JPH07145238A - 変性ポリアミノアミドの製造方法、該製造方法で得られる変性ポリアミノアミドおよび該ポリアミノアミドからなるエポキシ樹脂硬化剤 - Google Patents

変性ポリアミノアミドの製造方法、該製造方法で得られる変性ポリアミノアミドおよび該ポリアミノアミドからなるエポキシ樹脂硬化剤

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JPH07145238A
JPH07145238A JP19254394A JP19254394A JPH07145238A JP H07145238 A JPH07145238 A JP H07145238A JP 19254394 A JP19254394 A JP 19254394A JP 19254394 A JP19254394 A JP 19254394A JP H07145238 A JPH07145238 A JP H07145238A
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epoxy resin
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Yoshihiro Arita
義広 有田
Kazumasa Kimura
和正 木村
Takashi Kai
敬 甲斐
Hitoshi Yano
斉 矢野
Itsutetsu Abe
一徹 阿部
Ryuichi Ishikawa
隆一 石川
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリアミノアミドの分子中に、アミノ基とメ
ルカプト基を導入するための工業的に有用な製造方法を
提供し、低温速硬化性に優れ、かつ硬化物が優れた耐食
性、耐薬品性、耐アルカリ性能を発揮する様なエポキシ
樹脂硬化剤を提供する。 【構成】 ポリアミノアミドをアジリジン化合物および
チイラン化合物と反応させて、ポリアミノアミドの分子
中に反応性に優れたアミノ基とメルカプト基が導入され
た変性ポリアミノアミドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変性ポリアミノアミドの
製造方法に関する。詳しくは、エポキシ樹脂の硬化剤と
して知られるポリアミノアミド分子中に、反応性に優れ
たアミノ基とメルカプト基を導入して変性させることに
より、硬化性に優れた変性ポリアミノアミドを製造する
方法に関する。この製造方法によって得られる変性ポリ
アミノアミドはエポキシ樹脂の硬化剤として有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリアミノアミドとは、エポキシ樹脂用
硬化剤として用いられる、分子中に複数の活性なアミノ
基とアミド結合を1個以上有する化合物の総称である。
ポリアミノアミドは、主としてダイマー酸やトリマー酸
等の重合脂肪酸と、ポリエチレンポリアミン類等のポリ
アミン化合物を、縮合反応させることによって得られ
る。重合脂肪酸は、二量体70〜80重量%、三量体お
よび四量体15〜25重量%、単量体脂肪酸10重量%
以下といった混合物であるため、反応相手のポリアミン
化合物の種類や量を変化させることによって様々なポリ
アミノアミドが生成する。従って、構造組成を単純に表
現することはできない。
【0003】ところで、上記ポリアミノアミドは、主と
してエポキシ樹脂の常温硬化タイプの硬化剤として用い
られている。しかし、ポリアミノアミドは、同じエポキ
シ樹脂硬化剤であるポリアミン化合物に比べ、同じアミ
ン価であっても重合脂肪酸が縮合されて分子量が増大し
ている分だけ反応性が低くなっているため、硬化完結ま
で長時間かかるという問題があった。
【0004】一方、エポキシ樹脂の硬化を速くしたい場
合や、低温で硬化させたい場合は、ポリチオール化合物
が用いられることが多い。しかし、ポリチオール化合物
が速硬化性や低温硬化性を発現するためには、硬化促進
剤として塩基性物質を併用しなければならなかった。ま
た現在一般的に用いられているポリチオール化合物のほ
とんどは、チオアルキルカルボン酸と多価アルコールを
反応させて得られるポリチオアルキルカルボン酸エステ
ルであるが、このポリチオアルキルカルボン酸エステル
は、分子中にエステル結合を持っているため、耐薬品
性、特に耐アルカリ性に劣るものである。従って、ポリ
