JPH07138709A - 長時間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼 - Google Patents
長時間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼Info
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- JPH07138709A JPH07138709A JP28943093A JP28943093A JPH07138709A JP H07138709 A JPH07138709 A JP H07138709A JP 28943093 A JP28943093 A JP 28943093A JP 28943093 A JP28943093 A JP 28943093A JP H07138709 A JPH07138709 A JP H07138709A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 線材水平連続鋳造法での生産性および歩留り
の低下を防いで、ステンレス鋼線を長時間安定して連続
鋳造することができるように成分調整された長時間鋳造
性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼を提供す
る。 【構成】 本発明に係るステンレス鋼は、0.004重
量%以上で0.020重量%以下の濃度の硫黄、0.0
04重量%以上で0.020重量%以下の濃度のセレ
ン、および0.004重量%以上で0.010重量%以
下の濃度の酸素(溶解酸素のことであり、酸化物等から
なる介在物中の酸素を含まない。)よりなるカルコゲン
群から選ばれた1または2以上のカルコゲンを総量で
0.004重量%以上で0.020重量%以下の濃度で
含有する。 【効果】 連続鋳造途中でのステンレス鋼線の破断およ
び焼付きによる鋳造不能が防止され、生産性および歩留
りの低下が防止されるとともに、材質の均一なステンレ
ス鋼線が得られる。
の低下を防いで、ステンレス鋼線を長時間安定して連続
鋳造することができるように成分調整された長時間鋳造
性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼を提供す
る。 【構成】 本発明に係るステンレス鋼は、0.004重
量%以上で0.020重量%以下の濃度の硫黄、0.0
04重量%以上で0.020重量%以下の濃度のセレ
ン、および0.004重量%以上で0.010重量%以
下の濃度の酸素(溶解酸素のことであり、酸化物等から
なる介在物中の酸素を含まない。)よりなるカルコゲン
群から選ばれた1または2以上のカルコゲンを総量で
0.004重量%以上で0.020重量%以下の濃度で
含有する。 【効果】 連続鋳造途中でのステンレス鋼線の破断およ
び焼付きによる鋳造不能が防止され、生産性および歩留
りの低下が防止されるとともに、材質の均一なステンレ
ス鋼線が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線材水平連続鋳造法に
よる線材、特に直径12mm以下の線材の製造に好適なス
テンレス鋼に関する。
よる線材、特に直径12mm以下の線材の製造に好適なス
テンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】直径12mm以下の比較的細いステンレス
鋼線を製造する一方法として、線材水平連続鋳造法が知
られている。これは、図1に示す線材水平連続鋳造機1
を用い、タンディッシュ10から出鋼ノズル11および
ブレークリング12を介してモールド(鋳型)13内に
溶鋼(溶湯)2を流すことによりステンレス鋼線3を直
接鋳造する方法である。なお、符号14はピンチロール
であり、符号15はタンディッシュ10内に窒素ガスや
不活性ガスを供給するガス導入口15である。
鋼線を製造する一方法として、線材水平連続鋳造法が知
られている。これは、図1に示す線材水平連続鋳造機1
を用い、タンディッシュ10から出鋼ノズル11および
ブレークリング12を介してモールド(鋳型)13内に
溶鋼(溶湯)2を流すことによりステンレス鋼線3を直
接鋳造する方法である。なお、符号14はピンチロール
であり、符号15はタンディッシュ10内に窒素ガスや
不活性ガスを供給するガス導入口15である。
【0003】従来、ステンレス鋼の製造においては、特
別な用途を除き、熱間加工性や耐食性等の観点から、硫
黄と酸素の各濃度をできるだけ低く抑えるのが常識であ
った。即ち、硫黄は他の元素(例えば、マンガン)と結
びつき、硫化物となって孔食腐食の起点になり、一方、
酸素は清浄度を悪化させてパンチング性や表面性状を悪
化させてしまうからである。そのため、それらの濃度
は、具体的には、硫黄0.003重量%以下、酸素0.
