JPH07113145B2 - 耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造部材 - Google Patents
耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造部材Info
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- JPH07113145B2 JPH07113145B2 JP61205074A JP20507486A JPH07113145B2 JP H07113145 B2 JPH07113145 B2 JP H07113145B2 JP 61205074 A JP61205074 A JP 61205074A JP 20507486 A JP20507486 A JP 20507486A JP H07113145 B2 JPH07113145 B2 JP H07113145B2
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- Japan
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- pitting resistance
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、歯車,軸類,摺動部材などのように、高面圧
下で転動あるいは摺動して用いられる耐ピッチング性に
優れた高面圧用機械構造部材(部品および材料を含む)
に関するものである。
下で転動あるいは摺動して用いられる耐ピッチング性に
優れた高面圧用機械構造部材(部品および材料を含む)
に関するものである。
(従来の技術) 機械構造部材の代表例である歯車を例にとると、その寿
命要因は、歯元からの疲れおよび衝撃破壊と、歯面損傷
とに大別される。
命要因は、歯元からの疲れおよび衝撃破壊と、歯面損傷
とに大別される。
そして、種々の歯車のうち、ヘルツ応力が200kgf/mm2を
越えるような高面圧歯車あるいは高速回転歯車では、歯
面の疲れ強さすなわち耐ピッチング性が特に要求され
る。
越えるような高面圧歯車あるいは高速回転歯車では、歯
面の疲れ強さすなわち耐ピッチング性が特に要求され
る。
ピッチング(pitting)は、歯車のように表面で辷りを
生ずる場合、すなわちかみ合う歯車の歯面において周速
に差が存在する場合に、最大剪断応力が表面に生じ、転
動中の疲れ現象によってピット状の欠陥として出現する
ものを称している。そして、一般には、面圧が高いほど
剪断応力が大きくなるので、ピッチング寿命は低下す
る。
生ずる場合、すなわちかみ合う歯車の歯面において周速
に差が存在する場合に、最大剪断応力が表面に生じ、転
動中の疲れ現象によってピット状の欠陥として出現する
ものを称している。そして、一般には、面圧が高いほど
剪断応力が大きくなるので、ピッチング寿命は低下す
る。
ところで、従来より高面圧用機械構造部材には表面硬化
処理が施されているが、種々ある表面硬化処理のなかで
はガス浸炭処理が主体となっている。
処理が施されているが、種々ある表面硬化処理のなかで
はガス浸炭処理が主体となっている。
しかしながら、前述したようにヘルツ応力が大きいなど
の使用状況が苛酷な場合には、通常のガス浸炭処理では
不十分な例が往々にして生じており、そのため新しい表
面硬化処理の開発も進められている。
の使用状況が苛酷な場合には、通常のガス浸炭処理では
不十分な例が往々にして生じており、そのため新しい表
面硬化処理の開発も進められている。
この新しい表面硬化処理においては、鋼表面にCとNを
複合で浸透させ、残留オーステナイトを多量に出現させ
て、この残留オーステナイトの有効活用をねらった浸炭
浸窒処理や浸炭窒化処理もそのひとつである。
複合で浸透させ、残留オーステナイトを多量に出現させ
て、この残留オーステナイトの有効活用をねらった浸炭
浸窒処理や浸炭窒化処理もそのひとつである。
このような表面硬化処理においては、表面に残留オース
テナイトを数十%残留させ、転動中の加工硬化およびマ
ルテンサイト化を利用して面圧強さを高めようとするも
のである。
テナイトを数十%残留させ、転動中の加工硬化およびマ
ルテンサイト化を利用して面圧強さを高めようとするも
のである。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上述した残留オーステナイトを意図的に
出現させる表面硬化処理では、使用状況によっては前記
残留オーステナイトが必ずしも有効に作用しない場合も
あり、適正な残留オーステナイト量および浸炭窒化に適
する鋼についていまだ十分に究明されていないのが実情
であるという問題点があった。
