JPH07140281A - 水ロッド及び燃料集合体 - Google Patents
水ロッド及び燃料集合体Info
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- JPH07140281A JPH07140281A JP5158943A JP15894393A JPH07140281A JP H07140281 A JPH07140281 A JP H07140281A JP 5158943 A JP5158943 A JP 5158943A JP 15894393 A JP15894393 A JP 15894393A JP H07140281 A JPH07140281 A JP H07140281A
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- diameter pipe
- pipe
- diameter
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】燃料集合体の機械的健全性を維持し壁温の上昇
を防止しつつ、簡易な構造でスペクトルシフト運転を行
える水ロッド及び燃料集合体を提供する。 【構成】水ロッド2は、上昇流路12を形成する太径管
3と下降流路13を形成する細径管4とを有する。太径
管3は、ジルコニウム合金の素管に対してピルガーミル
加工とα領域での焼き鈍しとが数回繰り返されて製管さ
れた後に、1回のα+β処理が施されたものであり、細
径管4は、ジルコニウム合金の素管に対してピルガーミ
ル加工(若しくは引抜き加工)とα領域での焼き鈍しと
が数回繰り返して製管された後に、1回のβ処理が施さ
れたものである。固定機構14によって細径管4を太径
管3に固定する際には、細径管4に引張応力を加え少な
くとも細径管4の軸方向の熱膨張量と太径管3の軸方向
の熱膨張量との差以上の量の弾性変形を与えたまま固定
を行う。
を防止しつつ、簡易な構造でスペクトルシフト運転を行
える水ロッド及び燃料集合体を提供する。 【構成】水ロッド2は、上昇流路12を形成する太径管
3と下降流路13を形成する細径管4とを有する。太径
管3は、ジルコニウム合金の素管に対してピルガーミル
加工とα領域での焼き鈍しとが数回繰り返されて製管さ
れた後に、1回のα+β処理が施されたものであり、細
径管4は、ジルコニウム合金の素管に対してピルガーミ
ル加工(若しくは引抜き加工)とα領域での焼き鈍しと
が数回繰り返して製管された後に、1回のβ処理が施さ
れたものである。固定機構14によって細径管4を太径
管3に固定する際には、細径管4に引張応力を加え少な
くとも細径管4の軸方向の熱膨張量と太径管3の軸方向
の熱膨張量との差以上の量の弾性変形を与えたまま固定
を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料集合体に備えられ
る水ロッドに係わり、特にスペクトルシフト運転を行う
水ロッド及びその水ロッドを備えた燃料集合体に関す
る。
る水ロッドに係わり、特にスペクトルシフト運転を行う
水ロッド及びその水ロッドを備えた燃料集合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉においては中性
子の減速を促進させることを目的に冷却水のみが流れる
水ロッドを燃料集合体内に設けている。すなわち、ウラ
ン原子に対する水素原子の数を多くして反応度を高くす
ることにより、炉心に装荷された核燃料物質を有効に活
用するものである。また、核燃料物質の燃焼に伴って炉
心内の水素原子数を変えるスペクトルシフト運転を行う
ことによりさらに核燃料物質の有効活用が図れる。この
スペクトルシフト運転を行うための水ロッド及び燃料集
合体の構成に関する公知技術例として以下のものがあ
る。
子の減速を促進させることを目的に冷却水のみが流れる
水ロッドを燃料集合体内に設けている。すなわち、ウラ
ン原子に対する水素原子の数を多くして反応度を高くす
ることにより、炉心に装荷された核燃料物質を有効に活
用するものである。また、核燃料物質の燃焼に伴って炉
心内の水素原子数を変えるスペクトルシフト運転を行う
ことによりさらに核燃料物質の有効活用が図れる。この
スペクトルシフト運転を行うための水ロッド及び燃料集
合体の構成に関する公知技術例として以下のものがあ
る。
【0003】特開昭63−73187号公報 この公知技術は、冷却材上昇流路となる上昇管と冷却材
下降流路となる下降管とこれらを連結する連結管とで水
ロッドを構成することにより、単純な構造で燃料集合体
内の平均ボイド率を大幅に変化させてスペクトルシフト
運転を行うものである。
下降流路となる下降管とこれらを連結する連結管とで水
ロッドを構成することにより、単純な構造で燃料集合体
内の平均ボイド率を大幅に変化させてスペクトルシフト
運転を行うものである。
【0004】特開平3−210498号公報 この公知技術は、上昇管を形成する部材の外側に凹みを
設け、この凹みに別の部材を覆いかぶせ下降管を形成す
ることにより、使用金属量を減少しつつ高温となる下降
管の腐食等を抑制するものである。
設け、この凹みに別の部材を覆いかぶせ下降管を形成す
ることにより、使用金属量を減少しつつ高温となる下降
管の腐食等を抑制するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の課題が存在する。公知技術において
は、水ロッドの材質(例えば、ジルコニウム合金等)が
その性質上原子炉運転中における中性子照射によって変
形することについて配慮がされていない。すなわち、上
昇管と下降管とは別部材であり、同一の材料で製造した
としても圧延等の製造工程における結晶構造の変化等に
よりそれぞれ水ロッド軸方向に対する照射成長量が異な
る場合がありうる。例えば、細径管である下降管の軸方
向の照射成長量が太径管である上昇管の軸方向の照射成
長量より大きい場合には、下降管には圧縮応力が上昇管
には引張応力が負荷され、下降管において圧縮応力によ
り挫屈・たわみが発生したり上昇管において引張応力に
おり亀裂・破損等が発生して燃料集合体の機械的健全性
が損なわれ、さらには下降管が周りの燃料棒に接触し燃
料棒から冷却水への正常な熱伝達が阻害されたりするお
それがある。
知技術には以下の課題が存在する。公知技術において
は、水ロッドの材質(例えば、ジルコニウム合金等)が
その性質上原子炉運転中における中性子照射によって変
形することについて配慮がされていない。すなわち、上
昇管と下降管とは別部材であり、同一の材料で製造した
としても圧延等の製造工程における結晶構造の変化等に
よりそれぞれ水ロッド軸方向に対する照射成長量が異な
る場合がありうる。例えば、細径管である下降管の軸方
向の照射成長量が太径管である上昇管の軸方向の照射成
長量より大きい場合には、下降管には圧縮応力が上昇管
には引張応力が負荷され、下降管において圧縮応力によ
り挫屈・たわみが発生したり上昇管において引張応力に
おり亀裂・破損等が発生して燃料集合体の機械的健全性
が損なわれ、さらには下降管が周りの燃料棒に接触し燃
料棒から冷却水への正常な熱伝達が阻害されたりするお
それがある。
【0006】また、公知技術においては、下降管を上
昇管の外側に配置することによって水ロッド外部を常に
流れる冷却水により下降管壁温の上昇を抑制している。
しかし、下降管を形成するために上昇管の外側に設けら
れた凹み部分は外部の冷却材には接触しない。したがっ
て、燃焼初期において流量が小さく水ロッド内上部が蒸
気のみで満たされているときには、この凹み部分には冷
却材が全く接触しないので壁温が上昇し、腐食・水素脆
化等が起こりやすい。さらに、上昇管外側の軸方向ほぼ
全長にわたって精度よく凹みを設け、かつその凹みの軸
方向ほぼ全長にわたり溶接により他の部材をかぶせて固
定するので、構造が複雑となって高い加工精度を要し、
コスト高となる。
昇管の外側に配置することによって水ロッド外部を常に
流れる冷却水により下降管壁温の上昇を抑制している。
しかし、下降管を形成するために上昇管の外側に設けら
れた凹み部分は外部の冷却材には接触しない。したがっ
て、燃焼初期において流量が小さく水ロッド内上部が蒸
気のみで満たされているときには、この凹み部分には冷
却材が全く接触しないので壁温が上昇し、腐食・水素脆
化等が起こりやすい。さらに、上昇管外側の軸方向ほぼ
全長にわたって精度よく凹みを設け、かつその凹みの軸
方向ほぼ全長にわたり溶接により他の部材をかぶせて固
定するので、構造が複雑となって高い加工精度を要し、
コスト高となる。
【0007】本発明の目的は、燃料集合体の機械的健全
性を維持しかつ壁温の上昇を防止しつつ、簡易な構造で
スペクトルシフト運転を行える水ロッド及び燃料集合体
を提供することである。
性を維持しかつ壁温の上昇を防止しつつ、簡易な構造で
スペクトルシフト運転を行える水ロッド及び燃料集合体
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、原子炉炉心の燃料集合体内に備え
