JPH07157836A - 強靱性アルミニウム合金およびその製造方法 - Google Patents
強靱性アルミニウム合金およびその製造方法Info
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- JPH07157836A JPH07157836A JP30805693A JP30805693A JPH07157836A JP H07157836 A JPH07157836 A JP H07157836A JP 30805693 A JP30805693 A JP 30805693A JP 30805693 A JP30805693 A JP 30805693A JP H07157836 A JPH07157836 A JP H07157836A
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- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い強度と高い靱性を兼ね備えたアルミニウ
ム合金を提供する。 【構成】 αアルミニウムからなるマトリクスと金属間
化合物からなる析出相とを含むアルミニウム合金であっ
て、金属間化合物の粒径dが100nm以下、金属間化
合物の体積含有率Vfが10%以上、粒径dと体積含有
率Vfの関係が 【数3】 を満足する。準結晶を含む組織を有するアルミニウム合
金を準結晶の結晶化温度以上の温度で焼鈍することによ
り、αアルミニウムからなるマトリクスと金属間化合物
からなる析出相とを含む複合組織を形成する。
ム合金を提供する。 【構成】 αアルミニウムからなるマトリクスと金属間
化合物からなる析出相とを含むアルミニウム合金であっ
て、金属間化合物の粒径dが100nm以下、金属間化
合物の体積含有率Vfが10%以上、粒径dと体積含有
率Vfの関係が 【数3】 を満足する。準結晶を含む組織を有するアルミニウム合
金を準結晶の結晶化温度以上の温度で焼鈍することによ
り、αアルミニウムからなるマトリクスと金属間化合物
からなる析出相とを含む複合組織を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、強靱性が要求される
部品や構造材料に適用することが可能であり、高い比強
度を有し、かつ靱性の優れた、いわゆるナノレベルの微
細な構造を有するアルミニウム合金およびその製造方法
に関するものである。ここで、ナノレベルの構造とは、
数百nm程度の粒径を有する金属組織のことをいう。
部品や構造材料に適用することが可能であり、高い比強
度を有し、かつ靱性の優れた、いわゆるナノレベルの微
細な構造を有するアルミニウム合金およびその製造方法
に関するものである。ここで、ナノレベルの構造とは、
数百nm程度の粒径を有する金属組織のことをいう。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アモ
ルファス相を高温まで安定に存在させ、そのアモルファ
ス相を含む急冷凝固アルミニウム合金粉末を高温での押
出時に結晶化させながら固化してナノレベルの結晶構造
を有するアルミニウム合金を得る方法は、たとえば、素
形材1992年8月号p.9〜14「高強度アルミニウ
ム合金の開発」で紹介されている。
ルファス相を高温まで安定に存在させ、そのアモルファ
ス相を含む急冷凝固アルミニウム合金粉末を高温での押
出時に結晶化させながら固化してナノレベルの結晶構造
を有するアルミニウム合金を得る方法は、たとえば、素
形材1992年8月号p.9〜14「高強度アルミニウ
ム合金の開発」で紹介されている。
【0003】強靱性のアルミニウム合金の製造方法とし
て、アモルファス相を含む合金粉末を焼鈍して金属間化
合物を析出させる方法がある。そのような方法に用いら
れるアモルファス相を含む合金粉末の原材料には、粉末
作製時のアモルファス相の形成能を高めるために多くの
合金元素を添加する必要がある。一般に、この合金元素
の添加量は10原子%以上であることが必要とされる。
このように合金元素が添加されたアルミニウム合金粉末
を焼鈍し、金属間化合物を析出させると、その金属間化
合物の体積率は約40%以上になってしまう。
て、アモルファス相を含む合金粉末を焼鈍して金属間化
合物を析出させる方法がある。そのような方法に用いら
