JPH0716244A - 義歯の製造方法 - Google Patents

義歯の製造方法

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JPH0716244A
JPH0716244A JP15242793A JP15242793A JPH0716244A JP H0716244 A JPH0716244 A JP H0716244A JP 15242793 A JP15242793 A JP 15242793A JP 15242793 A JP15242793 A JP 15242793A JP H0716244 A JPH0716244 A JP H0716244A
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JP
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model
models
flask
denture
floor material
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JP15242793A
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Tatsuo Goto
達男 後藤
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SHINSEI DENTARU LAB KK
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SHINSEI DENTARU LAB KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 模型の予備加熱の時間を短縮する。義歯床の
歯槽部にひけなどが生じるのを防ぐとともに、バリ切り
を良好にする。成形後の冷却も良好になされるようにす
る。 【構成】 フラスコ11,12に形成した石膏製の模型13,
14を予め加熱する。この加熱は、大気中で、模型13,14
の表面に上から遠赤外線を照射することにより、両模型
13,14に対し全体として同程度にする。このとき、アル
ミニウム箔81,82により、下模型13の歯槽部13a と上模
型14の歯2部を覆っておく。これにより、模型13,14の
表面において、歯槽部13a および歯2部よりも口蓋部13
b ,14b およびバリ切り部13c ,14c の温度が高くな
る。 【効果】 模型13,14は、表面部のみが速やかに乾燥す
るとともに、温度上昇する。模型13,14内に水が残るの
で、石膏の脱水収縮も防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、義歯の製造方法に係わ
り、特に、熱可塑性樹脂により義歯床を圧縮成形する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭62-236543 号公
報に記載されているように、下フラスコおよび上フラス
コにそれぞれ石膏からなる模型を形成し、両模型間に加
熱したポリサルフォンなどの熱可塑性樹脂からなる床材
を挟んで圧縮することにより、義歯床を成形することが
行われている。その際、最後には下フラスコの模型上に
床材を載せて加熱するのであるが、その前に、模型およ
び床材を別個予備加熱することも従来から行われてい
る。例えば「歯科材料・器械 Vol.7 No.6 p.930-934 (1
988)」には、ポリエーテルサルフォンからなる床材につ
いて、バリ切り部を薄くすることなどのために模型の予
備加熱が必要で、また、短時間の昇温などのために床材
の予備加熱が好ましいと述べられている。
【0003】従来、模型の予備加熱(フラスコ加熱工
程)においては、例えば密閉室の内部で熱風の送風によ
り、フラスコおよび模型を加熱するようにしている。し
かし、密閉室内での加熱では、石膏から蒸発した水分に
より、密閉室内の湿度が 100%になるため、模型の加
熱、乾燥に例えば2時間程度と時間がかかる。また、模