られ、前記炉心下方から流入する冷却材が上向きに流れ
る太径管と、前記太径管に接続して固定され該上昇管内
を上昇した冷却材が下向きに流れる細径管とを有する水
ロッドにおいて、前記太径管と前記細径管とを互いに集
合組織の異なるジルコニウム合金管で構成することによ
り、該太径管の軸方向の照射成長量が該細径管の軸方向
の照射成長量より大となるように構成することを特徴と
する水ロッドが提供される。
に、本発明によれば、原子炉炉心の燃料集合体内に備え
られ、前記炉心下方から流入する冷却材が上向きに流れ
る太径管と、前記太径管に接続して固定され該上昇管内
を上昇した冷却材が下向きに流れる細径管とを有する水
ロッドにおいて、前記太径管と前記細径管とを互いに集
合組織の異なるジルコニウム合金管で構成することによ
り、該太径管の軸方向の照射成長量が該細径管の軸方向
の照射成長量より大となるように構成することを特徴と
する水ロッドが提供される。
【0009】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、原子炉炉心の燃料集合体内に備えられ、前記炉
心下方から流入する冷却材が上向きに流れる太径管と、
前記太径管に接続して固定され該上昇管内を上昇した冷
却材が下向きに流れる細径管とを有する水ロッドにおい
て、前記太径管と前記細径管とを互いに集合組織の異な
るジルコニウム合金管で構成することにより、該太径管
の軸方向の熱膨張量が該細径管の軸方向の熱膨張量より
小であるように構成し、かつ、前記細径管に引張応力を
加え少なくとも該細径管の軸方向の熱膨張量と該太径管
の軸方向の熱膨張量との差以上の量の弾性変形を与えた
まま前記細径管を前記太径管とを固定したことを特徴と
する水ロッドが提供される。
よれば、原子炉炉心の燃料集合体内に備えられ、前記炉
心下方から流入する冷却材が上向きに流れる太径管と、
前記太径管に接続して固定され該上昇管内を上昇した冷
却材が下向きに流れる細径管とを有する水ロッドにおい
て、前記太径管と前記細径管とを互いに集合組織の異な
るジルコニウム合金管で構成することにより、該太径管
の軸方向の熱膨張量が該細径管の軸方向の熱膨張量より
小であるように構成し、かつ、前記細径管に引張応力を
加え少なくとも該細径管の軸方向の熱膨張量と該太径管
の軸方向の熱膨張量との差以上の量の弾性変形を与えた
まま前記細径管を前記太径管とを固定したことを特徴と
する水ロッドが提供される。
【0010】さらに上記目的を達成するために、本発明
によれば、原子炉炉心の燃料集合体内に備えられ、前記
炉心下方から流入する冷却材が上向きに流れる太径管
と、前記太径管に接続して固定され該上昇管内を上昇し
た冷却材が下向きに流れる細径管とを有する水ロッドに
おいて、前記太径管と前記細径管とを互いに集合組織の
異なるジルコニウム合金管で構成することにより、該太
径管の軸方向の照射成長量が該細径管の軸方向の照射成
長量より大であって前記太径管の軸方向の熱膨張量が前
記細径管の軸方向の熱膨張量より小であるように構成
し、かつ、該細径管に引張応力を加え少なくとも前記細
径管の軸方向の熱膨張量と前記太径管の軸方向の熱膨張
量との差以上の量の弾性変形を与えたまま該細径管を該
太径管とを固定したことを特徴とする水ロッドが提供さ
れる。
によれば、原子炉炉心の燃料集合体内に備えられ、前記
炉心下方から流入する冷却材が上向きに流れる太径管
と、前記太径管に接続して固定され該上昇管内を上昇し
た冷却材が下向きに流れる細径管とを有する水ロッドに
おいて、前記太径管と前記細径管とを互いに集合組織の
異なるジルコニウム合金管で構成することにより、該太
径管の軸方向の照射成長量が該細径管の軸方向の照射成
長量より大であって前記太径管の軸方向の熱膨張量が前
記細径管の軸方向の熱膨張量より小であるように構成
し、かつ、該細径管に引張応力を加え少なくとも前記細
径管の軸方向の熱膨張量と前記太径管の軸方向の熱膨張
量との差以上の量の弾性変形を与えたまま該細径管を該
太径管とを固定したことを特徴とする水ロッドが提供さ
れる。
【0011】好ましくは、前記水ロッドにおいて、前記
太径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶におけるc軸
が該太径管の半径方向に集積した集合組織を有し、かつ
前記細径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶における
c軸が各結晶でアトランダムな方向に向いた等方的な集
合組織を有することを特徴とする水ロッドが提供され
る。
太径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶におけるc軸
が該太径管の半径方向に集積した集合組織を有し、かつ
前記細径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶における
c軸が各結晶でアトランダムな方向に向いた等方的な集
合組織を有することを特徴とする水ロッドが提供され
る。
【0012】また好ましくは、前記水ロッドにおいて、
前記太径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶における
c軸が該太径管の半径方向に集積した集合組織を有し、
かつ前記細径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶にお
けるc軸が該細径管の軸方向に集積した集合組織を有す
ることを特徴とする水ロッドが提供される。
前記太径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶における
c軸が該太径管の半径方向に集積した集合組織を有し、
かつ前記細径管は、ジルコニウム合金の最密六方晶にお
けるc軸が該細径管の軸方向に集積した集合組織を有す
ることを特徴とする水ロッドが提供される。
【0013】さらに好ましくは、前記水ロッドにおい
て、前記太径管と前記細径管とはそれぞれ異なる製管方
法により製造されたことを特徴とする水ロッドが提供さ
れる。
て、前記太径管と前記細径管とはそれぞれ異なる製管方
法により製造されたことを特徴とする水ロッドが提供さ
れる。
【0014】また好ましくは、前記水ロッドにおいて、
前記太径管はピルガーミル加工により製管され、かつ前
記細径管は引抜き加工により製管されたことを特徴とす
る水ロッドが提供される。
前記太径管はピルガーミル加工により製管され、かつ前
記細径管は引抜き加工により製管されたことを特徴とす
る水ロッドが提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記水ロッドにおい
て、前記太径管と前記細径管とはそれぞれ異なる熱処理
を施されたことを特徴とする水ロッドが提供される。
て、前記太径管と前記細径管とはそれぞれ異なる熱処理
を施されたことを特徴とする水ロッドが提供される。
【0016】また好ましくは、前記水ロッドにおいて、
前記太径管はピルガーミル加工による製管の前・中・後
いずれかの段階でα+β処理を施され、かつ前記細径管
はピルガーミル加工により製管された後にβ処理を施さ
れたことを特徴とする水ロッドが提供される。
前記太径管はピルガーミル加工による製管の前・中・後
いずれかの段階でα+β処理を施され、かつ前記細径管
はピルガーミル加工により製管された後にβ処理を施さ
れたことを特徴とする水ロッドが提供される。
【0017】さらに上記目的を達成するために、本発明
によれば、核分裂性物質を充填した燃料棒と、水ロッド
とを有する燃料集合体において、前記水ロッドは、上記
水ロッドであることを特徴とする燃料集合体が提供され
る。
によれば、核分裂性物質を充填した燃料棒と、水ロッド
とを有する燃料集合体において、前記水ロッドは、上記
水ロッドであることを特徴とする燃料集合体が提供され
る。
【0018】
【作用】以上のように構成した本発明においては、太径
管の軸方向の照射成長量が細径管の軸方向の照射成長量
より大となるように集合組織の異なるジルコニウム合金
管で前記太径管と前記細径管とを構成することにより、
照射成長による軸方向の伸びは常に太径管が細径管を上
回るので、強度の弱い細径管は常に太径管に引っ張られ
て伸びることとなる。よって、細径管がたわんで隣接し
た燃料棒に接近する等により燃料集合体の機械的健全性
が損なわれることがない。
管の軸方向の照射成長量が細径管の軸方向の照射成長量
より大となるように集合組織の異なるジルコニウム合金
管で前記太径管と前記細径管とを構成することにより、
照射成長による軸方向の伸びは常に太径管が細径管を上
回るので、強度の弱い細径管は常に太径管に引っ張られ
て伸びることとなる。よって、細径管がたわんで隣接し
た燃料棒に接近する等により燃料集合体の機械的健全性
が損なわれることがない。
【0019】また、本発明においては、太径管の軸方向
の熱膨張量が細径管の軸方向の熱膨張量より小であるよ