出現させる表面硬化処理では、使用状況によっては前記
残留オーステナイトが必ずしも有効に作用しない場合も
あり、適正な残留オーステナイト量および浸炭窒化に適
する鋼についていまだ十分に究明されていないのが実情
であるという問題点があった。
さらに、本発明者らは、高面圧用機械構造部材の開発過
程において、次のような新しい現象に注目した。すなわ
ち、従来の材料では、特に高速回転下で用いられる部品
に適用した場合に、使用中に表面が150〜200℃程度まで
昇温したときに、表面が軟化することによって面圧強さ
(耐ピッチング性)が低下する現象があらわれるという
問題点のあることを見出した。
程において、次のような新しい現象に注目した。すなわ
ち、従来の材料では、特に高速回転下で用いられる部品
に適用した場合に、使用中に表面が150〜200℃程度まで
昇温したときに、表面が軟化することによって面圧強さ
(耐ピッチング性)が低下する現象があらわれるという
問題点のあることを見出した。
(発明の目的) 本発明は、上述した従来の問題点に着目してなされたも
ので、浸炭浸窒処理および浸炭窒化処理に適し、浸炭浸
窒処理または浸炭窒化処理後に表面において適正量の残
留オーステナイト量を得ることができる鋼を素材とし、
特に200℃以下での低温における軟化抵抗の高い優れた
特性を有し、耐ピッチング性に優れた高寿命の高面圧用
機械構造部材を提供することを目的としているものであ
る。
ので、浸炭浸窒処理および浸炭窒化処理に適し、浸炭浸
窒処理または浸炭窒化処理後に表面において適正量の残
留オーステナイト量を得ることができる鋼を素材とし、
特に200℃以下での低温における軟化抵抗の高い優れた
特性を有し、耐ピッチング性に優れた高寿命の高面圧用
機械構造部材を提供することを目的としているものであ
る。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明による耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造
部材(部品および素材を含む)は、重量%で、C:0.10〜
0.30%、Si:1.50%以下、Mn:0.60%以下、Cr:0.50〜2.5
0%、Mo:0.30超過〜1.0%を含み、さらに必要に応じてA
l:0.1%以下,N:0.03%以下,Ti:0.5%以下,V:0.5%以下,
Nb:0.5%以下,Ta:0.5%以下のうちの1種または2種以
上を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を素材と
し、表面から深さ0.1mmまでのCおよびN濃度の和が0.7
0〜1.30重量%である浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理
が施されていることを特徴としており、より望ましく
は、Si+Cr量が1.50〜3.0重量%であることを特徴とし
ている。
部材(部品および素材を含む)は、重量%で、C:0.10〜
0.30%、Si:1.50%以下、Mn:0.60%以下、Cr:0.50〜2.5
0%、Mo:0.30超過〜1.0%を含み、さらに必要に応じてA
l:0.1%以下,N:0.03%以下,Ti:0.5%以下,V:0.5%以下,
Nb:0.5%以下,Ta:0.5%以下のうちの1種または2種以
上を含有し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を素材と
し、表面から深さ0.1mmまでのCおよびN濃度の和が0.7
0〜1.30重量%である浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理
が施されていることを特徴としており、より望ましく
は、Si+Cr量が1.50〜3.0重量%であることを特徴とし
ている。
本発明による耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造
部材は、上記したような特定の成分組成を有しかつ浸炭
浸窒処理または浸炭窒化処理が施されているものである
が、以下にその限定理由(%は重量比)について説明す
る。
部材は、上記したような特定の成分組成を有しかつ浸炭
浸窒処理または浸炭窒化処理が施されているものである
が、以下にその限定理由(%は重量比)について説明す
る。
C:0.10〜0.30% Cは歯車,軸類,摺動部材などの機械構造部材として要
求される心部強度を確保するのに有効な元素であり、こ
のような効果を得るために0.10%以上含有させた。しか
し、多すぎると心部強度は増大するものの心部の靭性が
劣化するので0.30%以下とした。
求される心部強度を確保するのに有効な元素であり、こ
のような効果を得るために0.10%以上含有させた。しか