002重量%以下であった。
別な用途を除き、熱間加工性や耐食性等の観点から、硫
黄と酸素の各濃度をできるだけ低く抑えるのが常識であ
った。即ち、硫黄は他の元素(例えば、マンガン)と結
びつき、硫化物となって孔食腐食の起点になり、一方、
酸素は清浄度を悪化させてパンチング性や表面性状を悪
化させてしまうからである。そのため、それらの濃度
は、具体的には、硫黄0.003重量%以下、酸素0.
002重量%以下であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記線
材水平連続鋳造機1を用いて、上記従来の組成のステン
レス鋼よりなる線材を連続鋳造すると、目標とする鋳造
量に達する前に線材が途中で破断してしまうことがあっ
た。一旦線材が破断すると、モールド13内で溶鋼2の
凝固が起こってしまい、続けて連続鋳造を行うことは不
可能であった。そのため、線材の破断が発生したら直ち
にタンディッシュ10内に残存する溶鋼2を排湯しなけ
ればならず、生産性および歩留りが低下してしまうとい
う問題点があった。
材水平連続鋳造機1を用いて、上記従来の組成のステン
レス鋼よりなる線材を連続鋳造すると、目標とする鋳造
量に達する前に線材が途中で破断してしまうことがあっ
た。一旦線材が破断すると、モールド13内で溶鋼2の
凝固が起こってしまい、続けて連続鋳造を行うことは不
可能であった。そのため、線材の破断が発生したら直ち
にタンディッシュ10内に残存する溶鋼2を排湯しなけ
ればならず、生産性および歩留りが低下してしまうとい
う問題点があった。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、線材水平連続鋳造法での生産性および
歩留りの低下を防いで、ステンレス鋼線を長時間安定し
て連続鋳造することができるように成分調整された長時
間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼を提
供することである。
で、その目的は、線材水平連続鋳造法での生産性および
歩留りの低下を防いで、ステンレス鋼線を長時間安定し
て連続鋳造することができるように成分調整された長時
間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、線材水平連続鋳造法で製造されたステ
ンレス鋼線3の内部組織および成分について種々の調査
を行い、線材の破断の発生原因を解明した。
め、本発明者は、線材水平連続鋳造法で製造されたステ
ンレス鋼線3の内部組織および成分について種々の調査
を行い、線材の破断の発生原因を解明した。
【0007】その原因とは、モールド13での抜熱能が
鋳造開始直後から次第に低下していき、凝固シェル厚み
が徐々に薄くなり、引き抜きの負荷に耐えきれなくなっ
て破断するのである。そして、抜熱能の低下は、出鋼ノ
ズル11で冷却された溶鋼2の流動性が悪く、溶鋼2が
モールド13に濡れ難くなるため起こるということが判
明した。
鋳造開始直後から次第に低下していき、凝固シェル厚み
が徐々に薄くなり、引き抜きの負荷に耐えきれなくなっ
て破断するのである。そして、抜熱能の低下は、出鋼ノ
ズル11で冷却された溶鋼2の流動性が悪く、溶鋼2が
モールド13に濡れ難くなるため起こるということが判
明した。
【0008】そこで、本発明者は、連続鋳造途中での線
材の破断を防ぐには、溶鋼2の表面張力を低下させて流
動性を高めれば良いと考え、それを実現するには、硫
黄、セレン、酸素などのカルコゲンを適量含有させるこ
とが有効であることを見い出し、本発明の完成に至っ
た。
材の破断を防ぐには、溶鋼2の表面張力を低下させて流
動性を高めれば良いと考え、それを実現するには、硫
黄、セレン、酸素などのカルコゲンを適量含有させるこ
とが有効であることを見い出し、本発明の完成に至っ
た。
【0009】即ち、本発明は、40重量%以下の濃度の
ニッケル、13重量%以上で28重量%以下の濃度のク
ロム、0.2重量%以下の濃度の炭素、4重量%以下の
濃度のケイ素、および10重量%以下の濃度のマンガン