チオアルキルカルボン酸エステルを硬化剤としたときの
エポキシ樹脂は、アルカリと接触することがある用途に
は適用することができない。
【0005】さらに、ポリチオアルキルカルボン酸エス
テルは、エポキシ樹脂硬化反応時に硫化水素ガスを発生
して作業環境を悪化させるだけでなく、硬化物に気泡が
入ったり、腐食の原因になる等の問題があって、用途が
限定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
エポキシ樹脂硬化剤の持つ問題点を解決するものであ
る。すなわち第1の目的は、ポリアミノアミドの分子中
に、アミノ基とメルカプト基を導入するための工業的に
有用な製造方法を提供することである。第2の目的は、
比較的硬化反応の遅いポリアミノアミドの分子中に反応
性の高いアミノ基とメルカプト基を導入された変性ポリ
アミノアミドを提供することであり、第3の目的は、低
温速硬化性に優れ、かつ硬化物が優れた耐食性、耐薬品
性、耐アルカリ性能を発揮する様なエポキシ樹脂硬化剤
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明は、原料として、ポリアミノアミド(I)、下記一般
式(1)で表されるアジリジン化合物(II)および下記
一般式(2)で表されるチイラン化合物(III) を用い、
これらの原料を反応させる変性ポリアミノアミドの製造
方法である。
【0008】
【化4】
【0009】(ただし、R1 、R2 、R3 およびR4
は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基のいずれ
かを表し、それぞれ同一または異なっていてもよい)
【0010】
【化5】
【0011】(ただし、R5 、R6 、R7 およびR8
は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基
のいずれかを表し、それぞれ同一または異なっていても
よい)好ましい2つの実施態様に従えば、上記製造方法
は、アジリジン化合物(II)およびチイラン化合物(II
I) を反応させて得られる反応生成物(A)を、ポリア
ミノアミド(I)と反応させるものであるか、または原
料ポリアミノアミド(I)の一部または全部が投入され
た反応容器中へ、残りの原料を任意の順序で任意の時期
に添加して反応させるものである。アジリジン化合物
(II)としてアジリジンを、チイラン化合物(III) とし
てチイランを用いることは、工業的に入手し易く、分子
量が小さいため反応性が高い点で好適である。
【0012】また本発明は、ポリアミノアミド(I)
に、下記式(3)で表される1−(2−メルカプトエチ
ル)アジリジン化合物を反応させる変性ポリアミノアミ
ドの製造方法も含む。
【0013】
【化6】
【0014】(ただし、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 およびR8 は、前記と同じ意味である)
上記式(3)で表されるアジリジン化合物が、アジリジ
ンとチイランの反応生成物に相当する1−(2−メルカ
プトエチル)アジリジンであることが好ましい。
【0015】上記本発明の製造方法は、簡単に原料ポリ
アミノアミドの分子中にアミノ基とメルカプト基を導入
できるため、工業的に効率の良い有用な製造方法であ
る。なお本発明は、上記製造方法で得られた変性ポリア
ミノアミド、および該変性ポリアミノアミドからなるエ
ポキシ樹脂硬化剤も含まれる。
【0016】
【作用】本発明の製造方法は、ポリアミノアミド(I)
をアジリジン化合物(II)とチイラン化合物(III) で変
性し、ポリアミノアミド分子中に反応性の高いアミノ基
とメルカプト基を導入するところに最大のポイントを有
する。また、アジリジン化合物(II)とチイラン化合物
(III) を反応させた時に主として生成する1−(2−メ
ルカプトエチル)アジリジン化合物を、ポリアミノアミ
ドと反応させれば、より確実にポリアミノアミド分子中
にアミノ基とメルカプト基を導入することができる。
【0017】本発明で用いられる原料のひとつであるポ
リアミノアミドは、分子中に複数の活性なアミノ基と、
アミド結合を1個以上有するエポキシ樹脂用硬化剤化合
物の呼称である。ポリアミノアミドは、一般的にはポリ
カルボン酸化合物とポリアミン化合物を縮合反応させる
ことによって得られる。工業的には通常、リノレン酸、
