JPH0715507B2 - 原子炉の受動的安全装置 - Google Patents

原子炉の受動的安全装置

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JPH0715507B2
JPH0715507B2 JP62024922A JP2492287A JPH0715507B2 JP H0715507 B2 JPH0715507 B2 JP H0715507B2 JP 62024922 A JP62024922 A JP 62024922A JP 2492287 A JP2492287 A JP 2492287A JP H0715507 B2 JPH0715507 B2 JP H0715507B2
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ウエスチングハウス エレクトリック コ−ポレ−ション
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、原子炉、特に、加圧水型の原子炉に関し、よ
り詳しくは、規制当局によって求められているような想
定事象の影響を緩和する、安全上重要な流体系に関する
ものである。より特定的には、これ等の流体系は、炉心
の緊急冷却、原子炉建屋の熱の除去及び減圧、並びに原
子炉建屋の核分裂生成物の制御を行う。これ等の流体系
は、原子炉プラントの特別のレイアウトについての配慮
と現行の原子炉プラント設計において典型的に用いられ
る他の設備とに関連して、原子炉の工学的セーフガード
施設を構成している。本発明は、制御棒に関係していた
り、或は原子炉の運転を監視するか工学的セーフガード
施設を作動させる信号を出す計装及びそれに関連した電
気的要素に関係していたりする工学的セーフガード施設
のこれ等の部分を特に考慮するものではないが、これ等
の部分の使用は、流体系の適用において想定され、利用
されている。
これ等の流体系は、通常運転している要素又は系統の故
障によって生じたり、或は原子炉の通常運転のために設
計された系統の能力によっては必要な補償ができない状
況を生じさせたりするような事象に対して、熱の除去及
び水インベントリーの制御というような基本的機能を遂
行するために、原子炉で待機する、安全上重要なもので
ある。これ等の事象のうちで典型的なものは、小径管の
ヘヤクラックから主管のギロチン破断に及びうる1次側
冷却水回路の任意の場所においての割れ又は破断であ
り、これによって、1次側冷却水回路から格納容器の床
への、緩慢な漏れからカスケード又は滝状の流出に及ぶ
水の喪失が生じる。従って、除去すべき熱、即ち再供給
すべき冷却材の増大の度合及び速度は、冷却材喪失の速
度に依存して大きく変わりうる。
安全上重要なこれ等の流体系は、確立された原子力関係
の技術基準及び当局の規制に従って、事象の重大さに見
合った処置を自動的に開始し実行するようになってい
る。
先行技術の説明 加圧水型原子炉において使用される通常の安全系は、オ
フサイトの電力が利用可能ではない場合に緊急ディーゼ
ルエンジン及び関連電力系統によつて駆動可能なファン
及びポンプのような多数の能動的要素に依存するのが典
型的である。従って、例えば冷却材系統の配管の大きな
破断(冷却材喪失事故と呼ばれる)が起こった場合に、
ポンプを含む安全系によって1次側回路に、従って原子
炉容器に水が供給される。また、格納容器の加熱は、ポ
ンプで駆動されるスプレイ装置によって緩和されると共
に、格納容器からの熱は、モータ駆動のファンクーラー
によって除去される。原子炉の崩壊熱と格納容器からの
熱とは、やはりポンプを利用する緊急冷却水系に移され
る。その他の能動的“安全等級”系も、その他の安全機
能のために必要であり、それ等には、蒸気発生器への緊
急給水系と、前記の能動的要素を冷却するための換気装
置及び空気調和装置とがある。これ等の安全系は、どれ
か1つの要素の故障が安全機能の喪失にならないよう
に、全て冗長性をもつことが必要とされる。更に、安全
系における能動的要素の運転を確保するために、原子力
発電所においては、冗長設備系列間に火災及び洪水に対
する保護のため物理的な分離が必要とされている。原子
炉の安全性に対するこのアプローチにより、原子炉プラ
ントの設計は、指令、保守及び品質保証に関係した大規
模な試験、構造及び運転上の努力を必要とする非常に複
雑で高価なものとなる。
発明の概要 本発明の目的は、原子炉特に加圧水型原子炉のために、