うに集合組織の異なるジルコニウム合金管で前記太径管
と前記細径管とを構成し、かつ、前記細径管に引張応力
を加え少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形
を与えたまま固定を行うことにより、運転開始後に温度
上昇とともに細径管が太径管よりも軸方向に熱膨張して
も、少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形は
既に細径管に与えられているので、細径管に圧縮応力が
かかることはない。よって、細径管がたわんで隣接した
燃料棒に接近する等により燃料集合体の機械的健全性が
損なわれることがない。
の熱膨張量が細径管の軸方向の熱膨張量より小であるよ
うに集合組織の異なるジルコニウム合金管で前記太径管
と前記細径管とを構成し、かつ、前記細径管に引張応力
を加え少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形
を与えたまま固定を行うことにより、運転開始後に温度
上昇とともに細径管が太径管よりも軸方向に熱膨張して
も、少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形は
既に細径管に与えられているので、細径管に圧縮応力が
かかることはない。よって、細径管がたわんで隣接した
燃料棒に接近する等により燃料集合体の機械的健全性が
損なわれることがない。
【0020】さらに本発明においては、太径管の軸方向
の照射成長量が細径管の軸方向の照射成長量より大とな
るように集合組織の異なるジルコニウム合金管で前記太
径管と前記細径管とを構成することにより、照射成長に
よる軸方向の伸びは常に太径管が細径管を上回るので、
強度の弱い細径管は常に太径管に引っ張られて伸びるこ
ととなる。また太径管の軸方向の熱膨張量が細径管の軸
方向の熱膨張量より小であるように集合組織の異なるジ
ルコニウム合金管で前記太径管と前記細径管とを構成
し、かつ、前記細径管に引張応力を加え少なくともその
熱膨張量の差以上の量の弾性変形を与えたまま固定を行
うことにより、運転開始後に温度上昇とともに細径管が
太径管よりも軸方向に熱膨張しても、少なくともその熱
膨張量の差以上の量の弾性変形は既に細径管に与えられ
ているので、細径管に圧縮応力がかかることはない。し
たがって、細径管がたわんで隣接した燃料棒に接近する
等により燃料集合体の機械的健全性が損なわれることが
ない。
の照射成長量が細径管の軸方向の照射成長量より大とな
るように集合組織の異なるジルコニウム合金管で前記太
径管と前記細径管とを構成することにより、照射成長に
よる軸方向の伸びは常に太径管が細径管を上回るので、
強度の弱い細径管は常に太径管に引っ張られて伸びるこ
ととなる。また太径管の軸方向の熱膨張量が細径管の軸
方向の熱膨張量より小であるように集合組織の異なるジ
ルコニウム合金管で前記太径管と前記細径管とを構成
し、かつ、前記細径管に引張応力を加え少なくともその
熱膨張量の差以上の量の弾性変形を与えたまま固定を行
うことにより、運転開始後に温度上昇とともに細径管が
太径管よりも軸方向に熱膨張しても、少なくともその熱
膨張量の差以上の量の弾性変形は既に細径管に与えられ
ているので、細径管に圧縮応力がかかることはない。し
たがって、細径管がたわんで隣接した燃料棒に接近する
等により燃料集合体の機械的健全性が損なわれることが
ない。
【0021】また、前記太径管はc軸が該太径管の半径
方向に集積した集合組織を有し、かつ前記細径管はc軸
が各結晶でアトランダムな方向に向いた等方的な集合組
織を有することにより、太径管は照射成長により軸方向
に伸び細径管は軸方向には太径管ほどには伸びず、軸方
向の照射成長量は太径管のほうが細径管よりも大きくな
る。さらに、前記太径管はc軸が該太径管の半径方向に
集積した集合組織を有し、かつ前記細径管はc軸が該細
径管の軸方向に集積した集合組織を有することにより、
太径管は照射成長により軸方向に伸び、細径管は軸方向
に縮むので、管の軸方向の照射成長量は太径管のほうが
細径管よりも大きくなる。また、前記太径管と前記細径
管とはそれぞれ異なる製管方法により製造されることに
より、太径管のc軸を半径方向に集積させ細径管のc軸
は各結晶でアトランダムな方向に向いた集合組織とした
り、太径管のc軸を半径方向に集積させ細径管のc軸は
軸方向に集積させた集合組織として、太径管のほうが細
径管よりも軸方向への照射成長量を大きくさせることが
できる。さらに、太径管をピルガーミル加工で製管し細
径管を引抜き加工で製管することにより、太径管のc軸
を半径方向に集積させ細径管のc軸は軸方向に集積させ
た集合組織とすることができる。また、太径管と細径管
とはそれぞれ異なる熱処理が施されることにより、太径
管においてはc軸が半径方向に集積した集合組織を維持
する一方で、細径管においてはc軸が半径方向に集積し
たものを各結晶でアトランダムな方向に向いた集合組織
としたり、又は太径管においてはc軸が半径方向に集積
し、細径管においてはc軸が軸方向に集積した集合組織
を維持する。
方向に集積した集合組織を有し、かつ前記細径管はc軸
が各結晶でアトランダムな方向に向いた等方的な集合組
織を有することにより、太径管は照射成長により軸方向
に伸び細径管は軸方向には太径管ほどには伸びず、軸方
向の照射成長量は太径管のほうが細径管よりも大きくな
る。さらに、前記太径管はc軸が該太径管の半径方向に
集積した集合組織を有し、かつ前記細径管はc軸が該細
径管の軸方向に集積した集合組織を有することにより、
太径管は照射成長により軸方向に伸び、細径管は軸方向
に縮むので、管の軸方向の照射成長量は太径管のほうが
細径管よりも大きくなる。また、前記太径管と前記細径
管とはそれぞれ異なる製管方法により製造されることに
より、太径管のc軸を半径方向に集積させ細径管のc軸
は各結晶でアトランダムな方向に向いた集合組織とした
り、太径管のc軸を半径方向に集積させ細径管のc軸は
軸方向に集積させた集合組織として、太径管のほうが細
径管よりも軸方向への照射成長量を大きくさせることが
できる。さらに、太径管をピルガーミル加工で製管し細
径管を引抜き加工で製管することにより、太径管のc軸
を半径方向に集積させ細径管のc軸は軸方向に集積させ
た集合組織とすることができる。また、太径管と細径管
とはそれぞれ異なる熱処理が施されることにより、太径
管においてはc軸が半径方向に集積した集合組織を維持
する一方で、細径管においてはc軸が半径方向に集積し
たものを各結晶でアトランダムな方向に向いた集合組織
としたり、又は太径管においてはc軸が半径方向に集積
し、細径管においてはc軸が軸方向に集積した集合組織
を維持する。
【0022】さらに、ピルガーミル加工による太径管の
製管の前・中・後いずれかの段階でα+β処理を施し、
かつピルガーミル加工により細径管を製管した後にβ処
理を施すことにより、太径管においてはc軸が半径方向
に集積した集合組織を維持する一方で、細径管において
はc軸が半径方向に集積したものを各結晶でアトランダ
ムな方向に向いた集合組織とする。
製管の前・中・後いずれかの段階でα+β処理を施し、
かつピルガーミル加工により細径管を製管した後にβ処
理を施すことにより、太径管においてはc軸が半径方向
に集積した集合組織を維持する一方で、細径管において
はc軸が半径方向に集積したものを各結晶でアトランダ
ムな方向に向いた集合組織とする。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図6により説
明する。本発明の第1の実施例を図1〜図4により説明
する。沸騰水型原子炉の燃料集合体の構造を図2に示
す。図2において、燃料集合体1は、上部タイプレート
6、下部タイプレート7、チャンネルボックス8、スペ
ーサ9、燃料棒5、及び水ロッド2を有し、燃料棒5と
水ロッド2の上端が上部タイプレート6によって保持さ
れ下端が下部タイプレート7によって支持される構造と
なっている。
明する。本発明の第1の実施例を図1〜図4により説明
する。沸騰水型原子炉の燃料集合体の構造を図2に示
す。図2において、燃料集合体1は、上部タイプレート
6、下部タイプレート7、チャンネルボックス8、スペ
ーサ9、燃料棒5、及び水ロッド2を有し、燃料棒5と
水ロッド2の上端が上部タイプレート6によって保持さ
れ下端が下部タイプレート7によって支持される構造と
なっている。
【0024】燃料集合体1の横断面を図3に示す。図3
において、燃料集合体1は、チャンネルボックス8の中
央部に太径管と細径管(後述)とからなる水ロッド2が
配列されており、その周囲に燃料棒5が正方格子状に配
列されている。
において、燃料集合体1は、チャンネルボックス8の中
央部に太径管と細径管(後述)とからなる水ロッド2が
配列されており、その周囲に燃料棒5が正方格子状に配
列されている。
【0025】本実施例は、太径管3及び細径管4につい
て、互いに集合組織の異なるジルコニウム合金を用いて
構成することにより、太径管3及び細径管4の挫屈・た
