JPH07110407B2 - セラミックスと金属との複合体から成る摺動部材の製造方法 - Google Patents

セラミックスと金属との複合体から成る摺動部材の製造方法

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JPH07110407B2 JP62229304A JP22930487A JPH07110407B2 JP H07110407 B2 JPH07110407 B2 JP H07110407B2 JP 62229304 A JP62229304 A JP 62229304A JP 22930487 A JP22930487 A JP 22930487A JP H07110407 B2 JPH07110407 B2 JP H07110407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はセラミックスと金属との複合体から成る摺動部
材の製造方法に関する。
(従来技術) 近時、セラミックスのもつ耐摩耗性、耐焼付性と、金属
のもつ強度的信頼性、熱放散性とが複合化された摺動部
材が開発されている(例えば特開昭59-196240号公
報)。
これは棒状あるいは板状のセラミックス小片を、鋳型に
おける摺動部材の摺動面を形成する個所に分散して配置
し、該セラミックス小片を溶融金属で鋳ぐるむものであ
る。
(発明が解決しようとする問題点) ところで上記発明では、セラミックス小片を溶融金属で
鋳ぐるむ場合、該金属の熱衝撃によりセラミック小片に
マイクロクラックが発生しやすく、このことは摺動面の
破壊へと発展する可能性がある。このようなトラブルを
防止するため、通常は溶融金属の注入に先立ってセラミ
ックス小片を内蔵した鋳型を、例えば高周波電気炉内で
予熱しているが、その分作業工程が繁雑になると共に製
造コストが著しく高くなる。また前記発明の摺動部材で
は、セラミックス小片は棒状あるいは板状にされている
ため、鋳ぐるみ時においては、溶融金属が凝固収縮する
際の圧縮応力がセラミックス小片の全表面に均等に作用
せず、その分鋳ぐるみ金属の該小片に対する保持力が弱
くなると共に、圧縮応力の局部的集中により該小片にク
ラックが発生しやすくなる。また摺動時においては、摺
動面に加わる荷重及び摺動に伴う発熱が各セラミックス
小片に均等に放散されず、その分摺動部材の寿命が短く
なる。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであ
り、その第1の目的は、セラミックス小片と金属との複
合体から成る摺動部材を製造する過程で、セラミックス
小片に対する鋳ぐるみ金属の熱衝撃を簡単かつ安価な方
法で緩和することにある。また第2の目的は、上記摺動
部材を使用する過程で、セラミックス小片に加わる荷重
及び摺動熱を均等分散させ、以て摺動部材を長持ちさせ
ることにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記の目的を達成するため、球状のセラミック
ス小片を断熱性を備えた接着剤又は塗型剤を介して鋳型
内の所定位置に分散配置するものである。
すなわち本発明は、通気性を備えた鋳型のキャビティ面
に、断熱性を備えた接着剤又は塗型剤を表面にコーティ
ングした多数のセラミックスボールを相互に所定の間隔
を置いて層状に装着して被鋳込み体を形成し、該被鋳込
み体を型に組入れ、その鋳造キャビティに溶融金属を流
し込んでセラミックス鋳ぐるみ体を形成し、しかる後、
該鋳ぐるみ体におけるセラミックスボールの表面の一部
と鋳込み金属とを同一平面に研削・研磨することを特徴
としている。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
