JPH07139955A - 光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障診断装置 - Google Patents

光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障診断装置

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JPH07139955A
JPH07139955A JP5286368A JP28636893A JPH07139955A JP H07139955 A JPH07139955 A JP H07139955A JP 5286368 A JP5286368 A JP 5286368A JP 28636893 A JP28636893 A JP 28636893A JP H07139955 A JPH07139955 A JP H07139955A
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達也 熊谷
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Munehiro Akiyama
宗広 秋山
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茂 於保
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転中でも故障の検出が可能で、しかも故障
内容を分離できる光ファイバジャイロの故障検出方法及
び故障診断装置を提供する。 【構成】 光源1からの光を位相変調してセンシングル
ープ5に導入し、センシングループ5を周回した光を受
光して電気信号に変換し、この電気信号からセンシング
ループ5の角速度を検出する光ファイバジャイロにおい
て、上記電気信号から位相変調の基本波成分S1及び偶
数調波成分S2、S4を求め、これらの成分の変化から
光学系の故障を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相変調方式の光ファ
イバジャイロに係り、特に、運転中でも故障の検出が可
能で、しかも故障内容を分離できる光ファイバジャイロ
の故障検出方法及び故障診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを用いて角速度を検出する光
ファイバジャイロは、自動車の車体制御等に広く用いら
れる。位相変調方式の光ファイバジャイロは、光源から
の光を光カプラで分岐し、それぞれの光を位相変調器で
位相をずらせてセンシングループに導入し、このセンシ
ングループを伝搬した左右両回り光を光カプラで結合
し、その結合光を受光器で受光する。受光器で得られた
電気信号をもとにセンシングループの角速度が検知さ
れ、この角速度をもとに光ファイバジャイロの変位角を
求めることができる。
【0003】光ファイバジャイロが故障により誤動作す
ると、これを用いたシステムの事故につながるおそれが
ある。そこで、故障の早期検知が望まれる。
【0004】光ファイバジャイロの故障を検知する従来
の方法は、この光ファイバジャイロを180°回転さ
せ、そのときの入力角速度と出力角速度との誤差から異
常を検知する。異常が検知されたときには、この光ファ
イバジャイロを分解してオシロスコープ等の計測器を挿
入し、その状態で光ファイバジャイロを動作させて各部
の信号を観測することで故障の具体的内容を検知してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の故障検知方法
は、異常を判断する基準が曖昧であるため正確な故障検
知ができない。また、オシロスコープ等の計測器を用い
るので、故障検出が一般人には困難であると共に、光フ
ァイバジャイロの通常の運転中には故障検出ができない
ので発見が遅れることになる。さらに、計測器で各部の
信号をいちいち観測しなければならないので、故障の具
体的内容が分かるまでに手間がかかる。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、運転中でも故障の検出が可能で、しかも故障内容を
分離できる光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障
診断装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、光源からの光を位相変調してセンシングル
ープに導入し、このセンシングループを周回した光を受
光して電気信号に変換し、この電気信号からセンシング
ループの角速度を検出する光ファイバジャイロにおい
