JPH0713596A - 音声速度変換方法 - Google Patents

音声速度変換方法

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JPH0713596A
JPH0713596A JP5149224A JP14922493A JPH0713596A JP H0713596 A JPH0713596 A JP H0713596A JP 5149224 A JP5149224 A JP 5149224A JP 14922493 A JP14922493 A JP 14922493A JP H0713596 A JPH0713596 A JP H0713596A
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time
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Masayuki Misaki
正之 三崎
Ryoji Suzuki
良二 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波形の不連続性が少なく、かつデータの欠落
をあまり生じること無く音声の再生時間を変える。 【構成】 所定の時間長Tsの信号Aとこれに後続する
時間長Tsの信号Bを基準としてその前後の位置で相関
関数を計算し、相関関数が最大となる位置rkを求め、
その時間遅れrkに基づいて決定される位置で、信号A
と信号B近傍のデータを一定時間長Tsの幅で重み付け
加算する。次に、圧伸比αと前記時間遅れrkによって
決定される所定の時間長に達するまで、重み付け加算区
間に後続する信号を出力する。そして、信号Aの最初の
データを所定の値だけ遅延させた点に再設定して前記全
ての処理を繰り返す処理によって速度比を1.0倍以下
あるいは1.0倍以上に速度変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声の基本周波数を変
えずに後続時間長のみを変える音声速度変換方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、テープレコーダ等に記録され
ている音声信号の早聞きや遅聞きを行うために音声速度
変換装置が利用されている。
【0003】以下、図面を参照しながら、上述したよう
な従来の音声速度変換装置について説明を行う。
【0004】図8は従来の音声速度変換装置の構成を示
すものである。図8において、81はAD変換器、82
はバッファ、83は速度制御回路、84はデータ読出回
路、85はミューティング回路、86はDA変換器であ
る。
【0005】以上のように構成された音声速度変換装置
について、以下その動作を説明する。
【0006】まず入力信号はAD変換器81でディジタ
ル信号に変換され、バッファ82へ書込まれる。次に速
度制御回路83は圧伸比に応じてデータ読出回路84を
制御し、バッファ82からデータを読出させる。このデ
ータの読出方法によって、再生速度を様々に変化させる
ことができる。再生時間を短くする場合には、ブロック
単位で読出すデータを間引く。再生時間を長くする場合
には、ブロック単位で読出すデータを繰返す。そして各
ブロック間の不連続部分はミューティング回路85でミ
ューティングをかけ、DA変換器86でアナログ信号に
変換して出力する。
【0007】図9は圧伸比(時間軸圧縮伸長比=入力信
号に対する出力信号の時間長の比)αが0.5と2.0
の場合を模式的に示したものである。(a)が元の原音
に対して、(b)は時間軸変換比0.5、(c)は時間
軸変換比2.0の場合を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の構成では、時間軸を圧縮して速度を早める場合には、
データを間引くために子音などが欠落して明瞭度が低下
し、さらにブロックの接続点は不連続であり、それを減
らすために接続点をミューティングしているものの、振
幅や位相が不連続で自然性に乏しい音声しか得られない
という課題を有していた。
【0009】また、他の従来の音声速度変換装置では、
TDHS(Time DomeinHarmonic
Scaling)のように入力信号のピッチ周期を用い
る方法もあるが、入力信号に音楽や雑音が重畳している
場合にはピッチの抽出が難しいので適用できない。ま
た、波形を重み付け加算する窓長が速度比とピッチ周期
によって変化しており、求められたピッチ周波数よりさ
らに低い信号を含む信号を重み付け加算すると、その低
周波数成分が不連続的に接続されがちであり、滑らかさ
が欠如するという問題点を有している。
【0010】本発明は上記のような問題点に鑑み、波形
の振幅・位相の両方について不連続性が少なく、データ
の欠落をあまり生じない自然性に富んだ音声を出力で
き、音楽信号などの低周波数成分を含んだ信号を滑らか
に再生することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の音声速度変換方法は、請求項1の発明は、音声
信号において、信号Aと信号B’との相関関数および信
号A’と信号Bとの相関関数とを、所定の時間遅れkの
範囲(0≦k,k<0)で計算し、相関関数が最大とな
る時間遅れrkを求めて、その時間遅れrkに基づいて
決定される位置において、信号A’と信号Bまたは信号
Aと信号B’に対して一定時間長Tsの幅で重み付け加
算を行い、次に、圧伸比αと前記時間遅れrkによって
決定される式{α(Ts−rk),1−α}あるいは式
{α(Ts−rk),α−1}の時間長に達するまで、
重み付け加算区間に後続する信号を出力し、かつ、信号
Aの最初のデータを式{(Ts−rk),1−α}ある
いは式{(Ts−rk),α−1}の時間長だけ遅延さ
せた点に再設定し、前記全ての処理を繰り返す処理によ
って、音声の再生時間の原音に対する速度比を変換する
ことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、速度比を原音の1.0倍以下に速度変換する
ことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項3の発明は、請求項1の発明
において、速度比を原音の1.0倍以上に速度変換する
ことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】この構成によって、信号A’と信号Bまたは信