リノール酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸
等の分子内に不飽和結合を有する脂肪酸を重合させて得
られるダイマー酸、トリマー酸等の重合脂肪酸と、ポリ
アミン化合物を縮合反応させている。市販の重合脂肪酸
は、二量体70〜80重量%、三量体および四量体15
〜25重量%、単量体脂肪酸10重量%以下といった混
合物であるため、反応相手のポリアミン化合物の種類や
量を変化させることによって様々なポリアミノアミドが
生成する。
【0018】上記重合脂肪酸の反応相手であるポリアミ
ン化合物としては、1分子中に、活性水素を有するアミ
ノ基を少なくとも2個以上有するポリアミン化合物であ
れば特に限定されない。具体例としては、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン等の脂肪族
ジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘ
キサミン等のポリエチレンポリアミン類;エチレンイミ
ン等のアルキレンイミン類の開環重合によって得られる
ポリアルキレンイミン類;キシリレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン類等が挙げら
れ、これらのうち1種あるいは2種以上の混合物を用い
ることができる。
【0019】ポリアミノアミドは、上記例示した重合脂
肪酸とポリアミン化合物を適宜選択して加熱脱水させて
縮合することによって得ることができるが、本発明にお
いては市販のポリアミノアミドを用いることも可能であ
る。入手可能な市販のポリアミノアミドとしては、例え
ば、「エポミック」シリーズ(エポミックQ−651、
Q−652、Q−654、Q−655等、三井石油化学
工業社製);「ダイトクラール」シリーズ(ダイトクラ
ールP−1043、P−4115、P−4250、P−
4730等、大都産業社製);「グッドマイド」シリー
ズ(グッドマイドG−700、G−715、G−715
B、G−720、G−725、G−730、G−740
A、G−623、G−624、G−625A、G−64
5、G−535等、東都化成社製);「スミキュア」シ
リーズ(スミキュアP−245、P−250、P−29
0C、P−624、P−625、P−715B、P−7
40A、FH−10等、住友化学社製);「アデカハー
ドナーEH」シリーズ(アデカハードナーEH−20
3、EH−204R、EH−206、EH−207、E
H−209、EH−335等、旭電化工業社製)等が挙
げられる。
【0020】本発明で上記ポリアミノアミドを変性させ
るために用いられるアジリジン化合物(II)は、下記一
般式(1)で代表される3員環アミン化合物の総称であ
る。
【0021】
【化7】
【0022】(ただし、R1 、R2 、R3 およびR4
は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基のいずれ
かを表し、それぞれ同一または異なっていてもよい)本
発明で好ましく用いられるアジリジン化合物の具体例と
しては、アジリジン、2−メチルアジリジン、2−エチ
ルアジリジン、2,2−または2,3−ジメチルアジリ
ジン、2−メチル−3−エチルアジリジン、2,2−ま
たは2,3−ジエチルアジリジン等が挙げられる。これ
らの中では、工業的に入手し易いアジリジンが特に好適
に用いられる。
【0023】本発明で上記ポリアミノアミドを変性させ
るために用いられるチイラン化合物(III) は、下記一般
式(2)で代表される3員環スルフィド化合物の総称で
ある。
【0024】
【化8】
【0025】(ただし、R5 、R6 、R7 およびR8
は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基
のいずれかを表し、それぞれ同一または異なっていても
よい)具体例としては、チイラン、2−メチルチイラ
ン、2−エチルチイラン、2,2−または2,3−ジメ
チルチイラン、2−メチル−3−エチルチイラン、2,
2−または2,3−ジエチルチイラン、2−フェニルチ
イラン等が挙げられ、これらの中でも、入手が容易で沸
点が低いチイラン、2−メチルチイランが好ましく用い
られる。
【0026】本発明においては、3つの原料である、ポ
リアミノアミド、アジリジン化合物およびチイラン化合