れるアモルファス相を含む合金粉末の原材料には、粉末
作製時のアモルファス相の形成能を高めるために多くの
合金元素を添加する必要がある。一般に、この合金元素
の添加量は10原子%以上であることが必要とされる。
このように合金元素が添加されたアルミニウム合金粉末
を焼鈍し、金属間化合物を析出させると、その金属間化
合物の体積率は約40%以上になってしまう。
【0004】しかしながら、一般的に金属マトリクスに
金属間化合物等の硬質粒子が分散した組織を有する材料
においては、金属間化合物の体積率が40%以上になる
と、金属間化合物同士の接触が起こる。その結果、材料
の靱性が低下するという問題が生ずる。
金属間化合物等の硬質粒子が分散した組織を有する材料
においては、金属間化合物の体積率が40%以上になる
と、金属間化合物同士の接触が起こる。その結果、材料
の靱性が低下するという問題が生ずる。
【0005】従来のアモルファス相を含むアルミニウム
合金を焼鈍して製造された金属間化合物分散強化合金に
おいては、金属間化合物の体積率が最低でも40%であ
る。材料の靱性を高めるために、金属間化合物の体積率
を40%以下にすることは、従来の強靱性アルミニウム
合金の製造方法によっては不可能であった。
合金を焼鈍して製造された金属間化合物分散強化合金に
おいては、金属間化合物の体積率が最低でも40%であ
る。材料の靱性を高めるために、金属間化合物の体積率
を40%以下にすることは、従来の強靱性アルミニウム
合金の製造方法によっては不可能であった。
【0006】また、強靱性アルミニウム合金の製造方法
として、準結晶を分散させたアルミニウム合金の製造方
法の一例が、A.Inoue et.al, Material Transactions,
JIM,Vol.33 No.8(1992),pp723〜729 に開示されてい
る。
として、準結晶を分散させたアルミニウム合金の製造方
法の一例が、A.Inoue et.al, Material Transactions,
JIM,Vol.33 No.8(1992),pp723〜729 に開示されてい
る。
【0007】このような準結晶を分散させたアルミニウ
ム合金は、準アルミニウム結晶質のマトリクス中に約7
0体積%の準結晶が分散した組織を有する。このアルミ
ニウム合金は強度や靱性に優れているが、その形態とし
てリボン(箔)や粉末としてしか得られておらず、バル
クとしては得られていない。
ム合金は、準アルミニウム結晶質のマトリクス中に約7
0体積%の準結晶が分散した組織を有する。このアルミ
ニウム合金は強度や靱性に優れているが、その形態とし
てリボン(箔)や粉末としてしか得られておらず、バル
クとしては得られていない。
【0008】一方、アルミニウム合金粉末を固化するた
めには、原料粉末として超急冷法などの方法を用いて作
製されたアルミニウム合金粉末を押出法や熱間静水圧プ
レス法(HIP法)などによって固化する方法が用いら
れている。特に、押出法は、アルミニウム合金粉末の表
面に存在して粉末同士が結合するのを妨げている酸化被
膜を機械的に分断破壊することができるので、有効な固
化方法である。しかし、この押出法には以下のような欠
点が存在する。
めには、原料粉末として超急冷法などの方法を用いて作
製されたアルミニウム合金粉末を押出法や熱間静水圧プ
レス法(HIP法)などによって固化する方法が用いら
れている。特に、押出法は、アルミニウム合金粉末の表
面に存在して粉末同士が結合するのを妨げている酸化被
膜を機械的に分断破壊することができるので、有効な固
化方法である。しかし、この押出法には以下のような欠
点が存在する。
【0009】(1) 非平衡相が存在するアルミニウム
合金粉末を、その非平衡相が存在した状態のまま、ある
いは結晶化させて固化しようとする場合、押出法によれ
ば、工業的に操業を行なうときに大きな熱間静水圧成形
体を加熱したり、押し出したりするのに時間がかかる。
そのため、熱履歴が大きくなってしまい、非平衡相が存
在したままで固化することができず、あるいは結晶化し
た材料の結晶粒が粗大化してしまうという問題が生ず
る。その結果、得られたアルミニウム合金の強度が低下
する。
合金粉末を、その非平衡相が存在した状態のまま、ある
いは結晶化させて固化しようとする場合、押出法によれ
ば、工業的に操業を行なうときに大きな熱間静水圧成形