号Aと信号B’に対して時間長Tsの幅で重み付け加算
を行うことにより加算した信号の欠落および振幅の不連
続が少なくなり、さらに、一定の時間長Tsで重み付け
加算していることにより低周波数成分を含む信号の滑ら
かな接続が可能となる。また、信号A’と信号Bまたは
信号Aと信号B’の相関関数が最大となる時間遅れrk
の位置に基づいて加算することにより波形接続を行う区
間の前後で位相の不整合が少なくなる。
【0015】
【実施例】以下本発明の第1の実施例について、図面を
参照しながら説明する。
【0016】本発明は圧伸比αが式{Ts+kmax,
2・rs}≦α≦1.0の範囲で動作する音声速度変換
方法に係る。
【0017】図1は本発明の第1の実施例における音声
速度変換方法のフローチャートを示すもので、その動作
について説明する。
【0018】この例では、音声信号が離散時間データx
(n)にサンプリングされているものとする。以下の処
理には、入力データポインタとしてP1,P2、および
出力データポインタP3を用いてデータの指定を行う。
まず、ステップ101で、入力ポインタP1の指すアド
レスip1にこれから再生したい音声データの先頭アド
レスに設定する。また、P2の指すアドレスip2には
P1からTs個後のデータを指すようにする。また、出
力ポインタの指すアドレスopには初期値を設定する。
ステップ102で圧伸比αを設定する。この圧伸比αは
前記の式に示した値を満たすものとする。
【0019】次に、ポインタP1からデータ数Ts個の
信号AとポインタP2からデータ数Ts個の信号Bの一
方を基準としてもう一方を時間遅れの向きにずらしてい
き、相関の高くなる位置を求めるために、ステップ10
3で相関関数を演算し、ステップ104で相関関数が最
大となるときの時間遅れに相当するデータ数(時間遅
れ)rkを求める。相関関数CORの計算内容について
は図2に示すように所定の時間遅れkの値の正負に応じ
て使用する音声データの範囲が異なっている。また、計
算を行う時間遅れkの範囲は最大値kmaxと最小値k
minを予め設定しておき、相関遅延を求める範囲には
制限を加える。以上で相関関数が最大となる時間遅れr
kが求められ、ステップ105で音声データをそのまま
出力するデータ数Ttを図3に示すように計算する。こ
のストレートアウト区間のデータ数Ttの計算も時間遅
れrkの正負に応じて計算式が異なる。
【0020】そして、時間遅れrkの値が正のときはス
テップ107,108,109の処理を行って出力波形
を求め、それ以外の場合にはステップ110,111の
処理を行って出力波形を求める。ここで、ステップ10
8,110におけるWdec(i)はiが0のときに大
きさ1でiの増加と共にリニアに単調減少してiがTs
−1のときに0になる窓関数である。また、ステップ1
08,110におけるWinc(i)はiが0のときに
0でiの増加と共にリニアに単調増加してiが(Ts−
1)のときに1になる窓関数である。
【0021】図4に所定の時間遅れkの値が0、正、負
の場合にわけて出力波形が求められる様子を示してい
る。時間遅れrkが正の場合には時間遅れrkが0の場
合に較べて、データ数Ttが短くなっていることがわか
る。逆に、時間遅れrkが負の場合にはデータ数Ttが
長くなっている。これは、時間遅れrkのずれに応じて
データ数Ttの長さを調節して目標の圧伸比αからのず
れがないようにするためである。そして、引き続き処理
を継続する場合にはステップ113に示すように入力デ
ータポインタと出力データポインタの指すアドレスを更
新してから、ステップ102以下の処理を繰り返すよう
にする。
【0022】以上のように本実施例によれば、次に述べ
るような特長を持った再生時間を圧縮して聴取する方法
(音程を変えずに速度を高速にする方法)を実現するこ
とができる。ポインタP1,P2を基準とした相関関数
を計算し、その相関の高くなる位置で重み付け加算をし
ている。これにより、波形を接続する前後の区間で位相
が著しく不整合になることを防いでいる。そして、2つ
の離れた部分の信号は一方は単調減少し、一方は単調増
加する窓関数をかけてから加算されており、波形を接続
する区間における振幅の連続性は良好に保たれる。
【0023】これらによって、従来にない滑らかで自
然、かつ情報欠落やエコー感が少ない明瞭な再生音を得
ることができる。また、重み付け加算を行った後に続く
ストレートアウト区間のデータ数は時間遅れのデータ数
rkが決定された後に計算され、時間遅れのデータ数が
変化することによる圧伸比αのずれを生じることはな
い。さらに、重み付け加算する区間の長さは、入力信号
や時間遅れrkに無関係な一定長Tsで波形をクロスフ
ェードして接続しているので時間遅れrkの値によって
クロスフェード長が短くなることはなく、接続される信
号に含まれる低周波数成分の滑らかな再生音が得られる
ことになる。
【0024】以下本発明の第2の実施例について、図面
を参照しながら説明する。本発明は圧伸比αが式1.0
≦α≦{Ts,kmax}の範囲で動作する音声速度変
換方法を提供するものである。
【0025】図5は本発明の第2の実施例における音声
速度変換方法のフローチャートを示すもので、その動作
について説明する。
【0026】この例でも第1の実施例と同様に、音声信
号は離散時間データx(n)にサンプリングされてお
り、入力データポインタP1,P2、および出力データ
ポインタP3を用いてデータの指定を行う。まず、ステ
ップ501で、入力ポインタP1の指すアドレスip1
にこれから再生したい音声データの先頭アドレスに設定
する。また、P2の指すアドレスip2にはP1からT
s個後のデータを指すようにする。また、出力ポインタ
の指すアドレスopには初期値を設定する。ステップ5
02で圧伸比αを設定する。この圧伸比αは第2の実施
例における前の式に示した値を満たすものとする。次
に、ポインタP1からデータ数Ts個の信号Aとポイン
タP2からデータ数Ts個の信号Bの一方を基準として
もう一方を時間遅れの向きにずらしていき、相関の高く
なる位置を求めるために、ステップ503で相関関数を
演算し、ステップ504で相関関数が最大となるときの
時間遅れに相当するデータ数rkを求める。相関関数C
ORの計算内容については第1の実施例と同様に図2に
示したように計算を行う。
【0027】また、計算を行う所定の時間遅れkの範囲
は最大値kmaxと最小値kminを予め設定してお
