JPH07128337A - (1→3)−β−D−グルカンの測定方法 - Google Patents

(1→3)−β−D−グルカンの測定方法

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JPH07128337A
JPH07128337A JP21629594A JP21629594A JPH07128337A JP H07128337 A JPH07128337 A JP H07128337A JP 21629594 A JP21629594 A JP 21629594A JP 21629594 A JP21629594 A JP 21629594A JP H07128337 A JPH07128337 A JP H07128337A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料中にリムルスG因子系に対する反応妨害
因子および/またはエンドトキシンを含み、かつ試料中
の(1→3)−β−D−グルカンが三重らせん構造をと
る場合においても、リムルス試薬として非特異的リムル
ス試薬を用いることができる前処理法を提供すると共に
(1→3)−β−D−グルカンを極めて高い検出率で迅
速に効率よく測定できる方法を提供すること。 【構成】 三重らせん構造を主体とする(1→3)−β
−D−グルカンと場合により金属イオンを含み得る試料
を、強アルカリ性条件下でかつ場合によりキレート剤の
存在下において前処理し、反応妨害因子として試料中に
含まれる可能性のある、エンドトキシン単独またはエン
ドトキシンとG因子系反応妨害因子とを破壊もしくは不
活性化した後、リムルス試薬によるリムルス反応に付す
ことを特徴とする(1→3)−β−D−グルカンの測定
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(1→3)−β−D−
グルカン(以下「β−グルカン」ともいう)の測定方法
に関する。特に、反応妨害因子として試料中に含まれる
可能性のある、リムルスC因子系反応に関与するエンド
トキシン(以下「Et」とも記す)またはEtおよびリ
ムルスG因子とβ−グルカンとの特異的反応を妨害する
反応妨害因子(以下「G因子系反応妨害因子」ともい
う)とを含む可能性のある試料中あるいはリンゲル液、
透析液等の金属イオンを含み得る試料中のβ−グルカン
をリムルス試薬を用いて高い精度で測定できる方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】リムルス試薬に含まれるカブトガニ・ア
メボサイト・ライセート(以下単に「ライセート」とも
いう)には、Etと反応して活性化されるカスケードタ
イプの凝固系(C因子系)とβ−グルカンと反応して活
性化されるカスケードタイプの凝固系(G因子系)とが
共存しており(図1)、ライセートはβ−グルカンだけ
でなく、Etとも反応する。前者の系のみを利用してEt
を特異的に測定する方法、後者の系のみを利用してβ−
グルカンを特異的に測定する方法がそれぞれ知られてい
る(Obayashi T. et al., Clin. Chim. Acta, 149,
55−65(1985))。
【0003】また、真菌感染症の患者は血液中のβ−グ
ルカンが増加し、血液中のβ−グルカンを測定すること
によって真菌感染症を診断できることも知られている。
このようなG因子系を利用するβ−グルカン測定法は、
検出感度が非常に高いため生体試料中の微量検出に適し
ており、特に深在性真菌感染症の診断への有効性が検討
確認され、臨床検査に使用され始めている。
【0004】β−グルカンのG因子に対する反応は、分
子量のみならず、その高次構造が関与し、三重らせん構
造をとるものはG因子を活性化せず、一重らせん構造を
とるときG因子を活性化することが知られている(Sait
o H. et al., Carbohydr. Res., 217, 181-190(1991);
Tanaka S. et al., Carbohydr. Res., 218, 167-174(19
91);Aketagawa J. et al., J.Biochem.,113,683-686(19
93))。一方、β−グルカンは、天然には、その最も安定
な形である三重らせん構造で存在していることが多く、
かつEtと共存している場合が多い。
【0005】そのため、ライセート全体を原料にしてい
る通常のリムルス試薬(非特異的リムルス試薬)では、
G因子系とC因子系が存在しているため、β−グルカン
だけでなくEtとも反応してしまい、β−グルカンの測
定はできなかった。これを解決するために、従来は、ラ
イセートからG因子系成分を分画、再構成すること(例
えば、Obayashi T. et al., 前出)、またはC因子を特
異的に阻害または吸着、除去すること(例えば、WO9
1/19981、WO92/16651)により、C因
子系成分を実質的に含まないか、あるいはC因子系反応
が阻害されて、エンドトキシンと反応しないβ−グルカ
ン特異的リムルス試薬として試料中のβ−グルカンを測
定していた。
【0006】また、上記のようなG因子系の分画・再構
成、C因子系の吸着除去または特異的阻害等の手段によ
らず、試料に前処理を施すことによってEtを不活性化
した後、ライセートを作用させ、β−グルカンを測定す
る方法が提案されている(特開平2−141666号公
報)。この方法は、被検試料液を加熱処理するものであ
るが、現実には100℃、2時間の処理が必要であり、
かつ、この処理では三重らせん構造のβ−グルカンは、
一重らせん構造にほとんど変換せず、従ってβ−グルカ
ンの全量を測定できない。
【0007】ところで、生体試料、特に血液中のβ−グ
ルカンをライセートのG因子系によるカスケード反応を
利用して測定する場合には、該反応がライセート中のセ
