JPH0712936B2 - 高純度含水酸化鉄の製造方法 - Google Patents

高純度含水酸化鉄の製造方法

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JPH0712936B2
JPH0712936B2 JP25873986A JP25873986A JPH0712936B2 JP H0712936 B2 JPH0712936 B2 JP H0712936B2 JP 25873986 A JP25873986 A JP 25873986A JP 25873986 A JP25873986 A JP 25873986A JP H0712936 B2 JPH0712936 B2 JP H0712936B2
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芳久 牧野
信夫 寺本
光一 畑
利則 馬場
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荏原インフイルコ株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鋼材、すなわち鋼板や型、棒、線材を塩酸酸
洗を行なった際に生じる塩酸酸洗廃液(以下「酸洗廃
液」という)からフェライト用酸化鉄などの原料として
の含水酸化鉄を製造する方法に関する。
〔従来技術〕 酸洗廃液から酸化鉄を製造する方法には、(a)焙焼法
と(b)中和法とがあるが、従来、酸化鉄の製造と共に
塩酸を回収できる焙焼法が一般に行なわれて来た。しか
し焙焼法では600〜800℃の火炎中に酸洗廃液を投入熱分
解するため、得られる酸化鉄は粒度にバラツキがあり、
かつフェライト用酸化鉄として使用した場合反応性が低
く、しかも気相中へのHClガスの移行による公害発生の
懸念がある。一方、水溶液から析出させる方法、いわゆ
る中和法によれば塩酸の回収は不可能であるにしても、
上記した欠点がないので有利である。
中和法においては、例えば特公昭49−21040号に記載さ
れている如く、第一鉄イオンを含む原液に酸素ガスを導
入すると共に、アルカリ剤を注入し、原液のpHを上げる
ことにより、第一鉄イオンの酸化を容易に行なえるよう
にしている。アルカリ剤としてはナトリウム塩、アンモ
ニウム塩、カルシウム塩等を使用できるが、ナトリウム
塩やアンモニウム塩は高価であるが、カルシウム塩は安
価であるから、工業的にはカルシウム塩のみが使用でき
る。工業的なカルシウム塩の組成を第1表に示す。
従来、第1表に示すカルシウム塩、特に消石灰をそのま
まアルカリ剤として使用していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
一般に酸洗廃液には鋼材に含まれているSi,Al,Mnなどが
含有されており、したがって酸洗廃液から製造する含水
酸化鉄、さらに含水酸化鉄を焼成して製造されるフェラ
イト用酸化鉄にもSi等の不純物が混入してくる。
フェライト用酸化鉄に含まれる不純物の量が多くなると
その品質が低下するのでフェライト用酸化鉄には第2表
に示す如き規格が設けられている。しかし一般にSiO2
の不純物が0.1%以下であればフェライト用酸化鉄とし
て使用できる。この点、焙焼法で製造された酸化鉄の組
成は第3表に示すものであるから、フェライト用酸化鉄
として使用できる。
他方、アルカリ剤を使用する中和法においては、アルカ
リ剤として従来、一般に消石灰(第1表参照)が使用さ
れてきたが、以下に述べるようにこの消石灰使用に伴な
う不純物の混入が問題であった。一般に消石灰は粒径1m
m以下の生石灰を含む比較的微粉の生石灰を地下水等で
消化して製造される。このため、粒径1mm以下の微粉に
含まれるSiO2および地下水等に溶存しているSiO2が消石
灰中に入ってくる。この消石灰はその後分級されて品質
別に粒径590μm以下、149μm以下、44μm以下の各製
品になる。この分級工程で比較的粗粒のSiO2は除去でき
るが、粒径1mm以下の微粉生石灰や地下水等に溶存して
いるSiO2は極めて微細であるため分級後の各製品消石灰