型全体が乾燥することになる。さらに、模型の歯槽部は
突出しているため、ヒーターに近く位置し、他の部分よ
りも高温になりやすい。また、下フラスコと上フラスコ
とを別の加熱装置により加熱し、下模型を 220℃程度に
加熱する一方、上模型は 130℃程度に加熱するようにし
ている。
【0004】ところで、圧縮成形法において、プレス圧
の圧力損失は、主に口蓋部および義歯床の周縁のバリ切
り部で生じる。そして、模型における口蓋部およびバリ
切り部の温度が低い場合、たとえ圧縮前に床材を粘度が
低い状態まで軟化させたとしても、あるいは、プレス圧
を3〜5tと高圧にしても、バリ切り部は 0.3〜 0.5mm
の厚さで残ってしまう。その結果、製造された義歯の咬
合高径が高くなってしまう。これを防ぐには、フラスコ
加熱工程において、模型の口蓋部およびバリ切り部の温
度を十分に高くしておけばよいのであるが、単にヒータ
ーの出力を大きくしたり、加熱時間を長くしたりするの
では、模型の歯槽部もいっそう高温になることになる。
ところが、歯槽部が高温になると、義歯床の歯槽部が口
蓋部などよりも厚いものであることにより、成形後の冷
却に伴い、義歯床の歯槽部にひけやボイドが生じやすく
なる。しかも、フラスコ加熱工程で下模型を 220℃程度
に加熱する一方、上模型は 130℃程度に加熱し、両模型
に大きな温度差があるため、レジン歯の熱伝導が悪いこ
ととあいまって、冷却がいっそう不均一なものとなり、
成形不良が生じやすい。
【0005】また、模型全体が乾燥するが、この乾燥に
より、普通の汎用石膏では、脱水収縮を生じ、成形され
る義歯床の精度が悪くなり、適合性不良を招く。そこ
で、従来は、耐熱石膏などの特殊石膏を用いているが、
特殊石膏を用いるのでは、コストもかさみ、製造上の制
約も大きくなる。さらに、模型全体が乾燥すると、成形
後の冷却が適正に行われにくく、不均一な冷却による歪
みが義歯床に生じたりする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
模型の予備加熱では、上下の模型で別温度に設定し、密
閉室の内部で熱風の送風により、フラスコおよび模型を
加熱していたため、時間がかかるとともに、バリ切りの
良好さと義歯床の歯槽部におけるひけなどの発生防止と
を両立しにくく、また、模型全体が乾燥することによ
り、耐熱石膏などの特殊石膏の使用を強いられるととも
に、上下の模型の温度の違いにより、成形後の冷却が適
正に均一に行われにくいなどの問題があった。
【0007】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、圧縮成形による義歯床の成形に際して、
バリ切りを良好にするとともに、ひけなどの成形不良を
防いで、義歯床の精度を高めることを目的とする。さら
に、模型の予備加熱に要する時間を短縮し、また、成形
後の冷却が良好に均一になされるようにするとともに、
汎用石膏を用いられるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
前者の目的を達成するために、一対のフラスコに石膏か
らなる模型をそれぞれ形成し、このとき一方の模型に人
工歯を埋め込み、両模型間に加熱した熱可塑性樹脂から
なる床材を挟んで圧縮することにより、義歯床を成形す
る義歯の製造方法において、前記フラスコに形成された
両模型を予め所定温度に加熱するフラスコ加熱工程を備
え、このフラスコ加熱工程に際して、模型に対向する遠
赤外線ヒーターからの照射により加熱を行い、このとき
一方の模型の人工歯部と他方の模型の歯槽部とをそれぞ
れ遮熱材により覆うことにより、模型表面、内部の各部
位をそれぞれ所望温度にするものである。
【0009】さらに、請求項2の発明は、前記後者の目
的をも達成するために、前記フラスコ加熱工程を開放雰
囲気下で行うものである。
【0010】
【作用】請求項1の発明の義歯の製造方法では、フラス
コ加熱工程において、模型に対向する遠赤外線ヒーター
からの照射により模型を加熱するが、一方の模型の人工
歯部と他方の模型の歯槽部とをそれぞれ遮熱材により覆
