JPH07166470A - 制電性撥水編地の製造方法 - Google Patents

制電性撥水編地の製造方法

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JPH07166470A
JPH07166470A JP5341639A JP34163993A JPH07166470A JP H07166470 A JPH07166470 A JP H07166470A JP 5341639 A JP5341639 A JP 5341639A JP 34163993 A JP34163993 A JP 34163993A JP H07166470 A JPH07166470 A JP H07166470A
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JP
Japan
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yarn
knitted fabric
water repellent
conductive
less
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JP5341639A
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English (en)
Inventor
Seiichi Nishijima
征一 西嶋
Minoru Takami
実 高美
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観が良好で、撥水性能に優れた制電性撥水
編地を提供する。 【構成】 繊度が5デニール未満で且つ熱水収縮率が15
%以下の非導電性合成繊維よりなる糸条(以下、「A糸
条」と言う。)を準備する。一方、繊度が15デニール未
満で熱水収縮率が10%以下の導電性繊維よりなる糸条
(以下、「B糸条」と言う。)を準備する。両糸条を使
用し、添糸編によってA糸条を表側に位置せしめ、B糸
条を裏側に位置せしめるようにして製編する。この際、
A糸条の重量割合は60.0〜99.8重量%で、B糸条の重量
割合は0.2〜40.0重量%となるようにする。この得られ
た編地に、例えは染色加工すると共に、撥水剤を付与す
る。 【効果】 灰色あるいは黒色である導電性繊維が、A糸
条の内側に配置せしめられているので、得られる編地表
面の外観が損なわれにくく、撥水剤も表面に均質に付与
される。また、導電性繊維による半永久的な制電性も付
与しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料用あるいは衣料資
材用として好適に使用しうる制電性撥水編地の製造方法
に関し、特に良好な制電性と撥水性とを併有する制電性
撥水編地の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維を用いて製編された編地は、繊
維相互間の摩擦による静電気障害が生じやすい。このた
め、編地の染色加工時に帯電防止剤を付与する方法が常
用されている。しかしながら、この方法による帯電防止
効果は永久的なものではなく、一般的に繰り返し洗濯に
よってその性能低下をきたし、30回程度の繰り返し洗濯
を実施すると、繊維に付着している帯電防止剤が脱落
し、その帯電防止効果は消失する。一方、合成繊維を用
いた編地に撥水性を付与するためには、一般的に染色加
工工程における最終仕上工程で、弗素系やシリコーン系
等の撥水剤を編地に付与し、乾燥熱処理することが行わ
れている。
【0003】このように、染色加工工程で行われる、い
わゆる後加工品の帯電防止加工と撥水加工とは、その目
的に応じて通常各々単独で行われ、両者を同時に行って
帯電防止性(制電性)と撥水性とを併有させることは、
一般的には行われていない。これは、帯電防止性の効果
を高めるためには、編地表面の吸湿性が良好でなければ
ならず、撥水加工を施すと、この吸湿性が低下するから
である。即ち、帯電防止剤と撥水剤とを使用することに
