JPH07113342B2 - 往復動ピストン型内燃機関用のピストン装置 - Google Patents

往復動ピストン型内燃機関用のピストン装置

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JPH07113342B2
JPH07113342B2 JP58048049A JP4804983A JPH07113342B2 JP H07113342 B2 JPH07113342 B2 JP H07113342B2 JP 58048049 A JP58048049 A JP 58048049A JP 4804983 A JP4804983 A JP 4804983A JP H07113342 B2 JPH07113342 B2 JP H07113342B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はディーゼル機関等の如き往復動ピストン型内燃
機関のピストン装置であって、シリンダ内を軸線方向に
移動し得るピストンと、該ピストンをクランク機構に連
結する連接棒とよりなり、前記ピストンがシール部分及
びガイド部分とから形成され、かつこれら部分が継手ピ
ンを介して相互に枢動自在に結合され、さらにシール部
分がピストン装置の縦軸線のまわりに同心的に配置され
た支持体部であって、ピストンヘッド及びピストン脚部
に一体的に結合すると共に、前記脚部からヘッドに向っ
て半径方向に広くなるようにされた略円錐状の支持体部
を備えており、かつこの支持体部がなるべくは狭隘個所
を介して密封リングを担持するリング保持部に連なって
おり、前記シール部分、ガイド部分及び連接棒が夫々前
記縦軸線に対して対称に継手ピン用支承面を有し、継手
ピンにより相互に枢動自在に連結されているピストン装
置に関する。
(従来の技術) これまで、一方では安定性及び断熱性に対する要求と、
他方では、重量の軽減の要求とを考慮に入れて、ピスト
ン装置をガイド部分とシール部分によって形成し、これ
ら両部分を継手ピンによって連接棒に枢動自在に連結す
ることが考えられてきた。すなわち、断熱性を有する材
料によって形成されるシール部分と、すぐれた摺動性を
有する材料によって形成されるガイド部分とに分割さ
れ、かつ前記シール部分は密封リングを担持するリング
保持部を有し、該リング保持部はなるべくはピストンヘ
ッド区域内の狭隘個所を介して円錐形支持体部及びピス
トンヘッドに結合される。ピストンヘッドからピストン
脚部に移行する支持大部自体は、なるべくはその内部に
回転対称的な燃焼室を含み、該燃焼室は、前記ピストン
ヘッド区域内に設けられた状狭隘個所により、リング保
持部に対し熱的に絶縁されるようになっている。ピスト
ン脚部は、フォーク状に形成され、そのフォーク腕はピ
ストンの縦軸線に対して対称的に配置され、かつ継手ピ
ンを支承するための支承面を有している。ガイド部分に
も継手ピンに対する支承面が設けられ、かつ連接棒にも
支承面が設けられる。
一方において燃料−空気の燃焼によって燃焼室からピス
トン脚部に流れる熱を除去し、他方においてはガイド部
分及びシール部分の枢着個所に潤滑剤を供給するため
に、該ガイド部分の内側に案内面を設け、これによって
噴射された冷却兼(又は)潤滑剤をピストン脚部の枢着
部分に導くようにされている。このようなピストンは、
安定性及び断熱性を有するように形成されているが、発
生する応力が大なる場合には、さらに継手ピンの剪断及
び曲げ応力による問題を解決するための手段を講じる必
要がある。継手ピンからこのような剪断及び曲げ応力問
題を取り除くためには、該継手ピンがたとえば2000Kg/c
m2又はそれ以上の単位面積当り圧力に耐え得るようにな
すことが望まれる。(DE−OS 25 43 478参照)。
変形防止の要求を考慮に入れて、ガイド部分及びシール
部分によって形成された既知のピストンにおいては、前
記シール部分はその支持体部を円錐形に形成すると共
に、該支持体部のピストンヘッドに連結される基部が、
重心円、すなわちピストンの直径のほぼ0.7倍の直径を
有する面の区域に位置するようにして該ピストンヘッド
に連なるようになされている。このように基部をピスト
ンヘッドに連結することにより、該ピストンの曲げが可