っておき、この遮熱材により遠赤外線ヒーターからの照
射を遮って、模型の人工歯部および歯槽部の温度上昇を
抑える。これにより、模型の人工歯部および歯槽部の温
度を模型の口蓋部やバリ切り部の温度とほぼ同等かある
いはより低くする。そして、フラスコ加熱工程を経た模
型間に加熱した熱可塑性樹脂の床材を挟んで圧縮するこ
とにより、義歯床を成形する。このとき、フラスコ加熱
工程において、口蓋部およびバリ切り部の温度が高くさ
れたことにより、これら口蓋部およびバリ切り部では樹
脂が良好に流動し、低圧の圧縮でもバリ切り部が薄くな
る。また、模型の人工歯部および歯槽部の温度は比較的
低いことにより、義歯床において口蓋部などよりも厚い
歯槽部に、成形後の冷却に伴いひけやボイドが生じるこ
とが防止される。
【0011】さらに、請求項2の発明の義歯の製造方法
では、フラスコ加熱工程を開放雰囲気下で行うことによ
り、石膏から蒸発した水分が大気中に発散し、遠赤外線
ヒーターに対向した模型の表面部が速やかに加熱され、
乾燥する。このように模型の表面部のみが乾燥した段階
でフラスコ加熱工程を終えれば、模型の表面は前述のよ
うな成形に適正な温度にしながら、汎用石膏でも脱水収
縮が生ぜず、精度の高い義歯床が得られる。また、模型
における表面部以外は水分を含んで 100℃以下であり、
成形後の冷却が速やかに均一になされる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図10は、製造される義歯1の一
例を示している。この義歯1は、上顎の全部床義歯であ
り、2はアクリル樹脂からなるレジン歯、3はガラス繊
維強化ポリカーボネートからなる義歯床である。さら
に、3aはこの義歯床3の歯槽部、3bは同口蓋部である。
また、図9は、義歯床3の成形材料である床材6を示し
ている。この床材6は、強化ポリカーボネートからなる
U字形板状の成形品である。なお、この床材6には、部
分床義歯の製造に際して床材6を折り切るための溝7が
複数形成されている。
【0013】図8の11,12は義歯床3の成形に用いられ
る一対のフラスコで、これらフラスコ11,12は、汎用石
膏からなる模型13,14がそれぞれ形成されるものであ
る。下フラスコ11は、側壁の端縁部に凹部15と一対の位
置決め孔16とを有しているとともに、底壁部に貫通孔17
を有している。また、上フラスコ12は、側壁をなす枠体
12a と底壁をなす蓋体12b とを着脱可能に固定してなる
ものである。そして、上フラスコ12は、側壁の端縁部
に、前記下フラスコ11の凹部15に嵌まる凸部18と、両位
置決め孔16にそれぞれ嵌まる一対の位置決めピン19とを
有しているとともに、底壁部に貫通孔20を有している。
位置決めピン19は、先端部がテーパー状になっている。
また、上フラスコ12の底壁部の外面には、T字状凸条21
が設けられている。
【0014】つぎに、前記義歯1の製造に用いる装置の
構成を説明する。図3および図4は床材予備加熱装置31
を示している。この床材予備加熱装置31は、水平なテー
ブル32上にフレーム33が固定されており、このフレーム
33内に面状の遠赤外線ヒーター34が支持具35を介して水
平に吊支されている。前記フレーム33は、箱状のもの
で、前面および下部が開放されている。また、前記ヒー
ター34は、セラミックス内に電熱線を埋め込んだもの
で、縦横それぞれ150mm で、出力は 300Wである。さら
に、36は床材台で、この床材台36は、テーブル32上に置
かれてフレーム33に対して出し入れされるものである。
そして、床材台36は、アルミニウムからなる厚いもの
で、放熱形状を形成するために下部に脚部37を有してい
る。なお、床材台36の材質としては、アルミニウムの他
にも、熱伝導率の高い適宜の金属を用いられる。
【0015】図1および図2はフラスコ加熱装置41を示
している。このフラスコ加熱装置41は、パンチングメタ
ルからなり前面下部に開口42を有する筐体43を有し、こ
の筐体43内に、その開口42を介して出し入れされる引出
44が収納されている。この引出44もパンチングメタルか
らなり、筐体43および引出44内に外気に連通する通気性