物を反応させることによって、ポリアミノアミド中にア
ミノ基とメルカプト基を導入する。最も単純な導入反応
機構は、アジリジン化合物の窒素原子に結合した活性水
素の代わりに、チイラン環が開環付加した1−(2−メ
ルカプトエチル)アジリジン化合物がまず生成し、これ
がポリアミノアミド中のアミノ基と反応して、1−(2
−メルカプトエチル)アジリジン化合物に由来するメル
カプト基とアミノ基がポリアミノアミド中に導入される
反応である。ポリアミノアミドに対するアジリジン化合
物やチイラン化合物の反応より、アジリジン化合物中の
アミノ基とチイラン化合物の反応の方が圧倒的に速いた
め、上記反応機構を経るものと考えられる。
【0027】副反応として、チイラン化合物のみ、また
はアジリジン化合物のみの重合体や、1−(2−メルカ
プトエチル)アジリジン化合物の重合体(アジリジン化
合物とチイラン化合物のコポリマー)等の生成が考えら
れる。さらに、これら副反応生成物は、ポリアミノアミ
ドに導入されるか、またはそのままで存在するか、ある
いはこれらが互いに反応して、さらにポリアミノアミド
と反応するといった種々のパターンがあり得る。
【0028】このような副反応は、後述の製造パターン
A〜Cにおいて起り得るが、本発明では、ポリアミノア
ミドの変性が主目的であるので、上記副反応生成物がポ
リアミノアミドと反応しても差し支えない。現段階で
は、単独で存在する副反応生成物の種類や量を明確に把
握することはできないが、上記副反応生成物が含まれて
いてもポリアミノアミドとアジリジン化合物とチイラン
化合物が反応して得られる最終反応生成物は、そのまま
エポキシ樹脂硬化剤として有用である。
【0029】本発明における上記反応の具体的手順につ
いては以下のような複数のパターンがあり、いずれを選
択してもよい。なお各パターンにおける「加える」とい
う言葉は、「滴下する」場合と、「何回かに分けて加え
る」場合と、「一度に一括して加える」場合が含まれ
る。
【0030】パターンA:ポリアミノアミド、アジリジ
ン化合物およびチイラン化合物を、反応容器中に加え
る。 パターンB:ポリアミノアミドの一部または全部が入っ
た反応容器中に、アジリジン化合物とチイラン化合物、
まだ残存していればポリアミノアミドを加える。このと
き、各原料の添加順序や添加時期は特に限定されない。
チイラン化合物よりアジリジン化合物を先に加える方
が、ポリアミノアミド中のアミノ基にアジリジン環を開
環付加し、この開環によって生成するアミノ基にチイラ
ン環が開環付加する反応が起きる可能性が高まるため好
ましい。
【0031】パターンC:まず、アジリジン化合物とチ
イラン化合物を反応させて、得られた反応生成物(A)
をポリアミノアミドに加える。ポリアミノアミドが入っ
た反応容器中に反応生成物(A)を加える場合と、反応
生成物(A)を得るために用いた反応容器中にポリアミ
ノアミドを加える場合が含まれる。 パターンD:アジリジン化合物とチイラン化合物の反応
生成物(A)から、1−(2−メルカプトエチル)アジ
リジン化合物を単離し、これをポリアミノアミドに加え
る。
【0032】パターンAあるいはBは、反応を1段階で
行えるため効率的であり、工業的に有利である。パター
ンCでは、ポリアミノアミドと1−(2−メルカプトエ
チル)アジリジン化合物が反応する確率が高くなる。パ
ターンDではこの確率が最も高いため、変性ポリアミノ
アミドの分子設計を精密に行う必要のあるときに好まし
い。
【0033】上記反応は、無溶媒中、またはアジリジン
化合物やチイラン化合物との反応性のない不活性な有機
溶媒中で行うことが好ましい。不活性有機溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪
族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、、シク
ロヘプタン等の脂環式炭化水素等、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル
化合物等が挙げられる。反応温度は特に限定されない
が、通常室温から150℃までで行うとよい。
【0034】予めアジリジン化合物とチイラン化合物の
みを反応させて反応生成物(A)を得る場合は、上記不
活性有機溶媒中で行うことが好ましい。この反応には触
媒は不必要である。アジリジン化合物とチイラン化合物
との反応生成物(A)のうち、平均分子量103〜30
