JPH07123092B2 - 積層チップインダクタの製造方法 - Google Patents

積層チップインダクタの製造方法

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JPH07123092B2
JPH07123092B2 JP22661691A JP22661691A JPH07123092B2 JP H07123092 B2 JPH07123092 B2 JP H07123092B2 JP 22661691 A JP22661691 A JP 22661691A JP 22661691 A JP22661691 A JP 22661691A JP H07123092 B2 JPH07123092 B2 JP H07123092B2
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chip inductor
green sheet
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manufacturing
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洋一 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分布容量による損失が
少なく、かつ電気的特性値の安定した積層チップインダ
クタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チップインダクタは、チップコンデンサ
と組み合わせてLC回路を構成したり、あるいは単独で
回路要素として使用される。このチップインダクタは、
電子機器を軽薄短小化したいとの要望から、チップコン
デンサ等の他の部品と同様、小型化することが要求さ
れ、この要求がしだいに強まってきている。このため、
磁性体中にコイル状の導体層を内装した積層チップイン
ダクタが広く用いられるようになっている。
【0003】上記積層チップインダクタの従来の製造方
法は次の通りである。 磁性材料粉末にバインダー等を加えて混合し、磁性
材料スラリーを調製する。 このスラリーをドクターブレード法あるいはリバー
スコーター法等により長尺のシート状に成形し、所定の
寸法形状に切断して図4に示すように多数の磁性材料グ
リーンシート素片11、11・・・が裁断によって得ら
れるような磁性材料グリーンシート片を作成する。 これらの磁性材料グリーンシート片のうちの何枚か
のそれぞれに、各々の磁性材料グリーンシート素片1,
1,・・・に対応して所定の位置にスルーホールを穿孔
するとともに、これらのグリーンシートを重ねたときに
コイルを形成するようにコイルの一部を成す導体パター
ン11a〜11eを上記スルーホールに接続するように
導電材料ペーストを用いてスクリーン印刷する。この際
上下に重ねられるグリーンシート片の導体パターン11
a、11eはそれぞれのグリーンシート素片の互いに相
反する端部に引き出され後述する外部電極と接続され
る。
【0004】 次に、これらの導体パターンを形成し
た磁性材料グリーンシート片を導体パターンがスルーホ
ールを介して相互に連結されコイルを形成するように積
層するとともに、この積層体の上下面のそれぞれに上記
導体パターンを形成していない残りの磁性材料グリーン
シート片をさらに積層し、未焼成積層体を作成する。 このグリーンシート積層体を金型に収容し、所定の
圧力及び温度でプレスし、圧着して圧着未焼成積層体を
作成する。この圧着未焼成積層体を碁盤目状に裁断して
図4に示す各グリーンシート素片を積層した多数の未焼
成積層チップを作成する。 これらの未焼成積層チップを一旦大気中で加熱して
脱バインダー処理をした後、再び大気中で焼成して焼成
体チップを得る。 これらの焼成体チップの上記導体パターンの端部に
引き出された相対する端面に電極材料ペーストをディッ
プ法等により塗布し、所定の温度で焼付け処理を行って
積層チップインダクタを得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記〜による従来
の積層チップインダクタの製造方法は、において磁性
材料グリーンシート片上にスクリーン印刷により導体パ
ターンを印刷するため、導体パターンの塗膜部分が周辺
よりは盛り上がり、においてこれらの導体パターンを
印刷したグリーンシート片をそれぞれの導体パターンが
コイルを形成するように重ねると、導体パターンのスル