を含有し、残りが鉄である線材水平連続鋳造用ステンレ
ス鋼であって、0.004重量%以上で0.020重量
%以下の濃度の硫黄、0.004重量%以上で0.02
0重量%以下の濃度のセレン、および0.004重量%
以上で0.010重量%以下の濃度の酸素よりなるカル
コゲン群から選ばれた1または2以上のカルコゲンを総
量で0.004重量%以上で0.020重量%以下の濃
度で含有することを特徴とする。
ニッケル、13重量%以上で28重量%以下の濃度のク
ロム、0.2重量%以下の濃度の炭素、4重量%以下の
濃度のケイ素、および10重量%以下の濃度のマンガン
を含有し、残りが鉄である線材水平連続鋳造用ステンレ
ス鋼であって、0.004重量%以上で0.020重量
%以下の濃度の硫黄、0.004重量%以上で0.02
0重量%以下の濃度のセレン、および0.004重量%
以上で0.010重量%以下の濃度の酸素よりなるカル
コゲン群から選ばれた1または2以上のカルコゲンを総
量で0.004重量%以上で0.020重量%以下の濃
度で含有することを特徴とする。
【0010】以下に、上記各成分について、その濃度を
上記範囲とした理由について述べる。
上記範囲とした理由について述べる。
【0011】硫黄(S)およびセレン(Se)について
は、それらの濃度が0.004重量%に満たない場合に
は、溶鋼2の流動性が充分でなく、健全な範囲内の抜熱
能が得られないからであり、一方、0.020重量%を
超える場合には、溶鋼2がモールド13と焼き付いてし
まい、鋳造不能となってしまうからである。
は、それらの濃度が0.004重量%に満たない場合に
は、溶鋼2の流動性が充分でなく、健全な範囲内の抜熱
能が得られないからであり、一方、0.020重量%を
超える場合には、溶鋼2がモールド13と焼き付いてし
まい、鋳造不能となってしまうからである。
【0012】酸素(O)については、その濃度が0.0
04重量%に満たない場合には、溶鋼2の流動性が充分
でなく、健全な範囲内の抜熱能が得られないからであ
り、一方、0.010重量%を超える場合には、溶鋼2
がモールド13と焼き付いてしまい、鋳造不能となって
しまうからである。なお、本明細書中、ステンレス鋼の
成分の表記において、酸素とは溶解酸素のことであり、
酸化物等からなる介在物中の酸素を含まない。
04重量%に満たない場合には、溶鋼2の流動性が充分
でなく、健全な範囲内の抜熱能が得られないからであ
り、一方、0.010重量%を超える場合には、溶鋼2
がモールド13と焼き付いてしまい、鋳造不能となって
しまうからである。なお、本明細書中、ステンレス鋼の
成分の表記において、酸素とは溶解酸素のことであり、
酸化物等からなる介在物中の酸素を含まない。
【0013】そして、それら硫黄、セレンおよび酸素の
中からを2つ以上を含む時の総量が0.020重量%以
下であるのは、その上限値を超えると、溶鋼2がモール
ド13に焼き付いてしまい、鋳造不能となってしまうか
らである。
中からを2つ以上を含む時の総量が0.020重量%以
下であるのは、その上限値を超えると、溶鋼2がモール
ド13に焼き付いてしまい、鋳造不能となってしまうか
らである。
【0014】なお、好ましくは、硫黄、セレン、酸素の
各濃度は、0.007重量%以上で0.020重量%以
下であり、且つそれらの中から2つ以上を含む場合には
総量で0.007重量%以上で0.020重量%以下で
あるとよい。
各濃度は、0.007重量%以上で0.020重量%以
下であり、且つそれらの中から2つ以上を含む場合には
総量で0.007重量%以上で0.020重量%以下で
あるとよい。
【0015】また、ニッケル(Ni)については、硫酸
や塩酸等の非酸化性の酸に対する耐食性が40重量%の
濃度で飽和傾向を示し、その濃度を超えて含有させても
更なる耐食性の向上が望めないからである。
や塩酸等の非酸化性の酸に対する耐食性が40重量%の
濃度で飽和傾向を示し、その濃度を超えて含有させても
更なる耐食性の向上が望めないからである。
【0016】クロム(Cr)については、その濃度が1
