JPH07148406A - 海塩粒子除去フィルター - Google Patents

海塩粒子除去フィルター

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JPH07148406A
JPH07148406A JP29919493A JP29919493A JPH07148406A JP H07148406 A JPH07148406 A JP H07148406A JP 29919493 A JP29919493 A JP 29919493A JP 29919493 A JP29919493 A JP 29919493A JP H07148406 A JPH07148406 A JP H07148406A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海塩粒子を確実に捕捉でき、寿命の長い海塩
粒子除去フィルターを提供する。 【構成】 撥水性を有し、気流上流側に配置される粗濾
材層1と撥水性を有し、気流下流側に配置される密濾材
層3の間に吸脱湿機能を有する繊維を少なくとも30重
量%以上有してなる中間濾材層3を介在させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海岸部に建設されるビ
ルや工場等に設置される塩害防止用の海塩粒子除去フィ
ルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、海塩粒子除去用フィルターと
しては、実公平3−12332号公報に示される様な、
ガラス繊維より成り、空気流入層側の繊維密度を粗と
し、空気流出側の繊維密度を密とした2層構造のフィル
ターや、実開平1−122824号公報に示される様
な、撥水性を有する繊維からなる濾材を密度差をもたせ
て形成した2層構造のフィルター等が種々提案されてい
る。しかしこれらは、潮解により液状になった海塩粒子
が海塩粒子以外の塵埃を伝わり下流側へ流れるという欠
点があった。そこで本出願人は、これを解決すべく先の
出願(特願平4−342374号)において、撥水性を
有する2つの濾材間に、吸水性繊維を含んでなる中間層
を形成し、液状化した海塩粒子を捕捉することができる
フィルターを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吸水性
繊維は一般に吸水により体積が膨張するため、例えば潮
解が起り易い高湿度下で使用した場合時には、フィルタ
ーの圧力損失が急上昇し、塩分を含んだミストがフィル
ター後方へ飛散したり、或いはフィルターが破損したり
して、フィルター寿命を著しく低下させるという問題が
あった。
【0004】本発明は上記従来技術の欠点を解決するも
のであり、海塩粒子を確実に捕捉でき、寿命の長い海塩
粒子除去フィルターを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の海塩粒子除去フ
ィルターは、撥水性を有する2つの濾材層間に、吸脱湿
機能を有する繊維を含んでなる中間濾材層を設けて成
る。
【0006】本発明にいう吸脱湿機能を有する繊維と
は、高湿度時においては吸湿性を有し、低湿度時におい
ては脱湿性を有する、例えばカルボン酸ナトリウム基を
有した繊維をいう。
【0007】また本発明は、中間濾材層が吸脱湿機能を
有する繊維を少なくとも30重量%以上含んでなること
を特徴とする。
【0008】中間濾材層中、吸脱湿性繊維が30重量%
に満たない場合、良好な吸脱湿効果が得られず、潮解に
よる圧力損失の急上昇を起こすため、好ましくない。
【0009】また本発明は、前記撥水性を有する2つの
濾材のうち、気流上流側が繊維充填率の低い粗濾材層で
あり、気流下流側が繊維充填率の高い密濾材層であるこ
とを特徴とする。
【0010】上流側の粗濾材層は、ポリエステルナイロ
ン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル、ポリクラール
繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維を
単独又は混合して形成できるが、疎水性を有するポリオ
レフィン系繊維で構成した場合、撥水性がより優れるた
め、好ましい。
【0011】使用する繊維径は、12μ〜40μが望ま
しく、特に望ましい平均繊維径は、20〜30μであ
る。14μ以下では、繊維間の空隙が狭くなり、海塩粒
子が潮解した時に繊維間に水膜を形成して圧力損失が上
昇し、また粉塵保持の為の空隙が少なくなって粉塵の保
持性能が劣化するため、好ましくない。また、40μ以
上では、粗濾材層で捕集された塩分が潮解して液状化し
ても繊維表面で球状とならず、繊維表面にそって落下し
ないために中間濾材層に到達せず、しかも、液状の海塩
粒子が下流側に通過してしまう事になり、好ましくな
い。
【0012】また、濾材層への撥水性の付与は、市販さ
れているフッ素系やシリコン系撥水剤を繊維表面上にコ
ーティングすればよい。
【0013】下流側の密濾材層は、中高性能フィルター
の性能測定法として一般的に行なわれている比色法NB
S効率90%以上の捕集効率を有するものであり、ポリ