リンプロテアーゼの反応を利用するため、血液中に含ま
れる種々のG因子系反応妨害因子(例えば、トロンビン
やXa因子はライセート中の凝固酵素と類似の作用を示
すため、偽陽性因子となり、α2 −プラスミンインヒビ
ター、α1 −アンチトリプシンおよびアンチトロンビン
III はG因子系反応を強力に阻害し、偽陰性因子とな
る)を失活あるいは除去するための前処理が必要であ
る。
【0008】この目的のために従来は、血液試料から多
血小板血漿(PRP)を調製し、これに過塩素酸を加え
て37℃で加温処理した後に、変性析出物を遠心分離し
て除去し、その上澄液を採取し、アルカリで中和して被
検液とする方法が採用されていた(Obayashi T. et a
l., J. Lab. Clin. Med. 104, 321-3301(1984)) が、変
性析出物の分離操作が煩雑で全操作工程も多く、操作中
に反応系に影響を与える物質による汚染の危険性がある
などの問題があった。
【0009】そこで、本発明者は、先に遠心分離操作が
不要でかつ迅速な前処理方法として、アルカリ金属水酸
化物で処理する方法等(特願平5−100426号明細
書)を提案した。しかし、先の出願ではリムルス反応妨
害因子の除去が主眼であり、Etとβ−グルカンをそれ
ぞれ特異的に測定する場合には、各物質に対して特異的
な特別なライセート試薬を用いる必要があった。すなわ
ち、該方法の長所を維持しながら、Etの不活化とG因
子系反応妨害因子の不活化とを同時に満足する条件は見
出すことができず、EtおよびG因子系反応妨害因子存
在下で非特異的リムルス試薬を用いてβ−グルカンを測
定することは困難であった。また、そのような試料条件
で、かつβ−グルカンが三重らせん構造をとっている
と、非特異的リムルス試薬を使用した場合、これを十分
に再現性よく測定することは更に困難であった。一方、
リンゲル液、リン酸緩衝生理食塩水、細胞培養用培地お
よび血液透析における透析液などの金属イオンを含み得
る試料中のβ−グルカンをリムルス試薬を用いて測定す
る場合、これらの試料中のβ−グルカンが三重らせん構
造であると、この構造が安定化され、G因子系反応が十
分に進行しないため、β−グルカンの全量を正確に測定
できいないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決しようとするもので、試料中にエンドト
キシンおよび/またはG因子系反応妨害因子を含み、か
つ試料中のβ−グルカンが三重らせん構造をとる場合に
おいてもリムルス試薬として非特異的リムルス試薬を用
いることができる前処理法を提供すると共にβ−グルカ
ンを極めて高い検出率で迅速に効率よく測定できる方法
を提供する。さらに、本発明は、試料中に金属イオンを
含み、かつ試料中にβ−グルカンが三重らせん構造をと
る場合においても、β−グルカンの三重らせん構造がG
因子活性化能を有する構造に変換されて、β−グルカン
を極めて高い検出率で迅速に効率よく測定できる方法を
提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、 三重らせ
ん構造を主体とする(1→3)−β−D−グルカンを含
み得る試料を、強アルカリ性条件下で前処理し、反応妨
害因子として試料中に含まれる可能性のある、エンドト
キシン単独またはエンドトキシンとG因子系反応妨害因
子とを破壊もしくは不活性化した後、リムルス試薬によ
るリムルス反応に付すことを特徴とする(1→3)−β
−D−グルカンの測定方法、 リムルス試薬が非特異
的リムルス試薬であることを特徴とする前記記載の
(1→3)−β−D−グルカンの測定方法、 アルカ
リ金属水酸化物を試料中に存在させて強アルカリ性条件
下とする前記または記載の(1→3)−β−D−グ
ルカンの測定方法、 試料中のアルカリ金属水酸化物
濃度を0.03〜2.0モル/Lの条件下で前処理する
ことを特徴とする前記に記載の測定方法、および前
処理を0〜135℃の条件下で行う前記〜のいずれ
か1項に記載の測定方法、 試料が金属イオンを含み
得るものであり、試料を、キレート剤の存在下において
前処理する前記記載の(1→3)−β−D−グルカン
の測定方法、 三重らせん構造を主体とする(1→
3)−β−D−グルカンと金属イオンとを含み得る試料
を、キレート剤の存在下において強アルカリ性条件下で
前処理した後、リムルス試薬によるリムルス反応に付す
ことを特徴とする(1→3)−β−D−グルカンの測定
方法、 前記前処理を、試料にキレート剤を添加後、
強アルカリ条件下で行うか、または試料にキレート剤を
添加する際に強アルカリ条件下とする前記記載の(1
→3)−β−D−グルカンの測定方法、 リムルス試
薬が、カブトガニ血リンパ凝固系のC因子系成分を実質
的に含まないか、あるいはC因子系反応が阻害され、エ
ンドトキシンと反応せず、(1→3)−β−D−グルカ
ンに特異的なものである、前記記載の(1→3)−β
−D−グルカンの測定方法である。
【0012】以下本発明を具体的に説明する。第一の本
発明は、試料を強アルカリ性条件下で前処理することに
よって、エンドトキシン、G因子系反応妨害因子等の、
リムルス試薬によってβ−グルカンを測定する際に反応
を妨害する反応妨害因子を破壊もしくは不活性化させ、
β−グルカンが三重らせん構造をとっている場合はこれ
を解いてG因子を活性化する構造に変換させ、次いでリ
ムルス試薬と混合して、公知の方法で合成ペプチド基質
の変化またはライセートのゲル化もしくはそれに伴う濁
度の変化等を検出することにより、β−グルカンを測定
するものである。第二の本発明は、試料をキレート剤の
存在下において強アルカリ性条件下で前処理することに
よって、リンゲル液、透析液等の金属イオンを含み得る
試料中の金属イオンの影響を排除してβ−グルカンの三
重らせん構造をG因子活性化能を有する構造に変換さ