3重量%に満たない場合には、硫酸や塩酸等の非酸化性
の酸に対する充分な耐食性が得られず、一方、28重量
%を超えると上記耐食性が飽和傾向を示すからである。
3重量%に満たない場合には、硫酸や塩酸等の非酸化性
の酸に対する充分な耐食性が得られず、一方、28重量
%を超えると上記耐食性が飽和傾向を示すからである。
【0017】炭素(C)については、その濃度が0.2
重量%を超えると、クロムの炭化物が生成され易くな
り、それによって耐食性が低下するからである。
重量%を超えると、クロムの炭化物が生成され易くな
り、それによって耐食性が低下するからである。
【0018】ケイ素(Si)については、その濃度が4
重量%を超えると、耐高温酸化性が低下して高温割れが
起こり易くなるからである。
重量%を超えると、耐高温酸化性が低下して高温割れが
起こり易くなるからである。
【0019】マンガン(Mn)については、その濃度が
10重量%を超えると、耐食性が低下するからである。
10重量%を超えると、耐食性が低下するからである。
【0020】なお、本発明に係る線材水平連続鋳造用ス
テンレス鋼は、以上列挙した元素の他に、耐食性の向上
や耐孔食腐食性の向上などのために、モリブデン(M
o)や銅(Cu)、或はその他の元素を含有していても
よい。その際、モリブデンや銅の濃度は、特に限定しな
いが、例えば5重量%以下程度が好ましい。
テンレス鋼は、以上列挙した元素の他に、耐食性の向上
や耐孔食腐食性の向上などのために、モリブデン(M
o)や銅(Cu)、或はその他の元素を含有していても
よい。その際、モリブデンや銅の濃度は、特に限定しな
いが、例えば5重量%以下程度が好ましい。
【0021】また、本発明に係る線材水平連続鋳造用ス
テンレス鋼は、硫黄、セレン、酸素、ニッケル、クロ
ム、炭素、ケイ素およびマンガンのうち、硫黄とセレン
と酸素の中から少なくとも1つと、クロムと鉄とを含ん
でいれば、その他の元素の有無は問わない。
テンレス鋼は、硫黄、セレン、酸素、ニッケル、クロ
ム、炭素、ケイ素およびマンガンのうち、硫黄とセレン
と酸素の中から少なくとも1つと、クロムと鉄とを含ん
でいれば、その他の元素の有無は問わない。
【0022】
【作用】上記手段によれば、本発明に係る線材水平連続
鋳造用ステンレス鋼は、0.004重量%以上で0.0
20重量%以下の濃度の硫黄、0.004重量%以上で
0.020重量%以下の濃度のセレン、および0.00
4重量%以上で0.010重量%以下の濃度の酸素より
なるカルコゲン群から選ばれた1または2以上のカルコ
ゲンを総量で0.004重量%以上で0.020重量%
以下の濃度で含有しているため、溶鋼2の流動性が丁度
良くなり、溶鋼2とモールド13との濡れ性が最適とな
る。それ故、ステンレス鋼線3の連続鋳造中、終始、モ
ールド13での抜熱能が健全な領域内に納まり、連続鋳
造途中でのステンレス鋼線3の破断が防止されるととも
に、溶鋼2とモールド(鋳型)13との焼付きにより鋳
造不能となるのが防止される。
鋳造用ステンレス鋼は、0.004重量%以上で0.0
20重量%以下の濃度の硫黄、0.004重量%以上で
0.020重量%以下の濃度のセレン、および0.00
4重量%以上で0.010重量%以下の濃度の酸素より
なるカルコゲン群から選ばれた1または2以上のカルコ
ゲンを総量で0.004重量%以上で0.020重量%
以下の濃度で含有しているため、溶鋼2の流動性が丁度
良くなり、溶鋼2とモールド13との濡れ性が最適とな
る。それ故、ステンレス鋼線3の連続鋳造中、終始、モ
ールド13での抜熱能が健全な領域内に納まり、連続鋳
造途中でのステンレス鋼線3の破断が防止されるととも
に、溶鋼2とモールド(鋳型)13との焼付きにより鋳
造不能となるのが防止される。
【0023】従って、ステンレス鋼線3を長時間安定し
て連続鋳造することができ、線材水平連続鋳造法でのス
テンレス鋼線3の生産性および歩留りの低下を防止する
ことができるとともに、材質の均一なステンレス鋼線3
を得ることができる。
て連続鋳造することができ、線材水平連続鋳造法でのス