熱の除去及び水の補給を行うために流体を駆動する能動
的要素が存在しないことを特徴とする安全系であって、
この安全系による是正を必要とする種々の条件の展開、
過程及び度合に依存して、逐次的段階で、全ての必要な
安全機能、即ち原子炉冷却材系への水の供給又は注入と
熱の除去とを行う安全系を供給することにある。また、
この安全系は、原子炉格納容器から環境への熱の除去、
格納容器の減圧及び格納容器の雰囲気の核分裂生成物濃
度の減少も行う。
上述した目的を達成するため、本発明は、遮蔽建屋
(1)と、該遮蔽建屋(1)中にあって該遮蔽建屋
(1)と共に環状スペースを画定する熱伝導性の格納容
器本体(32)と、該格納容器本体(32)中に配置された
原子炉容器(3)と、該格納容器本体(32)中に配置さ
れた蒸気発生器(4)と、前記原子炉容器(3)からの
加熱された水を該蒸気発生器(4)内に導くための第1
分岐路(5)及び該蒸気発生器(4)からの冷却された
水を前記原子炉容器(3)内に導くための第2分岐路
(6)を有する原子炉冷却材回路と、該原子炉冷却材回
路中に水の循環を維持するために該原子炉冷却材回路に
接続された原子炉冷却材ポンプ(10)と、前記原子炉冷
却材回路中の水を所定圧力に保つために該原子炉冷却材
回路に接続された加圧器(7)とを含む原子炉の受動的
安全装置に向けられている。本発明によるとこの受動的
安全装置は、(a)前記原子炉冷却材回路から崩壊熱を
どんな圧力においても除去するために、前記蒸気発生器
を迂回して、前記第1分岐路(5)から前記第2分岐路
(6)に自然対流のみによって水を循環させる第1手段
を含み、該第1手段は、前記第1分岐路(5)からの水
を同水が前記第2分岐路(6)に導入される前に冷却す
る熱交換手段を含む。該熱交換手段は、(i)前記格納
容器本体(32)内に配置されて冷却水を保持すると共
に、前記格納容器本体(32)により囲まれた格納スペー
スに向かって上向きに開口し、蒸発気が自由に上昇して
前記格納スペース内に流入しうるようにする貯水タンク
(12)と、(ii)内側には前記原子炉冷却材回路からの
水が流入し、外側には前記貯水タンク(12)内に収容さ
れた冷却水が接触している配管から形成されると共に、
前記貯水タンク(12)内に配置された熱交換器(15)と
を含んでいる。また、前記第1手段は、運転の安全性に
関連するパラメータ値のみに応答して、前記第1分岐路
(5)から第2分岐路(6)内への水の流れを許容する
第1弁手段(21)を含んでいる。また、本発明による受
動的安全装置は、(b)前記原子炉冷却材回路中の喪失
水を補給するために、貯蔵された低温水を重力のみによ
って原子炉容器(3)に導入する第2手段(22)であっ
て、該第2手段(22)は、貯蔵された前記低温水を運転
上の安全性に関連するパラメータ値のみに応答して前記
原子炉容器(3)に導入しうるようにするための第2弁
手段(27)を含む前記第2手段(22)と、(c)第3手
段とを含む。該第3手段は、前記原子炉冷却材回路中の
圧力が前記格納容器本体(32)中の圧力と少なくともほ
ぼ等しい圧力まで減少した時に、前記原子炉冷却材回路
の前記第1分岐路(5)及び第2分岐路(6)よりも上
方の高さまで前記格納容器本体(32)に張水するため
に、貯蔵された低温の冷却水を重力のみによって前記貯
水タンク(12)から前記原子炉容器(3)中に導入する
のを許容する低温水導入用配管(13)と、運転上の安全
性に関連するパラメータ値に応答して前記原子炉冷却材
回路を減圧するため前記貯水タンク(12)と前記加圧器
(7)との間に延在する減圧用配管(28)に設けられた
第3弁手段(29)と、を含んでいる。更に、本発明によ
る受動的安全装置は、(d)前記格納容器本体(32)を
囲む空気の自然循環のみにより同格納容器本体(32)か
ら熱を除去するため流体と前記格納容器本体(32)との
間で前記環状スペースにおいて熱交換接触を行う第4手
段(38)を含むことを特徴としている。
好適な実施例の説明 第1図には遮蔽建屋1が水平断面で概略的に示されると
共に、原子炉の各要素が本発明による安全系(受動的安
全装置)と共に示されている。原子炉炉容器3に収納さ
れた炉心2は、原子炉冷却材系の一部を形成する1次側
冷却材回路を循環する水を連続的に加熱する。炉心2中
において加熱された水は、1次側水回路のループ配管の
ホットレツグ(第1分岐路)5を経て蒸気発生器4に供
給される。ホットレッグ5は、原子炉炉容器3から蒸気