し、多すぎると心部強度は増大するものの心部の靭性が
劣化するので0.30%以下とした。
Si:1.50%以下 Siは溶製時に脱酸剤として作用するほか、鋼中に不純物
として残留するが、特に軟化抵抗を高める必要があると
きには積極的に添加することもできる。しかし、多すぎ
ると鍛造性および被削性を低下するため、積極的に添加
するとしてもその含有量は1.50%以下とする必要があ
る。
として残留するが、特に軟化抵抗を高める必要があると
きには積極的に添加することもできる。しかし、多すぎ
ると鍛造性および被削性を低下するため、積極的に添加
するとしてもその含有量は1.50%以下とする必要があ
る。
Mn:0.60%以下 Mnは溶製時に脱酸剤および脱硫剤として作用するほか鋼
中に不純物として残留するが、特に焼入性を高める必要
があるときには焼入性向上元素として積極的に添加する
ことができる。しかし、Cr,Mo量とのバランスにもよる
が、焼入性を確保するための添加量は0.60%までで十分
であるので、その上限を0.60%とした。
中に不純物として残留するが、特に焼入性を高める必要
があるときには焼入性向上元素として積極的に添加する
ことができる。しかし、Cr,Mo量とのバランスにもよる
が、焼入性を確保するための添加量は0.60%までで十分
であるので、その上限を0.60%とした。
Cr:0.50〜2.50% Crは焼入性の向上に寄与するともに、とくに200℃以下
の低温における軟化抵抗を増大させて耐ピッチング性を
向上させるのに寄与する元素であり、このような効果を
得るために、0.50%以上とした。しかし、2.50%を超え
て添加しても耐ピッチング性向上の効果は飽和し、かえ
って被削性を劣化させるので2.50%以下とした。
の低温における軟化抵抗を増大させて耐ピッチング性を
向上させるのに寄与する元素であり、このような効果を
得るために、0.50%以上とした。しかし、2.50%を超え
て添加しても耐ピッチング性向上の効果は飽和し、かえ
って被削性を劣化させるので2.50%以下とした。
Mo:0.30超過〜1.0% Moは耐ピッチング性の向上に寄与する元素であり、この
ような効果を得るために0.30%超過含有させた。しか
し、1.0%を超えて添加しても耐ピッチング性向上の効
果は飽和し、また高価な元素でもあるため1.0%以下と
した。
ような効果を得るために0.30%超過含有させた。しか
し、1.0%を超えて添加しても耐ピッチング性向上の効
果は飽和し、また高価な元素でもあるため1.0%以下と
した。
Al:0.1%以下,N:0.03%以下,Ti:0.5%以下,V:0.5%以
下,Nb:0.5%以下,Ta:0.5%以下のうちの1種または2種
以上 Al,N,Ti,V,Nb,Taはいずれも微細な炭窒化物を形成し、
浸炭浸窒処理時および浸炭窒化処理時の結晶粒微細化に
寄与して機械構造部材の靭性を高めるのに有効な元素で
あるので、必要に応じてこれらの1種または2種以上を
適宜添加するのもよい。すなわち、浸炭浸窒処理時およ
び浸炭窒化処理時にはオーステナイト結晶粒の粗大化を
生じることがありうるので、このような場合にこれらの
1種または2種以上をあらかじめ添加しておくことによ
って、結晶粒の微細化をはかるようにしておくことも望
ましい。しかしながら、添加量が多すぎても上記の効果
は飽和し、かえって機械的性質を劣化させることもあり
うるので、添加するとしても、Alについては0.1%以
下、Nについては0.03%以下、Ti,V,Nb,Taについては各
々0.5%以下とする必要がある。
下,Nb:0.5%以下,Ta:0.5%以下のうちの1種または2種
以上 Al,N,Ti,V,Nb,Taはいずれも微細な炭窒化物を形成し、
浸炭浸窒処理時および浸炭窒化処理時の結晶粒微細化に
寄与して機械構造部材の靭性を高めるのに有効な元素で
あるので、必要に応じてこれらの1種または2種以上を
適宜添加するのもよい。すなわち、浸炭浸窒処理時およ
び浸炭窒化処理時にはオーステナイト結晶粒の粗大化を
生じることがありうるので、このような場合にこれらの
1種または2種以上をあらかじめ添加しておくことによ
って、結晶粒の微細化をはかるようにしておくことも望
ましい。しかしながら、添加量が多すぎても上記の効果
は飽和し、かえって機械的性質を劣化させることもあり
うるので、添加するとしても、Alについては0.1%以
下、Nについては0.03%以下、Ti,V,Nb,Taについては各
々0.5%以下とする必要がある。
Si+Cr:1.50〜3.0% Si,Crは上述したように、とくに200℃以下での低温にお
ける軟化抵抗を増大させ、耐ピッチング性を向上させる
のに有効な元素であるが、Si,Crのこのような作用をよ
り一層効果的に得るためには、SiとCrとのバランスをと
ることがより望ましく、この場合にSi+Cr量が1.50〜3.
