JPH07161035A - 磁気ディスクおよび磁気ディスクの製造方法ならびに磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスクおよび磁気ディスクの製造方法ならびに磁気ディスク装置

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JPH07161035A
JPH07161035A JP30316993A JP30316993A JPH07161035A JP H07161035 A JPH07161035 A JP H07161035A JP 30316993 A JP30316993 A JP 30316993A JP 30316993 A JP30316993 A JP 30316993A JP H07161035 A JPH07161035 A JP H07161035A
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JP
Japan
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magnetic disk
protective film
hard carbon
magnetic
carbon protective
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JP30316993A
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English (en)
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Shinya Sekiyama
伸哉 関山
Keiko Nakano
敬子 中野
Takashi Nishiguchi
隆 西口
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気ディスク基板上に形成した硬質炭素保護膜
に所望する所定の凹凸を形成した磁気ディスクの製造方
法および磁気ディスクならびに該磁気ディスクを使用し
た磁気ディスク装置を提供する。 【構成】磁気ディスクの硬質炭素保護膜にあらかじめ所
望の形状に成形された所定の凹凸を持つ加工工具を接触
させ、硬質炭素保護膜中の炭素を前記加工工具中に拡散
させ加工工具の所定の凹凸を硬質炭素保護膜表面に転写
させ所定の凹凸を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子計算機用外部記憶
装置である磁気記憶装置として使用される、高記録密度
で信頼性の高い、磁気ディスクおよび磁気ディスクの製
造方法ならびに前記磁気ディスクを使用した磁気ディス
ク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子計算機とともに使用される磁気記憶
装置の一つである磁気ディスク装置には、磁気ディスク
や磁気ヘッドが使用されている。周知のように、前記磁
気ディスクは、例えばアルミニウム合金等の磁気ディス
ク基板の上に下地膜、磁性膜、硬質炭素保護膜、潤滑膜
を順次形成し製造されている。また、前記磁気ディスク
に対し、磁気ヘッドは、磁気ディスク装置の動作停止時
は磁気ディスク表面に接触しており、磁気ディスク装置
の起動とともに磁気ディスクの表面と相対的に運動し、
磁気ディスクの回転により生じる空気の動圧効果により
磁気ディスク表面上に0.2μm以下の間隙で浮上し
て、信号の記録再生を行なっている。
【0003】前記磁気ディスクには、磁気ヘッドが磁気
ディスク表面上を摺動するときに発生する摩耗、さらに
は吸着を避けるために凹凸を形成する必要がある。従
来、この凹凸の形成のことをテクスチャ加工、凹凸のこ
とをテクスチャ形状と呼んでいる。このテクスチャ加工
方法としては、従来例として特開昭62−203748
号公報に記載の技術があり、回転する磁気ディスク基板
に研磨テープ等の砥粒を押圧し、相対摺動により磁気デ
ィスク基板にテクスチャ形状を形成する方法が用いられ
ている。
【0004】従来技術による、テクスチャ加工を施した
磁気ディスク基板の製造方法を、図7を使用し説明す
