JPH0716408B2 - 固定化生理活性物質及びその製造方法 - Google Patents
固定化生理活性物質及びその製造方法Info
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- JPH0716408B2 JPH0716408B2 JP6716289A JP6716289A JPH0716408B2 JP H0716408 B2 JPH0716408 B2 JP H0716408B2 JP 6716289 A JP6716289 A JP 6716289A JP 6716289 A JP6716289 A JP 6716289A JP H0716408 B2 JPH0716408 B2 JP H0716408B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はバイオセンサー、バイオリアクターなどに利用
される酵素、微生物などの生理活性物質を固定化した繊
維集合体に関する。
される酵素、微生物などの生理活性物質を固定化した繊
維集合体に関する。
[従来技術及び問題点] 近年、医療、化学工業、環境工業、食品などの分野にお
いては、特異な触媒活性を有する酵素、微生物など(以
下「生理活性物質」という)を安定に、操作性よく利用
するために、これらを担体に固定化した、いわゆる固定
化酵素、固定化微生物が種々提案されている。
いては、特異な触媒活性を有する酵素、微生物など(以
下「生理活性物質」という)を安定に、操作性よく利用
するために、これらを担体に固定化した、いわゆる固定
化酵素、固定化微生物が種々提案されている。
これらの内、担体に繊維集合体を用いたものは、他の形
態のものに比べて、単位体積当たりの基質との接触面積
が大きく、しかも、バイオリアクターなどに使用する際
に、シート形状であるため、特別な充填装置などが必要
なく、取り扱いやすいという利点がある。
態のものに比べて、単位体積当たりの基質との接触面積
が大きく、しかも、バイオリアクターなどに使用する際
に、シート形状であるため、特別な充填装置などが必要
なく、取り扱いやすいという利点がある。
この繊維集合体に、酵素、酵母、糸状菌などの生理活性
物質を固定化する方法としては、例えば特開昭60−2246
18号公報に示されるような繊維表面にアミノ基、カルボ
キシル基、フェノール基などの特定の官能基を導入し、
これを生理活性物質の持つ官能基と反応させ、共有結合
させる方法や、特開昭60−120988号公報に示されるよう
な耐熱性繊維からなる繊維集合体に、生理活性物質を混
合したゼラチンなどの天然凝固剤を付着させ、天然凝固
剤を加温凝固させる方法が知られている。
物質を固定化する方法としては、例えば特開昭60−2246
18号公報に示されるような繊維表面にアミノ基、カルボ
キシル基、フェノール基などの特定の官能基を導入し、
これを生理活性物質の持つ官能基と反応させ、共有結合
させる方法や、特開昭60−120988号公報に示されるよう
な耐熱性繊維からなる繊維集合体に、生理活性物質を混
合したゼラチンなどの天然凝固剤を付着させ、天然凝固
剤を加温凝固させる方法が知られている。
しかしながら、前者の方法では、繊維に官能基を導入し
たり、共有結合させたりするための操作が煩雑であり、
しかも、共有結合の反応の際に、生理活性物質の活性が
低下する、いわゆる失活が生じやすいという問題があっ
た。
たり、共有結合させたりするための操作が煩雑であり、
しかも、共有結合の反応の際に、生理活性物質の活性が
低下する、いわゆる失活が生じやすいという問題があっ
た。
一方、後者の方法では、繊維と生理活性物質との間には
実質的に結合はなく、天然凝固剤に包囲される形で生理
活性物質は繊維に固定化されるから、前者の場合のよう
な問題は生じない。しかし、包囲する天然凝固剤が、反
応させるべき基質が生理活性物質の活性中心に移動する
のを阻害して、活性を低下させる場合があり、また、加
温凝固を必要とするため熱に強い生理活性物質しか利用
できないという欠点があった。