て、上記電気信号から位相変調の基本波成分及び偶数調
波成分を求め、これらの成分の変化から光学系の故障を
検出するものである。
【0008】光源を遮断するか又は位相変調を停止し、
そのときの上記電気信号のノイズ成分を検知し、このノ
イズ成分の大きさから電気系の故障を検出してもよい。
【0009】光ファイバジャイロに供給される電源電圧
を計測し、この電圧の大きさから電源の故障を検出し、
上記光学系の故障検出と電源の故障とを分離してもよ
い。
【0010】上記光ファイバジャイロは、検出された故
障情報を不揮発性のメモリに記憶すると共にこの故障情
報を外部に通信し、かつ上記電源が停止されて再度投入
されたとき上記不揮発性のメモリの故障情報から故障が
あったことを検知すると共に故障情報を外部に通信して
もよい。
【0011】光源と、光源からの光を位相変調する位相
変調器と、位相変調された光が導入されるセンシングル
ープと、このセンシングループを周回した光を受光して
電気信号に変換する受光器と、この受光器からの電気信
号を増幅する前置増幅器とを有する光ファイバジャイロ
において、上記前置増幅器で増幅された電気信号を積分
する積分器と、この積分信号の電圧を故障の基準電圧と
比較する比較器とを有し、この比較器の出力が故障の有
無を示すものである。
【0012】上記光源の光出力を一定値に制御する光出
力制御手段を有してもよい。
【0013】上記位相変調器の変調の度合いを一定値に
制御する変調信号振幅制御手段を有してもよい。
【0014】
【作用】上記構成により、センシングループを周回した
光を受光して得られた電気信号は、センシングループの
角速度に対して位相変調の基本波成分及び偶数調波成分
がそれぞれ異なる変化を有する。各成分は、光ファイバ
ジャイロが正常であれば、それぞれ異なる所定の範囲内
で変化し、またそれぞれ異なる特有の変化をする。従っ
て、各成分がこの範囲を越えたり異常な変化をしたりす
るようであれば、異常であると判定できる。また、その
異常の内容から故障の起きている部位を知ることができ
る。例えば、角速度の大きさにかかわらず、各成分が全
て零であることは有り得ないので、検出された各成分が
共に零或いは異常に小さいようであれば光ファイバ切れ
などの光学系の故障と特定できる。一方、上記位相変調
の基本波成分及び偶数調波成分が異常に大きいときは、
増幅器の故障等により回路が飽和していると考えられ
る。
【0015】また、光源を遮断するか又は位相変調を停
止すると、光ファイバジャイロからの信号は出力されな
いはずであるから、そのときの電気信号には電気的なノ
イズの成分が現れる。ノイズ成分が大きいと、増幅器の
故障、光源を遮断する回路の故障等の電気系の故障が特
定できる。
【0016】電源電圧が小さすぎると、光学系の故障が
なくても各成分が異常に小さくなる。電源電圧の大きさ
から電源の故障を特定することで、上記光学系の故障検
出と電源の故障とが分離できる。
【0017】本発明の故障検出方法にあっては、故障内
容が特定されているので、故障原因の究明や修理が迅速
に行える。また、故障内容によっては自動的な復帰がで
きる場合もある。例えば、電源電圧の過不足に対しては
供給量を調整するだけで解消できる。
【0018】このようにして検出された故障情報は不揮
発性のメモリに記憶するとよい。これは電源が一旦停止
されてから再度投入されることによって故障情報が失わ
れることを防止する。故障情報は検知されたら直ちに外
部に通信される。電源が再度投入されたときにも不揮発
性のメモリに故障情報があれば直ちに外部に通信され
る。
【0019】前置増幅器で増幅された電気信号を積分す
ると、前置増幅器の出力レベルが求まる。この出力レベ
ルは通常の角速度の計測において所定の範囲内で変化す
る。出力レベルがその範囲を越えているときは異常であ
る。この異常は、積分の結果を故障の基準電圧と比較す
ることで検出できる。比較器の出力が故障の有無を示す
ので外部からも容易に故障が検出されたことが分かる。
【0020】光出力制御手段が光源の光出力を一定値に
制御する。光源の光出力が一定値であれば、出力レベル
の変化の要因のうちから光源の光出力の変化によるもの
がなくなり、故障の検出が確実になる。
【0021】変調信号振幅制御手段が位相変調器の変調
の度合いを一定値に制御する。出力レベルの変化の要因
のうちから変調の度合いの変化によるものがなくなり、
故障の検出が確実になる。
【0022】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0023】光ファイバジャイロは、図1に示されるよ
うに、主に光学系の素子からなる光学部14とアナログ
及びデジタル回路素子からなる信号処理回路15とに分
けられる。光学部14には、光源1、光カプラ2a、偏