る。図7において、10−1は例えば両面研磨加工され
た外径65mm、内径20mm、厚さ0.6mmのアル
ミニウム合金円板に無電解ニッケル−燐(以後、Niー
Pという)めっきを10μmの厚さに成膜し、両面研磨
加工により表面粗さを0.3から3nmRa程度に仕上
げた磁気ディスク基板、5は研磨テープや研磨クロステ
ープ等の加工材、6は前記研磨テープや研磨クロステー
プ等の加工材を前記磁気ディスク基板へ押圧する加圧ロ
ーラ、7は加工液、8は加工液を放出する加工液ノズル
である。
【0005】テクスチャ加工を施した磁気ディスク基板
の製造方法は、回転する磁気ディスク基板10−1の表
面に、例えば粒径2μmのアルミナ砥粒を固着した研磨
テープ5を繰り出しながら、図7に示すように、研磨テ
ープ5を磁気ディスク基板10−1へ押圧する加圧ロー
ラ6で、研磨テープ5を磁気ディスク基板10−1表面
に押圧し、例えば界面活性剤の研削液からなる加工液7
を加工液ノズル8から放出しながら摺動させ、磁気ディ
スク基板10−1表面に例えば高さ50nmの凹凸を形
成し、所望のテクスチャ形状を持つ磁気ディスク基板1
0−1を得ていた。
【0006】このテクスチャ加工の際、加工材として研
磨テープを用いる場合は、主に冷却と摺動時の摩擦を低
減させるため、主成分が界面活性剤の研削液を使用し、
研磨クロステープを用いる場合は、微細な砥粒を混入さ
せた油性あるいは水溶性の砥粒液を使用する。前記テク
スチャ加工をした磁気ディスク基板10−1を使用して
製造する磁気ディスクは、図6に断面モデル図で示すよ
うに、テクスチャ加工をした磁気ディスク基板10−1
の上に、例えばクロム(Cr)の下地膜10−2を50
nm、コバルト(Co)系の磁性膜10−3を40n
m、硬質炭素保護膜10−4を30nm、最後にフッ素
系潤滑剤(図示していない)と順次形成して製造されて
いる。
【0007】磁気ディスク基板10−1に形成したテク
スチャ加工による凹凸は、図6の断面モデル図で理解で
きるように、磁気ディスク基板10−1の上に順次形成
する下地膜10−2、磁性膜10−3、硬質炭素保護膜
10−4、潤滑剤の各膜が極く薄い膜であるため、磁気
ディスク基板10−1に形成したテクスチャ加工による
凹凸を転写しており、磁気ディスクとしてもテクスチャ
加工による凹凸を持ったものとなっている。なお、前記
硬質炭素保護膜には、上記の磁気ヘッドとの摺動による
摩耗を軽減するため、スパッタリング法あるいは化学気
相成長法(CVD法)等により成膜した非常に高硬度な
炭素保護膜を用いている。
【0008】磁気ディスク基板10−1に形成するテク
スチャ加工による凹凸は、前記例では高さ50nmとし
たが、通常高さ約10〜200nmの範囲にあり、主に
磁気ディスクと磁気ヘッドとの摺動時の磁気ディスクの
摩擦係数を低下させる目的で形成するものであり、この
凹凸の高さは、実際に使用する磁気ヘッドや摺動時の条
件により選択される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によるテクス
チャ加工は、数μmの砥粒を機械的に磁気ディスク基板
に押圧し摺動させ加工しているため、砥粒中に混在する
大きな砥粒や加工により生じた磁気ディスク基板の切屑
の混入により、深いスクラッチの発生を避けられなかっ
た。このスクラッチ上に形成した磁性膜は、磁気ヘッド
から磁性膜までの距離が遠くなるため、信号の記録再生
時のエラー発生の一因であった。また、このスクラッチ
は、発生の原因から1か所ということは無く、散在する
ことになり、この散在するスクラッチが原因の凹凸によ
り、磁気ディスク全面にわたり、磁気ヘッドの浮上高さ
と磁気ヘッドの出力電圧との関係が図4に示すグラフの
ようになる。
【0010】このグラフで理解できるように、従来技術
による磁気ディスクは、信号の記録再生時の出力が変動
し、特に磁気ヘッドの浮上量が50nmの場合の信号出
力は40〜70mVと大きく変動し、エラーの原因とな
り、信頼性を大きく低下させていた。前記現象を無く
し、信号の記録再生時のエラーを低減させるため、前記
手段と逆にスクラッチを低減させ、磁気ディスク基板表
面の凹凸を小さくすると、磁気ヘッドとの摺動時の摩耗
量が多くなり信頼性を大きく低下させるという問題が発
