JPH0711039B2 - 金属間化合物Al▲下3▼Tiの製造方法 - Google Patents

金属間化合物Al▲下3▼Tiの製造方法

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JPH0711039B2
JPH0711039B2 JP2221080A JP22108090A JPH0711039B2 JP H0711039 B2 JPH0711039 B2 JP H0711039B2 JP 2221080 A JP2221080 A JP 2221080A JP 22108090 A JP22108090 A JP 22108090A JP H0711039 B2 JPH0711039 B2 JP H0711039B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高強度で軽量であり次世代耐熱材料として期待
されている、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の金属
間化合物Al3Tiを純粋で、しかも多量で安価に製造する
方法に関するものである。
本発明の方法によって製造される多量の高純度のAl3Ti
を使用することにより、金属間化合物Al3Tiの微粉体、
大型焼結体の形成が可能となって、新材料技術の進展に
寄与し得る。これ等の成形体は軽量で高強度であり耐熱
性を兼ね備えているために、これ等を素材として各種機
器に組み込み、例えば、航空機や宇宙関連機器、深海艇
等の海洋関連機器や磁気浮上列車等の交通関連機器等を
構成する機械構造材料、ジェットエンジンや自動車用エ
ンジン或は発電機用タービン等に使われるタービンブレ
ード等高温利用動力発生装置等、各種の応用分野に使用
されることが期待されている。
(従来の技術) 金属間化合物Al3Tiの特質について述べると、金属間化
合物は優れた耐熱性、耐食性、および機械的強度を有し
軽量であるため、航空機、宇宙船、深海艇などに必要な
次世代の高機能材料として期待されている。チタン(T
i)とアルミニウム(Al)の合金であるAl3Tiは、チタン
とアルミニウム原子が強固に結合した金属間化合物の中
で最も比重が小さく、金属間化合物の中でも大きな期待
が寄せられている。
次世代金属間化合物としてその応用が期待されている金
属間化合物Ti3Al,TiAl,Al3Tiを含むチタンとアルミニウ
ムの合金の状態図を第1図に示した。これにより、Al3T
i(第1図中の2の領域)は液体(第1図中の3の領
域)から直接形成することが理解される。この化合物は
一般的な合金の製造方法である(1)純金属の製造と、
(2)溶解混合・凝固と凝固との二つの方法の組合せか
らなる製造方法を適用できる。また、もう一つの一般的
な金属間化合物の製造方法である、金属粉末の焼結によ
る方法も適用されている。これは金属チタンとアルミニ
ウムの微細な粉末をチタン25モル%、アルミニウム75モ
ル%の組成になるように混合・加圧成形し、約1227℃以
下の温度で加熱して反応させるものである。この方法で
は焼結反応速度が遅く、Ti粒子の表面に薄い膜としてTi
Alなどが形成されて不純物となり、チタンとアルミニウ
ムのモル比が1:3の時のみ単体となり得るAl3Tiを純粋に
取り出すことは困難である。
よって、従来のAl3Tiの製造方法は、先述の(1)と
(2)からなる一般的な方法に均一化処理を加えた複合
工程からなる。第2図にその工程全体の概略図を示し
た。これを工程順に説明すると次の通りである。まず第
1工程は、鉱石中に酸化物、すなわち二酸化チタンおよ
び酸化アルミニウムの形態で存在するチタンとアルミニ
ウムとを純粋な酸化物の形態で取り出し、それぞれの製
錬工程を経て金属チタンおよび金属アルミニウムを得る