室が形成されるようになっている。なお、引出44は、筐
体43に対してガイドレール45により案内される。また、
引出44の前面に固定された前面板46に取手47が設けられ
ている。さらに、前記筐体43内の上部には、4つの面状
の遠赤外線ヒーター48が支持具49を介して水平に吊支さ
れている。これらヒーター48は、それぞれセラミックス
内に電熱線を埋め込んだもので、縦横それぞれ 150mm
で、出力は200Wである。
【0016】図5および図6は本加熱装置51およびプレ
ス装置52を示している。これらは同一の水平な金属製の
テーブル53に配されている。矩形状のこのテーブル53の
一辺部に配された本加熱装置51は、テーブル53上にフレ
ーム54が固定されており、このフレーム54内に面状の遠
赤外線ヒーター55が水平に吊支されている。前記フレー
ム54は、箱状のもので、前面および下部が開放されてい
る。また、前記ヒーター55は、セラミックス内に電熱線
を埋め込んだもので、縦横それぞれ150mm で、出力は 8
00Wである。なお、出力はそれに限るものではないが、
ワット密度が2〜8W/cm2 で、全体で 400〜1000W程度
が好ましい。
【0017】また、前記プレス装置52は、テーブル53に
おける前記一辺部と隣接する辺部に配されており、図示
していない油圧あるいは空圧駆動装置の駆動により昇降
する一対のロッド61を有している。そして、これらロッ
ド61の上端部には上フラスコ取り付け板62が固定されて
おり、この取り付け板62の下面には、上フラスコ12のT
字状凸条21が嵌まる袋T溝63を形成するホルダー64が固
定されている。また、前記テーブル53上において、ロッ
ド61間の奥の位置にはストッパー(図示していない)が
固定されている。
【0018】さらに、前記テーブル53上には、下フラス
コ11を本加熱装置51からプレス装置52まで移動させるた
めの搬送アーム71が摺動自在に設けられている。この搬
送アーム71は、一端部を支点部72として水平に回転する
ものであり、自由端側に取手73を有している。そして、
搬送アーム71の側面中間部には、下フラスコ11の一側部
を挟む一対の挟持片74が固定されている。これら挟持片
74の先端部は、案内のため末広がりになっている。さら
に、搬送アーム71の側面の自由端側には、突起75が固定
されている。一方、テーブル53上において、プレス装置
52の近くの位置には、前記突起75を着脱自在に保持する
保持具76が設けられている。
【0019】つぎに、義歯の製造方法を説明する。ま
ず、通法に従い、石膏により作業用模型を作成するとと
もに、この作業用模型上に臘義歯を作成し、この臘義歯
にはレジン歯2を配する。そして、作業用模型を下フラ
スコ11に石膏により1次埋没する。ついで、圧縮成形時
に余剰の樹脂を排出するための間隙を確保するために、
臘義歯を囲んで模型13上にスペーサーを貼り付ける。こ
のとき、バリ切り部の形成のために、臘義歯の端縁とス
ペーサーとの間には1〜2mmの間隔をあける。ついで、
下フラスコ11上に上フラスコ12の枠体12a を取り付け、
石膏により2次埋没を行う。そして、枠体12a に蓋体12
b を取り付け、石膏が硬化した後、流臘を行い、スペー
サーを除去する。こうして、下フラスコ11に樹脂製義歯
床3の成形のための下模型13が形成されるとともに、上
フラスコ12に同上模型14が形成される。そして、この上
模型14にレジン歯2が埋め込まれる。なお、その後、模
型13,14の表面にシリコン系の分離剤を塗る。
【0020】義歯床3の成形に際しては、床材予備加熱
装置31により床材6を予め加熱しておく(床材予備加熱
工程)。この床材予備加熱工程においては、床材台36上
に必要枚数の床材6を重ねて載せ、床材台36をヒーター
34の下方に入れる。このヒーター34と床材6との間の距
離d1 は5cm以下である。そして、ヒーター34により床
材6は片側から加熱される。このとき、ヒーター34の照
射が上からであり、かつ、床材6の熱が床材台36に奪わ
れることにより、床材6は、上部よりも下部の温度がか
なり低くなる。すなわち、加熱が大気中でなされ、床材