及的に阻止され、かつ燃焼ガス圧力が曲げモーメントを
発生させることが防がれる。(DE−OS 27 17 02
8)。(このような在来技術は、MTZ 42(1981)の第3
号、第6頁にも記載されている。)この公報には、前記
のような平衡性を有するピストンが示されている。すな
わち、ピストンヘッドの負荷面は、重心円(=0.7D)の
外側においても内側においても同じ大きさであり、かつ
支持体部は重心円に対応している。
前記公報には、ピストンヘッドに対し、ピストン直径の
前記重心円(=0.7D)に関連し、かつピストン上方部分
の圧力側支持面の内縁に延びる線が示されており、該線
は圧力側連接棒支持面の中央に延びている。この線は、
実際に使用されるものではなく、重量的に最適と考えら
れるピストンを得るための設計線である。ここで、特に
ピストンの負荷が大なる場合には、連接棒に対する継手
ピンの支承が困難となる。ピストンに対する要求は近時
ますます増加しつつあるが、特にその静力学的関係か
ら、圧力が200バール、場合によってはそれ以上に上昇
し、かつ単位面積当りの負荷が2000kg/cm2、又はそれ以
上に増加した時には継手ピンが変形し、それによって軸
受の損傷、該継手ピン及び(又は)ガイド部分の破損を
発生させるようになる。
上述したような継手ピン変形の原因は、静力学的な観点
から、この型のピストンにおいてはピストンヘッドの安
定性だけではなく、ピストンの形状と、ピストン上方部
分及び連接棒による支持状態によるものと考えられる。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、往復動ピストン型内燃機関のピストン
装置をさらに発展させて、支持体部、継手ピン(ひいて
は連接棒)に変形を可及的に発生させることなく、高熱
負荷だけではなく、高圧力に対しても使用し得、かつ、
このような大きな要求に応え得るようになっているにも
かかわらず、重量を軽減でき、かつ、妥当な費用で製作
し得るようになすことである。
(課題を解決するための手段) 本発明によるピストン装置は、ガス圧力によって発生し
た力の流れが直線的に、かつピストン装置の曲がり及び
(又は)変形を発生させることなく、ピストンヘッドか
ら連接棒に向けられるように形成される。後述する設計
に際して考慮される直線は、強度を維持しながらピスト
ン可動部分の重量を軽減するために使用される線であ
る。支持体部、継手ピンの曲がりが生じないように力を
導くことによって、ピストン及び継手ピンを小型軽量に
することができ、したがって該ピン自体の直径を小さく
なし得ると共に、該ピンはブッシュ軸受を設けることな
く作動せしめ得るようになる。単位面積当りの圧力が前
述の程度であれば、在来のようにブッシュによってピン
を補強するというような必要がなくなり、ブッシュを設
けることなしにピンを駆動し得るような平衡状態が得ら
れる。
このような手段によって、前記問題を有利に解決し得る
ばかりでなく、周知のピストンに比して単位出力あたり
のピストン装置の重量を減少せしめ得ると言う利点を有
するピストン装置が得られる。この利点は、内燃機関の
単位出力あたりの重量が大なる時に重要であるが、特に
同時に尖頭(ピーク)圧が上昇した場合、たとえば小型
の内燃機関においても非常に有利である。さらに本発明
にピストン装置によれば、現在のアルミニウムピストン
の限界出力、すなわち小型内燃機関(PKW)の場合は35K
W/リットル、大型の内燃機関(LKW)の場合は28KW/リッ
トルまでの限界出力をさらに大となすことができる。こ
のことは、アルミニウムピストン自体を鋼によって被覆
し、かつ冷却チャンネルを埋設する等のこれまでの手段
では実現できない。アルミニウムピストンにおいて出力
を増加せしめるとしても、これは内燃機関の冷却回路
(たとえば油回路)に多量の熱を導くことが必要とな
り、かつピストンに高価な鋼外装又は硬化処理を施す必
要があり、これは、多くの場合、価格、費用及び効率の
点において許容し難いものとなるからである。
本発明による、前記直線が前記諸部分の輪郭線と交差し
ないようにすると言う構想によって、ピストンヘッドか
ら連接棒に至るガス圧力の伝達は直線状に諸部分の中実
部分を通ることとなり、さらにピストン装置は一様に負