工程である。この製錬工程はすでに確立された産業技術
を用いている。第2工程は、チタンとアルミニウム金属
を目標のチタン25%、アルミニウム75%の組成になるよ
う溶解し、混合させる工程である。この方法で得た合金
液体を冷却凝固させる。第3工程は、第1図に示したAl
3Ti固体が安定に存在する温度範囲、すなわち約1350℃
以下の温度に充分長い時間保持することによって副生成
物であるTiAl等を分解させ、チタンとアルミニウムの原
子の拡散混合を待ち、均一なAl3Tiを合成させる工程で
ある。
(発明が解決しようとする課題) 以上の従来の方法では、以下に列記するいくつかの解決
すべき課題が存在していた。
(1)チタン鉱石中に存在する不純物であるアルミニウ
ム原子、およびチタン鉱石中に存在する不純物のアルミ
ニウム原子を製錬工程で除去した後、改めてチタンとア
ルミニウムの両者を混合するという非経済的な工程とな
る。
(2)金属チタンと金属アルミニウムの融点はそれぞれ
1943K(1670℃)および933K(660℃)であって極端に大
きな差があり、両者を融解させるには高度の技術が必要
である。さらに、活性な金属であるチタンとアルミニウ
ムを混合するために、両者を2000K(1727℃)に近い高
温で、かつ真空中あるいは不活性ガス中で加熱する技術
が必要である。またこの時、アルミニウムの蒸気圧がチ
タンに比べ非常に大きくなり、アルミニウムが合金液体
から蒸発するために、所定の組成のAl3Tiを均一に多量
に得ることは難しい。
(3)Al3Tiの安定温度範囲で熱処理を行っても、完全
には拡散を伴う相変態が完了せず、不純物として未反応
のTiAlなどが混入しやすい。さらに、金属間化合物の結
晶格子内部での原子の配列が乱れたりするために、得ら
れた金属間化合物の特性は理論上予測されているものに
は及ばなかった。
(4)従来の製造方法では、3つのプロセスが別個に行
われるために、チタンとアルミニウムの製造、合金液体
の製造、および均一化処理に要する熱処理等にそれぞれ
大きな熱エネルギーと時間と費用とを要し、結果として
高価な製造方法となっていた。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記の課題を解決することにより、高強度でか
つ耐熱性・耐食性があり軽量であることから、次世代材
料として期待されているチタン(Ti)とアルミニウム
(Al)の金属間化合物Al3Tiを、高純度にしかも少ない
エネルギーで製造する量産型製造方法を開発しようとし
たものである。
本発明は、酸化物である二酸化チタン(TiO2)と酸化ア
ルミニウム(Al2O3)を、TiとAlの組成が金属間化合物A
l3Tiの組成になるよりもアルミニウムが多い組成になる
ように配合し混合した酸化物混合体を、チタンとアルミ
ニウムの粒子を可能な限り微粉細して均一に混合する第
1工程と、 この酸化物混合体に750〜1200℃の温度範囲の高温下で
カルシウム(Ca)または水素化カルシウム(CaH2)を A>3B C≧(3/2)A+2B C≦2A+(1/2)B (但し、Aは出発酸化物混合体中に含まれる金属アルミ
ニウム原子のモル数、Bは出発酸化物混合体原子中に含
まれる金属チタン原子のモル数、Cは反応容器中の金属
カルシウム原子のモル数とする。)を同時に満足する条
件で真空中又は不活性ガスの存在下で反応させて還元す
る第2工程と、 合成された金属間化合物Al3Tiから、副成するCaOおよび
CaAl2またはCa−Al合金を、水、または酸性水溶液、塩
化アンモニウム水溶液より選ばれた何れかの溶剤で溶解
除去し、金属間化合物Al3Tiのみを純粋に取り出す第3
工程とより成ることを特徴とする金属間化合物Al3Tiの
製造方法にある。
(作 用) 本発明は、以下の製造原理、各々の方法の最適な適用条