台36は熱伝導率の高いアルミニウムからなる厚いもので
あり、かつ、床材台36の下部が放熱形状になっているた
め、床材6の上部と下部とではかなりの温度差がつく。
なお、床材台36の温度は 150℃程度になる。この温度差
のために、床材6は、上部が軟らかくなるのに対して、
下部は比較的硬いままで、床材台36に付着しない。
【0021】また、フラスコ加熱装置41によりフラスコ
11,12に形成された模型13,14を予め所定温度に加熱し
ておく(フラスコ加熱工程)。このフラスコ加熱工程に
おいては、予め、下フラスコ11に形成された下模型13の
歯槽部13a を遠赤外線の反射率が高い遮熱材としてのア
ルミニウム箔81により覆っておくとともに、上フラスコ
12に形成された上模型14のレジン歯2部を遮熱材として
のアルミニウム箔82により覆っておく。なお、遮熱材と
しては、アルミニウム箔の他にも、遠赤外線の反射率の
高い適宜の材料を用いられる。そして、フラスコ加熱装
置41の引出44内にフラスコ11,12を置いた後、引出44を
筐体43内に入れる。この状態で、面状のヒーター48がフ
ラスコ11,12の模型13,14の露出面(表面)に上から対
向する。ヒーター48と模型13,14の表面との間の距離d
2 ,d3 は5cm以下である。こうして、ヒーター48から
の遠赤外線の照射により模型13,14が加熱されるが、遠
赤外線による加熱では、模型13,14の石膏内に含まれて
いる水分が上から下へと移動し、模型13,14の表面部の
みが大きく温度上昇して乾燥する。なお、石膏内の水の
一部は、蒸気となり、フラスコ11,12の下底部にある貫
通孔17,20から流出する。そして、加熱が外気に連通し
た雰囲気内で行われることから、30〜60分程度で、模型
13,14の表面部だけは十分に乾燥し、このとき、模型1
3,14の表面部よりも下方の部分は、まだ水分を含んだ
状態で、温度は 100℃以下に保たれる。また、下模型13
の歯槽部13a および上模型14のレジン歯2部をアルミニ
ウム箔81,82により覆ってあり、これらアルミニウム箔
81,82により遠赤外線ヒーター48からの照射が遮られる
ことにより、歯槽部13a およびレジン歯2部の温度は、
模型13,14の口蓋部13b ,14b およびバリ切り部13c ,
14c の温度よりも若干低くなる。特に下模型13におい
て、歯槽部13a は口蓋部13b やバリ切り部13c よりもヒ
ーター48に近く位置しているが、アルミニウム箔81の覆
いにより確実に前述のように温度制御される。なお、模
型13,14の表面において、歯槽部13a の温度は100〜 20
0℃、口蓋部13b ,14b の温度は 160〜 250℃、バリ切
り部の温度は 160〜 250℃、レジン歯2部の温度は80〜
120℃程度が適正である。
【0022】そして、このフラスコ加熱工程を経た下フ
ラスコ11を引出44から取り出し、アルミニウム箔81を取
り除いた後、図7に示すように、下模型13の歯槽部13a
上に床材予備加熱工程を経た床材6を載せる。すなわ
ち、床材予備加熱装置41において、床材台36を引き出
し、必要に応じて、まずこの床材台36上の床材6をピン
セットなどにより歯槽部3aの形状に整える。ついで、床
材6をピンセットにより摘んで運び、下模型13の歯槽部
13a 上に載せる。このとき、床材6を上下反転させ、こ
の床材6の軟化面6aの方を下模型13の歯槽部13a に圧接
して賦形位置させる。その後、下フラスコ11を本加熱装
置51に装着する。このとき、図5に示すように、搬送ア
ーム71を本加熱装置51の方へ回しておき、テーブル53上
に載せた下フラスコ11の後部を搬送アーム71の両挟持片
74間に挟み込む。この状態で、遠赤外線ヒーター55が下
模型13の床材6に上から対向し、これを加熱する(本加
熱工程)。これにより、床材6の予備軟化で比較的硬い
面を軟化する。なお、ヒーター55と下模型13との間の距
離d4 は1〜5cm程度が好ましい。また、加熱時間は40
〜 120秒程度がよい。このとき、加熱が大気中でなさ
れ、また、ヒーター55からの照射が上からであることに