体を加熱したり、押し出したりするのに時間がかかる。
そのため、熱履歴が大きくなってしまい、非平衡相が存
在したままで固化することができず、あるいは結晶化し
た材料の結晶粒が粗大化してしまうという問題が生ず
る。その結果、得られたアルミニウム合金の強度が低下
する。
【0010】(2) 押出法によれば、棒状の固化体が
得られる。このような棒状の固化体に形状を与えるため
には、押出加工後に切削加工や鍛造加工をその固化体に
施す必要がある。しかしながら、ナノレベルの微細な構
造を有する結晶からなるアルミニウム合金は、その強度
が高いため、切削加工を施すことは困難である。
得られる。このような棒状の固化体に形状を与えるため
には、押出加工後に切削加工や鍛造加工をその固化体に
施す必要がある。しかしながら、ナノレベルの微細な構
造を有する結晶からなるアルミニウム合金は、その強度
が高いため、切削加工を施すことは困難である。
【0011】そこで、この発明の目的は、上記のような
問題点を解決し、従来よりも高い強度と高い靱性を兼ね
備えたアルミニウム合金を提供することである。
問題点を解決し、従来よりも高い強度と高い靱性を兼ね
備えたアルミニウム合金を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の作用効果】請
求項1に記載のアルミニウム合金は、αアルミニウムか
らなるマトリクスと金属間化合物からなる析出相とを含
む。金属間化合物の粒径(d)が100nm以下、金属
間化合物の体積含有率(Vf)が10%以上であり、粒
径(d)と体積含有率(Vf)の関係が以下の式を満足
する。
求項1に記載のアルミニウム合金は、αアルミニウムか
らなるマトリクスと金属間化合物からなる析出相とを含
む。金属間化合物の粒径(d)が100nm以下、金属
間化合物の体積含有率(Vf)が10%以上であり、粒
径(d)と体積含有率(Vf)の関係が以下の式を満足
する。
【0013】
【数2】
【0014】合金の強度を増加させるためには、金属間
化合物の含有率を高めればよいことは知られている。し
かしながら、金属間化合物の体積含有率が高くなると、
金属間化合物同士が接触し、材料が急激に脆くなる。こ
れは、一般に金属間化合物の体積含有率が40体積%以
上で起こる。したがって、金属間化合物の体積含有率を
高くし、しかも靱性を低下させないためには、金属間化
合物同士の接触を避けるために金属間化合物をより均一
に分散させる必要がある。
化合物の含有率を高めればよいことは知られている。し
かしながら、金属間化合物の体積含有率が高くなると、
金属間化合物同士が接触し、材料が急激に脆くなる。こ
れは、一般に金属間化合物の体積含有率が40体積%以
上で起こる。したがって、金属間化合物の体積含有率を
高くし、しかも靱性を低下させないためには、金属間化
合物同士の接触を避けるために金属間化合物をより均一
に分散させる必要がある。
【0015】本願発明者らは、金属間化合物の均一分散
の程度を金属間化合物の粒径と金属間化合物間の間隔と
によって判定する研究を行なった。その結果、準結晶を
含む組織を有する合金を分解させることによって、『金
属間化合物の半径が金属間化合物間の間隔以上であり、
かつ金属間化合物同士が接触しない』という条件を満た
せば、金属間化合物が均一に分散した組織が得られるこ
とを本願発明者らは見い出した。
の程度を金属間化合物の粒径と金属間化合物間の間隔と
によって判定する研究を行なった。その結果、準結晶を
含む組織を有する合金を分解させることによって、『金
属間化合物の半径が金属間化合物間の間隔以上であり、
かつ金属間化合物同士が接触しない』という条件を満た
せば、金属間化合物が均一に分散した組織が得られるこ
とを本願発明者らは見い出した。
【0016】これまでに開発されたアルミニウム合金の
中で、金属間化合物を分散させて強化させた場合の金属
間化合物の粒径は500nm〜1μm程度であり、金属
間化合物が均一に分散した組織は得られていない。金属
間化合物の粒径(d)が100nm以下であり、かつ金
属間化合物の体積率(Vf)が10%以上であり、粒径
(d)と体積含有率(Vf)との関係が上記の式を満足
すれば、上述の条件を満足する組織を得ることができ
る。その結果、強度と靱性がともに従来の材料を上回る
特性を有するアルミニウム合金が得られることを本願発
明者らは見い出した。