よって、制電性と撥水性とを併有させた編地は、実用化
されるに到っていないのである。
【0004】このため、帯電防止剤を使用せずに、導電
性繊維を使用し、これを少量混入させた編地に、染色加
工工程で撥水剤を付与する方法が提案されている。この
方法によれば、高性能の制電性と撥水性とを併有する編
地が得られると考えられる。何故なら、帯電防止剤に代
えて導電性繊維を使用しているため、繰り返し洗濯によ
る帯電防止剤の脱落ということがなく、高性能の制電性
を発揮しうるからである。また、導電性繊維を使用して
いるため、編地表面の性状とは無関係に、即ち編地表面
が撥水性であっても、良好な制電性を発揮するからであ
る。
【0005】しかしながら、導電性繊維は、一般に炭素
微粒子やカーボンブラック微粒子を繊維中に練り込んだ
ものであり、灰色あるいは黒色に着色しているため、他
繊維と混繊したり若しくは他糸条と交編すると、導電性
繊維自身の着色によって、すじ状あるいは杢調の模様が
編地に現われ、外観を損なうという欠点があった。ま
た、導電性繊維に対する撥水剤の付着は、他の一般の合
成繊維に対する撥水剤の付着に比べて、付着しにくかっ
たりあるいは付着しても脱落しやすいということがあっ
た。従って、編地表面の撥水性が不均一になり、全体に
亙って良好な撥水性を実現しにくいという欠点もあっ
た。更に、導電性繊維の繊度は、一般に用いられる合成
繊維よりも太繊度であるため、合成繊維と混繊したりあ
るいは合成繊維糸条と交編したりすると、得られる編地
の風合が低下するという欠点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、一
般に使用されている非導電性合成繊維よりなる糸条と導
電性繊維よりなる糸条とを使用し、添糸編によって編地
を編成することによって、導電性繊維よりなる糸条を編
目の内側に位置せしめ、導電性繊維が編地表面に露出す
るのを防止し、もって導電性繊維の着色によって外観が
損なわれるのを防止すると共に、編地表面における撥水
剤の付着性の低下を防止し、更に編地表面の風合の低下
を防止しながら、高性能の撥水性及び高性能の制電性を
併有する編地を提供しようというものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、繊度が
5デニール未満で且つ熱水収縮率が15%以下の非導電性
合成繊維よりなる糸条(以下、「A糸条」と言う。)
と、繊度が15デニール未満で熱水収縮率が10%以下の導
電性繊維よりなる糸条(以下、「B糸条」と言う。)と
を用い、添糸編によってA糸条を表側に位置せしめ、B
糸条を裏側に位置せしめるようにし、且つA糸条の重量
割合が60.0〜99.8重量%でB糸条の重量割合が0.2〜40.
0重量%となるようにして製編し、得られた編地に撥水
剤を付与することを特徴とする制電性撥水編地の製造方
法に関するものである。
【0008】本発明で用いるA糸条は、繊度5デニール
未満で熱水収縮率が15%以下の非導電性合成繊維よりな
る糸条である。非導電性合成繊維としては、従来衣料用
等に一般に使用されている、ポリエステル繊維,ポリア
ミド繊維,ポリオレフィン系繊維,ポリアクリロニトル
繊維等が使用される。即ち、本発明で言う非導電性合成
繊維というのは、もう一方の繊維である導電性繊維と区
別するために用いられているものにすぎず、従来から衣
料用等として常用されている合成繊維のことを意味して
いるにすぎない。また、糸条としては、マルチフィラメ
ント糸条や紡績糸条等が使用される。特に、マルチフィ
ラメント糸条の形態としては、従来公知の形態が使用さ
れるが、例えば、仮撚加工された仮撚加工糸条、ニット
・デ・ニット加工糸条、エアー処理加工糸条等が用いら
れる。
【0009】本発明において、非導電性合成繊維の繊度
は5デニール未満である。繊度が5デニールを超えると、
得られた編地の風合が粗硬となり、好ましくない。ま
た、非導電性合成繊維の熱水収縮率は15%以下である。
熱水収縮率が15%を超えると、編成された編地に染色加
工等を施す場合には、高温下に置かれるため編地が高収
縮を起こし、編地表面に皺が発生したり、あるいは所望