実質的に結合はなく、天然凝固剤に包囲される形で生理
活性物質は繊維に固定化されるから、前者の場合のよう
な問題は生じない。しかし、包囲する天然凝固剤が、反
応させるべき基質が生理活性物質の活性中心に移動する
のを阻害して、活性を低下させる場合があり、また、加
温凝固を必要とするため熱に強い生理活性物質しか利用
できないという欠点があった。
[発明が解決すべき課題] 本発明は上記従来技術の問題点を解決すべくなされたも
のであり、生理活性物質を活性の高い状態で、かつ基質
との接触面積の大きい状態で固定化した担体を提供する
ことを目的とする。
のであり、生理活性物質を活性の高い状態で、かつ基質
との接触面積の大きい状態で固定化した担体を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決する手段] 本発明は親水性繊維を主体とする繊維集合体の構成繊維
の表面に、タンパク質などの大きな分子は通過できない
が、反応基質などの小さな分子は通過できる絹フィブロ
インのゲル層が形成されており、該ゲル層に生理活性物
質が内包されていることを特徴とする固定化生理活性物
質に関する。
の表面に、タンパク質などの大きな分子は通過できない
が、反応基質などの小さな分子は通過できる絹フィブロ
インのゲル層が形成されており、該ゲル層に生理活性物
質が内包されていることを特徴とする固定化生理活性物
質に関する。
また、本発明は親水性繊維を主体とする繊維集合体に、
生理活性物質を含む絹フィブロイン水溶液を含浸する工
程と、これを乾燥する工程と、アルコールにより不溶化
する工程とからなる固定化生理活性物質の製造方法に関
する。
生理活性物質を含む絹フィブロイン水溶液を含浸する工
程と、これを乾燥する工程と、アルコールにより不溶化
する工程とからなる固定化生理活性物質の製造方法に関
する。
[作用] 本発明の固定化生理活性物質は、親水性繊維を主体とす
る繊維集合体の表面に、絹フィブロインのゲル層を形成
しているため、繊維とゲル層との親和性が高く、ゲル層
は繊維表面にしっかりと付着する。
る繊維集合体の表面に、絹フィブロインのゲル層を形成
しているため、繊維とゲル層との親和性が高く、ゲル層
は繊維表面にしっかりと付着する。
絹フィブロインのゲル層は、表面部では結晶構造領域が
集中し、内部ではこの領域が少ない不均一構造になって
いると推定される。このため、酵素などの生理活性物質
は分子が大きいのでゲル層からでることはできないが、
低分子である基質や、反応生成物は自由に出入りでき
る。また、ゲル層内では生理活性物質は自由度が大きい
ので、基質などと反応しやすい状態となっている。故
に、生理活性物質は非常に活性が高く、基質と接触しや
すい状態で、繊維表面に固定化されている。
集中し、内部ではこの領域が少ない不均一構造になって
いると推定される。このため、酵素などの生理活性物質
は分子が大きいのでゲル層からでることはできないが、
低分子である基質や、反応生成物は自由に出入りでき
る。また、ゲル層内では生理活性物質は自由度が大きい
ので、基質などと反応しやすい状態となっている。故
に、生理活性物質は非常に活性が高く、基質と接触しや
すい状態で、繊維表面に固定化されている。
なお、繊維集合体に繊維が三次元的に絡合した不織布を
用いると、基質と接触できる繊維表面の面積が増加して
反応の効率をあげることができ、しかも、基質の通過抵
抗を低くすることができる。
用いると、基質と接触できる繊維表面の面積が増加して
反応の効率をあげることができ、しかも、基質の通過抵
抗を低くすることができる。
本発明の製造方法では、親水性繊維を主体とする繊維集
合体に生理活性物質を含む絹フィブロイン水溶液を含浸
するため、絹フィブロイン水溶液を効率よく、しかも均
一に繊維表面に付着することができる。また、この付着
した絹フィブロイン水溶液はこの後、乾燥し、アルコー
ルにより不溶化されるが、とくにアルコールを用いる方
法は短時間の不溶化を可能にする。
合体に生理活性物質を含む絹フィブロイン水溶液を含浸