中で、金属間化合物を分散させて強化させた場合の金属
間化合物の粒径は500nm〜1μm程度であり、金属
間化合物が均一に分散した組織は得られていない。金属
間化合物の粒径(d)が100nm以下であり、かつ金
属間化合物の体積率(Vf)が10%以上であり、粒径
(d)と体積含有率(Vf)との関係が上記の式を満足
すれば、上述の条件を満足する組織を得ることができ
る。その結果、強度と靱性がともに従来の材料を上回る
特性を有するアルミニウム合金が得られることを本願発
明者らは見い出した。
【0017】なお、高い強度と高い靱性を両立させるた
めには、金属間化合物同士の接触が生じない組織を形成
しなくてはならない。そのためには、一般には金属間化
合物の体積含有率を40%以下にしなくてはならない。
これは、アモルファス相を有する合金の代わりに、図1
に示すようにαアルミニウムからなるマトリクス中に準
結晶が分散したアルミニウム合金を原材料として用いる
ことによって達成することが可能である。
めには、金属間化合物同士の接触が生じない組織を形成
しなくてはならない。そのためには、一般には金属間化
合物の体積含有率を40%以下にしなくてはならない。
これは、アモルファス相を有する合金の代わりに、図1
に示すようにαアルミニウムからなるマトリクス中に準
結晶が分散したアルミニウム合金を原材料として用いる
ことによって達成することが可能である。
【0018】また、準結晶が分散した組織を加熱分解し
て生成される組織においては、析出する金属間化合物
は、その粒径と間隔が非常に均一である。そのため、金
属間化合物の体積含有率が40%以上においても金属間
化合物同士が接触しない組織を形成することが可能とな
る。以上の本願発明者らの知見に基づく本願発明のアル
ミニウム合金の製造方法は以下のような特徴を有する。
て生成される組織においては、析出する金属間化合物
は、その粒径と間隔が非常に均一である。そのため、金
属間化合物の体積含有率が40%以上においても金属間
化合物同士が接触しない組織を形成することが可能とな
る。以上の本願発明者らの知見に基づく本願発明のアル
ミニウム合金の製造方法は以下のような特徴を有する。
【0019】請求項2に記載のアルミニウム合金の製造
方法は、準結晶を含む組織を有するアルミニウム合金を
準結晶の結晶化温度以上の温度で焼鈍することにより、
αアルミニウムからなるマトリクスと金属間化合物から
なる析出相とを含む複合組織を形成することを特徴とす
る。
方法は、準結晶を含む組織を有するアルミニウム合金を
準結晶の結晶化温度以上の温度で焼鈍することにより、
αアルミニウムからなるマトリクスと金属間化合物から
なる析出相とを含む複合組織を形成することを特徴とす
る。
【0020】まず、本願発明者らは、アモルファス相を
加熱分解するよりも準結晶相を加熱分解する方が、より
微細な金属間化合物を均一に生成することができること
を発見した。また、原料粉末としてアモルファス相を含
む組織ではなく、準結晶相を含む組織を有するアルミニ
ウム合金粉末またはアルミニウム合金箔の粉砕粉を用い
ることによって、結晶化したときの金属間化合物の体積
含有率をより小さくすることができることも見い出し
た。これは、アモルファス相を含むアルミニウム合金の
組成においては、一般的にアモルファス相を液体急冷法
で形成させるために、添加元素の合計が10原子%以上
必要であるのに対して、準結晶相を含むアルミニウム合
金を液体急冷法で形成させるためには、一般的に添加元
素の合計が8原子%以下でよいことに基づく。
加熱分解するよりも準結晶相を加熱分解する方が、より
微細な金属間化合物を均一に生成することができること
を発見した。また、原料粉末としてアモルファス相を含
む組織ではなく、準結晶相を含む組織を有するアルミニ
ウム合金粉末またはアルミニウム合金箔の粉砕粉を用い
ることによって、結晶化したときの金属間化合物の体積
含有率をより小さくすることができることも見い出し
た。これは、アモルファス相を含むアルミニウム合金の
組成においては、一般的にアモルファス相を液体急冷法
で形成させるために、添加元素の合計が10原子%以上
必要であるのに対して、準結晶相を含むアルミニウム合
金を液体急冷法で形成させるためには、一般的に添加元
素の合計が8原子%以下でよいことに基づく。
【0021】一般に、アルミニウム合金のアモルファス