より、下フラスコ11の下部は自然放冷状態となる。これ
により、下模型13上の床材6は、下部よりも上部の温度
が高くなり、床材6の上部がレジン歯2と熱融着される
程度の粘度になるのに対して、床材6の下部は、より粘
度が大きくなる。
【0023】本加熱工程で床材6が適度に軟化した時点
で、フラスコ加熱装置41の引出44からフラスコ加熱工程
を経た上フラスコ12を取り出し、アルミニウム箔82を取
り除いた後、上フラスコ12を上下反転させて、プレス装
置52の上フラスコ取り付け板62に取り付ける。すなわ
ち、上フラスコ12のT字状凸条21を袋T溝63に止まるま
で差し込む。これとともに、図6に示すように、取手73
をつかんで搬送アーム71をプレス装置52の方へ回転させ
る。搬送アーム71は、突起75が保持具76に係合されるま
で回るが、下フラスコ11は、テーブル53上のストッパー
に当たって止まり、テーブル53上の所定位置に位置す
る。ついで、図5に示すように、ロッド61とともに上フ
ラスコ取り付け板62を下降させ、両フラスコ11,12を型
閉、加圧する。その後、搬送アーム71は、図6に鎖線で
示すように、逆に回して本加熱装置51へ戻す。なお、型
閉時、上フラスコ12の位置決めピン19および凸部18が下
フラスコ11の位置決め孔16および凹部15にそれぞれ嵌ま
って、両フラスコ11,12が最終的に互いに位置決めされ
る。こうして、図8に示すように、両模型13,14間で床
材6が圧縮されることにより、義歯床3が成形される。
このとき、フラスコ11,12に加える圧力は、模型13,14
の表面の面積に対し10〜 45kg/cm2 程度が好ましく、低
圧でよい。したがって、用いるプレス装置52としては、
低圧の800kg 〜 1.5トンプレスでよい。そして、前述の
ように、本加熱装置51で加熱された床材6は、下部より
も上部がより軟らかくなっているので、主にこの上部が
流動して模型13,14間に充填される。なお、型閉時、余
剰の樹脂は、模型13,14間のバリ切り部13c ,14c を通
って外部に押し出され、オーバーフロー部3cとなる。ま
た、圧縮成形時に、床材6すなわち義歯床3にレジン歯
2が熱融着し、両者が確実に固定する。
【0024】この加圧を60〜90秒間続けた後、加圧を緩
め、閉じたままのフラスコ11,12をプレス装置52から外
す。ついで、これらフラスコ11,12をクランプして水中
に入れ、冷却する。十分に冷えたら、フラスコ11,12を
開き、模型13,14を破砕して、義歯1を取り出す。さら
に、バリ切り部3dにおいて、鋏などによりオーバーフロ
ー部3cを切断し、研磨して、図10に示すような義歯1
が完成する。
【0025】前述のように、床材6を予め加熱すること
により、この床材6を下模型13の歯槽部13a 上に確実に
賦形位置させられる。しかも、床材予備加熱工程におい
ては、前述のように大気中で、床材台36上に載せた床材
6を上から加熱することにより、床材台36上の床材6
は、上部が軟らかくなるのに対して、下部は比較的硬い
ままなので、ピンセットを用いて床材6を床材台36から
下模型13上に移すときの取り扱いが容易になる。すなわ
ち、床材6が床材台36にへばりついてしまうことがない
とともに、床材6が過度に変形することがなく、ピンセ
ットによる取り扱いが容易である。それにもかかわら
ず、床材6を上下反転させてその軟化面6aの方を下模型
13の歯槽部13a 上に圧接することにより、この歯槽部13
a に対して床材6を容易かつ確実に賦形位置させられ
る。
【0026】また、フラスコ加熱工程では、加熱を開放
雰囲気下で上部からのみ行うことにより、石膏からなる
模型13,14から蒸発する水分が下方へ押しやられ、模型
13,14の表面部のみを速やかに乾燥させられる。すなわ
ち、30〜60分で必要なだけ乾燥させられる。また、模型
13,14の表面部のみを乾燥させ、模型13,14内は水分を
含んだままにすることにより、汎用石膏を用いても、脱
水収縮がなく、模型13,14の強度および精度が低下しな
い。したがって、精度が高く適合性の良好な義歯1を提
供できることになる。そして、耐熱石膏など特殊石膏を
