しか
も焼入れ性が小さいことから、表面から肉厚中心に向っ
ての硬度低下の傾斜は大きく、特に肉厚中心においては
HRc33〜36である。従ってハンマーの寿命を左右する特
にヘッド部における耐摩耗性の維持という点で本発明品
は従来品に比べて顕著な優位性を持っている。
機械的性質 (a)引張り試験 JIS Z2241に従って抗張力、伸び及び絞りを測定。
(b)衝撃試験 JIS Z2242による。
(c)曲げ試験 JIS Z2248に従って13mm(径)×250mm(長さ)の試験
片について撓み及び最大荷重を測定。以上の結果を下記
表−2に示す。
考察: 本発明品ではヘッド部及び基部の抗張力に余り差はない
が、ソルトバス処理を施した部位、即ち基部での抗張力
以外の機械的性質は相当異なる。特にこの部位での衝撃
値及び曲げ試験値(注:曲げ強さは破砕物の噛み込みに
よるハンマーの無理に対応する)はソルトバス処理を施
さないヘッド部に比べて大巾に改善され、破砕時におけ
る基部(シャフト孔側の部分)の破損要因(衝撃強さの
低さなど)を排除することとなる。
一方、従来品は当初より基部位における靱性を加味した
材質であるため衝撃性は高い値を有する。但し当然、前
述したようにヘッド部における硬度は低い値を示す。
顕微鏡による金属組織 実施例で製造したシュレッダーハンマーの顕微鏡による
金属組織写真を第4〜6図に示す。第4図はヘッド部に
おける表面近傍の顕微鏡写真、第5図はヘッド部におけ
る肉厚中心部の顕微鏡写真、また第6図は基部、即ちシ
ャフト取付孔側の部分の顕微鏡写真である。なお倍率は
いずれも100倍である。
考察: 本発明品の組織は基部及びヘッド部ともベイナイト+マ
ルテンサイトであるが、基部は高温焼戻し、またヘッド
部は低温焼戻しの組織を示している。
実地テスト 次に以上の確性試験を行なった同等品を実地に使用した
結果、折損事故は皆無で、かつ処理量は5025.5TONで、
複数の取付けハンマーのうちハンマー1個当りの摩耗原
単位は従来品の1469g/TONに対し、本発明品は815g/TON
が得られた。これは本発明品が従来品に比べて1.8倍の
耐摩耗性を有することを示すものである。
〔発明の効果〕
本発明では前記特定の低合金鋳鋼、即ちC 0.30〜0.50
%、Si 0.80〜2.50%、Mn 0.50〜1.50%、Cr 1.0〜
2.0%、Mo 0.30〜0.70%、V 0.05〜0.20%、残部がF
e及び不可避不純物からなる成分の低合金鋳鋼製のシュ
レッダーハンマーを製作し、該ハンマー全体をまず焼鈍
−焼入れ−低温焼戻しの順序で熱処理後、基部だけをソ
ルトバスによる高温焼戻し処理したことにより、その相
乗効果としてハンマーの使用側ヘッド部は耐摩耗性に寄
与するに充分な高硬度となり、一方、シャフト取付孔を
有する基部は高靱性となり、このため従来のように取付
部(基部)の靱性を重視して破砕部(ヘッド部)の硬度
を犠牲にする必要はなくなる。また前記材質の低合金鋼
を採用したので、使用側ヘッド部の硬度上昇を大幅に図
ることができ、且つ焼入れ性が良いことから肉厚品の中
心まで焼きが入り、表面から中心まで高硬度のものを得
ることができる。
従って、苛酷な強衝撃荷重下においても取付部(基部)
における折損などの不都合も生じず、また耐摩耗性が中
心まで長期に亘って維持されるため摩耗原単位量が小さ
く耐摩耗性が向上し、長寿命で常に効率の良い破砕効果
が得られるシュレッダーハンマーを製造し提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法における熱処理のサイクル図、第2
図は実施例で製造した本発明及び従来のシュレッダーハ
ンマーの断面硬度を示す曲線図、第3図は第2図の本発
明ハンマーの表面硬度(ショア硬度Hs)の分布図、第4
図、第5図及び第6図は夫々第2図の本発明のハンマー
のヘッド部における表面近傍の顕微鏡による金属組織写
真、ヘッド部における肉厚中心部の顕微鏡による金属組
織写真及び基部の顕微鏡による金属組織写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C 0.30〜0.50%、Si 0.80〜2.50%、Mn
    0.50〜1.50%、Cr 1.0〜2.0%、Mo 0.30〜0.70%、
    V 0.05〜0.20%、及び残部がFe及び不可避不純物から
    なる成分の低合金鋳鋼製シュレッダーハンマーの全体を
    950〜1100℃保持後炉冷の焼鈍、850〜1000℃保持後の油
    焼入れ、150〜400℃保持後の空冷低温焼戻し後、シャフ
    ト取付け孔側の基部だけをソルトバスに部分浸漬して50
    0〜700℃保持後空冷の高温焼戻し処理することを特徴と
    するシュレッダーハンマーの製造方法。
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