発生器4まで延長しており、該蒸気発生器4において、
2次側冷却材回路(図示しない)を循環する水によって
熱が吸収される。蒸気発生器4における熱交換の後、1
次側冷却材回路のループ配管のコールドレッグ第2分岐
路)6を経て蒸気発生器4から水が取り出され、原子炉
炉容器3に再び導入される。配管8によってホットレッ
グ5と連通している加圧器7は、1次側冷却材回路中に
所要の圧力を維持する。
第2図も参照して、水はコールドレッグ6から原子炉炉
容器3に流入すると、原子炉炉容器3内において下方に
流れ、ダウンカマーもしくは降水路9を経て、原子炉炉
容器3の底部に流れる。水は、この底部から炉心2を通
って上方に圧送され、前記のようにホットレッグ5を通
り加熱された状態で原子炉炉容器3を離れる。1次側冷
却材回路(即ち、原子炉冷却材系)中の水は、複数の原
子炉冷却材ポンプ10(1つのみ示す)によって、循環状
態に保たれている。
前述した原子炉の諸要素とその配列及び作用は、以下に
説明する原子炉冷却材ポンプの配列を除いて、周知のも
のである。また、従来と同様に、種々の要素の内部及び
それに沿った温度、水位、圧力等のパラメータは、既知
のセンサ並びに記録及び/又は表示システムによって定
期的に連続方式で検出される。かかる従来のパラメータ
検出システムは符号11によって表されている。
次に、特に第2図を参照して、本発明による受動的安全
系の好適な実施例を基本的要素について説明する。尚、
以下の説明では、構造部分の説明は簡単に行い、従っ
て、原子炉安全系において一般的に必要とされる例えば
冗長要素の説明及び図示は省略する。また、例示的な数
値は、45MW出力の熱中性子加圧水型原子炉に基づいた近
似値に過ぎない。
格納容器内にある上端が開放された貯水タンク(第1手
段)12は、その容積の大部分が原子炉冷却材系配管のレ
ベル即ち、原子炉炉容器3内の水経路、コールドレッド
6及びホットレッグ5の高さレベルよりも上方にあるよ
うに、遮蔽建屋1内に配置されている。従って、貯水タ
ンク12は11mの全高を有し、その底部が原子炉炉容器3
の頂部よりも約2.5m下方となるように配設しうる。貯水
タンク12は、内径3m、容積78m3の直円筒状である。貯水
タンク12は、配管(第3手段を構成する低温水導入用配
管)13によって原子炉容器3の降水路9に接続されてお
り、該配管13は、逆止弁14の降水路9側よりもその貯水
タンク12側で圧力が低くなっている限り、逆止弁14によ
り閉止状態に保持される。
貯水タンク12は、受動型の残留熱除去用の熱交換器(熱
交換手段)15を収容している。熱交換器15は、高さが6m
であり、貯水タンク12の底部の上方約2mのところで貯水
タンク12の内壁に固着されている。従って、熱交換器15
は、貯水タンク12内に貯蔵された水中に通常完全に浸漬
されており、原子炉冷却材系のループ配管よりも上方の
高さ位置にある。そのため、貯水タンク12中の低温水
は、熱交換器15に対して、最初のヒートシンクもしくは
吸熱器として作用する。
熱交換器15の構造は第3図に詳細に図示されている。熱
交換器15は、頂部の水平な入口マニホルド16と底部の水
平な出口マニホルド17とを備えている。入口マニホルド
16は、複数(例えば20本の)の熱交換管18によって、出
口マニホルド17と連通しており、各熱交換管18は2cmの
直径を有し、マニホルド16、17の長さに沿って平行な列
状に配置されている。この構造は、熱交換器15に熱応力
に対する高い耐性を与えると共に、点検及び保守のため
に熱交換器15に近付くことを容易にする。
再び第2図を参照すると、入口マニホルド16は、ホット
レッグ5から垂直に、少なくとも入口マニホルド16のレ
ベルまで延長した後、入口マニホルド16に向かって水平
に延びた配管19によって、原子炉冷却材系のホットレッ
グ5に接続されている。熱交換器15の出口マニホルド17
は、垂直下方に延びる配管20によって原子炉冷却材系の
コールドレツグ6に連結されており、配管20は、後述す
るように種々の状態に応答する故障時開の常閉絞り弁
(第1弁手段)21によって遮断されている。配管19、20
の直径は8cmとしてよい。絞り弁21は、例えばパラメー
タ検出システム11に基づいて配管20を通る流量を調整す
る能力を有する。
原子炉冷却材系のホットレッグ5及びコールドレッグ6
の高さレベルの上方には、球状の2つの炉心補給タンク
(第2手段)22がある(第1図には2つとも図示する