件についての詳細を解明し発明したAl3Tiを多量に製造
する方法に関するものである。具体的には、 (1)酸化物である二酸化チタンと酸化アルミニウムを
配合することにより、チタンとアルミニウムがAl3Tiの
所定の原子分率になる組成の酸化物混合体を作り、チタ
ンとアルミニウムの原子を可能な限り微細かつ均一に配
合させる第1工程と、 (2)この酸化物混合体に1023K〜1473K(750〜1200
℃)の温度範囲の高温下でカルシウム(Ca)または水素
化カルシウム(CaH2)を作用させて還元する第2工程
と、 (3)合成された金属間化合物Al3Tiから、副成するCaO
およびCa−Al合金を溶解除去し、金属間化合物Al3Tiの
みを純粋に取り出す第3工程とより成ることを特徴とす
る金属間化合物Al3Tiの製造方法である。
本発明は金属間化合物Al3Tiの製造方法として、 (1)TiとAl原子の微細混合、 (2)TiとAl原子の相互拡散の促進、および (3)Al3Ti結晶の均一化、 (4)不純物除去、 等の相乗効果の結果としてAl3Tiの合成が安価に量産可
能になるとの指針を得、鋭意研究の結果、上述のような
3つの工程の組合せに基づく製造方法を発明するに至っ
た。
上述の本発明の製造方法において、第1工程では、混合
した二酸化チタン(TiO2)と酸化アルミニウム(Al
2O3)のチタンとアルミニウムの原子を可能な限り微細
に粉砕し、これにより均一に混合することが重要であ
る。
第2工程は、この酸化物混合体に1023K〜1473K(750℃
〜1200℃)の温度範囲の高温下でカルシウム(Ca)又は
水素化カルシウム(CaH2)を作用させて還元するもので
あるが、この還元の過程において、チタンおよびアルミ
ニウム原子と結合している酸素を、Caによって切り放す
と同時に、TiとAlの結合を促進させる。この結果、粉末
状の金属間化合物Al3Tiが酸化カルシウム(CaO)および
Ca−Al合金とともに合成される。
ここで酸化物混合体を750℃〜1200℃の温度範囲の高温
下で金属カルシウム(Ca)または水素化カルシウム(Ca
H2)で還元する場合に、下記の条件を満足することが必
要である。
A>3B C≧(3/2)A+2B C≦2A+(1/2)B (但し、Aは出発酸化物混合体中に含まれる金属アルミ
ニウム原子のモル数、Bは出発酸化物混合体原子中に含
まれる金属チタン原子のモル数、Cは反応容器中の金属
カルシウム原子のモル数とする。) 第3工程では合成された金属酸化物Al3Tiから、副生し
たCaOおよびCaAl2またはCa−Al合金を、水、または酸性
水溶性、塩化アンモニウム水溶液より選ばれた何れかの
溶剤で溶解除去し、金属間化合物Al3Tiのみを純粋に取
り出す工程である。
第3工程では副生したCaO,Ca−Al合金を還元除去するも
のである。
本発明によると、チタンとアルミニウムの金属間化合物
Al3Tiの単体を高純度でしかも、多量生産で安価で粉末
状または塊状で得られる。本発明による金属間化合物Al
3Tiの単体粉末を粉末冶金法に適用することによって、
切削溶接加工が少なくて済む製品形状に近い大型焼結体
を形成し、各種装置として構造物に直接組み込める。ま
た焼結体は、スパッタリングや真空蒸着のターゲット材
料にも使用でき、各種の構造物の表面処理を行い、耐熱
性を高め、機械強度を向上させることができる。
(実施例) 本発明の方法を、以下に示す実施例に基づいて説明す
る。
本発明によるAl3Tiの製造方法は、鉱石やスクラップ等
より種々の方法で抽出された二酸化チタン(TiO2)と酸
化アルミニウム(Al2O3)を出発原料にする。これ等は
一般に粒状、粉末状で入手でき容易に微粉末にすること
ができる。これ等をTiとAlのモル比が1/3より小さい値