生する。
【0011】さらには、従来技術では、図8(b)の磁
気ヘッドと磁気ディスクとの関係の説明図に示すよう
に、磁気ディスク基板10−1の表面にテクスチャ加工
による凹凸を形成するため、磁気ディスク基板10−1
の表面の凹凸が磁性膜10−3にも形成されることにな
る。そのため、浮上している磁気ヘッド3と磁性膜10
−3との距離Hmが同一でなく凹凸による差を生じ、溝
部では磁性膜10−3から磁気ヘッドが遠ざかるため、
信号出力が変動し、この変動もエラーの一因となってい
た。この磁気ディスク基板10−1の凹凸による磁気ヘ
ッド3の浮上量ロスは、概略表面粗さRmaxの半分
で、例えば50nmの凹凸を形成した磁気ディスク基板
では25nmの浮上量ロスを生じ、実際の磁気ディスク
表面からの磁気ヘッドの距離Hs(ヘッド浮上量)約1
00nmに対し、25%のロスとなっていた。
【0012】このため、所望の記録密度を達成するため
ヘッド浮上量を極端に小さくせねばならず、磁気ディス
ク装置の信頼性を低下させている。また、上記したよう
にエラー等の問題を解決するため磁気ディスク表面の凹
凸を小さくすると、磁気ヘッドとの摺動時に磁気ディス
クの摩耗量も多く、磁気ディスクが摩耗し平滑になり、
さらには磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着してしまう問
題があった。本発明は、上記問題を解決するため、磁気
ディスク基板にテクスチャ加工をせず、磁気ディスク基
板上に形成した硬質炭素保護膜に所望する所定の凹凸を
形成した磁気ディスクおよび磁気ディスクの製造方法な
らびに該磁気ディスクを使用した磁気ディスク装置、ま
た硬質炭素保護膜を有する磁気ディスク基板の加工工具
および該加工工具を備えた磁気ディスクの製造装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の磁気ディスクは、磁気ディスク基板上に磁
性膜と硬質炭素保護膜とを有する磁気ディスクにおい
て、前記硬質炭素保護膜表面に所定の凹凸を形成したも
のである。また、さらに詳しくは、磁気ディスク基板が
平滑な表面を有し、該磁気ディスク基板上に平滑な表面
を有する磁性膜を成膜したものである。また、硬質炭素
保護膜表面に形成した所定の凹凸のうち、高さ5〜50
nmの凸部を磁気ディスクの表面積に対し0.5〜10
%形成したものである。
【0014】また、磁気ディスクは、磁気ディスク基板
上に磁性膜と硬質炭素保護膜とを有する磁気ディスクに
おいて、所定の凹凸を持つ少なくとも1個の加工工具
を、回転する前記磁気ディスク基板上の硬質炭素保護膜
表面に接触させ、相対運動をさせることにより前記硬質
炭素保護膜表面に加工工具の所定の凹凸を転写させ、所
定の凹凸を形成したものである。また、さらに、磁気デ
ィスクは、加工工具が、磁気ディスク基板上の硬質炭素
保護膜中の炭素と親和力の高い材料で成形されており、
加工工具中に前記硬質炭素保護膜中の炭素を拡散させる
ことにより該硬質炭素保護膜表面に加工工具の所定の凹
凸を転写させ、所定の凹凸を形成したものである。
【0015】また、本発明の磁気ディスクの製造方法
は、磁気ディスク基板上に磁性膜と硬質炭素保護膜とを
有する磁気ディスクの製造方法において、所定の凹凸を
持つ少なくとも1個の加工工具を、回転する前記磁気デ
ィスク基板上の硬質炭素保護膜表面に接触させ、相対運
動をさせることにより前記硬質炭素保護膜表面に加工工
具の所定の凹凸を転写させ、所定の凹凸を形成するもの
である。また、さらに詳しくは、加工工具が、磁気ディ
スク基板上の硬質炭素保護膜中の炭素と親和力の高い材
料で成形されており、加工工具中に前記硬質炭素保護膜
中の炭素を拡散させることにより該硬質炭素保護膜表面
に加工工具の所定の凹凸を転写させ、所定の凹凸を形成
するものである。また、さらに、加工工具が、炭素と親
和力の高い、鋳鉄(FC35)で成形されているもので
ある。
【0016】また、本発明の磁気ディスク装置は、磁気
ヘッドと磁気ディスクとを有する磁気ディスク装置にお
いて、磁気ディスク基板上に磁性膜と硬質炭素保護膜と
を有し、該硬質炭素保護膜表面に所定の凹凸を形成した
磁気ディスクを備えているものである。また、さらに、