テンレス鋼線3の生産性および歩留りの低下を防止する
ことができるとともに、材質の均一なステンレス鋼線3
を得ることができる。
【0024】水平連続鋳造において製造されるものとし
ては、線材の他にスラブやビレットがあるが、これらは
何れも断面積が大きく、モールド長さも長いため、抜熱
能の低下は破断に至るほどではないため、本発明は線材
水平連続鋳造に特有の問題であるといえる。
ては、線材の他にスラブやビレットがあるが、これらは
何れも断面積が大きく、モールド長さも長いため、抜熱
能の低下は破断に至るほどではないため、本発明は線材
水平連続鋳造に特有の問題であるといえる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例および従来例を挙げ、本発明
の特徴とするところを明らかとする。各実施例および各
従来例においては、図1に示した構成の線材水平連続鋳
造機1を用い、目標鋳造量を550kgに設定して、引抜
ストローク20mm、引抜速度3.0m/分の条件で直径
10mmのステンレス鋼線3を製造した。なお、特に明記
していない限り、各実施例および各従来例では、製造条
件等を同じにした。
の特徴とするところを明らかとする。各実施例および各
従来例においては、図1に示した構成の線材水平連続鋳
造機1を用い、目標鋳造量を550kgに設定して、引抜
ストローク20mm、引抜速度3.0m/分の条件で直径
10mmのステンレス鋼線3を製造した。なお、特に明記
していない限り、各実施例および各従来例では、製造条
件等を同じにした。
【0026】溶鋼2となる原料については、所望の組成
のステンレス鋼線3が鋳造されるように、予め成分の調
整を行った。また、各例において、抜熱能の値を、モー
ルド13の入り側(溶鋼2の流入側)および出側(ステ
ンレス鋼線3の送り出し側)の各冷却水温度差、冷却水
量、およびモールド13の表面積値から算出して求め
た。
のステンレス鋼線3が鋳造されるように、予め成分の調
整を行った。また、各例において、抜熱能の値を、モー
ルド13の入り側(溶鋼2の流入側)および出側(ステ
ンレス鋼線3の送り出し側)の各冷却水温度差、冷却水
量、およびモールド13の表面積値から算出して求め
た。
【0027】(実施例1〜13)実施例1〜13で製造
した各ステンレス鋼線3の組成を表1に示す。
した各ステンレス鋼線3の組成を表1に示す。
【表1】
【0028】また、実施例1〜13について、破断する
ことなく連続して行えた鋳造量と、算出した抜熱能の値
(安定した状態における値)も表1に示す。同表よりわ
かるように、全ての実施例において、含有されている硫
黄、セレン及び酸素の濃度、並びにそれらの総量は、夫
々、本発明で規定した各範囲内に納まっており、途中で
破断することなく目標鋳造量550kgを達成することが
できた。
ことなく連続して行えた鋳造量と、算出した抜熱能の値
(安定した状態における値)も表1に示す。同表よりわ
かるように、全ての実施例において、含有されている硫
黄、セレン及び酸素の濃度、並びにそれらの総量は、夫
々、本発明で規定した各範囲内に納まっており、途中で
破断することなく目標鋳造量550kgを達成することが
できた。
【0029】さらに、実施例1〜13について、鋳造開
始から終了に至るまでの抜熱能の経時変化の様子を夫々
図2〜図14に示す。それらの図から、全ての実施例に
おいて、鋳造中、終始、抜熱能の値は健全な領域(6×
106〜8×106kcal/m2・時)内に納まっているこ
とがわかった。
始から終了に至るまでの抜熱能の経時変化の様子を夫々
図2〜図14に示す。それらの図から、全ての実施例に
おいて、鋳造中、終始、抜熱能の値は健全な領域(6×
106〜8×106kcal/m2・時)内に納まっているこ
とがわかった。
【0030】(従来例1〜4)従来例1〜4で製造した
各ステンレス鋼線3の組成と、破断するまでに連続して
行えた鋳造量と、算出した抜熱能の値(安定した状態に
おける値)を表1に併せて示す。また、従来例1〜4に