光子3、光カプラ2b、位相変調器4、センシングルー
プ5、受光器6、プリアンプ(前置増幅器)7が含ま
れ、信号処理回路15には、同期検波回路8、A/D変
換器9、CPU10、発信器11、E2 PROM12、
SCI13が含まれる。
【0024】図1において、光源1からの光が光カプラ
2aで分岐され、その一方の光が偏光子3で偏光され
る。偏光子3を出た光が光カプラ2bで分岐される。光
カプラ2bで分岐された一方の光が位相変調器4で位相
をずらされ、光ファイバをループ状に形成したセンシン
グループ5に導入され、センシングループ5を周回す
る。光カプラ2bで分岐されたもう一方の光はセンシン
グループ5を出てから位相変調器4で位相をずらされ
る。詳しくは、位相変調器4が発信器11から出力され
る正弦波を用いて一定の位相バイアスを与えている。セ
ンシングループ5を周回した2つの光は光カプラ2bで
結合され、偏光子3及び光カプラ2aを経て受光器6で
受光される。センシングループ5が回転されて回転角速
度が生じているときには、受光される上記2つの光に位
相差が生じ、このため受光器6の受光信号に変化が生じ
る。受光信号はプリアンプ7で増幅されたのち同期検波
回路8で検波される。同期検波回路8は、受光増幅信号
から位相変調器4で用いた位相変調周波数の基本波成分
S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4を分離す
る。分離された基本波成分S1、2倍調波成分S2、4
倍調波成分S4がそれぞれA/D変換器9でデジタル化
され、これ以降の処理はCPU10による演算処理で行
われる。CPU10で演算された角速度や故障情報はS
CI13を介して図示されないホストコンピュータに送
信される。
【0025】CPU10による演算において、角速度Ω
は、基本波成分S1、2倍調波成分S2の比から次式に
より与えられる。
【0026】 Ω=A・tan-1{J2(m)/J1(m)・S1/S2} (1) ここで A;スケールファクタ J1(m)、J2(m);各成分のベッセル関数 m;位相変調度 である。
【0027】J2(m)/J1(m)は、J4(m)/
J2(m)とJ2(m)/J1(m)との関係を予め求
めておくことでJ4(m)/J2(m)から求められ
る。ここで2倍調波成分S2と4倍調波成分S4との間
には次式の関係がある。
【0028】 S4/S2=J4(m)/J2(m) (2) 従って、S2とS4とを計測することにより、J2
(m)/J1(m)を求めることができる。従って、基
本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4か
ら、角速度Ωが求まる。
【0029】本発明の故障検知の方法を図3のフローチ
ャートを用いて説明する。
【0030】(1)零点異常検出 センシングループ5の角速度Ωは、角速度Ωが零のとき
の上記各成分の信号を基準とし、(1)式より求められ
る。しかし、基準とする各成分の零点は電気系のノイズ
によって移動するので、角速度Ωが正しく計算されな
い。このノイズを効率よく取り除くために、図示されな
い光源オンオフ回路により光源1の電流を停止するか又
は発信器11を停止して、光源1を遮断するか又は位相
変調を停止する。これにより光ファイバジャイロが回転
していても静止していても、受光器6の受光信号は、角
速度とは無関係になる。この光源1を遮断するか又は位
相変調を停止したときの受光信号の各成分を零点とす
る。各成分の零点は、複数回のサンプリングを平均して
取得され、爾後、オフセット値として用いられ、ノイズ
が除去される。しかし、ノイズが大きく零点が大幅にず
れていると、その分、各成分を検出する範囲が狭くなっ
てしまう。零点が大幅にずれるのは、プリアンプ7の故
障により受光信号が発振したことや上記光源オンオフ回
路の故障により零点が計測できなかったことが原因と考
えられる。
【0031】そこで、零点のずれが大きいときには零点
異常とする。即ち、フローチャートのステップ20で零
点を取得した後、ステップ30〜50で各成分の零点を
チェックする。各成分の信号S1、S2、S4には予め
零点の最小限度値Ominと最大限度値Omaxがそれ
ぞれ設定されており、信号S1、S2、S4のいずれか
ひとつでも最小限度値Omin〜最大限度値Omaxの
範囲から外れていれば零点異常とする(ステップ6
0)。なお、各成分の零点の最小限度値Ominと最大
限度値Omaxとは光学部14の特性やA/D変換器9
の精度等を考慮して決定したものである。
【0032】(2)信号出力異常 基本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4
は、図2のグラフで示されるような特性を持っている。
即ち、センシングループ5に角速度Ωが加えられると、