使用する必要がないことにより、製造途中の変更にも対
応可能である。また、圧縮成形以後の冷却時、表面部を
除く模型13,14内の全体に水分が含まれていることによ
り、プレスと同時に冷却作用し、義歯床3全体が速やか
にかつ均一に冷却され、歪みの少ない適合性良好な義歯
1を提供できることになる。また、模型13,14の歯槽部
13a およびレジン歯2部をアルミニウム箔81,82により
覆って温度制御し、歯槽部13a およびレジン歯2部の温
度を抑えるとともに、口蓋部13b ,14b やバリ切り部13
c ,14c の温度は高くするので、これら口蓋部13b ,14
b およびバリ切り部13c ,14c で樹脂が良好に流動し、
低圧による圧縮成形でも、 0.1mm以下と薄く切りやすい
バリ切り部3dを得られ、押し切れ狂いを少なくできる。
これとともに、歯槽部13a およびレジン歯2部の温度を
低くし、かつ、上下の両模型13,14を全体としては同程
度に加熱することにより、成形後の冷却を良好に均一に
でき、口蓋部3bよりも厚い歯槽部3aでひけやボイドが生
じるのを防止できる。そして、前述のような適正な温度
制御は、ヒーター48の距離と加熱時間との設定のみでよ
い。
【0027】さらに、本加熱工程においては、大気中
で、床材6を上から加熱し、このとき下フラスコ11の下
部を自然放冷として、床材6の上部の温度を下部よりも
高くするので、その後の圧縮成形時、床材6の上部の良
好な流動により両模型13,14間の細部まで確実に樹脂を
充填できる一方、前記フラスコ加熱工程における温度制
御とあいまって、歯槽部3aでひけやボイドが生じるのを
より確実に防止できる。そして、前記床材6の上部の良
好な流動のために、前記フラスコ加熱工程における温度
制御とあいまって、口蓋部3bおよびバリ切り部3dを薄く
できる。口蓋部3bの厚さを 1.0mm以下にすることも可能
である。しかも、はじめ歯槽部13a 上にのみ床材6を置
くので、圧縮成形時における口蓋部3bでの圧力損失を少
なくでき、薄い口蓋部3bおよびバリ切り部3dの形成をよ
り確実なものとできる。また、フラスコ加熱工程におけ
るレジン歯2部の加熱と、本加熱工程における床材6の
上部の十分な加熱とにより、ポリカーボネートからなる
床材6の上部とアクリル樹脂からなるレジン歯2とが熱
融着し、容易に義歯床3にレジン歯2を確実に固定でき
る。
【0028】また、床材6の材質がポリカーボネートで
あることに加えて、前述した模型13,14の予備加熱など
により、圧縮成形に要する圧力を低くできるので、前述
のように汎用石膏を用いても問題が生じないとともに、
内部応力の少ない、歪みのない、適合性良好な義歯1を
得られることになる。これとともに、製造装置も、小
型、廉価にできる。
【0029】以上のように、本実施例においては、精度
的に優れた義歯1を得られ、しかも、製造時間を短縮で
き、操作性も悪くない。
【0030】なお、前記実施例では、上顎の全部床義歯
の製造を例にとって説明したが、下顎の義歯あるいは部
分床義歯の製造も可能であることはいうまでもない。ま
た、前記実施例では、U字形板状の床材6を用いたが、
それに限るものではなく、ペレット状あるいは棒状な
ど、適宜の形状の床材を用いられる。また、前記実施例
では、床材6の材質をポリカーボネートとしたが、他に
も、ポリサルフォンあるいはポリエーテルサルフォンな
ど適宜の熱可塑性樹脂を用いられる。さらに、歯も、ア
クリル樹脂のレジン歯に限るものではなく、セラミック
歯などでもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、フラスコに形
成された両模型を予め加熱するフラスコ加熱工程に際
し、模型に対向する遠赤外線ヒーターからの照射により
加熱を行い、このとき、一方の模型の人工歯部と他方の
模型の歯槽部とをそれぞれ遮熱材により覆うので、模型
の人工歯部および歯槽部の温度を抑えながら、模型の口
蓋部やバリ切り部の温度を十分に高くでき、また、両模
型を全体としてはほぼ同程度に加熱することにより、そ
の後の圧縮成形時、口蓋部やバリ切り部では樹脂が良好