荷されるようになるから、該部分に発生する局部的負荷
がさらに阻止されるようになる。さらにピストンを形成
する部分がほぼ完全に眞直ぐにシリンダの中に導かれる
ために、摺動摩擦は減少し、かつピストン装置の騒音も
低下する。
本発明によるピストンの別の利点は、ガイド部分及びシ
ール部分に対して特別な構想により、すなわち、これに
よって前記部分をそれぞれ担当機能に応じて分割するこ
とにより、これら部分をその担当機能に対して好適な材
料によって形成し得ることである。たとえばシール部分
に対しては鋼又はノジュラー鋳鉄を使用し、ガイド部分
に対してはアルミニウム又は焼結合金の使用を考えるこ
とができる。前記材料、すなわち鋼、ノジュラー鋳鉄又
は焼結合金は、なお、高価なアルミニウムピストン、特
に外装を施したアルミニウムピストンの1部だけに使用
し得ると言う利点がある。ピストン装置に対するこのよ
うな本発明の考えによれば、将来増大するであろうと考
えられる出力要求に対してピストンの安定性は保証さ
れ、この出力増加にしたがって、特に過給式の内燃機関
の場合にしばしば行われるように、アルミニウムピスト
ンの鋼部分をさらに増加してこれを一体化するというよ
うなことによって対応する必要がなくなる。
継手ピンは如何なる変形を受けないようになるから、普
通連接棒に使用される平軸受ブッシュは不要となり、し
たがって継手ピンはその表面を硬化させるだけで用い得
るようになる。このような継手ピンは2/100ミリメート
ル程度の間隙を保持して、直接支承面内に支承され、こ
の目的のために該継手ピンの表面は、たとえば硼素処理
によって硬化される。
本発明の一実施例のピストン装置を使用して行った試験
によれば、そのガイド部分もシール部分も、シリンダ壁
に対してほとんど熱を伝えないことがわかった。燃焼室
区域から出る燃焼熱の排除は、在来においては油を噴射
することによって行われ、この噴射油はガイド部分の案
内面を、継手ピンの軸受孔に沿って流れるように案内さ
れるようになっている。このような方法による時は、軸
受部分の冷却も潤滑も行われるが、シリンダの外部冷却
は実際にあまり重要視されていない。この発明の一実施
例の場合は、ピストン装置の冷却及び潤滑は、案内面の
形態及び(又は)噴射すべき潤滑及び(又は)冷却媒体
の量によって簡単に調節することができる。なお、この
ような手段によれば、普通の水又は空気冷却から内燃機
関の油冷却への移行を可能にし、これはまた、シリンダ
ヘッド密封を廃止するための前提となる。その理由は、
前述のような高い圧力に対しては、今日ある種の内燃機
関に使用されているこのようなシリンダヘッド密封は重
要ではなくなるからである。さらにまた、以上に説明し
たようなピストン装置の構想は、燃焼方法の種類にはそ
れ程関係はなく、したがって特に燃料が燃焼室内におい
て回転する空気層の重心円区域に噴射される燃焼方法を
使用する時には、ピストン装置のこの利点は完全になく
なる。このような燃焼方法においては、周知のように、
燃焼室の壁と燃焼区域との接触は、該燃焼室の壁に対し
て、同様にこの部分で回転する空気層が直立状態に保持
されるようにし、かつ空気層の重心円の内部に位置する
空気が燃焼区域から把捉されるようにし、かつこの空気
層が燃焼に導かれるようになすことによって避けられ
る。
本発明の利点を、実施例によって以下に説明する。
(実施例) 本発明によるピストン装置1は、主としてガイド部分2
及びシール部分3からなるピストンと前記両部分をクラ
ンク機構4(第1図にはその輪郭だけを示す)に対して
連結する連接棒5によって形成される。ガイド部分2及
びシール部分3は、共通の継手ピン6によって連接棒5
に枢着連結される。
次にシール部分3は、一方においてピストンヘッド11に
一体結合する略逆円錐状の支持体部12を有し、該支持体
部12は、さらに望ましくはピストンヘッド11の区域内の
狭隘個所13を介してリング保持部10に連なり、他方にお
いてはピストン装置1の縦軸線Xに対して対称的に配置
された一対のフォーク腕15,16からなるピストン脚部14
に連なる。ピストン脚部14のフォーク腕15,16は継手ピ
ン用の孔17を有し(第4図)、この孔17が継手ピン6に
対する支承面18,19を提供する。さらに、図示の実施例
において、縦軸線Xに直交する断面でみた場合にリング