(第1実施例) 第1図ないし第7図は本発明の一実施例における製造工
程を示し、第1図は被鋳込み体の縦断面図、第2図は同
横断面図、第3図は被鋳込み体を鋳型にセットした状態
を示す縦断面図、第4図はセラミックス鋳ぐるみ体の縦
断面図、第5図は同横断面図、第6図は摺動部材の要部
縦断面図、第7図は同要部横断面図である。
図において、まず高さ70mm、外径40mm、肉厚3mmの円筒
体から成り、通気性を備えたシェル鋳型(1)の外周面
に、直径4mmで表面にあらかじめ耐熱性無機質接着剤
(日産化学製、ボンドエックス81)(2)を薄くコーテ
ィングした炭化珪素系セラミックスボール(3)を該接
着剤(2)を介して層状(単層)に装着する。なお前記
セラミックスボール(3)相互の間隔は0.4±0.2mm以上
にされている。なおシェル鋳型(1)の両端部外周面
は、セラミックスボール(3)を装着しないままにして
おく。次に前記セラミックスボール(3)層の外周部に
外径80mm、内径50mm、高さ70mmの円筒状の発泡ポリスチ
レン(4)を巻装し、該発泡ポリスチレン(4)の外周
面に塗型(5)を施して被鋳込み体(6)とする(第1
図参照)。
なおシェル鋳型(1)の両端部外周面には、あらかじめ
厚さ5mmの発泡ポリスチレン(4′)を巻装しておく。
しかる後、前記被鋳込み体(6)を、これに発泡ポリス
チレン製の湯道(7)を取付けた上、鋳枠(8)内にセ
ットする。
該鋳枠(8)は通気構造を有すると共に上端を開口した
内箱(9)と、該内箱(9)の側部及び底部を包囲して
該内箱(9)との間に減圧室(11)を構成した外箱(1
2)とから成っており、該外箱(12)には、一端が減圧
室(11)と連通し、他端が図示しない真空ポンプと接続
された管路(13)が設けられている。
このような鋳枠(8)の内箱(9)内に鋳物砂用珪砂
(AFS粒度−100相当)(14)を充填し、図示しない振動
手段によって該珪砂(14)に流動性を付与しつつ前記被
鋳込み体(6)を、その湯口(7)の上端が内箱(9)
の上面に現出するようにして該内箱(9)内にセットす
る。
次に湯口(7)の上端を除いた鋳枠(8)の上面をを酢
酸ビニール共重合体、ポリエチレン等の気密シート(1
5)で密閉する。
しかる後、図示しない真空ポンプを作動させ、管路(1
3)及び減圧室(11)を介して内箱(9)内の空気を排
除し、以て内箱(9)内の圧力を大気圧より200〜500mm
Hgほど低くする。これにより珪砂(14)は内箱(9)内
にて被鋳込み体(6)を内蔵したまま固化し、鋳型を形
成する(第3図参照)。
この状態で1,380℃の鋳鉄(16)の溶湯を湯口(7)上
端より注湯すると、被鋳込み体(6)中の発泡ポリスチ
レン(4)(4′)及び接着剤(2)が燃焼気化し、こ
れによって生じた空胴及び隙間に溶湯が置換的に充填さ
れ、セラミックス鋳ぐるみ体(17)が形成される。なお
接着剤(2)の燃焼によって発生したガスは通気性のシ
ェル鋳型(1)を通過して珪砂(14)中に拡散するか
ら、シェル鋳型(1)に接した面、すなわち摺動面にガ
ス孔が生じることはなく、またセラミックスボール
(3)は溶湯により確実に鋳ぐるまれる。所定時間経過
後、真空ポンプの作動を停止して内箱(9)内の減圧状
態を解除すると、珪砂(14)の各粒子の移動が自由にな
り、鋳型が崩壊するから、容易に内部の製品を取り出す
ことができる。なおこの時、シェル鋳型(1)は溶湯の
熱に焼かれて保形性を失っており、容易に製品から分離
される。
このようにして得た円筒状のセラミックス鋳ぐるみ体
(17)の内周面を2mm研削し、更に研磨してセラミック
スと鋳鉄から成る摺動面を現出させ、以て摺動部材(1
8)とする。このような摺動部材(18)において、セラ