せ、次いでリムルス試薬を用いて上記と同様にβ−グル
カンを測定するものである。
【0013】本発明において対象とする「試料」とはβ
−グルカンを測定しようとする試料であれば、特に制限
はないが、特に反応妨害因子を含む場合で、かつβ−グ
ルカンが三重らせん構造である場合に有効である。ここ
で、「反応妨害因子」とは、C因子系反応を開始するE
tのほかに、G因子系反応妨害因子、即ち、β−グルカ
ンによって開始される図1に示したライセートのG因子
系の段階的酵素反応(カスケード反応)のいずれかの段
階においてβ−グルカンとは無関係に反応する前記偽陽
性因子又は反応を阻害する偽陰性因子である。尚、G因
子系反応妨害因子は、C因子系においても同様に機能す
るため、リムルス反応妨害因子ともいう。具体的には、
β−グルカンを含有する水溶液、医薬品、リンゲル液、
透析液、細胞培養用培地、緩衝液、生理食塩水などのほ
か、真菌由来のβ−グルカンが含まれる可能性のある真
菌感染症患者の体液(血漿、血清、全血などの血液試
料、尿、脊髄液、腹水など)が例示される。
【0014】リムルス試薬としては、上記第一の発明に
は非特異的リムルス試薬を使用できるが、G因子系反応
に特異的な成分からなるか、あるいはC因子系反応が阻
害され、Etと反応しないβ−グルカン特異的なリムル
ス試薬を使用することもできる。後者の使用は、β−グ
ルカンの三重らせん構造の変換とG因子系反応妨害因子
の除去を主眼に前処理できるから、Etの不活性化の条
件を無視でき、前処理条件の寛容度が広がる効果があ
る。上記第二の発明においては、Etの破壊もしくは不
活性化を必須要件としておらず、三重らせん構造の変換
とG因子系反応妨害因子の除去を主眼とした前処理を行
うので、Etを含む可能性のある試料を対象とする場合
はβ−グルカン特異的なリムルス試薬を使用することが
好ましい。
【0015】ここで、「非特異的リムルス試薬」とは、
リムルス・ポリフェムス、タキプレウス・トリデンタツ
ス、タキプレウス・ギガス、カルシノスコルピウス・ロ
ツンディカウダ等のカブトガニの血リンパ液から、公知
の方法(例えば、J. Biochem.,80,1011-1021(1976)参
照)で調製した通常のカブトガニ・アメボサイト・ライ
セートを包含する意味であり、少なくとも図1のG因子
系反応およびC因子系反応に関与する血リンパ凝固系の
G因子系成分およびC因子系成分を含むものを言う。た
だし、後述の合成ペプチド基質等を含むものでもかまわ
ない。ここで、「金属イオン」とは、β−グルカンの三
重らせん構造がG因子活性化能を有する構造に変換され
るのを阻害するか、あるいは変換されたβ−グルカンが
三重らせん構造に戻るのを促進するような金属イオンで
あり、Mg2+, Ca2+などのアルカリ土類金属のイオンやMn
2+, Fe2+, Fe3+, Al3+, Ga3+などの遷移元素のイオンで
ある。
【0016】本発明において利用し得る非特異的リムル
ス試薬は前記のような機能を有するものであれば、製
法、組成等には限定されない。本発明に使用される前処
理方法は、試料を強アルカリ性とすることが必須条件で
あるが、更に試料中に金属イオンが含有される場合に
は、強アルカリ性条件下で前処理する際にキレート剤を
共存させる必要がある。これは強アルカリ処理によって
βーグルカンの三重らせん構造がG因子活性化能を有す
る構造に変換されるのを、ある種の金属イオン、すなわ
ちMg2+, Ca2+などのアルカリ土類金属のイオンやMn2+,
Fe2+, Fe3+, Al3+, Ga3+などの遷移元素のイオンが阻害
するのを解除するためである。試料を強アルカリ性とす
る方法に特に制限はないが、アルカリ金属の水酸化物を
用いることが好ましい。その具体例としては、水酸化カ
リウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が
例示できる。
【0017】アルカリ金属水酸化物を用いる場合、その
濃度としては、通常、0.03〜2.0モル/Lが例示
できる。キレート剤としては、試料中に含まれる金属イ
オンをキレート化合物に変換し、遊離の金属イオン濃度
を上記の阻害作用を表す最低濃度以下にできるものであ
り、かつリムルス反応を阻害しない限り特に制限はない
が、未知の金属イオンを含む試料を処理する場合には、
多くの金属イオンと安定で強固なキレート化合物を生成
するものが好ましい。この様なキレート剤としては、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸、
トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,
N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン−N,N,
N’,N’’,N’’−五酢酸、ヒドロキシエチレンジ
アミン三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ト
リエチレンテトラミン六酢酸、ジアミノプロパノール四
酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、エチレンジアミンテト
ラキス(メチレンホスホン酸)、クエン酸、およびそれ
らのアルカリ塩が例示できる。試料の前処理は、基本的
には、試料を強アルカリ性にすることができるもの(以
下単にアルカリともいう)および必要によりキレート剤
を試料に添加混合することにより行うことができる。ア
ルカリとキレート剤を共に添加するときの添加順序は、
アルカリ添加後にキレート剤を添加しない限りいずれで
もよいが、試料にキレート剤を添加した後、アルカリを
添加する方が低濃度のキレート剤添加で試料中のβーグ
ルカンの構造変換が容易に起こる(これは強アルカリ性