になるよう秤量し混合する。この混合比は後述の還元剤
の量と共に、最終的に得られる金属間化合物Al3Tiに含
有される不純物に影響する。
一般に乳鉢やボールミル等で充分に混ぜ合わせて酸化物
混合体を得る。粒状、塊状の出発原料を用いた場合は充
分混合粉砕し、微粉末にする。このようにして酸化物混
合体を得る。
なお、上述の酸化物混合体を得る方法としては、 TiO2とAl2O3とを融解混合し、冷却しても酸化物混
合体を得ることができ、また 水溶液を利用した酸化物の混合も可能である。しか
しの方法では高温加熱を必要とし経済上好ましくな
く、の方法をとる場合は、Ti3Alの製造方法に比べ
て、水酸化アルミニウム・ゲルの生成量が多くなるた
め、水酸化物の混合体の体積が大きく脱水処理等に多く
の困難を伴った。従って、最も簡便な操作で熱エネルギ
ーも他の試薬も不要で混合できる機械的な酸化物混合体
を以下の工程に用いるのが経済上望ましいものと判断さ
れる。
上記の酸化物混合体を1023K〜1473K(750℃〜1200℃)
の温度範囲に加熱し、この高温(750〜1200℃)下でカ
ルシウム(Ca)または水酸化カルシウム(CaH2)を作用
させて還元する。ここで還元剤としてCaまたはCaH2を用
いたのは、特に酸素と強い親和力を持つTiおよびAlを還
元するためである。従って空気中の酸素および試料中の
水分による還元剤の消耗を防止するためと、窒素による
チタン窒化物の形成を防止するために、酸化物混合体と
還元剤とを内蔵している反応容器は、あらかじめ脱気
し、真空としておくか、不活性ガスを導入する。このよ
うに酸化物混合体と還元剤は高温での反応中に大気が混
入しないような密封された容器に閉じ込めるか、あるい
は大気混入を避ける施策が必要である。
第1図はチタンとアルミニウムの合金の状態図で、ある
組成の合金がある温度でどのような結晶相であるかを示
している。図中の数字は下記の範囲を示す。
1…金属間化合物TiAlが存在する範囲 2…金属間化合物Al3Tiが存在する範囲 3…合金液体が存在する範囲 4…金属間化合物Ti3Alが存在する範囲 5…β−Tiが存在する範囲 6…α−Tiが存在する範囲 ここでは金属カルシウム(Ca)を還元剤とし、密封容器
を使用した場合を例に取って説明する。密封容器内の化
学反応は以下のようである。1023K〜1473K(750℃〜120
0℃)の下ではCaは液体となって蒸気を発生し、容器内
にその飽和蒸気が充満する。このCa蒸気は、TiO2+Al2O3
の混合粉体に作用してこれらをTi−Al合金にまで還元
し、自らは酸化カルシウム(CaO)の固体に変化して合
金粒子の周囲に堆積する。これを化学反応式で表すと
(1)式となる。
2TiO2+3Al2O3+13Ca(gas)→[2Ti・6Al]+13CaO …
(1) 上記の化学反応における合金、すなわち[2Ti・6Al]
は、粉末X線回折測定の解析結果によれば、Al3Tiの形
の化合物である。すなわち、上記の還元反応と同時に次
式で示される化合物の形成反応が進行している。
[2Ti・6Al]→2Al3Ti …(2) しかしながら、還元剤であるCaが還元に必要な量以上に
過剰に存在するときは、このCaが次の化学反応によりCa
Al2を副生成する可能性がある。
[2Ti・6Al]+Ca→2Al2Ti+CaAl2 …(3) あるいは過剰量に応じて [2Ti・6Al]+2Ca→2TiAl+2CaAl2 …(4) 等の副反応が生じる可能性もある。第1図のCa−Al合金
の状態図によれば本工程の反応温度ではCa−Al合金の一
部は液体状態にもなりうる。化合物CaAl2あるいは液体C
a−Al合金は後述の湿式工程で除去することが可能であ
るが、同時に副生したAl2TiやTiAl等の金属間化合物は
除去が困難であり、本法によるAl3Ti粉末の単相合成に