基本波成分S1は角速度Ωにほぼ比例して減少する。2
倍調波成分S2及び4倍調波成分S4は、いずれも角速
度Ωが零のとき最大で、角速度Ωの絶対値が大きくなる
と小さくなる。この特性を利用して光学系の故障を検出
することができる。なお、図2のグラフは電位0〜5V
の範囲で示されている。基本波成分S1の零点=0Vが
グラフの中央に来るように、各成分にそれぞれ2.5V
をかさ上げしている。
【0033】グラフでは角速度Ωが零のときS1が零点
にあり、S2及びS4が最大である。ステップ70で取
得したS1及びS2が共に零点か、又はS1及びS4が
共に零点にあれば光ファイバ切れなどの光学系の故障に
よる信号出力低下と考えられる。そこで、ステップ10
0、110でS1の絶対値、S2をチェックし、S1の
絶対値が基本波成分最低限度値S1min以下、かつS
2が2倍調波成分最低限度値S2min以下であれば信
号出力低下異常とする(ステップ120)。
【0034】グラフでは角速度Ωが零のときS2及びS
4が最大であって、それ以上の値はありえないから、ス
テップ70で取得したS2、S4が予め定めた最大値よ
り大きいときは、プリアンプ故障等により受光信号が飽
和していると考えられる。そこで、ステップ130、1
40でS2、S4をチェックし、そのいずれかが2倍調
波成分最高限度値S2max又は4倍調波成分最高限度
値S4max以上であれば信号出力飽和異常とする(ス
テップ150)。
【0035】(3)電源異常検出 前記した信号出力低下異常は、光ファイバ切れなどの光
学系の故障の他に光学系への電源の供給不足も考えられ
る。電源の供給不足を分離して検出するためにA/D変
換器9は光ファイバジャイロの任意の電源電圧がかかっ
ている部分から入力を得て、電源電圧をA/D変換す
る。電源電圧の取得はS1、S2、S4の取得に併せて
ステップ70で行われる。ステップ80において電源電
圧が予め定めた最低限度電圧Pminより低いときには
電源異常とし(ステップ90)、この場合、信号出力低
下異常は光学系の故障ではなく光学系への電源の供給不
足によるものと判断する。図3のフローチャートではス
テップ80がステップ100以降に優先するので、電源
異常が検出されると信号出力低下異常は検出されない。
【0036】(4)故障通知 上述した(1)〜(3)の故障検出において、零点異
常、信号出力低下異常、信号出力飽和異常、電源異常の
故障情報が検出されると、CPU10は、検出した故障
情報をステップ180で通信手段であるSCI13を介
して外部のホストコンピュータに通知する。このとき電
源を停止して再投入することによって故障情報が消えて
しまわないように、ステップ170で不揮発性のメモリ
であるE2 PROM12に書き込んでおく。再投入時に
は、ステップ10で不揮発性のメモリの故障情報を読み
出し、再投入以前に故障があったことを検知する。この
ときも故障情報をステップ180で外部のホストコンピ
ュータに通知する。
【0037】故障検出が全くない場合、ステップ160
で通常の角速度、角度の計算が行われ、ホストコンピュ
ータにその結果が送信される。
【0038】なお、以上の実施例では故障検出は信号処
理回路15中のCPU10で行う構成であったが、位相
変調周波数の基本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍
調波成分S4、各零点、及び電源電圧をホストコンピュ
ータに送信し、ホストコンピュータで故障検出できるよ
うにしてもよい。
【0039】次に本発明の他の実施例を説明する。
【0040】故障検出のためにA/D変換器9やCPU
10を用いるとシステム全体が高価になる。また、電子
回路の大規模化による部品点数の増大が信頼性の低下を
招くことも考えられる。
【0041】他方、2倍調波成分S2、4倍調波成分S
4は、光出力をP0 、位相変調の度合いをm、サニャッ
ク位相差をθとすると次式で表される。
【0042】 S2=P0 ・J2(m)cosθ (3) S4=P0 ・J4(m)cosθ (4) θ={4πRl/(λc)}・Ω (5) ここで、 R;センシングループの半径 l;センシングループの長さ λ;光源1の波長 c;光速 この式によれば、大きな角速度Ωが入力されると、S2
及びS4が小さくなる。角速度Ωが非常に大きいとS2
及びS4が小さいために故障診断ができないこともあ
る。従って、光ファイバジャイロを搭載したシステムが
動いているときには故障検出ができない場合がある。
【0043】そこで、プリアンプの交流信号のみを積分
し、その積分値と基準値とを比較して故障を判断するこ
とにする。そのための構成は図4に示される。図4にお
いて光学部14には、光源1、光カプラ2a、偏光子