0%の範囲となるようにすることが望ましい。
ける軟化抵抗を増大させ、耐ピッチング性を向上させる
のに有効な元素であるが、Si,Crのこのような作用をよ
り一層効果的に得るためには、SiとCrとのバランスをと
ることがより望ましく、この場合にSi+Cr量が1.50〜3.
0%の範囲となるようにすることが望ましい。
本発明による耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造
部材は、上記のような成分組成を有する鋼を素材とし、
表面から深さ0.1mmまでのCおよびN濃度の和が0.70〜
1.30重量%である浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理が施
されているものである。この理由は、浸炭浸窒処理また
は浸炭窒化処理によって残留オーステナイトを適量形成
させ、この残留オーステナイトを有効に活用させて面圧
強さを高めるようにするためには、C+Nで0.70%以上
必要であることによる。そして、この場合の残留オース
テナイト量は約20%である。しかし、C+N量を必要以
上に多くすると残留オーステナイト量も多くなりすぎ、
C+N量が1.30%を超えると残留オーステナイト量が約
60%を超えるようになり、著しく軟化するため転動中の
加工硬化前に部材(部品および素材)が摩耗してしまう
ようになるので、C+N量は1.30%以下であるような浸
炭浸窒処理または浸炭窒化処理を施したものとすること
が必要である。
部材は、上記のような成分組成を有する鋼を素材とし、
表面から深さ0.1mmまでのCおよびN濃度の和が0.70〜
1.30重量%である浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理が施
されているものである。この理由は、浸炭浸窒処理また
は浸炭窒化処理によって残留オーステナイトを適量形成
させ、この残留オーステナイトを有効に活用させて面圧
強さを高めるようにするためには、C+Nで0.70%以上
必要であることによる。そして、この場合の残留オース
テナイト量は約20%である。しかし、C+N量を必要以
上に多くすると残留オーステナイト量も多くなりすぎ、
C+N量が1.30%を超えると残留オーステナイト量が約
60%を超えるようになり、著しく軟化するため転動中の
加工硬化前に部材(部品および素材)が摩耗してしまう
ようになるので、C+N量は1.30%以下であるような浸
炭浸窒処理または浸炭窒化処理を施したものとすること
が必要である。
(実施例) 第1表に示す化学成分の鋼(鋼種A〜Jは本発明例の
鋼,鋼種Kは比較例のJIS SCM418相当の鋼)を溶製し
たのち造塊し、熱間圧延によって直径30mmの素材を製造
した。次いで、前記各素材に対して焼ならしを施したの
ち、第1図に示すローラーピッチング試験片1を作成し
た。このローラーピッチング試験片1は、中央の大径部
1aの直径D1が26mm,長さL1が28mmであり、両側の小径部1
b,1cの直径D2,D3が21mm,長さL2,L3が51mmの寸法を有す
るものである。そして、各ローラーピッチング試験片1
に対して後記する浸炭浸窒処理を施したのち、ローラー
ピッチング試験を行った。
鋼,鋼種Kは比較例のJIS SCM418相当の鋼)を溶製し
たのち造塊し、熱間圧延によって直径30mmの素材を製造
した。次いで、前記各素材に対して焼ならしを施したの
ち、第1図に示すローラーピッチング試験片1を作成し
た。このローラーピッチング試験片1は、中央の大径部
1aの直径D1が26mm,長さL1が28mmであり、両側の小径部1
b,1cの直径D2,D3が21mm,長さL2,L3が51mmの寸法を有す
るものである。そして、各ローラーピッチング試験片1
に対して後記する浸炭浸窒処理を施したのち、ローラー
ピッチング試験を行った。
ここで、ローラーピッチング試験の原理を第2図に示
す。すなわち、ローラーピッチング試験片1(小ローラ
ー;材質は第1表の鋼種A〜K)と相手材2(大ローラ
ー;材質はJIS SCM418相当)とを300kgf/mm2の面圧下
(圧力方向P)で高速回転させ(回転数;1000rpm)、ピ
ッチングが発生するまでの寿命(回転数)を求めて耐ピ
ッチング性を評価した。なお、この場合、ローラーピッ
チング試験片1(小ローラー)と相手材2(大ローラ
ー)との周速の差、すなわちすべり率は−40%である。
そして、各条件についてそれぞれ5本のローラーピッチ
ング試験片1を対象として試験を行った後、ワイブルプ
ロットを行い、50%破損確率寿命(B50寿命)を求めて
耐ピッチング性を評価した。この結果を第2表に示す。
す。すなわち、ローラーピッチング試験片1(小ローラ
ー;材質は第1表の鋼種A〜K)と相手材2(大ローラ
ー;材質はJIS SCM418相当)とを300kgf/mm2の面圧下