き、相関遅延を求める範囲には制限を加える。以上で相
関関数が最大となる時間遅れrkが求められ、ステップ
505で音声データをそのまま出力するデータ数Ttを
図6に示すように計算する。このストレートアウト区間
のデータ数Ttの計算も時間遅れrkの正負に応じて計
算式が異なる。そして、時間遅れrkの値が負のときは
ステップ507,508,509の処理を行って出力波
形を求め、それ以外の場合にはステップ510,511
の処理を行って出力波形を求める。ここで、ステップ5
08,510におけるWdec(i)は、第1の実施例
と同様にiが0のときに大きさ1でiの増加と共にリニ
アに単調減少してiがTs−1のときに0になる窓関数
である。また、ステップ508,510におけるWin
c(i)は、第1の実施例と同様にiが0のときに0で
iの増加と共にリニアに単調増加してiがTs−1のと
きに1になる窓関数である。
【0028】図7に所定の時間遅れkの値が0、負、正
の場合にわけて出力波形が求められる様子を示してい
る。時間遅れrkが正の場合には時間遅れrkが0の場
合に較べて、データ数Ttが短くなっていることがわか
る。逆に、時間遅れrkが負の場合にはデータ数Ttが
長くなっている。これは時間遅れrkのずれに応じてデ
ータ数Ttの長さを調節して目標の圧伸比αからのずれ
が無いようにするためである。そして、引き続き処理を
継続する場合にはステップ513に示すように入力デー
タポインタと出力データポインタの指すアドレスを更新
してから、ステップ502以下の処理を繰り返すように
する。
【0029】以上のように本実施例によれば、次に述べ
るような特長を持った再生時間を伸長して聴取する方法
(音程を変えずに速度を低速にする方法)を実現するこ
とができる。ポインタP1,P2を基準とした相関関数
を計算し、その相関の高くなる位置で重み付け加算をし
ている。これにより、波形を接続する前後の区間で位相
が著しく不整合になることを防いでいる。そして、2つ
の離れた部分の信号は一方は単調減少し、一方は単調増
加する窓関数をかけてから加算されており、波形を接続
する区間における振幅の連続性は良好に保たれる。これ
らによって、従来にない滑らかで自然、かつ情報欠落や
エコー感が少ない明瞭な再生音を得ることができる。
【0030】また、重み付け加算を行った後に続くスト
レートアウト区間のデータ数は時間遅れのデータ数rk
が決定された後に計算され、時間遅れのデータ数rkが
変化することによる圧伸比αのずれを生じることはな
い。さらに、重み付け加算する区間の長さは、入力信号
や時間遅れrkに無関係な一定長Tsで波形をクロスフ
ェードして接続しているので時間遅れrkの値によって
クロスフェード長が短くなることは無く、接続される信
号に含まれる低周波数成分の滑らかな再生音が得られる
ことになる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、信号Aと信号Bの一方を基準
とした相関関数が最大となる時間遅れrkを求め、その
時間遅れに応じて波形を重み付け加算する位置を変更す
ることにより、信号の接続を行う区間の前後で位相が著
しく不整合になることを防いでいる。また、波形の接続
を行う区間において時間的に漸減する窓相関と時間的に
漸増する窓関数を信号に乗算してから加算しているの
で、波形接続を行う区間の振幅の不連続性が無くなる。
さらに、時間遅れrkを決定した後に、式{α(Ts−
rk),1−α}あるいは式{α(Ts−rk),α−
1}に示される値に出力時間長が達するまで、重み付け
加算した信号に後続する信号をそのまま出力するので、
時間遅延のデータ数が変化することによる圧伸比αから
のずれを生じることはない。さらに、一定時間長Tsの
幅で重み付け加算を行ったことにより、接続される信号
に含まれる低周波数成分の滑らかな再生音が得られる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における音声速度変換方
法のフローチャート
【図2】本発明の第1の実施例における音声速度変換方
法の相関関数演算のフローチャート
【図3】本発明の第1の実施例におけるストレートアウ
ト区間の長さを計算するフローチャート
【図4】本発明の第1の実施例における音声速度変換方
法で、入力信号に対して時間遅延rkの値によって重み
付け加算されて得られる出力信号の模式図
【図5】本発明の第2の実施例における音声速度変換方
法のフローチャート
【図6】本発明の第2の実施例におけるストレートアウ
ト区間の長さを計算するフローチャート
【図7】本発明の第2の実施例における音声速度変換方
法で、入力信号に対して時間遅延rkの値によって重み
付け加算されて得られる出力信号の模式図
【図8】従来の音声速度変換装置の構成図
【図9】従来の音声速度変換装置の入力信号と出力信号
の模式図
【符号の説明】
A,B 信号 Ts 所定の時間長 rk 時間遅れ α 圧伸比
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の音声速度変換方法は、請求項1の発明は、音声
信号において、信号Aと信号B’との相関関数および信
号A’と信号Bとの相関関数とを、所定の時間遅れkの
範囲(0≦k,k<0)で計算し、相関関数が最大とな
る時間遅れrkを求めて、その時間遅れrkに基づいて
決定される位置において、信号A’と信号Bまたは信号
Aと信号B’に対して一定時間長Tsの幅で重み付け加
算を行い、次に、圧伸比αと前記時間遅れrkによって
決定される式{α(Ts−rk)/1−α}あるいは式
α(Ts−rk)/α−1}の時間長に達するまで、
重み付け加算区間に後続する信号を出力し、かつ、信号
Aの最初のデータを式{(Ts−rk)/1−α}ある
いは式{(Ts−rk)/α−1}の時間長だけ遅延さ
せた点に再設定し、前記全ての処理を繰り返す処理によ
って、音声の再生時間の原音に対する速度比を変換する
ことを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、速度比を原音の1.0倍以下に速度変換する
ことを特徴とするものである。すなわち次の通りの音声
速度変換方法としたものである。時間軸圧縮伸長比α
(以後、圧伸比と呼ぶ)を入力信号に対する出力信号の
時間長の比で表す。音声信号において、所定の時間長T
sの信号Aと前記信号Aに後続する時間長Tsの信号B
を定め、信号Aより時間遅れk(0≦k)である時間長
