JPH07155139A - 豚軟骨の加工方法、及び豚軟骨加工食品 - Google Patents

豚軟骨の加工方法、及び豚軟骨加工食品

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JPH07155139A
JPH07155139A JP5305479A JP30547993A JPH07155139A JP H07155139 A JPH07155139 A JP H07155139A JP 5305479 A JP5305479 A JP 5305479A JP 30547993 A JP30547993 A JP 30547993A JP H07155139 A JPH07155139 A JP H07155139A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 豚の肋軟骨等の軟骨を、カルシウムの豊富な
新規な家庭用食材として提供する。 【構成】 枝肉から脱骨した豚骨格より分離しかつ付着
する毛,血等の異物を除去する前処理を行なった、周囲
に若干の肉が残った軟骨を、加圧下、温度105〜11
5℃で1〜2時間煮沸した後、アクを除去する表面洗
滌,水切りを行ない、次いで乾燥防止用シートで覆って
冷蔵する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来は直接食用に供さ
れていなかった豚の肋軟骨及び/又は肩甲軟骨の軟骨
を、珍味として、あるいは一般家庭用のカルシウムの豊
富な新規な食材として提供できるようにした豚軟骨の加
工方法、及びこの方法により製造された加工食品に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】従来から、食用豚の解体に伴って生ずる豚
の肋軟骨等の軟骨や硬骨は、スープ(ダシ汁)の素とし
て広く使用されているが、それ自体を直接食用する食材
としては、豚足などの一部珍味趣向の料理として利用さ
れる他は殆ど用いられておらず、またこれを食用に供す
る工夫についても特に提案されていなかった。
【0003】ところで、近時、子供の骨折の増加や特に
女性に多いとされる骨粗鬆症等が問題となっており、こ
れらの問題の原因の多くはカルシウム摂取不足にあると
考えられている。例えば我国の国民一人当たりの一日の
カルシウム摂取量は541ミリグラム(平成3年厚生省
国民栄養調査)であって欧米に比べて1/2程度と少な
く、しかも昭和50年以降減少傾向が続いているという
統計的な資料もある。我国におけるカルシウム摂取量が
欧米に比べて少ない理由は、一般にカルシウム含量が多
いとされる牛乳,バター等の乳製品が肉類と共に食生活
中心である欧米に比べ、我国ではこれら乳製品の摂取量
は未だ少ないことにその一因がある。また我国の伝統的
食生活の和食でも小魚や海藻類,野菜などの様々な食品
を通してカルシウムは摂取されるものの、量的には十分
でなく、また我国は土壌中のカルシウム分が少ないため
これを多く含む野菜が少ないことも、上記のカルシウム
摂取不足の一因となっていることが指摘されている。
【0004】このような現状から、摂取カルシウム量の
不足を補う目的で、補助栄養剤としてのカルシウム剤な
ども市販されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記補
助栄養剤であるカルシウム剤等の無機カルシウムの消化
器系における吸収は、カルシウム含有食品の場合と必ず
しも同様には得られないという指摘がある。そこで、カ
ルシウム含量が豊富であり、また摂取に適した新しい食
材を提供することが望まれている。
【0006】本発明者は、このような現状の下におい
て、上述の如く従来は直接これを食する食材としては用
いられていなかった上記豚の肋軟骨及び/又は肩甲軟骨
は、量的に相当量のものが得られ、しかも軟骨の一種で
あるから、カルシウムを比較的豊富に含有していて、し
かも脊椎動物の軟骨であるからムコ多糖が豊富に含有さ
れていると予想され、これを適当に加工することで摂取
に適した食材を提供することができれば極めて有益であ
ると考え、種々検討を重ねた。
【0007】なお、このような豚の肋軟骨及び/又は肩
甲軟骨を食材として提供できるようにする提案は、従来
全くされていない。なお、ムコ多糖は保水性が高いため
に化粧料の保湿剤として利用されている他、生体の水分
代謝やイオン移動に関与し、創傷治癒にも有効であるな
どの性質も知られており、本発明が対象としている豚の
肋軟骨及び/又は肩甲軟骨にも後述するように豊富に含
有されていることが確認された。
【0008】本発明はまさにこのような、高カルシウ
ム,高ムコ多糖含有の新規な食材の提供を目的としてな
されたものである。
【0009】また本発明の別の目的は、豚軟骨を素材と
して、嗜好性のある独特の風味を持った新規な高カルシ
ウム,高ムコ多糖含有の食品を、容易にかつ生産性よく
製造する加工方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0010】更にまた本発明の他の特徴は、上記方法に
より加工された食材を用いて、嗜好性のある独特の風味
