JPH07127514A - 燃料噴射時期制御装置 - Google Patents

燃料噴射時期制御装置

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JPH07127514A
JPH07127514A JP27452593A JP27452593A JPH07127514A JP H07127514 A JPH07127514 A JP H07127514A JP 27452593 A JP27452593 A JP 27452593A JP 27452593 A JP27452593 A JP 27452593A JP H07127514 A JPH07127514 A JP H07127514A
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JP
Japan
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intake
injection
fuel injection
internal combustion
combustion engine
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Application number
JP27452593A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Koga
伸彦 古賀
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関の負荷状態に応じて吸気同
期噴射と吸気非同期噴射とを切り換えて最適な燃焼性を
維持する燃料噴射時期制御装置に関し、燃料噴射モード
の切替え時をも含めて良好な燃焼性を維持することを目
的とする。 【構成】 吸気非同期噴射から吸気同期噴射への切替え
を要求するフラグXISに1がセットされ、かつ負荷状
態QN≧αが成立し、噴射時期を徐変して噴射モードを
切替える必要が生じたら(ステップ302〜306)、
噴射時期の徐変過程で燃焼性の悪化が生じない運転領域
であるかを判別する(ステップ310)。燃焼性の悪化
が生じない運転領域であれば燃料噴射時期を徐変して吸
気同期噴射を実現する(ステップ312〜328)。燃
焼性の悪化が生じる特定の運転領域である場合はXIS
をクリアして切替えを禁止する(ステップ330)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料噴射時期制御装置
に係り、特に内燃機関の負荷状態に応じて吸気同期噴射
と吸気非同期噴射とを切り換えて、内燃機関の負荷状態
に関わらず常に最適な燃焼を達成し得るよう構成する燃
料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の負荷状態に関わら
ず常時最適な燃焼性を確保すべく、内燃機関の負荷状態
に応じて燃料噴射時期を切り換える燃料噴射時期制御装
置が提案されている。
【0003】例えば本出願人は、特願平4−30557
8号において、内燃機関が比較的低負荷の場合には各気
筒が吸気工程に移行する直前に燃料噴射を行う吸気非同
期噴射を、内燃機関が比較的高負荷の場合には、各気筒
の吸気工程中に燃料噴射を行う吸気同期噴射をそれぞれ
実行することにより広い領域で良好な燃焼性を確保し得
る装置を開示している。
【0004】この装置は、燃料噴射量の少ない低負荷時
には、吸気が開始される前に十分な攪拌時間が確保で
き、燃料の微粒化促進が期待できる吸気非同期噴射が燃
焼性の確保に有効であり、一方、多量の燃料が噴射され
る高負荷時には、吸気管内壁への燃料付着等による空燃
比ずれを起こさない吸気同期噴射が燃焼性確保に有効で
あることに着目したものである。
【0005】また、上記従来の装置は、吸気同期噴射モ
ードと吸気非同期噴射モードとの切り換えには、出力ト
ルクの変動が伴うことに鑑み、高出力が要求される領域
で噴射モードの切替えを行う必要がある場合には、徐々
に燃料噴射時期を変化させることとしている。
【0006】かかる制御を実行することにより、燃料噴
射時期を切り換えることにより生ずる出力トルクの変動
が、車両の乗り心地を悪化させることもなく、内燃機関
の負荷状態に関わらず広い運転領域で良好な燃焼性が確
保されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
装置においては、噴射モードの切り替わる過渡期におい
て、各気筒で吸気工程が開始される時期とほぼ同時期に
燃料噴射が実行される状態が必然的に形勢される。この
場合、燃料が噴射されてから吸気工程が開始されるまで
の時間は極めて短時間である。また、燃料が噴射された
時点では吸気による流速が十分に発生していない。この
ため、かかる状況にあっては、内燃機関の運転状態如何
により燃料が適切に微粒化しない場合がある。
【0008】つまり、上記従来の装置において、吸気非
同期噴射によって十分に燃料を微粒化できるのは、個々
の気筒において吸気工程が開始される前であっても、吸
気管内には他の気筒の影響による負圧の脈動が生じてい
るからである。そして、かかる負圧の脈動は、内燃機関
が、比較的低回転かつ高負荷の所定の領域に差しかかる
と、一時的に穏やかになることが知られている。
【0009】従って、噴射モード切替えの過渡期におい
て、内燃機関がかかる運転状態にあるとすると、吸気管
内には負圧の脈動が存在せず、吸気による流速も存在せ
ず、かつ燃料噴射後ほとんど攪拌の時間も与えられずに
吸気工程が開始することとなり、上述の微粒化悪化を招
いていた。
【0010】このように、上記従来の装置は、内燃機関
の吸気管内に生ずる負圧の脈動の状態を考慮せずに燃料
噴射モードの切替えを行うため、噴射モード切替えの際
に燃料の微粒化が確保できない事態を招くことがある、
すなわち一時的に燃焼性を悪化させ、それに伴って排気
エミッションを悪化させる場合があるという問題を有す
るものであった。
【0011】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、内燃機関の負荷状態に応じて吸気同期噴射と吸
気非同期噴射とを選択的に切り換えると共に、運転状態
が、吸気管内に緩やかな負圧脈動を発生させるに過ぎな
い場合には、噴射モードの切替えを禁止する切替え禁止
手段を設けることにより上記の課題を解決し得る燃料噴
射時期制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する燃料噴射時期制御装置の原理構成図を示す。すな
わち、上記の目的は、図1に示すように、内燃機関M1
の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段M2と機関
回転数を検出する機関回転数検出手段M3とによって所
定値に満たない低負荷状態が検出される領域では、燃料
の噴射を吸気工程の前に行う吸気非同期噴射モードを選
択し、また、所定値を越える高負荷状態が検出される領
域では、燃料の噴射を吸気工程中に行う吸気同期噴射モ
ードを選択するに際し、内燃機関M1の負荷状態が変化
した後に燃料噴射時期を徐変して所望の噴射モードを実
現する噴射時期切替え手段M4を備える燃料噴射時期制
御装置において、前記吸入空気量検出手段M2と前記機
関回転数検出手段M3とにより、吸気工程前に、内燃機
関M1の吸気管内に所定水準を越える負圧の脈動が発生
しない運転状態が検出された場合には、前記噴射時期切
替え手段M4による燃料噴射時期の切替えを禁止する切
替え禁止手段M5を有する燃料噴射時期制御装置により
達成される。
【0013】
【作用】本発明に係る燃料噴射時期制御装置において、
前記吸入空気量検出手段M2及び前記機関回転数検出手
段M3は、前記内燃機関M1の運転状態を検出する。前
記噴射時期切替え手段M4は、これら吸入空気量検出手
段M2及び機関回転数検出手段M3の検出結果に従っ
て、前記内燃機関M1の運転状態が変化したことを検知
した場合には、所望の噴射モードを実現すべく燃料噴射
時期を徐変して吸気同期噴射モード又は吸気非同期噴射
モードを実現する。
【0014】この際、前記切替え禁止手段M5は、前記
内燃機関M1の吸気管内に十分な負圧の脈動が生じてい
ないと推定される状況下では、前記噴射時期切替え手段
M4による噴射時期の切替えを禁止する。従って、本発
明の燃料噴射時期制御装置においては、吸気管内に十分
な負圧の脈動が発生している場合に限り、すなわち、燃
料噴射が吸気工程開始時期と同時期に実行されても燃料
が適切に微粒化する場合に限り燃料噴射モードの切替え
が実行されることになる。