Tsの信号を信号A’、信号Bより時間遅れ−k(k<
0)である時間長Tsの信号を信号B’と表す。信号A
と信号B’の相関関数および信号A’と信号Bの相関関
数とを所定のkの範囲で計算し、相関関数が最大となる
時間遅れrkを求める。そして、次のようにrkの値に
よって出力信号を求める手順が分かれる。rkが正の値
の場合には、a)信号Aの先頭から時間遅れrk−1までのデータ
をそのまま出力した後に信号A’と信号Bに対して時間
長Tsの幅で重み付け加算を行った信号を出力する。b)圧伸比αと前記時間遅れrkによって決定される
次の分数式{α(Ts−rk)/1−α}の値に(a)
以降に出力したデータの時間長が達するまで、前記重み
付け加算をした信号Bに後続する信号をそのまま出力す
る。 一方、rkが負またはゼロの場合には、a’)信号Aと信号B’に対して時間長Tsの幅で重
み付け加算を行った信号を出力する。b’)圧伸比αと前記時間遅れrkによって決定され
る次の分数式{α(Ts−rk)/1−α}の値に
(a’)以降に出力したデータの時間長が達するまで、
前記重み付け加算をした信号B’に後続する信号をその
まま出力する。 ここで、重み付け加算はこの区間の前後で信号の振幅が
滑らかに接続されるような重みをそれぞれの信号に対し
てかけるものであり、信号Aまたは信号A’には時間的
に漸減する窓関数を乗算し、信号Bまたは信号B’には
時間的に漸増する窓関数を乗算して加算される。そし
て、信号Aの最初のデータを次の分数式{Ts−rk/
1−α}だけ遅延させた点に再設定して、上述した処理
を引き続き繰り返す。以上のように処理を行うことで音
声の再生時間を原音の1.0倍以下に変化させることが
できる音声速度変換方法としたものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、請求項3の発明は、請求項1の発明
において、速度比を原音の1.0倍以上に速度変換する
ことを特徴とするものである。すなわち次の通りの音声
速度変換方法としたものである。時間軸圧縮伸長比α
(以後、圧伸比と呼ぶ)を入力信号に対する出力信号の
時間長の比で表す。音声信号において、所定の時間長T
sの信号Aと前記信号Aに後続する時間長Tsの信号B
を定め、信号Aより時間遅れk(0≦k)である時間長
Tsの信号を信号A’、信号Bより時間遅れ−k(k<
0)である時間長Tsの信号を信号B’と表す。信号A
と信号B’の相関関数および信号A’と信号Bの相関関
数とを所定のkの範囲で計算し、相関関数が最大となる
時間遅れrkを求める。そして、次のようにrkの値に
よって出力信号を求める手順が分かれる。rkが負の値
の場合には、a)信号Bの先頭から時間遅れrk−1までのデータ
をそのまま出力した後に信号B’と信号Aに対して時間
長Tsの幅で重み付け加算を行った信号を出力する。b)圧伸比αと前記時間遅れrkによって決定される
次の分数式{α(Ts−rk)/α−1}の値に(a)
以降に出力したデータの時間長が達するまで、前記重み
付け加算をした信号Aに後続する信号をそのまま出力す
る。 一方、rkが正またはゼロの場合には、a’)信号Bと信号A’に対して時間長Tsの幅で重
み付け加算を行った信号を出力する。b’)圧伸比αと前記時間遅れrkによって決定され
る次の分数式{α(Ts−rk)/α−1}の値に
(a’)以降に出力したデータの時間長が達するまで、
前記重み付け加算をした信号A’に後続する信号をその
まま出力する。 ここで、重み付け加算はこの区間の前後で信号の振幅が
滑らかに接続されるような重みをそれぞれの信号に対し
てかけるものであり、信号Aまたは信号A’には時間的
に漸増する窓関数を乗算し、信号Bまたは信号B’には
時間的に漸減する窓関数を乗算して加算される。そし
て、信号Aの最初のデータを次の分数式{(Ts−r
k)/α−1}だけ遅延させた点に再設定して、上述し
た処理を引き続き繰り返す。以上のように処理を行うこ
とで音声の再生時間を原音の1.0倍以上に変化させる
ことができる音声速度変換方法としたものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明は圧伸比αが式{Ts+kmax/
2・Ts}≦α≦1.0の範囲で動作する音声速度変換
方法に係る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】以下本発明の第2の実施例について、図面
を参照しながら説明する。本発明は圧伸比αが式1.0
≦α≦{Ts/kmax}の範囲で動作する音声速度変
換方法を提供するものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【発明の効果】本発明は、信号Aと信号Bの一方を基準
とした相関関数が最大となる時間遅れrkを求め、その
時間遅れに応じて波形を重み付け加算する位置を変更す
ることにより、信号の接続を行う区間の前後で位相が著
しく不整合になることを防いでいる。また、波形の接続
を行う区間において時間的に漸減する窓関数と時間的に
漸増する窓関数を信号に乗算してから加算しているの
で、波形接続を行う区間の振幅の不連続性が無くなる。
さらに、時間遅れrkを決定した後に、式{α(Ts−
rk)/1−α}あるいは式{α(Ts−rk)/α−
1}に示される値に出力時間長が達するまで、重み付け
加算した信号に後続する信号をそのまま出力するので、
時間遅延のデータ数が変化することによる圧伸比αから
のずれを生じることはない。さらに、一定時間長Tsの
幅で重み付け加算を行ったことにより、接続される信号
に含まれる低周波数成分の滑らかな再生音が得られる利
点がある。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる本発明
は、音声の信号を入力し、時間軸上でα倍に圧縮または
伸張した信号に変換して出力する音声速度変換方法にお
いて、α≦1に圧縮するとき、前記入力信号のうち、所
定の時間長Ts の信号を信号A、前記信号Aに続く時間
長Ts の信号を信号B、前記信号Aから時間k(k≧
0)だけ遅れた時間長Ts の信号を信号A’、前記信号
Bから時間−k(k<0)だけ遅れた時間長Ts の信号
をB’とし、信号Aと信号B’との相関関数と、信号
A’と信号Bとの相関関数とを所定の範囲kmin≦k≦
kmaxなるkについて演算し、前記相関関数を最も大き
くするk=rkについて、(a)rk≧0であるとき、