の性質のものが得にくくなるため、好ましくない。ま
た、非導電性合成繊維の熱水収縮率が15%を超えると、
導電性繊維に比べて熱水収縮率が大きくなりすぎ、添糸
編によって内側に位置せしめられた導電性繊維が、編地
表面に露出してくる恐れがあるため、好ましくない。こ
こで、熱水収縮率の測定方法は以下のとおりである。即
ち、繊維の一旦を固定し、他端に1/10(g/d)の初荷重を
与え、正しく500mmを計って2点に印を付ける。この
後、初荷重をとって沸騰水中に30分間浸漬した後、取り
出して軽く吸取紙又は布で水を切り、水平状態で自然乾
燥する。その後、再び初荷重を掛けて前記2点間の長さ
lmmを図る。以上のlmmの測定を各10回行い、そして式
〔(500−l)/500〕×100で収縮率を算出し、その平
均値を熱水収縮率(%)とする。
【0010】本発明に用いるB糸条は、繊度が15デニー
ル未満で熱水収縮率が10%以下の導電性繊維よりなるも
のである。導電性繊維としては、従来公知の各種のもの
を使用することができ、例えば、金属繊維、炭素繊維、
導電性微粒子を含有する熱可塑性繊維、芯部に導電性微
粒子を含有し鞘部には導電性微粒子を含有しない芯鞘型
複合熱可塑性繊維等を使用することができる。これらの
導電性繊維の電気抵抗値は、一般的に1×109Ω/cm以下
である。このB糸条としても、マルチフィラメント糸条
や紡績糸条等が使用される。また、マルチフィラメント
糸条の形態としては、A糸条と同様に、従来公知の形態
が使用されるが、例えば、仮撚加工された仮撚加工糸
条、ニット・デ・ニット加工糸条、エアー処理加工糸条
等が用いられる。
【0011】導電性繊維の繊度は15デニール未満であ
る。繊度が15デニールを超えると、添糸編で編成する際
に、内側に位置すべき導電性繊維が外側に飛び出した
り、あるいは得られた編地の風合が粗硬となるため、好
ましくない。また、導電性繊維の熱水収縮率は10%以下
である。熱水収縮率が10%を超えると、編成された編地
に染色加工等を施す場合には、高温下に置かれるため編
地が高収縮を起こし、編地表面に皺が発生したり、ある
いは所望の性質のものが得にくくなるため、好ましくな
い。なお、導電性繊維の熱水収縮率の測定方法も、前記
した非導電性合成繊維の熱水収縮率の測定方法と同一で
ある。
【0012】次に、前記したA糸条とB糸条とを用い、
A糸条が表側となり、B糸条が裏側(A糸条による編目
の内側)となるように添糸編で編成する。添糸編で編成
することにより、A糸条が均一に表側に配置され、B糸
条が均一に裏側に配置されるのである。具体的に添糸編
で編成するには、編機の2穴給糸口にA糸条とB糸条と
を別個に規則正しく配列し、糸条の張力や編針に対する
糸条の入角度を均一にして行なう。添糸編の組織として
は、両面編と平編を組み合わせたモックロディー,モッ
クミラノリブ,ミラノリブ,ダブルピッケ,タックリバ
ーシブル等の組織が好適に用いられる。なお、B糸条は
平編部位に給糸するのが好ましい。
【0013】添糸編の具体的方法は、例えば、図2に示
した給糸口を使用して行われる。図2において、1,2
は給糸糸条を示しており、α,βは給糸穴を示してい
る。B糸条を編地の表面の内側に編込む場合には、1に
B糸条を用いて給糸穴βに給糸し、2にA糸条を用いて
給糸穴αに給糸すればよい。また、B糸条を編地の裏面
の内側に編込む場合には、1にA糸条を用いて給糸穴β
に給糸し、2にB糸条を用いて給糸穴αに給糸すればよ
い。また、添糸編の製編組織としては、例えば、図1に
示した組織を採用することができる。図1は、編目を模
式的に表わしたものであり、実線部がA糸条で破線部が
B糸条である。図1中、2F,7Fに添糸編を用いてB
糸条を給糸している。
【0014】本発明の如く添糸編で編成せずに、A糸条
とB糸条とを単に引き揃えて編成した場合には、反転現
象が生じ、A糸条が均一に表側に配置されにくくなるの
で、好ましくない。また、B糸条を単独に用いて、両タ
ック編で編地の表裏を結節する部分に使用して、編地の
内側に編込む方法、あるいはインレイ方式により編地の
中に挿入する方法等によって、B糸条が編地の表側に現