相の結晶化温度は250℃〜300℃であるのに対し
て、アルミニウム合金の準結晶相の結晶化温度は350
℃〜400℃程度である。このように、準結晶相の結晶
化温度はアモルファス相の結晶化温度よりも高い。この
ため、準結晶相を含むアルミニウム合金を材料として用
いると、高温まで加熱した場合、すべての準結晶相が結
晶化するまでの時間が長くなる。そのため、その結晶化
するまでの時間を適宜制御することにより、結晶粒径を
より容易に制御することが可能になる。
相の結晶化温度は250℃〜300℃であるのに対し
て、アルミニウム合金の準結晶相の結晶化温度は350
℃〜400℃程度である。このように、準結晶相の結晶
化温度はアモルファス相の結晶化温度よりも高い。この
ため、準結晶相を含むアルミニウム合金を材料として用
いると、高温まで加熱した場合、すべての準結晶相が結
晶化するまでの時間が長くなる。そのため、その結晶化
するまでの時間を適宜制御することにより、結晶粒径を
より容易に制御することが可能になる。
【0022】請求項5に記載のアルミニウム合金の製造
方法においては、アルミニウム合金粉末を熱間塑性加工
によって固化する。この場合、請求項6に記載されてい
るように、原材料としてのアルミニウム合金粉末の焼鈍
工程を熱間塑性加工時の加熱によって行なうのが好まし
い。焼鈍工程の加熱を熱間塑性加工時の加熱と別に行な
うと、加熱処理を2度行なうことになり、組織が粗大化
するので好ましくない。
方法においては、アルミニウム合金粉末を熱間塑性加工
によって固化する。この場合、請求項6に記載されてい
るように、原材料としてのアルミニウム合金粉末の焼鈍
工程を熱間塑性加工時の加熱によって行なうのが好まし
い。焼鈍工程の加熱を熱間塑性加工時の加熱と別に行な
うと、加熱処理を2度行なうことになり、組織が粗大化
するので好ましくない。
【0023】請求項7に記載されているように、熱間塑
性加工は粉末鍛造法によって行なうのが好ましい。一般
に、工業的に操業を行なう場合には、押出法によれば、
最低400℃で1時間〜5時間程度の熱履歴が材料に与
えられる。このように押出法によれば、熱履歴が大きく
なってしまい、得られたアルミニウム合金の組織が粗大
化する。これに対して粉末鍛造法によれば、500℃〜
600℃で数分間以下の熱履歴だけを与えることによっ
て粉末を固化することができる。粉末鍛造法によれば、
より小さな熱履歴で粉末を固化することができるので、
得られるアルミニウム合金の組織が粗大化するのが防止
される。
性加工は粉末鍛造法によって行なうのが好ましい。一般
に、工業的に操業を行なう場合には、押出法によれば、
最低400℃で1時間〜5時間程度の熱履歴が材料に与
えられる。このように押出法によれば、熱履歴が大きく
なってしまい、得られたアルミニウム合金の組織が粗大
化する。これに対して粉末鍛造法によれば、500℃〜
600℃で数分間以下の熱履歴だけを与えることによっ
て粉末を固化することができる。粉末鍛造法によれば、
より小さな熱履歴で粉末を固化することができるので、
得られるアルミニウム合金の組織が粗大化するのが防止
される。
【0024】以上のように、この発明によれば、金属間
化合物が均一に分散したアルミニウム合金を得ることが
できるので、従来の材料に比べて強度と靱性の両者がよ
り高いアルミニウム合金を得ることができる。
化合物が均一に分散したアルミニウム合金を得ることが
できるので、従来の材料に比べて強度と靱性の両者がよ
り高いアルミニウム合金を得ることができる。
【0025】
【実施例】準結晶を含むアルミニウム合金箔(リボン)
と、準結晶を含むアルミニウム合金粉末と、アモルファ
ス相を含むアルミニウム合金箔(リボン)をそれぞれ原
材料として用いて焼鈍することによって、得られた組織
と機械的特性を調べた。
と、準結晶を含むアルミニウム合金粉末と、アモルファ
ス相を含むアルミニウム合金箔(リボン)をそれぞれ原
材料として用いて焼鈍することによって、得られた組織
と機械的特性を調べた。
【0026】粉末を原材料として用いた場合には、粉末
押出法または粉末鍛造法を用いて粉末の固化を行なっ
た。
押出法または粉末鍛造法を用いて粉末の固化を行なっ
た。
【0027】粉末押出工程は、210g/個(直径17
5mm×長さ300mm)の型押体を500℃で2時間
加熱し、押出比率を10に設定して行なった。
5mm×長さ300mm)の型押体を500℃で2時間