0の反応生成物(A)が、ポリアミノアミドとの反応性
が良好であるため好ましい。アジリジンとチイランを当
モル反応させた1−(2−メルカプトエチル)アジリジ
ンは、反応生成物(A)の中で最も分子量が小さいた
め、ポリアミノアミドにアミノ基とメルカプト基を最も
効率よく導入できる。得られた反応生成物(A)は溶液
状態のままで、または有機溶媒を除去した後に、ポリア
ミノアミドと反応させる。なお、パターンDに用いられ
る1−(2−メルカプトエチル)アジリジン化合物は、
反応生成物(A)から蒸留によって単離される。
【0035】ポリアミノアミドと、1−(2−メルカプ
トエチル)アジリジン化合物やアジリジン化合物とチイ
ラン化合物の反応生成物(A)あるいはその他の副反応
生成物を反応させる時には、酸触媒を存在させることが
好ましい。酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸等のスルホン酸や、硫酸、塩酸、硝酸
等の無機酸が利用できる。これらの酸触媒はポリアミノ
アミドと混合しておくか、適切な時期に反応容器中に添
加すればよい。
【0036】各原料の反応モル比は、ポリアミノアミド
の活性水素1当量に対し、アジリジン化合物、チイラン
化合物それぞれを0.01〜10当量とすることが好ま
しい(ただし両者の合計の上限は10当量である)。予
めアジリジン化合物とチイラン化合物を反応させて、得
られる反応生成物(A)をポリアミノアミドと反応させ
る場合も、ポリアミノアミドの活性水素1当量に対し
て、該反応生成物(A)を0.01〜10当量使用する
ことが好ましい。ポリアミノアミドの活性水素1当量に
対する、各反応相手の使用モル数が0.01当量より少
ないと、変性ポリアミノアミド中のアミノ基やメルカプ
ト基の絶対量が不足し、変性の効果が現れず、エポキシ
樹脂硬化剤としても元のポリアミノアミドと変わらない
特性となるため好ましくない。一方、ロスを見越してポ
リアミノアミド中の反応点である活性水素当量の10倍
を超えて各反応相手を加えても、化学量論的に無駄であ
るため上限を10当量とした。また、アジリジン化合物
とチイラン化合物は、通常アジリジン化合物1モルに対
して、チイラン化合物が0.1〜10モルとなるように
するとよい。なお、最終目的物である変性ポリアミノア
ミドの平均分子量は、200〜100000とすること
が好ましい。
【0037】以上説明した本発明の製造方法は、反応の
制御が容易な液相反応であり、しかもポリアミノアミド
中のアミノ基への、アジリジン環の開環付加反応が主で
あるため、悪臭を放つ硫黄化合物を含んだ副反応生成物
が少なく、ポリアミノアミド中へメルカプト基を導入す
る方法としては非常に有用である。また、得られる変性
ポリアミノアミドは、そのままエポキシ樹脂硬化剤とし
て利用できるため、廃棄物、廃水等の処理の必要がな
く、環境的にも工業的にも非常に有利に変性ポリアミノ
アミドを製造できる。
【0038】本発明の上記製造方法によって得られる変
性ポリアミノアミド、および変性ポリアミノアミドから
なるエポキシ樹脂硬化剤も本発明に含まれる。本発明の
変性ポリアミノアミドは、低温速硬化性に優れ、かつ硬
化物の耐アルカリ性やその他の耐薬品性が良好であり、
エポキシ樹脂硬化剤として優れている。対象として利用
できるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有するものであれば特に限定されず、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グ
リシジルアミン型エポキシ樹脂、エポキシシクロヘキシ
ル基含有脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単
独、あるいは2種以上の混合物であってもよい。
【0039】エポキシ樹脂に対する変性ポリアミノアミ
ドの使用割合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量と変性ポ
リアミノアミド中の活性水素量によって適宜決定される
が、一般的にはエポキシ樹脂100重量部に対して、
0.1〜2000重量部、より好ましくは1〜300重
量部の範囲内で使用される。必要により、他のエポキシ
樹脂硬化剤と併用してもよく、3級アミン等のルイス塩
基等を単独または2種以上用いてもよい。