中への混入は不可避である。
そこで本発明はカルシウム塩アルカリ剤からSiO2を除去
することにより、SiO2含量の低下した高純度含水酸化鉄
を得ることを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するための本発明は、第一鉄塩を含む
酸性廃液からアルカリ剤を使用する中和法により含水酸
化鉄を製造する方法において、生石灰を乾式分級により
篩分けし、粒径1mm以上のものを得、これを消化した
後、篩分けを行なって粒径0.5mm以下として消化生石灰
をアルカリ剤として用いることを特徴としている。
〔作用〕
本発明においては、生石灰をアルカリ剤製造の出発原料
としている。生石灰は従来一般に使用されている消石灰
と比較してSiO2含量が低い(第1表参照)から、生石灰
を上記原料として選択することによりSiO2の含水酸化鉄
への混入を従前よりも低下できる。
次に、生石灰の粒子の内、特にSiO2含量の高い、粒径1m
m以下の粒子を乾式分級により分別することにより生石
灰のSiO2含量が低下する。
さらに、分級後の生石灰を消化し、消化生石灰を製造す
る。この消化生石灰は粒径約2.5mm以下の微粉であり、S
iO2を主成分とする比較的粗粒(0.5mm以上)の脈石が混
在している。したがって、篩分けにより粒径0.5mm以上
の粗粒を除去し、粒径0.5mm以下の粒子を分級すること
により、SiO2量の著しく減少した消化生石灰が得られ
る。
しかして、このようにして得られる消化生石灰を中和法
のアルカリ剤として使用すれば、SiO2含量の少ない含水
酸化鉄が得られる。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明を第1図にしたがって説明する。
本発明ではアルカリ剤製造の出発原料として、工業上使
用される生石灰(第1表参照)を使用する。そこで、こ
の生石灰からSiO2含量を減少させるため以下の工程を採
用する。
工業的に使用される生石灰に含有されるSiO2は特に1mm
未満の微細な粉体中に特に多い。したがって、まず、生
石灰を乾式分級によって粒径1mm未満の部分を除去す
る。
次に、得られる粒径1mm以上の粒子を消化して、消化生
石灰を製造する。この消化生石灰は粒径2.5mm以下の微
粉であり、このうち比較的粒径の大きいものにはSiO2
脈石状態で含有されている。
したがって、この消化生石灰を篩分けによって粒径0.5m
mを超える部分を除去し、粒径0.5mm未満の粉を分取し、
これをアルカリ剤として使用するものである。
次に、本発明の完成に至る過程を説明する。
一般に、鋼材の塩酸酸洗廃液にアルカリ剤を使用して得
られる含水酸化鉄には不純物としてのSiO2が含まれる
が、このSiO2は上記廃液とアルカリ剤との双方に由来す
る。そこで本発明者らは、含水酸化鉄中のSiO2含量が0.
1%以内となるために要求される、アルカリ剤中のSiO2
含量の許容限度を知るため、第2図に示したような中和
法の装置を用いて、酸洗廃液中のSiO2およびアルカリ剤
中のSiO2と含水酸化鉄中のSiO2含量との関係を調査し
た。すなわち、第2図において、まず酸洗廃液1を反応
槽4に導き、上部よりアルカリ剤2を注入し、下部より
空気又は酸素ガス3を吹込んで十分攪拌し、反応させ
る。次いで得られる含水酸化鉄のスラリーを沈降分離槽
5に導き、上部から処理水6を系外に排出すると共に、
下部より得られる含水酸化鉄スラッジの一部を反応槽4
に返送すると共に、残部7を製品含水酸化鉄とする。
その結果、反応槽4内のスラリーのpHが5〜8という状
態では、酸洗廃液1およびアルカリ剤2中のSiO2は全て
含水酸化鉄スラッジ7に混入することが判明した。反応
系に入ったSiO2が全て含水酸化鉄中に含有されることが
明確になったので、マスバランスにより、酸洗廃液、ア
ルカリ剤および含水酸化鉄中のSiO2含量の関係が定ま
る。この関係を第3図に示す。同図において、含水酸化
鉄中のSiO2含量が、0.10%となる場合を直線で示した。
ところで、第3表におけるSiO2含量、すなわち焙焼法で