状又は略I字状に形成されるガイド部分2は、継手ピン
用の横孔20を有し、この横孔が継手ピン6に対する支承
面21,22を提供する(第3、5図)。
ガイド部分、シール部分2,3と同様に、連接棒5も継手
ピン6用の孔7を有し(第2図)、この該孔7が継手ピ
ン6に対する支承面23を提供する。連接棒5の孔7を有
する方の端部分は、図示のように断面を(逆)V字形に
形成されることができ、縦軸線Xに対して対称となるよ
うに図中上下方向において幅の異る支承面23を有してい
る。すなわち、連接棒5の孔7は、その縦中央断面にお
いて截頭(逆)V字形を呈し、その尖端が図中上方に向
いている。
連接棒の孔7を有する方の端部の前述のような(略)V
字形に対応して、シール部分3のピストン脚部14のフォ
ーク腕15,16も、その内側対向面が略(逆)V字形に形
成され、該内側対向面が、小さな間隙を残して前記連接
棒端部の外側面と平行に延びるようになっている。
シリンダ24内面の方向に向いたフォーク腕15,16の外側
面は、なるべくは縦軸線Xすなわちシリンダ内面と平行
に延びるようにされ、それによって、ガイド部分2に支
承21,22を容易適切に形成し得る。
逆円錐状の支持体部12を有するシール部分3は、その内
部に、縦軸線Xに対して対称的に、又は該軸線に対して
非対称的に燃焼室26を配設することができる。この場
合、燃焼室26は、第1−4図及び6図に示された様な形
態であっても、又はその他の形態であってもよい。
図中、逆円錐状の支持体部12は、ピストンヘッド11の側
で大径とされており、この部分でピストンヘッド11と一
体にされており、さらにリング保持部10を支持体12及び
ピストンヘッド11に可撓的に連設するために、この支持
体部12の外周壁25(第2図)はゆるやかに湾曲し、ピス
トンヘッド11とリング保持部10との間に狭隘個所13を形
成することができる。この狭隘個所13は、ピストンヘッ
ド11の壁厚とリング保持部10の摺動部27の壁厚との比が
ほぼ1:1.5となるように形成するが望ましい。この場
合、前記狭隘個所13は、リング保持部10の密実部分にお
いて切込まれ、該リング保持部の摺動部27に対して残さ
れる壁部分が、密封リング88を担持する壁部分より薄く
なるようにされる。
また、第1−6図に示される実施例において縦軸線Xに
直交する断面でみて、リング状に形成されたガイド部分
2は、その内部に少なくとも一つの案内面ないし案内羽
根28を有するものとすることができ、この案内面28を内
方に湾曲して継手ピン6による枢着部分近くまで延ば
し、図中下方のクランク室29から噴射された冷却及び
(又は)潤滑剤30が、特に第4図に矢印で示すように、
この案内面28によって継手ピンのまわりに指向されるよ
うになすことができる。このようにすれば燃焼室26から
溢流して支持体部12の脚部14に伝わる燃料−空気混合物
の燃焼熱は、これら継手ピン6及び支持体部の脚部14か
ら冷却剤の中に伝達排出されるようになり、その結果、
熱が継手ピン及びガイド部分2を介してシリンダ24に達
することが阻止される。他方、燃焼室26からの熱は、リ
ング保持部10に対し、狭隘個所13によって工合良く遮断
され、この狭隘個所13を通ってリング保持部10、特にそ
の摺動部27に入る熱が阻止される。このようにすること
により、リング保持部10、したがって密封リング88にお
ける熱応力及びガス圧力による負荷はさらに少なくな
り、リング保持部10は、その摺動部27によってシリンダ
24の内面に対して適切に触圧し得るようになる。そのた
め、ピストンの直径は、摺動部27の区域において、シリ
ンダ内面に対し、その直径Dの1.5/1000程度の小さな間
隙を有するように設定することができ、かつ、その下方
に位置するリング保持部10の部分がそれよりも小さな直
径dを有するようにすることができるので、摺動部27よ
り下の部分ではシリンダ24に触圧しない。本発明におい
て重要なことは次に述べるとおりである。すなわち、燃
焼ガス圧力は、シール部分3からそれと一体の脚部14に
設けられた対称配置の継手ピン支承面18,19を介して継
手ピン6へ、そして継手ピン6から連続棒5に設けられ
た継手ピン支承面23を介して連接棒5へと伝達されるの
であるが、ここで、縦軸線X及び継手ピン6の軸線を含