条件下では、金属イオンはキレート剤に配位するよりも
βーグルカンの分子鎖間に配位しやすく、三重らせんか
らの一重らせん構造等への変換を阻止するためと思われ
る。)。これらの前処理剤添加後、所望により、恒温槽
中もしくはオートクレーブ中で、あるいは電子レンジ等
を用いて高周波によって加温することもできる。この際
の処理温度は、通常、0〜135℃、特に30〜60℃
の範囲が好ましく、処理時間は1〜60分、特に5〜3
0分の範囲が好ましい。
【0018】本発明の方法により前処理された被検液中
では、該処理前のβ−グルカンがG因子を活性化しない
三重らせん構造であっても、その構造は迅速にG因子を
活性化する構造に変換され、また仮に該処理前のβ−グ
ルカンが三重らせん構造ではない、すでにG因子活性化
能を有する状態のものであってもその構造は保持され
る。
【0019】すなわち、本発明において測定されるβ−
グルカンは、特に制限されず、真菌類等に存在するもの
を含み、その分子構造、高次構造、由来等は特に制限は
ない。また、これらのβ−グルカンは、真菌感染症患者
の体液中に含まれるものを包含する。本発明においてβ
−グルカンの三重らせん構造の他構造への変換は、具体
的には13C−NMR等により確認できる。
【0020】上記の本発明の前処理剤で試料を処理した
被検液は、次いでリムルス試薬と混合されるが、この混
合液は、G因子系反応を完遂するために至適pH付近に
調整されることが好ましく、通常pH7〜9になるよう
に従来公知の緩衝液により所望に調整される。なお、本
発明の前処理で不活性化した偽陽性因子、偽陰性因子お
よびEtは、後述の実施例等から活性が再生することは
ないことが判明している。また、逆に、該前処理剤で処
理された比較的高濃度の塩基性(アルカリ性)被検液と
該G因子系成分との混合において、該前処理剤が該G因
子系中の各成分に悪影響を与えることがないのも該緩衝
作用によるものであると考えられる。
【0021】該反応混合液において、上記被検液のβ−
グルカンを測定するには、前述したように図1のライセ
ートのG因子系カスケード反応によって活性化されて生
成するクロッティングエンザイムの基質に対するアミダ
ーゼ活性またはプロテアーゼ活性を公知の方法で測定す
ればよい。ここで、基質とは、合成のものでも天然のも
のでも任意であり、クロッティングエンザイムによって
加水分解されて容易に検出可能な生成物に導かれ、反応
混合液に酵素反応に基づく変化を生じさせる基質であ
り、この変化を定性または定量的に測定できればかまわ
ない。
【0022】例えば、合成ペプチド基質を含むリムルス
試薬と前処理された被検液とを接触させて反応を行うこ
とによってアミダーゼ活性を測定することができる。こ
のような合成ペプチド基質としては、上記クロッティン
グエンザイムの基質となり得るペプチド(例えば、メト
キシカルボニル−D−ヘキサヒドロチロシル−Gly−
Arg;N末端が保護されたLeu−Gly−Arg、
Ile−Glu−Ala−Arg等の配列からなるペプ
チド)のC末端のアルギニンのカルボキシル基に発色性
残基(例えば、p−ニトロアニリン、p−(N,N−ジ
エチルアミノ)アニリン、p−(N−エチル−N−β−
ヒドロキシエチル)アニリン等)、発蛍光性残基(例え
ば、7−アミノ−4−メチルクマリン等)、発光性残基
あるいはアンモニアなどがアミド結合により置換した合
成ペプチド基質が例示される。すなわち、アミダーゼ活
性の測定はクロッティングエンザイムがこれらの合成基
質に作用して生成する反応生成物(p−ニトロアニリ
ン、アンモニア等)を測定することによって行うことが
できる。具体的には、Etの測定に採用されている方法
を例示することができ、例えば、前記カスケード反応お
よび必要に応じて生成物の他色素等への変換反応を行わ
せ、反応によって生成する色素、蛍光物質、発光物質ま
たはアンモニアをそれぞれ分光光度計(特公昭63−2
6871、特公平3−66319等)、蛍光光度計、発
光測定装置、アンモニア検出用電極(特開昭62−14
8860)等によってβ−グルカンを測定する方法が挙
げられる。
【0023】一方、クロッティングエンザイムのプロテ
アーゼ活性の測定には、例えばリムルス試薬に含まれる
通常の天然基質であるコアギュローゲンに、カスケード
反応で生成したクロッティングエンザイムが作用してコ
アギュリンゲルが形成する反応を、例えば適当な機器
(例えば、濁度測定装置、粘度測定装置等)で測定する
か、または肉眼で判定するEtの測定に採用されている
方法(特公平4−14310等)を利用することができ
る。
【0024】本発明によるβ−グルカンの測定法は、真
菌感染症、特に診断が極めて困難な深在性真菌感染症の
早期診断に有用である。すなわち、患者から採取した血
液由来試料を本発明の前処理剤で処理した後、β−グル
カンを測定し、血液中のβ−グルカンが正常値を有意に
超えた時に、患者が真菌感染症に罹患していると判断す
ることができる。
【0025】本発明においては、前記前処理剤とリムル
ス試薬の各種類を適宜組み合わせることにより、所望の
測定用キットを構成することができる。該キットには、
β−グルカンの一定量を含有する標準試薬、ブランク用
蒸留水、反応試薬溶解・反応用緩衝液等を付加すること
ができる。該緩衝液としては、グッド緩衝液(例えば、
HEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N′−2−エタンスルホン酸)緩衝液等)、トリス−塩
酸緩衝液等が例示できる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 100%三重らせん構造からなるシゾフィラン(商品名
ソニフィラン、科研製薬(株)販売、2μg/mL水溶
液)0.1mLとEt(E.coli 0111:B4
由来、Difco社販売、80ng/mL水溶液)0.