わみや亀裂・破損を防止し燃料集合体の健全性を維持す
ることができる水ロッド2の構造に関するものである。
以下、その詳細を説明する。
て、互いに集合組織の異なるジルコニウム合金を用いて
構成することにより、太径管3及び細径管4の挫屈・た
わみや亀裂・破損を防止し燃料集合体の健全性を維持す
ることができる水ロッド2の構造に関するものである。
以下、その詳細を説明する。
【0026】本実施例の水ロッド2の詳細構造を図1に
示す。図1において、水ロッド2は、炉心下方から流入
する冷却材が上向きに流れる上昇流路12を形成する太
径管3と、太径管3の上端近くで接続して固定され太径
管3内を上昇した冷却材が下向きに流れる下降流路13
を形成する細径管4とを有する。
示す。図1において、水ロッド2は、炉心下方から流入
する冷却材が上向きに流れる上昇流路12を形成する太
径管3と、太径管3の上端近くで接続して固定され太径
管3内を上昇した冷却材が下向きに流れる下降流路13
を形成する細径管4とを有する。
【0027】太径管3は、ジルコニウム合金の素管に対
してピルガーミル加工とα領域での焼き鈍しとが数回繰
り返されて製管された後に、1回のα+β処理が施され
たものである。細径管4は、ジルコニウム合金の素管に
対してピルガーミル加工(若しくは引抜き加工)とα領
域での焼き鈍しとが数回繰り返して製管された後に、1
回のβ処理が施されたものである。太径管3と細径管4
との間には、細径管4が冷却水の流れによる振動等によ
って周囲の燃料棒5や太径管3に接触することを防止す
るための固定機構14が設けられている。この固定機構
14によって細径管4を太径管3に固定する際には、細
径管4に引張応力を加え少なくとも細径管4の軸方向の
熱膨張量と太径管3の軸方向の熱膨張量との差(後述)
以上の量の弾性変形を与えたまま固定を行う。
してピルガーミル加工とα領域での焼き鈍しとが数回繰
り返されて製管された後に、1回のα+β処理が施され
たものである。細径管4は、ジルコニウム合金の素管に
対してピルガーミル加工(若しくは引抜き加工)とα領
域での焼き鈍しとが数回繰り返して製管された後に、1
回のβ処理が施されたものである。太径管3と細径管4
との間には、細径管4が冷却水の流れによる振動等によ
って周囲の燃料棒5や太径管3に接触することを防止す
るための固定機構14が設けられている。この固定機構
14によって細径管4を太径管3に固定する際には、細
径管4に引張応力を加え少なくとも細径管4の軸方向の
熱膨張量と太径管3の軸方向の熱膨張量との差(後述)
以上の量の弾性変形を与えたまま固定を行う。
【0028】上記構成において、冷却材は、下部タイプ
レート7の下に開けられた流入口10から取り込まれ、
太径管3中を上昇した後細径管4中を下降し、下部タイ
プレート7上方に開口した流出口11から放出される。
このとき冷却材の流量によって太径管3中の水位が変わ
り、冷却材が細径管4へ流入したりしなかったりするこ
とを利用してボイド率を変化させ、これにより中性子減
速効果を調整するスペクトルシフト運転を行う。
レート7の下に開けられた流入口10から取り込まれ、
太径管3中を上昇した後細径管4中を下降し、下部タイ
プレート7上方に開口した流出口11から放出される。
このとき冷却材の流量によって太径管3中の水位が変わ
り、冷却材が細径管4へ流入したりしなかったりするこ
とを利用してボイド率を変化させ、これにより中性子減
速効果を調整するスペクトルシフト運転を行う。
【0029】次に、本実施例の水ロッド2の作用を説明
する。一般に、水ロッドの材質に使用されるジルコニウ
ム合金の結晶構造は、862℃を境にそれより低温では
最密六方晶、それより高温では体心立方晶を構成し、前
者の状態をα相、後者の状態をβ相という。すなわち、
通常運転中の温度範囲においてはジルコニウム合金の結
晶構造はα相の最密六方晶である。これを図4に示す。
する。一般に、水ロッドの材質に使用されるジルコニウ
ム合金の結晶構造は、862℃を境にそれより低温では
最密六方晶、それより高温では体心立方晶を構成し、前
者の状態をα相、後者の状態をβ相という。すなわち、
通常運転中の温度範囲においてはジルコニウム合金の結
晶構造はα相の最密六方晶である。これを図4に示す。
【0030】図4において、ジルコニウム合金の最密六
方晶はc軸とa軸とを備え異方性を示す構造であり、中
性子照射を受けると照射成長によりa軸方向に伸び、ま
たc軸方向に縮む性質を有する。このc軸及びa軸の向
きは、圧延等製造工程における加工の態様(例えば、後
述のようにピルガーミル加工か引抜き加工か)によって
異なる。したがって例えば水ロッドの軸方向への照射成
長量を考える場合に、製造されるまでに施された加工が
何であるかによってその照射成長量が異なることとな
る。
方晶はc軸とa軸とを備え異方性を示す構造であり、中
性子照射を受けると照射成長によりa軸方向に伸び、ま
たc軸方向に縮む性質を有する。このc軸及びa軸の向
きは、圧延等製造工程における加工の態様(例えば、後
述のようにピルガーミル加工か引抜き加工か)によって
異なる。したがって例えば水ロッドの軸方向への照射成
長量を考える場合に、製造されるまでに施された加工が
何であるかによってその照射成長量が異なることとな
る。
【0031】一方、一般に原子炉内において使用される
構造材は耐食性を高めるために熱処理として焼き入れが
行われるのが通常である。水ロッドに使用されるジルコ
ニウム合金においては、この際の焼き入れの温度が86
2℃を超えれば、前述したように結晶構造が一旦体心立
方晶のβ相に変化することになる。β相を生成するよう
な温度まで加熱したのち冷却を行う焼き入れがβ処理で
あり、β処理より低温であるα相の温度範囲内で行われ
る焼き入れがα処理である(ただし、後述するようにこ
の場合耐食性向上があまり得られないのでα処理という
語は使用せず、単に「α領域での焼き鈍し」ということ
が多い)。またα処理とβ処理との中間の温度での熱処
理がα+β処理である。すなわち、熱処理温度はβ処理
>α+β処理>α処理の順で高く、またこの順で耐食性
の向上効果が大きい。ジルコニウム合金においてはα処
理では耐食性の向上効果が十分得られないことから、製
造工程の最終段階でα+β処理若しくはβ処理が行われ
る。
構造材は耐食性を高めるために熱処理として焼き入れが
行われるのが通常である。水ロッドに使用されるジルコ
ニウム合金においては、この際の焼き入れの温度が86
2℃を超えれば、前述したように結晶構造が一旦体心立
方晶のβ相に変化することになる。β相を生成するよう
な温度まで加熱したのち冷却を行う焼き入れがβ処理で
あり、β処理より低温であるα相の温度範囲内で行われ
る焼き入れがα処理である(ただし、後述するようにこ
の場合耐食性向上があまり得られないのでα処理という
語は使用せず、単に「α領域での焼き鈍し」ということ
が多い)。またα処理とβ処理との中間の温度での熱処
理がα+β処理である。すなわち、熱処理温度はβ処理
>α+β処理>α処理の順で高く、またこの順で耐食性
の向上効果が大きい。ジルコニウム合金においてはα処
理では耐食性の向上効果が十分得られないことから、製
造工程の最終段階でα+β処理若しくはβ処理が行われ
る。
【0032】このとき、β処理が施されると熱処理前の
加工で導入されたα相の集合組織の結晶構造は、焼き入
れ温度において一旦β相に変わってしまうが、その後の
冷却によって862℃以下になるとき再度最密六方晶で
あるα相へと戻る。このとき各結晶のc軸の向きはアト
ランダムとなり、集合組織全体としては異方性が失われ
等方的になる。一方、α+β処理が施されると集合組織
の結晶構造は処理前のα相のまま維持され、すなわち各
結晶のc軸の向きもそのままであって集合組織全体とし
て異方性は維持される。従って、上記2つの処理が施さ
れた後の異方性の残存性の差により、熱処理においてβ
処理が施されたかα+β処理が施されたかによってもジ
ルコニウム合金の照射成長量は異なることとなる。
加工で導入されたα相の集合組織の結晶構造は、焼き入
れ温度において一旦β相に変わってしまうが、その後の
冷却によって862℃以下になるとき再度最密六方晶で
あるα相へと戻る。このとき各結晶のc軸の向きはアト
ランダムとなり、集合組織全体としては異方性が失われ
等方的になる。一方、α+β処理が施されると集合組織
の結晶構造は処理前のα相のまま維持され、すなわち各
結晶のc軸の向きもそのままであって集合組織全体とし
て異方性は維持される。従って、上記2つの処理が施さ
れた後の異方性の残存性の差により、熱処理においてβ
処理が施されたかα+β処理が施されたかによってもジ
ルコニウム合金の照射成長量は異なることとなる。
【0033】ジルコニウム合金に関し以上述べたことを
まとめると、 (1)ジルコニウム合金は通常はα相で異方性があり照
射成長によってc軸方向へ縮む。但しそのc軸の方向は
加工態様によって異なる。
まとめると、 (1)ジルコニウム合金は通常はα相で異方性があり照