が、第2図には1つのみ示す)。各炉心補給タンク22の
容積は7m3である。一方の炉心補給タンク22に関連する
配管連結について以下に説明するが、他方の炉心補給タ
ンク22についても、冗長性を与えるために、同一の複式
配管が用いられている。
低温水が満たされた炉心補給タンク22の内部スペースの
上部には、比較的小径(例えば直径5cm)の配管23によ
って、加圧器7の上部スペースと連通している。また、
炉心補給タンク22の上部スペースは、比較的大径(例え
ば直径10cm)の配管24によつて、コールドレッグ6に連
結されている。逆止弁25は、配管23を経て加圧器7に向
かう流体の流れを阻止するために、配管23中に配設され
ている。炉心補給タンク22の底部は、後述するように種
々の状態に応答する故障時開の遮断弁(第2弁手段)27
により通常遮断された配管26によって、原子炉炉容器3
の降水路9に連結されている。
加圧器7の蒸気スペースから延びる減圧用配管28は、貯
水タンク12に開放しており、後述する種々の状態に応答
する動力作動型の圧力逃し弁(第3手段を構成する第3
弁手段)29によって常閉状態に保持されている。
貯水タンク12の下部には、逆止弁31によって常閉状態に
保持された排出ニップル30が配設してあり、この逆止弁
31は、貯水タンク12から水が流出することは阻止する
が、後述するように、張水された遮蔽建屋1から貯水タ
ンク12中に水が流れることは許容する。
配管23、26、24を含む配管系は、第4図に示した原子炉
冷却材ポンプ10を含む好適な実施例について示されてい
る。原子炉冷却材ポンプ10は、垂直に配向され、ポンプ
モーターは、ポンプの羽根車及びケーシングの下方にあ
る。この構成は、蒸気発生器4と冷却材ポンプ10との間
の配管ループシールの必要性を無くすものであるため、
好ましい。
第4図には、円筒状の金属製格納容器本体32を収納した
遮蔽建屋1が、立面図によって図示されている。格納容
器本体32は、遮蔽建屋1の内部スペースの容積の大部分
を囲み、遮蔽建屋1の内壁と共に環状スペースを画定し
ている。従って、格納容器本体32は、前述した原子炉及
び安全系の全要素を収納している。第4図には図示の都
合上これ等の要素のうちの一部分のみが図示されてい
る。
複数の水スプレイノズル33は、格納容器本体32の内側の
上部に配分されている。スプレイノズル33は、格納容器
スプレイ蓄圧タンク34に配管35によって連結されてい
る。蓄圧タンク34は、格納容器本体32を囲む環状スペー
ス内に配置されており、部分的に水により満たされてい
るが、この水のレベルよりも上方のスペースにはN2のよ
うな加圧ガスが閉じ込められている。配管35は、後述す
る種々の状態に応答する動力作動式の遮断弁36によって
常閉状態に保持されている。
原子炉冷却材系の配管に重大な破断が生じた後、格納容
器本体内に放出されると想定される核分裂ガスの量に考
慮を払うべきことが、米国原子力規制委員会(Nuclear
Regulation Commission)によつて現在要求されてい
る。この要求に答えるために、スプレイノズルを介して
格納容器本体中に水を散布する、典型的には能動型の格
納容器スプレイポンプが設けられていた。この機能は、
格納容器スプレイ蓄圧タンク34、配管35、遮断弁36及び
スプレイノズル33によって、本発明による受動的安全系
に与えられている。遮断弁36は、格納容器本体32中の圧
力が所定の設定点を超過した時に自動的に開放される。
遮断弁36が開弁されると水はスプレイノズル33に供給さ
れる。蓄圧タンク34は、半球形の頭部を備えた直円筒タ
ンクであり、その全容積は22.5m3である。蓄圧タンク34
は、格納容器本体32の容積から十分な量の核分裂生成物
を除去するに足る時間の間十分な量のスプレイ流を供給
する。
前述の受動的安全系の機能は、1次側原子炉冷却材系に
ついて他の予期もしくは想定される事象のために遂行す
る必要のある機能を網羅する。前記の事象及びここに記
載しない他の事象(例えば蒸気発生器管の破断)に応答
して、格納容器の自動遮断や、蒸気発生器の給水管、蒸
気管及びブローダウン管の自動遮断のような機能を遂行
するために、他の安全等級の特徴も必要とされよう。
遮断建屋1の底部に空気を流入させるための空気入口37
及び遮蔽建屋1から空気を流出させるための空気出口
(第4手段)38として用いられる開口が、遮蔽建屋1を
貫通するように形成されている。空気入口37は、空気流