1mLに0.2mLの各種濃度のNaOH水溶液(前処
理剤)を加え、混合後、60℃で10分間加温した。こ
れを注射用蒸留水で1000倍希釈し、ソニフィラン1
ng/mL、Et0.02ng/mL(Etが破壊され
ない場合の濃度)の溶液を調製した。これら処理液を被
検液として、ブランクには注射用蒸留水を用いて、Et
およびβ−グルカンフリーのマイクロプレート(トキシ
ペットプレート96F、生化学工業(株)販売)のウェ
ルに別々に50μLずつとった。
【0027】被検液に存在するβ−グルカンおよびEt
の量は、以下の方法で定量した。前記Obayash
i,T.らの方法に従って、カブトガニ・アメボサイト
・ライセートから調製したG因子系成分と発色合成基質
(Boc−Leu−Gly−Arg−pNA(p−ニト
ロアニリド))とを含むβ−グルカン特異的発色合成基
質法リムルス試薬(以下「Gテスト」という)、または
発色合成基質法非特異的リムルス試薬(トキシカラー、
生化学工業(株)販売)、またはエンドトキシン特異的
発色合成基質法リムルス試薬(エンドスペシー、生化学
工業(株)販売)を使用し、被検液50μL に0. 2
モル/L HEPES緩衝液(pH7. 6)で溶解した
Gテスト液50μL、または0.2モル/L Tris
−HCl緩衝液(pH8.0)で溶解したトキシカラー
液またはエンドスペシー液50μLを加え、37℃で3
0分間加温して反応させ、次いで0. 04%(重量/容
量)の亜硝酸ナトリウム(1モル/L 塩酸溶液)50
μL 、0. 3%(重量/容量)スルファミン酸アンモ
ニウム50μL ならびに0. 07%(重量/容量)N
−1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(14%(容
量/容量)N−メチル−2−ピロリドン溶液)50μL
を順次加えてジアゾカップリングし、マイクロプレー
トリーダーにより630nmを対照波長として545nmで
吸光度を測定することによって定量した。
【0028】また、前処理剤溶液のNaOH濃度を種々
変化させて被検液中のNaOH濃度を種々調整した場合
の三重らせん構造β−グルカンの構造変化をSaito H. e
t al. (Carbohydr. Res., 74, 227-240(1979))の方法に
従って、13C−NMRにより測定した。その三重らせん
構造の割合と前処理された被検液の各テストの測定値
(吸光度)を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】なお、表1中、NaOH濃度(モル/L)
は、被検液における濃度を示し、吸光度はブランク値を
差し引いた値を表示した。また、被検液としてEt水溶
液を蒸留水に置換、またはソニフィラン水溶液を蒸留水
に置換した場合も示した。表1によれば、Gテストにお
いて、注射用蒸留水のみによる処理では、β−グルカン
は全く検出されず、NaOHの濃度が0.03モル/L
以上では、吸光度の値が一定となる(試料No.1−1
および1−4〜10)。このことは、前処理した被検液
におけるβ−グルカンの構造変化を観察した結果から、
β−グルカンの三重らせん構造が解けるに従って吸光度
が増加していることと対応する。また、トキシカラーに
おいては、注射用蒸留水のみによる処理では、Etには
反応するが、β−グルカンとはやはり全く反応しない
(試料No.1−1および1−2)。NaOH濃度が、
0.03モル/L以上の場合に吸光度が一定となり、β
−グルカンが検出できるようになる(試料No.1−4
〜10)。エンドスペシーの場合は、注射用蒸留水のみ
による処理では、Etに反応し、β−グルカンとは全く
反応しない(試料No.1−1および1−2)。NaO
H濃度が0.03モル/L以上の場合に吸光度が0とな
り、Etの活性が失われることが判る。
【0031】すなわち、本実施例では、試料が水溶液の
場合、NaOH濃度が0.03モル/L付近以上で、6
0℃、10分間前処理することにより、Etを不活性化
するとともにβ−グルカンの三重らせん構造を解いてG
因子活性化能を有する構造に変換してG因子を活性化す
るため、吸光度の値が一定となり、被検液中のβ−グル
カンの真の値をβ−グルカン特異的リムルス試薬ではも
ちろんのこと、非特異的リムルス試薬を用いても、正確
かつ高い信頼度を以て再現性よく検出することが可能で
あることが明らかである。
【0032】実施例2 健常人PRP180μLに、99%三重らせん構造から
なるレンチナン(味の素(株)販売、200ng/mL
水溶液)10μLとEt(Serratiamarce
scens由来、Sigma社販売、8ng/mL水溶
液)10μLとを添加し、これに蒸留水あるいは各種濃
度のKOH水溶液800μLを加え、混合後、37℃で
30分加温した。氷冷後、処理混液のうち、50μLを
試験管にとり、HCl水溶液50μLを加えて中和し、
これにGテスト液、トキシカラー液あるいはエンドスペ
シー液100μLを加え、37℃で30分間加温して反
応させ、次いで0.04%亜硝酸ナトリウム(0.48
モル/L塩酸溶液)、0.3%スルファミン酸アンモニ
ウム、0.07%N−1−ナフチルエチレンジアミン二
塩酸塩を各0.5mLずつ順次加えてジアゾカップリン
グし、545nmで吸光度を測定した。沈殿を生じた場