関しては上記の副反応は望ましいものではない。従って
酸化物混合体のTi/Alのモル比を厳密に1/3に設定し、還
元に必要な当量のCaだけを上記(1),(2)の反応に
用いるのが、物質収支上、最も望ましいが、このような
配合は後述の理由で、実施上困難である。
以上説明した反応はCaの蒸気を利用したものである。本
発明による化学反応は、Caの気体状態を用いずに、固体
状態あるいは液体状態を用いてもよい。またCaと同様の
還元作用を持つCaH2を使用してもよい。CaH2を還元剤と
して用いた場合の、化学反応式を以下に示す。
2TiO2+3Al2O3+13CaH2→2Ti・6Al]+13CaO+13H2
(5) [2Ti・6Al]→2Al3Ti …(6) CaH2の熱分解によって発生する水素ガス(H2)は熱力学
理論上、Al2O3の還元にはまったく寄与し得ないが、TiO
2の還元には一部寄与し得る。しかしながらH2のみで
は、理論的に反応が進行したとしても、TiO2はTi2O3
でしか還元されず、金属状態のチタンを得ることはでき
ない。また、CaH2の一部は還元温度で熱分解して金属カ
ルシウムとなり還元作用を示す。これら二点を考慮し
て、上記の反応式(5),(6)としてまとめてある。
以上の考え方に基づく合成反応の実施例を以下に示す。
還元反応を完全に実施させるためには、還元剤と酸化物
混合体を内蔵する反応容器の密閉性を高めることが必
要、かつ重要であり、特に留意する必要がある。
密閉するためには空気を排気した後、ステンレス容器を
溶接等の接合の方法によって外気と遮断する方法が一般
的であり、本発明に対してもこの方法を用いることがで
きる。しかしながら、この方法では還元反応終了後に容
器内部の試料等を取り出すためには容器を破壊しなけれ
ばならない。
酸化物混合体約3.0gをモリブデン製の受皿に乗せ、Caは
酸化物と直接接触させないよう隔離してステンレス製の
容器内に設置した。ステンレス製の容器内の大気をアル
ゴンガスで置換後加熱し、容器を750℃〜1200℃の温度
範囲で、1時間ないし72時間程度保持した後冷却した。
上記の化学反応(還元反応)の結果得られた粉末は、粉
末X線回折測定の結果、次のような物質からなってい
た。還元剤としてカルシウムを用いた場合、酸化カルシ
ウム(CaO)、Ca−Al合金、金属間化合物Al3Ti、および
未反応のカルシウムであった。また還元剤として水素化
カルシウム(CaH2)を用いた場合、CaO,Ca−Al合金、金
属間化合物Al3Ti、および未反応のCaH2とそれが熱分解
した金属カルシウムであった。
したがって、上記の化学反応(還元反応)によって得ら
れた粉末から金属間化合物Al3Tiのみを取り出す精製の
ために湿式分離を行なった。酸性水溶液に得られた粉末
を投入し、CaO,Ca−Al合金、金属カルシウムおよびCaH2
を溶解分離し、化合物粉末に精製し回収した。
ここで精製のための湿式分離試薬として、金属カルシウ
ム、または水素化カルシウム(CaH2)、および酸化カル
シウム(CaO)の分離には、工業的には第1段階の処理
として水の使用が有効である。しかしながら、水のみで
は完全な除去精製が不可能であるために、第1段階の処
理として、水で大まかな湿式分離を行った後、さらに第
2段階の処理として以上に説明したように残留する不純
物を除去する必要がある。このためには鉱酸の他、酢酸
やシュウ酸等の有機酸も使用が可能である。CaOの分離
には上記の酸性水溶液の他に塩化アンモニウム水溶液、
アンモニウム塩水溶液やショ糖水溶液等の使用が可能で
ある。普通、鉱酸例えば塩酸の希薄水溶液は入手し易く
安価であるため経済上好ましい。
また、精製のための湿式分離にあたり、水溶液に機械的
な攪拌ないしは超音波振動を加え、さらに約60℃(333
K)に加熱すると、精製が効果的に行われ湿式分離時間