入通路40を画成する仕切壁39として示されるダクトを有
して、遮蔽建屋1の頂部において第4図に示され、該空
気流入通路40は、遮蔽建屋1の底部において、格納容器
本体32を囲む環状スペースと符号41で示すように連通し
ている。この構成によれば、格納容器本体32を囲む高温
の空気を空気出口38を経て大気中に排出することによっ
て、空気の自然循環を可能にする。この高温空気の上向
きの排出は、空気入口37を介して自然循環によって引き
込まれ空気流入通路40を通って流下する低温空気によっ
て助けられる。空気入口37及び空気出口38は、図示のよ
うに常時開放されていても、例えば、格納容器本体32中
の所定の温度レベルを表す信号をダンパーロックが受け
た時に、開放位置に落下する、ダンパー機構によって常
時閉止されていてもよい。
受動的安全系を完全にするために設けられる他の安全等
級の特徴は、使用済み燃料ピット(図示せず)からの熱
の受動的除去である。使用済み燃料ピットからの熱の除
去は、使用済み燃料ピットの回りの空気の自然循環を許
容する2重壁の又はジヤケット付きの使用済み燃料ピッ
トと組み合わせて、空気入口37−空気出口38−仕切壁39
−空気流入通路40と同様の空気ダクトを用いることによ
つて達せられる。
次に、第2図及び第4図を特に参照して、前述した受動
的安全系の作動について説明する。
通常の運転中には、本発明による受動的安全系は、不作
動の待期状態になっている。貯水タンク12と炉心補給タ
ンク22とには低温水が満たされている。従って、上端が
開放された貯水タンク12は格納容器本体32中の封込め圧
力に、また、炉心補給タンク22は、この炉心補給タンク
22と原子炉冷却材系とに接続された配管23及び24によっ
て、原子炉冷却材系の圧力に保たれている。弁21、27と
動力作動型の圧力逃し弁29とは、能動的手段(例えば、
励磁されたソレノイド)によって閉弁状態に保持さたれ
ている。逆止弁14は、貯水タンク12内よりも原子炉冷却
材系内が高圧であるため、配管13を遮断している。配管
19、20及び熱交換器15によって形成されたループは、水
によって満たされ、この水は、静止状態にあり、原子炉
冷却材系の圧力にある。遮蔽建屋1からの熱は、(空気
入口37及び空気出口38に配設された冷却空気ダクトが図
示しないダンパーによって閉ざされていると想定し
て)、格納容器本体32の内部に配設された安全に関連し
ないファンクーラー(やはり図示しない)によって除去
される。
同様に、プラントのトリップ(原子炉の運転停止)後、
通常の利用可能な系統が蒸気発生器4を介して原子炉冷
却材系から崩壊熱を十分に除去し、原子炉冷却材系の水
インベントリーが、通常の化学体積制御系の補給ポンプ
によって保たれていれば、本発明による受動的安全系は
作動しない。
例えば蒸気発生器4が十分な熱を除去しないと、ホット
レッグ5における温度は上昇する。この温度が或る所定
値を超えると、パラメータ検出システム11からの信号に
よって、配管20中の故障時開の絞り弁21が消勢されるた
め、絞り弁21は開弁する。原子炉冷却材ポンプ10が停止
していると想定して、熱交換器15を通る水の自然循環が
開始される。配管19中の高温の水は、上昇し、熱交換器
15に流入し、熱交換器15からの冷却された水は、今や開
放された配管20を経て、コールドレッグ6に流入する。
水のこの自然な循環は、配管19、20中の水の密度差によ
って生ずる。即ち、熱交換器15は、原子炉冷却材系から
の熱を、貯水タンク12に収容された水(最初のヒートシ
ンク)に伝達する。冷却材ポンプ10の運転中に絞り弁21
が開弁すると、配管20を経て熱交換器15に、更にそこか
ら配管19を経てホットレッグ5に向かって、水の強制循
環が生ずる。この強制循環は、熱交換器15による原子炉
冷却材系から貯水タンク12中の水への熱伝達も生じさせ
る。熱交換器15を通って流れる水の流速は、パラメータ
検出システム11(例えば主管制盤)から絞り弁21を調節
することによって(特にコールドレッグ6からホットレ
ッグ5への逆向きの強制循環の場合)制御することがで
きる。
貯水タンク12中の水と熱交換器15との間の熱交換が進行
している間に、貯水タンク12中の水量は、貯水タンク12
から格納容器への何時間もの蒸気噴射(スチーミング)
を防止するに足る量である。この期間中に、蒸気発生器
4による原子炉冷却材系からの崩壊熱の除去の回復、又
は能動型の(即ちポンプで圧送される)熱除去冷却系