【0015】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である燃料噴射時
期制御装置が適用される内燃機関およびその周辺装置の
全体構成図を示す。本実施例の内燃機関はV型4気筒4
ストローク、そして、各気筒に対して独立に燃料を噴射
する独立噴射式の内燃機関である。
【0016】図2中、11は機関本体、12はピスト
ン、13はシリンダ、14は点火プラグ、15は吸気
弁、16は排気弁、18は排気管、19は排気ガスを浄
化する触媒コンバータである。
【0017】吸気系統においては、図中、21はエアク
リーナ、22は前記した吸入空気量検出手段M3に相当
し、吸入空気量を測定するエアフローメータ、24は吸
気管23に介装されるスロットルバルブ、25はアイド
ルスピードコントロールバルブ(ISCV)、26は吸
入空気の脈動を防止するサージタンク、27は吸気マニ
ホールド28内に燃料を噴射するインジェクタである。
【0018】更に、31は機関本体11の振動を測定す
ることによりノッキング状態を検出するノックセンサ、
32は図示しないクランクシャフトに連動し、図示しな
いイグナイタで発生した高電圧を4つの気筒の点火プラ
グ14に順次分配供給するディストリビュータ、33は
ディストリビュータ32の1回転(クランクシャフト2
回転)につき24回のパルス信号を出力する回転角セン
サである。
【0019】この回転角センサ33は、前記した機関回
転数検出手段M3に相当し、その出力信号は、本実施例
において機関回転数を検出するために使用される信号で
ある。また、30は、前記した噴射時期切替え手段M
4、及び切替え禁止手段M5を実現すべくマイクロコン
ピュータを主体に構成された燃料噴射時期制御装置の要
部であり、各種センサの出力信号に基づいて所定の演
算、制御を行うことにより、インジェクタ27等の各種
アクチュエータに所定の信号を出力する内燃機関コント
ロールコンピュータ(ECU)である。
【0020】図3はECU30の具体的な構成要素を示
すブロック図を示す。同図中、中央処理ユニット(CP
U)40は、各センサから出力されるデータを制御プロ
グラムに従って入力、演算すると共に、各気筒#1〜#
4のインジェクタ27-1,27-2,27-3,27-4(上
記インジェクタ27は各気筒のインジェクタを代表する
符号である)、ISCV25、および点火時期を決定す
るイグナイタ(図示せず)等の各種アクチュエータを制
御するための処理を行う。
【0021】リードオンリメモリ(ROM)41は、C
PU40が実行する制御プログラム、当該プログラム実
行の際に参照する点火時期演算マップ等のデータを格納
する記憶装置である。ランダムアクセスメモリ(RA
M)42は、各センサから出力されるデータや演算制御
に必要なデータを一時的に読み書きする記憶装置であ
る。更に、バックアップランダムアクセスメモリ(バッ
クアップRAM)43は、図示しないイグニッションス
イッチがオフになっても機関駆動に必要なデータ等をバ
ックアップする記憶装置である。
【0022】入力部44はエアフロメータ22、ノック
センサ31等の各センサの出力信号を、図示しない波形
整形回路により波形整形し、この信号を図示しないマル
チプレクサによりCPU40に選択的に出力するように
している。更に、入力部44では、各センサからの出力
信号がアナログ信号であればこれをA/D変換機により
デジタル信号に変換する処理を行う。
【0023】入出力部45は、回転角センサ33等の出
力信号を波形整形回路により波形整形し、この信号を入
力ポートを介してRAM42等に書き込む一方、CPU
40の指令により出力ポートを介して駆動する駆動回路
により各気筒のインジェクタ27-1,27-2,27-3,
27-4、ISCV25、イグナイタ等を所定のタイミン
グで駆動する。バスライン46は、前記CPU40、R
OM41等の各素子および入力部44、入出力部45を
結び各種データを送るものである。
【0024】図4は、ECU30が前記した噴射時期切
替え手段M4の一部、及び切替え禁止手段M5を実現す
べく実行する噴射時期変更ルーチンの一例のフローチャ
ートを示す。以下、同図に沿って本実施例の燃料噴射時
期制御装置の特徴的動作について説明するが、これに先
立って、本実施例の装置が実行する処理の前提である燃
料噴射モードの切替え処理、すなわち吸気同期噴射と吸
気非同期噴射との切替え処理について説明する。