ついて、鋳造開始から終了に至るまでの抜熱能の経時変
化の様子を夫々図15〜図18に示す。
各ステンレス鋼線3の組成と、破断するまでに連続して
行えた鋳造量と、算出した抜熱能の値(安定した状態に
おける値)を表1に併せて示す。また、従来例1〜4に
ついて、鋳造開始から終了に至るまでの抜熱能の経時変
化の様子を夫々図15〜図18に示す。
【0031】表1からわかるように、従来例1では、硫
黄の濃度は0.001重量%、酸素の濃度は0.002
重量%であり、何れも本発明で規定している各範囲の下
限値に満たなかった。セレンは添加しなかった。そのた
め、鋳造量が200kgに達した時点でステンレス鋼線3
は破断してしまった。抜熱能の経時変化は、鋳造開始当
初から健全な領域を大きく下回り、鋳造が進むに連れて
次第に小さくなっていた。
黄の濃度は0.001重量%、酸素の濃度は0.002
重量%であり、何れも本発明で規定している各範囲の下
限値に満たなかった。セレンは添加しなかった。そのた
め、鋳造量が200kgに達した時点でステンレス鋼線3
は破断してしまった。抜熱能の経時変化は、鋳造開始当
初から健全な領域を大きく下回り、鋳造が進むに連れて
次第に小さくなっていた。
【0032】従来例2では、硫黄が本発明で規定してい
る範囲を超えており、当然ながら硫黄と酸素を合わせた
総量も本発明で規定している範囲を超えていた。そのた
め、抜熱能は健全な領域内にあり適正であるにも拘ら
ず、モールド13と溶鋼2の濡れが大きすぎて、それら
の焼付きが起こり、鋳造初期の段階で鋳造不能となって
しまった。
る範囲を超えており、当然ながら硫黄と酸素を合わせた
総量も本発明で規定している範囲を超えていた。そのた
め、抜熱能は健全な領域内にあり適正であるにも拘ら
ず、モールド13と溶鋼2の濡れが大きすぎて、それら
の焼付きが起こり、鋳造初期の段階で鋳造不能となって
しまった。
【0033】従来例3では、セレンが本発明で規定して
いる範囲を超えており、当然ながら硫黄とセレンと酸素
を合わせた総量も本発明で規定している範囲を超えてい
た。そのため、従来例2と同様に、鋳造初期の段階で鋳
造不能となってしまった。
いる範囲を超えており、当然ながら硫黄とセレンと酸素
を合わせた総量も本発明で規定している範囲を超えてい
た。そのため、従来例2と同様に、鋳造初期の段階で鋳
造不能となってしまった。
【0034】従来例4では、硫黄とセレンと酸素を合わ
せた総量もは発明で規定している範囲内であったが、酸
素が本発明で規定している範囲を超えていた。そのた
め、従来例2と同様に、鋳造初期の段階で鋳造不能とな
ってしまった。
せた総量もは発明で規定している範囲内であったが、酸
素が本発明で規定している範囲を超えていた。そのた
め、従来例2と同様に、鋳造初期の段階で鋳造不能とな
ってしまった。
【0035】上述した実施例1〜13および従来例1〜
4より、線材水平連続鋳造法に用いるステンレス鋼が、
硫黄、セレン、および酸素のうち少なくとも1つを、硫
黄およびセレンについては0.004重量%〜0.02
0重量%、酸素については0.004重量%〜0.01
0重量%、の濃度で、且つ総量で0.004重量%以上
で0.020重量%以下の濃度で含有していることによ
り、連続鋳造途中での破断を起こさずに、安定してステ
ンレス鋼線3を連続鋳造することができる、ということ
がわかる。
4より、線材水平連続鋳造法に用いるステンレス鋼が、
硫黄、セレン、および酸素のうち少なくとも1つを、硫
黄およびセレンについては0.004重量%〜0.02
0重量%、酸素については0.004重量%〜0.01
0重量%、の濃度で、且つ総量で0.004重量%以上
で0.020重量%以下の濃度で含有していることによ
り、連続鋳造途中での破断を起こさずに、安定してステ
ンレス鋼線3を連続鋳造することができる、ということ
がわかる。
【0036】なお、本発明のステンレス鋼は、上記各実
施例により何等制限されるものではなく、硫黄、セレ
ン、および酸素についてはそれらのうち少なくとも1つ
を含んでいればよく、その濃度は、硫黄については0.