合は、遠心分離して、その上清を測定した。 該前処理
された被検液の各テストの測定値(吸光度)を表2に示
す。
【0033】
【表2】
【0034】なお、表2中、KOH濃度(モル/L)
は、被検液における濃度を示し、吸光度はブランク値を
差し引いた値を表示した。ブランクは、PRPの代わり
に蒸留水を用い、前処理剤として注射用蒸留水を用い
た。また、被検液としてEt水溶液を注射用蒸留水に置
換、および/またはレンチナン水溶液を蒸留水に置換し
た場合も示した。
【0035】表2によれば、PRP中には、リムルス反
応妨害因子が存在するため、注射用蒸留水のみによる処
理では、β−グルカンもEtもほとんど検出されず(N
o.2−1〜4)、この因子は、0.06モル/L以上
のKOH中で、37℃、30分間加温処理することによ
り、不活性化されることが判る(試料No.2−6〜1
2)。また、Etは処理KOH濃度の増加に伴って、活
性が低下し、0.7モル/L以上の処理によって、完全
に不活性化する(試料No.2−10〜12)。一方、
99%三重らせん構造をとるレンチナンは、0.06モ
ル/L以上のKOHで処理すると、三重らせんが変化
し、高い反応性を示す。すなわち、Etとβ−グルカン
が共存する血漿を処理時0.7モル/L以上となるKO
H水溶液で37℃、30分間前処理すれば、Etとβ−
グルカンが共存している検体でもβ−グルカン特異的試
薬であるGテストを用いなくとも両者に反応する通常の
リムルス試薬(非特異的リムルス試薬)により、β−グ
ルカンのみを正確に検出できることが判る(試料No.
2−10〜12)。
【0036】また、実際に臨床検体を実施例2に準じて
前処理剤で処理し、トキシカラーで測定したところ、深
在性真菌症患者検体のみが高値を示した。 実施例3 表3に示す金属イオンを含む水溶液に100%三重らせ
ん構造からなるシゾフィラン(商品名ソニフィラン)を
10ng/mLとなるように添加したもの0.2mL
に、0.1モル/LのEDTA4Na塩溶液0.025
mLを添加し氷冷下5分間放置後、3モル/L水酸化ナ
トリウム溶液0.025mLを添加するか(逐次添
加)、あるいは0.20モル/LのEDTA4Na塩溶
液を含む1.5モル/L水酸化ナトリウム0.05mL
を添加(同時添加)した後、室温下10分間放置後、注
射用蒸留水で10倍希釈し、その内の0.05mLを被
検液として、実施例1と同様にGテストを用いてその反
応性を調べた。結果を表3に示す。表中には金属イオン
を含まないソニフィラン水溶液をEDTA4Na塩を含
まない水酸化ナトリウム溶液で処理(処理時0.3モル
/L)した場合を100%、またEDTA4Na溶液お
よび水酸化ナトリウム溶液の代わりに注射用蒸留水を用
いた場合を0%とした相対活性を示した。なお、金属イ
オンを含む試料を測定する際のEDTA4Na塩の添加
効果を調べるために上記逐次添加においてEDTA4N
a塩溶液の代わりに等量の注射用蒸留水を用いた実験も
行った。また上記逐次添加の添加順序を逆にした実験も
行った。
【0037】
【表3】 表3 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 金属イオン水溶液 EDTA4NaとNaOHの添加の 相対活性 有無(+/−)と添加方法 (%) EDTA4Na NaOH 添加方法 (A) (B) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 注射用蒸留水 (対照例) − − 0 注射用蒸留水 (対照例) − + 100 10 mM MgCl2 − + 2.6 10 mM MgCl2 + + 逐次(A→B) 124.0 10 mM MgCl2 + + 逐次(B→A) 0.6 10 mM CaCl2 − + 2.8 10 mM CaCl2 + + 同時 105.9 0.5 mM FeCl2 − + 2.0 0.5 mM FeCl2 + + 逐次(A→B) 98.8 0.5 mM FeCl3 − + 0 0.5 mM FeCl3 + + 同時 95.6 0.05 mM MnSO4 − + 4.0 0.05 mM MnSO4 + + 逐次(A→B) 105.0 リンゲル液(含2.24mM CaCl2) + + 同時 113.2 人工腎臓用透析液 − + 3.8 人工腎臓用透析液 + + 同時 97.5 (含1.5mM CaCl2, 0.5mM MgCl2) PBS (+) + + 逐次(A→B) 107.4 (含0.901mM CaCl2, 0.492mM MgSO4) ハンクス液 + + 逐次(A→B) 105.2 (含1.26mM CaCl2, 0.812mM MgSO4) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0038】表3の結果より、三重らせん構造をとるシ
ゾフィランの水溶液中にMg2+やCa2+が存在するとア
ルカリのみで処理してもGテスト反応性は高まらない
が、キレート剤をアルカリ添加と同時あるいは添加前に
添加すると、シゾフィランのGテスト反応性が高まり、
高感度に検出定量できることが判った。上記実験におい
て水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを用いた