【0025】図5は、特定の気筒について吸排気弁のバ
ルブリフトと、吸気同期噴射、又は吸気非同期噴射によ
る燃料噴射期間TAUとの関係を示した図である。同図
に示すように、本実施例の吸気非同期噴射は、排気弁が
開弁すると同時期に燃料噴射を開始し、排気弁が最大リ
フト量に達する頃に、すなわち吸気弁の開弁が開始する
十分前に燃料噴射が終了するように設定されている。燃
料の吸入が開始されるまでに十分な時間を確保して、吸
気マニホールド28内の負圧の脈動を利用して燃料の微
粒化を図るためである。
【0026】一方、吸気同期噴射は、吸気弁が開弁し始
めた直後に噴射を開始し、吸気弁が最大リフト量に達し
た直後に噴射が終了するように設定されている。インジ
ェクタ27から多量の燃料が噴射された場合に、噴射さ
れた燃料を直接シリンダ13内に吸入して、燃料が吸気
マニホールド28内壁に付着するのを防止するためであ
る。
【0027】図6は、上記ECU30によって制御され
るインジェクタ27の燃料噴射時期を各気筒#1〜#4
毎に示した図である。同図中、黒塗りで示す部分は各気
筒における吸気行程を示し、ハッチングで示す部分は燃
料噴射期間を示している。そして、図6(A)は、上記
した吸気非同期噴射による燃料噴射時期を、図6(B)
は、上記した吸気同期噴射による燃料噴射時期を示す。
【0028】ここで、本実施例の内燃機関は4気筒4ス
トロークであり、図6(A),(B)に示すように、ク
ランク角度(CA)180度毎に#1→#3→#4→#
2の順序で吸気行程が行われる。そして、燃料の燃焼性
を確保する観点では、比較的燃料噴射量が多量となる高
負荷時には吸気同期噴射が有効であり、比較的燃料噴射
量が少ない低負荷時には吸気非同期噴射が有効であるこ
とは前記した通りである。
【0029】つまり、内燃機関の全運転領域において良
好な燃焼性を得ようとすれば、内燃機関の負荷状態に応
じて吸気同期噴射と吸気非同期噴射とを切り換える必要
があり、図7、及び図8は、かかる機能を実現すべくE
CU30が実行するルーチンのフローチャートを示す。
【0030】すなわち、図7は、内燃機関の運転状態が
何れの燃料噴射モードに適しているかを判断する基礎と
して、内燃機関の負荷状態を検出すべく実行する負荷検
出ルーチンのフローチャートを示す。尚、同図に示すル
ーチンは所定時間毎に割り込み起動される。
【0031】図7中、先ずステップ102では、エアフ
ロメータ22からの信号により吸入空気量Qの値を入力
する。次にステップ104にて、回転角センサ33から
の信号を処理して内燃機関回転数Nの値を入力する。そ
して、ステップ106で、吸入空気量Qを内燃機関回転
数Nで除算する処理を行い、内燃機関の負荷状態を表す
Q/N(内燃機関1回転当たりの空気量)の値を求めて
今回のルーチンを終了する。このように、図7に示すル
ーチンにより内燃機関の負荷状態を検出することができ
る。
【0032】図8は同じくECU30内で処理され前記
噴射時期切換手段M4の一部を実現する制御ルーチンの
フローチャートを示す。同図に示すルーチンは所定時間
毎に割り込み起動される。
【0033】同図中、先ずステップ202では、図7に
示すルーチンで求められたQ/Nの値が負荷状態の判定
基準値である所定値α以上であるかを判定する。ここ
で、Q/N≧αが不成立となる場合、即ち内燃機関が低
負荷状態である場合には、噴射される燃料が比較的少量
であると推定できる。
【0034】このため、かかる判定がなされた場合は、
ステップ208に進み吸気非同期噴射を実行すべきこと
を表示すべく実行すべき噴射モードを表すべく導入した
フラグXISをクリア(XIS=0)して本ルーチンを
終了する。
【0035】一方、上記ステップ202においてQ/N
≧αであることが判定された場合、即ち内燃機関が高負
荷状態である場合には、ステップ204に進んで前回設
定された噴射モードを判定すべくフラグXISの値を見
る。そして、前回の処理時には吸気非同期噴射が設定さ
れていた(XIS=0)ことが判定された場合は、ステ
ップ206に進んでノッキングの有無を判定する。
【0036】このノッキング判定はノックセンサ31か
らの信号と所定のしきい値との比較により行うが、内燃
機関においてノッキングが検出されるのは、運転者がア
クセルを踏んで更に高い出力を要求した場合、すなわち
内燃機関が出力上昇過程にある場合である。