信号Aを先頭から時間遅れrk直前までを出力し、続い
てk=rkである信号A’と信号Bとを、時間長Ts の
期間で信号A’については漸減する窓関数、信号Bにつ
いては漸増する窓関数を乗算して加重加算した信号を出
力し、続いて前記信号Bに継続する信号を有限時間長出
力することにより、式α(Ts−rk)/(1−α)で
与える時間長の信号列を生成出力し、また、(b)rk
<0であるとき、信号Aとk=rkである信号B’と
を、時間長Tsの期間で信号Aについては漸減する窓関
数、信号B’については漸増する窓関数を乗算して加重
加算した信号を出力し、続いて前記信号B’に継続する
信号を有限時間長出力することにより、式α(Ts−r
k)/(1−α)で与える時間長の信号列を生成出力
し、前記信号列を出力したのち、信号Aを改めて式(T
s−rk)/(1−α)で与える遅れ位置に設定してつ
ぎの信号列を生成出力する処理を順次に繰り返すことに
より、音声の信号を時間軸上でα≦1に短縮して出力す
る音声速度変換方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また、請求項2に係わる本発明は、音声の
信号を入力し、時間軸上でα倍に圧縮または伸張した信
号に変換して出力する音声速度変換方法において、α≧
1に伸長するとき、前記入力信号のうち、所定の時間長
Ts の信号を信号A、前記信号Aに続く時間長Ts の信
号を信号B、前記信号Aから時間k(k≧0)だけ遅れ
た時間長Ts の信号を信号A’、前記信号Bから時間−
k(k<0)だけ遅れた時間長Ts の信号をB’とし、
信号Aと信号B’との相関関数と、信号A’と信号Bと
の相関関数とを所定の範囲kmin≦k≦kmaxなるkにつ
いて演算し、前記相関関数を最も大きくするk=rkに
ついて、(a)rk≧0であるとき、信号Bとk=rk
である信号A’とを、時間長Tsの期間で信号Bについ
ては漸減する窓関数、信号A’については漸増する窓関
数を乗算して加重加算した信号を出力し、続いて前記信
号A’継続する信号を有限時間長出力することにより、
式α(Ts−rk)/(α−1)で与える時間長の信号
列を生成出力し、また、(b)rk<0であるとき、信
号Bを先頭から遅れ時間−rk直前まで出力し、続いて
k=rkなる信号B’と信号Aとを、時間長Ts の期間
で信号B’については漸減する窓関数、信号Aについて
は漸増する窓関数を乗算して加重加算した信号を出力
し、続いて前記信号Aに継続する信号を有限時間長出力
することにより、式α(Ts−rk)/(α−1)で与
える時間長の信号列を生成出力し、前記信号列を出力し
たのち、信号Aを改めて式(Ts−rk)/(α−1)
で与える遅れ位置に設定してつぎの信号列を生成出力す
る処理を繰り返すことにより、原音を時間軸上でα≧1
に伸長した信号を出力する音声速度変換方法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明は圧伸比αが、式{(Ts+kmax)
/2・Ts}≦α≦1.0の範囲で動作する音声速度変
更方法に係る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】この例では、音声信号が離散時間データx
(n)にサンプリングされているものとする。なお、実
施例では説明の簡単のために、サンプリングの個数を単
位時間辺り1個とし、たとえば、時間長Ts の信号に対
してTs 個のサンプリングデータとするが、本発明の主
旨はTs 個に限定するものでないことは言うまでもな
い。以下の処理には、入力データポインタとしてP1、
P2、および出力データポインタP3を用いてデータの
指定を行う。まず、ステップ101で、入力ポインタP
1の指すアドレスip1にこれから再生したい音声デー
タの先頭アドレスを設定する。また、P2の指すアドレ
スip2にはP1からTs 個後のデータのアドレスを設
する。ステップ102で圧伸比αを設定する。この圧
伸比αは前記の式に示した値を満たすものとする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【発明の効果】本発明は、信号Aと信号Bの一方を基準
とした相関関数が最大となる時間遅れrkを求め、その
時間遅れに応じて波形を重み付け加算する位置を変更す
ることにより、信号の接続を行う区間の前後で位相が著
しく不整合になることを防いでいる。また、波形の接続
を行う区間において時間的に漸減する窓関数と時間的に
漸増する窓関数を信号に乗算してから加算しているの
で、波形接続を行う区間の振幅の不連続性が無くなる。
さらに、時間遅れrkを決定した後に、圧縮の場合には
式{α(Ts−rk)/(1−α)}、伸長の場合には
式{α(Ts−rk)/(α−1)}に示される値に出
力時間長が達するまで、重み付けした信号に後続する信
号をそのまま出力するので、時間遅延のデータ数が変化
することによる圧伸比αからのずれを生じることはな
い。さらに、一定時間長Ts の幅で重み付け加算を行っ
たことにより、接続される信号に含まれる低周波数成分
の滑らかな再生音が得られる利点がある。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 音声速度変換方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声の基本周波数を変
えずに後続時間長のみを変える音声速度変換方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、テープレコーダ等に記録され
ている音声信号すなわち人の声や楽器等のオーディオ信
の早聞きや遅聞きを行うために音声速度変換装置が利
用されている。
【0003】以下、図面を参照しながら、上述したよう
な従来の音声速度変換装置について説明を行う。
【0004】図8は従来の音声速度変換装置の構成を示
すものである。図8において、81はAD変換器、82
はバッファ、83は速度制御回路、84はデータ読出回
路、85はミューティング回路、86はDA変換器であ
る。
【0005】以上のように構成された音声速度変換装置
について、以下その動作を説明する。
【0006】まず入力信号はAD変換器81でディジタ
ル信号に変換され、バッファ82へ書込まれる。次に速
度制御回路83は圧伸比に応じてデータ読出回路84を
制御し、バッファ82からデータを読出させる。このデ
ータの読出方法によって、再生速度を様々に変化させる