(圧力方向P)で高速回転させ(回転数;1000rpm)、ピ
ッチングが発生するまでの寿命(回転数)を求めて耐ピ
ッチング性を評価した。なお、この場合、ローラーピッ
チング試験片1(小ローラー)と相手材2(大ローラ
ー)との周速の差、すなわちすべり率は−40%である。
そして、各条件についてそれぞれ5本のローラーピッチ
ング試験片1を対象として試験を行った後、ワイブルプ
ロットを行い、50%破損確率寿命(B50寿命)を求めて
耐ピッチング性を評価した。この結果を第2表に示す。
さらに、各ローラーピッチング試験片1に対する浸炭浸
窒処理は、各試験片1を880〜920℃で80分保持している
間に浸炭を行い、800〜870℃に冷却保持する過程でNH3
を流すことによって浸窒を行った。その後、40〜60℃の
油槽に投入して焼入れした後、180℃で2時間の焼もど
しを行った。このような表面硬化処理後の特性は第2表
に示すとおりであった。なお、C+N量は、各ローラー
ピッチング試験片1の表面から0.1mm深さまでの切粉を
採取し、化学分析によって求めたものである。また、硬
さおよび残留オーステナイト量はいずれも深さ0.05mm位
置での測定結果である。
窒処理は、各試験片1を880〜920℃で80分保持している
間に浸炭を行い、800〜870℃に冷却保持する過程でNH3
を流すことによって浸窒を行った。その後、40〜60℃の
油槽に投入して焼入れした後、180℃で2時間の焼もど
しを行った。このような表面硬化処理後の特性は第2表
に示すとおりであった。なお、C+N量は、各ローラー
ピッチング試験片1の表面から0.1mm深さまでの切粉を
採取し、化学分析によって求めたものである。また、硬
さおよび残留オーステナイト量はいずれも深さ0.05mm位
置での測定結果である。
そしてさらに、シャルピー衝撃値の測定に使用するシャ
ルピー衝撃試験片は2mm深さの10Rノッチ付とし、ノッチ
面のみに表面硬化処理を施したあとシャルピー衝撃試験
を行った。この結果を第2表に示す。
ルピー衝撃試験片は2mm深さの10Rノッチ付とし、ノッチ
面のみに表面硬化処理を施したあとシャルピー衝撃試験
を行った。この結果を第2表に示す。
第1表および第2表に示すように、本発明の鋼成分およ
び表面のC+N量を満足するNo.1〜10の場合には、いず
れもB50寿命が大きく、耐ピッチング性に優れているこ
とが明らかであり、とくにSi+Cr量を1.50〜3.0%の範
囲にしたNo.7,8およびNo.9,10の場合には耐ピッチング
性がさらに良好なものとなっていることが明らかであ
り、V,Ti,Nb,Al,Nの1種または2種以上を添加した鋼を
素材としたNo.4,5,6およびNo.9,10の場合には結晶粒の
微細化によって衝撃値もより高くなっていることが明ら
かである。
び表面のC+N量を満足するNo.1〜10の場合には、いず
れもB50寿命が大きく、耐ピッチング性に優れているこ
とが明らかであり、とくにSi+Cr量を1.50〜3.0%の範
囲にしたNo.7,8およびNo.9,10の場合には耐ピッチング
性がさらに良好なものとなっていることが明らかであ
り、V,Ti,Nb,Al,Nの1種または2種以上を添加した鋼を
素材としたNo.4,5,6およびNo.9,10の場合には結晶粒の
微細化によって衝撃値もより高くなっていることが明ら
かである。
これに対して、鋼組成は満足するものの浸炭浸窒処理後
の表面のC+N量が少なすぎるNo.11,14の場合には残留
オーステナイト量が少なすぎるため、残留オーステナイ
トのマルテンサイト化による効果を十分に得ることがで
きず、耐ピッチング性が良くないことが明らかである。
また、反対に表面のC+N量が多すぎるNo.12,13の場合
には残留オーステナイト量が多すぎるため、表面の硬さ
がかなり低いものとなっており、この場合にも耐ピッチ
ング性が良くないことが明らかである。
の表面のC+N量が少なすぎるNo.11,14の場合には残留
オーステナイト量が少なすぎるため、残留オーステナイ
トのマルテンサイト化による効果を十分に得ることがで
きず、耐ピッチング性が良くないことが明らかである。
また、反対に表面のC+N量が多すぎるNo.12,13の場合
には残留オーステナイト量が多すぎるため、表面の硬さ
がかなり低いものとなっており、この場合にも耐ピッチ
ング性が良くないことが明らかである。
さらに、本発明に規定する化学成分を満足しない鋼を素
材としたNo.15,16の場合にも耐ピッチング性が良くない
ことが明らかである。
材としたNo.15,16の場合にも耐ピッチング性が良くない
ことが明らかである。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明による耐ピッチング性
に優れた高面圧用機械構造部材は、重量%で、C:0.10〜