磁気ディスク装置は、磁気ディスク基板を平滑な表面を
有する磁気ディスク基板とし、該磁気ディスク基板上に
平滑な表面を有する磁性膜を成膜した磁気ディスクを用
い、該磁気ディスクの磁性膜表面から磁気ヘッドまでの
浮上距離を一定としたものである。また、磁気ディスク
装置は、磁気ディスク基板上に磁性膜と硬質炭素保護膜
とを有し、所定の凹凸を持つ少なくとも1個の加工工具
を、回転する前記磁気ディスク基板上の硬質炭素保護膜
表面に接触させ、相対運動をさせることにより前記硬質
炭素保護膜表面に加工工具の所定の凹凸を転写させ、所
定の凹凸を形成した磁気ディスクを備えているものであ
る。
【0017】また、本発明の加工工具は、磁気ディスク
基板上の硬質炭素保護膜と接触し、相対運動することに
より、前記硬質炭素保護膜中の炭素を前記加工工具内部
に拡散させ、前記硬質炭素保護膜表面に所定の凹凸を転
写し、所定の凹凸を形成するための、炭素と親和力の高
い材料で所望の形状に成形され、所定の凹凸を持つもの
である。また、本発明の磁気ディスクの製造装置は、硬
質炭素保護膜を有する磁気ディスク基板および炭素と親
和力の高い材料で所望の形状に成形された少なくとも1
個の加工工具をそれぞれ回転させる手段を有し、該加工
工具を前記磁気ディスク基板に定圧で接触させる手段を
備えているものである。
【0018】
【作用】本発明の磁気ディスクは、磁気ディスク基板上
の硬質炭素保護膜表面に所定の凹凸を形成しており、さ
らに詳しくは、磁気ディスク基板が平滑な表面を有し、
該磁気ディスク基板上に平滑な表面を有する磁性膜を成
膜するので、浮上している磁気ヘッドから磁性膜までの
距離が一定となり、凹凸によるロスが無く、エラーも無
くなる。
【0019】本発明の磁気ディスクの製造方法は、所定
の凹凸を持つ少なくとも1個の加工工具を、回転する磁
気ディスク基板上の硬質炭素保護膜表面に接触させ、相
対運動をさせることにより前記硬質炭素保護膜表面に加
工工具の所定の凹凸を転写させ、所定の凹凸を形成す
る。また、さらに詳しくは、加工工具が、磁気ディスク
基板上の硬質炭素保護膜中の炭素と親和力の高い材料で
成形されており、加工工具中に前記硬質炭素保護膜中の
炭素を拡散させることにより該硬質炭素保護膜表面に加
工工具の所定の凹凸を転写させ、所定の凹凸を形成す
る。また、加工工具が、炭素と親和力の高い鋳鉄(FC
35)で成形されており、該鋳鉄(FC35)の加工工
具中に前記硬質炭素保護膜中の炭素を拡散させ、硬質炭
素保護膜表面に加工工具の所定の凹凸を転写させ、所定
の凹凸を形成する。
【0020】また、本発明の磁気ディスク装置は、磁気
ディスク基板上に磁性膜と硬質炭素保護膜とを有し、該
硬質炭素保護膜表面に所定の凹凸を形成し、また、磁気
ディスク基板を平滑な表面を有する磁気ディスク基板と
し、該磁気ディスク基板上に平滑な表面を有する磁性膜
を成膜した磁気ディスクを用い、該磁気ディスクの磁性
膜表面から磁気ヘッドまでの浮上距離を一定としてお
り、信号の記録再生時のエラー発生が無い。また、磁気
ディスク装置は、磁気ディスク基板上に磁性膜と硬質炭
素保護膜とを有し、所定の凹凸を持つ少なくとも1個の
加工工具を、回転する前記磁気ディスク基板上の硬質炭
素保護膜表面に接触させ、相対運動をさせることにより
前記硬質炭素保護膜表面に加工工具の所定の凹凸を転写
させ、所定の凹凸を形成した磁気ディスクを備えてお
り、信号の記録再生時のエラー発生が無い。
【0021】また、本発明の加工工具は、炭素と親和力
の高い材料で所望の形状に成形され、所定の凹凸を持
ち、磁気ディスク基板上の硬質炭素保護膜と接触し、相
対運動することにより、前記硬質炭素保護膜中の炭素を
前記加工工具内部に拡散させ、前記硬質炭素保護膜表面
に所定の凹凸を転写し、所定の凹凸を形成する。また、
本発明の磁気ディスクの製造装置は、回転させる手段
で、硬質炭素保護膜を有する磁気ディスク基板および炭
素と親和力の高い材料で所望の形状に成形された少なく
とも1個の加工工具をそれぞれを回転させ、定圧手段で
前記加工工具を前記磁気ディスク基板に定圧で接触させ
る。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面を使用して説明する。
図1は本発明による磁気ディスクの断面モデル図、図2