を持った新規な豚軟骨加工食品を提供するところにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を実現するた
めになされた本発明の特徴は、枝肉から脱骨した豚骨格
より分離すると共に、付着する毛,血等の異物を除去す
る前処理を行なった、周囲に5〜40vol%の肉が付着し
て残った肋軟骨及び/又は肩甲軟骨を、加圧下、温度1
05〜115℃で1〜2時間煮沸した後、アクを除去す
る表面洗滌、水切りを行ない、次いで乾燥防止用シート
で覆って冷蔵することを特徴とする豚軟骨の加工方法に
ある。
【0012】本発明の素材として用いる軟骨には、所謂
枝肉から脱骨した豚骨格より分離して周囲ないし軟骨間
に上記した程度の肉が付いたままのものが用いられる。
このような肉付き軟骨を素材として用いることで、上記
加工方法により製造された食材に味噌風味あるいは醤油
風味の味付けができ、味付けされた肉の風味と軟骨の歯
ごたえを楽しむことができる新規な豚軟骨加工食品を提
供することができる。しかし、肉の付着が5vol%以下で
あるとほとんど軟骨だけの風味となって、歯ごたえの食
感はあるが味の点からの風味がない食材となってしまう
ため適当でない。反対に肉の付着が40vol%を越えて
も、歯ごたえの食感や味の風味はよいが上記範囲のもの
と格別の違いがなく、肉単独に分離されて販売等される
量が減るために経済的に適当でない。
【0013】以上のような本発明を本発明者が開発する
に至ったのは、軟骨の構成成分であるコラーゲンは煮沸
処理することによりゼラチンに変性することに注目し、
様々に軟骨成分の加工及び官能試験を行った結果によ
る。すなわち、煮沸よる変質で軟質化した軟骨の歯ごた
えが得られることと、この歯ごたえをもたらす軟骨の略
白色の色合いとその周囲に付着して残っている肉質部分
の褐色の色合いとが、視覚的に食欲,興味をそそる色合
いを呈し、しかもこれを食した時に、軟骨部分の歯ごた
えと肉質部分の味わいが味覚的な嗜好性を増すことが認
められたからである。また以下に述べるように、本発明
方法により製造された軟骨食品は、高カルシウム、高ム
コ多糖含有のものであることが確認され、健康食品とし
ても極めて優れた成分組成を有する。
【0014】本発明の加工方法は、まず分離した肉付き
の肋軟骨及び/又は肩甲軟骨の軟骨から、付着している
毛や血等の異物、あるいは必要に応じて余分な脂の除去
という前処理から行なわれる。なお加工に先立って作業
性の面から適当な大きさ(例えば1頭の豚の骨格から得
られる軟骨部分を3等分した大きさ)に分けるようにす
ることが好ましい。
【0015】このようにして準備された上記肉付き肋軟
骨(肩甲軟骨軟骨)は、軟骨のコラーゲンを変性させる
ために加圧下で煮沸処理される。煮沸に用いる水溶液
は、例えば濃度3%〜5%の食塩水に、好ましくは亜硝
酸ナトリウム等の発色剤を添加したものが用いられる。
煮沸処理は、圧力釜を用いた加圧下で行なわれ、105
〜115℃で1〜2時間程度行なうことが必要である。
煮沸温度が105℃以下では、得られた製品の歯ごたえ
が硬すぎるという食感上から嗜好性が限定されるという
問題があり、また115℃以上では、得られた製品が軟
らかくなりすぎて形がくずれ易いという問題がある。ま
た煮沸処理は、特に限定されるものではないが例えば、
初め圧力釜の蓋をしないで強火で加熱し、沸騰した段階
でアクを除去した後、圧力釜の蓋を閉じて1時間程度煮
沸し、その後火を止めて1時間程蒸す手順で行なう例を
挙げることができる。
【0016】以上の煮沸処理によりコラーゲンの変性を
行なった豚軟骨は、次いで流水等により表面洗滌して表
面に付着したアクを流し、水切りした後冷却する。この
際、多数の軟骨片が相互付着しないようにばらばらにす
ると共に、表面乾燥を防ぐために乾燥防止用のシートで
軟骨片を覆うことが必要である。
【0017】冷蔵は、主に一般の食品と同様の長期保存
を目的として行なわれるものであるが、変腐敗を起こす
ような温度(例えば10℃以上)では不適当であり、反
対に軟骨周囲に付着している肉が凍結して味が変質して
しまうような温度もまた不適当であるから、一般的には
0℃程度で冷蔵することがよい。冷蔵は通常は、10〜
12時間行なうことがよい。
【0018】以上のようにして加工された軟骨加工品
は、スライスし味噌風味又は醤油風味の味つけタレに漬
けて真空包装し、製品とすることができる。
【0019】また粉化処理して、ふりかけ食品として提
供することもできる。
【0020】
【作用】本発明によれば、従来直接食用に用いられてい
なかった豚軟骨である肋軟骨及び/又は肩甲軟骨の硬い
タンパク質のコラーゲンが、煮沸処理により変性されて
弾力性に富んだゼラチン状のタンパク質となり、後述す
る官能試験の結果からも分かるように歯ざわりのよい食
材部分となり、この軟骨周囲に付いている若干の肉の風
味も相剰して、新規な高カルシウム,高ムコ多糖類含有
の新規な食材を提供できる。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例にしたがって更に説明す
る。
【0022】実施例1 1頭分の豚枝肉から豚の骨格を脱骨した後、この骨格か
ら肋軟骨及び肩甲軟骨を分離して約0.3kgの軟骨部
分を得、次いでこれに付着している毛,血、及び余分な
脂を除去した後、以降の作業を容易化するために約0.