射成長によってc軸方向へ縮む。但しそのc軸の方向は
加工態様によって異なる。
【0034】(2)加工後のジルコニウム合金にα+β
処理が施された場合は(1)の集合組織の異方性は維持
され、β処理が施された場合は(1)の集合組織の異方
性はなくなり等方的になる。
処理が施された場合は(1)の集合組織の異方性は維持
され、β処理が施された場合は(1)の集合組織の異方
性はなくなり等方的になる。
【0035】本実施例の水ロッド2においては、太径管
3はピルガーミル加工で製管されることによりc軸が太
径管3の半径方向に集積した集合組織となる(図1A部
拡大図参照)。その後太径管3は製管後α+β処理され
るが、α+β処理においては上記(2)で述べたように
集合組織の結晶構造における異方性がそのまま維持され
るので、照射成長によりc軸の方向である半径方向に縮
みa軸の方向である軸方向に伸びる性質を有することと
なる。また細径管4はピルガーミル加工(若しくは引抜
き加工)で製管された後にβ処理される。β処理におい
ては上記(2)で述べたように集合組織の結晶構造にお
ける異方性が維持されないので、ピルガーミル加工によ
り導入されたc軸が半径方向に集積された集合組織(若
しくは引抜き加工により導入されたc軸が軸方向に集積
された集合組織)は結晶構造が変化し、各結晶でc軸が
アトランダムな方向に向いた等方的な集合組織となる
(図1B部拡大図参照)。よって、太径管3は照射成長
によって軸方向へ伸び、細径管4は軸方向には太径管3
ほどには伸びないので、管の軸方向の照射成長量は太径
管3のほうが細径管4よりも大きくなる。この時、常
に、太径管3には圧縮応力が細径管4には引張応力がか
かるが、強度の強い太径管3は大きくたわむことはな
く、強度の弱い細径管4は固定部で太径管3から引っ張
られて伸びることとなる。よって、細径管4がたわんで
隣接した燃料棒に接近する等により燃料集合体の健全性
が損なわれることがない。
3はピルガーミル加工で製管されることによりc軸が太
径管3の半径方向に集積した集合組織となる(図1A部
拡大図参照)。その後太径管3は製管後α+β処理され
るが、α+β処理においては上記(2)で述べたように
集合組織の結晶構造における異方性がそのまま維持され
るので、照射成長によりc軸の方向である半径方向に縮
みa軸の方向である軸方向に伸びる性質を有することと
なる。また細径管4はピルガーミル加工(若しくは引抜
き加工)で製管された後にβ処理される。β処理におい
ては上記(2)で述べたように集合組織の結晶構造にお
ける異方性が維持されないので、ピルガーミル加工によ
り導入されたc軸が半径方向に集積された集合組織(若
しくは引抜き加工により導入されたc軸が軸方向に集積
された集合組織)は結晶構造が変化し、各結晶でc軸が
アトランダムな方向に向いた等方的な集合組織となる
(図1B部拡大図参照)。よって、太径管3は照射成長
によって軸方向へ伸び、細径管4は軸方向には太径管3
ほどには伸びないので、管の軸方向の照射成長量は太径
管3のほうが細径管4よりも大きくなる。この時、常
に、太径管3には圧縮応力が細径管4には引張応力がか
かるが、強度の強い太径管3は大きくたわむことはな
く、強度の弱い細径管4は固定部で太径管3から引っ張
られて伸びることとなる。よって、細径管4がたわんで
隣接した燃料棒に接近する等により燃料集合体の健全性
が損なわれることがない。
【0036】また一方、ジルコニウム合金は、熱膨張に
よってc軸方向により大きく伸びる性質がある。よって
本実施例の水ロッド2のように太径管3のc軸が半径方
向へ向いており細径管4のc軸の向きがアトランダムで
ある場合には、細径管4のほうが太径管3よりも軸方向
の熱膨張量が大きくなり温度上昇時に細径管4がたわん
でしまう恐れがある。しかしながら本実施例の水ロッド
2においては、固定機構14によって細径管4を太径管
3に固定する際に、少なくとも上記の細径管4と太径管
3との熱膨張量の差以上の量の分、細径管4をあらかじ
め引き伸ばして弾性変形させ、細径管4にこの弾性変形
をさせたまま引張応力が残った状態で太径管3に固定を
行う。これにより、運転開始後に温度上昇とともに熱膨
張し細径管4が太径管3よりも軸方向に熱膨張しても、
少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形は既に
細径管4に与えられているので、細径管4に圧縮応力が
かかることはない。したがって細径管4が座屈したりた
わんで隣接の燃料棒5と接触し健全性を害することがな
い。
よってc軸方向により大きく伸びる性質がある。よって
本実施例の水ロッド2のように太径管3のc軸が半径方
向へ向いており細径管4のc軸の向きがアトランダムで
ある場合には、細径管4のほうが太径管3よりも軸方向
の熱膨張量が大きくなり温度上昇時に細径管4がたわん
でしまう恐れがある。しかしながら本実施例の水ロッド
2においては、固定機構14によって細径管4を太径管
3に固定する際に、少なくとも上記の細径管4と太径管
3との熱膨張量の差以上の量の分、細径管4をあらかじ
め引き伸ばして弾性変形させ、細径管4にこの弾性変形
をさせたまま引張応力が残った状態で太径管3に固定を
行う。これにより、運転開始後に温度上昇とともに熱膨
張し細径管4が太径管3よりも軸方向に熱膨張しても、
少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形は既に
細径管4に与えられているので、細径管4に圧縮応力が
かかることはない。したがって細径管4が座屈したりた
わんで隣接の燃料棒5と接触し健全性を害することがな
い。
【0037】以上説明したように、本実施例によれば、
ピルガーミル加工により太径管3を製管した後にα+β
処理を施し、かつピルガーミル加工(若しくは引抜き加
工)により細径管4を製管した後にβ処理を施すので、
太径管3においてはc軸が半径方向に集積した集合組織
を維持する一方で、細径管4においてはc軸が各結晶で
アトランダムな方向に向いた集合組織とすることができ
る。よって、太径管3は照射成長により軸方向に伸び細
径管4は軸方向には太径管3ほどには伸びず、軸方向の
照射成長量は太径管3のほうが細径管4よりも大きくな
る。すなわち強度の弱い細径管4は常に太径管3に引っ
張られて伸びることとなる。また太径管3の軸方向の熱
膨張量は細径管4の軸方向の熱膨張量より小であるが、
細径管4に引張応力を加え少なくともその熱膨張量の差
以上の量の弾性変形を与えたまま固定を行うので、運転
開始後に温度上昇とともに細径管4が太径管3よりも軸
方向に熱膨張しても、弾性変形が既に細径管に与えられ
ていることから細径管に圧縮応力がかかることはない。
したがって、上記より、細径管4は圧縮されてたわむこ
とがないので燃料集合体の機械的健全性が損なわれるこ
とがなく、また上昇管を形成する部材の外側に凹みを設
け別の部材を覆いかぶせて下降管を形成する場合のよう
に壁温の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安定した
スペクトルシフト運転を行える。
ピルガーミル加工により太径管3を製管した後にα+β
処理を施し、かつピルガーミル加工(若しくは引抜き加
工)により細径管4を製管した後にβ処理を施すので、
太径管3においてはc軸が半径方向に集積した集合組織
を維持する一方で、細径管4においてはc軸が各結晶で
アトランダムな方向に向いた集合組織とすることができ
る。よって、太径管3は照射成長により軸方向に伸び細
径管4は軸方向には太径管3ほどには伸びず、軸方向の
照射成長量は太径管3のほうが細径管4よりも大きくな
る。すなわち強度の弱い細径管4は常に太径管3に引っ
張られて伸びることとなる。また太径管3の軸方向の熱
膨張量は細径管4の軸方向の熱膨張量より小であるが、
細径管4に引張応力を加え少なくともその熱膨張量の差
以上の量の弾性変形を与えたまま固定を行うので、運転
開始後に温度上昇とともに細径管4が太径管3よりも軸
方向に熱膨張しても、弾性変形が既に細径管に与えられ
ていることから細径管に圧縮応力がかかることはない。
したがって、上記より、細径管4は圧縮されてたわむこ
とがないので燃料集合体の機械的健全性が損なわれるこ
とがなく、また上昇管を形成する部材の外側に凹みを設
け別の部材を覆いかぶせて下降管を形成する場合のよう
に壁温の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安定した
スペクトルシフト運転を行える。
【0038】なお、上記実施例においては、太径管3
は、ピルガーミル加工とα領域の焼き鈍しとの後にα+
β処理を施したが、ピルガーミル加工する前の素管ある
いはピルガーミル加工の途中においてα+β処理を行っ
ても良く、この場合にも同様の効果を得る。
は、ピルガーミル加工とα領域の焼き鈍しとの後にα+
β処理を施したが、ピルガーミル加工する前の素管ある
いはピルガーミル加工の途中においてα+β処理を行っ
ても良く、この場合にも同様の効果を得る。