は本発明による磁気ディスクの製造装置を使用した製造
方法の説明図および加工工具の断面拡大図、図3は本発
明による磁気ディスクの製造方法を説明する加工点の断
面図、図4は磁気ヘッドの浮上高さと信号出力との関係
の測定グラフ、図5は磁気ディスク表面の凹凸の高さと
磁気ヘッドの限界浮上高さおよび磁気ヘッドとの摺動時
の摩擦係数の測定グラフ、図8は磁気ヘッドと磁気ディ
スクとの関係の説明図、図9は磁気ディスク表面の凹凸
の凸部分の面積比と磁気ヘッドとの摺動時の摩擦係数お
よび摩耗率との関係の測定グラフ、図10は本発明によ
る磁気ディスク装置である。
【0023】図1に示す本発明による磁気ディスク1の
断面モデル図において、1−1は磁気ディスク基板、1
−2は下地膜、1−3は磁性膜、1−4は硬質炭素保護
膜であり、図示していないが硬質炭素保護膜1−4の上
には潤滑膜が形成される。さらに、図2により、本発明
による磁気ディスクの製造装置を使用した製造方法およ
び磁気ディスクを説明する。まず、例えば両面研磨加工
された外径65mm、内径20mm、厚さ0.6mmの
アルミニウム合金円板に、無電解Ni−Pめっきを約1
0μmの厚さに成膜し、該めっき後、両面研磨加工によ
り表面粗さを0.3から3nmRa程度に仕上げて磁気
ディスク基板1−1とする。その後、磁気ディスク基板
1−1の上に、例えば、Cr下地膜1−2を50nm、
Co系の磁性膜1−3を40nm、スパッタリング法に
よる硬質炭素保護膜1−4を30nmと順次形成し、磁
気ディスク1を製造する。該磁気ディスク1は、成膜前
の磁気ディスク基板1−1に、従来技術のようにテクス
チャ加工を行っていないため、表面に凹凸の無い磁気デ
ィスク1である。
【0024】ついで、所定の凹凸、例えばピッチ(p)
1μm、高さ(d)0.2μmの溝形状を外周面に有す
る鋳鉄(FC35)製の円筒形状(例えば外径30m
m、長さ20mm)をした加工工具2を、前記磁気ディ
スク1の回転軸中心と図示していない直交する軸に回転
手段により回転自在に支持し、磁気ディスク1の表面に
対し定圧で押圧する手段で、定圧例えば荷重50gfに
て押し付け接触させあるいは摺動させ、磁気ディスク1
を回転手段により毎分3000回転で回転させつつ、加
工工具2を移動させ10秒間加工する。該加工により、
磁気ディスク1の表面に、高さ約50nmの凹凸を形成
することができる。この凹凸を形成した磁気ディスク1
が図1に示すものである。加工工具2の所定の凹凸が、
磁気ディスク1の硬質炭素保護膜1−4に所定の凹凸を
転写する加工点の断面を図3に示す。また、図2に示す
加工工具2の工具表面拡大図に記載されているピッチ
(p)や高さ(d)その他加工条件を所望により適宜変
更することで、所定の凹凸を形成することができる。な
お、加工工具2は、少なくとも1個必要であり、複数個
使用し、例えば磁気ディスクの両面に接触あるいは摺動
させてもよい。
【0025】ここで、磁気ディスクの非常に薄い硬質炭
素保護膜に、所定の凹凸を形成する本発明の技術につい
て、さらに説明をする。磁気ディスクの硬質炭素保護膜
は、スパッタリング法あるいはCVD法等により成膜さ
れた硬質炭素膜であり、該炭素膜は磁気ヘッドとの摺動
に耐えるため非常に密度が高く、高硬度である。この硬
質炭素保護膜は、磁気ヘッドの主にセラミックスの材料
に対し、耐摩耗性に富んだ材料であり、ダイヤモンドに
類似した構造を有している。しかし、硬質炭素保護膜
は、磁気ヘッドと磁気ディスクの磁性膜との距離を近づ
けるのに障害となるものであるため、極力薄いほうが望
ましく、かつ磁気ディスクと磁気ヘッドとが相互摺動し
ても摩耗が磁性膜まで達しない程度の膜厚が必要であ
る。具体的には20から30nm程度の膜厚が必要であ
る。
【0026】また、磁気ディスク表面には磁気ヘッドの
浮上特性を損なわず、かつ磁気ヘッドと磁気ディスクと
の摺動時の摩擦係数を低減するため、前記した非常に微
小な凹凸を形成する必要があり、この凹凸を形成するた
めの加工量は非常に微小である。この硬質炭素保護膜に
凹凸を形成するには硬質炭素保護膜が非常に薄い膜であ
るため、一般的な機械加工では膜が剥離してしまい加工
できない。また、被加工物たる硬質炭素膜は非常に高硬
度なため被削性が悪く、微小な凹凸を形成するため軽微