ことができる。再生時間を短くする場合には、ブロック
単位で読出すデータを間引く。再生時間を長くする場合
には、ブロック単位で読出すデータを繰返す。そして各
ブロック間の不連続部分はミューティング回路85でミ
ューティングをかけ、DA変換器86でアナログ信号に
変換して出力する。
【0007】図9は圧伸比(時間軸圧縮伸長比=入力信
号に対する出力信号の時間長の比)αが0.5と2.0
の場合を模式的に示したものである。(a)が元の原音
に対して、(b)は時間軸変換比0.5、(c)は時間
軸変換比2.0の場合を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の構成では、時間軸を圧縮して速度を速める場合には、
データを間引くために子音などが欠落して明瞭度が低下
し、さらにブロックの接続点は不連続であり、それを減
らすために接続点をミューティングしているものの、振
幅や位相が不連続で自然性に乏しい音声しか得られない
という課題を有していた。
【0009】また、他の従来の音声速度変換装置では、
TDHS(Time DomeinHarmonic
Scaling)のように入力信号のピッチ周期を用い
る方法もあるが、入力信号に音楽や雑音が重畳している
場合にはピッチの抽出が難しいので適用できない。ま
た、波形を重み付け加算する窓長が速度比とピッチ周期
によって変化しており、求められたピッチ周波数よりさ
らに低い信号を含む信号を重み付け加算すると、その低
周波数成分が不連続的に連続されがちであり、滑らかさ
が欠如するという問題点を有している。
【0010】本発明は上記のような問題点に鑑み、波形
の振幅・位相の両方について不連続性が少なく、データ
の欠落をあまり生じない自然性に富んだ音声を出力で
き、音楽信号などの低周波数成分を含んだ信号を滑らか
に再生することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の音声速度変換方法は、請求項1の発明は、入力
信号の内一定の時間長の第1の区間と同一の時間長の第
2の区間について相関を求め、所定の範囲内の第1の区
間と第2の区間のずれ値の内相関の高いずれ値を求める
ステップと、入力データに対して一定時間で単調に減少
する窓関数を乗算したもの及び上記入力データを上記ず
れ値だけ時間をずらしたデータに対して一定時間で単調
に増加する窓関数を乗算したものを加算することにより
入力データのまびき又は繰り返しをするステップと、上
記のずれ値と圧伸比αにより次に入力データのまびき又
は繰り返し処理をする区間の開始時を求めるステップを
有する音声速度変換方法としたものである。
【0012】また、請求項2に係わる本発明は、音声の
信号を入力し、時間軸上でα倍に圧縮または伸長した信
号に変換して出力する音声速度変換方法において、α≦
1に圧縮するとき、前記入力信号のうち、所定の時間長
Tsの信号を信号A、前記信号Aに続く時間長Tsの信
号を信号B、前記信号Aから時間k(k≧0)だけ遅れ
た時間長Tsの信号を信号A’、前記信号Bから時間−
k(k<0)だけ遅れた時間長Tsの信号をB’とし、
信号Aと信号B’との相関関数と、信号A’と信号Bと
の相関関数とを所定の範囲kmin≦k≦kmaxなるkにつ
いて演算し、前記相関関数を最も大きくするk=rkに
ついて、(a)rk≧0であるとき、信号Aを先頭から
時間遅れrk直前まで出力し、続いてk=rkである信
号A’と信号Bとを、時間長Tsの期間で信号A’につ
いては減少する窓関数、信号Bについては増加する窓関
数を乗算して加重加算した信号を出力し、続いて前記信
号Bに継続する信号を有限時間長出力することにより、
式α(Ts−rk)/(1−α)で与える時間長の信号
列を生成出力し、また、(b)rk<0であるとき、信
号Aとk=rkである信号B’とを、時間長Tsの期間
で信号Aについては減少する窓関数、信号B’について
は増加する窓関数を乗算して加重加算した信号を出力
し、続いて前記信号B’に継続する信号を有限時間長出
力することにより、式α(Ts−rk)/(1−α)で
与える時間長の信号列を生成出力し、前記信号列を出力
したのち、信号Aを改めて式(Ts−rk)/(1−
α)で与える遅れ位置に設定してつぎの信号列を生成出
力する処理を順次に繰り返すことにより、音声の信号を
時間軸上でα≦1に短縮して出力する音声速度変換方法
である。
【0013】また、請求項3に係わる本発明は、音声の
信号を入力し、時間軸上でα倍に圧縮または伸長した信
号に変換して出力する音声速度変換方法において、α≧
1に伸長するとき、前記入力信号のうち、所定の時間長
Tsの信号を信号A、前記信号Aに続く時間長Tsの信
号を信号B、前記信号Aから時間k(k≧0)だけ遅れ
た時間長Tsの信号を信号A’、前記信号Bから時間−
k(k<0)だけ遅れた時間長Tsの信号をB’とし、
信号Aと信号B’との相関関数と、信号A’と信号Bと
の相関関数とを所定の範囲kmin≦k≦kmaxなるkにつ
いて演算し、前記相関関数を最も大きくするk=rkに
ついて、(a)rk≧0であるとき、信号Bとk=rk
である信号A’とを、時間長Tsの期間で信号Bについ
ては減少する窓関数、信号A’については増加する窓関
数を乗算して加重加算した信号を出力し、続いて前記信
号A’に継続する信号を有限時間長出力することによ
り、式α(Ts−rk)/(α−1)で与える時間長の
信号列を生成出力し、また、(b)rk<0であると
き、信号Bを先頭から遅れ時間−rk直前まで出力し、
続いてk=rkなる信号B’と信号Aとを、時間長Ts
の期間で信号B’については減少する窓関数、信号Aに
ついては増加する窓関数を乗算して加重加算した信号を
出力し、続いて前記信号Aに継続する信号を有限時間長
出力することにより、式α(Ts−rk)/(α−1)
で与える時間長の信号列を生成出力し、前記信号列を出
力したのち、信号Aを改めて式(Ts−rk)/(α−
1)で与える遅れ位置に設定してつぎの信号列を生成出
力する処理を繰り返すことにより、原音を時間軸上でα
≧1に伸長した信号を出力する音声速度変換方法であ
る。
【0014】
【作用】この構成によって、信号A’と信号Bまたは信
号Aと信号B’に対して時間長Tsの幅で重み付け加算
を行うことにより加算した信号の欠落および振幅の不連
続が少なくなり、さらに、一定の時間長Tsで重み付け
加算していることにより低周波数成分を含む信号の滑ら
かな接続が可能となる。また、信号A’と信号Bまたは