0.30%、Si:1.50%以下、Mn:0.60%以下、Cr:0.50〜2.5
0%、Mo:0.30超過〜1.0%を含み、さらにAl:0.1%以下,
N:0.03%以下,Ti:0.5%以下,V:0.5%以下,Nb:0.5%以
下,Ta:0.5%以下のうちの1種または2種以上を含有
し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を素材とし、表面
から深さ0.1mmまでのCおよびN濃度の和が0.70〜1.30
重量%である浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理が施され
ているものであるから、浸炭浸窒処理および浸炭窒化処
理に適し且つ浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理後に表面
において適正量の残留オーステナイトが形成される鋼素
材を用いているため、当該浸炭浸窒処理または浸炭窒化
処理後に形成された残留オーステナイトを十分に活用し
て、表面の面圧強度が著しく向上したものとなってお
り、面圧強度の増大によって耐ピッチング性の著しく優
れたものである。そして、とくに200℃以下の低温にお
ける軟化抵抗が高いため、高速回転下で用いられた際に
表面の温度が150〜200℃程度まで上昇したときでも、耐
ピッチング性が劣化することがないという著しく優れた
ものである。したがって、本発明による高面圧用機械構
造部材は、高面圧を受ける機械構造部材、例えば、歯車
類,軸類,摺動部材等の耐ピッチング性を著しく高めて
寿命の大幅な延長を実現することが可能であるという非
常に優れた効果をもたらしうるものである。
に優れた高面圧用機械構造部材は、重量%で、C:0.10〜
0.30%、Si:1.50%以下、Mn:0.60%以下、Cr:0.50〜2.5
0%、Mo:0.30超過〜1.0%を含み、さらにAl:0.1%以下,
N:0.03%以下,Ti:0.5%以下,V:0.5%以下,Nb:0.5%以
下,Ta:0.5%以下のうちの1種または2種以上を含有
し、残部がFeおよび不純物からなる鋼を素材とし、表面
から深さ0.1mmまでのCおよびN濃度の和が0.70〜1.30
重量%である浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理が施され
ているものであるから、浸炭浸窒処理および浸炭窒化処
理に適し且つ浸炭浸窒処理または浸炭窒化処理後に表面
において適正量の残留オーステナイトが形成される鋼素
材を用いているため、当該浸炭浸窒処理または浸炭窒化
処理後に形成された残留オーステナイトを十分に活用し
て、表面の面圧強度が著しく向上したものとなってお
り、面圧強度の増大によって耐ピッチング性の著しく優
れたものである。そして、とくに200℃以下の低温にお
ける軟化抵抗が高いため、高速回転下で用いられた際に
表面の温度が150〜200℃程度まで上昇したときでも、耐
ピッチング性が劣化することがないという著しく優れた
ものである。したがって、本発明による高面圧用機械構
造部材は、高面圧を受ける機械構造部材、例えば、歯車
類,軸類,摺動部材等の耐ピッチング性を著しく高めて
寿命の大幅な延長を実現することが可能であるという非
常に優れた効果をもたらしうるものである。
第1図は本発明の実施例において用いたローーピッチン
グ試験片の説明図、第2図は第1図ローラーピッチング
試験片を用いて行ったローーピッチング試験の原理的説
明図である。
グ試験片の説明図、第2図は第1図ローラーピッチング
試験片を用いて行ったローーピッチング試験の原理的説
明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 正雄 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 久恒 豊次 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 和田 昭三 神奈川県横浜市港北区箕輪町字舟下785番 地 東京熱処理工業株式会社内 (72)発明者 並木 邦夫 愛知県名古屋市守山区牛牧字牛牧7−1 (56)参考文献 特開 昭56−55567(JP,A) 特開 昭56−102554(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で、C:0.10〜0.30%、Si:1.50%以
下、Mn:0.60%以下、Cr:0.50〜2.50%、Mo:0.30超過〜
1.0%を含み、残部がFeおよび不純物からなる鋼を素材
とし、表面から深さ0.1mmまでの間のCおよびN濃度の
和が0.70〜1.30重量%である浸炭浸窒処理または浸炭窒
化処理が施されていることを特徴とする耐ピッチング性
に優れた高面圧用機械構造部材。 - 【請求項2】Si+Cr量が1.50〜3.0%であることを特徴