ミックスボール(3)は鋳鉄(16)によりしっかりと鋳
ぐるみ固定されており、またセラミックスボール(3)
の摺動面にはクラックが発生していなかった。
なお、表面に接着剤をコーティングしないままのセラミ
ックスボールをシェル鋳型の外周面に装着して鋳ぐるん
だところ、該ボールの一部が溶湯に洗われた結果、摺動
部材の摺動面におけるセラミックスボールに不整列が生
じた。また一部のセラミックスボールの摺動面にクラッ
クが発生した。
(第2実施例) 第8図は本発明の他の実施例における被鋳込み体の縦断
面図、第9図はセラミックス鋳ぐるみ体の縦断面図であ
る。図において、有底円筒体から成り、通気性を備えた
シェル鋳型(1)の内面に、直径2mmで表面にメタノー
ルを溶媒とした黒鉛塗型剤(19)を薄くコーティングし
たアルミナ系セラミックスボール(3)を、該塗型剤
(19)を介して層状(単層)に装着する。なお前記セラ
ミックスボール(3)相互の間隔も0.4±0.2mm以上にさ
れている。次に前記シェル鋳型(1)の空胴部に遊嵌可
能な円柱部と、該円柱部の上端に形成され、シェル鋳型
(1)の内径とほぼ同一寸法の外径にされたフランジ部
とから成る発泡ポリスチレン(4)を該シェル鋳型
(1)の空胴部内へ嵌挿し、シェル鋳型(1)の上端開
口を発泡ポリスチレン(4)のフランジ部で封鎖する。
そして該発泡ポリスチレン(4)の露出面に塗型(図示
せず)を施して被鋳込み体(6)とする(第8図参
照)。しかる後、該被鋳込み体(6)を、これに発泡ポ
リスチレン製の湯道(7)を取付けた上、第1実施例の
場合と同様の鋳枠にセットし、同様の手順で750℃のア
ルミ合金(21)の溶湯を注湯して第9図に示すようなセ
ラミックス鋳ぐるみ体(17)を得た。
このようなセラミックス鋳ぐるみ体(17)の外周部及び
底部を所定寸法だけ研削し、更に研磨して、セラミック
スとアルミ合金から成る摺動面を現出させ、以て摺動部
材(図示せず)とする。
このような摺動部材において、セラミックスボール
(3)はアルミ合金(21)によりしっかりと鋳ぐるみ固
定されており、またセラミックスボール(3)にはクラ
ックが発生していなかった。
(作用) 上記のような本発明において、鋳型内へ注入された鋳鉄
(16)又はアルミ合金(21)の溶湯は、まず被鋳込み体
(6)の外殻部(第1実施例の場合)、あるいは中身部
(第2実施例の場合)を構成する発泡ポリスチレン
(4)を燃焼気化させ、これによって生じた空間部に置
換的に充填されて鋳鉄(16)層又はアルミナ合金(21)
層を形成し、次にセラミックスボール(3)の表面にコ
ーティングされていると共に、該ボール(3)相互の隙
間に充填されている耐熱性無機質接着剤(2)(第1実
施例の場合)、あるいは黒鉛塗型剤(19)(第2実施例
の場合)を燃焼気化させつつ該ボール(3)間の隙間に
置換的に充填され、これによりセラミックスボール
(3)と鋳鉄(16)又はアルミ合金(21)との複合層を
形成するが、この時前記接着剤(2)あるいは塗型剤
(19)の燃焼ガスにより断熱ガス膜が瞬間的に生成さ
れ、この膜が溶湯のセラミックスボール(3)に対する
熱衝撃を緩和し、該ボール(3)にマイクロラックが発
生するのを防止する。溶湯は次に冷却凝固して収縮し、
この時セラミックスボール(3)を強く締付ける。この
締付力は鋳鉄(16)又はアルミ合金(21)が完全に凝固
冷却した後も残留し、これによってセラミックスボール
(3)と鋳ぐるみ金属(16)(21)とは固く結合された
状態になる。
このようにして得たセラミックス鋳ぐるみ体(17)にお
けるセラミックスボール(3)と鋳ぐるみ金属(16)
(21)との複合層の表面を、該ボール(3)の直径の1/
2未満の深さで研削・研磨して摺動面を現出させる訳で