製造した含水酸化鉄中のSiO2含量は、酸洗廃液中のSiO2
含量に等しい。つまり、酸洗廃液中のSiO2含量は第3表
より0.04〜0.07%である。
したがって、製品たる含水酸化鉄中のSiO2含量が0.10%
以内となるためには、第3図より、アルカリ剤中のSiO2
含量は0.07%以下でなければならない。しかし、従来使
用されている消石灰のSiO2含量は0.12%であり、0.07%
以上であるから使用すべきではない。
そこで本発明者らは、カルシウム塩アルカリ剤の組成に
ついて鋭意検討した結果、以下に述べるように、粒径1m
m以上の生石灰を分級し、これを消化して得られる消石
灰(以下「消化生石灰」という)をアルカリ剤として用
いることが含水酸化鉄、したがって製品フェライト用酸
化鉄中のSiO2含量を低下する上できわめて有効であるこ
とを見い出したのである。
本発明において、出発原料である生石灰としては、鉱脈
から採掘した石灰岩を粒径100mm以下に破砕後、表面に
付着した表土を水洗により除去したものを約1000℃で焼
成して得られる。ところが、水洗による表土の除去が完
全を期し難いことや焼成時の燃料に起因する灰分の発生
があることから、焼成後の生石灰の表面にはSiO2含有量
の高い層が生成する。この層の厚さは約1mmである。生
石灰はその後の破砕や分級工程を経て種々の粒度の生石
灰製品となるが、その際、表面のSiO2の多い層は削られ
て粒径1mm以下の粉体となる。
したがって本発明では、生石灰を乾式分級により篩分け
して粒径約1mm以上の部分を分取し、SiO2含量を低下さ
せる。
次にこの分級によって得られる粒径1mm以上の生石灰を
消化することにより消化生石灰を製造する。この消化生
石灰の成分例を第4表に示す。
第4表から明らかなように消化生石灰のSiO2含量はまだ
高いので更にSiO2量を減少させる必要がある。
ところで、本発明において消化石灰を篩分けして粒径0.
5mm以下とする理由は次の通りである。すなわち、本発
明者らは消化生石灰のSiO2含量を低下させるため、生石
灰中のSiO2の存在状態についてさらに詳しく調査した。
その結果、生石灰のマトリックス部分にはSiO2を主成分
とする比較的粗粒の脈石(粒径0.5mm以上)が混在して
いることを発見した。さらに、生石灰の表面部のSiO2
高い部分と脈石とは成因を異にしており、かつ形状およ
び粒度が異なっていることも知見した。しかるに、本発
明に従って得る消化生石灰中にはその製造法から明らか
なように脈石の大部分は消化生石灰に残存する。従っ
て、消化生石灰から脈石部分を除去するとにより、消化
生石灰中のSiO2含量は著しく低下させることができる。
したがって、消化生石灰の粒度は第4図に示すように粒
径の小さい部分(粒径0.2mm以下)が主体であるが、粒
径の大きい部分は脈石が主体となっていることが明らか
となった。そこで、脈石の粒度を見るため、生石灰を塩
酸溶液中に混合攪拌した後その不溶分を分取し、粒度を
測定した結果が第5図である。生石灰のうち塩酸不溶分
は殆んどが脈石状態で存在してるものと考えられ、粒径
が0.1〜3mmの範囲に集中している。
そこで第4図および第5図を検討した結果、消化生石灰
を0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下の粒径で分級すれば
良いとの判断に基づき、各種分級粒径で分級した場合の
SiO2含量を調査した結果が第4表である。
第4表より、消化生石灰を500μm、好ましくは200μm
の粒径で分級すれば、消化生石灰のSiO2含量が著しく低
下することが明らかとなった。
次に本発明に適用できる分級方法について述べる。一般
に、生石灰は消化により粒径約250μm以下の微粉にな
るため、空気分級等の乾式分級でも脈石分の分離はある
程度まで可能であり、実際、一般に消石灰の製造におい
ては、消化後乾式分級して純度を向上させている。
他方、湿式分級においては、消化生石灰に多量の水を加
えて石灰乳の状態にして分級するため消化生石灰の一部
は水に溶解しその粒径か粒径149μm以下になる。この
ため、脈石との分離が容易となり、特に分級の粒径を50