を短縮できるほか、不純物の混入も低減される。精製用
の水溶液に不活性ガス例えばアルゴンガスを吹き込むと
水溶液中の溶存酸素量が低減され、金属間化合物Al3Ti
粉末に付着する酸素が減少し、より高純度な化合物を得
ることができる。湿式分離中に水溶液にガスを吹き込む
と水溶液が攪拌されるために精製が効率よく行われるの
で好ましい。
以上の製造方法の概念にしたがって、酸化物混合体のTi
/Alのモル比を25/75(=1/3)にし、水素化カルシウム
により還元合成反応を生じさせ、湿式分離試薬として酢
酸水溶液を用いて精製した粉体に対し、粉末X線回折測
定を行った結果を第1表に示した。第1表は水素化カル
シウム(CaH2)によって、Ti/Alのモル比が25/75である
酸化物混合体を還元し、得られた粉末を酢酸水溶液で洗
浄した試料の粉末X線回折測定結果で試料中に含まれる
物質名を列記してある。
出発原料の酸化物はすべて金属状態にまで還元され、第
1表に示したように金属間化合物Al3Tiが合成されてい
た。
しかし、Ti−Al系に存在する他の金属間化合物であるAl
2TiあるいはTiAlが共存し、これ等の不純物は湿式処理
によって取り除けなかった。また、洗浄が不充分であっ
たときにはわずかな量ではあったが、CaAl2の存在が認
められた。第1表に示したように還元合成反応の温度、
時間を変えても上記の傾向は変わらず、不純物の混入が
生じた。
上記で述べた不純物の混入の原因について、以下に述べ
る。
以上の製造方法による場合、還元合成反応の際、わずか
でも還元剤が反応容器より漏れると金属間化合物Al3Ti
以外に酸化アルミニウムや、一酸化チタン(TiO)等の
不純物が混入した。したがって、出発試料の還元に必要
な等量の還元剤の量に加え、通常若干量の余分の還元剤
を反応容器内の脱酸素剤として使用した。また、反応容
器のシール剤としてカルシウムを使用すると、これも還
元には余分の還元剤となる。還元剤が反応容器から漏洩
する量を正確に見積もり、それに相当の還元剤を余分に
挿入しておくことが望ましいが、その漏洩量の評価は困
難である場合が多い。
反応容器内にカルシウムが過剰に存在し、出発原料のTi
/Alのモル比が1/3の場合、一旦合成されたAl3Tiに過剰
のカルシウムが作用し、 2Al3Ti+Ca→2Al2Ti+CaAl2 ……(7) Al3Ti+Ca→TiAl+CaAl2 ……(8) なる反応が生じるためである。Al3Tiに混入したAl2Tiや
TiAlは湿式工程では除去が困難であり、本法によって製
造したAl3Tiの特質を劣化させる。
上記で述べた副反応によるAl2TiやTiAlの混入を防止す
るため、次の方法をとる。すなわち、出発原料のTi/Al
のモル比を1/3よりも小さくし、すなわち、1/4〜1/6の
如くTiよりAlを多くする必要があり、本製造方法に使用
するカルシウム成分量を次式によって定める。
出発酸化物混合体中に含まれる金属アルミニウム原子の
モル数をA、出発酸化物混合体中に含まれる金属チタン
原子のモル数をB、反応容器中の還元剤として作用し得
る金属カルシウム原子のモル数をCとする。
A>3B ………(9) C≧(3/2)A+2B ………(10) C≦2A+(1/2)B ………(11) (9)〜(11)式を同時に満足するよう、還元剤および
シール剤中に含まれる金属カルシウム量を調節すると、
Al3TiよりもTi含有量の多いAl2TiやTiAl等の金属間化合
物が、不純物として本法で得られるAl3Ti中に含有され
ることはない。なお、上式のうち(9)式はTiとAlの比
を1/3よりも小さくするための条件であり、(10)式はT
iO2およびAl2O3をそれぞれ金属チタン、金属アルミニウ
ムに還元するための条件であり、(11)式は合成された
Al3Tiに必要なアルミニウム原子以外のアルミニウム