む平面と前記客14の対称配置の各支承面18,19の交線に
よって形成される直線部分のうち前記圧力の伝達側にあ
る直線部分の中心点32と、同平面と縦軸線Xに関し二つ
の対称部分からなる連接棒5の支承面23の各対称部分の
交線によって形成される直線部分のうち前記圧力の伝達
側にある直線部分の中心点31とを通る直線33が、シール
部分3の支持体部12の輪郭線と一切交差せず、常にその
内側を通るようにするのである。
このような配置は、この発明の発明者が長年にわたる試
行錯誤の実験の末に見出したもので、明快な力学的分析
は判然とはしないが、ガス圧力が前記直線33に沿って伝
達されるものと考えられる。その結果、支持体部12に曲
げ力がかからず、圧縮力のみがかかることとなるので、
強度望ましい構造となり、さらに、支持体部12の壁部肉
厚を可及的に薄くすることができ、それだけ重量を軽減
することができる。また、継手ピン6にかかる曲げモー
メントも、前記中心点32と中心点31の間の縦軸線Xに直
交する方向での距離が可及的に短くできる(中心点31が
曲げモーメントの支点となるものと考えられる)ことか
ら、可及的に小さくすることができ、その結果、継手ピ
ン6の耐曲げ強度すなわち具体的にはその直径を可及的
に小さくすることができ、その重量を軽減することがで
きる。このことは多数の実験により確認された。後述す
ることを参照されたい。なお、継手ピン6にかかる曲げ
モーメントを小さくすることができることは、ひいては
連接棒5の継手ピン6支承部にかかる曲げ力を小さくで
きるので、同部の変形を可及的に小さくさせるとともに
小寸法にすることにより重量を軽減し得る。なお、以上
に説明したように、中心点31及び32は、ガス圧力による
押圧力が働く中心ということができるので、本願発明に
おいてこれを圧力中心ということとする。直線33は、特
にシール部分3内に燃焼室26が配設される場合には、ピ
ストン脚部14からピストンヘッド11に到る全長におい
て、燃焼室の内壁35とも、また、支持体部12の外周壁面
25とも交差しないように配置する。
また、縦軸線Xに対して対称的に継手ピン6両端部に重
量軽減のための凹所36,37を設ける場合には、該凹所の
内壁面が同様に前記直線33と交差しないようにする。第
3図に示されたピストン装置1においては、継手ピン6
は縦軸線Xに対して対称的な二つのV字形凹所36を有
し、第1図及び第5図のものでは同様にU字形凹所37を
有しているが、これら凹所は、図に明らかなように、直
線33と交差しないように、その内壁面が前記直線のわず
か手前のところで終るようにされている。凹所36ないし
37を有しない継手ピン6においては、直線33を切断す
る、しないは問題ではなくなるが、継手ピン6に前述の
如き凹所36又は37を設け、重量の軽減をねらう方が望ま
しい。
継手ピン6に対するガイド部分2支承面21,22は同様に
前記平面との交線によって形成される直線部分の中心点
において両者間の力伝達の中心を持つこととなるが、こ
の中心すなわち圧力中心は、望ましくはピストンヘッド
11の重心円Sの内側に位置するようにする。ここに言う
重心円とは、ピストンヘッド11面のいわば重心とも言う
べき円で、ピストンヘッド直径Dのほぼ0.7倍の直径を
有する円を意味するものである。ガイド部分2の継手ピ
ン6に対する支承面21,22をこのように配置することに
よって、該ガイド部分内における継手ピン6の支持状態
は最適となり、たとえば、前記力中心が重心円Sの外側
にあるようにされた場合に普通に生じるような継手ピン
の望ましくない曲げ力を可及的に小さくすることができ
る。
連接棒5の杆部分34は、第7図に示されるように、断面
を二重T字形に形成することができる。連接棒5をこの
ように形成することによって、力は該連接棒の縁に位置
するT字のウェブ39に沿って案内され、このウェブを通
った力がクランクピン40に伝達されるようになる。
継手ピン6の好適な寸法は、その長さが重心円Sの径と
ほぼ等しくなるように決定される。これにより、強度を
保った上で重量を軽減することができる。継手ピン6に
凹所36又は37を設ける場合には、有利には、該凹所の深
さがこれら凹所の間の中央部分42の長さに対して3:4に
なる比を有するようにされる。