ホール部分及びこれに対応する部分のように磁性材料グ
リーンシート片1層毎に重なる部分と、導体パターンが
磁性材料グリーンシート片1層を介して重なった後磁性
材料グリーンシート片2層を介して重なり、再度磁性材
料グリーンシート片1層を介して重なる部分、導体パタ
ーン11b〜11dが磁性材料グリーンシート片1層毎
に重なり、その上下に磁性材料グリーンシート片が重な
る部分のように各々のグリーンシート片の導体パターン
はその部分によって重なり方が異なり、多く重なった部
分ほど密着し易く、導体パターンの印刷されていない磁
性材料グリーンシート片のみが重なる部分は密着せず離
間している部分もある。この状態でプレスされると、磁
性材料グリーンシート片を介して導体パターンの重なる
部分の多いものほど加えられる圧力が大きくなって、導
体パターンがグリーンシート片に対してより強く密着す
る。そして、この状態でにおいて焼成すると、収縮が
起こったとしても導体パターン焼成体は上記重なりの多
いものほどグリーンシート焼成体に密着した状態のまま
となる。
【0006】このように導体パターンの焼成体からなる
コイルの導体部分がグリーンシート焼成体に密着したま
まの積層チップインダクタは、各々のグリーンシート焼
成体層を挟んだ導体間において発生する分布容量がグリ
ーンシート焼成体の比誘電率によっても影響されるた
め、高い周波数で使用する場合には損失tanδ(=1
/Q)が大きくなり、インダクタとしての所望の電気的
特性が得られないという課題があった。また、上記のよ
うな従来の方法により作製された積層チップインダクタ
は、電子部品として使用されて動作されると、コイルが
機械的に伸縮し、これが繰り返されると導体部分が磁性
材料グリーンシート焼成体から離れ、その密着状態が解
かれる。そのため、各層の導体間には空気層を介した分
布容量が発生することになり、初期の電気特性と繰り返
し使用後の電気特性が異なることになり電気特性が安定
しないという課題もあった。
【0007】本発明の目的は、高周波で使用した場合に
も損失が少なく、かつコイルの電気特性の安定した積層
チップインダクタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、導体パターンを印刷した複数の磁性材料
グリーンシートを含む複数の磁性材料グリーンシートを
積層することにより内部に導体パターンによるコイルを
形成する未焼成積層体を得る工程と、この未焼成積層体
を圧着する工程と、この圧着未焼成積層体を焼成して焼
成体を得る工程を有する積層チップインダクタの製造方
法において、上記磁性材料グリーンシート及び導体パタ
ーンのそれぞれのバインダーに非相溶性の樹脂の高分子
を用いたことを特徴とする積層チップインダクタの製造
方法を提供するものである。
【0009】この際、非相溶性の樹脂の高分子は溶解度
パラメータ値において2以上の差があることが好まし
い。
【0010】次に本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて、非相溶性の樹脂の高分子とは、混じり難い樹脂の
高分子のことをいい、これを溶解度パラメータ(ソルビ
リティパラメータ、SP)で表せば、その差の大きいも
のほど混じり難いこととなり、この差が2以上であるこ
とが好ましい。後述するように、SP値の差の大きい樹
脂の高分子は、その一方の塗膜表面に対する他方の塗膜
は接着し難くなる。樹脂の高分子のSP値を例示すると
表1のようになる。なお、公式データは「接着と接着
剤」(金丸競著、1971年大日本図書出版、第31〜
32頁の表に記載されており、これも利用できる。
【0011】
【表1】
【0012】樹脂の高分子はそのSP値が溶剤のSP値
と差の小さい程良く溶解するので、樹脂溶液を作成する
ときは、SP値の差を小さくすることが好ましいが、こ
の樹脂溶液を含む塗料を他の樹脂をバインダーに使用し
た塗膜の上に塗布するときは、塗布される側の塗膜のS
P値との差により塗布する塗料の塗布時の濡れ易さが決
められる。この濡れが悪いと塗布する塗膜と塗布される
塗膜の接着が悪くなり、両者は分離し易くなる。このこ
とからすると、樹脂の高分子のSP値のみならず、塗布
する塗料の溶剤のSP値も塗布される塗膜の樹脂のSP
値との差が大きいことが好ましい。溶剤のSP値を表2
に例示する。なお、混合溶剤、混合樹脂等のSP値は各
々の溶剤、樹脂等のSP値から求めることができる。
【0013】
【表2】
【0014】
【作用】一般に、物質の混合のエンタルピー変化ΔHは