するため、絹フィブロイン水溶液を効率よく、しかも均
一に繊維表面に付着することができる。また、この付着
した絹フィブロイン水溶液はこの後、乾燥し、アルコー
ルにより不溶化されるが、とくにアルコールを用いる方
法は短時間の不溶化を可能にする。
[実施例] 以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いられる生理活性物質とは、例えば、グルコ
ースオキシターゼ、アルカリ性フォスファターゼ、アス
パルターゼ、アミラーゼ、インベルターゼなどの酵素、
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、アデノシント
リホスフェート、補酵素−Aなどの補酵素、ムコール、
リゾプスなどの糸状菌、サッカロミセス、ピヒア、ハン
ゼヌラなどの酵母などであり、生体触媒活性を有する物
質が用いられる。
ースオキシターゼ、アルカリ性フォスファターゼ、アス
パルターゼ、アミラーゼ、インベルターゼなどの酵素、
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、アデノシント
リホスフェート、補酵素−Aなどの補酵素、ムコール、
リゾプスなどの糸状菌、サッカロミセス、ピヒア、ハン
ゼヌラなどの酵母などであり、生体触媒活性を有する物
質が用いられる。
また、本発明に使用される繊維集合体には、不織布、フ
ェルト、織物、編み物、またはこれらの複合体が適して
いる。これらのうち、繊維が三次元的に絡合された不織
布は、基質の通過に対する抵抗が低く、基質と繊維表面
との接触面積が増大するので好ましく、とくに高速柱状
水流により絡合(水流絡合)されたものは、繊維以外の
界面活性剤、接着剤などの余分な成分を実質的に含まな
いため望ましい。
ェルト、織物、編み物、またはこれらの複合体が適して
いる。これらのうち、繊維が三次元的に絡合された不織
布は、基質の通過に対する抵抗が低く、基質と繊維表面
との接触面積が増大するので好ましく、とくに高速柱状
水流により絡合(水流絡合)されたものは、繊維以外の
界面活性剤、接着剤などの余分な成分を実質的に含まな
いため望ましい。
上記繊維集合体は親水性繊維を主体として構成される。
親水性繊維の量は少なくとも繊維集合体の50重量%は必
要であり、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは10
0重量%であるのがよい。
親水性繊維の量は少なくとも繊維集合体の50重量%は必
要であり、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは10
0重量%であるのがよい。
この親水性繊維としては、例えば、絹繊維、レーヨン繊
維などがとくに好適に用いられる。
維などがとくに好適に用いられる。
繊維集合体の密度は0.04〜0.25g/cm3の範囲にあるのが
よく、0.04g/cm3未満ではゲルの担持量が少なくなるた
め生理活性物質による活性が低下し、一方、0.25g/cm3
を越えると基質の通過抵抗が大きくなってしまう。
よく、0.04g/cm3未満ではゲルの担持量が少なくなるた
め生理活性物質による活性が低下し、一方、0.25g/cm3
を越えると基質の通過抵抗が大きくなってしまう。
また、繊維集合体の厚さは0.1〜3.0mmの範囲にあるのが
よく、0.1mm未満では繊維集合体の機械的強度が低いた
め実用に耐えず、3mmを超えると繊維集合体への生理活
性物質含有溶液の均一な含浸が極めて困難となる。
よく、0.1mm未満では繊維集合体の機械的強度が低いた
め実用に耐えず、3mmを超えると繊維集合体への生理活
性物質含有溶液の均一な含浸が極めて困難となる。
上記親水性繊維を主体とする繊維集合体の構成繊維の表
面に、生理活性物質を内包する絹フィブロインのゲル層
が形成される。このゲル層の形成は例えば次の手順で行
なわれる。
面に、生理活性物質を内包する絹フィブロインのゲル層
が形成される。このゲル層の形成は例えば次の手順で行
なわれる。