3、光カプラ2b、位相変調器4、センシングループ
5、受光器6、プリアンプ(前置増幅器)7が含まれ
る。光学部14の構成は、図1のものとほぼ同じであ
る。
【0044】プリアンプ7の出力は、交流信号のみを分
離して積分する積分器16と、ロックインアンプ17、
18、19とに入力されている。積分器16の出力は自
動出力制御回路(APC)20と、比較器21とに入力
されている。APC20は積分器16で積分されたプリ
アンプ7の出力に基づきその積分値が一定になるように
光源1に供給される電流を制御して光出力を一定値に制
御する光出力制御手段である。ロックインアンプ17、
18、19はそれぞれ同期検波回路である。ロックイン
アンプ17は、プリアンプ7の出力を入力し、基準信号
発生回路22からの基準信号1frに基づいて基本波1
O を同期検波し、この同期検波出力を角速度を計測す
るためのアナログのジャイロ信号として図示されない計
測回路、あるいは本光ファイバジャイロ10を使用して
いるシステムへ出力する。ロックインアンプ18はプリ
アンプ7の出力を入力し、基準信号発生回路22からの
基準信号2frに基づいて2倍調波2fO を同期検波
し、この同期検波出力を位相変調器駆動回路23に出力
する。ロックインアンプ19は、プリアンプ7の出力を
入力し、基準信号発生回路22からの基準信号4frに
基づいて4倍調波4fO を同期検波し、この同期検波出
力を位相変調器駆動回路23に出力する。
【0045】位相変調器駆動回路(PZTコントロー
ラ)23は、位相変調器4の変調の度合いを一定値に制
御する変調信号振幅制御手段であり、ロックインアンプ
18、19からの2倍調波2fO 及び4倍調波4fO
入力して、基準信号発生回路22からの基準信号の振幅
を前記の2つの出力2fO 、4fO の比が一定になるよ
うに位相変調器4を制御するべく、低域通過フィルタ2
4を介して位相変調器4に変調信号を加える。
【0046】比較器21は、積分器16の積分信号の電
圧を予め定めた故障の基準電圧と比較して故障を検知す
るものである。比較器21の出力は、そのレベルがTT
Lレベル或いはCMOSレベルであるような2値出力で
あり、“L”、“H”が正常又は異常を示す論理とな
る。
【0047】以上のように構成された光ファイバジャイ
ロにおいて、プリアンプ7の出力P(t)は次式で表さ
れる。
【0048】 P(t)=K{1+Vcos(φS +φecos2πfmt)} (6) ここで K;光出力及び電子回路の増幅度で決まる定数 V;光干渉効率 φS ;サニャック位相差 φe;位相変調度 fm;位相変調周波数 である。サニャック位相差は次式で与えられる。
【0049】 φS =aΩ=(4πRl/λc)Ω (7) a;スケールファクタ R;センシングループの半径 l;センシングループの長さ λ;光源1の波長 c;光速 Ω;角速度 (6)式を展開すると(8)式になる。
【0050】
【数1】
【0051】(8)式において、7次以上のベッセル関
数の値は一般に小さいため零として無視することができ
る。また、交流信号のみ積分する積分回路16を用いる
ので、P(t)から直流分を除いたP´(t)を求める
と次式になる。
【0052】 P´(t)=−2KVJ1 (φe)・sinφS ・cos(2πfmt) −2KVJ2 (φe)・cosφS ・cos(2π2fmt) +2KVJ3 (φe)・sinφS ・cos(2π3fmt) +2KVJ4 (φe)・cosφS ・cos(2π4fmt) −2KVJ5 (φe)・sinφS ・cos(2π5fmt) −2KVJ6 (φe)・cosφS ・cos(2π6fmt) ・・・(9) この信号が積分回路16で積分されることによってプリ
アンプ7の交流信号のレベルが求められるが、その大き
さを表すには実効値がよく用いられるため、以下、(1
0)式で定義される実効値|P|を求める。
【0053】
【数2】
【0054】ここで T;基本波の周期 2πfmt=ωtとすると、 P´2 (t)=4K2 2 {−J1 (φe)・sinφS ・cos(ωt) −J2 (φe)・cosφS ・cos(2ωt) +J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt) +J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt) −J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt) −J6 (φe)・cosφS ・cos(6ωt)}2 =4K2 2 × [{J1 2 (φe)・sin2 φS ・cos2 (ωt) +J2 2 (φe)・cos2 φS ・cos2 (2ωt) +・・・} −2J1 (φe)・cosφS ・cos(2t)× {−J2 (φe)・cosφS ・cos(2ωt) +J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt) +・・・} −2J2 (φe)・cosφS ・cos(2ωt)× {J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt) +J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt) +・・・} +2J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt)× {J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt) −J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt) −・・・} +2J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt)× {−J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt) −J6 (φe)・cosφS ・cos(6ωt)} −2J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt)× {−J6 (φe)・cosφS ・cos(6ωt)}] ・・・(11) となる。
【0055】次に、(11)式のcos2 の項と、その
他の項に別けて積分する。
【0056】
【数3】
【0057】となる。
【0058】例えば、φe=2.7で動作させた場合、 J1 (φe)=0.4416 J2 (φe)=0.46956 J3 (φe)=0.25405 J4 (φe)=0.09498 J5 (φe)=0.02739 J6 (φe)=0.00645 であるから、
【0059】
【数4】
【0060】となる。
【0061】φS =0、即ち光ファイバジャイロに回転
が加わらず角速度Ω=0の場合の積分器16の出力|P
(0)|を基準とし、φS における出力|P(φS )|
の変化量を図5のグラフに示す。ここで変化量とは、|
P(φS )|から|P(0)|を引いたものを|P
(0)|で割り、百分率で表したものである。図示され
るように、φS が0°から90°の間で変化量が0%か
ら6%まで徐々に増加している。光ファイバジャイロの
角速度に対するダイナミックレンジは、通常、|φS
≦60°で設計されるので、この範囲で変化量を見ると
5%以内になることが分かる。従って、通常の回転角速
度が光ファイバジャイロに加わっても、積分器16の出
力変化は5%以下になることが分かる。
【0062】光学系の故障、或いは電気系の故障によ
り、K即ち光出力及び電子回路の増幅度で決まる定数に
異常がある場合、又は光学系に用いられる偏波面保存光
ファイバの偏波保存性の劣化により、光干渉効率Vに異
常がある場合は、その影響が|P(φS )|にも現れる
が、上記のように回転角速度による|P(φS )|の変
化が5%以下であることから、例えば10%の変化が見
られるときには、光学系の故障、或いは電気系の故障と
して検出することができる。比較器21には|P(0)
|の10%程度の故障基準値を設定しておく。これによ
り、通常の回転角速度が光ファイバジャイロに加わって
いるときでも、少なくとも±10%の精度で異常を検出
することができる。
【0063】比較器21が出力する故障信号の出力レベ
ルがTTLレベル或いはCMOSレベルであるので、本
光ファイバジャイロを使用しているシステムとの接続が
容易であり、システム側はこの故障信号を監視すること
により光ファイバジャイロの故障が直ちに認識できる。
【0064】なお、故障が発生した場合、光源1に過大
な電流が流れる場合が多いので、故障信号により光源1
を遮断する構成としてもよい。
【0065】また、光源1の出力制御に積分器16の出
力を用いたが、光源1の光ファイバ側出射端とは反対側
にフォトダイオードを設置し、このフォトダイオードの
出力で出力制御する構成であっても、積分器16による
故障検出は可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0067】(1)運転している光ファイバジャイロで
迅速な故障検出ができ、故障通知できるので事故を未然
に防ぐことができる。
【0068】(2)故障の具体的情報が得られるので、
故障箇所が限定でき原因解明が容易になる。
【0069】(3)故障情報を不揮発メモリに記憶して
いるので光ファイバジャイロの電源が切られても故障情
報が消えない。従って、故障検出に基づいて緊急で電源
を遮断した場合でも故障情報が失われることがなく、ま