(図示せず)の冷却機能を例えば使用した熱の除去開始
によって、プラントが通常の(非安全時用の)冷却モー
ドに復帰することがある。蒸気発生器4又は使用済み燃
料ピット冷却系が利用できないか又はプラントを通常の
冷却モードに復帰させることができない場合に、貯水タ
ンク12からの連続したスチーミングによって、より長い
期間(日数)に亘る原子炉冷却材系の熱の除去が確保さ
れ、空気入口37及び出口38の開放(これ等が常開でない
場合)によって、原子炉冷却材系から格納容器本体32を
経て環境に向かう熱の伝達が生起され、格納容器本体32
と遮蔽建屋1との間の環状スペースに出入りする空気の
自然循環が許容される。
1次側原子炉冷却材系に熱交換器15を配設したことと、
自然循環空気による格納容器本体32からの熱の除去とに
よって、販用加圧水型原子炉の典型的な安全等級の残留
熱除去系、例えば、多重蒸気発生器、安全等級緊急給水
系、安全等級ファンクーラー、慣用の安全等級残留熱除
去系、安全要素冷却水系及び安全等級重要雑用水系等の
必要性が除かれる。更に、安全等級の熱除去の機能を遂
行するための能動型ポンプが不要になるので、加熱、通
気及び空気調和装置並びに緊急用デイーゼルを維持する
必要性も除かれる。
原子炉冷却水系に僅かな漏れが発生し、且つ例えば電力
の喪失又は通常の補給ポンプの故障によつて原子炉冷却
材系の通常の補給水が利用できないものと想定する。本
発明による受動的安全系は、次のようにして、炉心補給
タンク22から原子炉冷却材系に水を供給する。即ち、加
圧器7の液位は、漏れによって徐々に降下する。この液
位が或る所定値以下になると原子炉は運転停止となる。
加圧器7の液位が降下し続けると、故障時開の遮断弁27
は、パラメータ検出システム11からの信号によつて消勢
され、配管26は開放される。それと同時に原子炉冷却材
ポンプ10は消勢する。満水時の炉心補給タンク22の水位
は、加圧器7内の水位よりも高いので、炉心補給タンク
22からの水は、重力によって配管26を経て原子炉容器3
の降水路9に流入する。この事象は、遮断弁27の開放に
関係した所定の水位よりも上方の水位に加圧器7の水位
を回復する傾向をもっている。炉心補給タンク22のこの
重力排水は、加圧器7の蒸気スペースからの蒸気が各々
の炉心補給タンク22の頂部に流れることによって行なわ
れ、それによって、該頂部の圧力は加圧器7の圧力に等
しくなる。炉心の崩壊熱は、熱交換器15又は蒸気発生器
4を通る原子炉冷却水の自然循環によって除かれ続け
る。格納容器からの熱除去は、通常の格納容器ファンク
ーラーによって続けられる。これ等のファンが故障する
と格納容器の温度は徐々に上昇する。格納容器本体32を
囲む環状スペースに出入りする空気ダクトは、(常閉ダ
ンパーが設けられている場合)数時間後に開放され、前
記のように、空気入口37及び出口38に入出する空気の自
然循環によって、格納容器の冷却が確保される。
従って、漏れの量が少ないと仮定すれば、炉心補給タン
ク22の前記の作動及び関連した通常の処置によつて、所
要のレベルにおいての崩壊熱の除去と共に、原子炉冷却
材系中の水の再設定及び保持が行なわれる。
原子炉冷却材ポンプ10の運転は、前記のように、遮断弁
27の消勢(従って、開弁)と同時に停止される。遮断弁
27がスプリアス(偽)信号によって開弁すると(従っ
て、原子炉冷却材ポンプ10は運転している)、加圧器7
の内部の水位は、炉心補給タンク22中の水位よりも高く
なるので、炉心補給タンク22から原子炉容器3の降水路
9への水の注入は行なわれなくなると共に、配管29が降
水路9中に開放している個所と配管24がコールドレッグ
6中に開放している個所との間の圧力差が非常に僅かな
ため、降水路9から配管26を経て炉心補給タンク22に、
そして配管24から下方にコールドレッグ6に至る逆向き
の強制循環は最小になる。
今、原子炉冷却材系のループ配管に例えばギロチン破断
のような重大な破断(冷却材喪失事故)が起こったもの
と想定する。この事象は、原子炉冷却材系から破断部を
経て格納容器本体32の床に至る非常に急激な水の排出に
よって特徴付けられる。これには、原子炉のトリップを
開始させると同時に弁21、27を開弁する原子炉冷却材系
中の圧力降下が伴なっている。原子炉冷却材系中の水位
は、破断部を通る冷却材喪失によって降下し、原子炉冷
却材系のループ配管、特にホットレッグ5及びコールド
レッグ6のレベルよりも低くなる。この事象は、コール