な加工条件の一般的な加工では全く削れない。したがっ
て、従来の加工技術では上記の磁気ディスクの硬質炭素
保護膜に微細な凹凸を形成できない。また、微細な凹凸
を形成するのに好適なエッチング等のプロセスではマス
ク材のパターニング、エッチング、マスク材剥離等の工
程が必要となるため非常に生産性が悪く、かつエッチン
グのプロセスにより保護膜の構造が変化し硬質炭素保護
膜の特性をも変化させてしまい、磁気ヘッドとの摺動時
の耐摩耗性を低下させたり、マスク材の残りによる信頼
性の低下が起こる。
【0027】そこで、本発明では、硬質炭素保護膜の表
面に所定の凹凸を形成する方法として保護膜材料の炭素
に対し、親和性の高い材料をあらかじめ所望の形状、所
定の凹凸に高精度に成形し加工工具2とし、磁気ディス
ク1表面の硬質炭素保護膜1−4と接触、相対運動さ
せ、加工工具2内部に硬質炭素保護膜1−4中の炭素を
拡散させ、加工工具2の所定の凹凸を磁気ディスク1表
面の硬質炭素保護膜1−4に転写させることにより、高
精度でかつ生産性の高い所定の凹凸の形成加工を可能と
した。すなわち、炭素と親和性の高い(例えばFC35
鋳鉄)加工工具2は、磁気ディスクと摺動時、あるいは
接触時に磁気ディスクの硬質炭素保護膜1−4の炭素原
子を加工工具2内部に拡散しながら磁気ディスク1全面
を加工する。これは、加工時の熱に起因する場合もあ
り、単に加熱等により拡散を行い所定の凹凸を形成させ
てもよい。加工工具2はあらかじめ所望の形状、所定の
凹凸に成形されているため、磁気ディスク1表面の接触
点は加工工具2の所定の凹凸に加工される。
【0028】本発明の製造装置と加工工具を使用し、本
発明の製造方法で製造された磁気ディスクは、図8に示
す本発明(a)図と従来技術(b)図の磁気ヘッドと磁
気ディスクとの関係図から理解できるように、従来技術
(b)図の磁気ヘッド3から磁性膜10−3までの距離
Hmは、磁気ディスク基板10−1の表面が持つ凹凸に
よる磁性膜10−3の凹凸分Rmax を含むが、本発明
(a)図の磁気ヘッド3から磁性膜1−3までの距離H
mは一定となり、磁気ディスク表面の硬質炭素保護膜1
−4の凹凸による浮上量のロスは生じないため、エラー
のない高信頼性の磁気ディスクを製造できる。また、本
発明の製造方法は、被加工物を機械的に削る従来の製造
方法に対し、加工工具内部に炭素保護膜の中の炭素その
ものを拡散させ所定の凹凸を転写させるので、加工時に
切屑やゴミの発生が無いため洗浄工程は不要となり、か
つ設備も単純なため生産性が高い。さらにエッチングに
比べても設備のコストは1/100程度で生産可能であ
る。
【0029】このようにして製造された磁気ディスク
は、あらかじめ所望の形状に成形された加工工具の所定
の凹凸を転写するため、表面の凹凸がそろった規則的で
高精度な所定の凹凸を有し、磁気ヘッドの摺動時の耐摩
耗性の向上に好適である。また、本発明の磁気ディスク
の製造方法は、あらかじめ成形された加工工具が持つ所
定の凹凸を、被加工物である磁気ディスクの硬質炭素保
護膜表面に転写させ所定の凹凸を付与するため、エラー
等の原因となるスクラッチは生じない。また、この磁気
ディスクの硬質炭素保護膜表面に所定の凹凸を形成する
製造方法は、別手段であるが、イオンシャワーやイオン
ビームを用いても形成可能である。
【0030】本発明により硬質炭素保護膜表面に所定の
凹凸を形成し、さらに潤滑剤を形成した複数の磁気ディ
スク1と複数の磁気ディスク1のそれぞれに磁気ヘッド
3を設置した本発明の磁気ディスク装置を図10に示
す。本発明による磁気ディスク装置により、磁気ヘッド
3の浮上高さに対する信号出力の大きさを測定したとこ
ろを図4に示すように、従来例では浮上量を小さくする
と信号出力は不安定になり、信号の小さい部分ではエラ
ーが生じたのに対し、本発明の実施例では信号が安定し
ており、エラーが生じなかった。また、図5に示すよう
に、磁気ヘッドが磁気ディスクと接触せずに浮上できる
高さ(限界浮上高さ)は、磁気ディスクの凹凸の高さと
相関関係があり、本発明による磁気ディスクは限界浮上
高さ50nm以下が達成できる。
【0031】また、同じく図5に示すように、磁気ヘッ
ドが磁気ディスク表面を摺動する際の、磁気ディスク表