次の式で近似することができる。 ΔH=A(δ1−δ2)・・・ (δ1とδ2との差の2乗) (式中、δ1、δ2はそれぞれ混合する物質のSP値を
示し、Aは係数を示す。)この式において、ΔHが小さ
くなると溶解性が良く、大きくなるにつれ溶解性が悪く
なる。これを2つの物質の接着について言えば、ΔHが
大きいほど2つの物質は接着し難くなる。すなわち、相
溶性の悪い非相溶性の樹脂ほど接着し難く、分離し易く
なる。
【0015】このことから、磁性材料グリーンシートと
導体パターン塗膜のそれぞれに用いられる樹脂のSP値
の差の大きいものを用いることにより、圧着未焼成積層
体を作成したときに両者の密着は悪く、分離し易くなる
ので、この圧着未焼成積層体を焼成して得られる積層チ
ップインダクタにおいて導体パターン焼成体と磁性材料
グリーンシート焼成体との間には空隙が生じ、両者は空
隙を介して接続されることになる。この結果、分布容量
を小さくしてその損失を少なくできるとともに、接続状
態が積層チップインダクタ動作後も変化しないからその
電気特性も安定に保持できる。
【0016】また、SP値の差の大きい樹脂と溶剤は後
者が前者の塗膜に濡れ難くなるのでこの溶剤の用いた塗
料の濡れも悪くなり、その塗膜の接着も悪くなる。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 (1) 積層チップインダクタの作製 三二酸化鉄(Fe)48モル%、ZnO 2
4モル%、NiO 18モル%、CuO 10モル%の
比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミ
ルに仕込み、15時間湿式混合を行なう。 得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉
末を750℃にて1時間仮焼する。 得られた仮焼粉末をボールミルにて15時間湿式粉
砕した後、乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得
る。
【0018】 このフェライト粉末に対してバインダ
ーとしてポリビニルブチラール系樹脂(SP値9.4)
10重量%、トルエン(SP値8.9)20重量%、エ
タノール(SP値12.8)20重量%およびブタノー
ル(11.1)40重量%を添加し、ボールミルで15
時間混合を行なう。 得られたスラリーをドクターブレード法を用いて膜
厚80μmの長尺なフェライトグリーンシートを作成す
る。 得られたフェライトグリーンシートを所定の寸法に
切断し、図2に示すように複数枚のフェライトシート素
片1、1・・・が裁断によって得られるようなフェライ
トグリーンシート片を得る。 これらのフェライトグリーングリーンシート片のう
ちの一部には、各々のフェライトシート素片1,1,・
・・に対応して内部コイル用の導体パターンを形成する
ために、所定の位置にスルーホールを穿孔するととも
に、導電材料としてAg粉末10重量部、バインダーと
してフェノール樹脂(SP値11.5)1重量部、n−
プロパノール(SP値12.1)4重量部、分散剤とし
てオレイン酸0.1重量部からなる導体材料ペーストを
スクリーン印刷法によって所定のパターンに塗布し、加
熱乾燥して厚さ18μmの導体パターン塗布層21〜2
9を形成する。これらのうち導体パターン塗布層21、
29はそれぞれのフェライトシート素片の互いに反対側
となる端部まで引き出し引出電極用導体パターン塗布層
とする。
【0019】 導体パターン塗布層21〜29を形成
したフェライトシート素片1、1・・・が裁断によって
得られるフェライトグリーンシート片を、これらの導体
パターン塗布層がコイルを形成するように9枚重ね、こ
の重ね体の上面および下面のそれぞれにさらに導体パタ
ーン塗布層を有しないフェライトグリーンシート片を8
枚重ねる。そして、この得られた未焼成積層体を0.5
t/cm(単位平方センチメートル当たり0.5ト
ン)の圧力で圧着し、圧着未焼成積層体を得る。この圧
着未焼成積層体を所定の寸法形状に裁断して図2に示す
各フェライトシート素片を積層した個々の積層チップイ
ンダクタ未焼成体を得る。 ▲10▼ 得られた積層チップイングクタ未焼成体4を
500℃で1時間加熱して脱バインダー処理をした後、
880℃で1時間焼成する。
【0020】▲11▼ この焼成体の引出電極が露出す
る端面に浸漬法により、Ag電極材料ペーストを塗布
し、150℃で15分間乾燥した後、600℃にて10
分間塗膜を焼付け、図2における導体パターントフ層2