が、金属アルミニウムまたは化合物CaAl2として存在す
るに必要な条件である。
上記の三つの制約条件を満足するよう製造条件を制御す
ることは、簡便であり実用性が高い。酸化物混合体のTi
/Alのモル比を理論量である25/75(=1/3)にし、還元
合成反応の際、還元剤が反応容器より全くもれないよう
にする条件は、(9)式と(10)式における等号を同時
に成立させることに相当し、この条件は第(4)項で述
べたように実用上困難である。従って、(9)式は不等
号のみとした。
上記の三つの制約条件の妥当性を検討するため、行った
実験結果を第2表に示した。
第2表は水素化カルシウム(CaH2)によって、酸化物混
合体を1000℃(1273K)で10.8ks還元し、得られた粉末
を酢酸水溶液で洗浄した試料の粉末X線回折測定結果で
試料中に含まれる物質名を列記してある。
第2表は、酸化物混合体を水素化カルシウムで還元し、
酢酸水溶液で洗浄した粉体に対し、粉体X線回折測定を
行った結果を示したものである。第2表に示したすべて
の試料は(10)式の不等号を満足するよう、還元に必要
な当量のカルシウム成分に加え過剰量の水素化カルシウ
ムを使用した。
(11)式の制限を越えて還元剤を増量した場合、あるい
は(9)式の制限を越えて酸化物混合体中のチタン原子
の量を増やした場合は、第2表に示すようにAl2Tiまた
はTiAlがAl3Tiに混じった粉末が得られた。特に反応時
間を長くした場合は、不純物の量が増加する傾向が認め
られた。
三つの制約条件を全て満足するように酸化物混合体の組
成・量と還元剤の量を調整し、本発明による還元合成反
応を作動させた一例は、酸化物混合体中のTi/Alのモル
比を15/85とし、CaH2を還元剤として使用し、1000℃(1
273K)で10.8ks反応させた場合である。
この試料について粉末X線回折測定を行った結果を第3
図(a)に示した。第3図(b)には報告されている金
属間化合物Al3Tiの参照図形を示してある。第3図
(a)から本発明の製造方法で作製された粉末の測定結
果は参照図形のみで説明できる。したがって、本試料は
不純物の混入のない金属間化合物Al3Ti単体からなって
いることがわかる。この金属間化合物Al3Ti粉末の走査
型電子顕微鏡観察結果を第4図に示した。数ミクロンな
いし十数ミクロン程度の丸みを帯びた粉末状で、粒子の
一部分でほかの粒子と接触している。
工程の概要 以上に説明した工程全体の概略を第5図にまとめて示し
た。これを工程順に説明すると次の通りである。
第1工程 酸化物粉末の均質混合 二酸化チタン(TiO2)と酸化アルミニウム(Al2O3)を
出発原料にする。これ等をするように秤量し、乳鉢ある
いはボールミル等で充分混合し、均質な酸化物混合体を
得る。この工程は第5図に示した工程以外に、本発明者
の一部が別に特許を申請している「Ti3Alの製造方法」
(得願平1−235766号)に記載の酸化物粉末の均質混合
工程を使用することができる。いずれにおいても、酸化
物混合体中におけるアルミニウム原子のモル数をA、チ
タン原子のモル数をBとするとA>3Bの関係を満たすよ
うに組成を調整する。
第2工程 還 元 酸化物混合体をカルシウムまたは水素化カルシウムで還
元し、還元粉末を得る工程である。還元剤中の有効成分
である金属カルシウムのモル数をCとすると、Cは(3/
2)A+2Bより大きくないと還元反応が完結せず、Cが2
A+(1/2)Bより小さくないとAl2TiやTiAl等のAl3Tiに
対しては不純物となる化合物が副生成する。還元合成反
応の温度は、還元剤が実用上充分な反応速度で作用し得
る750℃〜1200℃の温度範囲である。
第3工程 精 製 還元粉末を水、塩化アンモニウム水溶液、または希塩酸