信号Aと信号B’の相関関数が最大となる時間遅れrk
の位置に基づいて加算することにより波形接続を行う区
間の前後で位相の不整合が少なくなる。
【0015】
【実施例】以下本発明の第1の実施例について、図面を
参照しながら説明する。
【0016】本発明は圧伸比αが式{(Ts−kmax)
/(2・Ts)}≦α≦1.0の範囲で動作する音声速
度変換方法に係る。
【0017】図1は本発明の第1の実施例における音声
速度変換方法のフローチャートを示すもので、その動作
について説明する。
【0018】この例では、音声信号が離散時間データx
(n)にサンプリングされているものとする。なお、実
施例では、説明の簡単のために、サンプリング個数を単
位時間辺り1個とし、たとえば、時間長Tsの信号に対
してTs個のサンプリングデータとするが、本発明の主
旨はTs個に限定するものでないことは言うまでもな
い。以下の処理には、入力データポインタとしてP1,
P2、および出力データポインタP3を用いてデータの
指定を行う。まず、ステップ101で、入力ポインタP
1の指すアドレスip1にこれから再生したい音声デー
タの先頭アドレスを設定する。また、P2の指すアドレ
スip2にはP1からTs個後のデータのアドレスを設
する。ステップ102で圧伸比αを設定する。この圧
伸比αは前記の式に示した値を満たすものとする。
【0019】次に、ポインタP1からデータ数Ts個の
信号AとポインタP2からデータ数Ts個の信号Bの一
方を基準としてもう一方を時間遅れの向きにずらしてい
き、相関の高くなる位置を求めるために、ステップ10
3で相関関数を演算し、ステップ104で相関関数が最
大となるときの時間遅れに相当するデータ数(時間遅
れ)rkを求める。相関関数CORの計算内容について
は図2に示すように所定の時間遅れrkの値の正負に応
じて使用する音声データの範囲が異なっている。また、
計算を行う時間遅れrkの範囲は最大値kmaxと最小値
kminを予め設定しておき、相関遅延を求める範囲には
制限を加える。以上で相関関数が最大となる時間遅れr
kが求められ、ステップ105で音声データをそのまま
出力するデータ数Ttを図3に示すように計算する。こ
のストレートアウト区間のデータ数Ttの計算も時間遅
れrkの正負に応じて計算式が異なる。
【0020】そして、時間遅れrkの値が正のときはス
テップ107,108,109の処理を行って出力波形
を求め、それ以外の場合にはステップ110,111の
処理を行って出力波形を求める。ここで、ステップ10
8,110におけるWdec(i)はiが0のときに大
きさ1でiの増加と共にリニアに単調減少してiがTs
−1のときに0になる窓関数である。また、ステップ1
08,110におけるWinc(i)はiが0のとき0
でiの増加と共にリニアに単調増加してiが(Ts−
1)のときに1になる窓関数である。
【0021】図4に所定の時間遅れrkの値が0、正、
負の場合にわけて出力波形が求められる様子を示してい
る。時間遅れrkが正の場合は時間遅れrkが0の場
合に較べて、データ数Ttが短くなっていることがわか
る。逆に、時間遅れrkが負の場合にはデータ数Ttが
長くなっている。これは、時間遅れrkのずれに応じて
データ数Ttの長さを調節して目標の圧伸比αからのず
れがないようにするためである。そして、引き続き処理
を継続する場合にはステップ113に示すように入力デ
ータポインタと出力データポインタの指すアドレスを更
新してから、ステップ102以下の処理を繰り返すよう
にする。
【0022】以上のように本実施例によれば、次に述べ
るような特長を持った再生時間を圧縮して聴取する方法
(音程を変えずに速度を高速にする方法)を実現するこ
とができる。ポインタP1,P2を基準とした相関関数
を計算し、その相関の高くなる位置で重み付け加算をし
ている。これにより、波形を接続する前後の区間で位相
が著しく不整合になることを防いでいる。そして、2つ
の離れた部分の信号は一方は単調減少し、一方は単調増
加する窓関数をかけてから加算されており、波形を接続
する区間における振幅の連続性は良好に保たれる。
【0023】これらによって、従来にない滑らかで自
然、かつ情報欠落やエコー感が少ない明瞭な再生音を得
ることができる。また、重み付け加算を行った後に続く
ストレートアウト区間のデータ数は時間遅れのデータ数
rkが決定された後に計算され、時間遅れのデータ数が
変化することによる圧伸比αのずれを生じることはな
い。さらに、重み付け加算する区間の長さは、入力信号
や時間遅れrkに無関係な一定長Tsで波形をクロスフ
ェードして接続しているので時間遅れrkの値によって
クロスフェード長が短くなることはなく、接続される信
号に含まれる低周波数成分の滑らかな再生音が得られる
ことになる。
【0024】以下本発明の第2の実施例について、図面
を参照しながら説明する。本発明は圧伸比αが式1.0
≦α≦{Ts/kmax}の範囲で動作する音声速度変換
方法を提供するものである。
【0025】図5は本発明の第2の実施例における音声
速度変換方法のフローチャートを示すもので、その動作
について説明する。
【0026】この例でも第1の実施例と同様に、音声信
号は離散時間データx(n)にサンプリングされてお
り、入力データポインタP1,P2、および出力データ
ポインタP3を用いてデータの指定を行う。まず、ステ
ップ501で、入力ポインタP1の指すアドレスip1
にこれから再生したい音声データの先頭アドレスを設定
する。また、P2の指すアドレスip2にはP1からT
s個後のデータを指すようにする。また、出力ポインタ
の指すアドレスopには初期値を設定する。ステップ5
02で圧伸比αを設定する。この圧伸比αは第2の実施
例における前の式に示した値を満たすものとする。次
に、ポインタP1からデータ数Ts個の信号Aとポイン
タP2からデータ数Ts個の信号Bの一方を基準として
もう一方を時間遅れの向きにずらしていき、相関の高く
なる位置を求めるために、ステップ503で相関関数を
演算し、ステップ504で相関関数が最大となるときの
時間遅れに相当するデータ数rkを求める。相関関数C
ORの計算内容については第1の実施例と同様に図2に
示したように計算を行う。
【0027】また、計算を行う所定の時間遅れkの範囲
は最大値kmaxと最小値kminを予め設定しておき、相関
遅延を求める範囲には制限を加える。以上で相関関数が
最大となる時間遅れrkが求められ、ステップ505で