まず、絹フィブロイン水溶液を調整し、これに生理活性
物質を混合する。次に、繊維集合体にこの混合液を含浸
して、繊維集合体に含まれる親水性繊維の絹フィブロイ
ン水溶液とのなじみのよさを利用して、構成繊維の表面
に混合液を付着させる。この際、絹フィブロイン水溶液
をより均一に付着させ、かつ繊維集合体内に良好な空隙
を確保させるために、ローラーなどを用いて圧搾しても
よい。この後、室温で風乾し、水を一部除去する。最後
にメタノールなどのアルコールに浸漬して絹フィブロイ
ンを不溶化し、ゲル層を形成する。
物質を混合する。次に、繊維集合体にこの混合液を含浸
して、繊維集合体に含まれる親水性繊維の絹フィブロイ
ン水溶液とのなじみのよさを利用して、構成繊維の表面
に混合液を付着させる。この際、絹フィブロイン水溶液
をより均一に付着させ、かつ繊維集合体内に良好な空隙
を確保させるために、ローラーなどを用いて圧搾しても
よい。この後、室温で風乾し、水を一部除去する。最後
にメタノールなどのアルコールに浸漬して絹フィブロイ
ンを不溶化し、ゲル層を形成する。
なお、絹フィブロインの不溶化はアルコールによる方法
に限らず、場合によっては、中性塩や希薄酸を用いる方
法や、絹フィブロインに延伸等の応力を加える方法によ
り不溶化してもよい。
に限らず、場合によっては、中性塩や希薄酸を用いる方
法や、絹フィブロインに延伸等の応力を加える方法によ
り不溶化してもよい。
この様にして繊維表面に形成された絹フィブロインのゲ
ル層は、結晶領域が表面部へ集中し、ゲル層内部は結晶
領域が少ない、厚み方向に不均一な構造となる。このた
め、ゲル層に内包された生理活性物質は、ゲル層内部で
は比較的自由度の大きな状態で存在するが、表面部を通
過して外部へ出ることはできず、ゲル層内にとじ込めら
れて繊維表面に固定化される。
ル層は、結晶領域が表面部へ集中し、ゲル層内部は結晶
領域が少ない、厚み方向に不均一な構造となる。このた
め、ゲル層に内包された生理活性物質は、ゲル層内部で
は比較的自由度の大きな状態で存在するが、表面部を通
過して外部へ出ることはできず、ゲル層内にとじ込めら
れて繊維表面に固定化される。
一方、生理活性物質を用いて処理される反応基質は低分
子であるので、結晶領域の集中したゲル層の表面部も通
過できるため、ゲル層内に侵入し、生理活性物質の活性
中心に到達し、触媒作用を受けて目的とする反応物を生
成する。得られる生成物も低分子であるため、ゲル層の
内部から外部へと移動できる。
子であるので、結晶領域の集中したゲル層の表面部も通
過できるため、ゲル層内に侵入し、生理活性物質の活性
中心に到達し、触媒作用を受けて目的とする反応物を生
成する。得られる生成物も低分子であるため、ゲル層の
内部から外部へと移動できる。
以上のような繊維集合体に固定化された生理活性物質
は、フィルム状やビーズ状のゲルに固定化されたものに
比べて比活性が高く、かつ機械的な損傷を受けにくく、
安定性に優れている。
は、フィルム状やビーズ状のゲルに固定化されたものに
比べて比活性が高く、かつ機械的な損傷を受けにくく、
安定性に優れている。
(実施例1) 長さ50mmにカットした家蚕精練絹よりなる繊維ウェブを
水流絡合法により、厚さ0.25mm、見かけ密度0.2g/cm3の
不織布に成形した。別に、家蚕精練絹より得た絹フィブ
ロインの水溶液(2.4%)を調整し、グルコースオキシ
ダーゼ(GOD)(EC.1.1.3.4.Aspergillus niger)を絹
フィブロインに対して2%の割合で加え静かに溶解させ
た。この溶液を不織布に塗布し、マングルにて圧搾し
た。絹フィブロイン溶液の不織布への付着量は、不織布
重量に対して約1.5倍であった。本品を20℃、50%相対
湿度で風乾後、80%メタノール水溶液中に30秒間浸漬し
て絹フィブロインを不溶化させ、酵素固定化織布を得
た。
水流絡合法により、厚さ0.25mm、見かけ密度0.2g/cm3の
不織布に成形した。別に、家蚕精練絹より得た絹フィブ
ロインの水溶液(2.4%)を調整し、グルコースオキシ