【0040】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳述
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1(パターンCによるポリアミノアミドの変性) 撹拌装置、温度計および還流冷却管のついたフラスコ
に、アジリジン170.7g、シクロヘキサン250g
を仕込み、窒素雰囲気で混合した。次いで、チイラン2
38.3gを一括して加え、徐々に加熱還流させて4時
間反応させた。反応終了後、減圧して溶媒を除去し、透
明液体状の反応生成物(A−1)398.1gを得た。
得られた反応生成物(A−1)の赤外線吸収スペクトル
を図1に示す。2545cm-1にメルカプト基(−S
H)の吸収が認められ、また3300cm-1付近のアミ
ノ基(−NH)吸収がほとんど認められないことから、
主に、1−(2−メルカプトエチル)アジリジンである
ことがわかった。
【0041】撹拌装置、温度計および還流冷却管のつい
た別のフラスコに、反応生成物(A−1)300gと、
「エポミックQ−654」(ダイマー酸−ポリアルキレ
ンポリアミン系ポリアミノアミド;三井石油化学工業社
製)250gを仕込み、窒素雰囲気で混合した。次い
で、メタンスルホン酸1.30gをフラスコ内に加えた
後、70℃に加熱して6時間反応させ、褐色不透明で粘
稠な変性ポリアミノアミド(1)549gを得た。変性
ポリアミノアミド(1)の赤外線吸収スペクトルを図2
に示す。2534cm-1にメルカプト基(−SH)の吸
収が認められ、メルカプト基の導入が確認された。
【0042】実施例2(パターンCによるポリアミノア
ミドの変性) 実施例1において、原料のポリアミノアミドを、250
gの「エポミックQ−654」から「アデカハードナー
EH−335」(ダイマー酸−ポリアルキレンポリアミ
ン系ポリアミノアミド;旭電化工業社製)200gに変
更して、反応生成物(A−1)の使用量を100gに変
更した以外は、実施例1と同様にして、褐色不透明で粘
稠な変性ポリアミノアミド(2)299gを得た。変性
ポリアミノアミド(2)の赤外線吸収スペクトルを図3
に示す。2533cm-1にメルカプト基(−SH)の吸
収が認められ、メルカプト基の導入が確認された。
【0043】実施例3(パターンDによるポリアミノア
ミドの変性) 撹拌装置、温度計および還流冷却管のついたフラスコ
に、n−ヘキサン550.9gを仕込み、徐々に加熱し
て50℃にした後、アジリジン357.5gとチイラン
499.0gを別々の滴下ロートから3時間かけて同時
に滴下し、50〜58℃で反応させた。滴下終了後、同
温度でさらに3時間反応させた。反応終了後、減圧して
溶媒を除去し、さらに減圧して純粋な透明液状の反応生
成物(A−2)307.6gを単離した。反応生成物
(A−2)の純度は93.4%、単離収率は33.5%
であった。得られた反応生成物(A−2)のH1 −NM
Rスペクトルを図4に示す。図4から、単離された反応
生成物(A−2)が1−(2−メルカプトエチル)アジ
リジンであることが確認された。
【0044】撹拌装置、温度計および還流冷却管のつい
た別のフラスコに、1,4−ジオキサン76.4gと、
「エポミックQ−655」(ダイマー酸−ポリアルキレ
ンポリアミン系ポリアミノアミド;三井石油化学工業社
製)54.7gを仕込み、窒素雰囲気で混合した。次い
で、メタンスルホン酸1.95gを加えた後70℃に加
熱して、反応生成物(A−2)60.1gを加えてから
70℃で6時間、80℃で10時間、90℃で4時間反
応させた。反応終了後、減圧して溶媒を除去し、褐色透
明で粘稠な変性ポリアミノアミド(3)112.1gを
得た。変性ポリアミノアミド(3)の赤外線吸収スペク
トルを図5に示す。2538cm-1にメルカプト基(−
SH)の吸収が認められ、メルカプト基の導入が確認さ
れた。
【0045】実施例4(パターンBによるポリアミノア
ミドの変性) 撹拌装置、温度計および還流冷却管のついたフラスコ
に、1,4−ジオキサン122.8gと、「エポミック
Q−655」100.1gを仕込み、窒素雰囲気で混合
した。次いで、メタンスルホン酸1.95gを加えた
後、100〜110℃に加熱してから、アジリジン2
1.6gとチイラン30.1gを別々の滴下ロートから
2.5時間かけて同時滴下した。滴下終了後更に5.5
時間反応させ、反応終了後、減圧して溶媒を除去し、褐
色不透明で粘稠な変性ポリアミノアミド(4)151.