音声データをそのまま出力するデータ数Ttを図6に示
すように計算する。このストレートアウト区間のデータ
数Ttの計算も時間遅れrkの正負に応じて計算式が異
なる。そして、時間遅れrkの値が負のときはステップ
507,508,509の処理を行って出力波形を求
め、それ以外の場合にはステップ510,511の処理
を行って出力波形を求める。ここで、ステップ508,
510におけるWdec(i)は、第1の実施例と同様
にiが0のときに大きさ1でiの増加と共にリニアに単
調減少してiがTs−1のときに0になる窓関数であ
る。また、ステップ508,510におけるWinc
(i)は、第1の実施例と同様にiが0のときに0でi
の増加と共にリニアに単調増加してiがTs−1のとき
に1になる窓関数である。
【0028】図7に所定の時間遅れrkの値が0、負、
正の場合にわけて出力波形が求められる様子を示してい
る。時間遅れrkが正の場合には時間遅れrkが0の場
合に較べて、データ数Ttが短くなっていることがわか
る。逆に、時間遅れrkが負の場合にはデータ数Ttが
長くなっている。これは時間遅れrkのずれに応じてデ
ータ数Ttの長さを調節して目標の圧伸比αからのずれ
が無いようにするためである。そして、引き続き処理を
継続する場合にはステップ513に示すように入力デー
タポインタと出力データポインタの指すアドレスを更新
してから、ステップ502以下の処理を繰り返すように
する。
【0029】以上のように本実施例によれば、次に述べ
るような特長を持った再生時間を伸長して聴取する方法
(音程を変えずに速度を低速にする方法)を実現するこ
とができる。ポインタP1,P2を基準とした相関関数
を計算し、その相関の高くなる位置で重み付け加算をし
ている。これにより、波形を接続する前後の区間で位相
が著しく不整合になることを防いでいる。そして、2つ
の離れた部分の信号は一方は単調減少し、一方は単調増
加する窓関数をかけてから加算されており、波形を接続
する区間における振幅の連続性は良好に保たれる。これ
らによって、従来にない滑らかで自然、かつ情報欠落や
エコー感が少ない明瞭な再生音を得ることができる。
【0030】また、重み付け加算を行った後に続くスト
レートアウト区間のデータ数は時間遅れのデータ数rk
が決定された後に計算され、時間遅れのデータ数rkが
変化することによる圧伸比αのずれを生じることはな
い。さらに、重み付け加算する区間の長さは、入力信号
や時間遅れrkに無関係な一定長Tsで波形をクロスフ
ェードして接続しているので時間遅れrkの値によって
クロスフェード長が短くなることは無く、接続される信
号に含まれる低周波数成分の滑らかな再生音が得られる
ことになる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、信号Aと信号Bの一方を基準
とした相関関数が最大となる時間遅れrkを求め、その
時間遅れに応じて波形を重み付け加算する位置を変更す
ることにより、信号の接続を行う区間の前後で位相が著
しく不整合になることを防いでいる。また、波形の接続
を行う区間において時間的に減少する窓関数と時間的に
増加する窓関数を信号に乗算してから加算しているの
で、波形接続を行う区間の振幅の不連続性が無くなる。
さらに、時間遅れrkを決定した後に、圧縮の場合には
式{α(Ts−rk)/(1−α)}、伸長の場合には
式{α(Ts−rk)/(α−1)}に示される値に出
力時間長が達するまで、重み付けした信号に後続する信
号をそのまま出力するので、時間遅延のデータ数が変化
することによる圧伸比αからのずれを生じることはな
い。さらに、一定時間長Tsの幅で重み付け加算を行っ
たことにより、接続される信号に含まれる低周波数成分
の滑らかな再生音が得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における音声速度変換方
法のフローチャート
【図2】本発明の第1の実施例における音声速度変換方
法の相関関数演算のフローチャート
【図3】本発明の第1の実施例におけるストレートアウ
ト区間の長さを計算するフローチャート
【図4】本発明の第1の実施例における音声速度変換方
法で、入力信号に対して時間遅延rkの値によって重み
付け加算されて得られる出力信号の模式図
【図5】本発明の第2の実施例における音声速度変換方
法のフローチャート
【図6】本発明の第2の実施例におけるストレートアウ
ト区間の長さを計算するフローチャート
【図7】本発明の第2の実施例における音声速度変換方
法で、入力信号に対して時間遅延rkの値によって重み
付け加算されて得られる出力信号の模式図
【図8】従来の音声速度変換装置の構成図
【図9】従来の音声速度変換装置の入力信号と出力信号
の模式図
【符号の説明】 A,B 信号 Ts 所定の時間長 rk 時間遅れ α 圧伸比

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音声信号において、信号Aと信号B’との
    相関関数および信号A’と信号Bとの相関関数とを、所
    定の時間遅れkの範囲(0≦k,k<0)で計算し、相
    関関数が最大となる時間遅れrkを求めて、その時間遅
    れrkに基づいて決定される位置において、信号A’と
    信号Bまたは信号Aと信号B’に対して一定時間長Ts
    の幅で重み付け加算を行い、次に、時間軸圧縮伸長比
    (入力信号に対する出力信号の時間長の比で、以下、圧
    伸比と指称する)αと前記時間遅れrkによって決定さ
    れる式{α(Ts−rk),1−α}あるいは式{α
    (Ts−rk),α−1}の時間長に達するまで、重み
    付け加算区間に後続する信号を出力し、かつ、信号Aの
    最初のデータを式{(Ts−rk),1−α}あるいは
    式{(Ts−rk),α−1}の時間長だけ遅延させた
    点に再設定し、前記全ての処理を繰り返す処理によっ
    て、音声の再生時間の原音に対する速度比を変換するこ
    とを特徴とする音声速度変換方法。
  2. 【請求項2】速度比を原音の1.0倍以下に速度変換す
    ることを特徴とする請求項1記載の音声速度変換方法。
  3. 【請求項3】速度比を原音の1.0倍以上に速度変換す
    ることを特徴とする請求項1記載の音声速度変換方法。
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