0μm以下にすることにより脈石分以外のSiO2分の除去
をも比較的容易にできる。したがって本発明では湿式分
級を採用することが望ましい。なお、湿式分級の具体例
としては、水を加えながら篩でふるう方法や湿式分級
機、すなわち動式、機械式、水力式、水分式、遠心力式
などを使用できる。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1) 生石灰の塊を粉砕し粉末とし、これを乾式分級による篩
分けを行ない、粒径1000μm以上の粗い部分を分取し、
これを消化する。次いで、得られる消化生石灰を湿式分
級して粒径500μm以下の細かい部分を集めた。
次に、第2図に示す中和法の装置により、鋼材の酸洗廃
液をこの消化生石灰の懸濁液を用いて処理して含水酸化
鉄を製造した。さらに、この含水酸化鉄を洗浄後、500
℃で焼成し、酸化鉄を製造した。得られた酸化鉄中のSi
O2含量を分析したところ、SiO2/Fe2O3で0.09%であっ
た。したがってこの酸化鉄はフェライト用として使用で
きる。
(実施例2) 実施例1と同様の方法で生石灰の粉末を造り、乾式分級
により、その粒径が2000μm以上の粗い部分を分取し、
それを消化して消化生石灰を得た。次いで、この消化生
石灰を湿式分級して粒径149μm以下の細かい部分を集
めた。次に、この消化生石灰の懸濁液を使用して、実施
例1と同様にして酸洗廃液から酸化鉄を造り、その中の
SiO2含量を分析したところ、SiO2/Fe2O3で0.08%であ
った。したがって、本実施例においても、フェライト用
酸化鉄として十分使用できる酸化鉄を得た。
(比較例1) 第1表に示されている消石灰をそのままアルカリ剤とし
て使用する以外は実施例1と同一の条件で酸化鉄を製造
し、その中のSiO2含量を分析した結果、SiO2/Fe2O3
0.15%であった。これでは0.10%を超えており、フェラ
イト用酸化鉄としては使用できない。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明においては、SiO2含量の極めて低い
含水酸化鉄を得ることができ、これを原料として高品位
のフェライト用酸化鉄を経済的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る工程図、第2図は本発明を実施す
るための装置図、第3図は廃液、石灰および酸化鉄中の
SiO2含量の関係を示す図、第4図は消化生石灰の粒度を
示す図、第5図は生石灰の塩酸不溶分の粒度を示す図で
ある。 1…塩酸酸洗廃液、2…アルカリ剤、3…空気又は酸素
ガス、4…反応槽、5…沈降・分離槽、6…処理水、7
…含水酸化鉄スラッジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺本 信夫 大阪府大阪市東区北浜5丁目15番地 住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 畑 光一 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 馬場 利則 神奈川県藤沢市藤沢4720番地 株式会社荏 原総合研究所内 (72)発明者 高井 雄 神奈川県藤沢市藤沢4720番地 株式会社荏 原総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一鉄塩を含む酸性廃液からアルカリ剤を
    使用する中和法により含水酸化鉄を製造する方法におい
    て、 生石灰を乾式分級により篩分けし粒径1mm以上のものを
    得、これを消化した後、篩分けを行なって粒径0.5mm以
    下とした消化生石灰をアルカリ剤として用いることを特
    徴とする、高純度含水酸化鉄の製造方法。
JP25873986A 1986-10-30 1986-10-30 高純度含水酸化鉄の製造方法 Expired - Lifetime JPH0712936B2 (ja)

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