あるが、この時該ボール(3)はなお鋳ぐるみ金属(1
6)(21)のクサビ効果で該金属(16)(21)と強固に
係合しており、該ボール(3)が摺動面でガタついた
り、これから剥落したりすることはない。
(発明の効果) 上記の説明から明らかなように、本発明では、セラミッ
クスボールを溶融金属で鋳ぐるむ場合に、該金属の熱衝
撃をセラミックスボールの表面にコーティングした断熱
剤兼接着剤で緩和するようにしており、従って該ボール
を内蔵した鋳型を予熱する必要がなく、作業工程が繁雑
になったり、製造コストが上昇したりすることがない。
また本発明によって製造された摺動部材ではセラミック
ス小片は球状にされているため、鋳ぐるみ時において
は、溶融金属が凝固収縮する際の圧縮応力がセラミック
スボールの全表面に均等に作用して鋳ぐるみ金属の該ボ
ールに対する保持力が強くなると共に、圧縮応力の局部
的な集中によるクラックの発生がなくなる。
また摺動時においては、摺動面に加わる荷重及び摺動に
伴う発熱が各セラミックスボールに均等に放散され、摺
動部材の寿命が長くなる。
なお実施例では、球状セラミックスとして炭化珪素及び
アルミナセラミックスを使用したが、部分安定化ジルコ
ニア、窒化珪素、サイアロン、カーボン等、高強度と高
硬度を備え、耐凝着摩耗性にすぐれ、摩擦係数の小さい
ものであれば何でもよく、更には焼結体だけでなく、砥
粒原料等でもよい。
また実施例ではアルミ合金又は鋳鉄で鋳ぐるむ場合を示
したが、鋳ぐるみ金属は摺動特性のよいものなら何でも
よい(例えば銅合金)。
またセラミックスボールの表面にコーティングする接着
剤又は塗型剤は実施例のものに限定されるものではな
く、断熱性を備えたものなら何でもよい。
また実施例では減圧フルモールド法によってセラミック
ス鋳ぐるみ体を製造したが、その他低圧鋳造法、有機自
硬性鋳型による鋳造法等、各種の鋳造法によっても製造
可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における被鋳込み体の縦断面
図、第2図は同横断面図、第3図は被鋳込み体を鋳型に
セットした状態を示す縦断面図、第4図はセラミックス
鋳ぐるみ体の縦断面図、第5図は同横断面図、第6図は
摺動部材の要部縦断面図、第7図は同要部横断面図、第
8図は本発明の他の実施例における被鋳込み体の縦断面
図、第9図はセラミックス鋳ぐるみ体の縦断面図であ
る。 (1):シェル鋳型、(2):接着剤 (3):セラミックスボール、(4):発泡ポリスチレ
ン (6):被鋳込み体、(8):鋳枠 (16)(21):鋳ぐるみ金属 (17):セラミックス鋳ぐるみ体 (18):摺動部材、(19):塗型剤
フロントページの続き 審査官 中川 隆司 (56)参考文献 特開 昭59−196240(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通気性を備えた鋳型(1)のキャビティ面
    に、断熱性を備えた接着剤(2)又は塗型剤(19)を表
    面にコーティングした多数のセラミックスボール(3)
    を相互に所定の間隔を置いて層状に装着して被鋳込み体
    (6)を形成し、該被鋳込み体(6)を型に組入れ、そ
    の鋳造キャビティに溶融金属(16)(21)を流し込んで
    セラミックス鋳ぐるみ体(17)を形成し、しかる後、該
    セラミックス鋳ぐるみ体(17)におけるセラミックスボ
    ール(3)の表面の一部と鋳込み金属(16)(21)とを
    同一平面に研削・研磨することを特徴とするセラミック
    スと金属との複合体から成る摺動部材の製造方法。
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