われない方法を採用することも考えられるが、いずれの
場合も添糸編を採用した場合に比較して、B糸条が編地
の表側に飛び出しやすいものであった。即ち、これらの
場合には、編地を編成した状態では、B糸条が編地内に
編込まれているが、染色加工工程を経たときには、導電
性繊維よりなるB糸条が編地表面に飛び出してくるので
ある。この理由は、両タック編により編込みにおいて
は、B糸条の結合点はタック点だけで、残りのシンカー
ループ部分が動きやすいこと、一方インレイ方式による
編込みにおいても、B糸条は編地との接合点が全く無い
ため、B糸条が動きやすいことによる。これに対して、
B糸条が添糸編によってA糸条の編目の内側に配置され
ていると、A糸条によってB糸条が覆われた状態とな
り、B糸条が動きにくく、B糸条が編地の表側に飛び出
しにくくなるのである。
【0015】添糸編によって編地を編成する際、両糸条
の重量割合は、A糸条が60〜99.8重量%となるように
し、B糸条が0.2〜40重量%となるようにする。A糸条
の重量割合が60重量%未満になると、添糸編の際に反転
現象が生じたり、あるいは編疵が生じたりして、所望の
編地が得にくくなり好ましくない。A糸条の重量割合が
99.8重量%を超えると、良好なる制電性が得られなくな
るため、好ましくない。一方、B糸条の重量割合が40重
量%を超えると、比較的剛性の大きい導電性繊維の割合
が高くなるため、風合が粗硬となったり、あるいは導電
性繊維として黒色等に着色されたものを採用した場合、
得られる編地が灰色系となって、所望の色相を実現しに
くくなるため、好ましくない。B糸条の重量割合が0.2
重量%未満になると、良好な制電性を付与できなくなる
ため、好ましくない。
【0016】前述した方法で得られた編地には、多くの
場合、従来公知の染色加工が施される。この染色加工の
際、編地は高温下に置かれるため、収縮する。本発明に
おいては、A糸条を構成する非導電性合成繊維の熱水収
縮率が15%以下となっており、またB糸条を構成する導
電性繊維の熱水収縮率が10%以下となっているため、A
糸条の収縮によってB糸条が編地の表面に飛び出すのを
防止することができる。従って、本発明においては、高
温下における染色加工を施しても何ら問題が生じない
し、また特別に加熱して収縮処理しても差し支えない。
【0017】また、編地には撥水加工が施される。撥水
加工は、染色加工を行うときには染色加工と同時に行っ
てもよいし、別個に(例えば、染色加工後に)行っても
よい。また、収縮処理を施すときには、この収縮処理と
同時に行ってもよいし、別個に(例えば、収縮処理後
に)行ってもよい。この撥水加工は、従来公知の撥水剤
を使用して行われる。即ち、ポリテトラフルオロエチレ
ンやペルフルオロオクチルアクリレート等を主成分とし
た弗素系撥水剤、ジメチルポリシロキサンやメチルヒド
ロキシシロサン等を主成分としたシリコーン系撥水剤、
ステアラミドメチルピリジニュウムクロライドやオクタ
デシルオキシメチルピリジニュウムクロライド等のピリ
ジニュウム塩系撥水剤、エチレン尿素系撥水剤等を使用
することができる。この中でも、特にポリテトラフルオ
ロエチレンやペルフルオロオクチルアクリレート等を主
成分とした弗素系撥水剤を使用すると、良好な撥水性が
得られるので好ましい。
【0018】撥水加工は、一般的に、水に撥水剤を分散
若しくは溶解させた水溶液、又はパークロルエチレン等
の溶剤に撥水剤を分散若しくは溶解させた溶剤溶液を、
編地に付与することによって行われる。この水溶液や溶
剤溶液としては、非導電性合成繊維や導電性繊維に対し
て浸透性の良好なものを使用するのが好ましい。特に、
水溶液を使用した場合には、イソプロピルアルコール等
の撥水性を低下させない浸透剤を、水溶液中に添加する
のが好ましい。水溶液や溶剤溶液を付与する方法として
は、既知のパッディング法や浸漬法等を採用することが
できる。パッディング法を採用した場合には、水溶液や
溶剤溶液中の撥水剤の浸透を良くするため、2ニップ・2
ディップ等の方法で行うのが好ましい。編地に対する撥
水剤の付着量は、編地重量に対して0.5〜10重量%程度