004重量%〜0.020重量%、セレンについては
0.004重量%〜0.020重量%、酸素については
0.004重量%〜0.010重量%であればよい。
施例により何等制限されるものではなく、硫黄、セレ
ン、および酸素についてはそれらのうち少なくとも1つ
を含んでいればよく、その濃度は、硫黄については0.
004重量%〜0.020重量%、セレンについては
0.004重量%〜0.020重量%、酸素については
0.004重量%〜0.010重量%であればよい。
【0037】また、硫黄、セレンおよび酸素のうち2つ
以上を含む場合には、少なくとも1つの濃度が上記濃度
を満たしているとともに、総量で0.004重量%以上
で0.020重量%以下の濃度であれば、焼付き及び破
断を起こさずに安定してステンレス鋼線3を連続鋳造す
ることができる、という効果を充分に得ることができる
のはいうまでもない。
以上を含む場合には、少なくとも1つの濃度が上記濃度
を満たしているとともに、総量で0.004重量%以上
で0.020重量%以下の濃度であれば、焼付き及び破
断を起こさずに安定してステンレス鋼線3を連続鋳造す
ることができる、という効果を充分に得ることができる
のはいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】本発明に係るステンレス鋼によれば、
0.004重量%以上で0.020重量%以下の濃度の
硫黄、0.004重量%以上で0.020重量%以下の
濃度のセレン、および0.004重量%以上で0.01
0重量%以下の濃度の酸素よりなるカルコゲン群から選
ばれた1または2以上のカルコゲンを総量で0.004
重量%以上で0.020重量%以下の濃度で含有してい
るため、ステンレス鋼線の連続鋳造中、終始、モールド
での抜熱能が健全に保たれるとともに、溶鋼とモールド
との濡れ性も最適となり、連続鋳造途中でのステンレス
鋼線の破断および焼付きによる鋳造不能が防止される。
0.004重量%以上で0.020重量%以下の濃度の
硫黄、0.004重量%以上で0.020重量%以下の
濃度のセレン、および0.004重量%以上で0.01
0重量%以下の濃度の酸素よりなるカルコゲン群から選
ばれた1または2以上のカルコゲンを総量で0.004
重量%以上で0.020重量%以下の濃度で含有してい
るため、ステンレス鋼線の連続鋳造中、終始、モールド
での抜熱能が健全に保たれるとともに、溶鋼とモールド
との濡れ性も最適となり、連続鋳造途中でのステンレス
鋼線の破断および焼付きによる鋳造不能が防止される。
【0039】従って、ステンレス鋼線を長時間安定して
連続鋳造することができ、線材水平連続鋳造法でのステ
ンレス鋼線の生産性および歩留りの低下を防止すること
ができるとともに、材質の均一なステンレス鋼線を得る
ことができる。
連続鋳造することができ、線材水平連続鋳造法でのステ
ンレス鋼線の生産性および歩留りの低下を防止すること
ができるとともに、材質の均一なステンレス鋼線を得る
ことができる。
【図1】本発明に係るステンレス鋼よりなる線材の製造
に用いられる線材水平連続鋳造機の一例を示す概略構成
図である。
に用いられる線材水平連続鋳造機の一例を示す概略構成
図である。
【図2】実施例1における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図3】実施例2における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図4】実施例3における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図5】実施例4における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図6】実施例5における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図7】実施例6における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図8】実施例7における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図9】実施例8における連続鋳造中の抜熱能の経時変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図10】実施例9における連続鋳造中の抜熱能の経時
変化を示す特性図である。
変化を示す特性図である。
【図11】実施例10における連続鋳造中の抜熱能の経
時変化を示す特性図である。
時変化を示す特性図である。
【図12】実施例11における連続鋳造中の抜熱能の経
時変化を示す特性図である。
時変化を示す特性図である。
【図13】実施例12における連続鋳造中の抜熱能の経
時変化を示す特性図である。
時変化を示す特性図である。
【図14】実施例13における連続鋳造中の抜熱能の経
時変化を示す特性図である。
時変化を示す特性図である。
【図15】従来例1における連続鋳造中の抜熱能の経時
変化を示す特性図である。
変化を示す特性図である。
【図16】従来例2における連続鋳造中の抜熱能の経時
変化を示す特性図である。
変化を示す特性図である。
【図17】従来例3における連続鋳造中の抜熱能の経時
変化を示す特性図である。
変化を示す特性図である。
【図18】従来例4における連続鋳造中の抜熱能の経時
変化を示す特性図である。
変化を示す特性図である。
1 線材水平連続鋳造機 2 溶鋼 3 ステンレス鋼線(線材) 10 タンディッシュ 11 出鋼ノズル 12 ブレークリング 13 モールド(鋳型) 14 ピンチロール 15 ガス導入口
フロントページの続き (72)発明者 野田 真人 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日 本冶金工業株式会社研究開発本部技術研究 所内 (72)発明者 中谷 孝司 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日 本冶金工業株式会社研究開発本部技術研究 所内