【0037】従って、上記ステップ206においてノッ
キングの発生が判定された場合は、内燃機関に多量の燃
料が噴射されていると推定することができる。このた
め、本ルーチンにおいては、かかる判定がなされた場
合、以後ステップ210へ進んで吸気同期噴射を行うべ
きことを表示すべく上記フラグXISに“1”をセット
して本ルーチンを終了する。
【0038】一方、上記ステップ206でノッキングの
発生が判定されなかった場合は、高負荷時であっても燃
焼が安定しておりこのまま吸気非同期噴射を継続しても
問題がないと判断して、ステップ208に進み吸気非同
期噴射を継続させるべくXISを“0”にクリアする。
従って、本ルーチンでは、前回のルーチン時に吸気非同
期噴射である場合、負荷が所定値αよりも高く且つノッ
キングが発生している2つの条件が揃った場合に吸気非
同期噴射から吸気同期噴射への切り換えを行うべきと判
断されることになる。
【0039】これに対して、上記ステップ204にてX
IS=1、即ち前回のルーチン時から吸気同期噴射が継
続されている場合には、次のステップ206のノッキン
グ有無の判定を行わずにステップ212に進み吸気同期
噴射をそのまま継続させる。内燃機関が高負荷である場
合は、ノッキングの有無に関係なく吸気同期噴射を継続
させても問題は生じないからである。従って、本ルーチ
ンでは、一度吸気同期噴射を実行すべきと判断される
と、以後内燃機関の負荷状態が低下して、Q/N≧αが
不成立となるまで“吸気非同期噴射を実行すべきであ
る”との判断がなされることはない。
【0040】ところで、内燃機関において吸気同期噴射
と吸気非同期噴射とを切り換える場合、その切替えに伴
う燃焼性の変化に起因して出力の変動が生ずる。このた
め、内燃機関が高出力を発している状況下で一気に燃料
噴射時期の切替えを行うと、切替え時に発生する出力変
動により車両の乗り心地が著しく悪化する。
【0041】そこで、本実施例においては、吸気同期噴
射と吸気非同期噴射との切替えを、内燃機関に所定値を
越える出力トルクが発生していない場合は一気に、内燃
機関に所定値を越える出力トルクが発生している場合に
は徐々に行うこととして、燃料噴射時期の切替えに伴う
衝撃の発生を抑制することとしている。
【0042】図9は、かかる出力トルクと燃料噴射モー
ドの切替え手法との関係を表したものであり、内燃機関
が同図中ハッチングで示す領域(A)内で運転している
際に上記XISフラグが“0”から“1”へ、又は
“1”から“0”へ切り替わった場合には一気に燃料噴
射モードの切替えを行い、ハッチング上部(B)領域で
運転している際にXISフラグの値が変化した際には徐
々に燃料噴射時期を変化させて燃料噴射モードを切替え
を実現することを表している。
【0043】ところで、図9中に(C)領域として示し
た高出力・低回転領域は、内燃機関の各気筒における吸
気工程開始直前における吸気マニホールド28内の負圧
の脈動が比較的小さくなる領域を示したものである。
【0044】つまり、図9中に(C)領域として示す領
域以外の領域では、各気筒において吸気工程が開始され
る直前において当該気筒の吸気弁が未開弁であるにも関
わらず、他気筒の影響による負圧脈動に起因して、吸気
マニホールド28内に適当な流速が発生する。一方、同
図中(C)領域においては、各気筒の吸気状態が均衡
し、吸気工程直前における吸気マニホールド内の流速が
相殺される。
【0045】かかる領域は、内燃機関の特性により厳密
な位置は異なるものの、4サイクル式内燃機関において
は必ず存在する領域である。そして、内燃機関がこの
(C)領域で運転している場合には、燃料の微粒化に有
効な流速が存在しないことから、適切な燃焼性を維持す
るためには、内燃機関が(A),(B)領域で運転して
いる場合と異なる配慮を払う必要がある。
【0046】図10は、かかる配慮の必要性をより具体
的に説明するための図をであり、スロットル開度全開
(WOT)の状態における排気ガス中HC濃度THC
(ppm )と燃料噴射終了時期(クランクアングル:°C
A)との関係を、機関回転数をパラメータとしてあらわ
したグラフを示す。ここで、図10中に○で示すデータ
は、WOTの状況下では上記(C)領域となる機関回転
数(2000rpm)のデータを、また●で示すデータ
は、WOTの状況下で上記(B)領域となる機関回転数