本発明の特色は、使用される燃焼方法および燃焼室26の
配置形式とは関係なく適用することができ、重要なこと
は前記直線33がピストン1の如何なる部分の輪郭線によ
っても交差されないようになっていることである。燃焼
室26は、第1−4図に示されるように、シール部分3内
部に縦軸線Xと同心的に配置されていてもよく、第5図
に示すように、シール部分3の外部に配置されてもよ
い。後者の場合はシール部分3は重量軽減のため中空に
され、シリンダヘッド11がこの中空部分を閉鎖するよう
にする。この場合にあっても勿論直線33はシール部分3
の断面輪郭線と交差しないようにする。なお、シール部
分3の中に設けられる燃焼室26を二重リング形に形成す
ることもでき、この場合は、燃料は中央から壁45に向っ
て半径方向に噴射される。第6図において、燃焼室26
は、縦軸線Xに対して非対称的に配置されているが、こ
の場合も、直線33が如何なる輪郭線によっても、特にシ
ール部分3の輪郭線によって交差されることのないよう
に形成される。燃料46を噴射するためのノズルは、それ
自体公知の単式噴射ノズル又は複式噴射ノズルとなすこ
とができる。
本発明によって得られる結果を第8−10図によって説明
する。内燃機関の行程容積を高め、かつ、内燃機関の圧
縮比を低下させてはならない場合には、本発明による新
規なピストン装置を適用しなければならない。
第8図において、縦軸は単位行程容積(1)当りの出力
(KW)を表わし、横軸はピストンの直径(φ)をミリメ
ートルで表わす。この図の最下方の線57は、内燃機関な
いしディーゼル機関が吸引式のものである場合に、アル
ミニウムピストンの対応する直径に対して得られる比出
力値を示す。その上方に位置する線58は、同様に噴射装
置によって冷却させ、かつ過給式のものに使用されるア
ルミニウムピストンの特性を示す。さらにその上方に位
置する線59は、同様に過給式ではあるが、冷却チャンネ
ルを備えたアルミニウムピストンの特性を示す。一番上
の線60は、本発明によるピストン装置を備えた、同様に
過給式のものにおいて得られる値を示す。
この図によって明らかなように、内燃機関特に過給式デ
ィーゼル機関においては、本発明によるピストン装置1
を使用することによって非常にすぐれた比出力が得られ
る。このように本発明のピストン装置1によって得られ
る比出力、たとえば小型(80φ)の内燃機関(乗用車用
(PKW)のディーゼル機関)の場合に得られる47KW/L、
大型(120φ)の内燃機関(貨物用自動車(LKW)に使用
されるディーゼル機関)の場合の37KW/Lなる比出力は、
周知のアルミニウムピストンによって到底得られない。
本発明のピストン装置1の有する高い断熱性及び安定性
により、特に前記のように高度の要求に十分に応えるこ
とができるのである。
第9図においては、内燃機関の重量、出力及びピストン
直径の関係が示されている。出力(KW)当りのグラム
(g)で表わした重量が縦軸に、ミリメートルで表わし
たピストンの直径(φ)が横軸に示されている。この場
合、線61は吸込み式機関におけるアルミニウム製ピスト
ンに対するものであり、線62は過給式内燃機関のピスト
ンに対するものであり、後者の場合のピストンもアルミ
ニウム製である。最後に、その下方に位置する線63が、
同様に過給式内燃機関に使用し得る本発明のピストン装
置1に対するものである。この場合も本発明によるピス
トン装置1の単位出力当りの重量が、断熱性もよくな
く、動的負荷に対する耐性も高くない前記のような従来
のアルミニウム製ピストン装置のそれよりも著しくすぐ
れていることがわかる。
次に周知のピストン装置と本発明によるピストン装置と
の負荷能力(耐性)を第10図に示す。縦軸には、kp/cm2
(cm2当りキロポント)で表わした強さが、2000kp/cm2
に到るまでとってあり、継手ピン6に対する支承負荷能
力を示す。これに対して、横軸には90〜180バールの尖
頭(ピーク)圧、7.5〜15バールの間にある乗用車用デ
ィーゼル機関に対する中間圧及び9〜18バールの間にあ
る貨物用ディーゼル機関に対する中間圧が示されてい
る。この場合、線64は吸込み式機関に対する値、すなわ
ち支承負荷を表わし、線65は予熱室を備えた過給式ディ
ーゼルの支承負荷、線66は直接噴射型の過給式ディーゼ