8gを得た。変性ポリアミノアミド(4)の赤外線吸収
スペクトルを図6に示す。2544cm-1にメルカプト
基(−SH)の吸収が認められ、メルカプト基の導入が
確認された。
【0046】実施例5(特性評価) 次に上記実施例1〜4で得られた変性ポリアミノアミド
(1)〜(4)と、に変性前のポリアミノアミドについ
て、エポキシ樹脂硬化剤としての性能を比較した。ま
た、トリメチロールプロパントリス−(3−メルカプト
プロピオネート)を硬化剤として用いたもの(実験No.
8、9)との比較も行った。エポキシ樹脂は、「ELA
128」(エポキシ当量190;住友化学社製)を用
い、表1に示した硬化剤を表1に示した組成および量で
加えた。実験No. 9には、硬化促進剤として、2,4,
6−トリス(ジメチルアミンメチル)フェノールを加え
た。実験No. 1〜4は本発明例である。評価方法は次の
通りであり、評価結果を表1に示した。
【0047】低温硬化性:5℃で一晩放置して恒温にし
たエポキシ樹脂に表1に示した所定量の硬化剤を加え、
1分間混合した後、ガラス板上に膜厚約80μmとなる
様に塗布したものをテストピースとした。各テストピー
スは、塗布後直ちに5℃に設定したドライイングレコー
ダー(drying recorder)(太佑機材社製)に取り付け、
試験針でテストピースを連続的に引っかく方法で、5℃
における硬化時間を測定した。硬化時間は引っかき跡の
消失するまでの時間とし、この時間が長いほど低温硬化
性が悪いことになる。
【0048】耐食性:室温のエポキシ樹脂に表1に示し
た所定量の硬化剤を加え、1分間混合した後、直ちにダ
ル鋼板上に薄く塗布した。室温で7日間放置して完全に
硬化させたものをテストピースとし、ナイフで対角線状
にクロスカットを入れ、5%食塩水を7日間噴霧して、
耐食性を観察した。評価基準は以下の通りである。 ○:錆の発生が全く認められない。 △:7日後に錆が少し発生した。 ××:1日で錆が発生した。
【0049】耐薬品性:JIS K7114に準じて行
った。室温のエポキシ樹脂に表1に示した所定量の硬化
剤を加え、1分間混合した後、直径50mm、厚さ3m
mの円板上に成形し、テストピースとした。これらを、
表1に示す試験液中に完全に浸漬し、室温で7日間静置
した。テストピースを取り出し、試験液を軽く拭き取っ
た後、秤量し、試験前後の重量変化、すなわち膨潤度合
いを下記の基準で評価した。 ○:全く膨潤していない。 △:やや膨潤した。 ×:かなり膨潤した。 ××:溶解してしまった。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかな様に、本発明例のものは
優れた低温速硬化性を示し、硬化樹脂物性にも優れてい
た。一方変性前のポリアミノアミドを用いたNo. 5〜7
は、5℃での硬化に48時間以上かかっており、耐食性
も悪い。硬化剤としてポリメルカプト系化合物であるト
リメチロールプロパントリス−(3−メルカプトプロピ
オネート)を単独で用いたNo. 8は全く硬化しなかっ
た。硬化促進剤と併用したNo. 9では、非常に速く硬化
したが、耐アルカリ性を初めとする耐薬品性や耐食性に
著しく劣るものであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いることによっ
て、ポリアミノアミド中にアミノ基とメルカプト基を簡
単に導入できる。得られる変性ポリアミノアミドは、硬
化促進剤がなくても、低温で速やかにエポキシ樹脂を硬
化させることができる。また硬化後のエポキシ樹脂は、
耐食性、耐薬品性にも優れたものである。
【0053】さらに本発明の製造方法は、反応の制御が
容易な液相反応であり、しかもポリアミノアミド中のア
ミノ基への、アジリジン環の開環付加反応が主であるた
め、悪臭を放つ硫黄化合物を含んだ副反応生成物が少な
く、ポリアミノアミド中へメルカプト基を導入する方法
としては非常に有用である。また、得られる変性ポリア
ミノアミドは、そのままエポキシ樹脂硬化剤として利用
できるため、廃棄物、廃水等の処理の必要がなく、環境
的にも工業的にも非常に有利に変性ポリアミノアミドを
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたアジリジンとチイランの反
応生成物(A−1)のIRスペクトルである。