面と磁気ヘッドとの間の摩擦係数を測定した結果、図5
のように本発明の磁気ディスクは摩擦係数0.5以下で
ある。また、本発明では、前記したように加工条件を適
宜調整することにより、所定の凹凸を任意に形成でき
る。すなわち、図5および図9のデータに示したように
凹凸の高さを5〜50nm、凸部の面積比を0.5〜1
0%に形成でき、磁気ヘッドの限界浮上高さを50nm
以下に、磁気ディスクとの摺動時の摩擦係数を0.5以
下に、磁気ディスクの摩耗量を5nm/10k回以下に
できた。本発明により、高い信頼性の高記録密度を持つ
磁気ディスクおよび磁気ディスク装置を得ることができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば磁気ヘッドと磁気ディス
クとの摺動時の摩擦係数と、磁気ディスクの摩耗とを抑
えるための所定の凹凸は任意に形成でき、低い磁気ヘッ
ド浮上量での信号出力が安定化し、エラーが減少するた
め、磁気ディスクの高記録密度化、高信頼性を確保でき
る。本発明により、磁気ヘッドを低浮上化したときに摺
動を抑えるための凹凸はそのままで、磁気ディスクの凹
凸によるヘッド浮上量のロスをなくすことが可能であ
り、磁気ディスク装置の記録密度を向上させる効果があ
る。また、本発明の磁気ディスクの製造方法は、従来の
製造方法に対し、切屑の発生が無いため洗浄工程の簡略
化が可能であり、かつ設備も単純なため生産性が高い。
さらにエッチングに比べても設備のコストは1/100
程度で生産可能である。また、磁気ディスク表面の保護
膜の凹凸の高さを5〜50nm、凸部の面積比を0.5
〜10%に形成でき、磁気ヘッドの限界浮上高さを50
nm以下に、磁気ディスクとの摺動時の摩擦係数を0.
5以下に、磁気ディスクの摩耗量を5nm/10k回以
下にでき、高い信頼性の高記録密度な磁気ディスクを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ディスクの断面モデル図。
【図2】本発明による磁気ディスクの製造装置を使用し
た製造方法の説明図および加工工具の断面拡大図。
【図3】本発明による磁気ディスクの製造方法を説明す
る加工点の断面図。
【図4】磁気ヘッドの浮上高さと信号出力との関係の測
定グラフ。
【図5】磁気ディスク表面の凹凸の高さと磁気ヘッドの
限界浮上高さおよび磁気ヘッドとの摺動時の摩擦係数の
測定グラフ。
【図6】従来技術による磁気ディスクの断面モデル図。
【図7】従来技術によるテクスチャ加工方法の説明図。
【図8】磁気ヘッドと磁気ディスクとの関係の説明図。
【図9】磁気ディスク表面の凹凸の凸部分の面積比と磁
気ヘッドとの摺動時の摩擦係数および摩耗率との関係の
測定グラフ。
【図10】本発明による磁気ディスク装置。
【符号の説明】
1…磁気ディスク、1−1、10−1…磁気ディスク基
板、1−2、10−2…下地膜、1−3、10−3…磁
性膜、1−4、10−4…硬質炭素保護膜、2…加工工
具、3…磁気ヘッド、5…研磨テープや研磨クロステー
プ等の加工材、6…加圧ローラ、7…加工液、8…加工
液ノズル。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスク基板上に磁性膜と硬質炭素
    保護膜とを有する磁気ディスクにおいて、前記硬質炭素
    保護膜表面に所定の凹凸を形成したことを特徴とする磁
    気ディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、磁気ディ
    スク基板が平滑な表面を有し、該磁気ディスク基板上に
    平滑な表面を有する磁性膜を成膜したことを特徴とする
    磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のものにおいて、硬質炭素
    保護膜表面に形成した所定の凹凸のうち、高さ5〜50
    nmの凸部を磁気ディスクの表面積に対し0.5〜10
    %形成したことを特徴とする磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 磁気ディスク基板上に磁性膜と硬質炭素
    保護膜とを有する磁気ディスクにおいて、所定の凹凸を
    持つ少なくとも1個の加工工具を、回転する前記磁気デ