が好ましい。撥水剤の付着量が0.5重量%以下では、良
好な撥水性が得られにくい傾向となる。逆に、撥水剤の
付着量が10重量%を超えても、撥水性の向上が飽和状態
となって、更なる撥水性の向上が望めず、撥水剤が無駄
となって不経済である。
【0019】以上のようにして、高性能の撥水性及び高
性能の制電性を併有する編地を得ることができるのであ
る。以下、更に詳細に、実施例に基づいて説明する。
【実施例】
実施例 A糸条として、ポリエステルマルチフィラメント75デニ
ール/36フィラメントの仮撚加工糸条を準備した。この
マルチフィラメントを構成する単糸フィラメントの繊度
は2.0デニールであり、熱水収縮率は6%であった。B糸
条として、以下に説明する芯部と鞘部とで構成されてい
る導電性芯鞘型複合繊維よりなるマルチフィラメント25
デニール/2フィラメントを準備した。このマルチフィ
ラメントを構成する単糸フィラメントの繊度は12.5デニ
ールであり、熱水収縮率は8%であった。導電性芯鞘型
複合繊維の芯部は、二酸化チタン粒子に比抵抗5Ω・cm
の酸化第二錫をコーティングした粒径0.2μの粒子65重
量部と、固有粘度0.87及び融点235℃のポリブチレンテ
レフタレート35重量部とが均一に混合されてなるもので
構成されている。一方、導電性芯鞘型複合繊維の鞘部
は、エチレンテレフタレート1重量部とエチレンイソフ
タレート9重量部とが共重合されてなる、固有粘度0.7
1,融点231℃及びガラス転移点65℃の共重合体中に二酸
化チタン顔料を7.5重量%含有させたもので構成されて
いる。
【0020】前記のA糸条とB糸条を用いて、図1に示
す編組織で且つ以下に示す給糸法で給糸して編地を編成
した。即ち、1F,3F,4F,5F,6F,8F,9
F,10FにA糸条のみを給糸した。一方、2F及び7F
には、A糸条とB糸条を図2に示す給糸口により、1に
A糸条を用いて給糸穴βに給糸し、2にB糸条を用いて
給糸穴αに給糸した。以上の如き、給糸方法で添糸編に
よって編地を編成した。以上の編成は、福原精機製ダブ
ルニット機LPJ-H 型を用い、釜径33",ゲージ28G で編成
した。この場合、編地におけるB糸条の位置関係は、編
地の裏側のA糸条編目の内側となり、さらに2Fと7F
に給糸しているため鹿の子状の均一な配置となる。な
お、A糸条とB糸条の編地における重量比率は、A糸条
が95重量%で、B糸条が5重量%であった。
【0021】このようにして得られた編地を、常用され
ている染色加工方法で染色し、水洗及び乾燥後、以下の
方法で撥水加工を施した。即ち、アサヒガードAG710
(旭ガラス株式会社製、弗素系撥水剤)60g/l、イソ
プロピルアルコール50g/lの水浴に浸漬し、2ニップ
・2ディップ法にて、繊維重量に対しアサヒガードAG710
を2重量%付与し乾燥した。得られた制電性撥水編地
は、巾160cmで目付450g/mであった。また、この制電
性撥水編地は、表1に示したように、優れた制電性を有
し、且つ撥水性に富んだものであった。
【0022】比較例 実施例においてA糸条とB糸条を添糸給糸した2F及び
7Fに、A糸条及びB糸条に代えて、ポリエステルマル
チフィラメント100デニール/36フィラメントの仮撚加
工糸条を通常の方法で給糸した以外は、実施例と同様の
方法で編地を編成し、染色加工及び撥水加工を行った。
得られた撥水性編地は、巾160cmで目付450g/mであっ
た。撥水性編地の風合及び撥水性は、実施例に係る制電
性撥水編地と近似したものであったが、表1に示したと
おり、制電性に劣るものであった。
【0023】
【表1】
【0024】表1中の各項目の評価方法及び測定方法等
は、以下のとおりである。 1)帯電電荷量:帯電電荷量は、タンブラー法(JIS T-81
18)で測定した。即ち、摩擦用綿布を内面全面に張り付
けたタンブラー乾燥機に試料を投入し、60℃×15分間運
転した後、手指にポリエチレン製手袋を着用して試料を
取り出し、ファラデーケージに投入し、ファラデーケー
ジの電位を測定した。この電位から次式によって帯電電
荷量を算出した。即ち、帯電電荷量(クーロン)=[コ
ンデンサー容量(ファラッド)]×[電位(ボルト)]