1kgの軟骨片に3等分した。なおこの軟骨片には、軟
骨周囲に20%程の肉が付いていた。
【0023】これを、亜硝酸ナトリウムを0.0001
g添加した2%食塩水1.8リットルを充填した圧力釜
に、軟骨片が浸るように入れ、以下の煮沸処理を行なっ
た。 圧力釜の蓋を閉じないで強加熱し、沸騰した時点で
火を止めてアクを除いた。
【0024】 次ぎに圧力釜の蓋を閉じ、強加熱して
沸騰(温度110℃)した時点で加熱を弱めて1時間煮
沸を継続した。
【0025】 1時間後火を止めて、更に1時間その
ままの状態で蒸した。
【0026】以上の煮沸処理を行なった後、釜の蓋を開
けて蒸気を抜き、流水で軟骨片の表面のアクを洗滌して
除去し、水切り後、軟骨片同士が付着しないようにばら
ばらにした上、乾燥防止用シートであるショーレックス
シートで軟骨片を覆い、冷蔵庫に入れて0℃で12時間
冷却保存した。
【0027】以上によって、軟骨の周囲に肉が付着した
煮沸加工済軟骨片220gが得られた。
【0028】以上のようにして得られた煮沸加工済軟骨
片の成分について測定を行ないその結果を下記表1に示
した。
【0029】
【表1】
【0030】この結果から分かるように、加工済軟骨片
はカルシウム、ムコ多糖の含量が多く、しかも脂肪分が
比較的少ない食材であることが分かる。
【0031】また、上記加工済軟骨片を、厚み1〜2m
m程度にスライスし、味噌風味の味つけタレに1時間漬
け、これを以下の官能試験に供した。
【0032】官能試験 パネラーは、20〜45才の成人男子20名、及び20
〜45才の成人女性20名とし、食感、味、硬さについ
てそれぞれ5段階の点数評価を以下の基準に従って行な
いその総合点で表わした。その結果を下記表2に示し
た。
【0033】食感:5・・・軟骨の歯ごたえと肉質部の
軟らかさがマッチしている :4・・・軟骨が比較的軟らかく、肉質部の軟らかさも
適度である :3・・・軟骨の硬さに違和感がなく普通 :2・・・肉質部の軟らかさに比べ軟骨が少し硬い :1・・・肉質部の軟らかさに比べ軟骨が硬い 味 :5・・・大変美味しい :4・・・美味しい :3・・・普通 :2・・・美味しくない :1・・・不快感 硬さ:5・・・ゼラチン状で適度に軟らかい :4・・・ゼラチン状で比較的軟らかい :3・・・硬さに違和感がなく普通 :2・・・少し硬い :1・・・硬い
【0034】
【表2】
【0035】以上の官能試験の結果、上記の煮沸加工済
軟骨片は、コンビーフに似た風味を呈し、比較的軟らか
いサクサクした歯ごたえの食感があり、珍味として好評
であった。
【0036】また、上記スライスを更に線切りにして野
菜サラダに混ぜて同様の官能試験に供したところ、好評
であり、家庭用の食材としても適していることが分かっ
た。また酒の肴として、いわゆる珍味としての高い嗜好
性の評価が得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、豚軟骨を素材として、
嗜好性のある独特の風味を持った珍味あるいは家庭用の
食材として適した、新規な高カルシウム、高ムコ多糖含
有の食材を提供できるという効果がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豚の枝肉から脱骨した豚骨格より分離
    し、かつ付着する毛,血等の異物を除去する前処理を行
    なって、周囲に5〜40vol%の肉が付着して残った肋軟
    骨及び/又は肩甲軟骨を、加圧下、温度105〜115
    ℃で1〜2時間煮沸し、アク除去をする表面洗滌、継い
    で水切りを行ない、これを乾燥防止用シートで覆って冷
    蔵することを特徴とする豚軟骨の加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、肉が付着した肋軟骨
    及び/又は肩甲軟骨の煮沸液に亜硝酸ナトリウム等の発
    色剤を添加して煮沸処理を行うことを特徴とする豚軟骨
    の加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2で得られた冷蔵後の豚軟
    骨を、薄片状にスライスし、味噌風味又は醤油風味の味
    つけタレに漬けて真空包装したことを特徴とする豚軟骨
    加工食品。
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020023972A (ko) * 2002-01-02 2002-03-29 윤상섭 영양 진국 추출용 소뼈 조합물
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