【0039】本発明の第2の実施例を図5により説明す
る。第1の実施例と共通の部品については共通の番号で
示す。本実施例の水ロッド22の詳細構造を図5に示
す。図5において、本実施例の水ロッド22が第1の実
施例の水ロッド2と異なる点は、細径管24が、ジルコ
ニウム合金の素管に対して引抜き加工とα領域での焼き
鈍しとが数回繰り返されて製管されたものである点であ
る。その他1回のα+β処理が施され熱膨張を考慮して
引き伸ばして取り付ける点や、太径管3については第1
の実施例とほぼ同様である。
る。第1の実施例と共通の部品については共通の番号で
示す。本実施例の水ロッド22の詳細構造を図5に示
す。図5において、本実施例の水ロッド22が第1の実
施例の水ロッド2と異なる点は、細径管24が、ジルコ
ニウム合金の素管に対して引抜き加工とα領域での焼き
鈍しとが数回繰り返されて製管されたものである点であ
る。その他1回のα+β処理が施され熱膨張を考慮して
引き伸ばして取り付ける点や、太径管3については第1
の実施例とほぼ同様である。
【0040】本実施例の水ロッド22においては、太径
管3は、第1の実施例と同様にピルガーミル加工で製管
されてc軸が管の半径方向に集積された集合組織となり
(図5C部拡大図参照)、その後その異方性がα+β処
理でそのまま維持されるので、照射成長により半径方向
に縮み軸方向に伸びる性質を有する。
管3は、第1の実施例と同様にピルガーミル加工で製管
されてc軸が管の半径方向に集積された集合組織となり
(図5C部拡大図参照)、その後その異方性がα+β処
理でそのまま維持されるので、照射成長により半径方向
に縮み軸方向に伸びる性質を有する。
【0041】また、細径管24は引抜き加工で製管され
ることによりc軸が管の軸方向に集積された集合組織と
なり(図5D部拡大図参照)、製管後α+β処理され
る。α+β処理においては第1の実施例の(2)で述べ
たように集合組織の結晶構造における異方性がそのまま
維持されるので、照射成長によりc軸の方向である軸方
向に縮む性質を有する。
ることによりc軸が管の軸方向に集積された集合組織と
なり(図5D部拡大図参照)、製管後α+β処理され
る。α+β処理においては第1の実施例の(2)で述べ
たように集合組織の結晶構造における異方性がそのまま
維持されるので、照射成長によりc軸の方向である軸方
向に縮む性質を有する。
【0042】よって、太径管3は照射成長によって軸方
向へ伸び細径管24は軸方向に縮むので、管の軸方向の
照射成長量は太径管3のほうが細径管4よりも大きくな
り、太径管3には圧縮応力が細径管24には引張応力が
かかることとなるが、強度の強い太径管3は大きくたわ
むことはなく、強度の弱い細径管24は固定部で太径管
3から引っ張られて伸びる。したがって、細径管が照射
変形によりたわんで隣接した燃料棒に接近する等によっ
て健全性が損なわれることがない。
向へ伸び細径管24は軸方向に縮むので、管の軸方向の
照射成長量は太径管3のほうが細径管4よりも大きくな
り、太径管3には圧縮応力が細径管24には引張応力が
かかることとなるが、強度の強い太径管3は大きくたわ
むことはなく、強度の弱い細径管24は固定部で太径管
3から引っ張られて伸びる。したがって、細径管が照射
変形によりたわんで隣接した燃料棒に接近する等によっ
て健全性が損なわれることがない。
【0043】また、熱膨張に関しては、本実施例の水ロ
ッド22においては、第1の実施例と同様、c軸が軸方
向を向いている細径管24のほうがc軸が半径方向を向
いている太径管3よりも軸方向へ熱膨張することを考慮
し、細径管24を太径管3に固定する際にこの熱膨張量
の差と同じ(あるいはそれ以上の)量を引き伸ばした状
態で固定する。これにより運転開始後に温度上昇ととも
に熱膨張し細径管24が太径管3よりも軸方向に熱膨張
しても細径管24に圧縮応力がかかることはなく、よっ
て細径管24が座屈したりたわんで隣接の燃料棒5と接
触し健全性を害することがない。
ッド22においては、第1の実施例と同様、c軸が軸方
向を向いている細径管24のほうがc軸が半径方向を向
いている太径管3よりも軸方向へ熱膨張することを考慮
し、細径管24を太径管3に固定する際にこの熱膨張量
の差と同じ(あるいはそれ以上の)量を引き伸ばした状
態で固定する。これにより運転開始後に温度上昇ととも
に熱膨張し細径管24が太径管3よりも軸方向に熱膨張
しても細径管24に圧縮応力がかかることはなく、よっ
て細径管24が座屈したりたわんで隣接の燃料棒5と接
触し健全性を害することがない。
【0044】以上説明したように、本実施例によれば、
太径管3をピルガーミル加工で製管し細径管24を引抜
き加工で製管し、それぞれについてα+β処理を施すの
で、太径管3のc軸が半径方向に集積した集合組織及び
細径管24のc軸が軸方向に集積した集合組織をそのま
ま維持する。よって管の軸方向の照射成長量を太径管3
のほうが細径管24よりも大きくすることができ、第1
の実施例と同様の効果を得る。また熱膨張についても第
1の実施例と同様に細径管24に圧縮応力がかかること
はない。すなわち、燃料集合体の機械的健全性が損なわ
れることがなく、また上昇管を形成する部材の外側に凹
みを設け別の部材を覆いかぶせて下降管を形成する場合
のように壁温の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安
定したスペクトルシフト運転を行える。
太径管3をピルガーミル加工で製管し細径管24を引抜
き加工で製管し、それぞれについてα+β処理を施すの
で、太径管3のc軸が半径方向に集積した集合組織及び
細径管24のc軸が軸方向に集積した集合組織をそのま
ま維持する。よって管の軸方向の照射成長量を太径管3
のほうが細径管24よりも大きくすることができ、第1
の実施例と同様の効果を得る。また熱膨張についても第
1の実施例と同様に細径管24に圧縮応力がかかること
はない。すなわち、燃料集合体の機械的健全性が損なわ
れることがなく、また上昇管を形成する部材の外側に凹
みを設け別の部材を覆いかぶせて下降管を形成する場合
のように壁温の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安
定したスペクトルシフト運転を行える。
【0045】本発明の第3の実施例を図6により説明す
る。本実施例は上述した水ロッドを備えた燃料集合体の
実施例である。本実施例の燃料集合体を図6に示す。第
1及び第2の実施例と共通の部品については共通の番号
で示す。図6において、燃料集合体1は、上部タイプレ
ート6、下部タイプレート7、チャンネルボックス8、
スペーサ9、燃料棒5、及び水ロッド2を有し、燃料棒
5と水ロッド23の上端が上部タイプレート6によって
保持され下端が下部タイプレート7によって保持される
構造となっている。
る。本実施例は上述した水ロッドを備えた燃料集合体の
実施例である。本実施例の燃料集合体を図6に示す。第
1及び第2の実施例と共通の部品については共通の番号
で示す。図6において、燃料集合体1は、上部タイプレ
ート6、下部タイプレート7、チャンネルボックス8、
スペーサ9、燃料棒5、及び水ロッド2を有し、燃料棒
5と水ロッド23の上端が上部タイプレート6によって
保持され下端が下部タイプレート7によって保持される
構造となっている。
【0046】水ロッド2は、第1の実施例のと同様のも
のを用いる。すなわち、太径管3はピルガーミル加工で
製管された後α+β処理されc軸が管の半径方向に集積
された集合組織であり、また細径管4はピルガーミル加
工(若しくは引抜き加工)で製管された後β処理されて
異方性が取り除かれた等方的な集合組織である。
のを用いる。すなわち、太径管3はピルガーミル加工で
製管された後α+β処理されc軸が管の半径方向に集積
された集合組織であり、また細径管4はピルガーミル加
工(若しくは引抜き加工)で製管された後β処理されて
異方性が取り除かれた等方的な集合組織である。
【0047】本実施例の燃料集合体によれば、第1の実
施例において水ロッド2について得られた効果と同様の
効果を有する燃料集合体が得られる。すなわち、水ロッ
ド2の機械的健全性が損なわれることがなく、また壁温
の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安定したスペク
トルシフト運転を行える燃料集合体を提供することがで
きる。
施例において水ロッド2について得られた効果と同様の
効果を有する燃料集合体が得られる。すなわち、水ロッ
ド2の機械的健全性が損なわれることがなく、また壁温
の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安定したスペク
トルシフト運転を行える燃料集合体を提供することがで
きる。
【0048】なお上記実施例においては、水ロッドとし
て第1の実施例の水ロッド2を用いたが、第2の実施例
の水ロッド22でもよく、この場合についても同様の効
果が得られる。
て第1の実施例の水ロッド2を用いたが、第2の実施例