等の酸性水溶液で洗浄し、酸化カルシウム、Ca−Al合金
および未反応のカルシウム、水素化カルシウムを溶解分
離し、精製した高純度の金属間化合物Al3Tiの粉末を得
る工程である。
(発明の効果) 本発明による金属間化合物Al3Tiを組み込んだ各種製品
は軽量で優れた耐熱性、耐食性、高い機械強度を有して
おり製品価格が安い。金属間化合物Al3Tiを組み込んだ
各種製品、例えば航空機や宇宙船関連機器や深海艇等の
海洋関連機器や磁器浮上列車等の交通関連機器等を構成
する機械構造製品、ジェットエンジンや自動車用エンジ
ンや発電機用タービン等に使われるタービンブレード等
高温利用動力発生装置等に使用され、本発明はこれ等を
安価に提供できる工業上大なる利益がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はチタンとアルミニウムの合金状態図、 第2図は従来の金属間化合物Al3Tiの製造工程の模式
図、 第3図は水素化カルシウム(CaH2)によって1000℃(12
73K)で10.8ksの時間還元した粉末を酢酸水溶液で洗浄
し、不純物を除去した試料に対する粉末X線回折測定結
果(a)と金属間化合物Al3Tiの参照図形(b)で、酸
化物混合体中のTi/Alのモル比は15/85であり、測定に用
いたX線は銅のKα線で、(b)はJCPDSカード番号3
7−1449により計算したものを表した図、 第4図は水素化カルシウム(CaH2)によって1000℃(12
73K)で10.8ksの時間還元した粉末を酢酸水溶液で洗浄
し、酸化物混合体中のTi/Alのモル比が15/85である不純
物を除去した金属間化合物Al3Tiの走査型電子顕微鏡写
真、 第5図は本発明の製造方法を示した概略図である。 1……金属間化合物TiAlが存在する範囲 2……金属間化合物Al3Tiが存在する範囲 3……合金液体が存在する範囲 4……金属間化合物Ti3Alが存在する範囲 5……β−Tiが存在する範囲 6……α−Tiが存在する範囲
フロントページの続き (72)発明者 岡部 徹 京都府京都市左京区一乗寺松原町12番地 (72)発明者 池澤 正志 京都府京都市左京区田中西樋ノ口町42番地 太田方 (72)発明者 植木 達彦 京都府京都市左京区一乗寺松原町12番地

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物である二酸化チタン(TiO2)と酸化
    アルミニウム(Al2O3)を、TiとAlの組成が金属間化合
    物Al3Tiの組成になるよりもアルミニウムが多い組成に
    なるように配合し混合した酸化物混合体を、チタンとア
    ルミニウムの粒子を可能な限り微粉砕して均一に混合す
    る第1工程と、 この酸化物混合体に750〜1200℃の温度範囲の高温下で
    カルシウム(Ca)または水素化カルシウム(CaH2)を A>3B C≧(3/2)A+2B C≦2A+(1/2)B (但し、Aは出発酸化物混合体中に含まれる金属アルミ
    ニウム原子のモル数、Bは出発酸化物混合体原子中に含
    まれる金属チタン原子のモル数、Cは反応容器中の金属
    カルシウム原子のモル数とする。)を同時に満足する条
    件で真空中又は不活性ガスの存在下で反応させて還元す
    る第2工程と、 合成された金属間化合物Al3Tiから、副成するCaOおよび
    CaAl2またはCa−Al合金を、水、または酸性水溶液、塩
    化アンモニウム水溶液より選ばれた何れかの溶剤で溶解
    除去し、金属間化合物Al3Tiのみを純粋に取り出す第3
    工程とより成ることを特徴とする金属間化合物Al3Tiの
    製造方法。
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