ル機関の支承負荷、線67は本発明の構想による高出力デ
ィーゼルの支承負荷(いずれも圧縮比が17)を表わす。
LKW機関に対する曲線68においては、軸受ブッシュを備
えたアルミニウム製ピストン装置の負荷容量の限界69
は、最終的には1200kp/cm2に達するか、これに対し、軸
受ブッシュを全く必要としない本発明によるピストン装
置1は、圧縮比を下げることなく、1400kp/cm2又はそれ
以上の負荷耐性を持ち得ることがわかる。この場合は、
180バールのピーク圧にもなる。
PKW機関に対する曲線70も、LKW機関に対する曲線68と同
様な傾向を示し、この場合は、本発明によるピストン装
置1には、従来のアルミニウムピストンとは異なり実際
的に限界はなく、特にその負荷容量は2000kp/cm2にも達
し、しかもこれは圧縮比20の場合に生じる。
少なくとも1つの案内面28を装着されたガイド部分2の
図示実施例について補足的に説明すればこの案内面28を
シール部分3の脚部14の方に取付け、該案内面28を継手
ピン6の支承面近傍の区域から、ガイド部分2の内側周
面の近くまで達するような大きさに形成することも考え
られる。このような可能性、すなわち変形は、ピストン
装置1を製造する時、特にガイド部分2を金属粉末の焼
結によって製造する場合に有利である。
同様に継手ピン6に関して補足すると、既に規定された
長さを有するものにおいて、その直径と連接棒5の支承
面23の幅との比をほぼ1:1とすれば、そしてまた、連接
棒5の支承面23とシール区分の支承面18,19の幅との比
をほぼ1:1とすれば、最適の結果が得られることが研究
の結果明らかとなった。
さらに、摺動部27に関しても、研究の結果、第1の密封
リングからピストンヘッド1に向って次第に先細になっ
ている部分は、外部冷却を行わない型の内燃機関の場合
は、第1の密封リンクの高さにおいてピストン直径(シ
リンダ直径)の0.5/1000程度となるように、これに対
し、油冷式シリンダ24の場合は、前記寸法が同じ高さに
おいてピストン直径のほぼ1/1000、水冷式シリンダを有
する内燃機関の場合は同様に同じ高さにおいてピストン
直径の2/1000とすれば十分であると言うことが明らかに
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるピストン装置の部分的縦断正面
図。第2図は第1図のピストン装置を90度回転させた時
の縦中央断面図。第3図はピストン装置のガイド部分及
びシール部分の縦中央断面図で、連接棒との枢着状況を
表わすとともに、燃料噴射の一状況を表わす図。第4図
は第3図の位置から90度回転させた時のガイド部分及び
シール部分の縦中央断面図。第5図は燃焼室(予熱室)
がシール部分の外部に配置されたピストン装置における
ガイド部分・シール部分の縦中央断面図。第6図は燃焼
室がシール部分の内部に比対称的に配置され、かつ燃料
の噴射が燃焼室の壁に対し半径方向に向いた多重噴射ノ
ズルによって行われるようになったものの縦中央断面
図。第7図は第2図の縦VII−VIIに沿って取られた連接
棒の断面図。第8図は、ピストン直径と比出力の関係に
ついて在来のピストン装置と本発明によるピストン装置
との比較を示した図。第9図は、ピストン直径と単位出
力あたりの重量の関係について在来のピストン装置と本
発明によるピストン装置との比較を示した図。第10図は
本発明によるピストン装置に対する在来のピストン装置
の負荷容量を示す図。 1……ピストン装置、2……ガイド部分、3……シール
部分、5……連接棒、6……継手ピン、11……ピストン
ヘッド、12……支持体部、14……ピストン脚部、18,19,
21,22,23……継手ピン用支承面、26……燃焼室、33……
(設計のための)直線、36,37……凹所、88……密封リ
ング。
フロントページの続き (72)発明者 ギユンタ−・エルスベツト ドイツ連邦共和国ヒルポルトシユタイン・ インズストリイ・シユトラ−セ14 (56)参考文献 特開 昭54−9313(JP,A) 特開 昭54−9312(JP,A) 特公 昭47−24766(JP,B1)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】往復動ピストン型内燃機関用のピストン装