の水ロッド22でもよく、この場合についても同様の効
果が得られる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、太径管の軸方向の照射
成長量が細径管の軸方向の照射成長量より大となるよう
に集合組織の異なるジルコニウム合金管で太径管と細径
管とを構成するので、照射成長による軸方向の伸びは常
に太径管が細径管を上回るので、強度の弱い細径管は常
に太径管に引っ張られて伸びることとなる。よって、細
径管がたわんで隣接した燃料棒に接近する等により燃料
集合体の機械的健全性が損なわれることがなく、また上
昇管を形成する部材の外側に凹みを設け別の部材を覆い
かぶせて下降管を形成する場合のように壁温の上昇を招
くことがなく、簡易な構造で安定したスペクトルシフト
運転を行える。
成長量が細径管の軸方向の照射成長量より大となるよう
に集合組織の異なるジルコニウム合金管で太径管と細径
管とを構成するので、照射成長による軸方向の伸びは常
に太径管が細径管を上回るので、強度の弱い細径管は常
に太径管に引っ張られて伸びることとなる。よって、細
径管がたわんで隣接した燃料棒に接近する等により燃料
集合体の機械的健全性が損なわれることがなく、また上
昇管を形成する部材の外側に凹みを設け別の部材を覆い
かぶせて下降管を形成する場合のように壁温の上昇を招
くことがなく、簡易な構造で安定したスペクトルシフト
運転を行える。
【0050】また、本発明によれば、太径管の軸方向の
熱膨張量が細径管の軸方向の熱膨張量より小であるよう
に集合組織の異なるジルコニウム合金管で太径管と細径
管とを構成し、かつ、細径管に引張応力を加え少なくと
もその熱膨張量の差以上の量の弾性変形を与えたまま固
定を行うので、運転開始後に温度上昇とともに細径管が
太径管よりも軸方向に熱膨張しても、少なくともその熱
膨張量の差以上の量の弾性変形は既に細径管に与えられ
ており、細径管に圧縮応力がかかることはない。よっ
て、細径管がたわんで隣接した燃料棒に接近する等によ
り燃料集合体の機械的健全性が損なわれることがなく、
また上昇管を形成する部材の外側に凹みを設け別の部材
を覆いかぶせて下降管を形成する場合のように壁温の上
昇を招くことがなく、簡易な構造で安定したスペクトル
シフト運転を行える。
熱膨張量が細径管の軸方向の熱膨張量より小であるよう
に集合組織の異なるジルコニウム合金管で太径管と細径
管とを構成し、かつ、細径管に引張応力を加え少なくと
もその熱膨張量の差以上の量の弾性変形を与えたまま固
定を行うので、運転開始後に温度上昇とともに細径管が
太径管よりも軸方向に熱膨張しても、少なくともその熱
膨張量の差以上の量の弾性変形は既に細径管に与えられ
ており、細径管に圧縮応力がかかることはない。よっ
て、細径管がたわんで隣接した燃料棒に接近する等によ
り燃料集合体の機械的健全性が損なわれることがなく、
また上昇管を形成する部材の外側に凹みを設け別の部材
を覆いかぶせて下降管を形成する場合のように壁温の上
昇を招くことがなく、簡易な構造で安定したスペクトル
シフト運転を行える。
【0051】さらに本発明によれば、太径管の軸方向の
照射成長量が細径管の軸方向の照射成長量より大となる
ように集合組織の異なるジルコニウム合金管で太径管と
細径管とを構成するので、照射成長による軸方向の伸び
は常に太径管が細径管を上回るので、強度の弱い細径管
は常に太径管に引っ張られて伸びることとなる。また太
径管の軸方向の熱膨張量が細径管の軸方向の熱膨張量よ
り小であるように集合組織の異なるジルコニウム合金管
で太径管と細径管とを構成し、かつ、細径管に引張応力
を加え少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形
を与えたまま固定を行うので、運転開始後に温度上昇と
ともに細径管が太径管よりも軸方向に熱膨張しても、少
なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形は既に細
径管に与えられており、細径管に圧縮応力がかかること
はない。したがって、細径管がたわんで隣接した燃料棒
に接近する等により燃料集合体の機械的健全性が損なわ
れることがなく、また上昇管を形成する部材の外側に凹
みを設け別の部材を覆いかぶせて下降管を形成する場合
のように壁温の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安
定したスペクトルシフト運転を行える。
照射成長量が細径管の軸方向の照射成長量より大となる
ように集合組織の異なるジルコニウム合金管で太径管と
細径管とを構成するので、照射成長による軸方向の伸び
は常に太径管が細径管を上回るので、強度の弱い細径管
は常に太径管に引っ張られて伸びることとなる。また太
径管の軸方向の熱膨張量が細径管の軸方向の熱膨張量よ
り小であるように集合組織の異なるジルコニウム合金管
で太径管と細径管とを構成し、かつ、細径管に引張応力
を加え少なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形
を与えたまま固定を行うので、運転開始後に温度上昇と
ともに細径管が太径管よりも軸方向に熱膨張しても、少
なくともその熱膨張量の差以上の量の弾性変形は既に細
径管に与えられており、細径管に圧縮応力がかかること
はない。したがって、細径管がたわんで隣接した燃料棒
に接近する等により燃料集合体の機械的健全性が損なわ
れることがなく、また上昇管を形成する部材の外側に凹
みを設け別の部材を覆いかぶせて下降管を形成する場合
のように壁温の上昇を招くことがなく、簡易な構造で安
定したスペクトルシフト運転を行える。
【0052】また、太径管はc軸が太径管の半径方向に
集積した集合組織を有し、かつ細径管はc軸が各結晶で
アトランダムな方向に向いた等方的な集合組織を有する
ので、太径管は照射成長により軸方向に伸び細径管は軸
方向には太径管ほどには伸びず、軸方向の照射成長量は
太径管のほうが細径管よりも大きくなる。さらに、太径
管はc軸が太径管の半径方向に集積した集合組織を有
し、かつ細径管はc軸が細径管の軸方向に集積した集合
組織を有するので、太径管は照射成長により軸方向に伸
び、細径管は軸方向に縮む。したがって、管の軸方向の
照射成長量は太径管のほうが細径管よりも大きくなる。
また、太径管と細径管とはそれぞれ異なる製管方法によ
り製造されるので、太径管のc軸を半径方向に集積させ
細径管のc軸は各結晶でアトランダムな方向に向いた集
合組織としたり、太径管のc軸を半径方向に集積させ細
径管のc軸は軸方向に集積させた集合組織として、太径
管のほうが細径管よりも軸方向への照射成長量を大きく
させることができる。さらに、太径管をピルガーミル加
工で製管し細径管を引抜き加工で製管するので、太径管
のc軸を半径方向に集積させ細径管のc軸は軸方向に集
積させた集合組織とすることができる。また、太径管と
細径管とはそれぞれ異なる熱処理が施されるので、太径
管においてはc軸が半径方向に集積した集合組織を維持
する一方で、細径管においてはc軸が半径方向に集積し
たものを各結晶でアトランダムな方向に向いた集合組織
としたり、又は太径管においてはc軸が半径方向に集積
し、細径管においてはc軸が軸方向に集積した集合組織
を維持することができる。さらに、ピルガーミル加工に
より太径管を製管した後にα+β処理を施し、かつピル
ガーミル加工により細径管を製管した後にβ処理を施す
ので、太径管においてはc軸が半径方向に集積した集合
組織を維持する一方で、細径管においてはc軸が半径方
向に集積したものを各結晶でアトランダムな方向に向い
た集合組織とすることができる。
集積した集合組織を有し、かつ細径管はc軸が各結晶で
アトランダムな方向に向いた等方的な集合組織を有する
ので、太径管は照射成長により軸方向に伸び細径管は軸
方向には太径管ほどには伸びず、軸方向の照射成長量は
太径管のほうが細径管よりも大きくなる。さらに、太径
管はc軸が太径管の半径方向に集積した集合組織を有
し、かつ細径管はc軸が細径管の軸方向に集積した集合
組織を有するので、太径管は照射成長により軸方向に伸
び、細径管は軸方向に縮む。したがって、管の軸方向の
照射成長量は太径管のほうが細径管よりも大きくなる。
また、太径管と細径管とはそれぞれ異なる製管方法によ
り製造されるので、太径管のc軸を半径方向に集積させ
細径管のc軸は各結晶でアトランダムな方向に向いた集
合組織としたり、太径管のc軸を半径方向に集積させ細
径管のc軸は軸方向に集積させた集合組織として、太径
管のほうが細径管よりも軸方向への照射成長量を大きく
させることができる。さらに、太径管をピルガーミル加
工で製管し細径管を引抜き加工で製管するので、太径管
のc軸を半径方向に集積させ細径管のc軸は軸方向に集
積させた集合組織とすることができる。また、太径管と
細径管とはそれぞれ異なる熱処理が施されるので、太径
管においてはc軸が半径方向に集積した集合組織を維持
する一方で、細径管においてはc軸が半径方向に集積し