ダーゼ(GOD)(EC.1.1.3.4.Aspergillus niger)を絹
フィブロインに対して2%の割合で加え静かに溶解させ
た。この溶液を不織布に塗布し、マングルにて圧搾し
た。絹フィブロイン溶液の不織布への付着量は、不織布
重量に対して約1.5倍であった。本品を20℃、50%相対
湿度で風乾後、80%メタノール水溶液中に30秒間浸漬し
て絹フィブロインを不溶化させ、酵素固定化織布を得
た。
固定化GODのグルコース酸化反応における酵素活性を0.1
Mリン酸緩衝液中で測定したところ、第1表に示すよう
に、25℃、pH7の条件で比活性が11.7U/mg遊離酵素に対
する活性収率が9.5%の値が得られた。
Mリン酸緩衝液中で測定したところ、第1表に示すよう
に、25℃、pH7の条件で比活性が11.7U/mg遊離酵素に対
する活性収率が9.5%の値が得られた。
固定化酵素の安定性を検討した結果、60℃以上では遊離
酵素よりもむしろ高い活性を維持しており、熱安定性に
極めて優れていることがわかった。また、至適pHは遊離
酵素が5.5付近であるのに対して、7付近にあり、遊離
酵素よりも高pH側へ移動した。また、水中への絹フィブ
ロインと酵素の溶出度をローリー法及びUV法により測定
したところ、40日後においても絹フィブロインの溶出度
は0.1%以下であり、酵素の溶出は検出されず、極めて
良好であった。
酵素よりもむしろ高い活性を維持しており、熱安定性に
極めて優れていることがわかった。また、至適pHは遊離
酵素が5.5付近であるのに対して、7付近にあり、遊離
酵素よりも高pH側へ移動した。また、水中への絹フィブ
ロインと酵素の溶出度をローリー法及びUV法により測定
したところ、40日後においても絹フィブロインの溶出度
は0.1%以下であり、酵素の溶出は検出されず、極めて
良好であった。
絹フィブロインの付着状態を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、繊維表面に絹フィブロインがまんべんなく付
着しており、かつ不織布の繊維間の空隙は絹フィブロイ
ンに塞がれることなく残っていた。
たところ、繊維表面に絹フィブロインがまんべんなく付
着しており、かつ不織布の繊維間の空隙は絹フィブロイ
ンに塞がれることなく残っていた。
更に、上記絹フィブロイン水溶液の濃度及び酵素配合量
の影響を調べた結果、絹フィブロイン水溶液の濃度1〜
3%の範囲で活性収率が変化せず、一方絹フィブロイン
に対する酵素の添加割合を2%から0.002%と減らすに
つれて活性収率が増加した。酵素添加割合が0.002%の
とき、活性収率は94.2%であり、ほとんど遊離酵素に近
い値が得られた。
の影響を調べた結果、絹フィブロイン水溶液の濃度1〜
3%の範囲で活性収率が変化せず、一方絹フィブロイン
に対する酵素の添加割合を2%から0.002%と減らすに
つれて活性収率が増加した。酵素添加割合が0.002%の
とき、活性収率は94.2%であり、ほとんど遊離酵素に近
い値が得られた。
(実施例2) ビスコースレーヨン(繊度1.5デニール、長さ38mm)の
ウェブを水流絡合法により厚さ0.3mm、見かけ密度0.2g/
cm3の不織布に成形した。実施例1と同様の操作によりG
ODをレーヨン不織布に固定化して酵素活性を測定し、そ
の結果を第1表に示した。
ウェブを水流絡合法により厚さ0.3mm、見かけ密度0.2g/
cm3の不織布に成形した。実施例1と同様の操作によりG
ODをレーヨン不織布に固定化して酵素活性を測定し、そ
の結果を第1表に示した。
また、絹フィブロインの付着状態を走査型電子顕微鏡で
観察したところ、繊維表面への絹フィブロインの付着は
均一であり、かつ不織布の繊維間の空隙は絹フィブロイ
ンに塞がれることなく充分残されていた。
観察したところ、繊維表面への絹フィブロインの付着は
均一であり、かつ不織布の繊維間の空隙は絹フィブロイ
ンに塞がれることなく充分残されていた。
(比較例1) 繊維をポリエステル繊維(繊度1.5デニール、長さ38m
m)に変えたこと以外は実施例1と全く同様にして酵素