に流動し、低圧の圧縮でもバリ切り部を薄くでき、バリ
切りを良好にでき、一方、義歯床において口蓋部などよ
りも厚い歯槽部では、良好な均一な冷却により、成形後
の冷却に伴いひけやボイドが生じることを防止できる。
これらのことから、製造される義歯の精度を高められ
る。
【0032】さらに、請求項2の発明によれば、フラス
コ加熱工程を開放雰囲気下で行うので、模型に対向する
遠赤外線ヒーターからの照射により加熱することとあい
まって、模型の表面部のみが速やかに大幅に温度上昇
し、乾燥し、フラスコ加熱工程の時間を短縮できる。そ
して、模型の表面部以外は水を含んだままの状態にする
ことにより、汎用石膏でも脱水収縮が生ぜず、精度の高
い義歯床が得られ、また、耐熱石膏などの特殊石膏を使
わなくてよいことから、製造上の制約も少なくでき、さ
らに、成形後の冷却時、義歯床全体が速やかに均一に冷
却され、義歯床の精度をいっそう上げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、フラスコ加熱
の説明断面図である。
【図2】同上フラスコ加熱装置の斜視図である。
【図3】同上床材予備加熱装置の斜視図である。
【図4】同上床材予備加熱の説明正面図である。
【図5】同上本加熱装置およびプレス装置の斜視図であ
る。
【図6】同上本加熱装置およびプレス装置の斜視図で、
下フラスコの搬送時の状態を示している。
【図7】同上本加熱の説明断面図である。
【図8】同上圧縮成形の説明断面図である。
【図9】同上成形に用いる床材の斜視図である。
【図10】同上完成した義歯の斜視図である。
【符号の説明】
1 義歯 2 レジン歯(歯) 3 義歯床 6 床材 11 下フラスコ(フラスコ) 12 上フラスコ(フラスコ) 13 下模型(他方の模型) 13a 歯槽部 14 上模型(一方の模型) 48 遠赤外線ヒーター 81 アルミニウム箔(遮熱材) 82 アルミニウム箔(遮熱材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のフラスコに石膏からなる模型をそ
    れぞれ形成し、このとき一方の模型に人工歯を埋め込
    み、両模型間に加熱した熱可塑性樹脂からなる床材を挟
    んで圧縮することにより、義歯床を成形する義歯の製造
    方法において、前記フラスコに形成された両模型を予め
    所定温度に加熱するフラスコ加熱工程を備え、このフラ
    スコ加熱工程に際して、模型に対向する遠赤外線ヒータ
    ーからの照射により加熱を行い、このとき一方の模型の
    人工歯部と他方の模型の歯槽部とをそれぞれ遮熱材によ
    り覆うことにより、模型表面、内部の各部位をそれぞれ
    所望温度にすることを特徴とする義歯の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フラスコ加熱工程を開放雰囲気下で
    行うことを特徴とする請求項1記載の義歯の製造方法。
JP15242793A 1993-06-23 1993-06-23 義歯の製造方法 Pending JPH0716244A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011255587A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Tamio Omae 熱可塑性樹脂の成形方法及び熱成形用の鋳型
US10317033B2 (en) 2016-12-27 2019-06-11 Lg Electronics Inc. Lamp for vehicle and method for controlling the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011255587A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Tamio Omae 熱可塑性樹脂の成形方法及び熱成形用の鋳型
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