エステル等の合成繊維やガラス繊維を単独又は混合して
形成したものである。また、密濾材層も上流側の粗濾材
層と同じく撥水処理されており、市販のシリコン系やフ
ッ素系の撥水剤を使用する事によって可能である。
【0014】また本発明は、前記粗濾材層が、ポリオレ
フィン系樹脂に撥水剤を練り込んだ繊維を有することを
特徴とする。
【0015】
【作用】本発明に従えば、気流上流側の粗濾材層で捕集
された海塩粒子は、湿度が高くなると潮解を起こし液状
になるが、繊維が撥水性を有しており、しかも繊維密度
が粗く繊維間距離が大きい為、水膜が張らず、その殆ど
は繊維上に水滴状となって存在する。この水滴状となっ
た海塩粒子は、ある一定の大きさに成長すると撥水性の
繊維表面を伝わって下流側へ落下し、中間濾材層で捕捉
される。一方、粗濾材層で捕集されなかった粒径の細か
い海塩粒子は、潮解によって粒径が大きくなり、密濾材
層表面上において水滴状になって存在しているが、これ
らも中間濾材層により捕捉される。これにより、下流側
の密濾材層の表面上には水膜が形成されることがなく、
しかも中間濾材層は吸水後の水分放湿速度が早いため、
吸水後においても体積が膨潤することが無く、圧力損失
の急上昇を引き起こすことがない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0017】(実施例1)繊維径2dのポリエステル繊
維70重量%、繊維径5dのポリエステル繊維30重量
%よりなる混合繊維を目付60g/m2のウエブとし、塩ビ
系樹脂60g/m2で固定した後、フッ素系撥水剤を両面に
5g/m2ずつ散布し、総目付130g/m2、厚さ740μm
、密度0.176g/cm3 の上流側の粗濾材層1を作成し
た。
【0018】次に、カルボン酸ナトリウム基を導入した
吸脱湿性繊維(東洋紡績(株)製、N−38,3d×5
7mm)70重量%、芯鞘ポリエステルバインダー繊維
(ユニチカ(株)製、メルテイ4080,4d×51m
m)30重量%よりなる混合繊維をウエブとし、熱風処
理により熱接着して目付60g/m2、厚さ450μm 、密
度0.133g/cm3 の中間濾材層2を作成した。
【0019】次に、6μガラス繊維40重量%、0.3μ
マイクロガラス繊維20重量%、1dポリエステル繊維
40重量%でなる混合繊維をポリビニルアルコール−メ
ラミン系混合樹脂にてなる結合剤を用いて湿式法にて抄
紙し、目付50g/m2のウエブとした。さらにこのウエブ
に、粗濾材層1と同様両面に撥水処理を行ない、目付5
7g/m2、厚さ340μm 、密度0.167g/cm3 の下流側
の密濾材層3を作成した。
【0020】上記各濾材層を公知の接合方法により、図
1に示すように一体化し、実施例1の海塩粒子除去フィ
ルター4を形成した。
【0021】(実施例2)予めフッ素系撥水剤を練り込
んだ繊維径2dのポリプロピレン繊維70重量%、偏芯
もしくは鞘芯型の繊維径4dのポリプロピレンバインダ
ー繊維30重量%でなる混合繊維ウエブを熱風により熱
接着し、目付40g/m2、厚さ760μm 、密度0.053
g/cm3 の粗濾材層を作成した。
【0022】次に、実施例1で用いた吸脱湿性繊維70
重量%、繊維径3dのポリエステル繊維30重量%でな
る混合繊維を目付60g/m2のウエブとし、塩ビ系バイン
ダーを片面が10g/m2となるように両面に散布し、目付
80g/m2、厚さ440μm 、密度0.182g/cm3 の中間
濾材層を作成した。
【0023】次に、実施例1と同じ繊維を使用し、目付
60g/m2、厚さ350μm 、密度0.171g/cm3 の密濾
材層を作成した。次にこれら各層を実施例1と同様に一
体化し、実施例2の海塩粒子除去フィルターを形成し
た。
【0024】(比較例1)繊維径2dのポリエステル繊
維70重量%、繊維径3dのポリエステル繊維30重量
%でなる混合繊維を目付50g/m2のウエブとし、フッ素
系撥水剤を2g/m2付着した結合剤を上記ウエブに30g/
m2付着し、密度0.082g/cm3 、厚み1mm、総目付82
g/m2の上流側濾材層を作成した。
【0025】次に、繊維径2dの吸水性繊維40重量
%、繊維径3dのポリエステル繊維60重量%でなる混
合繊維を目付50g/m2のウエブとし、スルホン酸基を導
入したポリアクリロニトリル樹脂を含有する高分子結合
剤を15g/m2付着させ、密度0.093g/cm3 、厚み0.7
mm、総目付65g/m2の中間濾材層を作成した。
【0026】次に、直径9μのガラス繊維80重量%、
直径0.4μのガラス繊維20重量%でなる混合繊維を湿
式法により目付80g/m2のウエブとし、フッ素系撥水剤
を3g/m2付着したポリビニルアルコール−ポリアクリロ
ニトリル混合樹脂でなる結合剤を上記ウエブに10g/m2
付着し、密度0.186g/cm3 、厚み0.5mm、総目付93
g/m2の下流側濾材層を作成した。
【0027】上記各層を、公知の接合方法により積層し
て一体化し、比較例1の海塩粒子除去フィルターを形成
した。
【0028】(比較例2)フッ素系撥水剤の付着を除い
た以外は実施例1の粗濾材層と同様にして、目付70g/
m2、厚さ850μm 、密度0.082g/cm3 の上流側濾材
層を作成した。