    ィスク基板上の硬質炭素保護膜表面に接触させ、相対運
    動をさせることにより前記硬質炭素保護膜表面に加工工
    具の所定の凹凸を転写させ、所定の凹凸を形成したこと
    を特徴とする磁気ディスク。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のものにおいて、加工工具
    が、磁気ディスク基板上の硬質炭素保護膜中の炭素と親
    和力の高い材料で成形されており、加工工具中に前記硬
    質炭素保護膜中の炭素を拡散させることにより該硬質炭
    素保護膜表面に加工工具の所定の凹凸を転写させ、所定
    の凹凸を形成したことを特徴とする磁気ディスク。
  6. 【請求項6】 磁気ディスク基板上に磁性膜と硬質炭素
    保護膜とを有する磁気ディスクの製造方法において、所
    定の凹凸を持つ少なくとも1個の加工工具を、回転する
    前記磁気ディスク基板上の硬質炭素保護膜表面に接触さ
    せ、相対運動をさせることにより前記硬質炭素保護膜表
    面に加工工具の所定の凹凸を転写させ、所定の凹凸を形
    成するようにしたことを特徴とする磁気ディスクの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のものにおいて、加工工具
    が、磁気ディスク基板上の硬質炭素保護膜中の炭素と親
    和力の高い材料で成形されており、加工工具中に前記硬
    質炭素保護膜中の炭素を拡散させることにより該硬質炭
    素保護膜表面に加工工具の所定の凹凸を転写させ、所定
    の凹凸を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項6および請求項7記載のものにお
    いて、加工工具が、鋳鉄(FC35)で製造されている
    ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 磁気ヘッドと磁気ディスクとを有する磁
    気ディスク装置において、磁気ディスク基板上に磁性膜
    と硬質炭素保護膜とを有し、該硬質炭素保護膜表面に所
    定の凹凸を形成した磁気ディスクを備えていることを特
    徴とする磁気ディスク装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のものにおいて、磁気デ
    ィスク基板を平滑な表面を有する磁気ディスク基板と
    し、該磁気ディスク基板上に平滑な表面を有する磁性膜
    を成膜した磁気ディスクを用い、該磁気ディスクの磁性
    膜表面から磁気ヘッドまでの浮上距離を一定としたこと
    を特徴とする磁気ディスク装置。
  11. 【請求項11】 磁気ヘッドと磁気ディスクとを有する
    磁気ディスク装置において、磁気ディスク基板上に磁性
    膜と硬質炭素保護膜とを有し、所定の凹凸を持つ少なく
    とも1個の加工工具を、回転する前記磁気ディスク基板
    上の硬質炭素保護膜表面に接触させ、相対運動をさせる
    ことにより前記硬質炭素保護膜表面に加工工具の所定の
    凹凸を転写させ、所定の凹凸を形成した磁気ディスクを
    備えていることを特徴とする磁気ディスク装置。
  12. 【請求項12】 炭素と親和力の高い材料で所望の形状
    に成形され、所定の凹凸を持つ加工工具であって、磁気
    ディスク基板上の硬質炭素保護膜と接触し、相対運動す
    ることにより、前記硬質炭素保護膜中の炭素を前記加工
    工具内部に拡散させ、前記硬質炭素保護膜表面に所定の
    凹凸を転写し、所定の凹凸を形成することを特徴とする
    加工工具。
  13. 【請求項13】 硬質炭素保護膜を有する磁気ディスク
    基板および炭素と親和力の高い材料で所望の形状に成形
    された少なくとも1個の加工工具をそれぞれ回転させる
    手段を有し、該加工工具を前記磁気ディスク基板に定圧
    で接触させる手段を備えていることを特徴とする磁気デ
    ィスクの製造装置。
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