実験を行ったが、上記とほぼ同様の結果が得られた。
【0039】
【発明の効果】本発明は、三重らせん構造を主体とする
β−グルカンの他に、Etおよび/またはG因子系反応
妨害因子(リムルス反応妨害因子)を含む試料中のβ−
グルカンを測定する際に、該試料を強アルカリ性の前処
理剤で処理するという簡便な手段を採用することによっ
て、上記Etおよび/またはG因子系反応妨害因子の反
応系への影響を完全に除去することができ、かつβ−グ
ルカンがG因子を活性化しない三重らせん構造をとって
いても、それをG因子活性化能を有する構造に変換でき
るので、Etにも反応性を有する非特異的リムルス試薬
を使用してβ−グルカンを正確に定量できる。また、本
発明は三重らせん構造を主体とするβ−グルカンの他に
金属イオンを含む試料中のβ−グルカンを測定する際
に、該試料をキレート剤の存在下において強アルカリ性
の前処理剤で処理することにより、強アルカリ処理によ
ってβ−グルカンの三重らせん構造がG因子活性化能を
有する構造に変換されるのを、金属イオンが阻害する現
象を防止することができるので、透析後、リンゲル液な
どの金属イオンを含み得る試料中のβ−グルカンを正確
に定量することができる。さらに、本発明の測定法を使
用して生体由来試料中のβ−グルカンを測定すると高精
度で再現性の高い結果が得られる。本発明のβ−グルカ
ンの測定法を臨床検査に応用することによって、通常の
検査法では診断がきわめて困難な深在性真菌感染症の診
断を迅速かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カブトガニ・アメボサイト・ライセートの(1
→3)−β−D−グルカン及びエンドトキシンによるカ
スケード反応の反応機構を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(1→3)−β−D−
グルカン(以下「β−グルカン」ともいう)の測定方法
に関する。特に、反応妨害因子として試料中に含まれる
可能性のある、リムルスC因子系反応に関与するエンド
トキシン(以下「Et」とも記す)単独またはEtおよ
びリムルスG因子とβ−グルカンとの特異的反応を妨害
する反応妨害因子(以下「G因子系反応妨害因子」とも
いう)の双方を含む可能性のある試料中あるいはリンゲ
ル液、透析液等の金属イオンを含み得る試料中のβ−グ
ルカンをリムルス試薬を用いて高い精度で測定できる方
法に関するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、 三重らせ
ん構造を主体とする(1→3)−β−D−グルカンを含
み得る試料を、強アルカリ性条件下で前処理し、反応妨
害因子として試料中に含まれる可能性のある、エンドト
キシン単独またはエンドトキシンとG因子系反応妨害因
子とを破壊もしくは不活性化した後、リムルス試薬によ
るリムルス反応に付すことを特徴とする(1→3)−β
−D−グルカンの測定方法、 リムルス試薬が非特異
的リムルス試薬であることを特徴とする前記記載の
(1→3)−β−D−グルカンの測定方法、 アルカ
リ金属水酸化物を試料中に存在させて強アルカリ性条件
下とする前記または記載の(1→3)−β−D−グ
ルカンの測定方法、 試料中のアルカリ金属水酸化物
濃度を0.03〜2.0モル/Lの条件下で前処理する
ことを特徴とする前記に記載の測定方法、および前
処理を0〜135℃の条件下で行う前記〜のいずれ
か1項に記載の測定方法、 試料が金属イオンを含み
得るものであり、試料を、キレート剤の存在下において
前処理する前記記載の(1→3)−β−D−グルカン
の測定方法、 三重らせん構造を主体とする(1→
3)−β−D−グルカンと金属イオンとを含み得る試料
を、キレート剤の存在下において強アルカリ性条件下で
前処理した後、リムルス試薬によるリムルス反応に付す
ことを特徴とする(1→3)−β−D−グルカンの測定
方法、 前記前処理を、試料にキレート剤を添加後、
強アルカリ性条件下で行うか、または試料にキレート剤
を添加する際に強アルカリ性条件下とする前記記載の
(1→3)−β−D−グルカンの測定方法、 リムル
ス試薬が、カブトガニ血リンパ凝固系のC因子系成分を
実質的に含まないか、あるいはC因子系反応が阻害さ
れ、エンドトキシンと反応せず、(1→3)−β−D−
グルカンに特異的なものである、前記記載の(1→
3)−β−D−グルカンの測定方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】また、実際に臨床検体を実施例2に準じて
前処理剤で処理し、トキシカラーで測定したところ、深
在性真菌症患者検体のみが高値を示した。 実施例3 表3に示す金属イオンを含む水溶液に100%三重らせ
ん構造からなるシゾフィラン(商品名ソニフィラン)を
1.0ng/mLとなるように添加したもの0.2mL
に、0.1モル/LのEDTA4Na塩溶液0.025
mLを添加し氷冷下5分間放置後、3モル/L水酸化ナ
トリウム溶液0.025mLを添加するか(逐次添
加)、あるいは0.20モル/LのEDTA4Na塩溶
液を含む1.5モル/L水酸化ナトリウム0.05mL
を添加(同時添加)した後、室温下10分間放置後、注
射用蒸留水で10倍希釈し、その内の0.05mLを被