【0029】次に、フッ素系撥水剤の付着を除いた以外
は実施例1の密濾材層と同様にして、目付65g/m2、厚
さ485μm 、密度0.134g/cm3 の下流側濾材層を作
成した。
【0030】上記各層の間に実施例1で作成した中間濾
材層を介在させて積層、一体化し、比較例2の海塩粒子
除去フィルターを形成した。
【0031】(比較例3)実施例1で形成した積層一体
化した海塩粒子除去フィルターの気流上流側と気流下流
側とが逆となるように形成したフィルターを、比較例3
の海塩粒子除去フィルターとした。
【0032】上記実施例1〜2および比較例1〜3で得
た海塩粒子除去フィルターをひだ折り加工し、それぞれ
図2に示すようなユニット型エアーフィルタ−(タテ6
10mm,ヨコ610mm,奥行き290mm)5を形成し
た。
【0033】次に、各フィルターについて、表1に示す
項目についての性能比較試験を行なった。この試験は、
JIS B9908による試験装置を用い、ユニット型エア
ーフィルターをセットし、風量を定格風量の56m3/min
に調整してフィルターの上流側より10μm 以下の超微
霧の塩分ミストを発生できる工業用加湿器を用いて、1
0%食塩水のミスト発生量が6l/hrとなる条件で行なっ
た。
【0034】表中、塩分捕集効率は、下流側のミストを
高性能濾紙に吸引捕集し、炎光分析により塩分量を算出
し、次式により求めた。
【0035】
【数1】
【0036】ここに、y ;捕集効率 C1 ;上流側塩分濃度(g/m3) C2 ;下流側塩分濃度(g/m3) である。
【0037】また塩分保持量は、図3に示すように塩分
ミストの供給量と圧力損失の変化をグラフにプロットし
た。
【0038】又、各フィルターについて、JIS B−99
08,形式2,JIS 比色法による中性能フィルター試験
も同時に行なった。以下、結果を以下表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】図3および表1に示すデータから明らかな
ように、実施例1,2の海塩粒子除去フィルターを用い
たユニット型エアーフィルターは、比較例1,2,3の
ものに比べて、初期圧力損失が低いとともに、圧力損失
の上昇も遅く、しかも海塩粒子の保持容量が大きい優れ
たものである事が判る。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明の海塩粒子除去フィ
ルターは、捕捉した海塩粒子が潮解しても、圧力損失の
上昇を生じることがない。したがって、フィルターの破
損等の心配もなく、フィルターの高寿命化を達成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である海塩粒子除去フィルタ
ーの概略構成図である。
【図2】本発明の海塩粒子除去フィルターを用いたユニ
ット型エアーフィルターの斜視図である。
【図3】実施例および比較例の海塩粒子除去フィルター
の圧力損失と塩分供給量の関係を示す曲線図である。
【符号の説明】
1 粗濾材層 2 中間濾材層 3 密濾材層 4 海塩粒子除去フィルター 5 ユニット型エアーフィルター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水性を有する2つの濾材層間に、吸脱
    湿機能を有する繊維を含んでなる中間濾材層を設けたこ
    とを特徴とする海塩粒子除去フィルター。
  2. 【請求項2】 中間濾材層が吸脱湿機能を有する繊維を
    少なくとも30重量%以上含んでなる請求項1記載の海
    塩粒子除去フィルター。
  3. 【請求項3】 撥水性を有する2つの濾材層のうち、気
    流上流側が繊維充填率の低い粗濾材層であり、気流下流
    側が繊維充填率の高い密濾材層である請求項1又は2記
    載の海塩粒子除去フィルター。
  4. 【請求項4】 粗濾材層が、ポリオレフィン系樹脂に撥
    水剤を練り込んでなる繊維を有する請求項3記載の海塩
    粒子除去フィルター。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007144415A (ja) * 2005-11-07 2007-06-14 Mitsubishi Paper Mills Ltd 複合濾材及び複合濾材の製造方法
JP2008049333A (ja) * 2006-07-27 2008-03-06 Mitsubishi Paper Mills Ltd 複合濾材及び複合濾材の製造方法
JP2019013903A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 タイガースポリマー株式会社 不織布濾過材およびその製造方法

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JP2019013903A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 タイガースポリマー株式会社 不織布濾過材およびその製造方法

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