固定化不織布を得た。実施例1と同様の操作によりGOD
をレーヨン不織布に固定化して酵素活性を測定し、実施
例1、2と合わせて第1表に示した。
m)に変えたこと以外は実施例1と全く同様にして酵素
固定化不織布を得た。実施例1と同様の操作によりGOD
をレーヨン不織布に固定化して酵素活性を測定し、実施
例1、2と合わせて第1表に示した。
第1表から明らかなように、繊維に親水性繊維を用いた
実施例1、2の酵素固定化不織布の比活性は高かった
が、疎水性繊維であるポリエステル繊維を用いた比較例
1では比活性が劣っていた。
実施例1、2の酵素固定化不織布の比活性は高かった
が、疎水性繊維であるポリエステル繊維を用いた比較例
1では比活性が劣っていた。
また、走査型電子顕微鏡で観察した結果、絹フィブロイ
ンのポリエステル繊維への付着は絹やレーヨンの場合と
比べて不均一でその付着量も著しく少なかった。
ンのポリエステル繊維への付着は絹やレーヨンの場合と
比べて不均一でその付着量も著しく少なかった。
(比較例2) 実施例1で用いたGODを含む絹フィブロイン水溶液を、
ポリエチレンフィルム上にキャストして風乾した後、80
%メタノール水溶液中に30秒間浸漬して厚さ20μmの固
定化酵素フィルムを作成した。
ポリエチレンフィルム上にキャストして風乾した後、80
%メタノール水溶液中に30秒間浸漬して厚さ20μmの固
定化酵素フィルムを作成した。
この固定化酵素フィルムの酵素活性を測定したところ、
GODの比活性が3.1U/mg、活性収率が2.6%であり、実施
例1の不織布に固定化した場合に比べて活性がかなり低
かった。
GODの比活性が3.1U/mg、活性収率が2.6%であり、実施
例1の不織布に固定化した場合に比べて活性がかなり低
かった。
(比較例3〜4) 酵素の固定化剤として、絹フィブロインをアルギン酸ナ
トリウム又はκ−カラギーナンに代え、アルギン酸ナト
リウムの不溶化は2%塩化カルシウム水溶液で、κ−カ
ラギーナンの不溶化は1%水酸化カリウム水溶液で行な
ったこと以外は、実施例2と同様にして酵素固定化不織
布を得た。
トリウム又はκ−カラギーナンに代え、アルギン酸ナト
リウムの不溶化は2%塩化カルシウム水溶液で、κ−カ
ラギーナンの不溶化は1%水酸化カリウム水溶液で行な
ったこと以外は、実施例2と同様にして酵素固定化不織
布を得た。
この酵素固定化不織布の酵素活性を測定し、実施例2の
結果とともに第2表に示した。
結果とともに第2表に示した。
第2表から明らかなように、絹フィブロインを用いた場
合、アルギン酸ナトリウムやκ−カラギーナンのゲルを
固定化剤に用いた場合に比べて活性収率がかなり優れて
いた。
合、アルギン酸ナトリウムやκ−カラギーナンのゲルを
固定化剤に用いた場合に比べて活性収率がかなり優れて
いた。
また、走査型電子顕微鏡で観察したところ、アルギン酸
ナトリウムやκ−カラギーナンのゲルはレーヨン表面に
均一付着していなかった。
ナトリウムやκ−カラギーナンのゲルはレーヨン表面に
均一付着していなかった。
[発明の効果] 本発明の固定化生理活性物質は上述のような構成からな
るため、以下に示す効果を奏する。
るため、以下に示す効果を奏する。
繊維集合体の構成繊維の表面に生理活性物質を内包す
る絹フィブロインのゲル層が形成されているため、反応
に有効なゲル層の表面積が大きく、固定化生理活性物質
の比活性が高い。
る絹フィブロインのゲル層が形成されているため、反応
に有効なゲル層の表面積が大きく、固定化生理活性物質
の比活性が高い。
生理活性物質の固定化が穏やかな条件下で行なえるた
め、担体結合法や天然凝固剤などを用いる場合のような
失活のおそれがない。
め、担体結合法や天然凝固剤などを用いる場合のような
失活のおそれがない。
絹フィブロインのゲル層は厚み方向に不均一構造をな
すため、ゲル層内の生理活性物質は自由度が大きく、遊
離状態と変らない活性を有し、しかも、ゲル層からの生
理活性物質の溶出はほとんどない。
すため、ゲル層内の生理活性物質は自由度が大きく、遊
離状態と変らない活性を有し、しかも、ゲル層からの生