    置であって、ピストンと該ピストンをクランク機構に連
    結する連接棒を備えるとともに該ピストンがシール部分
    とガイド部分とから成っており、前記シール部分が、ピ
    ストン装置の縦軸線のまわりに同心的に形成された略逆
    円錐状の形状を有するとともにピストンヘッドと脚部の
    間にあってこれら両者と一体結合する支持体部を備えて
    おり、また、該支持体部がピストンリングを保持するリ
    ング保持部に連なっており、また、前記シール部分の脚
    部、ガイド部分及び連接棒が夫々前記縦軸線に対して対
    称に継手ピン用支承面を有し、継手ピンによって相互枢
    動自在に連結されているピストン装置において、前記継
    手ピンの軸線及び前記縦軸線を含む平面上における前記
    シール部分の脚部の各対象支承面における圧力中心よっ
    て画定される第一の点と同平面上における前記連接棒の
    各対象支承面における圧力中心によって画定される第二
    の点とを結ぶ直線が前記支持体部の輪郭線の内側を常に
    通るようにされていることを特徴とするピストン装置。
  2. 【請求項2】前記継手ピンが両端に凹所を有しており、
    該凹所の輪郭線が前記直線と交わらないようにされてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のピスト
    ン装置。
  3. 【請求項3】前記シール部分内に燃焼室が配設されてお
    り、この燃焼室の内壁の輪郭が前記直線と交わらないよ
    うにされていることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    又は第2項に記載のピストン装置。
  4. 【請求項4】前記継手ピンが軸受ブッシュを介すること
    なしに直接前記シール部分の脚部、ガイド部分及び連接
    棒の支承面に支承されるようになっていることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項から第3項までのいずれかに
    記載のピストン装置。
  5. 【請求項5】前記ガイド部分中に前記縦軸線に対して対
    称となるように配置された継手ピンに対する支承面の前
    記圧力中心が少なくともピストンの重心円(ピストン径
    の0.7倍の径の円)の内側に位置するようにされている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項から第4項まで
    のいずれかに記載のピストン装置。
  6. 【請求項6】前記継手ピンが表面硬化処理されており、
    かつ、該継手ピンの直径と前記連接棒の支承面の幅との
    比が約1:1にされており、また、前記連接棒の支承面と
    前記シール部分の脚部の支承面の幅の比がこれと同様な
    大きさにされていることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項から第5項までのいずれかに記載のピストン装置。
  7. 【請求項7】前記継手ピンの長さが前記重心円の直径に
    ほぼ等しくなるようにされていることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項から第6項までのいずれかに記載のピ
    ストン装置。
  8. 【請求項8】冷却兼(又は)潤滑剤を導くために少なく
    とも1つの案内面が設けられており、この案内面が前記
    ガイド部分の区域から前記脚部の近くまで延びているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項から第7項までの
    いずれかに記載のピストン装置。
  9. 【請求項9】少なくとも1つの前記案内面が、多量の冷
    却兼(又は)潤滑剤を前記継手ピンのまわりに導き、か
    つ、それによって多量の熱を排出し得るような大きさの
    寸法を有するようにされていることを特徴とする特許請
    求の範囲第8項に記載のピストン装置。
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