たものを各結晶でアトランダムな方向に向いた集合組織
としたり、又は太径管においてはc軸が半径方向に集積
し、細径管においてはc軸が軸方向に集積した集合組織
を維持することができる。さらに、ピルガーミル加工に
より太径管を製管した後にα+β処理を施し、かつピル
ガーミル加工により細径管を製管した後にβ処理を施す
ので、太径管においてはc軸が半径方向に集積した集合
組織を維持する一方で、細径管においてはc軸が半径方
向に集積したものを各結晶でアトランダムな方向に向い
た集合組織とすることができる。
【図1】本発明の第1の実施例の水ロッドの詳細構造を
示す図である。
示す図である。
【図2】沸騰水型原子炉の燃料集合体の構造図である。
【図3】燃料集合体の横断面図である。
【図4】ジルコニウム合金の最密六方晶を示す図であ
る。
る。
【図5】本発明の第2の実施例の水ロッドの詳細構造図
である。
である。
【図6】本発明の第3の実施例の燃料集合体を示す図で
ある。
ある。
1 燃料集合体 2 水ロッド 3 太径管 4 細径管 5 燃料棒 22 水ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 潤二郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 相澤 泰博 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内
Claims (10)
- 【請求項1】 原子炉炉心の燃料集合体内に備えられ、
前記炉心下方から流入する冷却材が上向きに流れる太径
管と、前記太径管に接続して固定され該上昇管内を上昇
した冷却材が下向きに流れる細径管とを有する水ロッド
において、 前記太径管と前記細径管とを互いに集合組織の異なるジ
ルコニウム合金管で構成することにより、該太径管の軸
方向の照射成長量が該細径管の軸方向の照射成長量より
大となるように構成することを特徴とする水ロッド。 - 【請求項2】 原子炉炉心の燃料集合体内に備えられ、
前記炉心下方から流入する冷却材が上向きに流れる太径
管と、前記太径管に接続して固定され該上昇管内を上昇
した冷却材が下向きに流れる細径管とを有する水ロッド
において、 前記太径管と前記細径管とを互いに集合組織の異なるジ
ルコニウム合金管で構成することにより、該太径管の軸
方向の熱膨張量が該細径管の軸方向の熱膨張量より小で
あるように構成し、かつ、前記細径管に引張応力を加え
少なくとも該細径管の軸方向の熱膨張量と該太径管の軸
方向の熱膨張量との差以上の量の弾性変形を与えたまま
前記細径管を前記太径管とを固定したことを特徴とする
水ロッド。 - 【請求項3】 原子炉炉心の燃料集合体内に備えられ、
前記炉心下方から流入する冷却材が上向きに流れる太径
管と、前記太径管に接続して固定され該上昇管内を上昇
した冷却材が下向きに流れる細径管とを有する水ロッド
において、 前記太径管と前記細径管とを互いに集合組織の異なるジ
ルコニウム合金管で構成することにより、該太径管の軸
方向の照射成長量が該細径管の軸方向の照射成長量より
大であって前記太径管の軸方向の熱膨張量が前記細径管
の軸方向の熱膨張量より小であるように構成し、かつ、
該細径管に引張応力を加え少なくとも前記細径管の軸方
向の熱膨張量と前記太径管の軸方向の熱膨張量との差以
上の量の弾性変形を与えたまま該細径管を該太径管とを
固定したことを特徴とする水ロッド。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の水ロ
ッドにおいて、前記太径管は、ジルコニウム合金の最密
六方晶におけるc軸が該太径管の半径方向に集積した集
合組織を有し、かつ前記細径管は、ジルコニウム合金の
最密六方晶におけるc軸が各結晶でアトランダムな方向
に向いた等方的な集合組織を有することを特徴とする水
ロッド。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項記載の水ロ
ッドにおいて、前記太径管は、ジルコニウム合金の最密
六方晶におけるc軸が該太径管の半径方向に集積した集
合組織を有し、かつ前記細径管は、ジルコニウム合金の
最密六方晶におけるc軸が該細径管の軸方向に集積した
集合組織を有することを特徴とする水ロッド。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項記載の水ロ
ッドにおいて、前記太径管と前記細径管とはそれぞれ異
なる製管方法により製造されたことを特徴とする水ロッ
ド。 - 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項記載の水ロ
ッドにおいて、前記太径管はピルガーミル加工により製
管され、かつ前記細径管は引抜き加工により製管された
ことを特徴とする水ロッド。 - 【請求項8】 請求項1〜3のいずれか1項記載の水ロ
ッドにおいて、前記太径管と前記細径管とはそれぞれ異
なる熱処理を施されたことを特徴とする水ロッド。 - 【請求項9】 請求項1〜3のいずれか1項記載の水ロ
ッドにおいて、前記太径管はピルガーミル加工による製
管の前・中・後いずれかの段階でα+β処理を施され、
かつ前記細径管はピルガーミル加工により製管された後
にβ処理を施されたことを特徴とする水ロッド。 - 【請求項10】 核分裂性物質を充填した燃料棒と、水
ロッドとを有する燃料集合体において、 前記水ロッドは、請求項1〜5のいずれか1項記載の水
ロッドであることを特徴とする燃料集合体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5158943A JPH07140281A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 水ロッド及び燃料集合体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5158943A JPH07140281A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 水ロッド及び燃料集合体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07140281A true JPH07140281A (ja) | 1995-06-02 |
Family
ID=15682734
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5158943A Pending JPH07140281A (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 水ロッド及び燃料集合体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07140281A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6181763B1 (en) * | 1997-10-08 | 2001-01-30 | General Electric Company | Siphon water rods |
| WO2004012203A3 (en) * | 2002-07-31 | 2004-04-08 | Crs Holdings Inc | Water rod for a nuclear reactor fuel assembly with transition sections with gradually increasing/decreasing diameter and method for manufacturing the same |
-
1993
- 1993-06-29 JP JP5158943A patent/JPH07140281A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6181763B1 (en) * | 1997-10-08 | 2001-01-30 | General Electric Company | Siphon water rods |
| US6487266B1 (en) | 1997-10-08 | 2002-11-26 | General Electric Company | Siphon water rods |
| WO2004012203A3 (en) * | 2002-07-31 | 2004-04-08 | Crs Holdings Inc | Water rod for a nuclear reactor fuel assembly with transition sections with gradually increasing/decreasing diameter and method for manufacturing the same |
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