理活性物質の溶出はほとんどない。
ゲル層は繊維集合体に固定化されるため、機械的劣化
を受けにくい。
を受けにくい。
とくに、繊維集合体に三次元的に絡合した不織布を用
いると、単位体積当たりの反応に有効なゲル層の表面積
が大きくなり、しかも、基質の通過に対する抵抗が低く
なる。
いると、単位体積当たりの反応に有効なゲル層の表面積
が大きくなり、しかも、基質の通過に対する抵抗が低く
なる。
ゲル層を繊維表面にコーティングすればよいので、親
水性繊維を主体とする繊維集合体であれば、どの様な形
態のものであっても、繊維種のものであっても担体に利
用できる。
水性繊維を主体とする繊維集合体であれば、どの様な形
態のものであっても、繊維種のものであっても担体に利
用できる。
以上のように、本発明の固定化生理活性物質は優れた効
果を持つため、バイオリアクターやバイオセンターとし
て利用するのに極めて有用である。
果を持つため、バイオリアクターやバイオセンターとし
て利用するのに極めて有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】親水性繊維を主体とする繊維集合体の構成
繊維の表面に、タンパク質などの大きな分子は通過でき
ないが、反応基質などの小さな分子は通過できる絹フィ
ブロインのゲル層が形成されており、該ゲル層に生理活
性物質が内包されていることを特徴とする固定化生理活
性物質。 - 【請求項2】繊維集合体が繊維が三次元的に絡合した不
織布である請求項1に記載の固定化生理活性物質。 - 【請求項3】親水性繊維を主体とする繊維集合体に、生
理活性物質を含む絹フィブロイン水溶液を含浸する工程
と、これを乾燥する工程と、アルコールにより不溶化す
る工程とからなる固定化生理活性物質の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6716289A JPH0716408B2 (ja) | 1989-03-17 | 1989-03-17 | 固定化生理活性物質及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6716289A JPH0716408B2 (ja) | 1989-03-17 | 1989-03-17 | 固定化生理活性物質及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02245189A JPH02245189A (ja) | 1990-09-28 |
| JPH0716408B2 true JPH0716408B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=13336920
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6716289A Expired - Lifetime JPH0716408B2 (ja) | 1989-03-17 | 1989-03-17 | 固定化生理活性物質及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JPH0716408B2 (ja) |
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| JP2842980B2 (ja) * | 1993-06-02 | 1999-01-06 | 出光石油化学株式会社 | 絹フィブロイン超微粉末の製造法 |
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-
1989
- 1989-03-17 JP JP6716289A patent/JPH0716408B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02245189A (ja) | 1990-09-28 |
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