とする特許請求の範囲第(1)項記載の耐ピッチング性
に優れた高面圧用機械構造部材。 - 【請求項3】重量%で、C:0.10〜0.30%、Si:1.50%以
下、Mn:0.60%以下、Cr:0.50〜2.50%、Mo:0.30超過〜
1.0%を含み、さらにAl:0.1%以下,N:0.03%以下,Ti:0.
5%以下,V:0.5%以下,Nb:0.5%以下,Ta:0.5%以下のう
ちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純
物からなる鋼を素材とし、表面から深さ0.1mmまでのC
およびN濃度の和が0.70〜1.30重量%である浸炭浸窒処
理または浸炭窒化処理が施されていることを特徴とする
耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造部材。 - 【請求項4】Si+Cr量が1.50〜3.0%であることを特徴
とする特許請求の範囲第(3)項記載の耐ピッチング性
に優れた高面圧用機械構造部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61205074A JPH07113145B2 (ja) | 1986-09-02 | 1986-09-02 | 耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61205074A JPH07113145B2 (ja) | 1986-09-02 | 1986-09-02 | 耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造部材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6362859A JPS6362859A (ja) | 1988-03-19 |
| JPH07113145B2 true JPH07113145B2 (ja) | 1995-12-06 |
Family
ID=16500990
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61205074A Expired - Lifetime JPH07113145B2 (ja) | 1986-09-02 | 1986-09-02 | 耐ピッチング性に優れた高面圧用機械構造部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07113145B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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| JPH0313976A (ja) * | 1989-06-13 | 1991-01-22 | Canon Inc | 現像装置 |
| US6474751B1 (en) | 1995-12-26 | 2002-11-05 | Denso Corporation | Hydraulic circuit having a rotary type pump and brake apparatus for a vehicle provided with the same |
| JP4798963B2 (ja) * | 2004-05-13 | 2011-10-19 | Jfe条鋼株式会社 | 高強度歯車およびその製造方法 |
Family Cites Families (2)
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|---|---|---|---|---|
| JPS5655567A (en) * | 1979-10-09 | 1981-05-16 | Daido Steel Co Ltd | Surface hardening method of parts |
| JPS56102554A (en) * | 1980-01-16 | 1981-08-17 | Daido Steel Co Ltd | Low strain case hardening steel |
-
1986
- 1986-09-02 JP JP61205074A patent/JPH07113145B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6362859A (ja) | 1988-03-19 |
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| JPH028020B2 (ja) |
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