た、ホスト機器にも継続してこの故障情報が通知でき
る。
【0070】(4)前置増幅器の出力を積分器に通し、
その積分値から故障を判定できるので、回路が簡素化さ
れ、光ファイバジャイロが小型で安価に構成されると共
に部品点数の低減による信頼性の向上が図られる。
【0071】(5)回転角速度が加わっても積分器の出
力は原理的にほぼ一定しているので、故障判定が高精度
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す光ファイバジャイロの
ブロック図である。
【図2】基本波、2倍調波、4倍調波成分の角速度対電
位特性を示すグラフである。
【図3】本発明の光ファイバジャイロのフローチャート
である。
【図4】本発明の他の実施例を示す光ファイバジャイロ
のブロック図である。
【図5】φS と|P(φS )|の変化量との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 光源 4 位相変調器 5 センシングループ 6 受光器 7 プリアンプ(前置増幅器) 12 E2 PROM(不揮発性のメモリ) 16 積分器 20 APC(光出力制御手段) 23 位相変調器駆動回路(PZTコントローラ、変調
信号振幅制御手段)
フロントページの続き (72)発明者 小林 治 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 秋山 宗広 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 於保 茂 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 園部 久雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を位相変調してセンシング
    ループに導入し、このセンシングループを周回した光を
    受光して電気信号に変換し、この電気信号からセンシン
    グループの角速度を検出する光ファイバジャイロにおい
    て、上記電気信号から位相変調の基本波成分及び偶数調
    波成分を求め、これらの成分の変化から光学系の故障を
    検出することを特徴とする光ファイバジャイロの故障検
    出方法。
  2. 【請求項2】 光源を遮断するか又は位相変調を停止
    し、そのときの上記電気信号のノイズ成分を検知し、こ
    のノイズ成分の大きさから電気系の故障を検出すること
    を特徴とする請求項1記載の光ファイバジャイロの故障
    検出方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバジャイロに供給される電源電
    圧を計測し、この電圧の大きさから電源の故障を検出
    し、上記光学系の故障検出と電源の故障とが分離される
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバジャ
    イロの故障検出方法。
  4. 【請求項4】 上記光ファイバジャイロは、検出された
    故障情報を不揮発性のメモリに記憶すると共にこの故障
    情報を外部に通信し、かつ上記電源が停止されて再度投
    入されたとき上記不揮発性のメモリの故障情報から故障
    があったことを検知すると共に故障情報を外部に通信す
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光ファ
    イバジャイロの故障検出方法。
  5. 【請求項5】 光源と、光源からの光を位相変調する位
    相変調器と、位相変調された光が導入されるセンシング
    ループと、このセンシングループを周回した光を受光し
    て電気信号に変換する受光器と、この受光器からの電気
    信号を増幅する前置増幅器とを有する光ファイバジャイ
    ロにおいて、上記前置増幅器で増幅された電気信号を積
    分する積分器と、この積分信号の電圧を故障の基準電圧
    と比較する比較器とを有し、この比較器の出力が故障の
    有無を示すことを特徴とする光ファイバジャイロの故障
    診断装置。
  6. 【請求項6】 上記光源の光出力を一定値に制御する光
    出力制御手段を有することを特徴とする請求項5記載の
    光ファイバジャイロの故障診断装置。
  7. 【請求項7】 上記位相変調器の変調の度合いを一定値
    に制御する変調信号振幅制御手段を有することを特徴と
    する請求項5又は6記載の光ファイバジャイロの故障診
    断装置。
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