ドレッグ6から配管24を経て各々の炉心補給タンク22に
飽和蒸気を流入させると共に、重力によって降水路9内
に水を排出する配管26中の流量を大きくする。ここで、
各々の炉心補給タンク22は、20l/秒の流量の初期の水注
入を行いうるが、この流量は、炉心補給タンク22が空に
なるにつれて、10l/秒に減少する。どちらかの炉心補給
タンク22中の水位が所定レベル以下に降下すると、パラ
メータ検出システム11は、圧力逃し弁29に信号を送出す
るので、減圧用配管28は開放され、(貯水タンク12中の
水の一部を介して)格納容器本体32と加圧器7の蒸気ス
ペースとの間の連通を確保する。この事象は、貯水タン
ク12の底部の圧力(即ち、格納容器圧力)+貯水タンク
12内の水位よりも原子炉冷却材系内の圧力が低くなる程
度まで原子炉冷却材系が減圧されることを確実にする。
この状態の下に、貯水タンク12から配管13及び逆止弁14
を経て降水路9に入る水流が許容される。そのため、こ
の作動局面において、貯水タンク12の水は、原子炉冷却
材系に入る連続した流れを与えて該冷却材系の破断部を
経て格納容器内に溢注させるために用いられる。貯水タ
ンク12の水の容積と、格納容器本体32の床の形状とは、
配管13を通過する水の容積が原子炉冷却材系の配管のレ
ベル及び貯水タンク12への排出ニップル30よりも上方の
格納容器本体32の内部に溢注するのに足るように、相互
に対し関連付けられている。
炉心補給タンク22及び貯水タンク12の水量が前記のよう
に空になった後、長期の冷却運転モードが確立される。
原子炉の炉心2の上部には水があり、この水の蒸気とし
て、破断部及び/又は減圧用配管28を経て格納容器本体
32に流入する。この蒸気は、空気入口37及び出口38を通
って格納容器の環状スペースに循環される空気によって
冷却される。格納容器本体32中において凝縮した水は、
格納容器本体32の床に戻されるので、その内部の水位
は、原子炉冷却材系のループ配管(ホットレツグ5及び
コールドレッグ6)の上方に保たれる。この水位は、貯
水タンク12中に残留する水の水位よりも十分に高いた
め、格納容器本体32の床から貯水タンク12の壁の排出ニ
ップル30及び逆止弁31を経て貯水タンク12中に、そして
更に貯水タンク12から配管13を経て炉心2中に向かう水
流を生ずる。格納容器本体32の床の水は、原子炉冷却材
系統における破断部が格納容器本体の床上に設定された
水位よりも低い場合に、この破断部を通って炉心2に直
接戻されることもありうる。
原子炉冷却材系中に炉心補給タンク22を設けたことによ
って、現行の販用加圧水型原子炉に通常設けられる安全
等級の注入ポンプ(高圧ポンプ及び低圧ポンプ)並びに
維持用として必要な安全等級の設備例えば緊急用ディー
ゼル発電機、冷却水系、加熱換気及び空気調和装置は不
要となる。また、炉心補給タンク22から原子炉容器3の
降水路9への吐出量は、炉心補給タンク22から降水路9
に水が注入される個所と配管24及びコールドレッグ6の
連結個所との間の圧力差が常に非常に小さいため、破断
個所に感知しない。
そのため、崩壊熱の除去を必要とするか又は冷却水の喪
失を惹起させる原子炉の過渡的な事象及び/又は事故
は、重力送りか又は自然循環によって、従ってポンプの
ような能動的要素の助けを全く要せずに、必要な水を供
給する受動的安全系によって補償される。同様に、格納
容器からの熱除去は、状態の深刻さに従って数段階で、
自然循環又はファンなしスプレイ作動によって行なわれ
る。
本発明は、前記の構成以外に、種々変更して実施できる
ため、前述した特別の構成は、単なる例示に過ぎず、本
発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の好適な実施例の各要素を示す、原子
炉格納容器の略平面図、第2図は、第1図の実施例の概
要図、第3図は、第1図の実施例の一要素の側面図、第
4図は、好適な実施例の別の諸要素を示す、原子炉格納
容器の略断面図である。 1……遮蔽建屋、3……原子炉容器、4……蒸気発生
器、5……第1分岐路(ホットレッグ)、6……第2分
岐路(コールドレッグ)、7……加圧器、10……原子炉
冷却材ポンプ、12……第1手段を構成する貯水タンク、
13……第3手段を構成する低温水導入用配管(配管)、
15……第1手段の熱交換手段を構成する熱交換器、21…
…第1手段を構成する第1弁手段(絞り弁)、22……第
2手段(炉心補給タンク)、27……第2弁手段(遮断