Claims (1)
- 【請求項1】 40重量%以下の濃度のニッケル、13
重量%以上で28重量%以下の濃度のクロム、0.2重
量%以下の濃度の炭素、4重量%以下の濃度のケイ素、
および10重量%以下の濃度のマンガンを含有し、残り
が鉄である線材水平連続鋳造用ステンレス鋼であって、
0.004重量%以上で0.020重量%以下の濃度の
硫黄、0.004重量%以上で0.020重量%以下の
濃度のセレン、および0.004重量%以上で0.01
0重量%以下の濃度の酸素よりなるカルコゲン群から選
ばれた1または2以上のカルコゲンを総量で0.004
重量%以上で0.020重量%以下の濃度で含有するこ
とを特徴とする長時間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造
用ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28943093A JPH07138709A (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 長時間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28943093A JPH07138709A (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 長時間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07138709A true JPH07138709A (ja) | 1995-05-30 |
Family
ID=17743148
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28943093A Pending JPH07138709A (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 長時間鋳造性に優れる線材水平連続鋳造用ステンレス鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07138709A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009028791A (ja) * | 1998-09-08 | 2009-02-12 | Jfe Steel Kk | オーステナイト系ステンレス鋼鋳片の製造方法 |
| JP2013159837A (ja) * | 2012-02-07 | 2013-08-19 | Nisshin Steel Co Ltd | 抵抗発熱体用ステンレス箔ならびにステンレス線材 |
| JP2016094662A (ja) * | 2015-11-04 | 2016-05-26 | 日新製鋼株式会社 | 抵抗発熱体用ステンレス箔又はステンレス線材 |
| CN108950348A (zh) * | 2018-07-26 | 2018-12-07 | 宁国市华成金研科技有限公司 | 一种耐腐蚀高强度合金 |
| CN114713780A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-07-08 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种提高硅钢钢水在薄带连铸工艺下凝固成带稳定性的方法 |
| CN114799099A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-07-29 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种提高薄带连铸铸辊表面钢水浸润性的方法 |
-
1993
- 1993-11-18 JP JP28943093A patent/JPH07138709A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009028791A (ja) * | 1998-09-08 | 2009-02-12 | Jfe Steel Kk | オーステナイト系ステンレス鋼鋳片の製造方法 |
| JP2013159837A (ja) * | 2012-02-07 | 2013-08-19 | Nisshin Steel Co Ltd | 抵抗発熱体用ステンレス箔ならびにステンレス線材 |
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| CN114713780A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-07-08 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种提高硅钢钢水在薄带连铸工艺下凝固成带稳定性的方法 |
| CN114799099A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-07-29 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种提高薄带连铸铸辊表面钢水浸润性的方法 |
| CN114713780B (zh) * | 2022-03-31 | 2024-03-22 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种提高硅钢钢水在薄带连铸工艺下凝固成带稳定性的方法 |
| CN114799099B (zh) * | 2022-03-31 | 2024-10-22 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种提高薄带连铸铸辊表面钢水浸润性的方法 |
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