(3600rpm)のデータを示す。
【0047】同図に示すデータを比較すると、(B)領
域のデータ●については、燃料噴射終了時期が遅角され
るに従って徐々にHC濃度が低下、すなわち燃焼性が向
上しているのに対し、(C)領域のデータ○について
は、燃料噴射時期が上死点付近となる場合には、著しく
HC濃度が高くなることが判る。
【0048】この現象は、(C)領域が負圧の脈動の面
で燃料の微粒化に不利であること、燃料の噴射終了時期
が上死点付近である場合には、吸気工程開始までに適当
な攪拌時間を確保できないこと、更に燃料が噴射される
段には吸気による流速が発生しておらず吸気マニホール
ド内壁に燃料が付着し易いこと等に起因するものと推定
できるが、内燃機関が(C)領域で運転している際に、
噴射時期の徐変によって燃料噴射モードの切替えを実現
しようとする場合には、必ず上記現象が生ずることとな
り問題である。
【0049】本実施例の燃料噴射時期制御装置は、燃料
噴射モードの切替え過程をも含めて全運転領域で良好な
燃焼性を確保すべく、内燃機関が図9中(C)領域で運
転している場合には、燃料噴射モードの切替え指示がな
されても、内燃機関が(C)領域を脱するまでは噴射時
期の徐変を禁止することとしたものである。
【0050】以下、上記機能を実現すべくECU30が
実行する処理の内容を、図4に示すフローチャートに沿
って説明する。尚、図4に示す処理は、所定時間毎に起
動する定時割り込みルーチンであり、説明の便宜上吸気
非同期噴射から吸気同期噴射への切替え時にのみ噴射時
期の徐変を禁止する機能を発揮する構成としている。
【0051】同図に示すルーチンが起動すると、先ずス
テップ302において、上記図8で設定したフラグXI
Sの値を見て、燃料噴射モードとして何れのモードが設
定されているかを判定する。
【0052】上記したように本ルーチンは、吸気非同期
噴射から吸気同期噴射への切替え時に、すなわちXIS
フラグが“0”から“1”に変化した際に特徴的動作を
施すものであることから、XIS=1が不成立である場
合には無条件で吸気非同期噴射を実行するためステップ
304へ進む。そして、ステップ304において、噴射
時期の最終設定値を格納するTHINJENDに吸気非
同期噴射の標準値ζを代入して本ルーチンを終了する。
【0053】一方、上記ステップ302においてXIS
=1が成立すると判定された場合は、吸気同期噴射への
切替えを行うべくステップ306へと進む。このステッ
プ306は、エアフロメータ22の検出結果Q、及び回
転角センサ33の検出結果Nに基づいて内燃機関の負荷
状態QNを演算し、その値が所定値α以上であるかを判
定するステップである。
【0054】ここでQN≧αが不成立となるのは、内燃
機関が上記図9中(A)領域で運転している場合、すな
わち燃料噴射モードを一気に切り換えてもその際に生じ
るトルク変動が問題とならない場合である。従って、上
記ステップ306においてかかる判定がなされた場合
は、一気に燃料噴射時期を切り換えるべく、ステップ3
08へ進んでTHINJENDに吸気同期噴射の標準値
であるδを代入して今回の処理を終了する。
【0055】これに対して、内燃機関がQN≧αが成立
する程度に高負荷運転をしており、上記ステップ306
において条件成立と判定された場合は、ステップ310
へ進んで、その運転状態が上記図9中(B)領域である
のか、(C)領域であるのかについての判定を行う。
(C)領域であるとすれば、上述の理由により燃料噴射
時期の徐変を禁止すべきであり、一方(B)領域であれ
ば、モード切替えの要求に応えて燃料噴射時期の徐変処
理を実行すべきだからである。
【0056】ここで、本実施例においては、上記(C)
領域を、燃料噴射終了時期が上死点付近となった場合に
HC濃度が上昇する領域として予め実験的に求め、その
領域を負荷状態QN=β、機関回転数Ne=γとして記
憶し(β、γは、一定の幅を持つ値)、その値との関係
でQN≠β、又はNe≠γの成立性を判定する。
【0057】そして、判定の結果QN≠β、又はNe≠
γが成立していることが判明した場合に限り、ステップ
312へ進んで燃料噴射時期の徐変処理を行う。ステッ
プ312は、THINJEND≠ζの成立性を判断する
ステップである。
【0058】今回が徐変処理の初回であるとすれば、T
HINJENDには、前回まで行われていた吸気非同期