加熱し、押出比率を10に設定して行なった。
【0028】一方、粉末鍛造工程は、220g/個(直
径76mm)の型押体を600℃で2分間、加熱鍛造し
た後、水冷することにより行なった。
径76mm)の型押体を600℃で2分間、加熱鍛造し
た後、水冷することにより行なった。
【0029】粉末の押出工程と鍛造工程の際に材料に与
えられる熱履歴は量産時を仮定した値であり、いずれも
粉末を固化するために必要な最低の熱履歴を材料に与え
た。合金箔の焼鈍工程においては、粉末鍛造工程と同じ
熱履歴を材料に与えた。
えられる熱履歴は量産時を仮定した値であり、いずれも
粉末を固化するために必要な最低の熱履歴を材料に与え
た。合金箔の焼鈍工程においては、粉末鍛造工程と同じ
熱履歴を材料に与えた。
【0030】表1と表2は実験を行なったアルミニウム
合金の組成と、その組成に対応して行なわれた実施実験
の一覧を示す。
合金の組成と、その組成に対応して行なわれた実施実験
の一覧を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】図1と図2に示される組織は、表1の実験
番号2の組成の合金箔(リボン)の焼鈍前と焼鈍後の合
金組織をそれぞれ示している。図2に示されるように、
金属間化合物の粒径が100nm以下であり、金属間化
合物間の間隔が金属間化合物の半径以下であることが確
認された。他の準結晶を含むアルミニウム合金箔を焼鈍
したものについても同様の合金組織が得られた。
番号2の組成の合金箔(リボン)の焼鈍前と焼鈍後の合
金組織をそれぞれ示している。図2に示されるように、
金属間化合物の粒径が100nm以下であり、金属間化
合物間の間隔が金属間化合物の半径以下であることが確
認された。他の準結晶を含むアルミニウム合金箔を焼鈍
したものについても同様の合金組織が得られた。
【0034】比較のため、アモルファス相を含むアルミ
ニウム合金(実験番号7)の組織は図3に示された。こ
の組織は、図2の準結晶を含むアルミニウム合金箔を焼
鈍した組織に比べて、金属間化合物の粒径が200nm
以上に粗大化していることがわかる。
ニウム合金(実験番号7)の組織は図3に示された。こ
の組織は、図2の準結晶を含むアルミニウム合金箔を焼
鈍した組織に比べて、金属間化合物の粒径が200nm
以上に粗大化していることがわかる。
【0035】また、実験番号9のアモルファス相を含む
アルミニウム合金をX線回折で観察したところ、アモル
ファス相を検出することができなかった。析出した金属
間化合物の粒径は最大3μmであった。
アルミニウム合金をX線回折で観察したところ、アモル
ファス相を検出することができなかった。析出した金属
間化合物の粒径は最大3μmであった。
【0036】なお、表1と表2の組成において「Mm」
はミッシュメタルを意味する。ミッシュメタルとはセリ
ウム族希土類元素の混合物であり、精錬過程の半製品の
ことをいう。
はミッシュメタルを意味する。ミッシュメタルとはセリ
ウム族希土類元素の混合物であり、精錬過程の半製品の
ことをいう。
【0037】表1と表2に従って実験された準結晶を含
むアルミニウム合金とアモルファス相を含むアルミニウ
ム合金のそれぞれの結果は表3と表4に示される。表3
と表4において、「IMC粒径」は金属間化合物の粒径
を示し、「IMC間隔」は金属間化合物間の間隔を示し
ている。
むアルミニウム合金とアモルファス相を含むアルミニウ
ム合金のそれぞれの結果は表3と表4に示される。表3
と表4において、「IMC粒径」は金属間化合物の粒径
を示し、「IMC間隔」は金属間化合物間の間隔を示し
ている。
【0038】表3から明らかなように、準結晶を含むア
ルミニウム合金粉末を熱間で押出して加工することによ
って得られた特性は、準結晶を含むアルミニウム合金箔
を焼鈍して得られた特性に比べて、強度と延びが約85
%の特性を示した。また、準結晶を含むアルミニウム合
金粉末を鍛造して固化することによって得られた特性
は、アルミニウム合金箔の焼鈍によって得られた特性に
比べて、90%程度の特性を示した。
ルミニウム合金粉末を熱間で押出して加工することによ
って得られた特性は、準結晶を含むアルミニウム合金箔
を焼鈍して得られた特性に比べて、強度と延びが約85
%の特性を示した。また、準結晶を含むアルミニウム合
金粉末を鍛造して固化することによって得られた特性