検液として、実施例1と同様にGテストを用いてその反
応性を調べた。結果を表3に示す。表中には金属イオン
を含まないソニフィラン水溶液をEDTA4Na塩を含
まない水酸化ナトリウム溶液で処理(処理時0.3モル
/L)した場合を100%、またEDTA4Na溶液お
よび水酸化ナトリウム溶液の代わりに注射用蒸留水を用
いた場合を0%とした相対活性を示した。なお、金属イ
オンを含む試料を測定する際のEDTA4Na塩の添加
効果を調べるために上記逐次添加においてEDTA4N
a塩溶液の代わりに等量の注射用蒸留水を用いた実験も
行った。また上記逐次添加の添加順序を逆にした実験も
行った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【発明の効果】本発明は、三重らせん構造を主体とする
β−グルカンの他に、Etおよび/またはG因子系反応
妨害因子(リムルス反応妨害因子)を含む試料中のβ−
グルカンを測定する際に、該試料を強アルカリ性の前処
理剤で処理するという簡便な手段を採用することによっ
て、上記Etおよび/またはG因子系反応妨害因子の反
応系への影響を完全に除去することができ、かつβ−グ
ルカンがG因子を活性化しない三重らせん構造をとって
いても、それをG因子活性化能を有する構造に変換でき
るので、Etにも反応性を有する非特異的リムルス試薬
を使用してβ−グルカンを正確に定量できる。また、本
発明は三重らせん構造を主体とするβ−グルカンの他に
金属イオンを含む試料中のβ−グルカンを測定する際
に、該試料をキレート剤の存在下において強アルカリ性
の前処理剤で処理することにより、強アルカリ処理によ
ってβ−グルカンの三重らせん構造がG因子活性化能を
有する構造に変換されるのを、金属イオンが阻害する現
象を防止することができるので、透析液、リンゲル液な
どの金属イオンを含み得る試料中のβ−グルカンを正確
に定量することができる。さらに、本発明の測定法を使
用して生体由来試料中のβ−グルカンを測定すると高精
度で再現性の高い結果が得られる。本発明のβ−グルカ
ンの測定法を臨床検査に応用することによって、通常の
検査法では診断がきわめて困難な深在性真菌感染症の診
断を迅速かつ正確に行うことができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三重らせん構造を主体とする(1→3)
    −β−D−グルカンを含み得る試料を、強アルカリ性条
    件下で前処理し、反応妨害因子として試料中に含まれる
    可能性のある、エンドトキシン単独またはエンドトキシ
    ンとG因子系反応妨害因子とを破壊もしくは不活性化し
    た後、リムルス試薬によるリムルス反応に付すことを特
    徴とする(1→3)−β−D−グルカンの測定方法。
  2. 【請求項2】 リムルス試薬が非特異的リムルス試薬で
    あることを特徴とする請求項1記載の(1→3)−β−
    D−グルカンの測定方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属水酸化物を試料中に存在さ
    せて強アルカリ性条件下とする請求項1または2記載の
    (1→3)−β−D−グルカンの測定方法。
  4. 【請求項4】 試料中のアルカリ金属水酸化物の濃度を
    0.03〜2.0モル/Lの条件下で前処理する請求項
    3記載の(1→3)−β−D−グルカンの測定方法。
  5. 【請求項5】 前処理を0〜135℃の条件下で行う請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の(1→3)−β−D
    −グルカンの測定方法。
  6. 【請求項6】 試料が金属イオンを含み得るものであ
    り、キレート剤の存在下において前処理する請求項1記
    載の(1→3)−β−D−グルカンの測定方法。
  7. 【請求項7】 三重らせん構造を主体とする(1→3)
    −β−D−グルカンと金属イオンとを含み得る試料を、
    キレート剤の存在下において強アルカリ性条件下で前処
    理した後、リムルス試薬によるリムルス反応に付すこと
    を特徴とする(1→3)−β−D−グルカンの測定方
    法。
  8. 【請求項8】 前記前処理を、試料にキレート剤を添加
    後、強アルカリ条件下で行うか、または試料にキレート
    剤を添加する際に強アルカリ条件下とする請求項7記載
    の(1→3)−β−D−グルカンの測定方法。
  9. 【請求項9】 リムルス試薬が、カブトガニ血リンパ凝
    固系のC因子系成分を実質的に含まないか、あるいはC
    因子系反応が阻害され、エンドトキシンと反応せず、
    (1→3)−β−D−グルカンに特異的なものである、
    請求項8記載の(1→3)−β−D−グルカンの測定方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080448A1 (ja) 2005-01-27 2006-08-03 Seikagaku Corporation リムルス測定用前処理剤
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