噴射の標準値ζが代入されているはずである。従って、
THINJEND≠ζは不成立とされ、この場合続くス
テップ314で、徐変処理実行中を表すフラグXICH
に“1”がセットされる。
【0059】一方、今回が徐変処理の初回ではないとす
れば、THINJENDにはζに徐変値を加算した値が
代入されているはずであり、今度はTHINJEND≠
ζが成立する。そして、XICHフラグがクリアされて
いない限りステップ316ではXICH=1が成立する
と判定され、徐変処理終了を表す積極的処理としてXI
CHがクリアされるまでその状態が継続する。
【0060】上記の処理の後、ステップ318において
は、徐変処理実行中における燃料噴射時期THINJK
ATの演算を行う。このTHINJKATは、前回の演
算値κに所定の徐変ステップκ1を加算することで演算
される値であり、κの初期値には、後述の如く吸気非同
期噴射の標準値ζがセットされている。従って、THI
NJENDは、徐変処理が実行されるにつれ、ζを初期
値としてκ1のステップ幅で徐々に増大することにな
る。
【0061】このようにしてTHINJKATを演算し
たら、その演算値を現実の噴射時期に反映させるためス
テップ320へ進み、THINJENDにTHINJK
ATの値を代入する。
【0062】ステップ322は、THINJKATが吸
気同期噴射の標準値δに達したかを判別するステップで
ある。ここでTHINJKAT=δが不成立であると判
別された場合は、ステップ324へ進んで、κを今回の
演算値THINJKATに更新して本ルーチンを終了す
る。以後、ステップ324においてTHINJEND=
δが成立すると判定されるまで、上記ステップ302〜
324の処理が繰り返し実行され、吸気非同期噴射(噴
射時期ζ)から吸気同期噴射(噴射時期δ)への徐変処
理が実現されることになる。
【0063】そして、上記ステップ322でTHINJ
KAT=δが成立すると判別された場合は、徐変処理を
終了させるべくステップ326へ進み、次回の徐変処理
実行を円滑に実現すべくκに吸気非同期噴射の標準値ζ
を代入し、ステップ328で徐変処理実行中を表すXI
CHフラグを“0”にクリアして本ルーチンを終了す
る。
【0064】このため、次回以降本ルーチンが起動して
上記ステップ314,316が実行される際には、TH
INJEND≠ζ成立、かつ、XICH=1不成立が判
定される、以後ステップ308を経由して本ルーチンが
実行されることになる。
【0065】一方、上記ステップ310においてQN≠
β、又はNe≠γが成立しない、すなわち内燃機関が上
記図9中(C)領域で運転中であると判別された場合
は、ステップ330へ進んでXISフラグを“0”にリ
セットし、以後ステップ304の処理を実行して本ルー
チンを終了する。
【0066】このため、内燃機関が、QN=β、かつN
e=γの成立する領域で運転している限り、燃料噴射時
期の徐変処理が実行されることがなく、従って燃料噴射
終了時期が上死点付近に設定されることがなく、上記図
10中○で示す如き排気エミッションの悪化が確実に防
止されることになる。
【0067】このように、本実施例の燃料噴射時期制御
装置によれば、内燃機関の負荷状態に応じて吸気同期噴
射と吸気非同期噴射とを選択的に実行することで、広い
運転領域に渡って良好な燃焼性を確保することができる
と共に、切替え時に排気エミッションを悪化させる可能
性のある特定の運転状況下では、その特定の状況を脱出
するまでは切替え処理が禁止されることから、結果とし
て内燃機関の全運転領域において良好な燃焼性を維持
し、ひいては良好な排気エミッションを確保することが
可能となる。
【0068】尚、上記図4に示すルーチンは、吸気同期
噴射から吸気非同期噴射への切替えを想定して、特定の
運転状況下では燃料噴射時期の徐変処理を禁止する構成
としたが、これに限るものではなく、吸気同期噴射から
吸気非同期噴射への切替え時においても、同様の制限を
課すことにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、内燃機関
の吸気管内に十分な負圧脈動が発生しておらず、吸気工
程開始と同時に燃料噴射を行うと燃料を適切に微粒化す
ることができない場合には、内燃機関の負荷状態が変化
しても燃料噴射モードの切替えが禁止される。
【0070】このため、本発明に係る燃料噴射時期制御