1〜29の焼成体をフェライトシート素片1、1・・・
の焼成体に内装した積層チップインダクタを得る。図1
にこの積層チップインダクタの一部省略した断面図を示
す。図中、24a、25a、26a、27aはそれぞれ
導体パターン塗布層24〜27の焼成体であるコイル導
体、1a、1a...はフェライトシート素片の焼成体
である磁性体層、2、2は上下の内部導体パターンを引
出電極とする外部電極である。ここでコイル導体は磁性
体層に対してほとんど接着しておらず、空隙が形成され
ている。
【0021】(2) 評価試験 得られた積層チップインダクタについて、下記の検査・
試験方法により、外観検査及び電気的特性の測定を行
い、その結果を表3に示す。
【0022】試験方法 分布容量の測定 YHP4195A(横河ヒューレットパッカーズ社製)
を使用し、インピーダンスモードにてCp(パラレルモ
ードキャパシタンス)を測定する。このとき周波数は共
振点より高周波数側でキャパシタンスのピークを採る。
【0023】 tanδ(=1/Q)の測定 YHP4194A(横河ヒューレットパッカーズ社製)
を使用してインピーダンスモードにてLs−Qモードを
使用する。得られた結果を図3に点線で示す。表1に記
載したQの周波数は図3に示す。
【0024】 インダクタンス値Lの測定 と同様にして測定する。
【0025】比較例 実施例1において、上記の工程、すなわち導体材料ペ
ーストを塗布する工程において、フェノール系樹脂の代
わりにエチルセルロース系樹脂(SP値9.4)、n−
プロパノールの代わりにブチルカルビトールアセテート
(BCA)を用いた以外は同様の導体材料ペーストを用
いた以外は同様にして積層チップインダクタを作成し、
これについても実施例1と同様の評価試験を行った結果
を表3及び図3に実線で示す。
【0026】
【表3】
【0027】図3の結果から、実施例1の積層チップイ
ンダクタのQのf特性カーブが比較例の積層チップイン
ダクタのQのf特性カープに比べて高周波数側にシフト
する。また、共振周波数fo(Ls)もキャパシタンス
Cpの低下により高周波数側にシフトすることがわか
る。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、導体パターン塗膜と磁
性材料グリーンシートのそれぞれのバインダーに用いる
樹脂に非相溶性の樹脂を用いたので、得られる焼成体の
導体パターンはこれを挟む磁性材料グリーンシート焼成
体と分離し易く、空隙を介して接続されるので積層チッ
プインダクタとして使用されたときに分布容量を小さく
することができ、高い周波数での使用においても積層チ
ップインダクタの損失、すなわちtanδを小さくでき
る。また、導体パターンとこれを挟む磁性材料グリーン
シート焼成体の接続状態が積層チップインダクタの繰り
返し動作によっても変わらないので、その電気特性を安
定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の積層チップインダクタの断
面図である。
【図2】上記実施例の第1製造工程を示す斜視図であ
る。
【図3】上記実施例と比較例のQ(1/tanδ)の測
定グラフである。
【図4】従来の積層チップインダクタの一製造工程を示
す斜視図である。
【符号の説明】 1、1・・ 磁性材料グリーンシート 21〜29 導体パターン塗布層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体パターンを印刷した複数の磁性材料
    グリーンシートを含む複数の磁性材料グリーンシートを
    積層することにより内部に導体パターンによるコイルを
    形成する未焼成積層体を得る工程と、この積層体を圧着
    する工程と、この圧着積層体を焼成して焼成体を得る工
    程を有する積層チップインダクタの製造方法において、
    上記磁性材料グリーンシート及び導体パターンのそれぞ
    れのバインダーに非相溶性の樹脂の高分子を用いたこと
    を特徴とする積層チップインダクタの製造方法。
  2. 【請求項2】 非相溶性の樹脂の高分子は溶解度パラメ
    ータ値で2以上の差があることを特徴とする請求項1記
    載の積層チップインダクタの製造方法。
JP22661691A 1991-05-30 1991-05-30 積層チップインダクタの製造方法 Expired - Lifetime JPH07123092B2 (ja)

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