弁)、28……減圧用配管、29……第3手段の第3弁手段
を構成する圧力逃し弁、32……格納容器本体、38……第
4手段を構成する空気出口。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−48894(JP,A) 特開 昭60−259994(JP,A) 特開 昭52−135990(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遮蔽建屋(1)と、該遮蔽建屋(1)中に
    あって該遮蔽建屋(1)と共に環状スペースを画定する
    熱伝導性の格納容器本体(32)と、該格納容器本体(3
    2)中に配置された原子炉容器(3)と、該格納容器本
    体(32)中に配置された蒸気発生器(4)と、前記原子
    炉容器(3)からの加熱された水を該蒸気発生器(4)
    内に導くための第1分岐路(5)及び該蒸気発生器
    (4)からの冷却された水を前記原子炉容器(3)内に
    導くための第2分岐路(6)を有する原子炉冷却材回路
    と、該原子炉冷却材回路中に水の循環を維持するために
    該原子炉冷却材回路に接続された原子炉冷却材ポンプ
    (10)と、前記原子炉冷却材回路中の水を所定圧力に保
    つために該原子炉冷却材回路に接続された加圧器(7)
    とを含む原子炉の受動的安全装置において、 (a)前記原子炉冷却材回路から崩壊熱をどんな圧力に
    おいても除去するために、前記蒸気発生器を迂回して、
    前記第1分岐路(5)から前記第2分岐路(6)に自然
    対流のみによって水を循環させる第1手段であって、該
    第1手段は、 (1)前記第1分岐路(5)からの水を同水が前記第2
    分岐路(6)に導入される前に冷却する熱交換手段を含
    み、該熱交換手段が、 (i)前記格納容器本体(32)内に配置されて冷却水を
    保持すると共に、前記格納容器本体(32)により囲まれ
    た格納スペースに向かって上向きに開口し、蒸発気が自
    由に上昇して前記格納スペース内に流入しうるようにす
    る貯水タンク(12)と、 (ii)内側には前記原子炉冷却材回路からの水が流入
    し、外側には前記貯水タンク(12)内に収容された冷却
    水が接触している配管から形成されると共に、前記貯水
    タンク(12)内に配置された熱交換器(15)と、 を含んでおり、 また、前記第1手段は、 (2)運転の安全性に関連するパラメータ値のみに応答
    して、前記第1分岐路(5)から前記第2分岐路(6)
    内への水の流れを許容する第1弁手段(21)を含んでい
    る、 前記第1手段と、 (b)前記原子炉冷却材回路中の喪失水を補給するため
    に、貯蔵された低温水の重力のみによって前記原子炉容
    器(3)に導入する第2手段(22)であって、該第2手
    段(22)は、貯蔵された前記低温水を運転上の安全性に
    関連するパラメータ値のみに応答して前記原子炉容器
    (3)に導入しうるようにするための第2弁手段(27)
    を含む前記第2手段(22)と、 (c)第3手段であって、 (1)前記原子炉冷却材回路中の圧力が前記格納容器本
    体(32)中の圧力と少なくともほぼ等しい圧力まで減少
    した時に、前記原子炉冷却材回路の前記第1分岐路
    (5)及び第2分岐路(6)よりも上方の高さまで前記
    格納容器本体(32)に張水するために、貯蔵された低温
    の冷却水を重力のみによって前記貯水タンク(12)から
    前記原子炉容器(3)中に導入するのを許容する低温水
    導入用配管(13)と、 (2)運転上の安全性に関連するパラメータ値に応答し
    て前記原子炉冷却材回路を減圧するため前記貯水タンク
    (12)と前記加圧器(7)との間に延在する減圧用配管
    (13)に設けられた第3弁手段(29)と、 を含む前記第3手段と、 (d)前記格納容器本体(32)を囲む空気の自然循環の
    みにより前記格納容器本体(32)から熱を除去するため
    流体と前記格納容器本体(32)との間で前記環状スペー
    スにおいて熱交換接触を行うための第4手段(38)と、 を含むことを特徴とする原子炉の受動的安全装置。
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