装置によれば、燃料噴射モードの切替え過程において適
切な燃焼性を維持できる場合に限り吸気同期噴射モード
と吸気非同期噴射モードとの切替えが行われることとな
り、燃料噴射モードの切替え過程を含めて、内燃機関の
全運転領域において良好な燃焼性を、ひいては良好は排
気エミッションを確保することができるという特長を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明が適用される内燃機関およびその周辺装
置の実施例を示すシステム構成図である。
【図3】図2におけるECUの具体的な構成要素を示す
ブロック図である。
【図4】噴射時期切替え手段の一部及び切替え禁止手段
を実現する制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】吸気非同期噴射と吸気同期噴射を説明する図
(その1)である。
【図6】吸気非同期噴射と吸気同期噴射を説明する図
(その2)である。
【図7】負荷検出手段を実現する制御ルーチンのフロー
チャートである。
【図8】噴射時期切換手段を実現する制御ルーチンのフ
ローチャートである。
【図9】内燃機関の運転状態が噴射時期の切替え与える
影響を説明するための図である。
【図10】噴射終了時期と排気ガス中のHC濃度との関
係を運転領域をパラメータとして表した図である。
【符号の説明】
M1 内燃機関 M2 吸入空気量検出手段 M3 機関回転数検出手段 M4 噴射時期切換手段 M5 切替え禁止手段 11 機関本体 12 ピストン 13 シリンダ 14 点火フラグ 15 吸気弁 16 排気弁 22 エアフローメータ 23 吸気管 24 スロットルバルブ 27 インジェクタ 30 エンジンコントロールコンピュータ(ECU) 31 ノックセンサ 32 ディストリビュータ 33 回転角センサ 40 中央処理ユニット(CPU)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空
    気量検出手段と機関回転数を検出する機関回転数検出手
    段とによって所定値に満たない低負荷状態が検出される
    領域では、燃料の噴射を吸気工程の前に行う吸気非同期
    噴射モードを選択し、また、所定値を越える高負荷状態
    が検出される領域では、燃料の噴射を吸気工程中に行う
    吸気同期噴射モードを選択するに際し、内燃機関の負荷
    状態が変化した後に燃料噴射時期を徐変して所望の噴射
    モードを実現する噴射時期切替え手段を備える燃料噴射
    時期制御装置において、 前記吸入空気量検出手段と前記機関回転数検出手段とに
    より、吸気工程前に、内燃機関の吸気管内に所定水準を
    越える負圧の脈動が発生しない運転状態が検出された場
    合には、前記噴射時期切替え手段による燃料噴射時期の
    切替えを禁止する切替え禁止手段を有することを特徴と
    する燃料噴射時期制御装置。
JP27452593A 1993-11-02 1993-11-02 燃料噴射時期制御装置 Pending JPH07127514A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10746125B2 (en) 2018-05-17 2020-08-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Controller and control method for internal combustion engine
US11002213B2 (en) 2017-09-05 2021-05-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine control device and control method

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US11002213B2 (en) 2017-09-05 2021-05-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine control device and control method
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