は、アルミニウム合金箔の焼鈍によって得られた特性に
比べて、90%程度の特性を示した。
【0039】実験番号6においては、アルミニウム合金
箔を焼鈍したもの、アルミニウム合金粉末を粉末押出し
たもの、アルミニウム合金粉末を粉末鍛造したもののい
ずれにおいても、得られた金属間化合物の粒径(d)と
金属間化合物の体積含有率(Vf)との関係が上述の式
(a)を満足していなかった。
箔を焼鈍したもの、アルミニウム合金粉末を粉末押出し
たもの、アルミニウム合金粉末を粉末鍛造したもののい
ずれにおいても、得られた金属間化合物の粒径(d)と
金属間化合物の体積含有率(Vf)との関係が上述の式
(a)を満足していなかった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【図1】準結晶を含むアルミニウム合金箔の焼鈍前の組
織を示す写真である。
織を示す写真である。
【図2】準結晶を含むアルミニウム合金箔の焼鈍後の組
織を示す写真である。
織を示す写真である。
【図3】アモルファス相を含むアルミニウム合金の焼鈍
後の組織を示す写真である。
後の組織を示す写真である。
Claims (7)
- 【請求項1】 αアルミニウムからなるマトリクスと金
属間化合物からなる析出相とを含む強靱性アルミニウム
合金であって、 前記金属間化合物の粒径(d)が100nm以下、前記
金属間化合物の体積含有率(Vf)が10%以上であ
り、前記粒径(d)と前記体積含有率(Vf)の関係が 【数1】 を満足する、強靱性アルミニウム合金。 - 【請求項2】 準結晶を含む組織を有するアルミニウム
合金を前記準結晶の結晶化温度以上の温度で焼鈍するこ
とにより、αアルミニウムからなるマトリクスと金属間
化合物とからなる析出相とを含む複合組織を形成するこ
とを特徴とする、強靱性アルミニウム合金の製造方法。 - 【請求項3】 前記準結晶を含む組織を有するアルミニ
ウム合金は、アルミニウム合金箔である、請求項2に記
載の強靱性アルミニウム合金の製造方法。 - 【請求項4】 前記準結晶を含む組織を有するアルミニ
ウム合金は、アルミニウム合金粉末を固化したものであ
る、請求項2に記載の強靱性アルミニウム合金の製造方
法。 - 【請求項5】 前記アルミニウム合金粉末を熱間塑性加
工によって固化することを特徴とする、請求項4に記載
の強靱性アルミニウム合金の製造方法。 - 【請求項6】 前記焼鈍は、前記熱間塑性加工時の加熱
によって行なわれる、請求項5に記載の強靱性アルミニ
ウム合金の製造方法。 - 【請求項7】 前述熱間塑性加工は粉末鍛造である、請
求項5に記載の強靱性アルミニウム合金の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30805693A JPH07157836A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 強靱性アルミニウム合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30805693A JPH07157836A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 強靱性アルミニウム合金およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07157836A true JPH07157836A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17976359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30805693A Withdrawn JPH07157836A (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | 強靱性アルミニウム合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07157836A (ja) |
-
1993
- 1993-12-08 JP JP30805693A patent/JPH07157836A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010306 |