【図2】実施例1で得られた変性ポリアミノアミド
(1)のIRスペクトルである。
【図3】実施例2で得られた変性ポリアミノアミド
(2)のIRスペクトルである。
【図4】実施例3で得られたアジリジンとチイランの反
応生成物(A−2)のH1 −NMRスペクトルである。
【図5】実施例3で得られた変性ポリアミノアミド
(3)のIRスペクトルである。
【図6】実施例4で得られた変性ポリアミノアミド
(4)のIRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 斉 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒機能開発研究所内 (72)発明者 阿部 一徹 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒機能開発研究所内 (72)発明者 石川 隆一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒機能開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料として、ポリアミノアミド(I)、
    下記一般式(1)で表されるアジリジン化合物(II)お
    よび下記一般式(2)で表されるチイラン化合物(III)
    を用い、これらの原料を反応させることを特徴とする変
    性ポリアミノアミドの製造方法。 【化1】 (ただし、R1 、R2 、R3 およびR4 は、水素原子ま
    たは炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表し、それ
    ぞれ同一または異なっていてもよい) 【化2】 (ただし、R5 、R6 、R7 およびR8 は、水素原子、
    炭素数1〜4のアルキル基、アリール基のいずれかを表
    し、それぞれ同一または異なっていてもよい)
  2. 【請求項2】 ポリアミノアミド(I)に、下記式
    (3)で表される1−(2−メルカプトエチル)アジリ
    ジン化合物を反応させることを特徴とする変性ポリアミ
    ノアミドの製造方法。 【化3】 (ただし、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    およびR8 は上記と同じ意味である)
  3. 【請求項3】 アジリジン化合物(II)およびチイラン
    化合物(III) を反応させて得られる反応生成物(A)
    を、ポリアミノアミド(I)と反応させるものである請
    求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料ポリアミノアミド(I)の一部また
    は全部が投入された反応容器中へ、残りの原料を任意の
    順序でかつ任意の時期に添加するものである請求項1に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の製造方法で得られ
    ることを特徴とする変性ポリアミノアミド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4に記載の製造方法で得られ
    る変性ポリアミノアミドからなることを特徴とするエポ
    キシ樹脂硬化剤。
JP19254394A 1993-08-17 1994-08-16 変性ポリアミノアミドの製造方法、該製造方法で得られる変性ポリアミノアミドおよび該ポリアミノアミドからなるエポキシ樹脂硬化剤 Withdrawn JPH07145238A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005513236A (ja) * 2001-12-21 2005-05-12 ユニケマ ケミー ベスローテン フェンノートシャップ コーティング組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005513236A (ja) * 2001-12-21 2005-05-12 ユニケマ ケミー ベスローテン フェンノートシャップ コーティング組成物
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