である。そして、帯電電荷量を三段階にランク付けし、
帯電電荷量の少ない順に、◎,○,×とした。 2)表面漏洩抵抗:表面漏洩抵抗は、短冊状試料の長さ方
向の両端を電極で把持し(把持間隔は1.5cm)、次式に
て表面漏洩抵抗を求めた。即ち、表面漏洩抵抗=測定電
圧/電流である。但し、測定電圧は原則として500Vと
した。そして、表面漏洩抵抗の値を三段階にランク付け
し、表面漏洩抵抗の少ない順に、◎,○,×とした。 3)アッシュテスト:アッシュテストは、摩擦用綿布と試
料を往復10回強く摩擦した後、タバコの灰の4.5cm上に
試料を近づける。そして、灰の付着量を三段階にランク
付けし、付着量の少ない順に、◎,○,×とした。 4)HL:HLは洗濯回数を表わすものであり、HL-0は洗濯な
しの試料、HL-5はJISL-0217 103法で5回洗濯した後、更
に湯洗1回を行って乾燥後、調湿した試料、同様にHL-50
は50回洗濯、HL-100は100回洗濯した後の試料である。 5)撥水性能:撥水性能は、スプレー法(JIS L-1018)に
準じて測定した値である。
【0025】
【発明の効果】以上説明した本発明に係る方法で得られ
た制電性撥水編地は、一般に使用されている非導電性合
成繊維よりなるA糸条の編目の内側に、導電性繊維より
なるB糸条の編目を位置せしめ、均一なる表面感を現出
させているため、編地全体があたかも一般に使用されて
いる非導電性合成繊維よりなるA糸条で構成されている
ように見え、B糸条を構成している導電性繊維の持つ灰
色あるいは黒色の欠点を補い、編地の外観が損なわれる
のを防止できるという効果を奏する。特に、編地を淡色
系色相に染色加工した場合においても、導電性繊維の持
つ灰色あるいは黒色が表面に現われにくく、編地の外観
が損なわれにくいという効果を奏する。
【0026】また、本発明に係る方法は、A糸条の編目
が表側に位置し、B糸条がこの編目の内側に位置せしめ
られている編地に、撥水剤を付与して撥水加工を施すた
め、撥水剤が編地の表面に均一に付着しやすく、表面の
撥水性が均質な編地を得ることができるという効果を奏
する。何故なら、編地の表面にはB糸条が殆ど露出せず
に、A糸条が均一に露出しているので、撥水剤が付着し
にくいB糸条を用いた場合であっても、編地表面を形成
しているA糸条に均一に撥水剤が付着するからである。
また、風合の悪いB糸条を用いた場合であっても、編地
表面にはB糸条が殆ど露出せずに、A糸条が均一に露出
しているので、編地表面の風合が低下するのを防止しう
る。
【0027】従って、本発明によれば、導電性繊維によ
る半永久的な制電性と、表面の撥水性が均質で且つ高性
能であるという良好な撥水性とを併有し、且つ風合の良
好な制電性撥水編地を得ることができるという効果を奏
する。依って、本発明に係る方法で得られた制電性撥水
編地を、老人用シーツ等として使用すれば、尿の漏れ防
止と乾燥期に度々発生する静電気の防止とを図ることが
でき、好適に使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる編組織の一例を示す図である。
【図2】本発明に用いる編成法の一例を示した概略図で
ある。
【符号の説明】 A A糸条 B B糸条

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度が5デニール未満で且つ熱水収縮率
    が15%以下の非導電性合成繊維よりなる糸条(以下、
    「A糸条」と言う。)と、繊度が15デニール未満で熱水
    収縮率が10%以下の導電性繊維よりなる糸条(以下、
    「B糸条」と言う。)とを用い、添糸編によってA糸条
    を表側に位置せしめ、B糸条を裏側に位置せしめるよう
    にし、且つA糸条の重量割合が60.0〜99.8重量%でB糸
    条の重量割合が0.2〜40.0重量%となるようにして製編
    し、得られた編地に撥水剤を付与することを特徴とする
    制電性撥水編地の製造方法。
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